JP7516294B2 - 電力変換ユニットおよび電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、電力変換ユニットおよび電力変換装置に関する。
近年の地球温暖化問題への意識の高まりや、CO排出量の削減のために、ハイブリッド自動車や電気自動車の普及が進んでいる。乗り物等の動力源は、電動化によって、化石燃料を必要とするエンジンからモータに代わる。動力源としてのモータは、化石燃料を使用しない場合、CO排出量が少なくなるため、地球温暖化の抑制に貢献すると期待されている。
モータを動力源とする場合、モータの回転を制御するための電力変換装置が必要となる。電力変換装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の他、その他の製品でも、モータの稼働効率の向上に必要不可欠である。一般に、電力変換装置は、電力を利用するモータや、電力を貯める蓄電池等の主機に対して、補機として備えられている。
現在、動力源としてのモータ、蓄電池等の普及に伴って、主機を含めた動力システム全体について、小型化や軽量化が求められている。そのため、電力変換装置についても、小型化や軽量化が望まれている。また、モータ、蓄電池等が普及すると、モータ、蓄電池等の使用環境も拡大することが想定される。そのため、電力変換装置には、様々な使用環境に対応した性能が望まれている。
例えば、標高が100m高くなる毎に、気温は約0.6℃ずつ下がる。低温では、結露が生じ易くなるため、回路の短絡、回路素子の劣化や破損、材料の劣化や変質等が起こり易くなる。また、標高が高い使用環境では、温度だけでなく、気圧も低くなるため、低地とは異なる性能が要求される。低気圧下では、パッシェンの法則にしたがって放電が起こり易くなることが知られている。
電力変換装置は、低温劣化、熱劣化、熱応力や、短絡、絶縁破壊等が生じ易い環境においても、所望の動作を長期間にわたって持続できるように、信頼性が高い設計とすることが望まれる。常温・常圧から逸脱した温度・気圧や、温度変化・気圧変化に対して耐性が高い設計であれば、同一仕様の装置を種々の環境で使用できるため、装置の量産性やコスト効率の改善が期待される。
特許文献1~3には、電力変換装置の小型化に関連する技術が記載されている。
特開2020-178406号公報(段落0006、図2等) 特開2020-077763号公報(段落0010、図2等) 特開2014-050113号公報(段落0010、図6等)
電力変換装置について、軽量化や小型化が望まれている。また、常温・常圧から逸脱した温度・気圧や、温度変化・気圧変化に対して耐性が高い構造が求められている。このような性能は、装置の量産性やコスト効率の観点から、同一仕様の装置が本質的に備えることが望まれる。
特許文献1~3に記載された技術では、装置に内蔵された発熱部品を冷却するために、放熱に関係する構造を改良している。しかし、特許文献1~3に記載された装置は、内部から外部への放熱性は改善されるものの、装置が置かれる外部環境からの影響に対して、信頼性が十分に確保される構造になっているとはいえない。また、装置の軽量化に関して、大きな改善の余地がある。
そこで、本発明は、常温・常圧から逸脱した温度・気圧においても動作の信頼性が高く、材料の選択次第では軽量化も可能な電力変換ユニット、および、それを備えた電力変換装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る電力変換ユニットは、冷却媒体が流される冷却部と、前記冷却部の一方に配置された入力側電力変換部と、前記入力側電力変換部に対して前記冷却部を挟んで対向して配置された出力側電力変換部と、前記冷却部、前記入力側電力変換部および前記出力側電力変換部を覆う筐体と、を備え、前記入力側電力変換部および前記出力側電力変換部は、スイッチング素子と、回路基板と、を有し、前記筐体が多孔質であり、前記筐体の比較トラッキング指数(CTI)が175V以上である。
また、本発明に係る電力変換装置は、前記の複数の電力変換ユニットと、前記電力変換ユニットを収容して支持するフレームと、を備え、前記フレーム内に支持された複数の前記電力変換ユニットが、互いに直列または並列に電気的に接続されている。
本発明によれば、常温・常圧から逸脱した温度・気圧においても動作の信頼性が高く、材料の選択次第では軽量化も可能な電力変換ユニット、および、それを備えた電力変換装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電力変換ユニットを前面側から視た斜視図である。 本発明の実施形態に係る電力変換ユニットを後面側から視た斜視図である。 本発明の実施形態に係る電力変換ユニットの横断面図である。 電力変換ユニットに内蔵される回路の一例を示す図である。 筐体を前面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。 筐体を後面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。 分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す上面図である。 分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す断面図である。 本発明の変形例に係る電力変換ユニットの横断面図である。 筐体を前面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。 筐体を後面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。 分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す上面図である。 分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す断面図である。 筐体を後面側から視た筐体のリブ構造の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る電力変換装置を前面側から視た斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換ユニット、および、それを備えた電力変換装置について、図を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、共通する構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換ユニットを前面側から視た斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る電力変換ユニットを後面側から視た斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る電力変換ユニットの横断面図である。図3は、図1の二点鎖線における断面図に相当する。
図1~図3に示すように、本実施形態に係る電力変換ユニット1は、外郭を形成する筐体2と、入力された電力を変換する入力側電力変換部3と、電力を変換して出力する出力側電力変換部4と、発熱部品の冷却を行う冷却部5と、を備えている。電力変換ユニット1は、電力変換の一例として、AC/DC変換を行う装置とされている。
筐体2は、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5を収容している。筐体2は、これらの内蔵物の全部、ないし、端子等を除いた一部を覆う。本実施形態に係る電力変換ユニット1は、後記するように、筐体2を、電気抵抗率が高い樹脂で形成し、樹脂マトリクス中の気孔が主として閉気孔(独立気泡)で構成された多孔質とするものである。
図1に示すように、筐体2の前面側には、冷却管用の貫通孔21a,21bが設けられている。貫通孔21a,21bからは、冷却管51,52が、筐体2の内部から外部に引き出されている。図1において、冷却管用の貫通孔としては、二つの冷却管51,52に対応して、左側の貫通孔21aと右側の貫通孔21bの二つが設けられている。
