JP2011027802A - Oa用ブレード - Google Patents
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Abstract
【課題】プレートの反りの予防と共に、現像剤の漏れについても抑制できるように構成したOA用ブレードを提案する。
【解決手段】長尺形状のプレート2上に、被接触体に当接される弾性部材3を、当該プレートの長手方向に沿って配置してあるOA用ブレード1において、前記弾性部材3は、略直方体において前記被接触体と当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部DPを有する形状を有し、前記弾性部材の体積が、前記凹部DPがないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、前記凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍とされている。
【選択図】図2
【解決手段】長尺形状のプレート2上に、被接触体に当接される弾性部材3を、当該プレートの長手方向に沿って配置してあるOA用ブレード1において、前記弾性部材3は、略直方体において前記被接触体と当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部DPを有する形状を有し、前記弾性部材の体積が、前記凹部DPがないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、前記凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍とされている。
【選択図】図2
Description
本発明は、長尺薄肉の金属板などによるプレートの片面上に、ゴム材などによる弾性部材をプレート長手方向に沿って配置してあるOA用ブレードに関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置(以下、これらを総称して「OA装置」と称す)においては、現像ローラの外周上に現像剤を担持させ回転する現像ローラによって供給される現像剤の量を規制するための現像ブレードの他、感光ドラム或いはベルト上のクリーニングを用途とするクリーニングブレードや転写ブレードなど種々のブレードが採用されている。これらブレードをOA用ブレードと称して以下の説明をする。
上記OA用ブレードとしては、例えば現像剤が通過する隙間を形成するのに十分な柔軟性と現像剤を摩擦帯電させるのに必要な特性とを有するゴム部材を、長尺形状の金属などのプレート上に長手方向に沿って貼り付けたものが広く採用されている。このような現像剤規制をするOA用ブレードでは、現像ローラ等との接触圧(OA用ブレードのローラに対する当接圧)が均一であることが重要な設計事項の1つとなっている。仮に、現像ローラへのOA用ブレードの当接圧が不均一になると、層規制が不均一になるなどの事態を招来し、その結果として濃度ムラなど画像形成に不具合が発生してしまう。
そこで、例えば特許文献1は上記OA用ブレードについて、プレート(ブレード支持板)の長手方向での中央部の幅(長手方向と垂直方向での長さ)を、両端部部分に比べて幅広に形成する構造について提案している(特許文献1の段落[0157]−[0166]及び図4など参照)。
このOA用ブレードは、長手方向での中央部が両端部より幅広で、突出する形状をしているプレートを採用することで、プレートに反りが発生していたような場合であっても、ゴム部材(弾性ブレード)のたわみを長手方向にわたって夫々の位置で補正して現像ローラへの圧接力が不均一になるのを防止するようにしている。
このOA用ブレードは、長手方向での中央部が両端部より幅広で、突出する形状をしているプレートを採用することで、プレートに反りが発生していたような場合であっても、ゴム部材(弾性ブレード)のたわみを長手方向にわたって夫々の位置で補正して現像ローラへの圧接力が不均一になるのを防止するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1で提案している技術は、OA用ブレードのプレートに反りが発生した場合、これに事後的に対処するための技術を提案するものである。すなわち、特許文献1はプレートに発生する反りの原因を検討して、その反りの発生を予防するという技術的な観点によるものではない。
