JP2024076754A - 屋根パネルの固定構造 - Google Patents

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光彦 矢崎
Mitsuhiko Yazaki
祐希 小谷野
Yuki Koyano
由香 白崎
Yuka Shirasaki
祐吾 太田
Yugo Ota
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Abstract

【課題】母屋やブレースが不要又は少ない屋根パネルの固定構造を提供する。【解決手段】平面視で矩形状の屋根パネル100と、横架材200と、複数の固定具300と、を備える。屋根パネル100は、非構造部材である複数のサンドイッチパネル110と、パネル連結具6と、を備える。サンドイッチパネル110は、平面視で長方形であって、一方の長辺に沿って嵌合凸部5を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部4を有する。隣接するサンドイッチパネル110は、嵌合凸部5と嵌合凹部4とが嵌合することにより接続される。パネル連結具6は、接続された嵌合凸部5と嵌合凹部4とに挿入される。屋根パネル100の四隅部分105は、複数の固定具300により横架材200上に固定される。【選択図】図1

Description

本開示は、屋根パネルの固定構造に関する。より詳細には、本開示は、平面視で矩形状の屋根パネルと、横架材と、複数の固定具と、を備える屋根パネルの固定構造に関する。
特許文献1には、屋根の施工方法が開示されている。この屋根の施工方法では、略平行に配された複数の横架材と、複数の横架材に略直交して架け渡されさらに天端合わせで落とし込まれた複数の垂木とを有する第1の垂木パネルを用いる。第1の垂木パネル上には構造用合板がビスで固定される。また、構造用合板上には第2の垂木パネルが配置され、第2の垂木パネル上には、さらに構造用合板がビスで固定される。
特開2019-60165号公報
上記のようにして形成される屋根において、強度向上のために母屋やブレースが使用されることがあるが、母屋やブレースを施工するための労力が必要となり、施工の省力化を図りにくい、という問題があった。
本開示は、母屋やブレースを削減して施工の省力化を図ることができる屋根パネルの固定構造を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る屋根パネルの固定構造は、平面視で矩形状の屋根パネルと、横架材と、複数の固定具と、を備える。前記屋根パネルは、非構造部材である複数のサンドイッチパネルと、パネル連結具と、を備える。前記サンドイッチパネルは、平面視で長方形であって、一方の長辺に沿って嵌合凸部を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部を有する。隣接する前記サンドイッチパネルは、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することにより接続される。前記パネル連結具は、嵌合された前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とを締結する。前記屋根パネルの四隅部分は、前記複数の固定具により前記横架材に固定される。
本開示によれば、非構造部材である複数のサンドイッチパネルが、嵌合凸部と嵌合凹部との嵌合により接続され、接続された嵌合凸部と嵌合凹部とをパネル連結具で連結して屋根パネルを形成することにより、屋根パネルに生じるせん断応力を抑制することができ、しかも、屋根パネルは、四隅部分が横架材に固定されるため、屋根パネルが軒棟方向や桁行方向に揺れたりねじれたりしてロッキング変形しても、横架材から屋根パネルが外れることがなく、母屋やブレースを削減しても、屋根パネルの固定強度が低下しにくくなって、施工の省力化を図ることができる。
