JP2011028886A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】金属セパレータの外周端部から金属部位が直接露呈することを可及的に阻止し、絶縁性を良好に維持することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10を構成する燃料電池12は、電解質膜・電極構造体14が、第1金属セパレータ16及び第2金属セパレータ18に挟持される。第1金属セパレータ16には、前記第1金属セパレータ16の少なくとも外周の一部に樹脂フイルム30a、30bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム30a上には、隣接する電解質膜・電極構造体14に接触するリブ部32aが第1シール部材32と一体成形される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガス(流体)を流すための燃料ガス流路(流体流路)と、カソード側電極に対向して酸化剤ガス(流体)を流すための酸化剤ガス流路(流体流路)とが設けられている。さらに、セパレータの周縁部には、前記セパレータの積層方向に貫通して、燃料ガス流路に連通する流体連通孔である燃料ガス入口連通孔及び燃料ガス出口連通孔と、酸化剤ガス流路に連通する流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔とが形成されている。
また、セパレータ間には、電解質膜・電極構造体を冷却するための冷却媒体流路(流体流路)が設けられるとともに、積層方向に貫通して前記冷却媒体流路に連通する流体連通孔である冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔が形成されている。すなわち、内部マニホールド型燃料電池を構成している。
上記のセパレータとして、金属セパレータが使用される際、前記金属セパレータの表面には、シール部材が一体成形される場合が多い。例えば、特許文献1に開示されている燃料電池は、図16に示すように、単位電池1と金属製のセパレータ2とが積層されている。単位電池1は、固体電解質膜3を正極4a及び負極4bにより挟持している。
セパレータ2には、プレス成形されることにより、空気が流れる空気通路群5aと、燃料ガスが流れる燃料ガス通路群5bとが両面に形成されている。セパレータ2の縁部には、シール突起6aを有する枠状のシール部6と、枠状のシール7とが設けられている。
特開2000−223137号公報
ところで、上記の特許文献1では、例えば、燃料電池に外部から荷重が付与された際に、シール突起6aに偏荷重が惹起されてシール部6の剥離が発生するおそれがある。このため、セパレータ2の端部2aがスタック外部に直接露出し、スタック絶縁抵抗が低下して液絡や地絡が起こるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、金属セパレータの外周端部から金属部位が直接露呈することを可及的に阻止し、絶縁性を良好に維持することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックに関するものである。
金属セパレータには、少なくとも外周の一部に樹脂フイルムが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム上には、前記金属セパレータに隣接する電解質・電極構造体又は前記金属セパレータに隣接する他の金属セパレータに接触するリブ部が成形されている。
また、リブ部は、シール部材と一体に金属セパレータの一方の面にのみ設けられることが好ましい。
さらに、金属セパレータの両面には、樹脂フイルムである第1樹脂フイルム及び第2樹脂フイルムが設けられるとともに、少なくとも前記第1樹脂フイルムは、前記金属セパレータの外周端部が折り返されて前記第2樹脂フイルムに接合されることが好ましい。
さらにまた、少なくとも第1樹脂フイルムの折り返された部位に、リブ部が設けられることが好ましい。
また、第1樹脂フイルム及び第2樹脂フイルムは、金属セパレータの外周から突出する端部同士が接合された状態で、前記金属セパレータの面内に折り返されることが好ましい。
さらに、第1樹脂フイルム及び第2樹脂フイルムの接合された端部が金属セパレータの面内に折り返された部位に、リブ部が設けられることが好ましい。
本発明によれば、金属セパレータには、少なくとも外周の一部に樹脂フイルムが設けられた後、前記樹脂フイルム上には、リブ部が成形されている。このため、外部からの荷重等によりリブ部がシール部材から剥離されても、金属セパレータに設けられている樹脂フイルムが剥離されることがない。
従って、金属セパレータの金属部位が、前記金属セパレータの外周端部から直接露呈することを可及的に阻止することができ、所望の絶縁性を良好に維持することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの、図1中、II−II線断面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの一方の面の説明図である。 前記第1金属セパレータの他方の面の説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。 前記第1金属セパレータを製造するための金属プレートの説明図である。 前記金属プレートに樹脂フイルムを設ける際の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの、図8中、IX−IX線断面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの一方の面の説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックの断面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタックの断面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックの断面説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池スタックの断面説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池の断面説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の燃料電池12を水平方向(矢印A方向)又は鉛直方向(矢印C方向)に積層して構成される。
