JP2011029480A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペース化・小型化を実現することができる、耐久性に優れた電源装置を提供すること。
【解決手段】電源装置1は、第1及び第2電源回路部4、5と、第1及び第2電源回路部4、5をそれぞれ収容すると共に互いに積層して接合された2つの第1及び第2筐体2、3と、第1及び第2筐体2、3の間に形成され、内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路6とを有する。第1電源回路部4は、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品41と、大発熱部品41よりも発熱量が小さい小発熱部品42とを有し、大発熱部品41の積層方向Xにおける高さは、小発熱部品42の積層方向Xにおける高さよりも小さい。冷媒流路6は、大発熱部品41に隣接する部分に形成され、積層方向Xにおける高さが大きい大流路部61と、小発熱部品42に隣接する部分に形成され、大流路部61よりも積層方向Xにおける高さが小さい小流路部62とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電源回路部を構成する電子部品を筐体に収納してなる電源装置に関する。
例えば、車載用のインバータ、コンバータ等を構成する電源装置は、電源回路部を構成する電子部品を筐体に収納してなる。電源装置は、発熱する電子部品を冷却するために、アルミニウム材料等からなる金属製の筐体内に冷媒流路を形成しており、この冷媒流路に冷却媒体を流通させることができるよう構成されている。
また、電源装置には、複数の電源回路部を有するものがある(特許文献1参照)。このような電源装置91は、図5に示すごとく、電源回路部94、95を収容する筐体92、93を互いに接合して構成される。そして、筐体92、93間に冷媒流路96を形成し、その冷媒流路96に冷却媒体を流通させ、筐体92、93内の電子部品940、950を冷却するよう構成されている。
また、電源装置には、1つの電源回路部を有するものもある。例えば、電源回路部を収容する筐体と該筐体の外側面の一部を覆う蓋部とを互いに接合し、両者の間に冷媒流路を形成したものがある(特許文献2参照)。
特開平11−121690号公報 特開2004−297887号公報
しかしながら、図5に示すごとく、電源回路部94、95を構成する電子部品940、950には、様々な種類のものがある。例えば、電源回路部94には、発熱量が大きいダイオード、MOS−FET、IGBT等の大発熱部品941と、発熱量が小さいトランス、チョークコイル、コンデンサ等の小発熱部品942とがある。
ここで、小発熱部品942は、大発熱部品941に比べて発熱量が非常に小さく、冷却媒体による冷却がほとんど必要ではない。それにもかかわらず、冷媒流路96は、大発熱部品941に隣接する部分と同様に、小発熱部品942に隣接する部分にも形成されている。すなわち、冷媒流路96のうち、小発熱部品942に隣接する部分は無駄なスペースであった。そして、これが電源装置1の省スペース化・小型化を困難なものとする一つの原因となっていた。
上記の問題を解決して省スペース化・小型化を実現するために、例えば、図6に示すごとく、冷媒流路96のうち、小発熱部品942に隣接する部分の冷媒流路96を無くし、筐体92、93における小発熱部品942に隣接する部分同士を重ね合わせて重ね合わせ部919を形成した構成の電源装置91が考えられる。
このような構成とした場合には、重ね合わせ部919の隙間に冷却媒体が浸入すると、その冷却媒体が滞留して筐体92、93を腐食させる原因となり、耐久性を十分に確保することができないおそれがある。そのため、重ね合わせ部919の隙間に冷却媒体が浸入しないように、両者の間をシールするためのボルト911を電源回路部94、95内に設定する必要がある。
また、上記特許文献2の電源装置においても、省スペース化・小型化を実現するために、図7に示すごとく、冷媒流路96のうち、小発熱部品942に隣接する部分の冷媒流路96を無くした構成の電源装置91としている。
このような構成とした場合には、筐体92と蓋部939とを固定するためのボルト911を電源回路部94内に設定する必要がある。
しかしながら、図6、図7の電源装置91では、シール用又は固定用のボルト911を設けることにより、その分だけ電源回路部94、95が大型化し、かつ、大発熱部品941と小発熱部品942とを接続する配線長が長くなり、配線の漏れインダクタンスの増加に伴うノイズの悪化が問題となる。