図1は、本開示に係る屋根パネルの固定構造の実施形態を示す斜視図である。 図2は、同上の実施形態におけるサンドイッチパネルを示す断面図である。 図3は、同上の実施形態におけるサンドイッチパネルの接続状態を示す断面図である。 図4は、同上の実施形態におけるパネル連結具を示す斜視図である。 図5Aは、同上の実施形態における屋根パネルの固定構造の一部を示す断面図である。図5Bは、同上の実施形態における他の屋根パネルの固定構造の一部を示す断面図である。 図6Aは、図5A及び図5Bのx-x矢視図である。図6Bは、図5Aのy-y矢視図である。 図7は、同上の実施形態における屋根パネルの固定構造の一部を示す断面図である。 図8Aは、同上の実施形態における屋根パネルの固定構造の一部を示す平面図である。図8Bは、図8Aにおける縦方向の断面図である。図8Cは、図8Aにおける横方向の断面図である。 図9は、同上の実施形態における変形例の一例を示す断面図である。 図10は、同上の実施形態における変形例の他例を示す断面図である。
実施形態及び変形例について、図1から図10までを参照して説明する。なお、下記の実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、変形例の構成を適宜組み合わせることも可能である。
以下において参照する図は、いずれも模式的な図であり、図中の構成要素の寸法比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係る屋根パネル100の固定構造は、平面視で矩形状の屋根パネル100と、横架材200と、複数の固定具300と、を備える。屋根パネル100は、非構造部材である複数のサンドイッチパネル110と、パネル連結具6と、を備える。サンドイッチパネル110は、平面視で長方形であって、一方の長辺に沿って嵌合凸部5を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部4を有する。隣接するサンドイッチパネル110は、嵌合凸部5と嵌合凹部4とが嵌合することにより接続される。パネル連結具6は、嵌合された嵌合凸部5と嵌合凹部4とを締結する。屋根パネル100の四隅部分は、複数の固定具300により横架材200に固定される(図1参照)。
本実施形態では、非構造部材である複数のサンドイッチパネル110が、嵌合凸部5と嵌合凹部4との嵌合により接続され、接続された嵌合凸部5と嵌合凹部4とをパネル連結具6で連結して屋根パネル100を形成する。また、屋根パネル100は、四隅部分が横架材200に固定されるため、屋根パネル100が軒棟方向や桁行方向に揺れたりねじれたりしてロッキング変形しても、横架材200から屋根パネル100が外れることがなくなる。よって、母屋やブレースを削減しても、屋根パネル100の固定強度が低下しにくくなって、施工の省力化を図ることができる。
(2)詳細
本実施形態の屋根パネル100の固定構造は、工場、工場内の機械操作室や電気室、体育館、植物工場、コンビニエンスストア、通常の家屋などの建物の屋根を形成する際に好適に用いられる。
図1に示すように、本実施形態の屋根パネル100の固定構造は、屋根パネル100と、横架材200と、複数の固定具300と、を備える。
<屋根パネル100>
屋根パネル100は、平板状に形成される。屋根パネル100は、平面視(屋根パネル100を施工した状態で上方から見た場合)で矩形状に形成される。屋根パネル100は、例えば、平面視で長方形であって、この場合、屋根パネル100の二つの対向する辺101は短辺として形成され、他の二つの対向する辺102が長辺として形成される。以下、辺101を短辺101という場合があり、辺102を長辺102という場合がある。なお、屋根パネル100は、平面視で正方形であってもよく、この場合、辺101と辺102は同じ長さである。
屋根パネル100は、複数のサンドイッチパネル110と、パネル連結具6と、を備える。図1の屋根パネル100は、5つのサンドイッチパネル110を有しているが、これに限定されず、2つ以上のサンドイッチパネル110で1つの屋根パネル100を構成することができる。
