JP2011025344A - ウォータジェットピーニング装置及びウォータジェットピーニング方法 - Google Patents

ウォータジェットピーニング装置及びウォータジェットピーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウォータジェットピーニングを施工しない非施工対象物の振動を抑制することができ、コンパクトなウォータジェットピーニング装置を提供する。
【解決手段】ウォータジェットピーニング装置30はノズル装置31を有する。ノズル装置31は、支持部材32、ノズル33及びカバー装置34を含んでいる。ノズル33及びカバー装置34が支持部材32に取り付けられる。カバー装置34が、側壁部材35A、及び側壁部材35Aの外面を覆う衝撃波緩衝部材36Aを有する。ノズル装置31が、WJP施工対象物、例えば、シュラウドサポートリング20の溶接部に対して位置決めされる。側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36Aが、ノズル33とジェットポンプ7の間に配置される。発生した衝撃波43が、側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36Aによって減衰され、ジェットポンプ7に与える影響が小さくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウォータジェットピーニング装置及びウォータジェットピーニング方法に係り、特に、沸騰水型原子炉の内部構造物に適用するのに好適なウォータジェットピーニング装置及びウォータジェットピーニング方法に関する。
沸騰水型原子炉及び加圧水型原子炉等の構造部材に生じている引張残留応力を圧縮残留応力に改善する方法として、キャビテーション気泡を利用するウォータジェットピーニング(以下、WJPという)が知られている(特開2003−337192号公報、特開2007−292655号公報及び特開2009−72859号公報参照)。WJPは、水中に置かれたノズルから高圧の水流を噴射し、この水流に含まれた気泡が潰れて発生する衝撃波を、水に浸漬されたWJP施工対象物である構造部材の表面に当て、構造部材の表面付近に存在する引張残留応力を圧縮残留応力に改善する方法である。
特に、特開2009−72859号公報には、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内でWJPを行っているとき、発生した衝撃波が、WJP施工対象物以外の、WJP施工対象物ではない他の構造物に当たり、この構造物に振動が発生するという問題点を記載している。この問題点を解消するために、特開2009−72859号公報では、エアノズルを用いている。高圧の水流を噴射する主ノズル及び空気を噴射するエアノズルが、水中でWJP施工対象物付近に配置される。高圧ポンプから吐出された高圧水が主ノズルから水流となって噴射される。この水流に含まれた気泡が潰れたときに発生する衝撃波がWJP施工対象物に当てられ、WJP施工対象物の表面付近で引張残留応力が圧縮残留応力に改善される。エア供給機から供給される空気が、エアノズルから噴出され、水中に気泡域を形成する。この気泡域は、主ノズルから噴射された水流と非WJP施工対象物の間に形成される。このため、主ノズルから噴射された水流に含まれる気泡が潰れて発生した衝撃波は四方八方に広がるが、非WJP施工対象物に向う衝撃波は気泡域で弱められる。WJPを施工しない非WJP施工対象物への衝撃波の伝播を抑制することができるので、非WJP施工対象物の振動を抑制することができる。
特開2003−337192号公報 特開2007−292655号公報 特開2009−72859号公報
特開2009−72859号公報に記載されたWJPによれば、WJP施工時における非WJP施工対象物の振動を抑制することができる。しかしながら、このWJPを実施する際には、主ノズル以外にエアノズルが必要になる。さらに、エア供給機、及びエア供給機からエアノズルに空気を供給するエアホースも必要になる。このように、特開2009−72859号公報に記載されたWJPを実施するために用いるウォータジェットピーニング装置は、大規模な構造になる。さらに、主ノズルの位置決め以外に、エアノズルの位置決めを行う必要があり、WJPを開始するまでの準備作業に時間を要することになる。
