JP2011030585A - 寝台装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な速度での天板移動をいずれも高い速度精度で行うことを可能とする。
【解決手段】モータエンコーダ107は、モータ102の回転速度を検出する。駆動信号生成部110a,110bは、モータ102のオン/オフを表した駆動信号を、検出された回転速度を設定移動速度に応じた基準回転速度に近づけるためにオン/オフ時間比を調整しつつそれぞれ生成する。駆動信号生成部110a,110bは、互いに異なる複数の第1および第2の速度領域にそれぞれ関連付けられ、当該関連付けられた速度領域が高い程に周波数が低くかつ電流値が大きな信号として駆動信号を生成する。スイッチング素子110c,110dは、2つの駆動信号のそれぞれに同期してモータ102をオン/オフする。選択信号生成部111は、駆動信号生成部110a,110bのうちの基準回転速度が含まれる速度領域が関連付けられた方を選択的に動作させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、X線コンピュータ断層撮像装置(X線CT装置)などのような医用診断装置での診断対象である被検体を載置した天板を、当該医用診断装置の診断空間に対して上記の被検体を送り込んだり、上記の診断空間から上記の被検体を引き出したり、あるいは上記の診断空間における上記の被検体の位置を変更するために移動させる寝台装置に関する。
この種の寝台装置は、天板を水平方向に往復移動させる機能を少なくとも備えている。そしてこのような天板の移動は、典型的には次のような機構によって実現されている。
水平方向に並んで2個のプーリが配置される。これら2個のプーリの間には、ベルトが掛け渡されている。さらに上記の2個のプーリの一方を可逆的に回転可能なようにモータが設けられている。そしてモータを回転させることにより、ベルトの一部を水平方向に移動させ、このベルトの水平移動に伴って天板を水平に移動させる。なお、モータの駆動力は、減速機やクラッチブレーキを介してプーリに伝達されることが一般的である。
天板の位置は、プーリの軸(駆動軸)に取り付けられた外部エンコーダの出力に基づいて制御基板にて管理される。そして制御基板からの指令に基づいてサーボドライバが生成する駆動信号によってモータが駆動される。モータの回転速度は、モータに取り付けられたモータエンコーダによって検出され、サーボドライバにフィードバックされる。サーボドライバは、モータの回転速度が所要の速度に近づくように駆動信号を調整する。
モータの制御には、一般にPWM(pulse width modulation)制御方式が適用される。そこでサーボドライバは、スイッチング素子を有し、モータをオン/オフ制御する。そしてスイッチング素子のスイッチング周波数は一定であり、1周期内でのモータのオン期間とオフ期間との比率を変化させることによってモータの回転速度が調整される。
医用診断装置においては、装置のスループットを向上するために、診断空間に対する被検体の挿抜を短時間のうちに完了できることが好ましく、このために天板は高速移動できることが望まれる。一方で、天板を低速で移動させながら医用診断を行う診断モードも存在し、天板は低速移動できることも必要である。例えばX線CT装置では、ヘリカル撮像において天板を低速に移動させることが必要となる。そして例えばX線CT装置においては、天板の移動速度は0.5mm/sから200mm/sという広い領域となる。
さて、サーボドライバのスイッチング素子は、定格回転における速度精度を満足するように選定される。このため、天板を低速で移動させる場合には、速度変動が大きくなってしまう恐れがあった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、様々な速度での天板移動をいずれも高い速度精度で行うことが可能な寝台装置を提供することにある。
本発明の一態様による寝台装置は、医用診断装置での診断対象である被検体を載置する天板と、モータを含み、当該モータの駆動力により前記天板を移動させる移動機構と、可変設定される設定移動速度で前記天板を移動させるためのモータの基準速度を求める手段と、前記モータの速度を検出する検出手段と、それぞれが前記モータのオン/オフを表した駆動信号を、前記検出手段により検出された速度を前記基準速度に近づけるために前記モータをオン/オフする時間比を調整しつつ生成するものであって、互いに異なる複数の速度領域にそれぞれ関連付けられており、当該関連付けられた速度領域が高い程に周波数が低くかつ電流値が大きな信号として前記駆動信号を生成する複数の生成手段と、複数の前記生成回路によりそれぞれ生成された複数の前記駆動信号がそれぞれ入力され、その入力される前記駆動信号に同期して前記モータをオン/オフする複数のスイッチング手段と、複数の前記生成手段のうちの前記基準速度が含まれる速度領域が関連付けられた前記生成手段が生成する前記駆動信号に同期して前記モータがオン/オフされるように制御する制御手段とを備える。
