JP2011031832A - ハイブリッド車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸発燃料のパージ処理流量の確保に好適なハイブリッド車両用内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】運転状態に基づいて燃料タンク24内からの蒸発燃料を前記内燃機関に供給するパージ制御手段25〜28と、前記電動機が運転要求等を満たした上で、内燃機関の回転変動を抑制できる駆動力があるか否かを判断する余裕駆動力判定手段(ステップS4)と、前記余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段(ステップS8、ステップS31〜ステップS34)と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】運転状態に基づいて燃料タンク24内からの蒸発燃料を前記内燃機関に供給するパージ制御手段25〜28と、前記電動機が運転要求等を満たした上で、内燃機関の回転変動を抑制できる駆動力があるか否かを判断する余裕駆動力判定手段(ステップS4)と、前記余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段(ステップS8、ステップS31〜ステップS34)と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド車両用内燃機関の制御装置に関し、特に、蒸発燃料のパージ処理に好適なハイブリッド車両用内燃機関の制御装置に関するものである。
従来からハイブリッド車両において、キャニスタから蒸発燃料を吸気通路にパージし、適正に燃焼させることによって燃料タンクからの蒸発燃料を有効に利用するハイブリッド車両用内燃機関の制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、エンジンの駆動開始後にパージが実行された場合には、バッテリの充電量SOCが充電完了相当値に達した後であっても、エンジンの運転を継続して蒸発燃料のパージ処理を優先的に行うことが開示されている。そして、蒸発燃料のパージ量が減少したことを判定した場合に、エンジンの駆動を停止するようにしている。
即ち、上記特許文献1では、バッテリの充電量SOCが充電完了相当値に達した後も、パージ処理を完了させるためにエンジンを運転し続ける必要があり、本来エンジンを停止しても良い状況で蒸発燃料のパージ処理のためにエンジンを運転させることとしている。
ところで、ハイブリッド車両では、エンジンを停止しモータのみで車両を駆動するシーンが存在するため、エンジンのみの車両とは異なり蒸発燃料のパージを行う機会が少なく、蒸発燃料の有効利用を行えないという根本的な課題がある。上記特許文献1においても、パージ処理を完了させるためにエンジンを運転しており、未だ改善の余地がある。言い換えると、上記特許文献1の技術であっても、パージ期間におけるパージ流量を増加できれば、不要なエンジンの運転時間を低減できる。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、所定期間中に供給できる蒸発燃料のパージ流量確保に好適なハイブリッド車両用内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、運転状態に基づいて燃料タンク内からの蒸発燃料を前記内燃機関に供給するパージ制御手段と、前記電動機が運転要求を満たした上で、内燃機関の回転変動を抑制できる駆動力があるか否かを判断する余裕駆動力判定手段と、前記余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段と、を備える。
したがって、本発明では、余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段を備えるため、高い蒸発燃料分担率により内燃機関の出力が不安定となる場合であっても、電動機によりその出力変動を補うことができ、車両としての安定性を損なうこと無く蒸発燃料のパージ処理流量を増大できる。
以下、本発明のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は本発明を適用したハイブリッド車両用内燃機関の制御装置の第1実施形態のハイブリッド車両のパワートレーン及びその制御システムを示すシステム構成図である。
図1において、ハイブリッド車両のパワートレーンは、エンジン1と、モータジェネレータ2と、モータジェネレータ2及びエンジン1間で締結及び解放によりトルクを伝達及び遮断する第1クラッチ3と、モータジェネレータ2及びエンジン1の動力を左右駆動輪(左右輪)7,7に伝達する伝達装置を構成する自動変速機5及び終減速機6と、モータジェネレータ2及び自動変速機5間で締結及び解放によりトルクを伝達及び遮断する第2クラッチ4とを備える。また、エンジン1を制御するエンジンコントロールユニット8と、モータジェネレータ2、第1クラッチ3、自動変速機5及び第2クラッチ4を総合的に制御する、制御手段としてのハイブリッドコントロールユニット9とを具える。
前記エンジン1には、吸気通路のエアクリーナ20を通過させ、スロットルバルブ21の開度制御により調整された吸入空気が導入され、スロットルバルブ21の下流に設けられたインジェクタ22より噴射された燃料と混合されて図示しない燃焼室に導入され、燃焼室で燃焼される。吸入される空気の量(吸入空気量)は、エアフローメータ23により検出される。
