JP2011028812A - 光ディスク装置及びその光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの回転で生じる空気流をその内部に導入可能な冷却効果に優れた光ピックアップ装置と、それを備えた光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク上の情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置において、対物レンズ駆動装置2を構成する3個で一対の永久磁石を構成する永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’は、中央に設置したある極性を有する1個の永久磁石41b、41b’に対し、その両側部に極性を逆にする永久磁石41a、41c、41a’、41c’を2個設置し、中央の1個の永久磁石41b、41b’を、その両側に2個設置される永久磁石よりも高さを小さくすることで、光ディスクの回転方向と同一方向に凹形状に窪んだ段差部46、46’を設け、かつ、固定部材52、ヨーク42のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、45’を設ける。
【選択図】図6
【解決手段】光ディスク上の情報の記録、再生を行う光ピックアップ装置において、対物レンズ駆動装置2を構成する3個で一対の永久磁石を構成する永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’は、中央に設置したある極性を有する1個の永久磁石41b、41b’に対し、その両側部に極性を逆にする永久磁石41a、41c、41a’、41c’を2個設置し、中央の1個の永久磁石41b、41b’を、その両側に2個設置される永久磁石よりも高さを小さくすることで、光ディスクの回転方向と同一方向に凹形状に窪んだ段差部46、46’を設け、かつ、固定部材52、ヨーク42のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、45’を設ける。
【選択図】図6
Description
本発明は、記録媒体の一種である光ディスクに対し情報を記録又は再生する光ディスク装置に関し、特に、かかる装置において光ディスクを回転させた状態で情報の記録又は再生を行う光ピックアップ装置に関する。
光ピックアップ装置とは、光ディスク装置に搭載され、光ディスク上の情報記録面から情報を読み出す、あるいは、当該光ディスク上の情報記録面に情報を記録する際のレーザ光を制御する装置である。光ピックアップ装置内に搭載されるレーザ素子から発振されるレーザ光を、同じく光ピックアップ装置内に搭載される対物レンズを介して、所定の速度で回転する光ディスク上にレーザ光を集光させることで、光ディスク上の情報を読み出し、あるいは、光ディスク上に情報を記録する。対物レンズによってレーザ光を光ディスク上において高精度に集光させるため、光ディスクに対する対物レンズの位置および角度は、光ピックアップに搭載される対物レンズ駆動装置によって制御される。
対物レンズ駆動装置は、対物レンズと前記対物レンズの位置および角度を制御するためのコイルと、前記対物レンズおよび前記コイルを支持してなる対物レンズ支持筐体と、前記対物レンズ支持筐体を間に挟むように配置される3個一対の永久磁石とから構成される。対物レンズ支持筐体が磁界中に配置され、そして、当該対物レンズ支持筐体に取り付けたコイルに電流を流すことで電磁力が発生し、これにより前記支持筐体の位置および角度が制御される。
近年、かかる光ディスク装置は、特に、その記憶容量を大容量化することが求められており、これに伴って、光ピックアップ装置は、記憶容量740MBのCD(Compact Disc)、4.7GBのDVD(Digital Versatile Disc)に加え、更に、記憶容量25GBのBD(Blu−ray Disc、登録商標)に対応させることが必要となる。
このように、これら全ての種類の光ディスクに対応させるためには、光ピックアップは、CDおよびDVDに対応する対物レンズに加え、更に、BDにも対応する対物レンズ、即ち、2個の対物レンズが必要となる。そのため、前記支持筐体の自重が増大し、そして、自重が増加した支持筐体の位置および角度を高精度に制御するためには、より大きな駆動力が必要となる。そのため、コイルに流す電流を増大させることが必要となり、それに伴い、コイルからの発熱量が増大し、その結果、対物レンズの温度が過度に上昇する。このため、対物レンズの熱変形が生じ、レーザ光の光軸ずれが発生するため、光ディスク上への情報の記録、再生精度が大幅に低下するという問題が生じる。なお、一般に、低コスト化のためには、前記対物レンズの材質としてはガラスよりもプラスチックが好ましく、この場合、対物レンズの熱変形はさらに顕著になる。即ち、レーザ光の光軸ずれによって記録品質が低下するという問題は、さらに顕在化する。
この対策として、例えば、以下の特許文献1では、光ピックアップを覆う光ディスク装置のメカカバーに開口部を設けることで、光ディスクの回転によって生じる空気流を光ピックアップ装置の内部に取り込み、対物レンズを搭載する光ピックアップを冷却する方法が提案されている。また、以下の特許文献2では、光ピックアップ装置の放熱カバーに光ディスクの回転方向に対して垂直な方向に導風部材を設けることにより、光ディスクの回転に伴って発生する空気流を光ピックアップ内に導き、もって、対物レンズを冷却する方法が提案されている。
