JP2011028870A - 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極 - Google Patents

非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極 Download PDF

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Abstract

【課題】大容量であり、かつハイレートにおける充放電サイクル特性が優れている非水電解質二次電池及びその正極を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池は、集電体と、集電体の一方の面上に形成されており、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子を含む正極合剤層とを有する正極と、負極と、非水電解質を含む電解液とを備えている。正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ、正極合剤層の重量が15mg/cm未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極に関し、詳細には、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含む正極を有する非水電解質二次電池及びその非水電解質二次電池用正極に関する。
従来、LiCoOを正極活物質として用いた正極を備える非水電解質二次電池が知られている。しかしながら、Coは希少で高価な資源であるため、LiCoOを正極活物質として用いた場合、非水電解質二次電池の生産コストが高くなる。このため、LiCoOに代わる新たな正極活物質が盛んに研究開発されている。
LiCoOに代わる新たな正極活物質の例としては、LiMnやLiNiOなどが挙げられる。しかしながら、LiMnを正極活物質として用いた場合は、十分な大きさの放電容量が得難く、さらに、電池の温度が上昇すると、マンガンが溶解するなどの問題もある。一方、LiNiOを正極活物質として用いた場合は、放電電圧が低くなるなどの問題がある。
そこで、近年、LiCoOに代わる新たな正極活物質として、リン酸鉄リチウム(LiFePO)などのオリビン型リン酸リチウムに対する注目が高まってきている。オリビン型リン酸リチウムは、一般式LiMPO(但し、Mは、Co,Ni,Mn及びFeからなる群から選ばれた1種以上の元素)で表されるリチウム複合化合物である。オリビン型リン酸リチウムを正極活物質として用いた場合、オリビン型リン酸リチウムの核となる金属元素Mの種類を適宜選択することにより、電池電圧を任意に設定することができる。また、オリビン型リン酸リチウムを正極活物質として用いた場合の理論容量は、140mAh/g〜170mAh/g程度と高いため、オリビン型リン酸リチウムを正極活物質として用いることにより、単位質量当たりの電池容量を大きくすることができるという利点もある。さらに、Mとして、産出量が多く、安価なFeを選択した場合は、オリビン型リン酸リチウムのコストを低減できるため、電池の生産コストを大幅に低減することができる。従って、リン酸鉄リチウムは、オリビン型リン酸リチウムのなかでも、大型電池や高出力電池に特に適している。
ところで、リン酸鉄リチウムには、固体内のLi拡散速度が遅いという問題がある。このような問題に鑑み、例えば、下記の特許文献1においては、リチウム鉄リン系複合酸化物炭素複合体の平均粒子径を0.5μm以下と小さくすることにより、放電容量を改善することが提案されている。また、下記の特許文献2においては、オリビン構造リチウム鉄複合酸化物の粒子の平均粒子径を1μm以下と小さくすることによりサイクル劣化を抑制することが提案されている。
特開2003−292309号公報 特開2002−15735号公報 特開2008−98035号公報
しかしながら、上記の特許文献1や特許文献2に記載のように、正極活物質粒子の平均粒子径を小さくした場合であっても、ハイレートにおける充放電サイクル特性を十分に改善することができない場合がある。
また、上記特許文献3では、正極合剤層の充填密度を1.9g/cm以下とし、正極合剤層の厚みを60μm以下とすることにより、ハイレートでの充放電サイクル特性を改善することが提案されている。しかしながら、正極合剤層の充填密度を1.9g/cm以下とし、正極合剤層の厚みを60μm以下とした場合であっても、ハイレートにおける充放電サイクル特性を十分に改善することができない場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大容量であり、かつハイレートにおける充放電サイクル特性が優れている非水電解質二次電池及びその正極を提供することにある。
従来、例えば上記特許文献1,2などにも記載されているように、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いた場合は、正極活物質粒子の粒子径が小さい方がハイレートにおける充放電サイクル特性が良好になると考えられていた。しかしながら、本発明者らは、鋭意研究の結果、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子の粒子径を小さくしたのみでは、ハイレートにおける充放電サイクル特性を十分に向上することができず、正極活物質粒子の粒子径を小さくしすぎるとかえってハイレートにおける充放電サイクル特性が悪化することを見出した。具体的には、以下のことを見出した。