本発明の目的は、ウォータジェットピーニングを施工しない非施工対象物の振動を抑制することができ、コンパクトなウォータジェットピーニング装置及びウォータジェットピーニング方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、水平方向でノズルと対向する側壁部材及びこの側壁部材に設けられ、前記ノズルの上方を覆う上部部材を有し、水を噴射するノズルが取り付けられた設置された支持部材に取り付けられたカバー部材と、側壁部材及び上部部材にそれぞれ設けられた衝撃波緩衝部材とを備えたことにある。
側壁部材及び上部部材、及びこれらに設けられた衝撃波緩衝部材を、水中に配置されたノズルから噴射される水流と、ウォータジェットピーニングを施工しない非施工対象物との間に配置することができるので、ノズルから噴射された水流に含まれる気泡が潰れて発生する衝撃波が、側壁部材、上部部材及び衝撃波緩衝部材によって減衰される。このため、非施工対象物に当たる衝撃波が弱められ、非施工対象物の振動を軽減することができる。
側壁部材、上部部材及び衝撃波緩衝部材を設けることによって、特開2009−72859号公報に記載されたエアノズル、エア供給機、及びエア供給機からエアノズルに空気を供給するエアホースが不要になるので、ウォータジェットピーニング装置をコンパクト化することができる。
本発明によれば、ウォータジェットピーニングを施工しない非施工対象物の振動を抑制することができ、ウォータジェットピーニング装置をコンパクト化することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1のウォータジェットピーニング装置の構成図である。 図1に示すカバー装置の斜視図である。 図1に示すノズル装置を用いたときにおける非WJP施工対象物への衝撃波の軽減効果を示す説明図である。 図1に示すウォータジェットピーニング装置を用いたウォータジェットピーニング方法が適用されるBWRの縦断面図である。 図4のV部の拡大図である。 図4のVI−VI断面図である。 図4のVII−VII断面図である。 カバー装置の他の実施例の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例2のウォータジェットピーニング装置の構成図である。 図9に示すカバー装置の斜視図である。 図9に示すノズル装置を用いたときにおける非WJP施工対象物への衝撃波の軽減効果を示す説明図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
沸騰水型原子炉(BWR)に適用した、本発明の好適な一実施例であるウォータジェットピーニング装置を説明する前に、WJPが施工されるBWRの概略の構造を、図4から図7を用いて説明する。BWRは、蓋11を有する原子炉圧力容器(以下、RPVという)1を有し、RPV1内に、蒸気乾燥器2、気水分離器3、炉心シュラウド5、ジェットポンプ7、上部格子板15及び炉心支持板16等を配置している。炉心シュラウド5は、シュラウドサポートリング20を介してシュラウドサポートシリンダ4に取り付けられる。シュラウドサポートシリンダ4は、複数のサポートレグ17によって、RPV1の底部に設置される。水平方向に伸びるシュラウドサポートバッフルプレート6が、RPV1の内面及びシュラウドサポートシリンダ4に取り付けられる。炉心支持板16が、炉心シュラウド5内に配置され、炉心シュラウド5に設置される。炉心支持板16の上方に配置される上部格子板15も炉心シュラウド5に設置される。気水分離器3及び蒸気乾燥器2は、上部格子板15より上方に設置される。複数のジェットポンプ7が、RPV1と炉心シュラウド5の間に形成されたアニュラス部(ダウンカマ)8内に配置され、シュラウドサポートバッフルプレート6に設置されている。
複数の燃料集合体12が、上部格子板15及び炉心支持板16によって支持されている。RPV1内に給水スパージャ10が配置され、この給水スパージャ10はRPV1に設けられた給水ノズル14に接続される。炉心スプレイ配管9が炉心シュラウド5とRPV1の間に配置される。