しかしながら、上述した従来技術になる光ピックアップの構造では、以下の詳細な説明にも説明するように、特に、CDやDVDだけでなく、更に、BDにも対応するため2個の対物レンズを備える光ピックアップ装置では、そのコイル電流による発熱が増大するが、その構造から、光ディスクの回転によって生じる空気流をその内部に取り込むことは難しく、十分な冷却効果が得られないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述したように、特に、CDやDVDだけでなくBDにも対応が可能な光ディスク装置、特に、その光ピックアップ装置において、光ディスクの回転によって生じる空気流を装置の内部に取り込むことを可能として十分な冷却効果を達成し、もって、対物レンズの過度な温度上昇によって光ディスク上へのレーザ光の集光精度が低下し、光ディスク上への情報の記録再生品質が低下するという課題を解決することが可能な光ピックアップ装置及びそれを備えた光ディスク装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上述した目的を達成するため、まず、レーザ発光部であるレーザ素子と、レーザ受光部と、レーザ光を光ディスク上に集光させるための対物レンズと、前記対物レンズの光ディスクに対する位置および角度を制御するための対物レンズ駆動装置と、前記レーザ素子、レーザ受光部、対物レンズ駆動装置等を制御する制御回路基板とを有する光ピックアップ装置であって、前記対物レンズ駆動装置が、前記対物レンズおよび対物レンズの位置および角度を制御するためのコイルを搭載してなる対物レンズ支持筐体と、前記対物レンズ支持筐体を間に挟むように設置される3個一対の永久磁石と、前記永久磁石を支持固定するヨークと、前記対物レンズ支持筐体を光ピックアップ筐体に弾性支持する固定部材と、前記永久磁石と前記ヨークを覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバーからなるものであって、前記3個一対の永久磁石は、それぞれ、中央に設置される1個の永久磁石と、その両側部に極性を逆にして配置された2個の永久磁石とからなり、かつ、当該中央に設置される1個の永久磁石の形状を、その両側部に2個設置される永久磁石よりも高さを小さくすることで光ディスクの回転方向と同一方向に凹形状に窪んだ段差部を設け、前記ヨーク、固定部材のいずれにも光ディスクの回転方向と同一方向に前記永久磁石に設けられる凹形状に窪んだ段差部と略同一の凹形状に窪んだ段差部を設けると共に、前記対物レンズ駆動装置カバーに、光ディスクの回転方向と同一方向であって、かつ、前記段差部の凹形状と略同一形状を有する開口部を、前記対物レンズに対して前記ディスク回転方向の上流側と下流側の2箇所に設けた光ピックアップ装置が提供される。
また、本発明では、上述した光ピックアップ装置において、前記対物レンズ駆動装置カバーの開口部の開口高さを、前記固定部材の上面部よりも高くすることが好ましく、又は、前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部の段差長さを、前記対物レンズ駆動装置カバーの開口部に向け、徐々に狭めることが好ましい。或いは、前記の光ピックアップ装置であって、前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部において、を前記段差部の段差深さを前記対物レンズ支持筐体に向けて徐々に深くすることが好ましく、又は、前記対物レンズ駆動装置カバーを、前記永久磁石およびヨークの上面と前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部の上面を覆うように設置することが好ましい。
また、本発明では、やはり上述の目的を達成するため、筐体の内部に、外部から装填される光ディスクを回転駆動するスピンドルモータと共に、前記に記載の光ピックアップ装置を移動可能に配置し、かつ、前記光ピックアップ装置を前記光ディスクの半径方向に移動するステッピングモータを具備する光ディスク装置が提供される。
より詳細に説明すると、本発明では、前記永久磁石の構成として、例えば、中央部にS極を有する永久磁石を設置し、その両側部にN極を有する永久磁石を2個設置する。前記永久磁石に設けられる凹形状に窪んだ段差部は、例えば、中央部に設置されるS極を有する永久磁石の形状を、その両側部に2個設置されるN極の永久磁石よりも高さ小さくすることで形成される。かかる構成によれば、光ディスクの回転によって生じる空気流が、前記開口部(対物レンズに対して空気流の上流側)から前記段差部(対物レンズに対して空気流の上流側)に取り込まれ、段差部を通過した空気流が前記対物レンズ支持筐体、さらには前記対物レンズ支持筐体に巻かれるコイルまで直接導かれる。さらに、対物レンズ支持筐体まで導かれた空気流は、前記段差部(対物レンズに対して空気流の下流側)を通過し、前記開口部(対物レンズに対して空気流の下流側)から排出される。
本発明の光ピックアップ装置及びそれを備えた光ディスク装置では、対物レンズ駆動装置を構成する永久磁石、ヨーク、固定部材のいずれにも光ディスクの回転方向と同一方向に凹形状に窪んだ段差部を設けると共に、対物レンズ駆動装置カバーに、光ディスクの回転方向と同一方向であって、かつ、前記段差部の凹形状と同一形状を有する開口部を2箇所に設けている。かかる構成によれば、光ディスクの回転によって生じる空気流を、前記対物レンズ駆動装置カバーの開口部、および前記凹形状に窪んだ段差部から導入し、対物レンズ駆動装置の主たる発熱源であるコイルに直接導くことで、コイルの放熱を促進させることができる。これにより対物レンズの過度の温度上昇を抑制し、もって、光ディスク装置の光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を抑えることが可能となる。
また、本発明の光ピックアップ装置において、対物レンズ駆動装置を構成する3個の永久磁石(2対)は、中央部に設置される1個の永久磁石と、その両側部に極性を逆にする2つの永久磁石とする。中央に設置される1個の永久磁石の形状を、その両側部に2個設置される永久磁石よりも小さくすることで、中央部に設置される永久磁石により形成される磁場が、両側部の極性を逆にする永久磁石によって形成される磁場に比べて弱いため、コイルに電流を流した時に生じる駆動を妨げる電磁力が小さくなり、対物レンズ支持筐体を駆動させる力が相対的に大きくなる。これにより、対物レンズ支持筐体の駆動に必要な電流が小さくなり、コイルの発熱量を低減することができるため、対物レンズの過度の温度上昇を抑制し、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態の詳細について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、光ピックアップ装置1を搭載した光ディスク装置21の概略内部構成を示す平面図であり、図2は、上記図1中のA−A’断面の概略図である。これらの図からも明らかなように、光ディスク装置21では、外形略箱状の筐体100内において、外部から装填された光ディスク7がスピンドルモータ22によって回転させられており(回転方向7a)、光ピックアップ装置1は光ディスク装置21のメカカバー26の下に配置される。そして、当該光ディスク装置21では、光ディスク7の回転によって光ディスク7回転方向に空気流8が生じ、光ディスク7と光ピックアップ装置1との隙間26aを流れる。