サンドイッチパネル110は、図2に示すように、第1の金属外皮(外皮材)1により構成された表面板10と、表面板10に対向配置されると共に第2の金属外皮(内皮材)2により構成された裏面板20と、この表面板10と裏面板20との間に配設される芯材3とを備える。サンドイッチパネル110は、平面視(サンドイッチパネル110を施工した状態で上方から見た場合)で長方形である。サンドイッチパネル110は、一方の長辺に沿って嵌合凸部5を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部4を有する。言い換えると、サンドイッチパネル110は、幅方向の一方の端部に全長にわたって嵌合凹部4が形成され、他方の端部に全長にわたって嵌合凸部5が形成される。
上記のようなサンドイッチパネル110は、非構造部材(非耐力部材)である。ここで、構造部材とは、建物に作用する荷重を分担する(支持する)ことが可能な部材をいい、非構造部材とは、建物に作用する荷重を分担しないかほとんど分担しない部材をいう。
表面板10及び裏面板20は、例えば厚み0.35~0.8mm程度の金属板をロール加工や曲げ加工することにより形成される。この表面板10及び裏面板20の母材となる金属板は、亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ステンレス鋼板、エスジーエル(登録商標)等により構成される。
嵌合凹部4は、図2に示されるように、表面板10における幅方向の嵌合凹部4側の端部に形成された第1の側片部40と、裏面板20における幅方向の嵌合凹部4側の端部に形成された第2の側片部45とを有している。この第1の側片部40と第2の側片部45とは、一定の間隔を介して厚み方向に離間しており、長さ方向の全長に亘って平行している。
第1の側片部40は、表面板10に設けられ且つ嵌合凹部4の外側面を形成する第1の外片41と、この第1の外片41の端縁が芯材3側に折り返されて形成された第1の内片42とから構成されている。この第1の内片42は、第1の外片41と略平行となっており、嵌合凹部4の一方側の内側面を構成する。表面板10は、第1の内片42の幅方向中央側の端部から裏面板20側に向けて延設された奥片43と、奥片43における厚み方向中央側の端部から幅方向中央側に向けて延設された埋設片44とを有している。この埋設片44は芯材3内に埋設されている。
第2の側片部45は、第1の側片部40とほぼ同様の構成となっており、裏面板20に設けられ且つ嵌合凹部4の外側面を形成する第2の外片46と、この第2の外片46の端縁が芯材3側に折り返されて形成された第2の内片47とから構成されている。この第2の内片47は、第2の外片46と略平行となっており、嵌合凹部4の他方側の内側面を構成する。裏面板20は、第2の内片47の幅方向中央側の端部から表面板10側に向けて延設された奥片48と、奥片48における厚み方向中央側の端部から幅方向中央側に向けて延設された埋設片49とを有している。この埋設片49は芯材3内に埋設されている。
嵌合凹部4は、その内面が、第1の内片42及び第2の内片47、並びに第1の奥片43と第2の奥片48との間に位置する芯材3の露出面31とで構成されている。嵌合凹部4には、その奥面に板状パッキン32が配設されている。なお、この板状パッキン32には、例えば、無機膨張材が混入したロックウールフェルト(耐火仕様)やゴムパッキン(通常仕様)などが用いられる。
嵌合凸部5は、図2に示されるように、表面板10側の嵌合凸部5の外側面を形成する第1の凸部外側片51と、この第1の凸部外側片51の端縁が芯材3側に折り返されて形成された第1の凸部折返片52と、裏面板20側の嵌合凸部5の外側面を形成する第2の凸部外側片53と、この第2の凸部外側片53の端縁が芯材3側に折り返されて形成された第2の凸部折返片54とを備えている。本実施形態の嵌合凸部5は、第1の凸部外側片51と第2の凸部外側片53とで挟まれた領域に芯材3が充填されて構成されており、当該嵌合凸部5の突出端面は芯材3により構成される。第1の凸部折返片52と第2の凸部折返片54とは、第1の凸部外側片51及び第2の凸部外側片53に対し、略平行に形成されており、芯材3に埋設され固定されている。