冷却管用の貫通孔21a,21bは、筐体2の前面の鉛直方向における中央付近に、水平に並列している。冷却管51,52の先端側は、筐体2の外部に露出している。冷却管51,52は、冷却媒体が流される管路を形成しており、配管、チューブ等を介して、冷却ユニットと接続可能とされている。冷却管51,52のうち、一方は入口側、他方は出口側とされる。
冷却ユニットは、冷却媒体を電力変換ユニット1に流す装置であり、電力変換ユニット1の作動中や待機中等に、電力変換ユニット1に接続される。冷却ユニットは、電力変換ユニット1の作動中や待機中等に、低温の冷却媒体を電力変換ユニット1に供給し、受熱した高温の冷却媒体を電力変換ユニット1から回収する。
図2に示すように、筐体2の後面側には、端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bが設けられている。貫通孔22a,22b,23a,23bからは、入力端子31,32および出力端子41,42が、筐体2の内部から外部に引き出されている。図2において、端子用の貫通孔としては、二つの入力端子31,32に対応して、左側の貫通孔22aと右側の貫通孔22bの二つが設けられている。また、二つの出力端子41,42に対応して、左側の貫通孔23aと右側の貫通孔23bの二つが設けられている。
入力端子31,32が引き出される貫通孔22a,22bは、筐体2の後面の鉛直方向における上側、且つ、水平方向における片側に、略水平に並列している。出力端子41,42が引き出される貫通孔23a,23bは、筐体2の後面の鉛直方向における下側、且つ、水平方向における反対側に、略水平に並列している。端子31,32,41,42の先端側は、筐体2の外部に露出している。端子31,32,41,42は、配線を介して、電源、モータ、蓄電池等の主機等と接続可能とされている。
端子31,32,41,42の材料としては、電気抵抗率が低い材料、例えば、銅、銀、アルミニウム等の金属や、これらの合金を用いることができる。また、ユニットを耐食性が要求される使用環境で用いる場合、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼等を用いることもできる。端子の表面には、腐食の防止のために、メッキ処理を施してもよい。メッキ処理としては、金メッキ、銀メッキ、錫メッキ等を用いることができる。
AC/DC変換を行う電力変換ユニット1において、入力端子31,32に交流電力を入力すると、筐体2に内蔵された入力側電力変換部3および出力側電力変換部4で波形が変換されて、出力端子41,42から直流電力が出力される。このような電力変換ユニット1は、例えば、モータ、蓄電池等の補機として用いることができる。
筐体2は、電気抵抗率が高い樹脂によって形成され、樹脂マトリクス中の気孔が主として閉気孔(独立気泡)で構成された多孔質とされる。多孔質の筐体2は、例えば、樹脂を発泡させた硬質フォーム状の発泡体や、樹脂マトリクス中に気孔を分散させた成形体として形成することができる。筐体2は、内部への温度や気圧の影響を小さくするために、主として閉気孔を有するが、一部に開気孔を有してもよい。
多孔質の筐体2を形成する方法としては、原料樹脂中にガス生成反応や熱分解反応でガスを発生させる方法、原料樹脂中にガスを注入して気孔を分散させる方法、原料樹脂を攪拌・剪断して気孔を分散させる方法、原料樹脂中にポロジェンを分散させて硬化後の略閉気孔から離脱させる方法、原料樹脂中に中空構造のフィラを分散させる方法、原料樹脂中に高嵩密度のフィラを分散させて攪拌・剪断して気孔を分散させる方法等、適宜の方法を用いることができる。
筐体2の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を用いることができる。多孔質材を樹脂とすることで軽量化することができる。
例えば、コストを下げる場合はPS、軽量性や強度が必要な場合はPP、成型精度が必要な場合はPE,耐衝撃性が必要な場合はPC、耐熱性が必要な場合はPA、PI、PAI等を用いることができる。筐体2の材料としては、一種の樹脂を用いてもよいし、複数の樹脂によるポリマアロイを用いてもよいし、反応基等を導入した変性樹脂を用いてもよい。
これらの樹脂は、基本的に、発泡させる方法や、気泡・気孔を分散させる方法を適切に選択することによって、いずれも多孔質とすることができる。多孔質の筐体2を形成する好ましい方法は、発泡剤を添加した熱可塑性樹脂を溶融させた状態で発泡させる方法や、熱硬化性樹脂等のモノマ中に発泡剤を分散して硬化反応の過程で発泡させる方法や、これらの発泡剤に代えて中空構造のフィラを用いる方法である。これらの方法によると、発泡倍率、気孔率、密度等を、比較的安定して制御することができる。
中空構造のフィラとしては、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等や、アルミナ、ジルコニア、カーボン、フライアッシュ、シラス、パーライト等で形成された中空構造の無機フィラや、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン-アクリル樹脂等で形成された中空構造の有機フィラ等を用いることができる。高嵩密度のフィラとしては、例えば、フレーク状、多孔質状、繊維状等のフィラが挙げられる。
従来、一般的な電力変換装置の筐体は、樹脂、金属、セラミックス等を用いて非多孔質であるバルクとして形成されている。バルクの筐体は、材料の熱伝導率が高い場合、内部から外部に向けた放熱性に優れている。また、材料の電気抵抗率に応じて適切な電気絶縁性を得ることができる。また、機械的強度や密閉性を容易に確保することができる。
しかし、材料の熱伝導率が高いと、筐体の内部の温度・気圧が、装置が置かれる外部環境の温度・気圧に影響されるという問題がある。電力変換装置が、常温・常圧から逸脱した温度・気圧や、温度変化・気圧変化に晒された場合、筐体の内蔵物の動作・性能の劣化や、内蔵物の材料の性質の劣化を生じる。また、バルク状の筐体は、材料によっては高重量となるため、軽量化の点で不利になる。
これに対し、本実施形態に係る電力変換ユニット1では、筐体2を、樹脂マトリクス中の気孔が主として閉気孔(独立気泡)で構成された多孔質とするため、非多孔質であるバルクの場合や、開気孔で構成される多孔質の場合と比較して、ユニットが置かれる外部環境の常温・常圧から逸脱した温度・気圧や、温度変化・気圧変化に対して高い耐性が得られる。筐体内の内部環境は、外部環境の温度・気圧に影響され難くなるため、装置が置かれる外部環境に対して内部環境が平常に保たれ易くなる。
そのため、電力変換ユニット1によると、外部環境を原因とする低温劣化、熱劣化、熱応力や、低気圧下の放電による短絡、絶縁破壊等を生じ難くすることができる。筐体の内蔵物の動作・性能や、内蔵物の材料の性質を、長期間にわたって維持することが可能になり、長期間にわたる動作の信頼性が高いユニットが得られる。また、バルクの樹脂等を用いる場合と比較して、筐体の密度が小さくなるため、ユニットを軽量化することができる。
図3に示すように、入力側電力変換部3および出力側電力変換部4は、それぞれ、回路基板10や、回路基板10上に実装されたスイッチング素子11、共振コンデンサ15(図4参照)、平滑コンデンサ16(図4参照)等の回路素子や、放熱部材12等で構成される。回路素子同士は、配線を介して互いに電気的に接続されて、入力端子31,32と出力端子41,42との間に所定の回路を形成する。
入力側電力変換部3の回路基板10には、入力端子31,32の基端側が電気的に接続される。出力側電力変換部4の回路基板10には、出力端子41,42の基端側が電気的に接続される。すなわち、入力端子31,32および出力端子41,42は、それぞれ、回路基板10上の回路素子と電気的に接続される。
回路素子は、筐体2の内部に露出する端子、ボンディングワイヤ等の表面に絶縁処理を施される。絶縁処理は、電気絶縁性、防湿性、防塵性等を示す被膜を形成可能なコーティング材を用いて行う。コーティング材を用いると、端子間、配線間等における放電が抑制されるため、ユニットの動作安定性を向上し、故障を低減することができる。