良好な充放電サイクル特性を得るためには、多くの正極活物質を反応に関与させることが重要となる。例えば、上記特許文献2もこのことについて言及しており、特許文献2では、リン酸鉄リチウム粒子の平均粒径を1μm以下とすることで、リン酸鉄リチウム粒子のうち、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する部分が占める割合を増大させることによりサイクル特性の向上を試みている。確かに、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応は、正極活物質粒子のうち、リチウムイオンが移動可能な表層部分でのみ生じるため、正極活物質粒子の粒子径を小さくした方が、正極活物質粒子ひとつ当たりにおける、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与するリン酸鉄リチウムの割合を多くすることができる。
具体的には、例えば、図1に示すように、正極活物質粒子1の粒子径が大きい場合は、正極活物質粒子1の中心部1bまではリチウムイオンが移動できないことから、正極活物質粒子1の表層1aのみにおいてリチウムイオンの吸蔵・脱離反応が生じる。従って、正極活物質粒子1中における、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与するリン酸鉄リチウムの割合が低くなる。
それに対して、例えば、図2に示すように、正極活物質粒子2の粒子径が小さい場合は、粒子2中の、リチウムイオンの移動可能な表層2aが占める割合が大きくなり、リチウムイオンの移動不能な中心部2bが占める割合が小さくなる。従って、正極活物質粒子2中における、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与するリン酸鉄リチウムの割合が高くなる。
このように、正極活物質粒子ひとつに着目した場合は、正極活物質粒子の粒子径を小さくした方がハイレートにおける充放電サイクル特性を向上できるように考えられる。しかしながら、正極活物質粒子の粒子径が小さくなると、正極合剤層中に形成される空隙の量が少なくなる。このため、正極合剤層内において電解液が移動しにくくなる。
具体的には、例えば、図3に示すように、正極活物質粒子1の粒子径が大きい場合は、正極合剤層3に大きな空隙4が生じるため、正極合剤層3中を電解液5が移動しやすく、かつ、正極合剤層3の深い部分にまで電解液5が移動する。このため、正極合剤層3のうち、電解液5が移動し、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する部分3aが多くなり、電解液5が移動せず、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与しない部分3bが少なくなる。従って、正極合剤層3に含まれる正極活物質粒子1のうち、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する粒子の割合が高くなる。
それに対して、例えば、図4に示すように、正極活物質粒子2の粒子径が小さい場合は、正極合剤層6に生じる空隙8が小さくなる。このため、正極合剤層6中を電解液7が移動しにくくなり、正極合剤層6の深い部分にまで電解液7が移動しなくなる。よって、正極合剤層6のうち、電解液7が移動し、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する部分6aが少なくなり、電解液7が移動せず、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与しない部分6bが多くなる。従って、正極合剤層6に含まれる正極活物質粒子2のうち、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する粒子の割合が低くなる。
このように、正極活物質粒子の粒子径が小さいと、各正極活物質粒子内における、リン酸鉄リチウムの反応関与率は高くなるものの、正極合剤層における、正極活物質粒子の反応関与率は低くなり、正極合剤層の反応が不均一となる。このような電極を用いてハイレート充放電を繰り返すと、サイクル特性が低下する。従って、正極活物質粒子の粒子径が小さい方がハイレートにおける充放電サイクル特性がよいとは必ずしもいえない。
また、正極合剤層が厚くなると、正極合剤層のうち、電解液が移動可能な部分の割合が小さくなる。また、正極合剤層の充填率が高いと、正極合剤層のうち、電解液が移動可能な部分の割合が小さくなる。このため、ハイレートにおける充放電サイクル特性には、正極合剤層の厚みと充填率とに相関する、正極合剤層の単位面積当たりの重量も関与しているものと考えられる。
以上の知見を得た本発明者らは、さらに鋭意研究した結果、正極活物質粒子のメディアン径を所定の範囲内とすると共に、正極合剤層の単位面積当たりの重量を所定の範囲内とすることにより、ハイレートにおける充放電サイクル特性を高められることを見出し、その結果、本発明者らは、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明に係る非水電解質二次電池は、集電体と、集電体の一方の面上に形成されており、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子を含む正極合剤層とを有する正極と、負極と、非水電解質を含む電解液とを備えている。本発明に係る非水電解質二次電池では、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ、正極合剤層の重量が15mg/cm未満である。
また、本発明に係る非水電解質二次電池用正極は、集電体と、集電体の一方の面上に形成されており、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子を含む正極合剤層とを備え、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ、正極合剤層の重量が15mg/cm未満である。