嵌合凸部5は、その外側面間の寸法(厚み方向の寸法)が、嵌合凹部4の内側面間の寸法と同等かあるいは僅かに小さく形成されている。嵌合凸部5は、第1の凸部外側片51の幅方向中央側の端部に屈曲形成された第1の段部11と、第2の凸部外側片53の幅方向中央側の端部に屈曲形成された第2の段部21とを有している。この第1の段部11及び第2の段部21は、図3に示されるように、嵌合凸部5と嵌合凹部4とが嵌合された状態で、嵌合凹部4の第1の側片部40及び第2の側片部45の先端と、近接対向するよう隙間を介して離間している。
芯材3は、表面板10と裏面板20との間に充填されるものである。本実施形態の芯材3は、断熱材により構成されており、例えば、ポリイソシアヌレートフォームで形成されている。本実施形態の断熱材としては、一般的に使用される断熱材が用いられてもよい。一般的に使用される断熱材とは、例えば、ロックウールやグラスウールなどの無機質断熱材や、ウレタンフォームやスチレンフォームやフェノールフォーム等の樹脂断熱材が挙げられる。
屋根パネル100は、複数のサンドイッチパネル110が同一平面上に並んで形成される。ここで、隣接する2つのサンドイッチパネル110は、嵌合凸部5と嵌合凹部4とが嵌合することにより接続される。すなわち、隣接する2つのサンドイッチパネル110のうちの一方のサンドイッチパネル110の嵌合凸部5が、他方のサンドイッチパネル110の嵌合凹部4に差し込まれて嵌合することにより、隣接する2つのサンドイッチパネル110が接続される。1つの屋根パネル100を構成するサンドイッチパネル110の数は、建物の屋根の大きさ等によって、適宜調整されるが、例えば、3~10である。
パネル連結具6は、隣接する2つのサンドイッチパネル110を締結する。パネル連結具6は、例えば、タッピングビスなどのビスが使用される。パネル連結具6は、嵌合された嵌合凸部5と嵌合凹部4とを構成する内皮材と前記外皮材とを貫通する。これにより、パネル連結具6は、嵌合された嵌合凸部5と嵌合凹部4とを締結する。
嵌合された嵌合凸部5と嵌合凹部4とを締結するパネル連結具6は、図3に示されるように、その先端が、第2の内片47と第2の外片46との間に位置している。つまりパネル連結具6は、第1の外片41、第1の内片42、嵌合凸部5の第1の凸部外側片51、第1の凸部折返片52、第2の凸部折返片54、第2の凸部外側片53、第2の内片47を順に貫通し、すなわち、これら計7枚の金属板を貫通するが、第2の外片46を貫通しないよう構成されている。特に、パネル連結具6は、その先端(すなわち後述の円錐状頂部66)が、第2の内片47と第2の外片46との間に位置しており、第2の外片46には接触していない。
パネル連結具6は、図4に示されるように、螺旋状のねじ山63を有するねじ具61によって構成されている。ねじ具61は、頭部62と軸部67とで構成されている。軸部67は、その先端が鋭利に尖った円錐状頂部66となっており、軸部67の頭部62側の端部からこの円錐状頂部66に亘って途切れることなく連続して螺旋状のねじ山63が設けられている。なお、この軸部67先端にはドリル刃が形成されていない。頭部62は、天面64が平坦に形成されており、軸部67との接続部分が軸部67側ほど小径に形成されたラッパ状部65により形成されている。
パネル連結具6は、天面64から円錐状頂部66までの長さ(ねじ長さ)が、約32~33.5mm(なお、軸径φ4.2)に形成されており、規格で定められた基準寸法(JIS/ISOによる規格寸法)にはない長さに形成されている。なお、本実施形態の建築用パネルの厚みは、約35mmとなっている。
このように屋根パネル100は、パネル連結具6が、第1の外片41及び第1の内片42及び嵌合凸部5及び第2の内片47を貫通するが、第2の外片46を非貫通としているため、嵌合凹部4と嵌合凸部5とを強固に固着した状態で、裏面板20にパネル連結具6の先端が露出せず、したがって見栄えの低下を防ぐことができる。これにより、耐火性を確保でき、しかも意匠性も良好なものとすることができる。
<屋根パネル100の固定構造>