本実施例のウォータジェットピーニング方法は、例えば、アニュラス部8における、RPV1とシュラウドサポートバッフルプレート6の溶接部21、シュラウドサポートバッフルプレート6とシュラウドサポートシリンダ4の溶接部22、シュラウドサポートシリンダ4とシュラウドサポートリング20の溶接部23、及び炉心シュラウド5とシュラウドサポートリング20の溶接部24等の溶接部を中心にして、シュラウドサポートシリンダ4、炉心シュラウド5、シュラウドサポートバッフルプレート6及びシュラウドサポートリング20に対してそれぞれ適用される。
本実施例のウォータジェットピーニング方法は、例えば、ノズル装置31を、アニュラス部8に挿入して上記した溶接部付近に位置させて実施される(図5参照)。ノズル装置31は、図7に示すアクセス領域25を通して、運転床18上を走行する燃料交換機あるいは作業台車(図示せず)からの遠隔操作にてアニュラス部8内の上記の各位置まで順次下ろされる。
ウォータジェットピーニング装置30の詳細な構成を、図1を用いて説明する。ウォータジェットピーニング装置30はノズル装置31を有する。ノズル装置31は、支持部材32、ノズル33及びカバー装置34を含んでいる。ノズル33及びカバー装置34が支持部材32に取り付けられる。
カバー装置34は、図2に示すように、カバー部材35及び衝撃波緩衝部材36A,36Bを有する。カバー部材35は、縦断面形状がL字状をしており、側壁部材35A、及び側壁部材35Aの上端部から水平方向に伸びる上部部材35Bを有する。衝撃波緩衝部材36Aが、側壁部材35Aの外面に取り付けられて側壁部材35Aの外面を覆っている。衝撃波緩衝部材36Bが、上部部材35Bの上面に取り付けられて上部部材35Bの上面を覆っている。衝撃波緩衝部材36A,36Bは、例えば、ゲル材によって構成される。衝撃波緩衝部材36A,36Bは、エアキャップ、風船及び空気を密封したハニカム構造で構成してもよい。
ノズル33が、ノズル33の軸心が支持部材32に対して傾斜するように、支持部材32に取り付けられている。支持部材32に取り付けられたカバー装置34では、衝撃波緩衝部材36Aを外面に取り付けられている側壁部材35Aが、ノズル33の軸心と実質的に平行になるように配置される。カバー装置34の上部部材35Bがノズル33の上方を覆っている。側壁部材35A及び上部部材35Bが、ノズル33と向き合っている。
ウォータジェットピーニング装置30は、ノズル装置31以外に、高圧ポンプ37及びポンプ制御装置38を備えている。ノズル33に接続された高圧ホース40が高圧ポンプ37に接続される。ポンプ制御装置38に接続された制御ケーブル39が高圧ポンプ37に接続される。高圧ポンプ37及びポンプ制御装置38が、原子炉建屋(図示せず)内の運転床44上に設置される。
ノズル装置31が、前述したように、アクセス領域25を通してアニュラス部8内で該当する溶接部付近に配置される。この状態で、ノズル33はRPV1内の冷却水45内に存在する。ノズル装置31が、上下方向、RPV1の周方向及びRPV1の半径方向に移動される。これにより、溶接部21,22,23,24のそれぞれに沿ったWJPを実施することができる。
例えば、溶接部23に対してWJPを実施することを想定する。ノズル33が、WJP施工対象物であるシュラウドサポートシリンダ4とシュラウドサポートリング20の溶接部23に対向するように位置決めされる。シュラウドサポートリング20の近くに、WJPを施工しないジェットポンプ7が存在する(図1参照)。図1では、シュラウドサポートシリンダ4、ジェットポンプ7及びノズル装置31は横断面を示している。側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36Aが、ノズル33とジェットポンプ7の間に配置される。なお、運転床44の部分は縦断面で示されている。