本発明に従い、正極活物質粒子のメディアン径を0.45μm以上とし、かつ、正極合剤層の重量を15mg/cm未満とすることにより、正極合剤層中の空隙を大きくでき、正極合剤層中を電解液が移動しやすくなる。その結果、正極合剤層中の反応に関与する部分の占める割合が高くなる。また、正極活物質粒子のメディアン径を1.35μm未満とすることにより、各正極活物質粒子内における、リン酸鉄リチウムの反応関与率を高めることができる。すなわち、本発明に従い、正極活物質粒子のメディアン径を0.45μm以上、1.35μm未満とし、かつ、正極合剤層の重量を15mg/cm未満とすることにより、正極合剤層における反応に関与する正極活物質粒子の割合を高くできると共に、各正極活物質粒子におけるリン酸鉄リチウムの反応関与率を高めることができる。従って、ハイレートにおける良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm未満であると、正極合剤層内の空隙が小さくなり、正極合剤層内を電解液が移動しにくくなるため、正極合剤層における反応に関与する正極活物質粒子の割合が低くなり、ハイレートにおける充放電サイクル特性が悪化する傾向にある。また、正極合剤層の重量が15mg/cm以上となった場合も同様に、正極合剤層における反応に関与する正極活物質粒子の割合が低くなり、ハイレートにおける充放電サイクル特性が悪化する傾向にある。
一方、正極活物質粒子のメディアン径が1.35μm以上となると、各正極活物質粒子におけるリン酸鉄リチウムの反応関与率が低くなるため、やはり、ハイレートにおける充放電サイクル特性が悪化する傾向にある。各正極活物質粒子におけるリン酸鉄リチウムの反応関与率を高くし、ハイレートにおける充放電サイクル特性を高くする観点からは、正極活物質粒子のメディアン径は、0.63μm以下であることが好ましい。
本発明において、正極活物質粒子は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含むものである限りにおいて特に限定されないが、正極活物質粒子は、リン酸鉄リチウムからなるものであることが好ましい。
正極活物質粒子の製造方法は特に限定されないが、正極活物質粒子は、例えば、固相法、共沈法、水熱法等などを利用して作製することができる。正極活物質粒子のメディアン径は、合成条件や粉砕条件により制御することができる。例えば、合成時の熱処理温度を高くしたり、熱処理時間を長くしたりすることにより、粒子の成長を助長することができるので、メディアン径の大きな正極活物質粒子を得ることができる。
このように、合成条件により正極活物質粒子のメディアン径を制御できるため、所望するメディアン径の正極活物質粒子を直接合成してもよいが、所望するメディアン径よりも大きなメディアン径の正極活物質粒子を合成し、その後、粉砕することにより、所望するメディアン径の正極活物質粒子を作製してもよい。
本発明において、正極活物質粒子のメディアン径とは、下記の方法により測定した粒子径のことをいう。
まず、正極活物質粒子0.02gに対し、純水にヘキサメタリン酸ナトリウム0.1重量%を溶解させた溶液を10mL投入し、さらに、界面活性剤を加え、超音波を5分間印加し、分散させて懸濁液を調製する。調製した懸濁液を、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD-2000)を用いて測定、屈折率1.50−0.10iを用いて粒度分布を算出する。結果を、横軸を粒子径とし、縦軸に積算パーセントとしたグラフにプロットし、得られた分布曲線と、積算パーセント=50%とが交差するポイントの粒子径をメディアン径とする。
なお、上述のように、ハイレートで充放電する場合は、電解液の移動のしやすさが充放電サイクル特性に大きく関与するが、ローレートで充放電する場合は、電解液の移動がそれほどおこらず、電解液の移動のしやすさは、充放電サイクル特性に大きく関与しない。このため、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm未満であったり、正極合剤層の重量が15mg/cm以上であったりした場合でも、例えば、1It程度のローレートにおける充放電サイクル特性は、それほど悪くならない。しかしながら、例えば、7It以上といったハイレートにおける良好な充放電サイクル特性を実現するためには、正極合剤層中における電解液の移動のしやすさが大きいことが必須となる。従って、7It以上といったハイレートにおける良好な充放電サイクル特性を実現するためには、本発明に従い、正極活物質粒子のメディアン径を0.45μm以上、1.35μm未満とし、かつ、正極合剤層の重量を15mg/cm未満とする必要がある。
本発明において、正極合剤層の重量の下限は、4mg/cmであることが好ましく、12mg/cm以上であることがより好ましい。極合剤層の重量が小さすぎると、正極合剤層が薄くなりすぎ、正極合剤層の厚みばらつきが大きくなると共に、正極合剤層の表面の平滑性が低下するため、均一な正極が得難くなる傾向にあるためである。また、正極合剤層の重量が小さすぎると、電池内に占める正極活物質の割合が小さくなりすぎ、十分に大きな電池容量が得難くなる傾向にある。
なお、正極合剤層における合剤充填密度は、特に限定されないが、例えば、2.0g/cm〜2.3g/cm程度であることが好ましい。正極合剤層における合剤充填密度が小さすぎると、電池内に占める正極活物質の割合が小さくなりすぎ、大きな電池容量が得難くなる傾向にある。また、正極合剤層における合剤充填密度が大きすぎると、正極合剤層中の空隙が小さくなり、ハイレートにおける充放電サイクル特性が低下する傾向にある。
本発明において、正極合剤層は、正極活物質粒子の他に、例えば、アセチレンブラックなどの導電剤や、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤などを含有していてもよい。また、本発明において、集電体は、特に限定されず、例えば、アルミニウム箔などにより集電体を構成することができる。
本発明における負極は、特に限定されるものではなく、リチウム二次電池に用いることができるものであればよい。負極活物質の具体例としては、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料や、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵することができるSiやSnなどの金属及び合金、並びにリチウム金属などが挙げられる。