コーティング材としては、非接着性のゲルではなく、自己接着性のエラストマを用いることが好ましい。非接着性のゲルは、低温環境や低気圧環境で、割れ、破裂、気泡等を生じるため、部分放電を起こし、絶縁破壊する虞がある。また、内包された気泡が低気圧環境で膨張するため、容易に剥離する。これに対し、液状ゴムの硬化物等の自己接着性のエラストマは、低温環境や低気圧環境であっても、剥離し難く、部分放電を起こし難い被膜を形成するため、安定した電気絶縁性、防湿性、防塵性等を確保することができる。
コーティング材としては、室温における未硬化状態で流動性を有する材料が好ましく、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンが好ましい。コーティング材としては、付加反応型、縮合反応型等のいずれを用いることもできるが、硬化反応に伴う気泡の生成を避ける観点等から、付加反応型を用いることが好ましい。
コーティング材の具体例としては、SYLGARD184、SH850、SE1816CV、SE1817CVM(東レ・ダウコーニング社製)や、KE-1204、KE-1282、KE-109E、KE-1846、KE-1886(信越シリコーン社製)等が挙げられる。
図3に示すように、入力側電力変換部3と出力側電力変換部4は、筐体2の内部に、冷却部5を挟んで対向して配置される。入力側電力変換部3は、冷却部5を挟んで冷却部5の一方の側に配置される。出力側電力変換部4は、冷却部5を挟んで冷却部5の他方の側に配置される。このような配置によると、電力変換部同士の電気絶縁性や、各電力変換部から冷却部5への放熱性が確保され易くなる。
筐体2の内蔵物である入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5は、例えば、回路基板10が水平方向に向いて互いに鉛直方向に積層されるように配置することができる。このような配置によると、内蔵物の荷重による筐体2への圧力が小さくなるため、多孔質である筐体2の部分的な圧縮、破損等を低減することができる。
スイッチング素子11等の回路素子は、ユニットの作動中、それ自体の抵抗によってジュール熱を生じる発熱部品となる。回路上の発熱は、回路素子や材料に熱劣化、熱応力等を生じ、誤作動や経年劣化に繋がる。そのため、発熱部品は、冷却部5による冷却対象となり、ユニットの作動中や待機中等に、冷却部5によって除熱される。
放熱部材12は、熱伝導率が高い材料で形成される。放熱部材12は、入力側電力変換部3および出力側電力変換部4のそれぞれにおいて、スイッチング素子11等の回路素子と冷却路形成部材53との間を熱的に接続する。放熱部材12は、板状の放熱板等として設けることができる。放熱部材12は、一面がスイッチング素子11等の回路素子の表面と面接触し、他面が冷却路形成部材53と面接触するように配置できる。
放熱部材12によると、スイッチング素子11等の回路素子と放熱部材12との間や、放熱部材12と冷却路形成部材53との間が、互いに熱的に接続されるため、回路基板10上の発熱部品から放熱部材12を経由して冷却路形成部材53まで、放熱性に優れた伝熱経路を形成することができる。放熱部材12と発熱部品との間や、放熱部材12と冷却路形成部材53との間には、熱伝導率が高い放熱グリス等が追加されてもよい。
放熱部材12の材料としては、銅、アルミニウム、金、銀等の金属や、これらの合金や、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の無機物や、高熱伝導性の樹脂材料を用いることができる。高熱伝導性の樹脂材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の熱伝導率が高いフィラを添加したエポキシ樹脂等が挙げられる。
放熱部材12は、電気抵抗率が高い絶縁材料で形成することが好ましい。電気抵抗率が低い放熱部材12を用いる場合、電気抵抗率が高い冷却路形成部材53を用いることが好ましい。
また、放熱部材12は、回路基板10に平行な幅をスイッチング素子11等の発熱部品よりも大きく設け、発熱部品の表面全体を覆うように中央寄りに配置することが好ましい。このような配置によると、発熱部品から放熱部材12への伝熱経路を回路基板10に平行な方向に拡大させて、発熱部品からの放熱性を向上させることができる。
図3に示すように、冷却部5は、冷却路形成部材53と、冷却媒体が流される冷却路54によって構成される。冷却路54は、冷却路形成部材53の内部に形成される。冷却媒体としては、例えば、必要に応じて腐食抑制剤、脱酸素剤等を添加した水や、エチレングリコール、プロピレングリコール等が配合された不凍液等、適宜の媒体を用いることができる。
冷却路形成部材53は、熱伝導率が高い材料で形成される。冷却路形成部材53は、筐体2の内部の空間に嵌まるように、空間の幅と同程度の直方体状等の外形に設けることができる。冷却路形成部材53の側面には、冷却管51,52が、外側に突出するように設けられる。冷却管51,52は、冷却路形成部材53の外部と内部の冷却路54とを連通する貫通孔を形成する。
冷却路形成部材53や冷却管51,52の材料としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の軽合金や、銅、銅合金等や、バルク状の樹脂等を用いることができる。冷却路形成部材53の材料としては、冷却能力の向上や、ユニットの軽量化の観点からは、熱伝導率が高く、且つ、密度が小さい材料が好ましく、軽合金が特に好ましい。
冷却路54は、冷却路形成部材53の内部に、任意の経路や流路形状に設けることができる。冷却路54は、入出口としての冷却管51,52に連通し、入出口を除いて液密性が確保される。冷却路54は、冷却路形成部材53の内部に、単一の流路を有してもよいし、複数の流路を有してもよい。複数の流路は、例えば、電力変換部毎に隣接させて対称的に設けることができる。
冷却管51,52には、配管、チューブ等を介して冷却ユニットを接続することができる。冷却媒体は、一方の冷却管を通じて冷却路形成部材53の内部に導入できる。冷却路54を通流して熱を奪った冷却媒体は、他方の冷却管を通じて冷却ユニットに排出できる。冷却媒体は、電力変換ユニット1の作動中や待機中等に、冷却路53と冷却ユニットとの間で循環させることができる。
このような冷却部5の構造によると、ユニットの作動中にスイッチング素子11等の発熱部品に生じた熱が、放熱部材12に伝熱し、放熱部材12から冷却路形成部材54に伝熱する。冷却路形成部材54の熱は、冷却路53に流される冷却媒体によって抜熱される。冷却路形成部材54から受熱した冷却媒体は、一方の冷却管51,52を通じて筐体2の外部に排出される。
そのため、このような冷却部5によると、スイッチング素子11等の発熱部品を強制的に冷却することができる。筐体の内外を貫通する放熱部材を設ける自然放熱の方式と比較して、高い冷却能力を得ることができる。また、筐体2の内部の熱を外部に排熱するため、冷却管用の貫通孔21a,21bや端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bを除いて、筐体2を断熱的な構造に設けることができる。
筐体2の内部には、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物を収容する空間が設けられる。入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5は、筐体2の内部に収容して固定することができる。これらの内蔵物は、筐体2に対して着脱自在に固定されてもよいし、取り外し不能に固定されてもよい。
筐体2への固定法としては、筐体2の内側に嵌め込む方法、接着剤等を用いて筐体2に接着させる方法、ボルト等の接合部品を用いて筐体2に機械的に接合する方法等、適宜の方法を用いることができる。
筐体2の内側に嵌め込む方法を用いる場合や、筐体2に接着させる方法を用いる場合、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物を、筐体2の内部の空間のサイズと同等か、または、締め代を付加したサイズに設ける。嵌め込む方法によると、接着剤や接合部品を用いなくとも、固定および取り外しを簡便に行うことができる。また、内蔵物を筐体2に密接させると、多孔質である筐体2が振動や衝撃に対する緩衝材として機能するため、内蔵物の故障を防ぐことができる。