さらに、図6の電源装置91では、重ね合わせ部919のシール性が低下して隙間が生じると、上述したように、重ね合わせ部919の隙間に冷却媒体が浸入して滞留し、筐体92、93を腐食させるだけでなく、冷却媒体が冷媒流路96から重ね合わせ部919の隙間、ボルト911のネジ穴912を通過して筐体92内に浸入し、電子部品940において漏電等の重大な不具合が生じるおそれもある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、省スペース化・小型化を実現することができる、耐久性に優れた電源装置を提供しようとするものである。
上記第1の発明は、2つの電源回路部と、
該各電源回路部をそれぞれ収容すると共に互いに積層して接合された2つの筐体と、
該2つの筐体の間に形成され、内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路とを有し、
上記2つの電源回路部のうちの少なくとも一つは、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品と、該大発熱部品よりも発熱量が小さい小発熱部品とを有し、
上記大発熱部品の上記筐体の積層方向における高さは、上記小発熱部品の上記積層方向における高さよりも小さく、
上記冷媒流路は、上記大発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記積層方向における高さが大きい大流路部と、上記小発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記大流路部よりも上記積層方向における高さが小さい小流路部とを有することを特徴とする電源装置にある(請求項1)。
上記第2の発明は、1つの電源回路部と、
該電源回路部を収容する筐体と、
該筐体との間に冷却媒体を流通させる冷媒流路を形成する蓋部とを有し、
上記電源回路部は、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品と、該大発熱部品よりも発熱量が小さい小発熱部品とを有し、
上記大発熱部品の上記筐体の積層方向における高さは、上記小発熱部品の上記積層方向における高さよりも小さく、
上記冷媒流路は、上記大発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記積層方向における高さが大きい大流路部と、上記小発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記大流路部よりも上記積層方向における高さが小さい小流路部とを有することを特徴とする電源装置にある(請求項3)。
上記第1の発明の電源装置において、上記2つの電源回路部のうちの少なくとも一つは、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品と、該大発熱部品よりも発熱量が小さい小発熱部品とを有する。そして、上記冷媒流路は、上記大発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記積層方向における高さが大きい大流路部と、上記小発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記大流路部よりも上記積層方向における高さが小さい小流路部とを有する。
すなわち、上記小発熱部品は、上記大発熱部品に比べて発熱量が小さく、上記冷媒流路に流通させる冷却媒体によって冷却する必要がほとんどない。そのため、上記冷媒流路のうち、上記小発熱部品に隣接する上記小流路部の上記積層方向における高さを上記大発熱部品に隣接する上記大流路部に比べて小さくしている。これにより、従来(図5参照)に比べて上記小発熱部品に隣接する部分における上記冷媒流路に要していたスペースを縮小することができ、その結果、デッドスペースを低減して省スペース化・小型化を図ることができる。
また、本発明では、上記小発熱部品に隣接する部分における上記冷媒流路を無くすのではなく、上記小流路部が形成されている。そのため、該小流路部に冷却媒体を流通させることにより、上記小発熱部品に隣接する部分における冷媒流路を無くした構成(図6参照)とした場合に生じる問題、すなわち上記筐体間における冷却媒体の滞留によって生じる上記筐体の腐食の問題を抑制することができる。これにより、耐久性を十分に確保することができる。また、上記筐体間をシールするためのボルト等を上記電源回路部内に設定する必要もないため、上記電源回路部の小型化が可能となる。また、上記大発熱部品と上記小発熱部品とを接続する配線長も短くすることができるため、配線の漏れインダクタンスの増加に伴うノイズの悪化を抑制することができる。