また、スロットルバルブ21の下流に開口させて、燃料タンク24からの蒸発燃料処理装置が接続されている。前記蒸発燃料処理装置においては、エンジン運転中や停止中に燃料タンク24にて発生する蒸発燃料(ベーパ)を、蒸発燃料導管25によりキャニスタ26に吸着させる。前記キャニスタ26に吸着された蒸発燃料は、エンジン運転中に、大気連通管27より導入される空気と共に、パージコントロールバルブ28を介して、エンジン1の吸気管に設けたパージポートよりパージされ、吸入空気と共にエンジン1に供給される。エンジンコントロールユニット8は、パージコントロールバルブ28を制御し、キャニスタ26から供給する蒸発燃料のパージ量を制御する。
また、燃焼室での燃焼により生じた排気が送られる排気通路30には、排気中の成分を浄化する排気浄化用の触媒31が設けられている。この触媒31は、理論空燃比近傍での燃焼が行われる状態において、排気中のHCやCOを酸化するとともに同排気中のNOxを還元して排気を浄化する三元触媒により構成されている。前記触媒31に供給される排気の空燃比を検出するため、触媒31の上流には、空燃比センサ32としてリニアA/Fセンサ若しくはO2センサが配置され、その検出空燃比信号はエンジンコントロールユニット8に入力される。
この実施例のハイブリッド車両は、停車状態からの発進時及びアクセルペダルの踏込みをゆるめての走行等を含む低負荷時にエンジン1を停止させた状態でモータジェネレータ2からの動力のみで走行するモータ走行モードと、アクセルペダルを踏込んで加速する時や効率運転が見込まれるエンジン運転領域時等にエンジン1からの動力にのみにより走行するエンジン走行モードと、アクセルペダルを大きく踏込む大負荷走行時等にエンジン1及びモータジェネレータ2の双方からの動力により走行するフル加速走行モードと、減速・制動時等にエンジン1を停止させモータジェネレータ2により発電させて車両を制動させて減速する回生走行モードと、を有する。
エンジン1のクランクシャフトの回転は、モータジェネレータ2を介して、自動変速機5の入力軸に伝達される。第1クラッチ3は、モータジェネレータ2及びエンジン1間に介挿され、これらモータジェネレータ2及びエンジン1間を切り離し可能に結合する。一方で、第2クラッチ4は、モータジェネレータ2及び自動変速機5間に介挿され、これらモータジェネレータ2及び自動変速機5間を切り離し可能に結合する。なお、この第2クラッチ4は、自動変速機5の前段に配置されるものについて図示しているが、自動変速機5にフォワードクラッチとして内蔵させるものであってもよい。モータジェネレータ2は、車輪7,7を駆動するときはモータとして作用し、車輪7,7を回生制動する時はジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1及び自動変速機5間に配置されている。
自動変速機5は、図示しない複数の変速摩擦要素(クラッチとブレーキ)を選択的に締結もしくは解放することで所定の変速段を決定し、入力軸からの回転を決定された変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸に出力する。自動変速機5は上記した有段の変速機のみならず、無段階に変速比を変更可能な無段変速機であってもよい。この出力された回転は、駆動系統を構成する、ディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機6により左右輪7,7へ分配されて伝達される。
図1に示すパワートレーンにおいては、モータ走行モード(及び回生走行モード)が要求される場合、エンジン1を停止させ、第1クラッチ3を解放するとともに第2クラッチ4を締結し、自動変速機5を動力伝達状態にする。この状態にてバッテリ10よりの電力を、インバータ11を介してモータジェネレータ2に供給し、モータジェネレータ2を駆動すると、モータジェネレータ2からの出力回転のみが自動変速機5に入力される。自動変速機5は、入力軸に入力された回転を、選択された変速比に応じ変速して変速機出力軸より出力する。この変速機出力軸からの回転は、終減速機6を経て左右輪7,7に伝達される。これにより車両は、モータジェネレータ2からの動力のみによって走行する。
また、回生走行モードにおいても、エンジン1を停止させ、第1クラッチ3を解放するとともに第2クラッチ4を締結し、自動変速機5を動力伝達状態にする。この状態にて、左右輪7,7から終減速機6、自動変速機5を経由してモータジェネレータ2をジェネレータとして回転駆動し、これにより車両は、モータジェネレータ2の発電トルクにより制動されつつ減速走行する。モータジェネレータ2より発電される電力はインバータ11を介してバッテリ10に充電される。
一方、モータ走行中にエンジン走行モード及びフル加速走行モードが要求される場合、モータ走行モードからエンジン走行モード(及びフル加速走行モード)に切り替えるためエンジン1を始動する必要がある。このエンジン1の始動は、第1クラッチ3を締結し、モータジェネレータ2のエンジンクランキングトルクによりエンジン1をクランキングし、これによりエンジン1の回転速度を上昇させて行う。エンジン走行モード及びフル加速走行モードでは、第1クラッチ3及び第2クラッチ4を共に締結し、自動変速機5を動力伝達状態にする。エンジン走行モードではエンジン1からの出力回転が、またフル加速走行モードではエンジン1及びモータジェネレータ2の出力回転が、変速機入力軸に入力される。自動変速機5は、入力軸に入力された回転を、選択された変速比に応じ変速して、変速機出力軸より出力する。この変速機出力軸からの回転は、終減速機6を経て左右輪7,7に伝達される。これにより車両は、エンジン1又はエンジン1及びモータジェネレータ2の双方からの動力によって走行する。
かかるエンジン走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギが余剰となる場合がある。この場合には、モータジェネレータ2を発電機として作動させることで、この余剰エネルギを電力に変換することができる。そして、発電された電力を後でモータジェネレータ2によるモータ駆動に用いるよう、インバータ11を介してバッテリ10に蓄電しておくことで、エンジン1の燃費を向上させることができる。
