JP5593239B2 - ウォータージェットピーニング方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォータージェットピーニング方法及びその装置に係り、特に、原子炉内の構造物表面の耐食性を改善したり、構造物の引張残留応力を圧縮残留応力に改善するのに好適なウォータージェットピーニング方法及びその装置に関する。
原子炉の構成部材の溶接部及び熱影響部などの表面近傍に残留応力が存在する場合には、この溶接部及びこれの熱影響部などにウォータージェットピーニング(以下、WJPと称する)を施工して構成部材の表面付近に存在する引張残留応力を圧縮残留応力に改善することが行われている。WJPは、残留応力を改善する構成部材を水中に浸漬させた状態で、水中でノズルから高圧の水流を噴射して行われる。噴射された水流に含まれる気泡が崩壊することによって衝撃波が生じる。この衝撃波が水中の構成部材の表面に衝突することによって、その構成部材の表面付近の引張残留応力が圧縮残留応力に改善される。このため、構成部材における応力腐食割れ(SCC)の発生が抑制される。WJPによる応力改善方法は、例えば、特許第2841963号公報,特許第3530005号公報,特開平8−71919号公報及び特開平6−47668号公報に記載されている。
構成部材に対するWJPの施工において、WJPの施工状態を確認する方法が、特開平8−71919号公報及び特開平6−47668号公報に提案されている。
特開平8−71919号公報では、原子炉圧力容器の底部に取り付けられてこの底部を貫通している導管にWJPを施工している。このWJPの施工は、その導管の、原子炉圧力容器内の部分に対して行われる。その導管のWJP施工対象部付近で水中に存在するノズルから高圧の水流が噴射され、水流に含まれる気泡が潰れることによって発生する衝撃波が、原子炉圧力容器内で導管の表面に衝突する。原子炉圧力容器の外側でその導管の外面に取り付けられているAEセンサ(アコースティック・エミッション)が、WJP施工時において、導管の、原子炉圧力容器内の部分に衝撃波が衝突したときに発生する音響信号を検出してAE信号(音響パワー)を出力する。このAE信号に基づいて、WJPを施した導管に対して残留応力が十分に改善されたか否かを確認する。残留応力が十分改善されていない場合には、噴射される水流の噴射条件(噴射圧力)の制御、及びノズル位置の調節を行う。
特開平6−47668号公報は、WJPの施工時において高圧高速の水流を噴射するノズルの噴射口近傍でノズルに、圧電セラミック(PZT)センサを設置することを記載している。ノズルから高圧の水流が噴射されているとき、PZTセンサはノズルに生じる衝撃パルス(キャビテーション発生イベント)を検知する。検知された衝撃パルスに基づいてPZTセンサから出力された信号の周波数分布が、周波数解析装置で解析される。周波数分布の解析結果を入力する判定装置が、その周波数分布から得られた卓越周波数及びこの振幅とこれらの設定値との比較結果に基づいて、制御信号を出力する。卓越周波数に基づいてノズルとWJP施工対象物の表面との距離が調節され、卓越周波数の振幅に基づいてノズルに水を供給するポンプの吐出圧力が調節される。
特許第2841963号公報 特許第3530005号公報 特開平8−71919号公報 特開平6−47668号公報
WJP施工中では、気泡崩壊時に衝撃波が発生するので、施工対象物への応力改善効果が期待できる。ただし、施工対象物に溶接部がある場合、引張応力が残留しているのは溶接線と熱影響部がほとんどであるため、WJPの施工範囲も溶接線と熱影響部に限定する場合が多い。WJP噴射時の有効幅が溶接線と熱影響部の幅より十分大きいことが判っている場合には、噴射ノズルを溶接線と同じ方向に1軸走査することになる。この場合には、ノズルの走査範囲はWJPの有効幅に依存しないので、WJP施工中に有効幅を評価したいというニーズはあまり大きくない。一方、WJPで気泡が崩壊するときには、気泡内部からOHラジカルやO原子等の水分子(H2O)の分解物が放出される場合があるので、施工対象物表面の耐食性を改善できる可能性がある。このような場合には、WJPの施工範囲は溶接部や熱影響部に限定されず、施工対象物の表面全面、或いは、表面の広範囲に亘る。全面施工の場合には噴射ノズルを2軸で走査することになり、施工抜けや多重施工を回避しながら、なるべく短い時間で全面施工を完了するためには、WJPの有効幅を施工中に把握することが重要となる。