また、従来(図5参照)は、上記筐体の収容スペースにおける上記積層方向の高さを、上記大発熱部品よりも上記積層方向の高さが大きい上記小発熱部品に合わせていたため、上記大発熱部品の上部にデッドスペースが生じていた。しかしながら、本発明では、高さの大きい上記小発熱部品に隣接する部分には高さの小さい上記小流路部を設け、高さの小さい上記大発熱部品に隣接する部分には高さの大きい上記大流路部を設けている。そのため、上記電源回路部と上記冷媒流路とを積層した上記電源装置において、上記大発熱部品を配した部位の必要高さと上記小発熱部品を配した部位の必要高さとを近付けることができる。これにより、デッドスペースを低減し、さらなる省スペース化・小型化を実現することができる。
また、本発明では、上記大発熱部品及び上記小発熱部品を含む上記電源回路部全体に隣接するように上記冷媒流路を形成することができる。すなわち、上記2つの電源回路部の間において、一部分ではなく全体に上記冷媒流路を形成することができる。そのため、省スペース化・小型化を満たしながら、上記2つの電源回路部の間の熱干渉を抑制するという効果が得られる。また、上記電源回路部の小型化・高密度実装化等による該電源回路部内の雰囲気温度の上昇を抑制するという効果も得られる。
また、上記第2の発明の電源装置も、上記第1の発明と同様に、デッドスペースを低減して省スペース化・小型化を図ることができる。また、冷却媒体の滞留によって生じる上記筐体の腐食の問題を抑制することができ、耐久性を十分に確保することができる。そして、特に、従来の構成(図7参照)のように、上記筐体と上記蓋部とを固定するためのボルト等を上記電源回路部内に設定する必要がないため、上記電源回路部の小型化が可能となる。また、上記大発熱部品と上記小発熱部品とを接続する配線長も短くすることができるため、配線の漏れインダクタンスの増加に伴うノイズの悪化を抑制することができる。
また、本発明では、上記大発熱部品及び上記小発熱部品を含む上記電源回路部全体に隣接するように上記冷媒流路を形成することができる。そのため、省スペース化・小型化を満たしながら、上記電源回路部の小型化・高密度実装化等による該電源回路部内の雰囲気温度の上昇を抑制するという効果が得られる。
このように、上記第1及び第2の発明によれば、省スペース化・小型化を実現することができる、耐久性に優れた電源装置を提供することができる。
実施例1における、電源装置を示す説明図。 図1におけるA−A線矢視断面図。 図2におけるB−B線矢視断面図。 実施例2における、電源装置を示す説明図。 従来における、電源装置を示す説明図。 従来における、電源装置を示す説明図。 従来における、電源装置を示す説明図。
上記第1及び第2の発明において、上記電源装置は、例えば、電源回路部としてのインバータ、コンバータ等を備えた、ハイブリッド自動車、電気自動車等における電源装置として用いることができる。
また、上記大発熱部品としては、例えば、ダイオード、MOS−FET、IGBT等の電子部品が挙げられる。また、上記小発熱部品としては、例えば、トランス、チョークコイル、コンデンサ等の電子部品が挙げられる。
上記第1の発明において、上記2つの電源回路部は、いずれも上記大発熱部品と上記小発熱部品とを有し、上記各電源回路部の上記大発熱部品は、いずれも上記大流路部に隣接しており、上記小発熱部品は、いずれも上記小流路部に隣接していることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記2つの電源回路部のいずれもが上記大発熱部品及び上記小発熱部品を有していても、発熱する部品を十分に冷却することができると共に、省スペース化・小型化、耐久性の確保といった本発明の効果を十分に得ることができる。
上記第1及び第2の発明において、上記冷媒流路の上記小流路部は、上記積層方向における高さが0.1mm以上であることが好ましい(請求項4)。
上記小流路部の上記積層方向における高さが0.1mm未満の場合には、上記小流路部において冷却媒体が滞留し、これによって上記筐体の腐食等の問題が生じ、耐久性が低下するおそれがある。一方、上記高さの上限値は、上記電源装置の製造上問題のない高さに設定すればよい。上記高さが高くなれば、無駄なスペースが増えるだけであり、省スペース化・小型化という本発明の効果を十分に得ることができないおそれがある。
また、上記冷媒流路の上記大流路部は、該大流路部を流通する冷却媒体によって発熱する上記大発熱部品を十分に冷却することができるように、上記積層方向における高さを設定すればよい。
(実施例1)
上記第1の発明の実施例にかかる電源装置について、図を用いて説明する。