ハイブリッドコントロールユニット9は、バッテリ10からの電力によりインバータ11を介してモータジェネレータ2を駆動制御するが、モータジェネレータ2が発電機として作用する間(前記回生モード時及び上記エンジン走行モード時)は、これからの発電電力をバッテリ10に蓄電する。このときバッテリ10が過充電にならないように、ハイブリッドコントロールユニット9は、バッテリ10の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出してバッテリ10を充電制御する。
ハイブリッド車両では、ドライバの要求を満たしつつ燃費・排気を考慮して、上記各種モードを選択し、図1に示す上記パワートレーンを総合的に制御するために、加速要求検出手段としてのアクセル開度センサ12からの信号と、上記ハイブリッド車両の車速VSPを検出する車速センサ13からの信号と、がハイブリッドコントロールユニット9に入力される。なお、ハイブリッドコントロールユニット9は、上記ハイブリッド車両の運転者の加速や減速の意図を判断するために、アクセル開度センサ12からのアクセル開度APO信号(アクセルペダル踏込み量)の変化量等を演算して用いている。
ハイブリッドコントロールユニット9は、上記センサ12,13が検出したアクセル開度APO及び車速VSPから、運転者が希望している車両の駆動力を実現でき、且つ、燃費と排気を考慮した最適な運転モード、すなわちモータ走行モード、エンジン走行モード、フル加速モードと回生走行モードとの何れかを選択する。
具体的には、アクセル開度が低くかつ車速が低い領域ではモータ走行モードを、それ以外の領域ではエンジン走行モード若しくはフル加速走行モードを選択する。また、アクセルペダルの踏込みが解除された場合には回生走行モードが選択される。加えて、ハイブリッドコントロールユニット9は、エンジントルク目標値、モータジェネレータトルク目標値、第1クラッチ伝達トルク容量目標値、第2クラッチ伝達トルク容量目標値をそれぞれ演算する。
この演算結果に基づき、ハイブリッドコントロールユニット9は、モータジェネレータ2のトルクがモータジェネレータトルク目標値となるよう、バッテリ10からの電力によりインバータ11を介してモータジェネレータ2を制御する。同時に、エンジンコントロールユニット8は、エンジントルクが、ハイブリッドコントロールユニット9により演算されたエンジントルク目標値となるように、図示しないスロットルアクチュエータによりスロットルバルブ21を操作してエンジン1を制御する。
同じくハイブリッドコントロールユニット9は、第1クラッチ3及び第2クラッチ4の伝達トルク容量が、夫々第1クラッチ伝達トルク容量目標値及び第2クラッチ伝達トルク容量目標値となるように図示しない電磁または油圧ソレノイドを介して第1クラッチ3及び第2クラッチ4を締結制御する。さらにハイブリッドコントロールユニット9は、自動変速機5に対して現在の車速信号とアクセル開度信号を出力する。自動変速機5は前記車速信号とアクセル開度信号により設定した変速スケジュールに基づいて、その変速段(変速比)が目標変速段(目標変速比)となるように、自動変速機5の図示しない油圧制御装置を介して自動変速機5の変速機構を変速制御する。
また、エンジンコントロールユニット8は、エンジントルクがハイブリッドコントロールユニット9により設定されたエンジントルク目標値となるように、電子スロットルバルブ21のアクチュエータを介してエンジン1を制御する。電子スロットルバルブ21のアクチュエータの操作量は図示しないスロットルセンサにより検出されエンジンコントロールユニット8にフィードバックされる。また、エンジンコントロールユニット8には、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ14、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフローメータ23、排気空燃比を検出する空燃比センサ32からの検出信号が入力される。エンジンコントロールユニット8は、エンジン走行モード及びフル加速走行モードにおいての走行中、エンジン1の点火時期をモードに応じた時期に設定する。
また、エンジンコントロールユニット8は、ガソリンエンジンの排気ガス浄化装置として三元触媒31を用いる場合、エンジン1は理論空燃比付近で燃焼させることが必要である。このため吸入空気量(Qa)とエンジン回転速度(Ne)とから各気筒に吸入される空気量を推定し、この値と予め各回転速度及び負荷において理論空燃比となるように適合した定数(K)などにより、基本燃料噴射量Tp(=K×Qa/Ne)を設定する。そして、排気系に設けた空燃比センサ32(O2センサ)からの信号に基づいて燃料噴射量Ti(=Tp±Tf/b)をフィードバック補正している。ここで、空燃比フィードバック補正値はTf/bである。前記補正値Tf/bは理論空燃比で燃焼している状態では係数0、即ち、補正を行わない状態とするが、空燃比センサからの信号により理論空燃比より希薄状態と判断した場合には、その値をプラス方向に大きくして燃料噴射量を増加させ、また逆に過濃状態と判断した場合は、その値をマイナス方向に大きくして燃料噴射量を減少させることにより、理論空燃比になるように増減を繰り返す。
前記補正値Tf/bは、パージコントロールバルブ28を開いてキャニスタ26に吸着されている蒸発燃料が吸気通路に導入されてパージされる状態においては、吸入空気中にキャニスタ26からのパージ量に対して蒸発ガス成分が多い場合、通常の燃料噴射量ではパージ量に含まれる蒸発ガス成分の分だけ過濃となるので、燃料噴射量を減少させるべく、補正値Tf/bの値はマイナス方向に大きくなる。また、パージ量に含まれる蒸発ガス成分が減少すると、その分、希薄となるので、燃料噴射量を増加させるべく、補正値Tf/bの値はマイナス方向から0に近づくよう大きくなる。これにより、補正値Tf/bの値をモニタすることにより、パージによる蒸発燃料成分の濃度を推定できる。