図3において、筐体2の内部の空間には、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物を除いた領域に、空気が入っている。筐体2は、冷却管用の貫通孔21a,21bや端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bを除いて、内部の気密性が高い構造に設けられることが好ましい。これらの貫通孔と冷却管や端子との間の隙間は、コーキング材、パッキン等で密閉されることが好ましい。
筐体2が気密性が高い構造であると、ユニットが置かれる外部環境、例えば、常温や常圧から逸脱した温度や気圧、温度変化や気圧変化に対して耐性が高くなる。外部環境に対して内部環境が平常に保たれ易くなるため、筐体の内蔵物の動作・性能の劣化や、内蔵物の材料の性質の劣化を抑制することができる。また、筐体2の内部に塵埃や湿分等が侵入し難くなるため、トラッキングによる絶縁破壊を抑制することができる。
図4は、電力変換ユニットに内蔵される回路の一例を示す図である。
図4に示すように、電力変換ユニット1に内蔵される回路は、入力側電力変換部3と出力側電力変換部4によって形成される。入力側電力変換部3と出力側電力変換部4とは、高周波トランス19を介して電磁気的に結合している。
AC/DC変換を行う電力変換ユニット1において、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および高周波トランス19は、AC-DCコンバータと共振形のDC-DCコンバータを形成している。高周波トランス19は、筐体2の内部の空間のうち、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5の側方(図3の手前側または奥側)等に収容することができる。
入力側電力変換部3は、第1ブリッジ回路部13aや、第2ブリッジ回路部13bや、共振コンデンサ15や、平滑コンデンサ16や、高周波トランス19の一次コイルを備えている。出力側電力変換部4は、第3ブリッジ回路部13cや、平滑コンデンサ16や、高周波トランス19の二次コイルを備えている。
ブリッジ回路部13a,13b,13cは、それぞれ、スイッチング素子11と、逆並列に接続された還流ダイオードによって、フルブリッジ型回路として形成されている。スイッチング素子11としては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaN、Si、SiC等の半導体素子を用いることができる。
第1ブリッジ回路部13aは、入力側電力変換部3の入力側の正負端子間に電気的に接続されている。第1ブリッジ回路部13aには、平滑コンデンサ16が並列に接続されている。入力側電力変換部3の平滑コンデンサ16には、第2ブリッジ回路部13bが並列に接続されている。第2ブリッジ回路部13bの中点には、共振回路が並列に接続されている。
共振回路は、高周波トランス19の一次コイルと、共振コンデンサ15を備えている。高周波トランス19の一次コイルは、入力側電力変換部3の正負端子間に電気的に接続されている。高周波トランス19の二次コイルは、出力側電力変換部4の正負端子間に電気的に接続されている。
高周波トランス19の二次コイルには、第3ブリッジ回路部13cの中点が並列に接続されている。第3ブリッジ回路部13cには、平滑コンデンサ16が並列に接続されている。出力側電力変換部4の平滑コンデンサ16は、出力側電力変換部4の出力側の正負端子間に電気的に接続されている。
第1ブリッジ回路部13aには、入力端子31,32を介して、電源から交流電流が入力される。入力された交流電流は、全波整流されて直流電流に変換される。第2ブリッジ回路部13bでは、直流電流が方形波等の交流電流に変換される。高周波トランス19は、交流電流を高周波に変換する。共振コンデンサ15は、共振によりスイッチング時の電流・電圧を下げて、スイッチング損失を低減する。第3ブリッジ回路部13cでは、交流電流が直流電流に変換される。
図4に示す回路によると、共振形のDC-DCコンバータによってスイッチング損失が低減されるため、周波数が高い場合であっても、電力の損失を抑制しつつAC/DC変換することができる。また、電力の損失を抑制して高周波数に変換できるため、高周波トランス19に大型のコアを用いる必要がなく、トランスの小型化が可能になる。そのため、電力変換ユニット1に内蔵すると、ユニットの小型化および軽量化を図ることができる。
ここで、電力変換ユニット1や筐体2の具体的な性能等について説明する。
電力変換ユニット1において、入力側電力変換部3や、出力側電力変換部4や、筐体2の外部に引き出された入力端子31,32や出力端子41,42は、互いに電気的に絶縁する必要がある。また、端子間、配線間等の短絡だけでなく、材料中で起こる部分放電も防止する必要がある。
部分放電は、材料中の空隙等で起こる回路動作に不要な放電であり、材料の電気絶縁性の低下や、回路素子等の故障の要因となる。材料が多孔質である場合、材料中に空隙が存在するため、材料中で部分放電が起こって材料の性質を劣化させる。電気抵抗率が高い樹脂であっても、絶縁破壊が起こる虞があるため、絶縁性能や絶縁設計が必要になる。
日本産業規格 JIS C61800-5-1:2016や、国際電気標準会議規格 IEC 61800-5-1:2007には、固体絶縁物の沿面距離について規定されている。沿面距離は、固体絶縁物の表面に沿った距離として定義されている。沿面距離は、固体絶縁物の長期使用による劣化を考慮して、動作電圧、汚損度および絶縁材料グループに応じて段階的に規定されている。
汚損度は、空気中における塵埃等の汚染物の存在や汚染物の導電性に応じて、1~4の段階に分類されている。絶縁材料グループは、比較トラッキング指数(Comparative tracking Index:CTI)に応じて、グループI(CTI≧600V)、グループII(600V>CTI≧400V)、グループIIIa(400V>CTI≧175V)、グループIIIb(175V>CTI≧100V)に分類されている。
汚損度1は、汚損がないか、または、乾燥した非導電性の汚損だけが発生する状態であり、絶縁への影響はない状態である。汚損度2は、非導電性の汚損だけが発生する状態であり、装置の停止時に結露によって一時的に導電性を持つことが予想される状態である。汚損度3は、導電性の汚損、または、予想される結露によって導電性となる乾燥した非導電性の汚損が発生する状態である。汚損度4は、導電性の塵埃、雨、雪等によって持続的な導電性を生じる汚損が発生する状態である。
比較トラッキング指数(CTI)は、JIS C 2134やIEC60112に準拠して測定される。CTIの測定は、一対の白金電極を先端側が所定の間隔で近接するように傾斜させた試験装置で行う。試験装置の電極間に所定の電解液を所定の時間間隔で滴下し、電極間への電圧の掃引に対して、トラッキングによる絶縁破壊を生じない最高電圧を求める。最高電圧の範囲に応じて汚損度毎の絶縁材料グループが定められる。
電力変換ユニット1の動作電圧は、特に限定されるものではないが、高出力が要求される用途にも用いる観点等から、800V以上であることが好ましく、1250V以上であることがより好ましい。また、動作電圧は、2500V以下や、1250V以下とすることができる。800V以上の動作電圧の範囲では、汚損度が3である場合、絶縁材料グループIIIbが非推奨とされている。そのため、電力変換ユニット1の筐体2は、絶縁材料グループが、I、IIまたはIIIaであることが好ましい。
すなわち、電力変換ユニット1の筐体2は、IEC60112に準拠して測定される比較トラッキング指数(CTI)が、175V以上であることが好ましい。このような性能であると、動作電圧が800V以上の高電圧であっても、多孔質である筐体2の表面等で部分放電を抑制することができる。筐体2の表面に開気孔があっても、筐体2の劣化や絶縁破壊が起こり難くなり、種々の環境で使用できる信頼性が高いユニットが得られる。