本例の電源装置1は、図1〜図3に示すごとく、2つの電源回路部(第1電源回路部4、第2電源回路部5)と、各電源回路部4、5をそれぞれ収容すると共に互いに積層して接合された2つの筐体(第1筐体2、第2筐体3)と、2つの筐体2、3の間に形成され、内部に冷却媒体(冷却水7)を流通させる冷媒流路6とを有する。
第1電源回路部4は、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品41と、大発熱部品41よりも発熱量が小さい小発熱部品42とを有し、大発熱部品41の筐体2、3の積層方向(積層方向X)における高さは、小発熱部品42の積層方向Xにおける高さよりも小さい。
冷媒流路6は、大発熱部品41に隣接する部分に形成されると共に積層方向Xにおける高さが大きい大流路部61と、小発熱部品42に隣接する部分に形成されると共に大流路部61よりも積層方向Xにおける高さが小さい小流路部62とを有する。
以下、これを詳説する。
本例の電源装置1は、図1、図2に示すごとく、ハイブリッド自動車、電気自動車等に適用されるものであって、バッテリーを充電するためのコンバータからなる第1電源回路部4と、モータ駆動用のインバータからなる第2電源回路部5とを備えた電源装置である。
同図に示すごとく、電源装置1は、2つの金属製の筐体2、3を有している。第1筐体2及び第2筐体3は、アルミニウム材料からなり、それぞれ電源回路部4、5を構成する電子部品等を配設するケース本体部21、31と、ケース本体部21、31に対して蓋をするケース蓋部22、32とにより構成されている。ケース蓋部22、32は、ボルト等によってケース本体部21、31に固定されている。
図2に示すごとく、第1筐体2において、ケース本体部21は、底部211と側面部212とを有する。底部211は、積層方向Xの高さ位置が高い第1底部211aと、第1底部211aよりも積層方向Xの高さ位置が低い第2底部211bと、第1底部211aと第2底部211bとをつなぐ連結部211cとを有する。また、ケース本体部21は、側面部212の一方の端部から外方に突出した突出端部213を周方向に有する。
同図に示すごとく、第1筐体2の内部には、第1電源回路部4が設けられている。第1電源回路部4は、複数の電子部品で構成されており、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品41と、大発熱部品41よりも発熱量が小さい小発熱部品42とを有する。大発熱部品41は、第1底部211aに配設されており、小発熱部品42は、第2底部211bに配設されている。
図2に示すごとく、第2筐体3において、ケース本体部31は、底部311と側面部312とを有する。また、ケース本体部31は、側面部312の一方の端部から外方に突出した突出端部313を周方向に有する。
同図に示すごとく、第2筐体3の内部には、第2電源回路部5が設けられている。第2電源回路部5は、第1電源回路部4と同様に、複数の電子部品で構成されており、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品51と、大発熱部品51よりも発熱量が小さい小発熱部品52とを有する。大発熱部品51及び小発熱部品52は、底部311に配設されている。大発熱部品51及び小発熱部品52は、後述する冷媒流路6を介して、それぞれ第1電源回路部4の大発熱部品41及び小発熱部品42に対向する位置に配設されている。
なお、本例において、第1電源回路部4及び第2電源回路部5を構成する大発熱部品41、51は、ダイオード、MOS−FET、IGBT等の電子部品である。また、小発熱部品42、52は、トランス、チョークコイル、コンデンサ等の電子部品である。
図1、図2に示すごとく、第1筐体2と第2筐体3とは、互いに積層して接合されている。具体的には、第1筐体2のケース本体部21の底部211(第1底部211a、第2底部211b)と第2筐体3のケース本体部31の底部311とを対向させた状態で、突出端部213、313同士を重ね合わせ、両者をボルト11によって固定している。
図2に示すごとく、第1筐体2と第2筐体3との間には、空間が形成されている。この空間には、冷却水7を流通させる冷媒流路6が設けられている。冷媒流路6は、大発熱部品41、51に隣接する部分に形成され、積層方向Xにおける高さが大きい大流路部61と、小発熱部品42、52に隣接する部分に形成され、大流路部61よりも積層方向Xにおける高さが小さい小流路部62とを有する。小流路部62の積層方向Xにおける高さhは、4mmである。
図1、図2に示すごとく、冷媒流路6は、第1筐体2のケース本体部21の側面部212を介して、外部と連通している。具体的には、ケース本体部21の側面部212には、冷媒流路6の大流路部61と外部とを連通する2つ連通孔23が形成されている。2つの連通孔23には、それぞれ冷媒流路用パイプ24が挿通されている。