前記エンジンコントロールユニット8は、エンジン運転状態、例えば、高負荷領域を除く運転領域において、前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28を開いて蒸発燃料のパージ処理を実行する。これは、空燃比フィードバック制御領域と一致しており、前述したようにパージ量の推定にフィードバック制御の補正値Tf/bを用いるからである。なお、パージ処理を実行するエンジン運転状態として、高負荷領域であっても空燃比フィードバック制御を実行する機種であれば、高負荷領域であって、かつ、吸気負圧が確保できる領域であればパージ領域を拡大させてもよい。
前記蒸発燃料処理装置のキャニスタ26からの蒸発燃料は、スロットルバルブ21により生ずるブースト圧(負圧)とパージコントロールバルブ28の開度に応じて、吸気通路に導入される。前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度は、エンジン運転状態に応じて、例えば、次のようにして予め設定される。
パージ濃度が最大であるときに、エアクリーナを通過して供給される新気量に対してパージを供給しても燃焼が不安定とならないパージ流量(以降、パージ分担率という)が存在する。このパージ流量はエンジン運転状態によって異なり、具体的には、運転状態に応じたパージ分担率を満足するマップを持ち、そして、このパージ分担率を満足するようなパージコントロールバルブ28の開度を演算、若しくは予めマップに格納することでパージ制御を行っている。なお、単に、運転状態に応じたパージ分担率を満足するようなパージコントロールバルブ28の開度をマップとして予め持つだけでも良い。
ところで、ハイブリッド車両においてはモータジェネレータ2の駆動力を利用してエンジン1の変動を抑制することができる。ここで、モータジェネレータ2の駆動力がドライバの運転要求やバッテリの充電要求を満足した上で、最大駆動力に対して余裕がある場合はこの駆動力(以下、余裕駆動力と言う)をエンジン1の変動抑制のために利用することで運転性の悪化を防止できる。
そこで、本実施の形態では、上記した蒸発燃料のパージ処理の実行時に、エンジン1の出力変動を補うことができる余裕駆動力があると判断される場合には、前記エンジン運転状態に応じて予め設定される開度を超えてパージコントロールバルブ28を開いてパージ分担率を増加させる。これは、通常はエンジン1の出力変動を発生させない妥協したパージ流量としているが、モータジェネレータ2の駆動力に余裕がある場合には、パージガスを多量に入れて燃焼不安定によるトルク変動が発生したとしても、モータジェネレータ2の余裕駆動力を利用して、このトルク変動を補償することができることを狙ったものである。これにより、所定期間当りのパージ流量を運転性等を犠牲にすること無く増大させることができる。
より具体的には、出力可能なモータジェネレータ2の最大駆動力と比較して、モータジェネレータ2により加速等の車両駆動に要求されている駆動力を供給している状態において、モータジェネレータ2から余分に上乗せして出力可能なモータ余裕駆動力を演算する。そして、演算したモータ余裕駆動力が予め設定した数値を超えている場合には、前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度を、前記モータ余裕駆動力に応じて増加させて、蒸発燃料のパージ処理流量を増量させる。
そして、前記ハイブリッドコントロールユニット9は、前記パージ処理が実行されている場合に、エンジン回転速度をモニタし、モニタしたエンジン回転速度が変動する場合に、モータジェネレータ2の駆動トルクを増減させて、エンジントルクの変動を吸収させ、エンジン1の回転変動を抑制するよう制御する。
以下、エンジンコントロールユニット8により所定時間毎に実行される上述したパージ処理の詳細な手順を、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、上述した制御を行う条件であるかを判断するために、ステップS1,S2の判断を行う。ステップS1において、エンジン1が運転されるエンジン走行モード若しくはフル加速モードであるか否かが判定され、エンジン走行モード若しくはフル加速モードである場合にはステップS2へ進み、エンジン1が停止されるか停止されているモータ走行モード若しくは回生走行モードである場合には、上述のパージに関する制御の条件では無いため今回の処理ルーチンを終了する。
ステップS2では、パージ処理フラグがONであるかどうか、若しくは、パージ処理の実行中を示すフラグFの値を判断する。前記パージ処理フラグは、キャニスタ26に吸着されている蒸発燃料が所定量を超えている場合に、「ON」に設定される。即ち、パージ処理フラグがOFFであり、且つ、フラグFの値が0である場合には、パージ処理が終了して燃料タンク24から蒸発されてキャニスタ26に吸着されている蒸発燃料が所定量以下となっていると判断でき、ステップS3へ進み、パージコントロールバルブ28を閉じ、蒸発燃料を吸気通路に導入しない状態における基本燃料噴射量を演算し、この演算に基づく燃料噴射量を燃料噴射弁より噴射し、空燃比センサ32よりのフィードバック補正によりエンジン1を運転する。しかしながら、ステップS2におけるフラグFの値が1である場合にはパージ処理実行中であり、パージ処理を継続させるためにステップS4へ進む。
ステップS4では、モータジェネレータが運転要求等を満たした上で、エンジン1の回転変動を抑制できる駆動力があるかを判断するためにモータ余裕駆動力を演算する。モータ余裕駆動力は、以下の手順で求める。先ず、モータジェネレータ2の仕様から決まるモータ最大駆動力Tmaxと、バッテリ10の劣化状態・温度・充電状態と、現在のモータ回転速度と、から現在出力できるモータジェネレータ2の有効モータ駆動力Tmを算出する。そして、前記した現在出力できるモータジェネレータ2の駆動力から現在車両走行に使用しているモータ駆動力を減算したものとアクセル開度変化量ΔAPO(即ち、加速要求分)と、からモータ余裕駆動力を算出する。