電力変換ユニット1において、固体絶縁物の沿面距離は、使用環境に応じて設計できるが、20mm以上とすることが好ましい。すなわち、入力端子32と出力端子41との間の沿面距離や、入力端子31と入力端子32との間の沿面距離や、出力端子41と出力端子42との間の沿面距離は、20mm以上が好ましい。このような設計であると、汚損度が3である環境を含め、種々の環境で端子周辺の絶縁性能を確保することができる。
電力変換ユニット1の使用温度は、特に限定されるものではないが、-40℃以上50℃以下であることが好ましい。このような範囲であると、多孔質である筐体2によって内部の温度を適切に保つことができる。常温から逸脱した温度や、温度変化を緩和して、筐体の内蔵物の動作・性能や、内蔵物の材料の性質を正常に保てるため、ユニットの劣化、故障等を抑制することができる。
電力変換ユニット1の使用環境は、特に限定されるものではないが、海抜高度0m未満や0m以上5000m未満の低中高度や、5000m以上15000m以下の高高度や、これらの高度に対応する気圧下等が挙げられる。海抜高度0mに対して、5000mでは約30℃の気温低下、10000mでは約60℃の気温低下を生じる。このような使用環境であっても、多孔質である筐体2によって内部の気圧を適切に保つことができる。常圧から逸脱した気圧や、気圧変化を緩和して、筐体の内蔵物の動作・性能や、内蔵物の材料の性質を正常に保てるため、ユニットの劣化、故障等を抑制することができる。
筐体2の電気抵抗率は、1012Ω・m以上であることが好ましい。筐体2の熱伝導率や厚さは、特に限定されるものではない。筐体2の熱伝導率は、使用環境の温度、温度変化等に応じて、適宜の設計とすることができる。筐体2の厚さは、使用環境の温度、温度変化、気圧、気圧変化、内蔵物の重量、内蔵物の荷重面積等に応じて、適宜の設計とすることができる。筐体2の厚さは、各面毎に異なっていてもよいし、面内の部分毎に異なっていてもよい。
筐体2の熱伝導率は、0.10W/mK未満であることが好ましく、0.05W/mK未満であることがより好ましい。ユニットが極端な低温環境や高温環境に置かれたり、極端な温度変化に晒されたりすると、回路素子が誤作動や劣化を生じる。多孔質である筐体2の熱伝導率が0.10W/mK未満であると、バルクの樹脂で形成された一般的な筐体と比較して、内部の温度を適切に保つことができる。
例えば、バルクの樹脂の熱伝導率は、断熱材として汎用されているポリスチレンの場合、常温付近で0.10W/mK程度である。筐体2の材料として、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)の発泡体を用いる場合、発泡倍率を10倍、密度を0.1g/cm、厚さを5mmとすると、筐体2の熱伝導率が0.034W/mK程度まで下がることが、試作品を用いた試験で確認されている。
すなわち、発泡倍率を10倍以上に発泡させたmPPEは、断熱材として汎用されているバルクのポリスチレンと比較して、熱伝導率が1/3程度に抑制される。熱量の移動速度は、同じ厚さで比較すると1/3程度になり、同じ重量で比較すると1/5程度になる。よって、或る程度の閉気孔が保たれる範囲で、発泡倍率、密度等を調整し、熱伝導率を低くすると、筐体の内部の温度変化の速度を遅くして、故障の確率を低下させることができる。
筐体2の厚さは、5mm以上であることが好ましい。筐体2の内蔵物の重量が2kgであり、内蔵物による荷重によって筐体2の底部上面にかかる圧力が0.2MPaである場合、密度0.1g/cmのmPPEの発泡体を用いると、5mmの厚さで内蔵物を支えれることが、試作品を用いた試験で確認されている。mPPEは、成形性、機械的強度、難燃性、耐薬品性等に優れた材料である。
筐体2の密度は、0.9g/cm未満であることが好ましい。ポリエチレンは、合成樹脂の中でも密度が低く、バルクの密度が0.9g/cm程度である。筐体2の材料としてバルクのポリエチレンを用いる場合、ユニット全体に対する筐体2の重量割合は、59%程度となる。密度が0.9g/cm未満であれば、筐体2の重量割合が従来よりも低くなるため、ユニットが軽量化される。例えば、密度が0.1g/cmの発泡体では、筐体2の重量割合が、約6%まで低減する。
なお、多孔質である筐体2は、発泡倍率を高くしたり、密度を低くしたりすると、軽量化が進む一方で、曲げ強度等の機械的強度が低くなる。そのため、筐体2は、内蔵物の重量、内蔵物の荷重面積等に応じて、或る程度の厚さに設ける必要がある。但し、厚さが増加すると、ユニット全体としての体積が大きくなり、ユニットの小型化が妨げられる。よって、筐体2の厚さや密度は、内蔵物の重量、内蔵物の荷重面積等に応じて、必要とされる性能の範囲で設定することが好ましい。
図5は、筐体を前面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。図6は、筐体を後面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。図5と図6は、同一の筐体を示す。
図5および図6に示すように、多孔質とされる電力変換ユニットの筐体は、一つの面で二つの部材に分割可能な二つ割れの分割構造に設けることができる。
図5および図6において、二つ割れの分割構造の筐体2Aは、冷却管用の貫通孔21a,21bおよび端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bを通る一つの面で分割可能とされている。図中の符号110は、筐体2Aを構成する部材同士が分割される分割面を表し、且つ、部材同士が接合時に突き合わされる突合面を表す。
図5に示すように、筐体2Aの前面側には、前面の鉛直方向における中央付近に、冷却管51,52を引き出すための貫通孔21a,21bを設けることができる。また、図6に示すように、筐体2Aの後面側には、後面の鉛直方向における上側、且つ、水平方向における片側に、入力端子31,32を引き出すための貫通孔22a,22bを設けることができる。また、後面の鉛直方向における下側、且つ、水平方向における反対側に、出力端子41,42を引き出すための貫通孔23a,23bを設けることができる。このような貫通孔の配置は、電気絶縁のための沿面距離や空間距離の確保や、各内蔵物を異なる高さに収容して個別に固定および取り外し自在とするのに適している。
二つ割れの分割構造の筐体2Aは、鉛直方向の下側に位置する下部材20aと、鉛直方向の上側に位置する上部材20bとによって形成されている。下部材20aと上部材20bは、略直方体状の筐体2Aを、冷却管用の貫通孔21a,21bおよび端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bを通る一つの分割面110で分割可能なように、貫通孔の高さ毎に高さ方向の寸法が変えられている。下部材20aと上部材20bには、それぞれ、突き合わされて貫通孔となる半柱状に切り欠かれた部分孔が形成されている。
分割構造の筐体2Aの内部には、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物を収容する空間が設けられる。入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5は、筐体2Aを構成する各本体部材に予め固定してもよいし、予め固定しなくてもよい。
このような分割構造の筐体2Aによると、内部の空間を容易に開閉できるため、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5の筐体2Aへの収容や、筐体2Aからの取り出しを簡単に行うことができる。そのため、ユニットの組み立てや、内蔵物の電気絶縁性等の試験や、内蔵物の点検や、部品の交換等を、ユニットを解体することなく、簡便に行うことができる。
特に、全ての貫通孔を通る一つの分割面で分割可能な構造に設けると、内蔵物を収容するとき、冷却管51,52や端子31,32,41,42を、各貫通孔に挿入することなく、内蔵物を下部材20aの上に置いて上部材20bで閉じるだけで、外部に引き出された状態とすることができる。また、収容されている内蔵物を簡単に外部に取り出すことができる。そのため、内蔵物の収容時や取り出し時に、冷却管51,52や端子31,32,41,42や筐体2の破損を低減することができる。