高圧ポンプ37が駆動されると、高圧ポンプ37から吐出された高圧水が高圧ホース40を通ってノズル33に供給される。この高圧水は、ノズル33の噴射口(図示せず)から高速の水流41となって冷却水45中に噴射される。ポンプ制御装置38は、ノズル33から噴射される水流41が最適な噴射流量及び噴射圧力になるように、高圧ポンプ37を制御する。水流41は、溶接部23を中心としてWJP施工対象物であるシュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20に向って噴射される。
ノズル33から噴射された水流41に含まれている気泡(キャビティ)42が崩壊したとき、衝撃波43が発生する。この衝撃波43は、溶接部23を中心とし、シュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20に衝突する。このため、シュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20の溶接部23及びこの熱影響部に生じている引張残留応力が、圧縮残留応力に改善される。引張残留応力は、溶接部23における溶接によって、シュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20に生じる。
特開2007−292655号公報に記載されているように、ノズル33が溶接部23に沿って移動するように、ノズル装置31が移動される。このため、溶接部23に沿ってWJPが施工される。
上記の衝撃波43は、WJP施工対象物ではない他の構造物、例えば非WJP施工対象物であるジェットポンプ7に向って冷却水45中を伝播する。しかしながら、本実施例では、水流41とジェットポンプ7の間で、ノズル33から、水流41がWJP施工対象物に到達するまでの範囲に亘って側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36Aが存在するので、側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36A、特に、衝撃波緩衝部材36Aによって、ジェットポンプ7まで伝播される衝撃波43が弱められて減衰される。このため、衝撃波43に起因したジェットポンプ7の振動が軽減される。カバー部材35は、衝撃波緩衝部材36A,35Bを保持する強度部材であり、水流41の衝突に耐えられる強度を有している。
上方に向う衝撃波43は、カバー部材35の上部部材35B及び衝撃緩衝部材36Bによって、減衰される。上部部材35B及び衝撃緩衝部材36Bの設置により、非WJP施工対象物、例えば、ジェットポンプ7の振動をさらに軽減することができる。
本実施例によれば、ノズル装置31にノズル33と共にカバー装置34を設けているので、ノズル33から噴射された水流41と非WJP施工対象物(例えば、ジェットポンプ7)の間に、側壁部材35A及びこれに取り付けられた衝撃波緩衝部材36Aを配置することができ、上部部材35B及び衝撃波緩衝部材36Bを配置することができるので、非WJP施工対象物に向って伝播される衝撃波43を減衰させることができる。このため、衝撃波の衝突に起因した、非WJP施工対象物の振動を軽減することができる。なお、カバー部材35における側壁部材35A及び衝撃波緩衝部材36Aの上下方向の長さをそれぞれ長くし、この衝撃波緩衝部材36Aによって上方に向う衝撃波43を減衰させることができれば、上部部材35B及び衝撃波緩衝部材36Bを設ける必要はない。
溶接部23に対するWJPの施工が終了した後、溶接部21,22及び24に対するWJPが、上記したように、ノズル装置31を用いて順次行われる。
本実施例は、カバー部材35に衝撃波緩衝部材36A,36Bを設置しているので、特開2009−72859号公報に記載されたWJPのように、エアノズル、エア供給機及びエアノズルとエア供給機を接続するエアホースを設ける必要がない。したがって、本実施例のウォータジェットピーニング装置30はコンパクト化される。本実施例は、ノズル33及びカバー装置34を設置している支持部材32を移動させればよいので、ノズル33及びカバー装置34の位置決めを短時間に行うことができる。このため、WJPを開始するまでの準備作業に要する時間を短縮することができる。