具体的に説明すると、先ず、バッテリ10は劣化状態が進むにつれて最大出力が低下する。このため、新品のバッテリ10状態を最大出力(ここでは、モータトルクに対する係数としてモータトルク係数という)を「1」とすると、劣化が進むにつれてモータトルク係数は、図6に示すように、1からある時点で大きく低下する特性となる。従って、図6に示す特性に基づいてバッテリ劣化状態に対するモータトルク係数K1を算出する。
また、バッテリ10は温度が高い状態では最大出力が大きく、温度が低下するにつれて最大出力が低下する。このため、高温状態のバッテリ10で得られる最大出力(ここでは、モータトルクに対する係数としてモータトルク係数という)を「1」とすると、温度が低下するにつれてモータトルク係数は、図7に示すように、1からある時点で大きく低下する特性となる。従って、図7に示す特性に基づいてバッテリ温度状態に対するモータトルク係数K2を算出する。
また、バッテリ10は充電状態SOCが高い状態では最大出力が大きく、充電状態SOCが低下するにつれて最大出力が低下する。このため、充電状態SOCが高い状態のバッテリ10で得られる最大出力(ここでは、モータトルクに対する係数としてモータトルク係数という)を「1」とすると、充電状態SOCが低下するにつれてモータトルク係数は、図8に示すように、1からある時点で大きく低下する特性となる。従って、図8に示す特性に基づいてバッテリ充電状態SOCに対するモータトルク係数K3を算出する。
また、モータジェネレータ2は、図9に示すように、その回転速度が低速状態では高いモータトルクが得られ、ある一定の回転速度を超えると回転速度の上昇に反比例して得られるモータトルクが低下する特性を備える。このため、前記ある一定の回転速度までに得られる高いモータトルク(ここでは、モータトルクに対する係数としてモータトルク係数という)を「1」とすると、モータ回転速度が前記ある一定の回転速度より増加するにつれてモータトルク係数は、図9に示すように、1から大きく低下する特性となる。従って、図9に示す特性に基づいてモータ回転速度に対するモータトルク係数K4を算出する。
次いで、上記で求めた各モータトルク係数K1〜K4とモータジェネレータ2の仕様から決まるモータ最大駆動力Tmaxとにより、有効モータ駆動力Tm(=Tmax×K1×K2×K3×K4)を算出する。 そして、前記有効モータ駆動力Tmから現在車両走行に使用しているモータ駆動力Tsを差し引き、使用可能なモータ駆動力Tx(=Tm−Tx)を算出し、この使用可能なモータ駆動力Txから車両の加速要求に消費される駆動力分(モータ余裕駆動力係数K5)を除いたモータ駆動力がモータ余裕駆動力となる。
前記車両の加速要求に消費される駆動力分はアクセルペダルの開度変化量ΔAPO(即ち、加速要求分)に応じて増加する。このため、前記使用可能なモータ駆動力Txに対するモータ余裕駆動力、即ち、モータ余裕駆動力係数K5は、図10に示すように、開度変化量ΔAPOが小さい領域では加速要求に消費される駆動力が小さいため使用可能なモータ駆動力Txの消費はほとんどなく(モータ余裕駆動力係数K5=1)、アクセルペダルの開度変化量ΔAPO(即ち、加速要求分)が増加するに連れてモータ余裕駆動力係数K5が「1」から低下する特性となる。従って、モータ余裕駆動力は、使用可能なモータ駆動力Tx×モータ余裕駆動力係数K5により求めることができる。
ステップS5では、エンジン運転状態に応じて予め設定されるパージ分担率を増加させることができるかを判断するためにステップS4で求めたモータ余裕駆動力が所定値以上であるか否を判断する。その結果、モータ余裕駆動力が所定値未満である場合にはパージ分担率を増加してしまうとエンジン1の回転変動を吸収しきれないと判断してステップS6へ進み、運転状態に基づいて予め設定されるパージ分担率となる前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度に設定してキャニスタ26からの蒸発燃料を吸気通路に導入して、蒸発燃料のパージ処理を実行する。
一方、ステップS5でモータ余裕駆動力が所定値以上である場合にはステップS7へ進む。ステップS7では、図5に示すパージ分担率マップに基づいて、前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度を、前記モータ余裕駆動力に応じて増加させて、蒸発燃料のパージ処理流量を増量させる。
図5に示すように、パージ分担率は、モータ余裕駆動力が所定値未満である場合には予め低く設定されたバージ分担率となっており、モータ余裕駆動力が所定値を超えた段階から、モータ余裕駆動力の増加に連れて上昇するバージ分担率が設定されている。ここで所定値は、ステップS5で設定されるモータ余裕駆動力に対する判定値と同じであっても良いし、大きくても良い。ステップS5の所定値より大きい場合は、予め低く設定されたバージ分担率が、運転状態によって定まるパージ分担率よりも若干大きな値に設定すれば良い。
ステップS8では、ステップS6またはステップS7で設定されたパージ分担率となるよう、前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度を設定し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、パージ時の燃料噴射量を、図3に示すサブルーチンにより演算する。即ち、図3に示すサブルーチンでは、ステップS21において、吸入空気量(Qa)とエンジン回転速度(Ne)とから各気筒に吸入される空気量を推定し、この値と予め各回転速度及び負荷において理論空燃比となるように適合した定数(K)などにより、基本燃料噴射量(基本燃料噴射量Tp=K×Qa/Ne)を設定する。