図7Aは、分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す上面図である。図7Bは、分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す断面図である。図7Bは、図7AのI-I線における断面図に相当する。図7Aおよび図7Bには、分割構造の筐体2Aの下部材20aと上部材20bとの突合面110付近であって、四ヵ所の角部のうちの一ヵ所を拡大して例示している。
図7Aおよび図7Bに示すように、分割構造の筐体は、筐体を構成する部材同士を嵌め込みで接合する構造に設けることができる。
図7Aに示すように、分割構造の筐体2Aにおいて、相手部材が突き合わされる突合面110には、係止穴24を設けることができる。係止穴24は、分割構造の筐体2Aを構成する部材のうち、一方の部材の突合面110に、突合面110に対して垂直方向に開口するように設けることができる。
図7Bに示すように、係止穴24が設けられた部材に突き合わされる相手部材の突合面110には、係止穴24に挿入可能な突起部25を設けることができる。突起部25は、分割構造の筐体2Aを構成する部材のうち、一方の部材の突合面110に、突合面110に対して垂直方向に突出するように設けることができる。
係止穴24および突起部25は、互いに対向する位置に、互いに嵌まり合う形状に設けられる。係止穴24および突起部25は、分割構造の筐体2Aを構成する部材に対し、モールド形成した部品として接着や溶着等で接合してもよいが、分割構造の筐体2Aを構成する部材と共に一体的に成形することが好ましい。
係止穴24および突起部25は、分割構造の筐体2Aを構成する部材に対して、任意の個数を設けることができる。係止穴24および突起部25の上下の関係は、特に限定されるものではない。係止穴24および突起部25は、相手部材が突き合わされる突合面110の角部、突合面110の辺上の中間部等に設けることができる。特に、部材同士の接合の強度を高くする観点から、四ヵ所の角部と、長手方向の辺上の一ヵ所以上とに設けることが好ましい。
このように、分割構造の筐体2Aにおいて、筐体2Aを構成する一方の部材に突起部25を設け、且つ、他方の部材に突起部25を挿入して留める係止穴24を設けると、部材同士を突き合わせ、係止穴24と突起部25とを嵌め合わせて、部材同士を接合させることができる。筐体2Aを閉じた状態において、意図しない開放や、部材のずれ、脱落等を防止できるため、筐体2Aの内蔵物を、使用環境の逸脱した温度や気圧、温度変化や気圧変化、トラッキングの要因となる塵埃や湿分等から適切に保護することができる。
なお、図7Aおよび図7Bにおいて、略球状の窪みとされた突起部25が略球状の窪みとされた係止穴24に嵌入して、部材の動きが水平方向および鉛直方向に留められるようになっている。但し、係止穴24や突起部25の形状は、部材の動きが水平方向に留められる限り、特に限定されるものではない。係止穴24および突起部25は、嵌まり合った状態から容易に抜けないように、開口側が狭い構造や、返し、爪等が設けられることが好ましい。
図8は、本発明の変形例に係る電力変換ユニットの横断面図である。
図8に示すように、筐体が多孔質とされる電力変換ユニットは、筐体2の内部の空間に充填材7が充填された変形例に係る電力ユニット1Aの形態とすることもできる。
変形例に係る電力変換ユニット1Aは、前記の電力変換ユニット1と同様に、外郭を形成する筐体2と、入力された電力を変換する入力側電力変換部3と、電力を変換して出力する出力側電力変換部4と、発熱部品の冷却を行う冷却部5と、を備えている。
電力変換ユニット1Aにおいて、筐体2の内部の空間には、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物が収容されている。充填材7は、筐体2の内部において、内蔵物以外の空間に充填することができる。電力変換ユニット1Aの他の構成は、前記の電力変換ユニット1と同様である。
充填材7は、電気抵抗率が高く、熱伝導率が低い材料で形成される。充填材7としては、モールド成形された樹脂や、回路素子の絶縁処理と同様のコーティング材を用いることができる。モールド成形された樹脂としては、筐体2と同様の樹脂をバルクで用いることができる。コーティング材としては、接着性のゲルを用いてもよいし、自己接着性のゴム等を用いてもよい。
充填材7は、回路基板10と筐体2との間や、回路基板10と放熱部材12との間や、回路基板10と冷却路形成部材54との間に介在するように、筐体2の内部の空間に充填される。モールド成形された樹脂を用いる場合は、内蔵物と共に収容することができる。コーティング材を用いる場合は、内蔵物を収容した後に空間に充填して硬化させることができる。回路素子の表面、回路基板10の表面および筐体7の内面のうちの一以上は、コーティング材で被覆することができる。
このような充填材7を充填する形態によると、空気が充填されている場合と比較して、筐体2の内蔵物への振動や衝撃を抑制することができる。空気が充填されている場合、ユニットの設置場所によっては、内蔵物に対して外部から直接的な振動や衝撃が加わる場合があり、内蔵物が劣化、破損等を生じる。これに対し、充填材7を充填すると、内蔵物の固定の強度を向上し、内蔵物への力を分散させることができる。そのため、内蔵物の劣化、破損等を抑制して、ユニットの信頼性を向上させることができる。
図9は、筐体を前面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。図10は、筐体を後面側から視た筐体の分割構造の一例を示す斜視図である。図9と図10は、同一の筐体を示す。
図9および図10に示すように、多孔質とされる電力変換ユニットの筐体は、複数の面で分割可能な多層割れの分割構造に設けることもできる。
図9および図10において、多層割れの分割構造の筐体2Bは、冷却管用の貫通孔21a,21bおよび端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bを通る複数の面で分割可能とされている。図中の符号110は、筐体2Bを構成する部材同士が分割される分割面を表し、且つ、部材同士が接合時に突き合わされる突合面を表す。
図9に示すように、筐体2Bの前面側には、前面の鉛直方向における中央付近に、冷却管51,52を引き出すための貫通孔21a,21bを設けることができる。また、図10に示すように、筐体2Bの後面側には、後面の鉛直方向における上側、且つ、水平方向における片側に、入力端子31,32を引き出すための貫通孔22a,22bを設けることができる。また、後面の鉛直方向における下側、且つ、水平方向における反対側に、出力端子41,42を引き出すための貫通孔23a,23bを設けることができる。このような貫通孔の配置は、電気絶縁のための沿面距離や空間距離の確保や、各内蔵物を異なる高さに収容して個別に固定および取り外し自在とするのに適している。
多層割れの分割構造の筐体2Bは、本体部が四つ割れの分割構造とされており、更に、このような本体部から上面の蓋部が分割可能とされている。筐体2Bは、箱状の本体部を構成する本体部材20c,20d,20e,20fと、箱状の本体部の開口を覆う蓋部を構成する蓋部材20gによって形成されている。蓋部材20gは、開放時に内蔵物の視認を簡単に行えるように、独立して開閉可能に設けられている。
分割構造の筐体2Bの本体部は、鉛直方向の最下段に位置する第1本体部材20cと、第2段に位置する第2本体部材20dと、第3段に位置する第3本体部材20eと、最上段に位置する第4本体部材20fとによって構成されている。
本体部材20c,20d,20e,20fは、冷却管用の貫通孔21a,21bおよび端子用の貫通孔22a,22b,23a,23bのそれぞれを通る複数の分割面110で分割可能なように、直方体状の外形に設けられ、互いに平行な分割面110を形成して積層されている。本体部材20c,20d,20e,20fには、それぞれ、突き合わされて貫通孔となる半柱状に切り欠かれた部分孔が形成されている。