図3及び図4は、上述した光ピックアップ装置1の概略内部構成を示す平面図であり、特に、図3は、放熱カバー12および対物レンズ駆動装置カバー6を実装した光ピックアップ装置1を示しており、一方、図4は、放熱カバー12および対物レンズ駆動装置カバー6を取り外した状態の光ピックアップ装置1を示している。これらの図にも明らかなように、光ピックアップ装置1は、一対の案内軸である主軸24、副軸25によって移動可能に支持される。そして、ステッピングモータ23を回転駆動させることにより、リードスクリュー27が回転し、リードスクリュー27に係合される部材28に連結された光ピックアップ装置1が光ディスク7の半径方向に移動する。
そして、光ピックアップ装置1は、図4からも明らかなように、光ディスク7上の情報記録面に対して情報の記録又は再生を行うためのレーザ光16aを発振するレーザ素子13と、光ディスク7からの戻り光16bを検出するレーザ受光素子14と、レーザ光を光ディスク7に集光するCD/DVD用およびBD用の2個の対物レンズ33、34と、対物レンズ33、34を駆動させる対物レンズ駆動装置2と、レーザ素子13とレーザ受光素子14との間のレーザ光の光路16を形成するプリズム、ミラー等を有する光学ユニット15と、そして、光ピックアップ装置1の動作を制御する制御回路基板(図示せず)を有している。これらの構成要素はピックアップケース11に搭載され、発熱素子であるレーザ素子13とレーザ受光素子14、及び、図示しない制御回路基板から発生した熱を放熱させるため、ピックアップケース11の上面および下面には、放熱カバー12が装着されている(但し、図では、下面の放熱カバーは図示せず)。
上述した光ピックアップ装置1を搭載した光ディスク装置21において、再生・記録動作を行う際、光ディスク7は矢印7a方向(図1又は2を参照)に回転する。光ディスク7の回転速度は、最速で5500rpm程度に達する。光ピックアップ装置1は、光ディスク7を回転させた状態において、レーザ素子13からレーザ光16aを発振し、対物レンズ33、34を介して光ディスク7上に情報の記録を行い、又は、レーザ素子13からのレーザ光を対物レンズ33、34を介して光ディスク7上の記録面に反射させて、その戻り光16bをレーザ受光素子14により受光して光ディスク7の情報を再生する。
図5は、対物レンズ駆動装置カバー6を取り付けた状態の対物レンズ駆動装置2の斜視図であり、図6は、対物レンズ駆動装置カバー6を取り外した場合の対物レンズ駆動装置2の展開斜視図である。更に、図7は、対物レンズ支持筐体32に取り付けられるコイル35、36a、36a’、36b、36b’の配置を示す。これらの図からも明らかなように、対物レンズ駆動装置2は、対物レンズ33、34と、コイル35、36a、36a’、36b、36b’と、対物レンズ33、34とコイル35、36a、36a’、36b、36b’を支持してなる対物レンズ支持筐体32と、支持筐体32を弾性支持する支持部材51と、前記支持部材51と接続し、対物レンズ支持筐体32をピックアップケース11に固定する固定部材52と、コイル35、36a、36a’、36b、36b’に対向する位置に一定の隙間を介して固定される一対の永久磁石41、41’と、当該一対の永久磁石41、41’を支持し、ピックアップケース11に固定するヨーク42と、対物レンズ駆動装置2を覆う対物レンズ駆動装置カバー6から構成される。かかる構成において、対物レンズ33、34を搭載する対物レンズ支持筐体32の光ディスク7に対する位置は、図6に示すz軸、y軸方向に制御され、その方向をそれぞれ「フォーカシング方向」、「トラッキング方向」と称する。また、対物レンズ支持筐体32の光ディスク7に対する角度は、図6に示すx軸を回転軸とする回転方向に制御され、その方向を「チルト方向」と称す。対物レンズ支持筐体32に搭載されるコイルは、z軸方向(フォーカシング方向)に駆動力を発生するフォーカシングコイル35、y軸方向(トラッキング方向)に駆動力を発生するトラッキングコイル36a、36a’、36b、36b’、x軸を回転軸とするチルト方向に駆動力を発生するチルトコイル(図示なし)で構成される。
更に、図8には、対物レンズ支持筐体32に取り付けられたフォーカシングコイル35とトラッキングコイル36a、36a’、36b、36b’との位置関係を示す。
なお、上述した構成において、各構成要素の材料としては、例えば、対物レンズ33、34はガラスまたはプラスチック、コイル35、36a、36a’、36b、36b’は銅の細線、対物レンズ支持筐体32および固定部材52はプラスチック、支持部材51、ヨーク42、対物レンズ駆動装置カバー6は鉄合金、ピックアップケース11はマグネシムダイカスト、亜鉛ダイカスト、アルミダイカスト、放熱カバー12はアルミニウム、銅などが用いられる。
次に、光ディスク7に対する対物レンズ支持筐体32の位置を制御する原理を説明する。なお、図9〜図12は、対物レンズ支持筐体32の位置を駆動・制御するための一般的な構造を示しており、それぞれ、対物レンズ支持筐体32をy軸方向(トラッキング方向)およびz軸方向(フォーカシング方向)に駆動させる。
まず、y軸方向(トラッキング方向)の位置制御について説明すると、図9は、対物レンズ支持筐体32の両側に設けられた永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’による磁力線43a、43b、43c、43a’、43b’、43c’を示しており、図10は、対物レンズ支持筐体32をx軸方向から見た図であり、特に、対物レンズ支持筐体32をy軸方向(トラッキング方向)に駆動させるときにトラッキングコイル36a、36bに流す電流39、39’の方向と、トラッキングコイル36a、36bに生じる電磁力Ftrの方向を示している。即ち、対物レンズ支持筐体32を間に挟むように配置される一対の永久磁石を構成する3個の永久磁石のうち、中央に配置される永久磁石41bの支持筐体との対向面をS極とし、その両側部に配置される永久磁石41a、41cをN極とする。こうすることで、トラッキングコイル36a、36bの中央部40bにはS極の永久磁石41bが対向し、トラッキングコイル36a、36bの両側部40a、40cにはN極の永久磁石41a、41cが対向することになる。