燃料電池12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)14が、第1金属セパレータ16及び第2金属セパレータ18に挟持される。第1金属セパレータ16及び第2金属セパレータ18は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、あるいはめっき処理鋼板等により構成されるとともに、後述する流路を形成するために波板形状にプレス加工されている。
図1に示すように、燃料電池12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔22a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔24bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔22b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔20bが、矢印C方向に配列して設けられる。
図1及び図3に示すように、第1金属セパレータ16の電解質膜・電極構造体14側の面16aには、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路(流体流路)26が設けられる。酸化剤ガス流路26は、第1金属セパレータ16を波形状に成形することにより設けられる複数の溝部を備えており、前記酸化剤ガス流路26と酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bとは、連結通路部28a、28bを介して連通する。第1金属セパレータ16の面16bには、図4に示すように、酸化剤ガス流路26の裏面形状である冷却媒体流路29の一部が形成される。
第1金属セパレータ16の面16a、16bには、この第1金属セパレータ16の外周端縁部を周回して、樹脂フイルム(第1及び第2樹脂フイルム)30a、30bが被覆される。樹脂フイルム30a、30bは、例えば、PEN(ポリエーテルニトリル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)又はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等で構成され、厚さが20μm〜50μmの範囲内に設定される。
樹脂フイルム30a、30bは、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a、燃料ガス出口連通孔24b、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bに対応して開口するとともに、発電領域に対応して除去される。
図2に示すように、樹脂フイルム30a、30bは、第1金属セパレータ16の外周から突出する端部が接合(接着)された後、面16a側に折り返されて前記樹脂フイルム30aに接合(接着)されている。なお、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a、燃料ガス出口連通孔24b、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bにおいても、上記と同様に構成することができる。
第1金属セパレータ16の面16aには、樹脂フイルム30a上に第1シール部材(ゴム製シール部材)32が射出成形等により一体成形される。第1シール部材32は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコンゴム、フロロシリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
樹脂フイルム30a上には、予めプライマーが塗布され、あるいは、エポキシ樹脂等が付着されている。一方、面16bには、樹脂フイルム30b上に第1シール部材32が設けられていない(図4参照)。
図3に示すように、樹脂フイルム30a上には、樹脂フイルム30a、30bの接合された端部が折り返された部位を覆って、第1シール部材32と一体(又は別体)にリブ部32aが一体成形される。リブ部32aは、後述するリブ部40aと電解質膜・電極構造体14を挟持し、燃料電池スタック10に積層方向に付与される荷重の一部を保持するとともに、シール性の向上を図る機能を有する。
図1及び図5に示すように、第2金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体14側の面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通し、矢印B方向に延在する燃料ガス流路(流体流路)34が形成される。燃料ガス流路34は、複数の溝部を備えるとともに、前記燃料ガス流路34と燃料ガス入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔24bとは、連結通路部36a、36bを介して連通する。第2金属セパレータ18の面18bには、燃料ガス流路34の裏面形状である冷却媒体流路29の一部が形成される。
第2金属セパレータ18の面18a、18bには、この第2金属セパレータ18の外周端部を周回して、樹脂フイルム(第1及び第2樹脂フイルム)38a、38bが被覆される。樹脂フイルム38a、38bは、樹脂フイルム30a、30bと同一に構成されており、第2金属セパレータ18の外周から突出する端部が接合(接着)された後、面18b(又は18a)側に折り返されて前記樹脂フイルム38bに接合(接着)されている。
第2金属セパレータ18の面18a、18bには、樹脂フイルム38a、38b上に第2シール部材(ゴム製シール部材)40、42が射出成形等により一体成形される。第2シール部材40、42は、第1シール部材32と同一に構成される。
図1に示すように、第2金属セパレータ18の面18aとは反対の面18bには、冷却媒体入口連通孔22aと冷却媒体出口連通孔22bとに連通する冷却媒体流路(流体流路)29が形成される。冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bの近傍に位置して、連結通路部44a、44bが形成される。
図1、図2及び図5に示すように、樹脂フイルム38a及び樹脂フイルム38b上には、前記樹脂フイルム38a、38bの接合された端部が折り返された部位を覆って、第2シール部材40、42と一体(又は別体)にリブ部40a、42aが一体成形される。
