JP2011032112A - 単結晶体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ピットの発生が抑制され、バルク状でかつ結晶性の高い単結晶体の製造方法を提供する。
【解決手段】 単結晶体の製造方法は、種基板の上面であって、中心から周縁にかけて設けられた平面部と該平面部の周囲を囲むように周縁に設けられた傾斜部とを有する前記上面のうち、前記傾斜部上にマスクを設ける工程1と、前記工程1の後、気相成長法によって前記種基板上に単結晶のホモエピタキシャル成長を行う工程2と、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 単結晶体の製造方法は、種基板の上面であって、中心から周縁にかけて設けられた平面部と該平面部の周囲を囲むように周縁に設けられた傾斜部とを有する前記上面のうち、前記傾斜部上にマスクを設ける工程1と、前記工程1の後、気相成長法によって前記種基板上に単結晶のホモエピタキシャル成長を行う工程2と、を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、単結晶体を気相成長法によって成長させる単結晶体の製造方法に関するものである。
GaN,AlGaN等の窒化物体(窒化ガリウム系化合物半導体)は、高融点であること、N(窒素)の平衡蒸気圧が高いことなどから、液相からのバルク型の単結晶の製造が困難である。そのため、種基板の上に、窒化物から成る薄膜を気相成長させて、その薄膜を各種デバイス用に利用している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載の種基板を用いて単結晶体を成長させる場合、成長させた単結晶体の周りにピットが生じるため、結晶性の高いバルク状の単結晶を得ることは困難であった。
従って、本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、ピットの発生が抑制され、バルク状でかつ結晶性の高い単結晶体の製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態にかかる単結晶体の製造方法は、中心から周縁にかけて設けられた平面部と該平面部の周囲を囲むように周縁に設けられた傾斜部とを有する種基板の上面のうち、前記傾斜部上にマスクを設ける工程1と、前記工程1のうち、気相成長法によって前記種基板上にホモエピタキシャル成長を行う工程2と、を具備する。
前記単結晶はIIIB族窒化物半導体であることが好ましい。
前記工程1は、前記種基板の側面にマスクを設ける工程を含むことが好ましい。
前記工程1の前に、前記種基板の上面と同じ高さ位置の上面を有するサセプターを前記種基板の側面が覆われるように配置させる工程3をさらに具備し、工程1は、前記傾斜部上および前記サセプター上にマスクを設ける工程を含むことが好ましい。
前記気相成長法は、ハイドライド気相成長法であることが好ましい。
本発明の単結晶体の製造方法によれば、種基板の傾斜部をマスクにより覆うことにより、多結晶体発生の要因となるピットの発生を抑制できるため、バルク状でかつ結晶性の高い単結晶体を製造することが可能となる。
図1に、種基板1の上面図および断面図を示す。一般的に結晶成長に使用される種基板1は、その上面に2つの領域を有する。1つは上面の中心から周縁にかけて設けられた平面部1aであり、もう1つは平面部1aの周囲を囲むように周縁に設けられ、平面部1aの面に対して傾斜した傾斜面1bである。平面部1aは、単結晶を成長させるために鏡面処理された成長面の領域をいう。また傾斜面1bは、平面部に対して少しでも傾斜したものをいう。傾斜角としては例えば0°より大きく、90°未満である。なお、この傾斜角は、平面部1aと傾斜面1bとがなす鋭角の角度をいう。
傾斜面1bとしては、例えば、面取りされて作製されたものが挙げられる(傾斜角が30〜60°)。
種基板1としては、ここではIIIB族窒化物単結晶体を用いた例で説明する。具体的には、GaN,AlGaNなどの窒化ガリウム系化合物半導体、AlNなどが好適に用いられる。また、種基板1の厚みは0.3〜0.6mm程度である。また、種基板1の直径は20mm〜60mmである。
なお、マスクの形成法としては、一般的なフォトリソグラフィ法が用いられる。
本発明の単結晶体の製造方法では、上述のようにマスク2を形成したのち、気相成長法によって種基板1上にホモエピタキシャル成長によることで結晶性に優れたバルク状(例えば、1mm以上の厚み)の単結晶体3を成長させる(図3参照)。
ホモエピタキシャル成長を行う際、平面部1aだけでなく、図3(c)に示す矢印Aのように、マスク上にも単結晶体3が成長する。マスク上にも単結晶体が成長することにより、バルク状に単結晶成長させたとしても、得られた単結晶体3は、種基板1と変わらないくらいの大きな口径を有することができる。なお、上述の成長を行うためには、マスクの厚みは1μm以下であることが好ましい。
また、傾斜部1b上にマスク2を覆うことで、通常の平面上にマスクを覆うよりも、マスクとの接地面が増加するため、マスク2が剥がれにくくなる。
図4に示す単結晶体3の製造方法の一例は、マスク2を形成する際、傾斜部だけでなく、種基板1の側面にもマスクを設けたものである。このように、種基板1の側面にもマスクを設けることにより、粗面である種基板1の側面による単結晶体3の作製への悪影響を抑制して、より結晶性に優れた単結晶体3を作製することができる。さらに、側面に設けたマスク上にも単結晶体3を成長させることができるため、種基板1よりも大口径の単結晶体3を成長させることができる。
図5に示す単結晶体3の製造方法の一例は、マスク2を形成する前に、種基板1の周囲にサセプター4を設ける(図5(b)参照)。そして、傾斜部1bだけでなくサセプター上にもマスク2を設けることにより、広範囲にわたってマスク2を設けることができ、種基板1よりもさらに大口径の単結晶体3を成長させることができる。
なお、サセプター4は、種基板1の上面との間に大きな段差を生じさせないように同じ高さ位置の上面を有することが好ましい。これにより、種基板1の上面とサセプター4の上面との間には大きな段差が存在しない。よって、段差によって生じる単結晶体3のピットの発生を抑制することができる。