本実施例のウォータジェットピーニング装置30を用いてWJP施工対象物にWJPを施工したとき、このWJP施工対象物付近に存在するWJPを施工しない構造物への衝撃波の影響を確認する実験を、発明者らが行った。この実験結果を、図3を用いて説明する。この実験は、カバー装置34及びノズル33を有するノズル装置31(第1ノズル装置という)、及びカバー装置34を有しなくノズル33を有する従来のノズル装置(第2ノズル装置という)を用いて行った。この実験には、両端を固定したWJP施工対象物、及びこのWJP施工対象物と平行に配置されて両端が固定された非WJP施工対象物を有する試験体を用いた。
実験では、この試験体を、水を充填した水槽内に設置し、第1ノズル装置を図3に示すようにノズル33を水中でWJP施工対象物に対して傾斜するように配置した。第1ノズル装置のノズル33から高圧の水流を噴射させて衝撃波を発生させ、この衝撃波が非WJP施工対象物に与える影響を、非WJP施工対象物の応力測定位置(図3参照)に設置した歪みゲージによって衝撃波の影響で非WJP施工対象物に発生した歪みを測定し、測定された歪みに基づいて発生した応力を求めた。第1ノズル装置の替りに第2ノズル装置のノズル33を第1ノズル装置と同様に配置し、第1ノズル装置のノズル33から高圧の水流を噴射させた状態で非WJP施工対象物の応力測定位置に発生した応力を測定した。図3に、第1ノズル装置及び第2ノズル装置を用いたときにおける非WJP施工対象物に発生したそれぞれの応力の測定結果を示す。図3において、□は第2ノズル装置を用いたときに非WJP施工対象物に発生した応力を示し、■は第1ノズル装置を用いたときに非WJP施工対象物に発生した応力を示す。カバー装置を有しない第2ノズル装置を用いたときの応力を1としたとき、カバー装置34を有する第1ノズル装置を用いたときの応力は0.61に低減された。第1ノズル装置を用いた場合には、設置されているカバー装置34の機能によって、衝撃波の影響によって非WJP施工対象物に発生する応力が、カバー装置34を備えていない第2ノズル装置を用いたときに比べて39%軽減することができた。
衝撃波緩衝部材36Aを側壁部材35Aの内面に設置してノズル33に対向させ、衝撃波緩衝部材36Bを上部部材35Bの内面に設置してノズル33に対向させてもよい。
ノズル33を配置する領域が広い場合には、ノズル33を、WJP施工対象物の外面にノズル33の軸心が垂直になるように配置してもよい。
カバー装置34の替りに、図8に示すカバー装置34Bを用いてもよい。カバー装置34Bはカバー装置34に底部部材35G及び衝撃波緩衝部材36Eを設けた構造を有する。底部部材35Gは、側壁部材35Aの下端部に設けられて上部部材35Bと同じ方向に伸びている。衝撃波緩衝部材36Eは底部部材35Gの下面に取り付けられる。衝撃波緩衝部材36Eを設けることによって、下方に向かう衝撃波を減衰することができる。
本発明の他の実施例であるウォータジェットピーニング装置を、図9及び図10を用いて説明する。本実施例のウォータジェットピーニング装置30Aは、実施例1のウォータジェットピーニング装置30においてノズル装置31をノズル装置31Aに替えた構成を有する。ウォータジェットピーニング装置30Aの他の構成は、ウォータジェットピーニング装置30と同じである。
ノズル装置31Aは、ウォータジェットピーニング装置30のノズル装置31においてカバー装置34をカバー装置34Aに替えた構成を有する。ノズル装置31Aの他の構成はノズル装置31と同じである。ノズル装置31Aでは、ノズル33及びカバー装置34Aが支持部材32の上面に取り付けられ、支持部材32がノズル33及びカバー装置34Aの下方に位置している。支持部材32がノズル33の軸方向に伸びている。
カバー装置34Aは、図10に示すように、カバー部材35C及び衝撃波緩衝部材36C,36Dを有する。カバー部材35Cは、縦断面形状がL字状をしており、側壁部材35D、及び側壁部材35Dの上端部から水平方向に伸びる上部部材35Eを有する。側壁部材35Dは一端部に湾曲部46を形成している(図9参照)。上部部材35Eは、側壁部材35Dの湾曲部46に合せて曲面47を形成している(図10参照)。衝撃波緩衝部材36Cが、側壁部材35Dの外面に取り付けられて側壁部材35Dの外面を覆っている。衝撃波緩衝部材36Dが、上部部材35Cの上面に取り付けられて上部部材35Cの上面を覆っている。衝撃波緩衝部材36C,36Dは、例えば、ゲル材によって構成される。側壁部材35Dの湾曲部46がノズル33の噴射口(図示せず)と向き合っている。