また、OA用ブレードではプレートに配備したゴム部材が弾性ブレードとして機能し、現像剤に直接に接触して規制する重要な部材となっている。ゴム部材の形状が不適正であると規制が不十分で現像剤が特にゴム部材の両端において下流側に流れてしまう現像剤の漏れが問題となる。しかし、特許文献1では、このゴム部材についても十分な検討がなされていない。このようにOA用ブレードについては、検討すべき本質的な課題が複数存在するものであるが、未だにその技術的検討が不十分であるという実情がある。
また、OA用ブレードではプレートに配備したゴム部材が弾性ブレードとして機能し、現像剤に直接に接触して規制する重要な部材となっている。ゴム部材の形状が不適正であると規制が不十分で現像剤が特にゴム部材の両端において下流側に流れてしまう現像剤の漏れが問題となる。しかし、特許文献1では、このゴム部材についても十分な検討がなされていない。このようにOA用ブレードについては、検討すべき本質的な課題が複数存在するものであるが、未だにその技術的検討が不十分であるという実情がある。
よって、本発明の目的は、プレートの反りの予防と共に、現像剤の漏れについても抑制できるように構成したOA用ブレードを提案することである。
上記目的は、長尺形状のプレート上に、被接触体に当接される弾性部材を、当該プレートの長手方向に沿って配置してあるOA用ブレードにおいて、
前記弾性部材は、略直方体において前記被接触体と当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部を有する形状を有し、
前記弾性部材の体積が、前記凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、
前記凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍である、ことを特徴とするOA用ブレードにより達成できる。
前記弾性部材は、略直方体において前記被接触体と当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部を有する形状を有し、
前記弾性部材の体積が、前記凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、
前記凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍である、ことを特徴とするOA用ブレードにより達成できる。
また、前記弾性部材が、マイクロ硬度68°以上のシリコーンゴムにより形成するのが望ましい。
また、前記弾性部材が、マイクロ硬度80°以上のシリコーンゴムからなり、前記弾性部材の体積が、前記凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.65倍であるとするのが望ましい。
本発明によるOA用ブレードでは、長尺のプレート上に長手方向に沿って設けられる略直方体形状の弾性部材の背面側の中央部に切欠状の凹部が形成されており、その弾性部材の体積が、凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、更に凹部が形成される中央部の長手方向における長さLAが、弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍となるように設計してある。これにより、弾性部材による影響を抑制してプレートの反りの発生を予防している。また、規制した現像剤により削られ浸食され易い両端部については十分な断面積をもって強度が確保されているので現像剤が漏れるという事態も抑制される。よって、本発明によるとプレートの反りを予防しつつ、現像剤の漏れのないOA用ブレードを提供できる。
以下、本発明にかかる一実施形態を、図を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、現像ブレードを例にとって説明するがOA用ブレードはこれに限るものではない。
図1は、本実施形態に係るOA用ブレードをOA装置に取付けたときの様子を示している模式図である。また、図2は本実施形態に係るOA用ブレードの構造例を示した平面図である。
図1は、本実施形態に係るOA用ブレードをOA装置に取付けたときの様子を示している模式図である。また、図2は本実施形態に係るOA用ブレードの構造例を示した平面図である。
OA用ブレード1は、薄肉で長尺形状なプレートとしての金属プレート2と、その片面2a上の一部に弾性部材としてのゴム部材3とを含んで構成されている。このようなゴム部材3としては、例えば2液硬化性ポリウレタン、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ミラブルシリコーン、液状シリコーンゴムなどの熱硬化性のゴム材を好適に採用することができるが、生産性に優れているという点から液状シリコーンゴムを採用するのが好ましい。