かかる構成において、トラッキングコイル36a、36bに互いに回転方向の異なる電流39、39’を流すと、S極に対向するトラッキングコイルの中央部40bには、電流39、39’が共に−z方向に流れるため、電磁力Ftrbが−y方向に生じる。一方、N極に対向するトラッキングコイルの両側部40a、40cにでは、電流39、39’ともに+z方向に流れるため、電磁力Ftrb と同方向に電磁力Ftra、Ftrcが生じる。このように、3個の永久磁石の内、中央部と両側部で互いに永久磁石の極性を逆にしているため、トラッキングコイルの中央部40bおよび両側部40a、40cで生じる電磁力の方向はいずれも同一方向(−y方向)となり、対物レンズ支持筐体32をy軸方向(トラッキング方向)に駆動させることができる。
次に、z軸方向(フォーカシング方向)について説明すると、図11は、対物レンズ支持筐体32を浮上させる方向に駆動させるためにフォーカシングコイルに流す電流方向38と永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’による磁力線43a、43b、43c、43a’、43b’、43c’を示し、そして、図12にはフォーカシングコイル35に生じる電磁力Fの方向を示している。即ち、フォーカシングコイル35に電流38を流すと、S極の永久磁石41b、41b’に対向するフォーカシングコイル35の中央部35bに電磁力Fbが−z方向に生じ、その方向は対物レンズ指示筐体32を沈降させる方向となる。これに対し、両側部のN極の永久磁石41a、41c、41a’、41c’に対向するフォーカシングコイル35の両側部35a、35cでは、電磁力FaおよびFcが+z方向に生じ、その方向は対物レンズ支持筐体32を浮上させる方向となる。なお、ここでは、Fa+Fc>Fbであり、フォーカシングコイル35全体に加わる力としては浮上方向の力が大きいため、フォーカシングコイル35に電流38を流すことで、対物レンズ支持筐体32を浮上させることができる。
なお、以上の対物レンズ支持筐体32のy軸方向(トラッキング方向)およびz軸方向(フォーカシング方向)の制御は、もう一方の側面においても同様である。また、一対の永久磁石を構成する3個の永久磁石の極性は、中央に配置される永久磁石41bをN極とし、その両側部に配置される永久磁石41a、41cをS極としても良い。
ところで、本発明者等は、上述した対物レンズ支持筐体32の位置を駆動・制御するための一般的な構造を検討した結果、その構造から、光ディスクの回転によって生じる空気流をその内部に取り込むことは難しく、十分な冷却効果が得られない。
そこで、本発明では、以下に添付の図13及び14を参照して示すように、上述した3個で1組となる一対の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’において、その中央部の永久磁石41b、41b’の高さを縮小して凹形状に窪んだ段差部を形成することが可能であることを発見・確認することにより、以下のような新規な光ピックアップ装置1を提案するものである。
本発明の第一の実施例(実施例1)について、以下に詳細に説明する。
図13に示す対物レンズ駆動装置2において、3個を1組とする一対の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’、ヨーク42、固定部材52のいずれにも、光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’が設けられている。また、対物レンズ駆動装置カバー6にも、2箇所に、即ち、光ディスク7の回転方向7aと同一方向であって、かつ、凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’と同一形状を有する開口部6a、6bをそれぞれ設ける。
図14は、上記図13のA−A’断面を示した図である、3個を1組とする一対の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’は、その間に対物レンズ支持筐体32を間に挟むように設置され、ヨーク42に支持固定される。そして、これらの図にも明らかなように、永久磁石41、ヨーク42のいずれにも、光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部42a、42b、41b、41b’を設ける。そして、固定部材52、ヨーク42、永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部53、45、45’、46、46’のz軸方向の高さは、トラッキングコイル36a、36b、36a’、36b’の上端よりも低い構造とし、ギャップ31a、31b、31b’を設ける。なお、これらの内、3個を1組とする一対の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’に設けられる凹形状に窪んだ段差部46、46’は、例えば、中央部に設置される永久磁石41b、41b’の形状を、その両側部に2個設置される永久磁石41a、41c、41a’、41c’よりも小さくすることで形成される。また、対物レンズ支持筐体に取り付けられたトラッキングコイル36a、36b、36a’、36b’はフォーカシングコイル35の側面と接触部37を持つ。
以上にも述べた対物レンズ駆動装置2によれば、図15や図16図にも示すように、光ディスク7の回転7aによって生じる空気流8を、対物レンズ駆動装置2の内部に流すことができる(図の矢印を参照)。即ち、光ディスク7の回転7aによって生じる空気流8が、固定部52に設けた凹形状に窪んだ段差部53から対物レンズカバー6の開口部6aに導かれ、開口部6aから導入された空気流8aはヨーク42と永久磁石41bに設けた凹形状に窪んだ段差部45、46と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成された隙間44を通り、トラッキングコイル36a、36bの上端部まで直接導かれる。さらに、対物レンズ支持筐体32まで導かれた空気流8bはトラッキングコイル36a’、36b’に導かれ、ヨーク42と永久磁石41b’に設けた凹形状に窪んだ段差部45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成された隙間44’を通り、開口部6bから排出される。