本実施形態において、屋根パネル100は、建物の躯体(骨組み)を構成する複数の横架材200に固定される。横架材200は、水平方向に延びる部材であって、例えば、梁である。図1では、第1~5の横架材201~205を示している。第1及び第3の横架材201、203は、例えば、大梁として形成される。同様に、第2の横架材202は桁梁、第4の横架材204はつなぎ梁、第5の横架材205は妻梁などとして形成される。第1、第3及び第5の横架材201、203、205は平行に配置され、第2と第4の横架材202,204が平行に配置されている。また第1、第3及び第5の横架材201、203、205と、第2及び第4の横架材202,204とが、直交するように配置されている。各横架材200は、鉛直方向に延びる複数の柱206の間に架け渡して設けられている。この場合、各横架材200の長手方向の端部が柱206の側面に金具等で固定される。横架材200及び柱206は、例えば、H形鋼、L形鋼、I形鋼、C形鋼、角形鋼管などで形成することができる。
なお、図1中の符号130は壁パネル、符号210は中間胴縁、符号211は土台梁を示す。符号302は、壁パネル130を横架材200(第1~5の横架材201~205)、中間胴縁210及び土台梁211に固定するビス等の固定具である。
屋根パネル100は、複数の柱206及び複数の横架材200上に載置される。ここで、屋根パネル100は、複数のサンドイッチパネル110及び複数のパネル連結具6を地上で組み立てた後、横架材200上に搬送してもよいし、複数のサンドイッチパネル110及び複数のパネル連結具6を横架材200上に搬送した後、柱206上及び横架材200上で屋根パネル100に組み立ててもよい。
図5A、図5B及び図6Aに示すように、屋根パネル100は、平面視における四隅部分105が固定具300で横架材200に固定される。図5A及び図6Bに示すように、屋根パネル100は、四隅部分105の下方の柱206にも固定具300で固定されてもよいし、図5Bに示すように、屋根パネル100は、四隅部分105の下方の柱206に固定されなくてもよい。固定具300としては、ドリルビスや釘などを使用することができる。固定具300は、屋根パネル100の四隅部分105に上方から挿入され、サンドイッチパネル110の表面板10、芯材3,裏面板20を貫通して横架材200にまで打ち込まれる。
本実施形態において、屋根パネル100の四隅部分105とは、屋根パネル100の各角部(直交する辺101と辺102の交点)106から、辺101が延びる方向に沿って、350mmまでの範囲で、かつ横架材200の幅寸法(例えば、100mm)に対応する部分を言う。すなわち、屋根パネル100の四隅部分105とは、屋根パネル100の各角部106から、第3及び第5の横架材203、205が延びる方向に沿って、350mmまでの範囲で、かつ第3及び第5の横架材203、205の幅寸法に対応する部分を言う。なお、屋根パネル100の大きさによっては、四隅部分105とは、屋根パネル100の各角部106から、辺101が延びる方向に沿って、250mmまでの範囲で、かつ横架材200の幅寸法に対応する部分であってもよい。複数の固定具300は、四隅部分105に、辺101が延びる方向に沿って、0mmより大きく50mm以下の間隔で設けられる。複数の固定具300は、平面視で一直線上に並ぶ必要はなく、例えば、平面視でジグザク(千鳥)で配置されてもよい。
また、屋根パネル100は、四隅部分を横架材200に固定するのに加えて、他の部分(四隅部分以外)も横架材200に固定される。ここで、屋根パネル100を構成する各サンドイッチパネル110の短辺に沿った端部111が複数の固定具301により横架材200に固定される。すなわち、図7及び図8A~Cに示すように、各サンドイッチパネル110の短辺に沿った端部111は、第3の横架材203又は第5の横架材205の上に載置され、複数の固定具301を打ち込むことにより第3の横架材203又は第5の横架材205に固定される。固定具301は、固定具300と同様のドリルビスを使用することができる。また、各サンドイッチパネル110の長手方向の略中央部113は、第1の横架材201の上に載置され、複数の固定具301により第1の横架材201に固定される。