このような観点から従来技術を考えてみると、特開平8−71919号公報に記載されたWJPでは、WJP施工時に、導管の、原子炉圧力容器内の部分に衝撃波が衝突したときに発生する音響信号(弾性波)を、原子炉圧力容器の外側で導管の外面に取り付けられたAEセンサで検出している。しかしながら、このAEセンサは、気泡崩壊による衝撃波が圧力容器表面のどこか不特定な場所に衝撃力を与えたために、圧力容器表面で発生した弾性波を導管経由で検出していることになるので、WJPの施工効果があることは確認できるが、施工効果のある有効範囲が圧力容器表面のどこからどこまでの範囲であるのかを評価することはできない。言い方を変えれば、溶接線と熱影響部のような、狭い範囲をWJP施工する場合には、施工の有効性を確認することが重要であり、施工の有効範囲(有効幅/有効面積)の評価への重要性は必ずしも高くなかったので、目的の対象外になっているものと推察する。
また、特開平6−47668号公報に記載されたWJPでは、PZTセンサをWJPの施工に用いるノズルに取り付けており、このPZTセンサによって、噴流中の気泡が崩壊する際の衝撃波を計測評価する。WJPの施工効果があることは確認できるが、施工の有効範囲の評価ができない点は、特開平8−71919号公報に記載された技術と同様である。
本発明の目的は、WJPで施工対象物の表面全面、或いは、表面の広範囲に施工する場合に、施工抜けや多重施工を回避しながら、なるべく短い時間で施工を完了するために、WJPの有効幅を施工中に計測評価する方法と装置を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、ノズルから水中に噴射された噴流に含まれた気泡が崩壊して発生する衝撃波を、水中に配置された複数の衝撃波検出装置によって検出し、ある衝撃波検出装置と他の衝撃波検出装置との、衝撃波の検出時間の差に基づいて、衝撃波の発生位置を求め、衝撃波の発生位置に基づいて、WJP施工対象物の表面と同じ方向に設定された複数の区間ごとに衝撃波の発生頻度を求めることにある。
WJP施工対象物の表面と同じ方向に設定された複数の区間ごとに衝撃波の発生頻度を求めるので、WJP施工対象物の表面と同じ方向においてどの区間からどの区間まで衝撃波が発生しているかを把握することができる。このため、施工中にWJPの有効幅を把握することができる。
本発明によれば、WJPで施工対象物の表面全面、或いは、表面の広範囲に施工する場合に、施工抜けや多重施工を回避しながら、施工時間を短縮できる。
本発明の好適な一実施例である実施例1のWJP方法に用いられるWJP装置の構成図である。 図1に示すWJP装置を用いた場合の制御及び判定手順を示すフローチャートであり、WJPをスタートしてから検索したスタンドオフとなるようにノズルをZ軸方向に移動するまでの流れを示すフローチャートである。 図1に示すWJP装置を用いた場合の制御及び判定手順を示すフローチャートであり、図2(1)の後、ノズルのX方向走査を開始してからWJP終了まで流れを示すフローチャートである。 2個のAEセンサを用いた衝撃波の検出概念の説明図であり、(A)は衝撃波を検出する2個のAEセンサの配置例を示す説明図、(B)2個のAEセンサを配置した場合における、衝撃波の伝播経路の1次元近似モデルの説明図である。 3個のAEセンサを用いた衝撃波の検出概念の説明図であり、(A)は衝撃波を検出する3個のAEセンサの配置例を示す説明図、(B)3個のAEセンサを配置した場合における、衝撃波の伝播経路の1次元近似モデルの説明図である。 図1に示す表示装置に表示された表示情報の一例を示す説明図である。 