対物レンズ支持筐体に取り付けられたトラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’はフォーカシングコイル35の側面と接触部37、37’を持っており、かつ、そのいずれも銅であるため熱伝導率が高い(400W/m・K程度)。よって、フォーカシングコイル35に電流を流した際に生じる熱はトラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’に伝わり、トラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’も発熱源であるフォーカシングコイル35と同様に温度上昇する。そのため、トラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’の表面はフォーカシングコイル35の拡大放熱面とすることができる。
また、発明者等は、このときの空気流速値を、数値流体シミュレーション(CFD:Computational Fluid Dynamics)により見積もった。図17は数値流体シミュレーションの結果を示すグラフである。光ディスクの回転数が5500rpm(ディスク外周領域でおよそ30m/sの空気流速)の時、本実施例によれば、上述した一般の構造と比較し、トラッキングコイル36a周囲の流速値が6.6倍に増大することを確認した。
加えて、上述したように、3個を1組とする一対の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’のうち、中央部の永久磁石41b、41b’の高さを縮小して凹形状に窪んだ段差部を形成する構成になる対物レンズ駆動装置2における対物レンズ支持筐体32の駆動動作について、以下に説明する。
図18には、対物レンズ支持筐体32を浮上させる方向に駆動させるためにフォーカシングコイルに流す電流方向38と永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’による磁力線43a、43b、43c、43a’、43b’、43c’を示している。これら3個の永久磁石の構成としては、中央部にそれぞれS極を有する永久磁石41b、41b’が設置され、その両側部にS極を有する永久磁石よりも大きく、かつ、N極を有する永久磁石41a、41c、41a’、41c’がそれぞれ2個ずつ設置されている。そのため、中央部に設置されるS極を有する永久磁石41b、41b’により形成される磁場は、両側部のN極を有する2つの永久磁石41a、41c、41a’、41c’によって形成される磁場に比べて弱くなる。
また、図19には、フォーカシングコイル35に生じる電磁力Fの方向を示している。この図にも示すように、フォーカシングコイル35に電流38を流すと、S極の永久磁石41b、41b’に対向するフォーカシングコイル35の中央部35bに電磁力Fb’が−z方向に生じ、その方向は対物レンズ指示筐体32を沈降させる方向となる。これに対し、両側部のN極の永久磁石41a、41c、41a’、41c’に対向するフォーカシングコイル35の両側部35a、35cでは、電磁力FaおよびFcが+z方向に生じ、その方向は対物レンズ支持筐体32を浮上させる方向となる。Fa+Fc>Fb’であり、フォーカシングコイル35全体に加わる力としては浮上方向の力が大きいため、フォーカシングコイル35に電流38を流すことで、対物レンズ支持筐体32を浮上させることができる。ただし、フォーカシングコイル35の中央部35bに生じる磁場は両側部35a、35cに生じる磁場より弱いため、Fb’<Fbとなり、対物レンズ支持筐体32の浮上力は、永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’が均一の大きさである上述した一般の構造に比べて、相対的に大きくなる。
即ち、3個を1組とする一対の永久磁石の中央部の永久磁石の高さを縮小して凹形状に窪んだ段差部を形成する構成の対物レンズ駆動装置2によれば、上述した一般の構造に比べ、同等の、或いは、むしろ優れた対物レンズ支持筐体32の駆動特性を得ることが出来る。
なお、以上の対物レンズ支持筐体32のz軸方向(フォーカシング方向)の制御は、もう一方の側面においても同様である。また、一対の永久磁石を構成する3個の永久磁石の極性は、中央に配置される永久磁石41b、41b’をN極とし、その両側部に配置される永久磁石41a、41c、41a’、41c’をS極としても良い。
更に、上述した実施例1の光ピックアップ装置1における光ディスクの回転によって生じる空気流による冷却動作について説明すると、光ディスク7の回転7aによって生じる空気流8は、上記の段差部44(図15、16を参照)を通して対物レンズ駆動装置2に取り込まれ、当該空気流8によってトラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’が冷却される。このとき、トラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’はフォーカシングコイル35の拡大放熱面でもあるため、トラッキングコイル36a、36b、36a’、36c’と、フォーカシングコイル35の温度上昇を抑制することができる。また、一対の永久磁石41、41’を構成する3個の永久磁石41a、41b、41c、41a’、41b’、41c’において、中央部に設置される1個の永久磁石41b、41b’と、その両側部に極性を逆にする永久磁石41a、41c、41a’、41c’を2個設置し、中央に設置される1個の永久磁石41b、41b’の形状を、その両側部に2個設置される永久磁石41a、41c、41a’、41c’よりも小さくすることで、対物レンズ支持筐体32の浮上力が、3個の磁場が同一の強さである一般の構造に比べ、より大きくなる。これにより、対物レンズ支持筐体32を浮上させるフォーカシング方向の制御に必要な電流38が小さくなり、フォーカシングコイル35の発熱量を低減することができ、もって、温度上昇を抑制することができる。