ここで、複数の固定具301は、サンドイッチパネル110の短手方向(端部111の延びる方向)で等間隔に設けられていない。すなわち、図7及び図8A~Cに示すように、第1、第3及び第5の横架材201、203及び205に屋根パネル100を固定している複数の固定具301の間隔は、各サンドイッチパネル110の短辺に沿った端部111の中央部(短手方向の中央部)よりも側端部(短手方向の端部)の方が狭い。本実施形態では、短辺の側端部における固定具301の間隔をPE、短辺の中央部における固定具301の間隔をPCとして示した場合、中央部には固定具301が設けられておらず、PC>PEの関係が成り立つ。このように、各サンドイッチパネル110の短辺に沿った端部111では、側端部に複数の固定具301が集中して打ち込まれてサンドイッチパネル110が横架材200に固定されている。これにより、複数の固定具301の間隔が、端部111の全長に亘って均等である場合に比べて、横架材200への屋根パネル100の固定強度が向上する。
サンドイッチパネルの短辺に沿った端部111の中央部の長さは、端部111の全長に対して、30%以上50%以下に設定することができる。この場合、端部111の一つの側端部の長さは、端部111の全長に対して、25%以上35%となる。例えば、サンドイッチパネル110の短手方向の長さが910mm、長手方向の長さが5460mmの場合、側端部の長さは250mm、中央部の長さは410mm、側端部における固定具301の間隔PEは50mm、中央部における固定具301の間隔PCは410mmと設定することができる。側端部における固定具301の間隔PEは、中央部における固定具301の間隔PCに対して、2倍以上10倍以下に設定することができる。
本実施形態では、サンドイッチパネル110の長辺と平行な屋根パネル100の端部112は、横架材200に固定されない。すなわち、屋根パネル100の長辺102に沿った二つの端部112は、それぞれ、第2の横架材202と第4の横架材204との上に載置されるが、この端部は、第2の横架材202と第4の横架材204に固定されていない。これにより、屋根パネル100は、長辺102に沿った二つの端部112を横架材200に固定する場合に比べて、ロッキング変形しやすくなる。すなわち、屋根パネル100は、固定された四隅を中心にして揺動しやすくなる。従って、地震等が発生しても、屋根パネル100がロッキングして破損しにくくなる。なお、本実施形態では、サンドイッチパネル110の長辺と平行な屋根パネル100の端部112が、横架材200に固定されない場合を説明したが、これに限らず、サンドイッチパネル110の長辺と平行な屋根パネル100の端部112は、横架材200に固定されていてもよい。
また、本実施形態では、横架材200は、隣接するサンドイッチパネル110の接続部分120の下方において、サンドイッチパネル110の長辺と平行な方向に沿って、配置されていない。すなわち、隣接するサンドイッチパネル110は、嵌合凸部5と嵌合凹部4とを嵌合することにより接続されているが、嵌合凸部5と嵌合凹部4の嵌合部分の下方には、第2の横架材202や第4の横架材204と平行に延びる母屋等の横架材が存在していない。このように隣接するサンドイッチパネル110を嵌合凸部5と嵌合凹部4との嵌合により接続すると、屋根パネル100の強度が低下しにくくなり、隣接するサンドイッチパネル110の接続部分の下方に母屋等の横架材が少数又は不要となる。
本実施形態の屋根パネル100は、隣接する非構造部材のサンドイッチパネル110を嵌合により接続し、嵌合凹部4と嵌合凸部5の嵌合部分をパネル連結具6で締結し、せん断応力を抑制することで、剛床仮定を成立させている。ここで、「剛床」とは、水平荷重(横からの力)に対して、無限の剛性と耐力を持ち、絶対に水平方向に変形することのない床のことをいう。「剛床仮定」とは、剛床であると仮定された床のことをいい、床が水平に移動・回転してもその形状は変化しないと仮定される。本実施形態では、屋根パネル100が剛床と同等の性能(剛性)を有している仮定することができる。従って、屋根パネル100は、ブレースや母屋を使用しなくても強固な屋根を形成することができる。
本実施形態の屋根パネル100の固定構造は、電気室や植物栽培室等の建屋(建築物)に使用されることが多く、断熱効果のあるサンドイッチパネル110を用いるので、室内温度を調整しやすい。また、本実施形態の屋根パネル100の固定構造は、ブレースや母屋が少なく又は不要なため屋内がすっきりした内装になりやすい。本実施形態の屋根パネル100の固定構造は、軒棟及び桁行の揺れ、ねじれが生じた場合、ロッキング変形し、屋根パネル100の四隅部分に応力が発生するなどの影響が生じるため、屋根パネル100の四隅部分を重点的に固定し、固定強度を向上させている。