非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではない。非水電解質の溶媒の具体例としては、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネートや、環状カーボネートと、鎖状カーボネートとの混合溶媒などが挙げられる。環状カーボネートの具体例としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。鎖状カーボネートの具体例としては、例えば、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。また、非水電解質の溶媒として、例えば、環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒との混合溶媒を使用してもよい。なかでも、非水電解質の溶媒は、ビニレンカーボネートを含むものであることが好ましい。その場合、負極上に安定な被膜が形成され、正極から溶解した金属が負極表面に析出することを抑制することができる。従って、微少短絡の発生を抑制することができる。非水電解質におけるビニレンカーボネートの好ましい含有量は、非水電解質全体に対して0.1重量%〜5重量%の範囲であることが好ましい。ビニレンカーボネートが少なすぎると、負極の表面に十分な厚さの被膜が形成されない場合がる。ビニレンカーボネートが多すぎると、負極における界面抵抗が大きくなり、充放電特性が低下する場合がある。
非水電解質の溶質の具体例としては、LiXF(XはP,As,Sb,Al,B,Bi,GaまたはInであり、XがP,As,Sbのときpは6、XがAl,B,Bi,Ga,Inのときpは4である)、LiN(C2m+1SO)(C2n+1SO)(m=1,2,3または4,n=1,2,3または4)、LiC(C2l+1SO)(C2m+1SO)(C2n+1SO)(l=1,2,3または4,m=1,2,3または4,n=1,2,3または4)、Li〔M(C〕(式中、Mは遷移金属、周期律表のIIIb族、IVb族、Vb族から選択される元素、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基、xは正の整数、yは0または正の整数である。)及びこれらの混合物などが挙げられる。なかでも、Li〔B(C〕を非水電解質の溶質として用いることが好ましい。Li〔B(C〕を非水電解質の溶質として用いた場合、正極から溶解した金属が負極表面に析出することをより効果的に抑制することができる。非水電解質中におけるLi〔B(C〕の濃度は、0.05M(モル/リットル)〜0.3M(モル/リットル)であることが好ましい。非水電解質中におけるLi〔B(C〕の濃度が0.05M未満であると、負極に十分な被膜が形成されない場合がある。また、非水電解質中におけるLi〔B(C〕の濃度が0.3Mを越えると、負極の界面抵抗が大きくなり、電池の充放電特性が低下する場合がある。
なお、本発明の非水電解質二次電池の形態は特に限定されず、例えば、ラミネートタイプの電池であってもよいし、角形電池であってもよいし、円筒型電池であってもよい。
本発明によれば、大容量であり、かつハイレートにおける充放電サイクル特性が優れている非水電解質二次電池及びその正極を提供することができる。
粒子径が大きな正極活物質粒子の模式的断面図である。 粒子径が小さな正極活物質粒子の模式的断面図である。 粒子径が大きな正極活物質粒子を含む正極合剤層の模式的断面図である。 粒子径が小さな正極活物質粒子を含む正極合剤層の模式的断面図である。 実施例において作製した試験セルの略図的模式図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
メディアン径が0.45μmであり、リン酸鉄リチウム(LiFePO)からなる正極活物質粒子と、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、重量比で90:5:5となるように混合して得た合剤に、N−メチル−2−ピロリドンを加えて正極作成用スラリーを作製した。この正極作成用スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布した後、乾燥、圧延することにより正極を作製した。なお、正極集電体の両側に形成された正極合剤層のそれぞれの単位面積当たりの重量(合剤塗布量)は、12mg/cmであり、合剤充填密度は、2.0g/cmであった。
次に、不活性ガス雰囲気中において、図5に示す試験セルを作製した。具体的には、上記の正極10と、リチウム金属からなる負極11と、リチウム金属からなる参照極13とを参照セル中に配置し、さらに、負極11と正極10との間にセパレータ12を配置した。そして、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを体積比で3:7となるように混合した溶媒に1MのLiPFを溶解させてなる電解液を加え、試験セルを完成させた。
次に、作製した試験セルにつき、下記の条件で充放電試験を行った。
充電:0.2Itの電流で電池電圧が4.2Vとなるまで充電した。
放電:0.2It、1It、7It,8Itのそれぞれの電流で電池電圧が2.0Vとなるまで定電流放電を行った。
次に、充放電試験の結果から、下記の式に基づいて1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(1It放電時における利用率)=(1It放電時における放電容量)/(0.2It放電時における放電容量)
(7It放電時における利用率)=(7It放電時における放電容量)/(0.2It放電時における放電容量)
(8It放電時における利用率)=(8It放電時における放電容量)/(0.2It放電時における放電容量)
(実施例2)