即ち、以上のコイル35、36a、36b、36a’、36c’温度上昇の低減により、対物レンズ33、34の過度の温度上昇を低減し、熱変形に伴う光軸ずれを抑制することができるため、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を抑えることが可能となる。
また、前記永久磁石の構成を、中央部にS極を有する永久磁石を設置し、その両側部にS極を有する永久磁石よりも大きく、かつ、N極を有する永久磁石を2個設置することにより、中央部に設置される前記S極を有する永久磁石により形成される磁場は、両側部の前記N極を有する2つの永久磁石によって形成される磁場に比べて弱くなる。そのため、コイルに電流を流した時、前記両側部のN極を有する2つの永久磁石によって生じる電磁力の方向を駆動方向とすると、前記S極を有する中央の1つの永久磁石によって生じる電磁力は駆動方向と逆方向となる。一方で、前記S極を有する永久磁石により形成される磁場は両側部の前記N極を有する永久磁石によって形成される磁場に比べて弱いため、生じる電磁力も小さく、駆動を妨げる方向の力が小さい。そのため、一定の駆動電流から得られる前記対物レンズ支持筐体の駆動力を相対的に大きくすることができる。
続いて、図20及び21により、上記実施例1の光ピックアップ装置1をベースにした変形形態である、本発明の実施例2になる光ピックアップ装置1とそれに搭載される対物レンズ駆動装置2について説明する。なお、図20は、対物レンズ駆動装置2の斜視図であり、図21は、上記図20中のA−A’断面を示す断面図である。
この実施例2においても、上記実施例1と同様に、対物レンズ駆動装置2は、対物レンズ33、34および対物レンズの位置および角度を制御するためのコイル35、36a、36a’、36b、36b’を搭載してなる対物レンズ支持筐体32と、対物レンズ支持筐体32を間に挟むように設置される一対の永久磁石41、41’と、永久磁石41、41’を支持固定するヨーク42と、対物レンズ支持筐体32を光ピックアップ筐体11に弾性支持する固定部材52と、永久磁石41およびヨーク42の上部を覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバー6からなり、固定部材52、ヨーク42、永久磁石41、41’、のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’を設ける(図13及び14を参照)。このとき、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって隙間44、44’が形成される。また、対物レンズ駆動装置カバー6に、光ディスク7の回転方向7aと同一方向であって、かつ、凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成した隙間44、44’と同一形状を有する開口部6a、6bを、それぞれ対物レンズ支持筐体32に対して空気流8の上流側と下流側の2箇所に設ける。
ただし、対物レンズ駆動装置カバー6に設けた開口部6aは、対物レンズ駆動装置カバー6と同じ高さである必要はなく、そこで、本実施例2では、対物レンズ駆動装置カバーと光ディスク7の隙間を0.6mm程度とすることにより、例えば、開口部6aを0.4mmだけ高くしている。
このように、対物レンズ駆動装置カバー6の開口部6aを対物レンズ駆動装置カバー6の高さよりも高くすることで、開口部6aの面積が増大し、空気流8aの取り込み量を増大させることができる。そのため、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’、と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成される隙間44を通り、トラッキングコイル36a、36bに導かれる空気流の風速が増大し、トラッキングコイル36a、36a’、36b、36b’の放熱を促進することができるため、フォーカシングコイル35の温度上昇も抑えることが可能となり、対物レンズ33、34の熱変形を小さくすることができ、光軸ずれを抑えることができるため、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を防ぐことができる。
図22は、上記実施例1の光ピックアップ装置1をベースにした他の変形形態、即ち、本発明の実施例3になる光ピックアップ装置1に搭載される対物レンズ駆動装置2を示す。
この実施例3になる対物レンズ駆動装置2は、上記実施例1と同様に、対物レンズ33、34および対物レンズの位置および角度を制御するためのコイル35、36a、36a’、36b、36b’を搭載してなる対物レンズ支持筐体32と、対物レンズ支持筐体32を間に挟むように設置される一対の永久磁石41、41’と、当該一対の永久磁石41、41’を支持固定するヨーク42と、対物レンズ支持筐体32を光ピックアップ筐体11に弾性支持する固定部材52と、永久磁石41およびヨーク42の上部を覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバー6からなり、固定部材52、ヨーク42、永久磁石41、41’、のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’を設ける(図13及び14を参照)。このとき、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって隙間44、44’が形成される。また、対物レンズ駆動装置カバー6に、光ディスク7の回転方向7aと同一方向であって、かつ、凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成した隙間44、44’と同一形状を有する開口部6a、6bを、それぞれ対物レンズ支持筐体32に対して空気流8の上流側と下流側の2箇所に設ける。