金属プレート2は、例えばステンレス鋼(SUS)やリン青銅などで形成することができる。また、ゴム部材3は、金属プレート2の長手方向に沿って又はプライマにより接着固定されている。このOA用ブレード1の両側にはブランクエリアBAが設定されており、このブランクエリアBA間の中央部にゴム部材3が接着されている。そして、ブランクエリアBAには必要に応じてシール材SEが配置される。シール材SEはOA用ブレード1が現像ローラに配置されて使用されたときに、現像剤が両側に飛散するのを防止する。
なお、図1で示すようにOA用ブレード1は、回転する現像ローラ100の周面に当接する姿勢、もしくは、周面と僅かの隙間を有する姿勢で配置され、現像ローラ周面100a上の現像剤101の層厚さを規制するように機能する。
図2で示すように、OA用ブレード1に貼付けるゴム部材3は、凡そにおける平面形状は長方形形状であるが、被接触体(現像ローラ100)と当接する側と反対となる背面側(図2で上側)の中央部に直方体形状の切欠状の凹部DPが形成されている。この切欠状の凹部DPについては後述する。
そして、必要に応じて端部や周縁部に外側に出た凸部や内側にへこんだ凹部が適宜に設けられる。すなわち、図2で示すOA用ブレード1は、この両端で上方へ突出した突出部3TA−1と3TA−2が形成されている。ここで、例示の構造は、金型を用いてゴム部材3を形成したときに、内側(背面側)に突出して配置されるゲート用突出部に応じて形成された突出部3TA−1やショートの発生を防止するためのオーバーフロー受け用の付加部3PRに応じて形成された突出部3TA−2である。これら突出部3TA−1、3TA−2は、製造法やその際に使用した金型により、工程の名残りとしてゴム部材3の周部や端部に存在するもので、製品としてのOA用ブレード1の機能に影響しない部分である。
そして、必要に応じて端部や周縁部に外側に出た凸部や内側にへこんだ凹部が適宜に設けられる。すなわち、図2で示すOA用ブレード1は、この両端で上方へ突出した突出部3TA−1と3TA−2が形成されている。ここで、例示の構造は、金型を用いてゴム部材3を形成したときに、内側(背面側)に突出して配置されるゲート用突出部に応じて形成された突出部3TA−1やショートの発生を防止するためのオーバーフロー受け用の付加部3PRに応じて形成された突出部3TA−2である。これら突出部3TA−1、3TA−2は、製造法やその際に使用した金型により、工程の名残りとしてゴム部材3の周部や端部に存在するもので、製品としてのOA用ブレード1の機能に影響しない部分である。
そして、このOA用ブレード1のゴム部材3は、略直方体で被接触体となる現像ローラに当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部が形成さている。この切欠状の凹部DPは長手方向LDでの中央部に形成してある。そして、後述するように、切欠状の凹部DPに対応する箇所のゴム部材3の体積が、この凹部がないとした場合の略直方体の体積の所定倍であり、更に、切欠状の凹部DPが形成される中央部の長手方向における長さLAが弾性部材の全長に対する所定に形成されている。
なお、図2で例示しているOA用ブレード1では、突出部3TA−1と3TA−2とを設けた部分に連続するように両端部が設定されており、これらの間の部分が中央部となっている。ここでは、長手方向LDで、中央部の長さがLA、右側端部の長さがLB−1、左側端部の長さがLB−2である。
なお、図2で例示しているOA用ブレード1では、突出部3TA−1と3TA−2とを設けた部分に連続するように両端部が設定されており、これらの間の部分が中央部となっている。ここでは、長手方向LDで、中央部の長さがLA、右側端部の長さがLB−1、左側端部の長さがLB−2である。
図2におい破線BLは、従来の一般的な設計において、ゴム部材3が設定される標準的な境界ラインBL(一端(左端)から他端(右端)まで同じ幅とするライン)を示しており、本願に係るOA用ブレード1のゴム部材3の場合は中央部で境界ラインがNLとなり、現像ローラ側に幅Wdだけオフセットされている。これらの幅Wdに相当する領域が切欠状の凹部DPとなっている。この切欠状の凹部DPに対応する箇所のゴム部材3の体積が、凹部DPがないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、切欠状の凹部DPが形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍に形成されている。