本発明によれば、様々な速度での天板移動をいずれも高い速度精度で行うことが可能となる。
X線CT装置の外観を示す図。 図1中の寝台ユニットの詳細な構成を示す図。 図2中のモータの低速移動状態での回転速度の変化の一例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1はX線CT装置の外観を示す図である。
この図1に示すX線CT装置は、寝台ユニット100、ガントリユニット200およびコンピュータユニット300を含む。
寝台ユニット100は、被検体を載置するための天板101を有する。寝台ユニット100は、天板101を鉛直方向および水平方向にそれぞれ移動させることができる。そして寝台ユニット100は、ガントリユニット200の開口として形成された診断空間201に対して、天板101に載置された被検体を出し入れすることができる。本実施形態では、この寝台ユニット100として本願発明の寝台装置を適用する。
ガントリユニット200は、円環状の回転架台に対向関係で搭載されたX線発生部およびX線検出部を内蔵する。そしてX線発生部およびX線検出部は、ガントリユニット200に内蔵された架台回転機構によって回転架台が回転されることにより、診断空間201の周りを対向関係を維持したままで回転する。そしてガントリユニット200では、このように回転されるX線発生部およびX線検出部によって被検体の投影データを収集する。
コンピュータユニット300は、ガントリユニット200で収集された投影データに基づいて、被検体の断層像を再構成する。
なお、ガントリユニット200およびコンピュータユニット300の具体的な構成は、既存の別のX線CT装置と同様であって良い。そしてそのような別のX線CT装置が備えている上記機能以外の機能をガントリユニット200およびコンピュータユニット300が備えても何ら問題ない。
図2は寝台ユニット100の詳細な構成を示す図である。なお、図2においては天板101を水平移動させるための構造のみを示し、その他の構造の図示は省略している。なお、図示を省略している構造としては、既存の別の寝台ユニットにおける構造をそのまま採用できる。
図2に示すように寝台ユニット100は、天板101の他に、モータ102、減速機103、クラッチブレーキ104、プーリ105、ベルト106、モータエンコーダ107、外部エンコーダ108、制御基板109、サーボドライバ110および選択信号生成部111を含む。
モータ102は、サーボドライバ110によって駆動されて任意の速度で可逆的に回転する。モータ102の回転力は、減速機103およびクラッチブレーキ104を介してプーリ105に伝達されて、この結果としてプーリ105が回転される。減速機103は、モータ102の回転力の伝達速度を低減する。クラッチブレーキ104は、モータ102の回転力の伝達を断続する。またクラッチブレーキ104は、モータ102の回転力の伝達を遮断した状態においてプーリ105側の回転軸の回転を抑止するブレーキ機能を備える。なおクラッチブレーキ104は、通常は接続状態に維持される。そして、天板101を手押しによって移動させるモードがユーザによって選択された場合や異常時などに遮断状態とされる。またブレーキ機能は、天板101の移動を速やかにかつ確実に停止することが必要な異常状態が発生した場合に利用される。
プーリ105に水平方向に並んだ状態で別のプーリ(図示せず)が配置されている。そしてこの図示しないプーリとプーリ105との間にベルト106が掛け渡されている。かくして、プーリ105がモータ102の回転力によって回転されることによって、ベルト106が回転させられる。ベルト106は、例えばベルト106に形成された歯が天板101に取り付けられた歯と噛み合うことによって、その回転に伴って天板101を水平方向(図2中の矢印Aの方向)に移動させる。
モータエンコーダ107は、モータ102の回転軸に取り付けられている。そしてモータエンコーダ107は、モータ102が一定量回転する毎にパルスを出力する。すなわちモータエンコーダ107は、モータ102の回転速度に応じた周期でパルスが生じる信号(以下、速度信号と称する)を出力する。
外部エンコーダ108は、プーリ105の回転軸に取り付けられている。そして外部エンコーダ108は、プーリ105が一定量回転する毎にパルスを出力する。すなわち外部エンコーダ108は、プーリ105の回転量に応じた周期でパルスが生じる信号を出力する。ここで、天板101の移動量はプーリ105の回転量とほぼ比例し、プーリ105の回転量に基づいて天板101の位置を把握することができる。そこで以下においては、外部エンコーダ108が出力する信号を位置信号と称する。