図1に噴射ノズルの2軸走査方法を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例2のWJP方法に用いられるウォータージェットピーニング装置の構成図である。 図7に示す3個のAEセンサで検出された衝撃波の波形を示す説明図である。 図8に示す各衝撃波の波形の拡大図である。 本発明の他の実施例である実施例3のWJP方法に用いられるWJP装置の構成図である。 図10に示すWJP装置のターンテーブル付近の斜視図である。 図10に示すWJP装置のノズルが設けられる移動装置の拡大図である。 ノズルから噴射された水流内での気泡の形態を模式的に示す説明図である。 衝撃波の発生位置に基づく、Y軸方向の位置と衝撃波の発生頻度の関係を示すグラフであり、(A)は噴射ノズル6と施工対象物2のZ軸方向の距離が比較的大きいときのY軸方向の衝撃波発生頻度分布、(B)は噴射ノズル6と施工対象物2のZ軸方向の距離が比較的小さいときのY軸方向の衝撃波発生頻度分布を示す。
WJPでは水中に存在する施工対象物に向けて高圧噴流水を噴射する。水中に噴流を噴射したときに、気泡が発生・崩壊するキャビテーションと呼ばれる現象が起こる。気泡崩壊の直前で気泡が収縮したときに、気泡内部は高温高圧となる。このため、気泡が崩壊した瞬間に衝撃波が発生すると同時に、高温高圧環境下で生成したOHラジカルやO原子等の水分子の分解生成物が水中および施工対象物表面に向けて放出される。噴流が施工対象物を直射するときの加振力だけでなく衝撃波の加振力によっても残留応力が改善できると同時に、水の分解生成物の酸化力によって施工対象物表面の耐食性を改善する効果も期待できる。
噴射された噴流内で気泡が発生してから潰れるまでの状態を、図13に模式的に示している。水3内に配置されたノズル6にポンプ(図示せず)から高圧水38が供給される。
高圧水38がノズル6の噴射口37から水中に噴射されたとき、水中に微小な気泡が多数発生して塊状となったキャビテーションクラウド39が発生する。発生した複数のキャビテーションクラウド39内で、一つ、または、数個の気泡が崩壊するとき、衝撃波と水の分解生成物が放出される。気泡が崩壊して衝撃波が発生するとき、その気泡の周囲に存在する多数の気泡が衝撃波によって押し流される。このため、押し流される気泡群が連なっている渦糸キャビテーション40が形成される。さらには、気泡が押し流されてしまったために気泡が消滅したかのように見えるスポット41が観察される。図13において、42は小さな気泡が合体して径が大きくなった気泡である。なお、図13においては、図中に施工対象物が存在せず、水中に自由噴流を噴出した状況を示している。噴流が施工対象物にぶつかる場合には、キャビテーションクラウド39等は噴流中心から離れる方向に広がるので、気泡崩壊発生位置の分布は、施工対象物表面と平行方向へ広がる可能性がある。
施工対象物への応力改善効果や耐食性向上効果は、噴流中に気泡が存在することではなく、気泡が崩壊することによってもたらされ、気泡崩壊位置と施工対象物表面の距離が近いほど効果が大きい。本発明者らは、これらのWJP施工効果が、噴流中の気泡の数によってではなく、単位時間当たりの気泡の崩壊数(気泡の崩壊頻度)、すなわち、単位時間当たりの衝撃波の発生数(衝撃波の発生頻度)によって確認できることを見出した。
また、本発明者らは、施工対象物表面でWJP施工効果が得られる有効範囲と、気泡崩壊発生範囲(=衝撃波発生範囲)が概ね一致するので、施工対象物表面と平行方向の位置(噴流中心からの距離)毎の衝撃波の発生分布を求めることによって、施工対象物表面でのWJP有効範囲を精度良く把握することができることも、見出した。本発明は、これらの知見に基づいて成されたのである。