正極活物質粒子のメディアン径を0.58μmとし、合剤塗布量を12mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(実施例3)
正極活物質粒子のメディアン径を0.63μmとし、合剤塗布量を12mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(実施例4)
正極活物質粒子のメディアン径を0.63μmとし、合剤塗布量を14mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例1)
正極活物質粒子のメディアン径を0.41μmとし、合剤塗布量を13mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例2)
正極活物質粒子のメディアン径を0.41μmとし、合剤塗布量を15mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例3)
正極活物質粒子のメディアン径を0.45μmとし、合剤塗布量を15mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例4)
正極活物質粒子のメディアン径を0.63μmとし、合剤塗布量を15mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例5)
正極活物質粒子のメディアン径を1.35μmとし、合剤塗布量を12mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例6)
正極活物質粒子のメディアン径を1.35μmとし、合剤塗布量を14mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
(比較例7)
正極活物質粒子のメディアン径を1.35μmとし、合剤塗布量を15mg/cmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製すると共に、充放電試験を行い、1It放電時、7It放電時、8It放電時のそれぞれにおける利用率を算出した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2011028870
上記表1に示すように、1It放電時といったローレートにおける利用率は、正極活物質粒子のメディアン径及び正極合剤層の重量が変化してもそれほど大きくは変化しなかった。特に、正極活物質粒子のメディアン径が0.63μm以下においては、1It放電時における利用率は、いずれの例においても93%以上と高かった。この結果から、ローレートにおける充放電サイクル特性は、正極活物質粒子のメディアン径が0.63μm以下であれば、正極活物質粒子のメディアン径及び正極合剤層の重量によって大きく変化しないことが分かる。
それに対して、7It放電時や、8It放電時といったハイレートにおける利用率は、正極活物質粒子のメディアン径や正極合剤層の重量によって大きく変化することが分かる。具体的には、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ正極合剤層の重量が15mg/cm未満である実施例1〜4では、7It放電時や、8It放電時における利用率が高いのに対して、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm未満であったり、正極活物質粒子のメディアン径が1.35μm以上であったり、正極合剤層の重量が15mg/cm以上であったりする比較例1〜7では、7It放電時や、8It放電時における利用率が低くなった。この結果から、正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ正極合剤層の重量が15mg/cm未満である場合には、ハイレートにおける良好な充放電サイクル特性が得られることが分かる。
1,2…正極活物質粒子
1a、2a…正極活物質粒子の表層
1b、2b…正極活物質粒子の中心部
3,6…正極合剤層
3a、6a…正極合剤層のうち、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与する部分
3b、6b…正極合剤層のうち、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応に関与しない部分
4,8…空隙
5,7…電解液
10…正極
11…負極
12…セパレータ
13…参照極

Claims (5)

  1. 集電体と、前記集電体の一方の面上に形成されており、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子を含む正極合剤層とを有する正極と、負極と、非水電解質を含む電解液とを備えた非水電解質二次電池であって、
    前記正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ、前記正極合剤層の重量が15mg/cm未満である非水電解質二次電池。
  2. 前記正極合剤層の重量が4mg/cm以上である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極活物質粒子のメディアン径が0.63μm以下である請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極合剤層の重量が12mg/cm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 集電体と、
    前記集電体の一方の面上に形成されており、リン酸鉄リチウムを正極活物質として含有する正極活物質粒子を含む正極合剤層とを備え、
    前記正極活物質粒子のメディアン径が0.45μm以上、1.35μm未満であり、かつ、前記正極合剤層の重量が15mg/cm未満である非水電解質二次電池用正極。
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