すなわち、このOA用ブレード1では、金属プレート2上に配置されるゴム部材3が、中央部が両端部に比して切欠かれて狭幅となっている。
なお、凹部の形状は直方体形状に限らず、図3(a)、(b)に示すようなものでもよい。
すなわち、このOA用ブレード1では、金属プレート2上に配置されるゴム部材3が、中央部が両端部に比して切欠かれて狭幅となっている。
なお、凹部の形状は直方体形状に限らず、図3(a)、(b)に示すようなものでもよい。
さらに、図4を参照して、金属プレート2上に長手方向に沿って配置されるゴム部材3の形状について説明する。図4は、図2で示しているOA用ブレード1の円CR内の部分を拡大して示している斜視図である。なお、この図4ではシール材SEを図示してある。
ゴム部材3は、矢印TDで示す方向に進行する現像剤に規制するように配置されることで弾性ブレードとして機能するものである。ここで、現像剤に接触するゴム部材3の前面側(当接側)が湾曲に形成された当接部3aであり、その背部が本体部3bとなっている。すなわち、ゴム部材3の形状は、細長い直方体の一面側を湾曲面に加工した構造体とみることができる。図4では仮想線3Lでゴム部材3の当接部3aと本体部3bとの境界を示している。本体部3bの上面は平坦に形成されている。OA用ブレード1では本体部3bの幅W(長手方向LDに垂直な長さ)が一般的な設計位置BLと比較して、前述したように幅Wdだけオフセットさせた狭いライン位置NLに設定してある点、すなわち、中央部における中央部横断面積が両端部における端部横断面積よりも小さく形成してある形状が特徴となっている。
ゴム部材3は、矢印TDで示す方向に進行する現像剤に規制するように配置されることで弾性ブレードとして機能するものである。ここで、現像剤に接触するゴム部材3の前面側(当接側)が湾曲に形成された当接部3aであり、その背部が本体部3bとなっている。すなわち、ゴム部材3の形状は、細長い直方体の一面側を湾曲面に加工した構造体とみることができる。図4では仮想線3Lでゴム部材3の当接部3aと本体部3bとの境界を示している。本体部3bの上面は平坦に形成されている。OA用ブレード1では本体部3bの幅W(長手方向LDに垂直な長さ)が一般的な設計位置BLと比較して、前述したように幅Wdだけオフセットさせた狭いライン位置NLに設定してある点、すなわち、中央部における中央部横断面積が両端部における端部横断面積よりも小さく形成してある形状が特徴となっている。
本発明者は、上記のように金属プレートに配置するゴム部材3の背部側の中央部を切欠いた構造に形成すると、プレートの反りを予防しつつ、現像剤の漏れのないOA用ブレードを形成できることを確認したものである。
本願発明に係るOA用ブレード1は、このように中央部横断面積を両端部における端部横断面積SBより小さくするというシンプル変更であるが、これにより前述した技術的課題を解決するものである。本願発明者が、ここに至るまで経緯を以下で概説することで、本願発明の意義をより明らかにする。
本願発明に係るOA用ブレード1は、このように中央部横断面積を両端部における端部横断面積SBより小さくするというシンプル変更であるが、これにより前述した技術的課題を解決するものである。本願発明者が、ここに至るまで経緯を以下で概説することで、本願発明の意義をより明らかにする。
前述したように、OA用ブレードの設計では、現像ローラ等との接触圧(OA用ブレードのローラに対する当接圧)が均一となるようにすることが重要である。現像ローラとの接触圧を調整するための対処としては、ゴム部材の表面粗さを調整すること、ゴム硬度を調整することが考えられた。しかし、表面粗さの維持管理は難しい。
そこで、ゴム硬度の調整で当接圧の均一化を試みたものである。しかし、現像ローラとの接触圧を低くするため、ゴム硬度を上げたゴム部材を用いたときに、このゴム部材を貼り付けた金属プレートに反りが発生することを確認した。すなわち、本願発明者はプレートの反り原因の一つが、貼り付けるゴム部材の硬度であることを確認した。具体的には、高硬度になると収縮力(モジュラス)が高くなり反りが大きくなる現象が生じうる。
そして、これに対しては、金属プレート上に長手方向に沿って配置されるゴム部材を細くすることで反りの発生を防止できることも確認した。しかし、従来において標準的なゴム部材形状にならい、一定幅で全体を単に細くしただけでは新たな問題が生じてしまった。