図1に示すように、第2金属セパレータ18の面18aとは反対の面18bには、冷却媒体入口連通孔22aと冷却媒体出口連通孔22bとに連通する冷却媒体流路(流体流路)29が形成される。冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bの近傍に位置して、連結通路部44a、44bが形成される。
図1及び図2に示すように、電解質膜・電極構造体14は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜50と、前記固体高分子電解質膜50を挟持するアノード側電極52及びカソード側電極54とを備える。
アノード側電極52及びカソード側電極54は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、互いに固体高分子電解質膜50を介装して対向するように、前記固体高分子電解質膜50の両面に接合されている。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
第1金属セパレータ16を製造する工程について、概略的に説明すると、先ず、図6に示すように、金属プレート60にプレス加工が施される。このため、金属プレート60には、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a、燃料ガス出口連通孔24b、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bが形成されるとともに、酸化剤ガス流路26及び冷却媒体流路29の一部が形成される。
次いで、図7に示すように、金属プレート60の面16a、16bには、樹脂フイルム30a、30bが被覆される。そして、樹脂フイルム30a、30bは、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a、燃料ガス出口連通孔24b、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bに対応して開口するとともに、発電領域に対応して除去される。
その際、樹脂フイルム30a、30bの端部は、金属プレート60の外周から突出しており、前記端部同士が接合(接着)された後、面16a側に折り返されて前記樹脂フイルム30a上に接合(接着)される。
さらに、図3に示すように、第1金属セパレータ16の面16aには、樹脂フイルム30a上にリブ部32aを有する第1シール部材32が射出成形等により一体成形される一方、面16bの樹脂フイルム30b上には、前記第1シール部材32が設けられない。これにより、第1金属セパレータ16が製造される。
また、第2金属セパレータ18は、第1金属セパレータ16の同様に製造されるものであり、その詳細な説明は省略する。その際、第2金属セパレータ18の面18a、18bには、樹脂フイルム38a、38b上にリブ部40a、42aを有する第2シール部材40、42が射出成形等により一体成形される。
次に、燃料電池スタック10の動作について、説明すると、先ず、図1に示すように、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、燃料ガスは、図5に示すように、第2金属セパレータ18の燃料ガス入口連通孔24aから連結通路部36aを通った後、燃料ガス流路34に導入される。燃料ガス流路34では、燃料ガスが矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体14を構成するアノード側電極52に供給される(図1参照)。
一方、酸化剤ガスは、図2及び図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aから第1金属セパレータ16に連結通路部28aを通って酸化剤ガス流路26に導入される。これにより、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路26を矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体14を構成するカソード側電極54に供給される(図1参照)。
従って、電解質膜・電極構造体14では、カソード側電極54に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極52に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、アノード側電極52に供給されて消費された燃料ガスは、連結通路部36bを通って燃料ガス出口連通孔24bに排出される(図5参照)。同様に、カソード側電極54に供給されて消費された酸化剤ガスは、連結通路部28bを通って酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される(図3参照)。
また、冷却媒体入口連通孔22aに供給された冷却媒体は、図1に示すように、連結通路部44aを通って第1及び第2金属セパレータ16、18間の冷却媒体流路29に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体14を冷却した後、連結通路部44bを通って冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、第1金属セパレータ16には、前記第1金属セパレータ16の少なくとも外周の一部を覆って樹脂フイルム30a、30bが設けられた後、前記樹脂フイルム30a上には、第1シール部材32及びリブ部32aが一体成形されている。
このため、燃料電池スタック10に外部から荷重等が付与された際、リブ部32aが第1シール部材32から剥離されても、樹脂フイルム30a、30bが剥離されることがない。従って、第1金属セパレータ16では、樹脂フイルム30a、30bが金属プレート60から剥離してこの金属プレート60の外周端部が外部に直接露呈することを確実に阻止することができる。
これにより、簡単な構成で、所望の絶縁性を良好に維持することが可能になるという効果が得られる。しかも、リブ部32aが剥離されても、樹脂フイルム30a、30bが燃料電池スタック10の外部に露呈している。このため、スタック絶縁抵抗が低下して液絡や地絡が起こることを確実に阻止することができる。