ステップS22では、排気系に設けた空燃比センサ32(O2センサ)からの空燃比信号λ(空気過剰率)が1未満であるか否かが判定され、空燃比信号λ(空気過剰率)が理論空燃比より過濃状態(1以下)と判断した場合にはステップS23へ進み、空燃比フィードバック補正値Tf/bを所定値αだけ減量する。また、空燃比信号λ(空気過剰率)が理論空燃比より希薄状態(1以上)と判断した場合にはステップS24へ進み、空燃比フィードバック補正値Tf/bを所定値αだけ増量する。そして、ステップS25において、今回の処理ルーチンの最終燃料噴射量TFを(TP+Tf/b)と設定する。
そして、パージ処理の終了判定であるステップS10において、パージガス残量が所定量以下か否かが判定される。この判定においては、前記空燃比フィードバック補正値Tf/bが予め設定された所定値Tf/ba以下に低下しているか否かで判定される。即ち、前記空燃比フィードバック補正値Tf/bは、前述したように、パージコントロールバルブ28を開いてキャニスタ26に吸着されている蒸発燃料が吸気通路に導入されてパージされる状態においては、吸入空気中にキャニスタ26からの蒸発燃料のパージ量が多い場合、通常の燃料噴射量では蒸発燃料のパージ量の分だけ過濃となるので、燃料噴射量を減少させるべく、補正値Tf/bの値はマイナス方向に大きくなる。また、パージ量が減少すると、その分、希薄となるので、燃料噴射量を増加させるべく、補正値Tf/bの値はマイナス方向から0に近づくよう大きくなる。これにより、補正値Tf/bの値をモニタすることにより、吸入空気中への蒸発燃料のパージ量を推定することができる。
そして、前記空燃比フィードバック補正値Tf/bが予め設定された所定値Tf/baより大きい場合にはステップS11へ進み、パージ処理の実行中を示すフラグFの値をF=1に設定して今回の処理ルーチンを終了する。また、前記空燃比フィードバック補正値Tf/bが予め設定された所定値Tf/ba以下に低下している場合にはステップS12へ進み、パージ処理の実行中を示すフラグFの値をF=0に設定して今回の処理ルーチンを終了する。
上記パージ処理の実行中において、前記ハイブリッドコントロールユニット9は、図4に示すサブルーチンを所定時間毎に実行することで、エンジン1がパージ量の増大によって燃焼不安定となり回転変動が発生した場合であってもモータの駆動力に加速要求以外に余裕がある場合は、この余裕駆動力を利用してエンジンの回転変動に伴うトルクショックを防止する。そこで、図4のサブルーチンでは、まず、ステップS31において、パージ処理の実行中を示すフラグFの値を判断する。即ち、フラグFの値が0である場合には、エンジン1の回転変動抑制のサブルーチンを実行せずに今回の処理ルーチンを終了する。しかし、パージ処理の実行中を示すフラグFの値が1である場合にはステップS32へ進み、エンジン1の回転変動抑制のサブルーチンの実行を開始する。
ステップS32では、エンジン1の回転速度が読込まれ、ステップS33では、前回の処理ルーチンにおけるエンジン回転速度と比較してエンジン1の回転速度変動があるか否かが判定され、回転速度変動がない場合は今回の処理ルーチンを終了する。しかし、前回の処理ルーチンにおけるエンジン回転速度と比較してエンジン1の回転速度変動がある場合には、ステップS34へ進み、エンジン1の回転変動を抑制する方向にモータジェネレータ2の駆動トルクを増減させて、エンジン1の回転変動を抑制する。
前記エンジン1の回転変動抑制の制御が実行されることにより、パージ処理によって発生したエンジン1の燃焼変動を補償する駆動力をモータジェネレータ2が発生できる場合、前記蒸発燃料処理装置のパージコントロールバルブ28の開度を増加させ、パージ分担率を上昇させることができ、エンジン1を安定して回転させることができる。
また、モータ余裕駆動力に応じてパージ分担率を上昇させるものであるため、高いパージ分担率によりエンジン出力が不安定となる場合であっても、モータジェネレータ2によりその回転変動や出力低下を補うことができ、蒸発燃料のパージ処理流量の確保に好適であり、パージ処理時間を短縮することができる。しかも、パージを増大させたことによるエンジン1の変動をモータジェネレータ2により補償するので、過渡の応答遅れなく、パージ流量を上げることができる。さらに、従来技術のように、パージ処理のためにのみエンジン1を運転する例に適用したとしても、本実施例ではパージ流量を増大できるので不要なエンジン1の運転時間を低減できる。また、蒸発燃料を多量に貯蔵するためにキャニスタを改良する必要がないので、コスト上昇を防止することができる。
なお、上記実施形態では、ハイブリッド車両のパワートレーンとして、エンジン1・モータジェネレータ2・変速機5が第1,2クラッチ3,4を介して接続するものについて説明したが、エンジン1とモータジェネレータ2との動力が遊星歯車機構の2つの要素に連結され、遊星歯車機構のその他の要素が車両駆動系統に直接若しくは変速要素を介在させて連結されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、終了判定を行うステップS10において、空燃比フィードバック補正値Tf/bが予め設定された所定値Tf/ba以下に低下しているか否かで判定するものについて説明した。しかし、パージ開始時における空燃比フィードバック補正値Tf/bに基づいて蒸発燃料のパージ残量を学習制御し、所定のパターンマップに基づいてパージ残量を推定し、この推定したパージ残量が予め設定した値まで低下した段階で、パージ処理を終了するものであってもよい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)バッテリ10と、当該バッテリからの電力により駆動される電動機(モータジェネレータ2)と、内燃機関(エンジン1)とを備え、車両の運転状態に応じて内燃機関および/または前記電動機とを制御して車両を走行させるハイブリッド自動車に適用され、運転状態に基づいて燃料タンク24内からの蒸発燃料を前記内燃機関に供給するパージ制御手段25〜28と、前記電動機が運転要求等を満たした上で、内燃機関の回転変動を抑制できる駆動力があるか否かを判断する余裕駆動力判定手段(ステップS4)と、前記余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段(ステップS8、ステップS31〜ステップS34)と、を備える。