制御基板109には、天板101を移動させる必要がある場合に、コンピュータユニット300から天板101を移動させるべき速度(以下、設定移動速度と称する)と天板101を移動させるべき量(以下、目標移動量と称する)とが通知される。また制御基板109には、外部エンコーダ108が出力する位置信号が入力される。制御基板109は、天板101を移動させている時において位置信号を監視し、これにより天板101の現在位置を管理する。また制御基板109は、設定移動速度で天板101を移動させるためのモータ102の回転速度(以下、基準回転速度と称する)を算出する。そして制御基板109は、目標移動量および基準回転速度の通知を伴ってモータ102の駆動をサーボドライバ110に指令する。
サーボドライバ110は図2に示すように、駆動信号生成部110a,110bおよびスイッチング素子110c,110dを含む。
制御基板109からサーボドライバ110に与えられた指令は、駆動信号生成部110a,110bの双方に入力される。一方で駆動信号生成部110a,110bは、選択信号生成部111から与えられる選択信号に応じて択一的に有効とされる。駆動信号生成部110a,110bは、選択信号により有効とされているときには、モータ102を駆動するための駆動信号を生成する。なお駆動信号生成部110a,110bは、一定周波数のパルス信号を駆動信号として生成する。そして駆動信号生成部110a,110bは、モータエンコーダ107から出力される速度信号から計算されるモータ102の回転速度が制御基板109から指令された基準回転速度に近づくようにPWMを行って駆動信号を生成する。ただし、駆動信号生成部110aが生成する駆動信号の周波数に比べて駆動信号生成部110bが生成する駆動信号の周波数が高い。例えば、駆動信号生成部110aが生成する駆動信号の周波数が10KHz程度であり、駆動信号生成部110bが生成する駆動信号の周波数20KHzまたは40KHz程度である。さらに、駆動信号生成部110aが生成する駆動信号の電流値に比べて駆動信号生成部110bが生成する駆動信号の電流値のほうが小さい。さらに駆動信号生成部110a,110bは、外部エンコーダ108から出力される位置信号から計算される天板101の移動量とモータ102の実際の駆動量から見積もられる天板101の移動量との誤差を補償するように駆動信号を調整する。なお、位置信号に基づく駆動信号の調整量を大きくするほど、外部エンコーダ108の故障や、減速機103およびクラッチブレーキ104での回転力の伝達障害などのような異常状態が発生した場合の天板101の誤動作量が大きくなってしまう恐れがある。そこで、位置信号に関するフィードバックゲインは、速度信号に関するフィードバックゲインに比べて十分に小さく設定しておくことが望ましい。
スイッチング素子110cには駆動信号生成部110aにより生成された駆動信号が入力され、またスイッチング素子110dには駆動信号生成部110bで生成された駆動信号が入力される。かくしてスイッチング素子110c,110dには、択一的に駆動信号が入力される。スイッチング素子110c,110dは、入力された駆動信号に応じてモータ102の動作をスイッチングする。スイッチング素子110cとしては、駆動信号生成部110aが生成する駆動信号の周波数での動作に適する大電流用の素子を採用する。スイッチング素子110dとしては、駆動信号生成部110bが生成する駆動信号の周波数での動作に適する小電流用の素子を採用する。なお、図2においてはスイッチング素子110c,110dをトランジスタの記号により図示しているが、トランジスタ以外の素子であっても構わない。
選択信号生成部111には、コンピュータユニット300から設定移動速度が通知される。選択信号生成部111は、設定移動速度が第1の速度領域内であるときには駆動信号生成部110aを選択し、また設定移動速度が第2の速度領域内であるときには駆動信号生成部110bを選択するように選択信号を生成する。ただし、第1の速度領域内の最低速度は第2の速度領域の最高速度よりも高い。また、第1の速度領域および第2の速度領域は、設定移動速度として設定される可能性のある速度のそれぞれがいずれかに含まれるように定められる。
かくして以上のように構成された寝台ユニット100においては、設定移動速度がその可変範囲内の比較的低い速度である動作状態(低速移動状態)ならば、設定移動速度がその可変範囲内の比較的高い速度である状態(高速移動状態)の場合よりもモータ102のスイッチング周波数が高められる。このため、低速移動状態においては、モータ102の回転速度の調整が高速移動状態よりも高い時間分解能で頻繁に行われることになる。この結果、モータ102の回転速度が低いことにより、一定時間における速度変動量は高速移動状態よりも大きくなるが、モータ102の回転速度の調整が高い時間分解能で頻繁に行われることによって図3に示すようにモータ102の回転速度を許容範囲内に抑えることが可能である。そして、このように低速移動状態における速度精度の向上が図れることにより、低速移動状態からの停止位置の精度も向上できる。