さらにまた、第1の実施形態では、樹脂フイルム30a、30bは、第1金属セパレータ16の外部に露呈する端部が接合された後、面16a側に折り返されて前記樹脂フイルム30aに接合されている。従って、第1金属セパレータ16の外周端部には、樹脂フイルム30a、30bの重合部が配置されており、前記外周端部(金属端部)が前記樹脂フイルム30a、30bを破断させて絶縁性が低下することを可及的に阻止することが可能になる。
その上、リブ部32aは、樹脂フイルム30a上において、樹脂フイルム30a、30bの接合された端部が折り返された部位を覆って成形されている。従って、樹脂フイルム30a、30bの重合部位が剥がれることを確実に阻止することができるという利点がある。
また、第1金属セパレータ16では、両面に樹脂フイルム30a、30bが設けられるとともに、一方の面16a側にのみ第1シール部材32及びリブ部32aが成形されている。これにより、第1金属セパレータ16の両面にシール部材を成形する場合に比べ、成形時間が良好に短尺化されるとともに、成形後のバリ取り処理が有効に簡素化される。このため、成形サイクルの向上を図るとともに、剥がれの防止及び絶縁抵抗の向上が容易に図られるという利点がある。
なお、第2金属セパレータ18においても、上記の第1金属セパレータ16と同様の効果が得られる。
図8及び図9に示すように、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック70は、複数の燃料電池72を積層して構成される。燃料電池72は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)74が、第1金属セパレータ76及び第2金属セパレータ78に挟持される。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図8及び図10に示すように、第1金属セパレータ76の電解質膜・電極構造体74側の面76aには、酸化剤ガス流路26が形成される一方、面76aとは反対の面76bには、冷却媒体流路29の一部が形成される。第1金属セパレータ76では、面76a、76bに樹脂フイルム80a、80bが設けられた後、面76b側にのみ第1シール部材82とリブ部82aとが一体成形される(図8及び図10参照)。
図8及び図11に示すように、第2金属セパレータ78の電解質膜・電極構造体74側の面78aには、燃料ガス流路34が形成される一方、前記面78aとは逆の面78bには、冷却媒体流路29の一部が形成される。
第2金属セパレータ78には、燃料ガス入口連通孔24aの近傍に、前記燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス流路34とを連通する供給孔部84aが形成されるとともに、燃料ガス出口連通孔24bの近傍には、前記燃料ガス出口連通孔24bと前記燃料ガス流路34とを連通する複数の排出孔部84bが形成される。
第2金属セパレータ78の両方の面78a、78bには、樹脂フイルム86a、86bが設けられた後、前記面78a側にのみ、前記樹脂フイルム86a上に第2シール部材88とリブ部88aとが一体成形される。図8に示すように、面78a側には、第2シール部材88と一体(又は別体)に連結通路部28a、28b及び連結通路部36a、36bが一体形成される。
第1金属セパレータ76のリブ部82aは、第2金属セパレータ78の樹脂フイルム86bに当接するとともに、前記第2金属セパレータ78のリブ部88aは、他の第1金属セパレータ76の樹脂フイルム80aに当接する。
電解質膜・電極構造体74は、固体高分子電解質膜50とカソード側電極54とが同一の表面積に設定されるとともに、アノード側電極52が、前記固体高分子電解質膜50及び前記カソード側電極54よりも小さな表面積に設定される、所謂、段差MEAを構成する。
このように構成される第2の実施形態では、図9に示すように、第1金属セパレータ76には、前記第1金属セパレータ76の外周部を周回して樹脂フイルム80a、80bが設けられた後、前記樹脂フイルム80b上には、第1シール部材82及びリブ部82aが一体成形されている。これにより、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック90の断面説明図である。なお、第2の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第4の実施形態以降においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック90を構成する燃料電池92は、第1金属セパレータ94及び第2金属セパレータ96を備える。第1金属セパレータ94は、両面94a、94bに樹脂フイルム98a、98bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム98aは、前記第1金属セパレータ94の外周端部を周回して面94b側に延在し、前記樹脂フイルム98b上に重合される。樹脂フイルム98a、98bの重合部位には、リブ部82aが成形される。
第2金属セパレータ96は、両面96a、96bに樹脂フイルム100a、100bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム100bは、前記第2金属セパレータ96の外周端部を周回して面96a側に延在し、前記樹脂フイルム100a上に重合される。樹脂フイルム100a、100bの重合部位には、リブ部88aが成形される。
このように構成される第3の実施形態では、樹脂フイルム98a、98bの重合部位にリブ部82aが成形されるため、前記重合部位の剥がれが阻止される等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタック110の断面説明図である。
燃料電池スタック110を構成する燃料電池112は、第1金属セパレータ114及び第2金属セパレータ116を備える。第1金属セパレータ114は、両面114a、114bに樹脂フイルム118a、118bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム118aは、前記第1金属セパレータ114の外周端部を周回して面114b側に延在し、前記樹脂フイルム118bの内側に重合される。樹脂フイルム118a、118bの重合部位には、リブ部82aが成形される。