分割構造の筐体2Bの内部には、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4、冷却部5等の内蔵物を収容する空間が設けられる。入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5は、筐体2Bを構成する各本体部材に予め固定してもよいし、予め固定しなくてもよい。
このような分割構造の筐体2Bによると、入力側電力変換部3、出力側電力変換部4および冷却部5を、内部の空間に順に収容して、ユニットを組み立てることができる。また、内蔵物を個別に外部に露出させたり、個別に収容したり、個別に取り出したりすることが可能になる。特定の分割面110で開けると、内蔵物の電気的な接続箇所、熱的な接続箇所等の特定箇所の確認も可能になる。そのため、ユニットの組み立てや、内蔵物の電気絶縁性等の試験や、内蔵物の点検や、部品の交換等を簡便に行うことができる。
なお、図9および図10において、分割構造の筐体2Bは、本体部が四つ割れの分割構造とされているが、冷却管用や端子用の貫通孔の個数、貫通孔の位置等に応じて、適宜の分割数とすることができる。また、筐体2Bは、蓋部が分割可能とされているが、底部が分割可能とされてもよいし、蓋部および底部が分割されず本体部のみが分割される構造とされてもよい。
図11Aは、分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す上面図である。図11Bは、分割構造に設けられた筐体の要部を拡大した筐体の接合構造の一例を示す断面図である。図11Bは、図11AのII-II線における断面図に相当する。図11Aおよび図11Bには、分割構造の筐体2Bの第1本体部材20cと第2本体部材20dとの突合面110付近であって、四ヵ所の角部のうちの一ヵ所を拡大して例示している。
図11Aおよび図11Bに示すように、分割構造の筐体は、筐体を構成する部材同士を接合部品による締結で接合する構造に設けることもできる。
図11Aに示すように、分割構造の筐体2Bにおいて、相手部材が突き合わされる突合面110には、貫通孔26を設けることができる。貫通孔26は、筐体2Bを構成する部材の突合面110に外側に延出するフランジを設け、フランジ上に突合面110に対して垂直方向に貫通するように設けることができる。
貫通孔26は、分割構造の筐体2Bを構成する部材に対し、モールド形成した部品として接着や溶着等で接合してもよいが、分割構造の筐体2Bを構成する部材と共に一体的に成形することが好ましい。
図11Bに示すように、筐体2Bを構成する部材同士を接合するとき、貫通孔26には、ボルト等の接合部品27aを挿通する。挿通された接合部品27aに対し、ナット等の接合部品27bを締結すると、部材同士を固定することができる。接合部品27a,27bとしてボルトとナットを用いると、部材同士の接合および分割を自在に行うことができる。接合部品27a,27bとしては、樹脂等の絶縁性の材料で形成された部品が好ましい。
貫通孔26は、分割構造の筐体2Bを構成する部材に対して、任意の個数を設けることができる。貫通孔26は、相手部材が突き合わされる突合面110の角部、突合面110の辺上の中間部等に設けることができる。特に、部材同士の接合の強度を高くする観点から、四ヵ所の角部と、長手方向の辺上の一ヵ所以上とに設けることが好ましい。
図11Aおよび図11Bにおいて、貫通孔26および接合部品27a,27bは、第1本体部材20cと第2本体部材20dとを接合しているが、分割構造の筐体2Bを構成する任意の一以上の部材を接合するように設けることができる。貫通孔26は、複数の部材を貫通するように同心上に設けることができる。接合部品27a,27bは、複数の部材を貫通する長さ等に設けると、全体としての強度や剛性を向上させることができる。
また、図11Aにおいて、貫通孔26は、外フランジ上に設けられているが、貫通孔26を全部の部材を貫通するように設ける場合や、筐体2Bの蓋部ないし底部が分割可能に設けられる場合には、突合面110に内側に延出する内フランジを設け、内フランジ上に設けてもよい。また、フランジを設けることなく、筐体2Bの側壁を貫通するように突合面110上に設けてもよい。
図11Aおよび図11Bにおいては、第1本体部材20cと第2本体部材20dとが互いに接合されているが、分割構造の筐体を構成する部材のうちの一以上を接合部品による締結で接合する構造に設けることができる。接合部品としては、ボルトとナットの他に、スクリュ、リベット、ピン、スナップピン、クリップ等を用いてもよい。接合方法によっては、貫通孔26を設けることなく、クリップ等を留めるフランジ、凹部等を設けてもよい。
図12は、筐体を後面側から視た筐体のリブ構造の一例を示す斜視図である。
図12に示すように、多孔質とされる電力変換ユニットの筐体は、電気絶縁のための沿面距離の延長や、機械的強度の強化等の目的で、表面にリブ28を設けることもできる。図12では、端子間の沿面距離の延長の目的で、端子31,32,41,42が引き出される筐体2の後面側に複数のリブ28を設けている。
リブ28は、筐体2の本体部と共に一体的に成形される。図12において、リブ28は、断面視で略矩形状を呈する突条として設けられており、筐体2の外側に突出している。リブ28は、入力端子31,32や出力端子41,42が通される貫通孔同士の間に、貫通孔同士を隔てるように複数列に設けられている。リブ28は、筐体2の後面の下端から上端まで延びている。
図12において、リブ28は、筐体2の外側面に設けられているが、端子間の沿面距離を延長させる目的の場合、筐体2の内側面にも設けられることが好ましい。すなわち、入力端子31,32や出力端子41,42が通される貫通孔同士の間に、貫通孔同士を隔て、筐体2の内側にも突出するように、内外に対称的に設けられることが好ましい。
このようなリブ28を設けると、端子間の沿面距離を、リブ28の幅と高さを合計した距離だけ、リブ28の表面に沿って延長させて、筐体2の耐トラッキング性を高めることができる。外部に引き出された入力端子31,32や出力端子41,42の間において、多孔質である筐体2の表面で部分放電が起こり難くなるため、表面の開気孔等を介した端子間の短絡を防止することができる。
なお、リブ28は、リブ28の目的に応じて、適宜の断面形状や、幅、長さ、高さに設けることができる。リブ28の位置は、端子用の貫通孔同士の間に限定されるものではなく、リブ28の目的に応じて、筐体2の後面、前面、下面、上面および側面のうちの一以上に設けることができる。また、筐体2の外側面、内側面、および、外側面と内側面の両方のいずれに設けることもできる。
リブ28は、機械的強度の強化等の目的で設ける場合、一列、並列状の複数列、格子状に交差する複数列等のいずれの構造として設けてもよい。また、ブロック状等に設けて、脚構造、ダンパ構造等としてもよい。このようなリブ28を設けると、筐体2の特定の部位について、機械的強度や剛性を高くすることができるため、外部からの振動や衝撃を緩和したり、内蔵物による荷重を支持したりすることができる。
次に、本発明の実施形態に係る電力変換装置について、図を参照しながら説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る電力変換装置を前面側から視た斜視図である。
図13に示すように、本実施形態に係る電力変換装置100は、複数の電力変換ユニット1と、電力変換ユニット1を収容して支持するフレーム101,102,103,104,105と、を備えている。電力変換装置100は、フレーム101,102,103,104,105内に支持された複数の電力変換ユニット1が、互いに直列または並列に電気的に接続された構成とされている。
フレーム101,102,103,104,105は、左右一対の側板101と、天板102と、底板103と、複数の縦仕切部材104と、複数の横仕切部材105とが、組み合わされて構成されている。これらの部材は、スクリュ、ボルトとナット等の接合部品で互いに接合される。これらの部材は、金属、樹脂等の適宜の材料で形成することができる。
左右一対の側板101、天板102および底板103は、前面および後面が開口した直方体状の箱体を形成している。縦仕切部材104は、箱体の内側に縦向きに支持されており、箱体の内側を水平方向に配列した複数の空間に区画している。横仕切部材105は、箱体の内側に横向きに支持されており、箱体の内側を鉛直方向に配列した複数の棚部に区画している。