ただし、固定部材52に設ける凹形状に窪んだ段差部の形状53は、ヨーク42と永久磁石41に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’(図16を参照)と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成される隙間44、44’と同一の断面でなくともよく、例えば、この実施例3では、図からも明らかなように、固定部材52に設けた凹形状に窪んだ段差部53を空気流8の上流側で広く、下流の対物レンズ駆動装置カバー6の開口部6aに向かって徐々に狭める構造としている。
上述した実施例3になる構造によれば、固定部材52に設けた凹形状に窪んだ段差部53を対物レンズ駆動装置カバー6の開口部6aに向かって狭めることで開口部6aから導入される空気流8aの流速が増大し、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成される隙間44を通り、トラッキングコイル36a、36bに導かれる空気流の風速が増大し、トラッキングコイル36a、36a’、36b、36b’の放熱を促進することができるため、フォーカシングコイル35の温度上昇も抑えることが可能となり、対物レンズ33、34の熱変形を小さくすることができ、光軸ずれを抑えることができるため、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を防ぐことができる。
図23及び24は、上記実施例1の光ピックアップ装置1をベースにした更に他の変形形態である、本発明の実施例4になる光ピックアップ装置1に搭載される対物レンズ駆動装置2を示す。
この実施例4になる対物レンズ駆動装置2も、上記実施例1と同様、対物レンズ33、34および対物レンズの位置および角度を制御するためのコイル35、36a、36a’、36b、36b’を搭載してなる対物レンズ支持筐体32と、対物レンズ支持筐体32を間に挟むように設置される一対の永久磁石41、41’と、永久磁石41、41’を支持固定するヨーク42と、対物レンズ支持筐体32を光ピックアップ筐体11に弾性支持する固定部材52と、永久磁石41およびヨーク42の上部を覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバー6からなり、固定部材52、ヨーク42、永久磁石41、41’、のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’を設ける(図13及び14を参照)。このとき、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって隙間44、44’が形成される。また、対物レンズ駆動装置カバー6に、光ディスク7の回転方向7aと同一方向であって、かつ、凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成した隙間44、44’と同一形状を有する開口部6a、6bを、それぞれ対物レンズ支持筐体32に対して空気流8の上流側と下流側の2箇所に設ける。
ただし、上述したように、固定部材52の凹形状に窪んだ段差部53の高さは一定でなくてもよく、本実施例4では、たとえば、固定部材52の凹形状に窪んだ段差部53を支持筐体32に向って徐々に深くしている。
即ち、図23は、固定部材52が凹形状に窪んだ段差部53を支持筐体32に向って徐々に深くする構造図を持つ対物レンズ駆動装置2の斜視図を示す。そして、図24には、上記図23のA−A’断面を示す。これらに図にも示すように、固定部材52の凹形状に窪んだ段差部53を対物レンズ支持筐体32に向かって徐々に深くすることで、空気流8aはヨーク42と永久磁石41に設けた凹形状に窪んだ段差部41b、42a、と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成される隙間44aを通り、トラッキングコイル36a、36bの上部に導かれるだけでなく、空気流8aをヨーク42と永久磁石41下部に設けた凹形状に窪んだ段差部を通し、トラッキングコイル36a、36a’、36b、36b’の下部に導くことができるため、フォーカシングコイル35の温度上昇も抑えることが可能となり、対物レンズ33、34の熱変形を小さくすることができ、光軸ずれを抑えることができるため、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を防ぐことができる。
図25及び26は、上記実施例1の光ピックアップ装置1をベースにした更に他の変形形態である、本発明の実施例5になる光ピックアップ装置1に搭載される対物レンズ駆動装置2を示す。
この実施例5においても、上記実施例1と同様、対物レンズ駆動装置2は、対物レンズ33、34および対物レンズの位置および角度を制御するためのコイル35、36a、36a’、36b、36b’を搭載してなる対物レンズ支持筐体32と、対物レンズ支持筐体32を間に挟むように設置される一対の永久磁石41、41’と、永久磁石41、41’を支持固定するヨーク42と、対物レンズ支持筐体32を光ピックアップ筐体11に弾性支持する固定部材52と、永久磁石41およびヨーク42の上部を覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバー6からなり、固定部材52、ヨーク42、永久磁石41、41’、のいずれにも光ディスク7の回転方向7aと同一方向に凹形状に窪んだ段差部53、45、46、45’、46’を設ける(図13及び14を参照)。このとき、ヨーク42と永久磁石41、41’に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって隙間44、44’が形成される。また、対物レンズ駆動装置カバー6に、光ディスク7の回転方向7aと同一方向であって、かつ、凹形状に窪んだ段差部45、46、45’、46’と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成した隙間44、44’と同一形状を有する開口部6a、6bを、それぞれ対物レンズ支持筐体32に対して空気流8の上流側と下流側の2箇所に設ける。
ただし、対物レンズ駆動装置カバー6は永久磁石41、41’およびヨーク42のみを覆う構造に限らない。そこで、本実施例5においては、対物レンズ駆動装置カバー6によって永久磁石41、41’、ヨーク42に加えて、固定部材52の上部を覆う構造としている。