上部部材35Cが、支持部材32の上面に設置されたノズル33の上方を覆っており、支持部材32の上面とも対向している。側壁部材35Dはこのノズル33に向き合っている。
ウォータジェットピーニング装置30Aを用いてWJP施工対象物に対してWJPを施工するとき、ノズル装置31Aが、実施例1と同様に、BWRの構成部材、例えば、シュラウドサポートシリンダ4とシュラウドサポートリング20の溶接部23付近に位置決めされる。このとき、側壁部材35Dの、湾曲部46以外の部分が、RPV1の周方向に向って伸びており、シュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20のそれぞれの外面に面している。
その後、高圧ポンプ37が駆動され、高圧ポンプ37から吐出された高圧水が高圧ホース40を通ってノズル33に供給される。この高圧水は、ノズル33の噴射口から水流41となって、側壁部材35Dとシュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20のそれぞれの外面との間で冷却水45中に噴射される。この水流41は、RPV1の軸方向では、支持部材32と上部部材35Eの間に噴射される。ノズル33から噴射された水流41は、側壁部材35Dの、湾曲部46以外の部分とシュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20の間では、ノズル33の軸方向に向って、すなわち、実質的には、シュラウドサポートシリンダ4及びシュラウドサポートリング20の外面に沿って流れる。やがて、この水流41は、湾曲部46に沿って溶接部23の外面に向かって流れる。水流41内に含まれる多くの気泡42は、ノズル33の軸方向に流れている間、及び湾曲部46によって曲げられて溶接部23に向って流れている間で、潰れて多くの衝撃波43を発生する。これらの衝撃波43は、溶接部23及びこれの熱影響部に衝突し、溶接部23及びこれの熱影響部の表面付近に存在する引張残留応力を圧縮残留応力に改善する。
発生した衝撃波43は非WJP施工対象物であるジェットポンプ7に向って冷却水45中を伝播する。この衝撃波43は、実施例1と同様に、ノズル33から噴射された水流41と非WJP施工対象物(例えば、ジェットポンプ7)の間に、側壁部材35D及びこれに取り付けられた衝撃波緩衝部材36Cを配置することができ、上部部材35E及び衝撃波緩衝部材36Dも配置することができるので、非WJP施工対象物に向って伝播される衝撃波43を減衰させることができる。このため、衝撃波43の衝突に起因した、非WJP施工対象物、例えば、ジェットポンプ7の振動を軽減することができる。本実施例も、衝撃波緩衝部材36C,36Dを備えているので、ウォータジェットピーニング装置30Aをコンパクト化することができる。さらに、WJPを開始するまでの準備作業に要する時間を短縮することができる。
本実施例のウォータジェットピーニング装置30を用いてWJP施工対象物にWJPを施工したとき、このWJP施工対象物付近に存在するWJPを施工しない構造物への衝撃波の影響を確認する実験を、ウォータジェットピーニング装置30Aの場合と同様に、発明者らが行った。この実験結果を、図11を用いて説明する。この実験は、前述の第2ノズル装置、及びカバー装置34A及びノズル33を有するノズル装置31A(第3ノズル装置という)を用いて行った。この試験体は、第1及び第2ノズル装置を用いて行った実験で用いた試験体と同じである。
第2及び第3ノズル装置のそれぞれのノズル33から高圧の水流を噴射させて衝撃波を発生させ、この衝撃波が非WJP施工対象物に与える影響を、非WJP施工対象物の応力測定位置(図11参照)に設置した歪みゲージによって衝撃波の影響で非WJP施工対象物に発生した応力を測定した。図11において、□は第2ノズル装置を用いたときに非WJP施工対象物に発生した応力を示し、■は第3ノズル装置を用いたときに非WJP施工対象物に発生した応力を示す。カバー装置を有しない第2ノズル装置を用いたときの応力を1としたとき、カバー装置34Aを有する第3ノズル装置を用いたときの応力は0.29に低減された。第3ノズル装置を用いた場合には、設置されているカバー装置34Aの機能によって、衝撃波の影響によって非WJP施工対象物に発生する応力が、カバー装置を備えていない第2ノズル装置を用いたときに比べて79%軽減することができた。