電力変換ユニット1は、格子状に区画された各棚部に載置ないし固定される。図13において、電力変換ユニット1は、7段の3列に積層されているが、フレームによる段数や列数、ユニットの収容数は、特に限定されるものではない。側板101、天板102、底板103、縦仕切部材104および横仕切部材105は、それぞれ、一つの部材で構成されてもよいし、複数の部材で構成されてもよい。
電力変換ユニット1同士は、端子31,32,41,42に接続される配線を介して、互いに直列または並列に接続し、ユニット全体を、電源、モータ、蓄電池等の主機等と電気的に接続することができる。例えば、負極側の端子は、接地することができる。また、電力変換ユニット1は、冷却管51,52に接続される配管、チューブ、マニホールド等を介して、冷却ユニットと接続することができる。
このような電力変換装置100によると、複数のユニットを備えるため、大電力の変換や電力変換機能の冗長化が実現された装置が提供される。また、複数のユニットをフレーム構造によって小さい専有面積内に収容できるため、省スペース化を図れる。また、各ユニットから引き出された冷却管51,52を配列させることができるため、各ユニットを強制的に冷却する効率や容易性を向上させることができる。
なお、図13において、左右一対の側板101、天板102および底板103は、前面および後面が開口した直方体状の箱体を形成しているが、各ユニット同士の配線や、冷却ユニットへの接続が可能である限り、前面ないし後面が開口していない箱体や、前面ないし後面が開閉自在な扉やシート等を備える箱体としてもよい。このような箱体によると、塵埃や湿分等の侵入をより抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、技術的範囲を逸脱しない限り、様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成に他の構成を加えたりすることが可能である。また、或る実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、構成の削除、構成の置換をすることも可能である。
例えば、図3、図7、図8、図11、図12の構成は、図5、6の分割構造、図9、10の分割構造のそれぞれに対し、相互に組み合わせて適用することができる。図5、6、9、10以外の分割構造に対しても同様である。前記の筐体2,2Aは、樹脂で多孔質とされているが、電気絶縁性等の性能が損なわれない限り、筐体の外側等に金属製や樹脂製等で形成された骨格状の補強材等が設けられてもよい。
図3の空気が充填された構造と、図8の充填材が充填された構造は、一つのユニットにおいて部分的に組み合わされてもよい。例えば、入力側変換部3の周辺の空間のうち、入力側変換部3に隣接する空間に充填材を充填し、残りの空間に空気を充填すると、筐体2への伝熱を抑制しつつ、高強度化を図れる場合がある。
また、前記の電力変換ユニット1は、冷却管用の貫通孔および端子用の貫通孔を前面や後面に備えているが、冷却管用の貫通孔や端子用の貫通孔、冷却管や端子の配置、個数、形状等は、特に限定されるものではない。冷却管は、筐体の内外を貫通する限り、ヒートパイプのように1本であってもよく、冷却管用の貫通孔が1箇所であってもよい。また、筐体の後面、前面、下面、上面および側面のうちの一以上に分けて設けたり、まとめて設けたりしてもよい。冷却管用の貫通孔や端子用の貫通孔以外に、他の機能の貫通孔が設けられてもよい。
また、前記の電力変換ユニット1は、AC/DC変換を行う構成とされているが、筐体が多孔質とされる電力変換ユニットは、DC/AC変換、電圧、電流、周波数等の他の変換を行う装置とされてもよい。また、AC/DC変換を行う回路は、図4に示す回路に限定されるものではない。
また、冷却路形成部材53と冷却管51,52とは、一体的に設けられてもよいし、別体として設けられて互いに接合されてもよい。冷却路形成部材53は、機能上の一つの単位で構成されてもよいし、機能上の複数の単位で構成されてもよい。これらの接合部には、Oリング等のパッキンを取り付けて、冷却媒体の漏洩を防止することができる。
1 電力変換ユニット
2 筐体
3 入力側電力変換部
4 出力側電力変換部
5 冷却部
7 充填材
10 回路基板
11 スイッチング素子
12 放熱部材
13 整流回路
15 共振コンデンサ
16 平滑コンデンサ
20a 下部材
20b 上部材
20c 第1本体部材
20d 第2本体部材
20e 第3本体部材
20f 第4本体部材
20g 蓋部材
21a 貫通孔
21b 貫通孔
22a 貫通孔
22b 貫通孔
23a 貫通孔
23b 貫通孔
24 係止穴
25 突起部
26 貫通孔
27a 接合部品
27b 接合部品
28 リブ
31 入力端子
32 入力端子
41 出力端子
42 出力端子
51 冷却管
52 冷却管
53 冷却路形成部材
54 冷却路
101 側板(フレーム)
102 天板(フレーム)
103 底板(フレーム)
104 縦仕切部材(フレーム)
105 横仕切部材(フレーム)

Claims (9)

  1. 冷却媒体が流される冷却部と、前記冷却部の一方に配置された入力側電力変換部と、前記入力側電力変換部に対して前記冷却部を挟んで対向して配置された出力側電力変換部と、前記冷却部、前記入力側電力変換部および前記出力側電力変換部を覆う筐体と、を備え、前記入力側電力変換部および前記出力側電力変換部は、スイッチング素子と、回路基板と、を有し、前記筐体が多孔質であり、前記筐体の比較トラッキング指数(CTI)が175V以上である電力変換ユニット。
  2. 請求項1に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体は、樹脂を発泡させた発泡体、または、樹脂マトリクス中に気孔を分散させた成形体である電力変換ユニット。
  3. 請求項1に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体の熱伝導率が0.10W/mK未満である電力変換ユニット。
  4. 請求項1に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体の密度が0.9g/cm未満である電力変換ユニット。
  5. 請求項1に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体は、前記回路基板から外部に端子を引き出すための端子用の貫通孔と、前記冷却部から外部に冷却管を引き出すための冷却管用の貫通孔と、を有し、前記端子用の貫通孔および前記冷却管用の貫通孔のうちの一以上を通る面で分割可能な構造である電力変換ユニット。
  6. 請求項に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体は、互いに分割可能な一方の部材に突起部を有し、且つ、他方の部材に前記突起部を挿入して留める係止穴を有し、前記突起部が前記係止穴に挿入されて前記部材同士が接合される電力変換ユニット。
  7. 請求項に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体は、互いに分割可能な一方の部材および他方の部材に接合部品を挿入可能な貫通孔を有し、前記貫通孔に挿入された前記接合部品による締結で前記部材同士が接合される電力変換ユニット。
  8. 請求項1に記載の電力変換ユニットにおいて、
    前記筐体は、前記回路基板から外部に端子を引き出すための複数の端子用の貫通孔を有し、前記筐体の外側および内側における前記端子用の貫通孔同士の間に、前記端子同士を電気的に絶縁するためのリブを有する電力変換ユニット。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の複数の電力変換ユニットと、前記電力変換ユニットを収容して支持するフレームと、を備え、前記フレーム内に支持された複数の前記電力変換ユニットが、互いに直列または並列に電気的に接続されている電力変換装置。
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