第2金属セパレータ116は、両面116a、116bに樹脂フイルム120a、120bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム120bは、前記第2金属セパレータ116の外周端部を周回して面116a側に延在し、前記樹脂フイルム120aの内側に重合される。樹脂フイルム120a、120bの重合部位には、リブ部88aが成形される。
このように構成される第4の実施形態では、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
図14は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタック130の断面説明図である。
燃料電池スタック130を構成する燃料電池132は、第1金属セパレータ134及び第2金属セパレータ136を備える。第1金属セパレータ134は、両面134a、134bに樹脂フイルム138a、138bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム138bは、前記第1金属セパレータ134の外周端部を周回して面134a側に延在し、前記樹脂フイルム138a上に重合される。樹脂フイルム138a、138bの重合部位には、リブ部82aが成形される。
第2金属セパレータ136は、両面136a、136bに樹脂フイルム140a、140bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム140aは、前記第2金属セパレータ136の外周端部を周回して面136b側に延在し、前記樹脂フイルム140b上に重合される。樹脂フイルム140a、140bの重合部位には、リブ部88aが成形される。
図15は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池スタック150の断面説明図である。
燃料電池スタック150を構成する燃料電池152は、第1金属セパレータ154及び第2金属セパレータ156を備える。第1金属セパレータ154は、両面154a、154bに樹脂フイルム158a、158bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム158bは、前記第1金属セパレータ154の外周端部を周回して面154a側に延在し、前記樹脂フイルム158aの内側に重合される。樹脂フイルム158a、158bの重合部位には、リブ部82aが成形される。
第2金属セパレータ156は、両面156a、156bに樹脂フイルム160a、160bが被覆されるとともに、前記樹脂フイルム160aは、前記第2金属セパレータ156の外周端部を周回して面156b側に延在し、前記樹脂フイルム160bの内側に重合される。樹脂フイルム160a、160bの重合部位には、リブ部88aが成形される。
このように構成される第5及び第6の実施形態では、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1〜第6の実施形態では、2枚の金属セパレータで電解質膜・電極構造体を挟持する構成を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、3枚の金属セパレータと2枚の電解質膜・電極構造体を備え、前記金属セパレータと前記電解質膜・電極構造体とを交互に積層する発電ユニットを用いるとともに、各発電ユニット間に冷却媒体流路を形成して前記発電ユニットを積層する燃料電池スタックを採用してもよい。
10、70、90、110、130、150…燃料電池スタック
12、72、92、112、132、152…燃料電池
14、74…電解質膜・電極構造体
16、18、76、78、94、96、114、116、134、136、154、156…金属セパレータ
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…酸化剤ガス流路
28a、28b、36a、36b、44a、44b…連結通路部
29…冷却媒体流路
30a、30b、38a、38b、80a、80b、98a、98b、100a、100b、118a、118b、120a、120b、138a、138b、140a、140b、158a、158b、160a、160b…樹脂フイルム
32、40、42、82、88…シール部材
32a、40a、42a、82a、88a…リブ部
34…燃料ガス流路 50…固体高分子電解質膜
52…アノード側電極 54…カソード側電極

Claims (6)

  1. 電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかである流体を前記金属セパレータの面方向に流す流体流路と、前記流体を積層方向に供給する流体連通孔とが形成される燃料電池スタックであって、
    前記金属セパレータには、少なくとも外周の一部に樹脂フイルムが被覆されるとともに、
    前記樹脂フイルム上には、前記金属セパレータに隣接する前記電解質・電極構造体又は前記金属セパレータに隣接する他の金属セパレータに接触するリブ部が成形されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記リブ部は、シール部材と一体に前記金属セパレータの一方の面にのみ設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記金属セパレータの両面には、前記樹脂フイルムである第1樹脂フイルム及び第2樹脂フイルムが設けられるとともに、
    少なくとも前記第1樹脂フイルムは、前記金属セパレータの外周端部が折り返されて前記第2樹脂フイルムに接合されることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項3記載の燃料電池スタックにおいて、少なくとも前記第1樹脂フイルムの折り返された部位に、前記リブ部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項3又は4記載の燃料電池スタックにおいて、前記第1樹脂フイルム及び前記第2樹脂フイルムは、前記金属セパレータの外周から突出する端部同士が接合された状態で、前記金属セパレータの面内に折り返されることを特徴とする燃料電池スタック。
  6. 請求項5記載の燃料電池スタックにおいて、前記第1樹脂フイルム及び前記第2樹脂フイルムの接合された端部が前記金属セパレータの面内に折り返された部位に、前記リブ部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
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