そして、図3に示すごとく、電源装置1は、冷却水7(実線)が一方の冷媒流路用パイプ24から冷媒流路6に流れ込み、大流路部61を通過した後、他方の冷媒流路用パイプ24から流れ出るよう構成されている。また、小流路部62にも、冷却水7(点線)が滞留しない程度に流通するよう構成されている。
このようにして、冷却水7を循環させることにより、通電によって発熱する第1電源回路部4及び第2電源回路部5の電子部品(特に、大発熱部品41、51)を冷却することができる。
次に、本例の電源装置1における作用効果について説明する。
本例の電源装置1において、図2に示すごとく、第1電源回路部4は、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品41と、大発熱部品41よりも発熱量が小さい小発熱部品42とを有する。そして、冷媒流路6は、大発熱部品41に隣接する部分に形成されると共に積層方向Xにおける高さが高い大流路部61と、小発熱部品42に隣接する部分に形成されると共に大流路部61よりも積層方向Xにおける高さが低い小流路部62とを有する。
すなわち、小発熱部品42は、大発熱部品41に比べて発熱量が小さく、冷媒流路6に流通させる冷却水7によって冷却する必要がほとんどない。そのため、冷媒流路6のうち、小発熱部品42に隣接する小流路部62の積層方向Xにおける高さを大発熱部品41に隣接する大流路部61に比べて小さくしている。これにより、従来(図5参照)に比べて小発熱部品42に隣接する部分における冷媒流路6に要していたスペースを縮小することができ、その結果、デッドスペースを低減して省スペース化・小型化を図ることができる。
また、本例では、図2に示すごとく、小発熱部品42に隣接する部分における冷媒流路6を無くすのではなく、小流路部62が形成されている。そのため、図3に示すごとく、小流路部62に冷却水7を流通させることにより、小発熱部品42に隣接する部分における冷媒流路6を無くした構成(図6参照)とした場合に生じる問題、すなわち冷却水7の滞留によって生じる筐体2、3の腐食を抑制することができる。これにより、耐久性を十分に確保することができる。また、筐体2、3間をシールするためのボルト等を第1電源回路部4及び第2電源回路部5の内部に設定する必要もないため、第1電源回路部4及び第2電源回路部5の小型化が可能となる。また、大発熱部品41と小発熱部品42とを接続する配線長も短くすることができるため、配線の漏れインダクタンスの増加に伴うノイズの悪化を抑制することができる。
また、従来(図5参照)は、筐体2、3の収容スペースにおける積層方向Xの高さを、大発熱部品41よりも積層方向Xの高さが大きい小発熱部品42に合わせていたため、大発熱部品41の上部にデッドスペースが生じていた。しかしながら、本例では、図2に示すごとく、高さの大きい小発熱部品42に隣接する部分には高さの小さい小流路部62を設け、高さの小さい大発熱部品41に隣接する部分には高さの大きい大流路部61を設けている。そのため、第1電源回路部4と冷媒流路6とを積層した電源装置1において、大発熱部品41を配した部位の必要高さと小発熱部品42を配した部位の必要高さとを近付けることができる。
すなわち、具体的には、小発熱部品42に隣接する部分における冷媒流路6のスペースを縮小(デッドスペースを低減)したことにより、その縮小した分のスペースを小発熱部品42の収容スペースに当てることができる。そのため、小発熱部品42を配した部位の必要高さを小さくすることができる。そして、これに合わせて、大発熱部品41を配した部位の必要高さも小さくすることができる。これにより、大発熱部品41の上部に生じていたデッドスペースを低減し、さらなる省スペース化・小型化を実現することができる。
また、本例では、大発熱部品41及び小発熱部品42を含む第1電源回路4全体に隣接するように冷媒流路6を形成することができる。すなわち、第1電源回路部4と第2電源回路部5との間において、一部分ではなく全体に冷媒流路6を形成することができる。そのため、省スペース化・小型化を満たしながら、第1電源回路部4と第2電源回路部5との間の熱干渉を抑制するという効果が得られる。また、第1電源回路部4及び第2電源回路部5の小型化・高密度実装化等による第1電源回路部4及び第2電源回路部5の内部の雰囲気温度の上昇を抑制するという効果も得られる。
また、本例では、2つの電源回路部4、5は、いずれも大発熱部品41、51と小発熱部品42、52とを有し、各電源回路部4、5の大発熱部品41、51は、いずれも大流路部61に隣接しており、小発熱部品42、52は、いずれも小流路部62に隣接している。そのため、各電源回路部4、5において、発熱量の異なる部品を有していても、その発熱する部品を効率よく冷却することができる。