そこで、ゴム硬度の調整で当接圧の均一化を試みたものである。しかし、現像ローラとの接触圧を低くするため、ゴム硬度を上げたゴム部材を用いたときに、このゴム部材を貼り付けた金属プレートに反りが発生することを確認した。すなわち、本願発明者はプレートの反り原因の一つが、貼り付けるゴム部材の硬度であることを確認した。具体的には、高硬度になると収縮力(モジュラス)が高くなり反りが大きくなる現象が生じうる。
そして、これに対しては、金属プレート上に長手方向に沿って配置されるゴム部材を細くすることで反りの発生を防止できることも確認した。しかし、従来において標準的なゴム部材形状にならい、一定幅で全体を単に細くしただけでは新たな問題が生じてしまった。
この点を、図5を参照して説明する。図5(a)は従来、一般的なOA用ブレード110について示した図であり、下段に円CR内の構造を拡大した斜視図を示してある。このようなOA用ブレード110としては、例えば長さ150〜250mm程度、幅10〜20mm程度で、厚みが0.1mm程度の金属プレート102の長手方向に沿って、液状シリコーンゴムなどを熱硬化させたゴム部材103を配置してある。そして、このゴム部材103の幅W(長手方向LDに垂直な長さ)は25mm〜50mm程度である。耐久試験後に両端部が削れてくることからゴム部材103の幅Wは、現像剤を確実に規制すること、端部での現像剤の漏れを防止するという観点からこのように25mm〜50mm程度とされ一定幅とするのが従来にあっては一般的であった。
ところが、図5(a)で示した形態で部材103の硬度を上げると、前述したように金属プレート102に反りが発生した。
ところが、図5(a)で示した形態で部材103の硬度を上げると、前述したように金属プレート102に反りが発生した。
これに対しては、本願発明者は、部材103の体積(ボリューム)を減らすことで、金属プレート102への悪影響を除いて、反りを無くすことが考えた。ここで、部材103の体積を減らす手法として、1)先ずゴム部材103の厚みを薄くする対処と、2)幅Wを細くする対処とが考えられた。ここで、前者の対策は現像ローラとOA用ブレードとの設置位置の変更を伴うので、装置側で大幅な設計変更が必要となるので、採用するのが困難である。そこで、本発明者は、ゴム部材103の幅を細くして対処する場合を選択した。この様子を示したのが、図5(b)である。
図5(b)は、ゴム部材103の全幅を、標準的な位置BLからNL位置まで幅Wを狭めたOA用ブレード110を示している。このOA用ブレード110は、ゴム体積が減少するので金属プレート102の反りは予防できた。ところが、図5(b)の場合は、103の端部103EGの周辺で幅が不足することになり、経時的な使用で現像剤の漏れが発生する場合があった。これにより、本願発明者はゴム部材103の幅を細くするという単純な発想では金属プレート102の反りを予防できるが、その替わりに現像剤の漏れが発生するということを認識した。
本願発明者はこのような認識に基づき、金属プレートの反り防止だけでなく、現像剤の漏れも予防するため構造を鋭意検討した結果として、前述した新規な特定構造、すなわち、図2、図4に示すように、略直方体であるゴム部材103の背面側の中央に切欠状の凹部を形成し、ゴム部材103の体積が、凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、ゴム部材103の全長に対する0.4〜0.9倍とするのが好ましいことを確認することにより、本願発明に至ったものである。
本願発明者はこのような認識に基づき、金属プレートの反り防止だけでなく、現像剤の漏れも予防するため構造を鋭意検討した結果として、前述した新規な特定構造、すなわち、図2、図4に示すように、略直方体であるゴム部材103の背面側の中央に切欠状の凹部を形成し、ゴム部材103の体積が、凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、ゴム部材103の全長に対する0.4〜0.9倍とするのが好ましいことを確認することにより、本願発明に至ったものである。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明する。図6に示すように、本体部の背面中央部に切欠き(Wa×LA)、左右に対称的に端部(Wb×LB)を設けたゴム部材のプレート上に形成して、中央部幅(Wa)、端部幅(Wb)を変更して実施例のOA用ブレードと比較例とを製作して評価した。その結果をまとめたのが、下記表1である。なお、ゴム部材の全長は(LA+2×LB)である。