即ち、図25は対物レンズ駆動装置カバー6によって永久磁石41、ヨーク42に加えて、固定部材52の上部を覆った対物レンズ駆動装置2の斜視図であり、そして、図26は、上記図25のA−A’断面を示す。これらに図において、対物レンズ駆動装置カバー6の開口部6aから空気流8を取り込み、取り込んだ空気流8aは固定部材52の凹形状に窪んだ段差部53と対物レンズ駆動装置カバー6との隙間を通り、ヨーク42と永久磁石41に設けた凹形状に窪んだ段差部45、46と対物レンズ駆動装置カバー6によって形成される隙間44に導入され、トラッキングコイル36a、36bに導くことができるため、フォーカシングコイル35の温度上昇を抑えることが可能となり、対物レンズ33、34の熱変形を小さくすることができ、光軸ずれを抑えることができるため、光ディスク上への情報の記録、再生精度の低下を防ぐことができる。
なお、本実施例においては、対物レンズ支持筐体に搭載される対物レンズは1つであってもよく、BDに対応しないCD、DVD用の光ピックアップ装置であってもよい。また、対物レンズ33、34の配置は、光ディスク7の半径方向に限らず、光ディスク7の接線方向の配置であってもよい。
1…光ピックアップ装置、2…対物レンズ駆動装置、11…ピックアップケース、12…放熱カバー、13…レーザ素子、14…レーザ受光部、15…光学ユニット、16…レーザ光路、16a…発振されたレーザ光、16b…戻り光、21…光ディスク装置、22…スピンドルモータ、23…ステッピングモータ、24…ガイドレール(主軸)、25…ガイドレール(副軸)、26…メカカバー、26a…メカカバーと光ディスクの隙間、27…リードスクリュー、28…係合部材、31a…固定部材の段差部からトラッキングコイル上端までのギャップ、31b,31b’…ヨーク、永久磁石の段差部からトラッキングコイル上端までのギャップ、32…支持筐体、33,34…対物レンズ、35…フォーカシングコイル、35a,b,c…フォーカシングコイルに同じ磁場がかかる領域、36a,b,c,d…トラッキングコイル、37…フォーカシングコイルとトラッキングコイルの接触面、38…フォーカシングコイルに流す電流の方向、39,39’…トラッキングコイルに流す電流の方向、40a,b,c…トラッキングコイルに同じ磁場がかかる領域、41…3個2対の永久磁石、41a,b,c,a’,b’,c’…永久磁石、42…ヨーク、43a,b…磁力線、44,44’…ヨークおよび永久磁石の凹部と対物レンズ駆動装置カバーとの隙間、45,45’…ヨークの凹部、46,46’…永久磁石の凹部、51…支持部材、52…固定部材、53…固定部材凹部、6…対物レンズ駆動装置カバー、6a…開口部、7…光ディスク、7a…光ディスクの回転方向、8…空気流、8a…導入される空気流、8b…排出される空気流。
Claims (6)
- レーザ発光部であるレーザ素子と、レーザ受光部と、レーザ光を光ディスク上に集光させるための対物レンズと、前記対物レンズの光ディスクに対する位置および角度を制御するための対物レンズ駆動装置と、前記レーザ素子、レーザ受光部、対物レンズ駆動装置等を制御する制御回路基板とを有する光ピックアップ装置であって、前記対物レンズ駆動装置が、前記対物レンズおよび対物レンズの位置および角度を制御するためのコイルを搭載してなる対物レンズ支持筐体と、前記対物レンズ支持筐体を間に挟むように設置される3個一対の永久磁石と、前記永久磁石を支持固定するヨークと、前記対物レンズ支持筐体を光ピックアップ筐体に弾性支持する固定部材と、前記永久磁石と前記ヨークを覆うように設置される対物レンズ駆動装置カバーからなるものにおいて、
前記3個一対の永久磁石は、それぞれ、中央に設置される1個の永久磁石と、その両側部に極性を逆にして配置された2個の永久磁石とからなり、かつ、当該中央に設置される1個の永久磁石の形状を、その両側部に2個設置される永久磁石よりも高さを小さくすることで光ディスクの回転方向と同一方向に凹形状に窪んだ段差部を設け、
前記ヨーク、固定部材のいずれにも光ディスクの回転方向と同一方向に前記永久磁石に設けられる凹形状に窪んだ段差部と略同一の凹形状に窪んだ段差部を設けると共に、
前記対物レンズ駆動装置カバーに、光ディスクの回転方向と同一方向であって、かつ、前記段差部の凹形状と略同一形状を有する開口部を、前記対物レンズに対して前記ディスク回転方向の上流側と下流側の2箇所に設けることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記請求項1記載の光ピックアップ装置であって、前記対物レンズ駆動装置カバーの開口部の開口高さを、前記固定部材の上面部よりも高くすることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 前記請求項1記載の光ピックアップ装置であって、前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部の段差長さを、前記対物レンズ駆動装置カバーの開口部に向け、徐々に狭めることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 前記請求項1記載の光ピックアップ装置であって、前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部において、を前記段差部の段差深さを前記対物レンズ支持筐体に向けて徐々に深くすることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 前記請求項1記載の光ピックアップ装置であって、前記対物レンズ駆動装置カバーを、前記永久磁石およびヨークの上面と前記固定部材の凹形状に窪んだ段差部の上面を覆うように設置することを特徴とする光ピックアップ装置。
- 筐体の内部に、外部から装填される光ディスクを回転駆動するスピンドルモータと共に、前記請求項1から5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を移動可能に配置し、かつ、前記光ピックアップ装置を前記光ディスクの半径方向に移動するステッピングモータを具備することを特徴とする光ディスク装置。
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