このため、運転状態に応じて定まるパージ分担率によりパージ流量を増大させて供給しても、電動機によりエンジン1の回転変動や出力低下を補うことができ、車両としての運転性を損なうこと無く蒸発燃料のパージ処理流量を増大でき、パージ処理時間を短縮することができる。しかも、エンジン1で不足する駆動力をモータジェネレータ2により肩代わりさせて出力するので、過度の応答遅れなく、パージ流量を上げることができる。また、蒸発燃料を多量に貯蔵するためにキャニスタを改良する必要がないので、コスト上昇を防止することができる。
(イ)前記パージ制御手段より混合気に混合される蒸発燃料の割合は、前記余裕駆動力判定手段により判定した余裕駆動力に応じて増量させるため、運転状態に応じて定まるパージ分担率よりも高いパージ分担率を確保することができる。
(ウ)前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリ10の充電状態に応じて増減させるため、バッテリ10の充電状態を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、充電状態SOCが低いときには、充電状態SOCが高い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、充電状態SOCが高いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力をバッテリの充電状態を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
(エ)前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリの劣化状態に応じて増減させるため、バッテリ10の劣化状態を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、バッテリ10の劣化状態が大きいときには、劣化状態が低い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、バッテリ10の劣化状態が低いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力をバッテリ10の劣化状態を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
(オ)前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリ10の温度状態に応じて増減させるため、バッテリ10の温度状態を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、バッテリ10の温度が低いときには、バッテリ10の温度が高い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、バッテリ10の温度が高いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力をバッテリ10の温度状態を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
(カ)前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を電動機の回転速度の上昇に応じて低下させるため、電動機の回転速度を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、電動機の回転速度が高いときには、電動機の回転速度が低い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、電動機の回転速度が低いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力を電動機の回転速度を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
(キ)前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力をアクセルペダルの踏込みによる車両加速要求に応じて低下させるため、車両加速要求を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、車両加速要求が高いときには、車両加速要求が低い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、車両加速要求が低いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力を車両加速要求を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
(ク)前記余裕駆動力判定手段は、使用されている電動機出力を減算して余裕駆動力を演算するため、使用されている電動機出力を考慮した最適な余裕駆動力を算出できる。例えば、使用されている電動機出力が高いときには、使用されている電動機出力が低い場合の余裕駆動力に比して実際には小さな余裕駆動力しかない。ここで、使用されている電動機出力が低いときの余裕駆動力に応じたパージ分担率を設定してしまうと、仮にパージ濃度が最大であるときには実際の余裕駆動力ではエンジンの回転変動を抑制できない可能性がある。しかしながら、余裕駆動力を使用されている電動機出力を考慮した最適な値として求めることができるので、パージ分担率が実際の余裕駆動力を超えたエンジンの回転変動を招くことは無い。従って、エンジンの回転変動を余裕駆動力により適宜防止できる。