実施例1と実施例2を比較する。実施例1に用いられたウォータジェットピーニング装置30のノズル装置31からカバー装置34を取り除いた場合には、水流41が、支持部材32に傾斜して取り付けられたノズル33から、直接、WJP施工対象物に向って噴射される。これに対し、実施例2で行われたWJPは、狭隘な箇所での施工となり、ノズル33の軸心は実施例1のように傾けることができない。実施例2に用いられたウォータジェットピーニング装置30Aのノズル装置31Aからカバー装置34Aを取り除いた場合には、ノズル33から噴射された水流41が、WJP施工対象物に対して実質的に平行になる。このため、噴射された水流41の非WJP施工対象物に与える影響は、カバー装置34Aを取り除いたノズル装置31Aの方がカバー装置34を取り除いたノズル装置31よりも大きくなり、非施工対象物の発生応力は、前者が後者の約3倍となる。
それぞれのノズル装置に該当するカバー装置を取り付けることにより、非WJP施工対象物の発生応力が、実施例1では61%まで、実施例2では29%まで軽減される。
実施例1のウォータジェットピーニング装置30及び実施例2のウォータジェットピーニング装置30Aは、加圧水型原子炉の構造部材に対してWJPを施工する場合にも、用いることができる。
本発明は、原子量プラントに適用することができる。
1…原子炉圧力容器、4…シュラウドサポートシリンダ、5…炉心シュラウド、6…シュラウドサポートバッフルプレート、7…ジェットポンプ、8…アニュラス部、20…シュラウドサポートリング、21,22,23,24…溶接部、30,30A…ウォータジェットピーニング装置、31,31A…ノズル装置、32…支持部材、33…ノズル、34,34A…カバー装置、35,35C…カバー部材、35A,35D…側壁部材、35B,35E…上部部材、41…水流、43…衝撃波、46…湾曲部。

Claims (6)

  1. 水を昇圧するポンプと、支持部材に取り付けられて前記ポンプで昇圧された前記水が供給され、この水を噴射するノズルと、前記支持部材に取り付けられ、水平方向で前記ノズルと対向する側壁部材及び前記側壁部材に設けられ、前記ノズルの上方を覆う上部部材を有するカバー部材と、前記側壁部材及び前記上部部材にそれぞれ設けられた衝撃波緩衝部材とを備えたことを特徴とするウォータジェットピーニング装置。
  2. 前記ノズル及び前記側壁部材が、前記水平方向に傾斜して前記支持部材に設置されている請求項1に記載のウォータジェットピーニング装置。
  3. 前記側壁部材の一端部が、前記ノズルに形成された、前記水を噴射する噴射口に対向するように湾曲部を形成している請求項1に記載のウォータジェットピーニング装置。
  4. 前記支持部材が前記側壁部材及び前記ノズルの下方に配置されている請求項3に記載のウォータジェットピーニング装置。
  5. 水中に配置されたノズルから水流を噴射し、噴射された前記水流に含まれる気泡が潰れて発生した衝撃波を前記水中に存在する施工対象物に当てて前記施工対象物に存在する残留応力を改善し、前記水流が噴射されている間、側壁部材及び前記側壁部材に設けられ、前記ノズルの上方を覆う上部部材を有するカバー部材、及び前記側壁部材及び前記上部部材にそれぞれ設けられた衝撃波緩衝部材を、前記水中に存在する非施工対象物と前記水流との間に配置していることを特徴とするウォータジェットピーニング方法。
  6. 前記水流が前記ノズルから前記施工対象物の表面に沿って噴射され、噴射された前記水流が、前記側壁部材の一端部に形成された湾曲部に沿って前記施工対象物の前記表面に向かって曲げられる請求項5に記載のウォータジェットピーニング方法。
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