(変形例)
実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
サンドイッチパネル110は、各種形状の嵌合凹部4と嵌合凸部5とを有することができる。図9では、第1の金属外皮1は、嵌合凹部4側の端部に設けられ且つ当該嵌合凹部4の外側面を形成する第1の外片41と、この第1の外片41の端縁が芯材側に折り返されて当該嵌合凹部4の内側面を形成する第1の内片42とを有している。
また第1の金属外皮1は、嵌合凸部5側の端部に屈曲形成された覆い片55が設けられている。第1の金属外皮1は、嵌合凸部5側の端部に、覆い片55に連設するようにして嵌合凸部5の外側面を形成する第1の凸部外側片51を有しており、さらに第1の凸部外側片51の端縁が芯材3側に折り返された第1の凸部折返片52を有している。
第2の金属外皮2は、嵌合凹部4側の端部に設けられ且つ当該嵌合凹部4の外側面を形成する第2の外片46と、この第2の外片46の端縁が芯材3側に折り返されて当該嵌合凹部4の内側面を形成する第2の内片47とを有している。
また第2の金属外皮2は、嵌合凸部5側の端部に、嵌合凸部5の外側面を形成する第2の凸部外側片53を有しており、さらに第2の凸部外側片53の端縁が芯材3側に折り返された第2の凸部折返片54を有している。
このような構成のサンドイッチパネル110は、図9に示されるように、嵌合凹部4と嵌合凸部5との嵌合により、隣接する建築用パネル同士が接続される。本実施形態の建築用パネルの接続構造は、実施形態に使用したものと同じパネル連結具6を、嵌合凹部4と嵌合凸部5とが嵌合した状態で、覆い片55の外側から嵌合凸部5に向けて打入する。すると覆い片55を貫通したパネル連結具6は、第1の外片41、第1の内片42、嵌合凸部5の第1の凸部外側片51、第1の凸部折返片52、第2の凸部折返片54、第2の凸部外側片53、第2の内片47を順に貫通し、覆い片55を含めて計9枚の金属板を貫通するが、第2の外片46を貫通せず、当該パネル連結具6の先端が第2の内片47と第2の外片46との間に位置するよう構成されている。
また、サンドイッチパネル110は、図10に示すように、嵌合凹部4側の芯材3の端部と、嵌合凸部5側の芯材3の端部が、耐火材33で形成されていてもよい。この場合、パネル連結具(図示省略)は、嵌合凸部5側の耐火材33を貫通する位置に打ち込まれる。耐火材33は、ロックウールなどの断熱材よりも耐火性能の高い材料で形成され、例えば、石膏ボードを使用することができる。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る屋根パネル(100)の固定構造は、平面視で矩形状の屋根パネル(100)と、横架材(200)と、複数の固定具(300)と、を備える。屋根パネル(100)は、非構造部材である複数のサンドイッチパネル(110)と、パネル連結具(6)と、を備える。サンドイッチパネル(110)は、平面視で長方形であって、一方の長辺に沿って嵌合凸部(5)を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部(4)を有する。隣接するサンドイッチパネル(110)は、嵌合凸部(5)と嵌合凹部(4)とが嵌合することにより接続される。パネル連結具(6)は、嵌合された嵌合凸部(5)と嵌合凹部(4)とを締結する。屋根パネル(100)の四隅部分は、複数の固定具(300)により横架材(200)に固定される。
第1の態様によれば、非構造部材である複数のサンドイッチパネル(110)が、嵌合凸部(5)と嵌合凹部(4)との嵌合により接続され、接続された嵌合凸部(5)と嵌合凹部(4)とをパネル連結具(6)で連結して屋根パネル(100)を形成することにより、屋根パネル(100)に生じるせん断応力を抑制することができ、しかも、屋根パネル(100)は、四隅部分が横架材(200)に固定されるため、屋根パネル(100)が軒棟方向や桁行方向に揺れたりねじれたりしてロッキング変形しても、横架材(200)から屋根パネル(100)が外れにくくなって、母屋やブレースを削減しても、屋根パネル(100)の固定強度が低下しにくくなって、施工の省力化を図ることができる、という利点がある。