1 内燃機関としてのエンジン
2 モータジェネレータ
3、4 クラッチ
5 変速機
6 終減速機
7 駆動輪
8 エンジンコントロールユニット
9 ハイブリッドコントロールユニット
10 二次電池としてのバッテリ
11 インバータ
28 パージコントロールバルブ
2 モータジェネレータ
3、4 クラッチ
5 変速機
6 終減速機
7 駆動輪
8 エンジンコントロールユニット
9 ハイブリッドコントロールユニット
10 二次電池としてのバッテリ
11 インバータ
28 パージコントロールバルブ
Claims (9)
- バッテリと、当該バッテリからの電力により駆動される電動機と、内燃機関とを備え、車両の運転状態に応じて内燃機関および/または前記電動機とを制御して車両を走行させるハイブリッド自動車に適用され、
運転状態に基づいて燃料タンク内からの蒸発燃料を前記内燃機関に供給するパージ制御手段と、
前記電動機が運転要求を満たした上で、内燃機関の回転変動を抑制できる駆動力があるか否かを判断する余裕駆動力判定手段と、
前記余裕駆動力判定手段により余裕駆動力があると判定された場合に、運転状態に基づいて供給されるパージ量を増大させると共に、パージ量の増大に伴う内燃機関の出力変動を電動機出力により補う制御手段と、を備えることを特徴とするハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。 - 前記パージ制御手段より混合気に混合される蒸発燃料の割合は、前記余裕駆動力判定手段により判定した余裕駆動力に応じて増量させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリの充電状態に応じて増減させることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリの劣化状態に応じて増減させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を前記バッテリの温度状態に応じて増減させることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力を電動機の回転速度の上昇に応じて低下させることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一つに記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、判定する余裕駆動力をアクセルペダルの踏込みによる車両加速要求に応じて低下させることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一つに記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記余裕駆動力判定手段は、使用されている電動機出力を減算して余裕駆動力を判定することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一つに記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
- 前記運転状態に基づいて設定されるパージ量は、パージ濃度が最大であるときに蒸発燃料を供給して内燃機関の安定運転が補償されるパージ量であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載のハイブリッド車両用内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009182257A JP2011031832A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | ハイブリッド車両用内燃機関の制御装置 |
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Publications (1)
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Family
ID=43761325
Family Applications (1)
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JP2009182257A Pending JP2011031832A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | ハイブリッド車両用内燃機関の制御装置 |
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JP (1) | JP2011031832A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017197025A (ja) * | 2016-04-27 | 2017-11-02 | いすゞ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
JPWO2021015164A1 (ja) * | 2019-07-19 | 2021-01-28 | ||
CN113710555A (zh) * | 2019-04-19 | 2021-11-26 | 日产自动车株式会社 | 混合动力车辆的控制方法和混合动力车辆的控制装置 |
-
2009
- 2009-08-05 JP JP2009182257A patent/JP2011031832A/ja active Pending
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