また、冷媒流路6の小流路部62は、積層方向Xにおける高さhが0.1mm以上である。そのため、冷却水7の滞留による筐体2、3の腐食を防止することができる。
このように、本例によれば、省スペース化・小型化を実現することができる、耐久性に優れた電源装置1を提供することができる。
(実施例2)
上記第2の発明の実施例にかかる電源装置について、図を用いて説明する。
本例の電源装置1は、図4に示すごとく、1つの電源回路部4と、電源回路部4を収容する筐体2と、筐体2との間に冷却媒体(冷却水7)を流通させる冷媒流路6を形成する蓋部39とを有する。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、実施例1と同様に、デッドスペースを低減して省スペース化・小型化を図ることができる。また、冷却水7の滞留によって生じる筐体2の腐食の問題を抑制することができ、耐久性を十分に確保することができる。
そして、特に、従来の構成(図7参照)に比べて、筐体2と蓋部39とを固定するためのボルト等を電源回路部4内に設定する必要がないため、電源回路部4の小型化が可能となる。また、大発熱部品41と小発熱部品42とを接続する配線長も短くすることができるため、配線の漏れインダクタンスの増加に伴うノイズの悪化を抑制することができる。
また、本例では、大発熱部品41及び小発熱部品42を含む電源回路部4全体に隣接するように冷媒流路6を形成することができる。そのため、省スペース化・小型化を満たしながら、電源回路部4の小型化・高密度実装化等による電源回路部4内の雰囲気温度の上昇を抑制するという効果も得られる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 電源装置
2 第1筐体
3 第2筐体
4 第1電源回路部
41 大発熱部品
42 小発熱部品
5 第2電源回路部
6 冷媒流路
61 大流路部
62 小流路部

Claims (4)

  1. 2つの電源回路部と、
    該各電源回路部をそれぞれ収容すると共に互いに積層して接合された2つの筐体と、
    該2つの筐体の間に形成され、内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路とを有し、
    上記2つの電源回路部のうちの少なくとも一つは、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品と、該大発熱部品よりも発熱量が小さい小発熱部品とを有し、
    上記大発熱部品の上記筐体の積層方向における高さは、上記小発熱部品の上記積層方向における高さよりも小さく、
    上記冷媒流路は、上記大発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記積層方向における高さが大きい大流路部と、上記小発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記大流路部よりも上記積層方向における高さが小さい小流路部とを有することを特徴とする電源装置。
  2. 請求項1において、上記2つの電源回路部は、いずれも上記大発熱部品と上記小発熱部品とを有し、
    上記各電源回路部の上記大発熱部品は、いずれも上記大流路部に隣接しており、上記小発熱部品は、いずれも上記小流路部に隣接していることを特徴とする電源装置。
  3. 1つの電源回路部と、
    該電源回路部を収容する筐体と、
    該筐体との間に冷却媒体を流通させる冷媒流路を形成する蓋部とを有し、
    上記電源回路部は、通電によって発熱する発熱量が大きい大発熱部品と、該大発熱部品よりも発熱量が小さい小発熱部品とを有し、
    上記大発熱部品の上記筐体の積層方向における高さは、上記小発熱部品の上記積層方向における高さよりも小さく、
    上記冷媒流路は、上記大発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記積層方向における高さが大きい大流路部と、上記小発熱部品に隣接する部分に形成されると共に上記大流路部よりも上記積層方向における高さが小さい小流路部とを有することを特徴とする電源装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記冷媒流路の上記小流路部は、上記積層方向における高さが0.1mm以上であることを特徴とする電源装置。
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