第2の態様は、第1の態様に係る屋根パネル(100)の固定構造であって、サンドイッチパネル(110)の長辺と平行な屋根パネル(100)の端部(112)は、横架材(200)に固定されない。
第2の態様によれば、屋根パネル(100)が軒棟方向や桁行方向に揺れたりねじれたりしてロッキング変形しても、横架材(200)から屋根パネル(100)がさらに外れにくくなる、という利点がある。
第3の態様は、第1又は2の態様に係る屋根パネル(100)の固定構造であって、横架材(200)は、隣接するサンドイッチパネル(110)の接続部分(120)の下方において、サンドイッチパネル(110)の長辺と平行な方向に沿って、配置されていない。
第3の態様によれば、母屋やブレースを削減しても、屋根パネル(100)の固定強度が低下しにくくなって、施工の省力化を図ることができる、という利点がある。
第4の態様は、第1~3のいずれか1つの態様に係る屋根パネル(100)の固定構造であって、サンドイッチパネル(110)は、金属製の内皮材(2)と外皮材(1)とを備える。パネル連結具(6)は、嵌合凸部(5)と嵌合凹部(4)とを構成する内皮材(2)と外皮材(1)とを貫通する。
第4の態様によれば、屋根パネル(100)に生じるせん断応力を抑制することができる、という利点がある。
第5の態様は、第1~4のいずれか1つの態様に係る屋根パネル(100)の固定構造であって、サンドイッチパネル(110)の短辺に沿った端部(111)は、複数の固定具(301)により、横架材(200)に固定される。
第5の態様によれば、屋根パネル(100)を横架材(200)にさらに強固に固定することができる、という利点がある。
1 外皮材
2 内皮材
4 嵌合凹部
5 嵌合凸部
6 パネル連結具
100 屋根パネル
105 四隅部分
110 サンドイッチパネル
111 端部
112 端部
113 略中央部
120 接続部分
200 横架材
300 固定具
301 固定具

Claims (5)

  1. 平面視で矩形状の屋根パネルと、横架材と、複数の固定具と、を備え、
    前記屋根パネルは、非構造部材である複数のサンドイッチパネルと、パネル連結具と、を備え、
    前記サンドイッチパネルは、平面視で長方形であって、一方の長辺に沿って嵌合凸部を有し、他方の長辺に沿って嵌合凹部を有し、
    隣接する前記サンドイッチパネルは、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが嵌合することにより接続され、
    前記パネル連結具は、嵌合された前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とを締結し、
    前記屋根パネルの四隅部分は、前記複数の固定具により前記横架材に固定される、
    屋根パネルの固定構造。
  2. 前記サンドイッチパネルの長辺と平行な屋根パネルの端部は、前記横架材に固定されない、
    請求項1に記載の屋根パネルの固定構造。
  3. 前記横架材は、隣接する前記サンドイッチパネルの接続部分の下方において、前記サンドイッチパネルの長辺と平行な方向に沿って、配置されていない、
    請求項1又は2に記載の屋根パネルの固定構造。
  4. 前記サンドイッチパネルは、金属製の内皮材と外皮材とを備え、
    前記パネル連結具は、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とを構成する前記内皮材と前記外皮材とを貫通する、
    請求項1又は2に記載の屋根パネルの固定構造。
  5. 前記サンドイッチパネルの短辺に沿った端部は、複数の固定具により、前記横架材に固定される、
    請求項1又は2に記載の屋根パネルの固定構造。
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