なお、ここでのプレートは材質ステンレス鋼(SUS301−3/4H)の金属プレートで、厚さ0.1mm、長さ239.1mm、幅18.3mmとした。この金属プレート上に金型を用いて、液状シリコーンゴムを配置した。このシリコーンゴムの背面側中央部切欠きの長さLAは20〜200mmとし、凹部の幅を0.5〜2.0mmとした。また、このときのゴム部材のゴム硬度はマイクロ硬度70°であった。ゴム硬度は、高分子計器製のマイクゴム硬度計MD−1を用いて測定した。
そして、ブレードの反り量は、図7に示すようにブレードを定盤に置きプレート端部の浮き量をハイトゲージで測定した。
以下、本発明の実施例を説明する。図6に示すように、本体部の背面中央部に切欠き(Wa×LA)、左右に対称的に端部(Wb×LB)を設けたゴム部材のプレート上に形成して、中央部幅(Wa)、端部幅(Wb)を変更して実施例のOA用ブレードと比較例とを製作して評価した。その結果をまとめたのが、下記表1である。なお、ゴム部材の全長は(LA+2×LB)である。
なお、ここでのプレートは材質ステンレス鋼(SUS301−3/4H)の金属プレートで、厚さ0.1mm、長さ239.1mm、幅18.3mmとした。この金属プレート上に金型を用いて、液状シリコーンゴムを配置した。このシリコーンゴムの背面側中央部切欠きの長さLAは20〜200mmとし、凹部の幅を0.5〜2.0mmとした。また、このときのゴム部材のゴム硬度はマイクロ硬度70°であった。ゴム硬度は、高分子計器製のマイクゴム硬度計MD−1を用いて測定した。
そして、ブレードの反り量は、図7に示すようにブレードを定盤に置きプレート端部の浮き量をハイトゲージで測定した。
実施例1〜4は、ゴム部材の体積が、凹部でないとした場合の略直方体の体積の0.4〜0.89倍以下であり、且つ凹部が形成される中央部の長手方向における長さLAがゴム部材の全長に対して0.4〜0.9倍の範囲であり、この場合にはプレートの反りよりを5mm以下に抑制しつつ現像剤の漏れも抑制できた。
比較例1〜5は上記体積が0.9倍以上であり、反りが5mmを超えていた。
また、比較例6〜8は全体の弾性体の体積が減るため、ブレードの反り量は抑制されていたが、現像剤の漏れが発生した。
比較例1〜5は上記体積が0.9倍以上であり、反りが5mmを超えていた。
また、比較例6〜8は全体の弾性体の体積が減るため、ブレードの反り量は抑制されていたが、現像剤の漏れが発生した。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、OA用ブレードのゴム部材の形状は図示したものに限らず、背面側の中央部に切欠状の凹部が設けられた構成であれば、例えば図8に示すように両端部の現像ローラとの接触部に切欠きを形成した構成のように種々の形状をとりうる。また、これに合わせてプレートも種々の形状をとり得る。
1 OA用ブレード
2 金属プレート(プレート)
3 ゴム部材(弾性部材)
DP ゴム部材背面側の中央の切欠状の凹部
2 金属プレート(プレート)
3 ゴム部材(弾性部材)
DP ゴム部材背面側の中央の切欠状の凹部
Claims (3)
- 長尺形状のプレート上に、被接触体に当接される弾性部材を、当該プレートの長手方向に沿って配置してあるOA用ブレードにおいて、
前記弾性部材は、略直方体において前記被接触体と当接する側と反対である背面側の中央部に切欠状の凹部を有する形状を有し、
前記弾性部材の体積が、前記凹部がないとした場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.89倍であり、
前記凹部が形成される中央部の前記長手方向における長さLAが、前記弾性部材の全長に対する0.4〜0.9倍である、ことを特徴とするOA用ブレード。 - 前記弾性部材が、マイクロ硬度68°以上のシリコーンゴムからなる、ことを特徴とする請求項1に記載のOA用ブレード。
- 前記弾性部材が、マイクロ硬度80°以上のシリコーンゴムからなり、
前記弾性部材の体積が、前記凹部がないとして場合の前記略直方体の体積の0.4〜0.65倍である、ことを特徴とする請求項2に記載のOA用ブレード。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020194140A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 藤倉コンポジット株式会社 | 現像ブレード及びその製造装置 |
JP2020194141A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 藤倉コンポジット株式会社 | 現像ブレード及びその製造装置 |
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