また本実施形態によれば、外部エンコーダ108から出力される位置信号から計算される天板101の移動量とモータ102の実際の駆動量から見積もられる天板101の移動量との誤差を補償するようにモータ102のスイッチング動作が補正される。このため、モータ102の回転力がプーリ105に伝達される際の減速機103およびクラッチブレーキ104などにおけるバックラッシの影響を軽減し、停止位置の精度を向上できる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
選択信号生成部111の機能を制御基板109に持たせても良い。この場合、制御基板109が駆動信号生成部110a,110bのいずれか一方にのみ指令を与えるようにすれば良い。また、駆動信号生成部110a,110bは同時に動作させ、スイッチング素子110c,110dを選択的にモータ102に接続するセレクタを切り替えるようにしても良い。
駆動信号生成部110a,110bの選択を、コンピュータユニット300から直接的に制御することも可能である。この場合にコンピュータユニット300は、設定された撮影条件に基づいて適宜に駆動信号生成部110a,110bを選択すればよい。
設定移動速度として設定される可能性のある速度のそれぞれがいずれかに含まれるように3つ以上の速度領域を設定し、これらの速度領域のそれぞれに対して駆動信号生成部およびスイッチング素子を備えても良い。
1つの速度領域に複数の設定移動速度を含める場合、その速度領域に対応した駆動信号生成部では、設定移動速度に応じてスイッチング周波数を変更しても良い。
モータ102に、低速用のコイルおよび高速用のコイルを備えても良い。
位置信号のサーボドライバ110へのフィードバックは省略しても良い。
磁気共鳴イメージング装置などの他の医用診断装置の寝台ユニットにも本発明を適用可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
100…寝台ユニット、101…天板、102…サーボドライバ、102…モータ、103…減速機、104…クラッチブレーキ、105…プーリ、106…ベルト、107…モータエンコーダ、108…外部エンコーダ、109…制御基板、110…サーボドライバ、110a,110b…駆動信号生成部、110c,110d…スイッチング素子、111…選択信号生成部、200…ガントリユニット、201…診断空間、300…コンピュータユニット。

Claims (3)

  1. 医用診断装置での診断対象である被検体を載置する天板と、
    モータを含み、当該モータの駆動力により前記天板を移動させる移動機構と、
    可変設定される設定移動速度で前記天板を移動させるためのモータの基準速度を求める手段と、
    前記モータの速度を検出する検出手段と、
    それぞれが前記モータのオン/オフを表した駆動信号を、前記検出手段により検出された速度を前記基準速度に近づけるために前記モータをオン/オフする時間比を調整しつつ生成するものであって、互いに異なる複数の速度領域にそれぞれ関連付けられており、当該関連付けられた速度領域が高い程に周波数が低くかつ電流値が大きな信号として前記駆動信号を生成する複数の生成手段と、
    複数の前記生成回路によりそれぞれ生成された複数の前記駆動信号がそれぞれ入力され、その入力される前記駆動信号に同期して前記モータをオン/オフする複数のスイッチング手段と、
    複数の前記生成手段のうちの前記基準速度が含まれる速度領域が関連付けられた前記生成手段が生成する前記駆動信号に同期して前記モータがオン/オフされるように制御する制御手段とを具備したことを特徴とする寝台装置。
  2. 前記制御手段は、複数の前記生成手段のうちの前記設定速度が含まれる速度領域が関連付けられた前記生成手段のみが前記駆動信号を生成するように複数の前記生成手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の寝台装置。
  3. 前記移動機構は、前記モータの駆動力により運動して前記天板を移動させるための運動部品を含み、
    前記寝台装置は、前記運動部品の運動速度を検出する第2の検出手段をさらに備え、
    かつ複数の前記生成手段は、前記検出手段により検出された速度を前記基準速度に近づけるように定めた時間比を、前記第2の検出手段により検出された運動速度に基づいて更に調整することを特徴とすることを請求項1に記載の寝台装置。
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