サセプター4は、種基板1の熱膨張係数が近い材料によって構成される。
得られた単結晶体3について、例えば、上面視したときに、種基板1の口径を100としたとき、得られた単結晶体3の口径は100〜110と、種基板1よりも口径の大きい単結晶体が得られる。
結晶成長に適用する気相成長法としては、ハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いることが好ましい。なお、その他の気相成長法としては有機金属気相成長法(MOVPE法)、昇華法などが挙げられるが、成長速度が速く、品質も良く、窒化物体を作製させやすいという理由によりHVPE法が好ましい。
種基板1としてGaNを用い、GaN単結晶体を形成する場合、供給されて窒化物体を成長させる原料ガスは、アンモニア(NH3)ガス,塩化ガリウム(GaCl)ガスなどが用いられる。さらに窒素(N2)ガス,水素(H2)ガス,シラン(SiH4)ガスなどを含んでいてもよい。
塩化ガリウムガスは、塩化水素をガリウム金属と800℃程度の温度で反応させることで供給される。このようにして生成した塩化ガリウムガスの原料ガスに、アンモニアガスを供給して混合させて、所定の温度とした種基板1に供給することによって種基板1の表面にGaNの単結晶体3を高速で成長させることができる。なお、反応時の圧力は、通常、HPVE法では大気圧(常圧)とする。
アンモニアガスと塩化水素ガスとの流量比は、アンモニアガスの流量が塩化水素ガスの流量の15〜80倍程度とするとよい。この比率とすることによって、GaN単結晶体の成長速度を高めることができ、GaN単結晶体中の転位を増加させる柱状結晶の成長を抑えることができる。
上述の原料ガス以外にも、単結晶体の副生成物の除去を目的としてエッチングガスを導入することができる。この副生成物は、成長させる単結晶体と同じ成分のものが多く、エッチングガスとしては、単結晶体をエッチング可能なガスが選択される。例えば、単結晶体がIIIB族窒化物単結晶体である場合、エッチングガスとしては、塩化水素、ホウ化水素、臭化水素、フッ化水素などのハロゲン化水素が挙げられる。とくに単結晶体がGaNの場合、エッチング性能に最も優れることからHClが好ましい。
以上のような本発明の製造方法により得られた単結晶体3bは、厚みが1mm以上(好ましくは10mm以上、最も好ましくは25mm以上)と大きく、平均転位密度が1×109cm−2以下と低い高品質なものが得られる。
本発明の製造方法によれば、成長途中にて通常発生するピットが少ないため、多結晶体の発生を抑制できる。よって、結晶性が高く、結晶品質のばらつきが小さく、さらに厚みが大きいバルク状の単結晶体(いわゆるインゴット)をも製造することができる。このように、大きな厚みを有し、かつ単結晶体内における結晶品質のばらつきが小さい単結晶体から、ダイシングをすることにより、複数枚の単結晶基板を切り出すことができる。そして、大口径の単結晶体が得られた場合、大口径単結晶基板を切り出すことが可能となる。
得られた単結晶体3は、例えば、以下に示す方法により基板形状に加工される。
まず、ダイアモンド砥石を使用して成長させた単結晶体3を外周研削して所定の外径とする。次に、単結晶体3を、ダイアモンド砥粒などを固着させたワイヤ、または、真鍮ワイヤにダイアモンドまたはSiC砥粒をスラリーで滴下しながら、ワイヤの往復運動で結晶を切断するワイヤーソーにより、所定厚み(例えば0.6mm)のウェハ形状に切り出す。
そして、単結晶ウェハの両面をダイアモンド砥粒、または、SiC砥粒を用いて粗研磨した後に、コロイダルシリカを用いてデバイス工程で使用する表面を鏡面研磨することにより、単結晶ウェハ基板を得る。
以上より、光学素子、電子素子に適用される窒化ガリウム系化合物半導体をエピタキシャル成長するのに好適なバルク型でかつ高品質な単結晶基板の製造が可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
1:種基板
1a:平面部
1b:傾斜部
2:マスク
3:単結晶体
4:サセプター
1a:平面部
1b:傾斜部
2:マスク
3:単結晶体
4:サセプター
Claims (5)
- 種基板の上面であって、中心から周縁にかけて設けられた平面部と該平面部の周囲を囲むように周縁に設けられ、前記平面部の面に対して傾斜した傾斜部とを有する前記上面のうち、前記傾斜部上にマスクを設ける工程1と、
前記工程1の後、気相成長法によって前記種基板上に単結晶のホモエピタキシャル成長を行う工程2と、
を具備する単結晶の製造方法。 - 前記単結晶がIIIB族窒化物半導体である請求項1記載の単結晶の製造方法。
- 前記工程1は、前記種基板の側面にマスクを設ける工程を含む請求項1または2記載の単結晶の製造方法。
- 前記工程1の前に、前記種基板の上面と同じ高さ位置の上面を有するサセプターを前記種基板の側面を覆うように配置させる工程3をさらに具備し、
工程1は、前記傾斜部上および前記サセプター上にマスクを設ける工程を含む請求項1または2記載の単結晶の製造方法。 - 前記気相成長法は、ハイドライド気相成長法である請求項1乃至4のいずれか記載の単結晶体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009177738A JP2011032112A (ja) | 2009-07-30 | 2009-07-30 | 単結晶体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227202A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法、および、当該製造方法によって得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶を用いた半導体発光デバイス |
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2009
- 2009-07-30 JP JP2009177738A patent/JP2011032112A/ja active Pending
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