これらの知見に基づいて成された本発明の概念を、図3に示す一つの具体例を用いて説明する。ノズル6及び支持部材17がノズル走査装置10に取り付けられ、2個のAEセンサ(衝撃波検出装置)14A,14Bが施工対象物2の表面と平行方向に間隔を置いて設置される(図3(A)参照)。ノズル6及びAEセンサ14A,14Bが水中に配置され、WJP施工対象物2も水中に配置される。ノズル6が施工対象物2の、WJPを施工する表面に対向している。AEセンサ14A,14Bが施工対象物2の表面近くで、ノズル6から噴射する噴流中心から少し離れた位置に配置される。AEセンサ14A,14Bはそれぞれ支持材16A,16Bに取り付けられており、ノズル6の走査に追随して移動する構成としている。衝撃波検出装置としては、AEセンサ以外に圧力センサ,加速度センサ,水中マイクロホンを用いてもよい。
ノズル6から噴射された高圧の水流34に含まれた気泡35が潰れたとき、衝撃波36が発生する。この衝撃波36は、AEセンサ14A,14Bでそれぞれ衝撃波を検出して衝撃波検出信号を出力する。
衝撃波36の水中での伝播速度をV(m/s)、音源の位置(気泡35が潰れた位置、すなわち、衝撃波36の発生位置)に近い位置に存在するセンサ(例えば、AEセンサ14B)のY軸方向の座標値をy1(m)(図3(B)参照)、音源の位置から遠い位置に存在するセンサ(例えば、AEセンサ14A)のY軸方向の座標値をy2(m)、近い位置に存在するAEセンサへの衝撃波の伝播時間をt(s)、遠い位置に存在するAEセンサにおける衝撃波の検出時間と近い位置に存在するAEセンサにおける衝撃波の検出時間の時間差をT1(s)とする。Y軸方向における衝撃波伝播経路の1次元近似モデルは、図3(B)のように図示することができ、音源から各衝撃波検出装置、例えば、AEセンサ14B,14Aまでの衝撃波の伝播時間は(1)式及び(2)式で表される。
V×t=(y1−y0) ……(1)
V×(t+T1)=(y0−y2) ……(2)
t(s)は実際には測定することができず、測定できるのは時間差T1(s)である。水中での衝撃波の伝播速度V(m/s)が既知である(例えば、水中音速1500(m/s))場合には、音源のY軸方向の座標値(音源のY軸方向位置)y0(m)は、衝撃波の発生位置であり、(3)式により算出できる。
y0=(y1+y2)/2−V×T1/2 ……(3)
衝撃波の水中での伝播速度V(m/s)(水中での音速)が未知である場合には、3個の衝撃波検出装置、例えば、AEセンサ14A,14B及び14Cを設けることによって、衝撃波の発生位置を特定することができる。この場合における衝撃波の発生位置の評定を、図5を用いて説明する。支持部材17Aと支持部材16CでAEセンサ14Cをノズル走査装置10に取り付けている(図4(A)参照)。AEセンサ14Cは、水中に配置され、AEセンサ14AとAEセンサ14Bを結んだ延長線上であって、AEセンサ14Bよりも噴流中心から離れた位置に配置される。AEセンサ14A,14B及び14Cは、実質的にY軸と平行に一直線上に配置される。Y軸方向における座標値y1,y2及びy3は、Y軸方向の座標位置を表している。
気泡35が潰れて発生した衝撃波36は、AEセンサ14A,14B,14Cで検出される。衝撃波を最初に検出するセンサ(例えば、AEセンサ14B)のY軸方向の座標値をy1、衝撃波を2番目に検出するセンサ(例えば、AEセンサ14A)のY軸方向の座標値をy2、衝撃波を3番目に検出するセンサ(例えば、AEセンサ14C)のY軸方向の座標値をy3とする(図4(B)参照)。衝撃波の音速をVy(m/s)、音源で発生した衝撃波が一番近いセンサで検出される時間をt(s)、音源の位置から2番目に近いセンサにおける衝撃波の検出時間と一番近いセンサにおける衝撃波の検出時間の時間差をT1(s)、音源の位置から最も遠いセンサにおける衝撃波の検出時間と一番近いセンサにおける衝撃波の検出時間の時間差をT2[s]とする。このときのY軸方向における衝撃波伝播経路の1次元近似モデルは図4(B)のように表すことができ、音源から各衝撃波検出装置、すなわち、AEセンサ14B,14A及び14Cまでの衝撃波の伝播時間は(4)式,(5)式及び(6)式で表される。
Vz×t=(y1−y0) ……(4)
Vz×(t+T1)=(y0−y2) ……(5)
Vz×(t+T2)=(y3−y0) ……(6)
t(s)は実際には測定できず、測定できるのは時間差T1(s),T2(s)である。音源位置y0(m)及びY軸方向に投影した衝撃波の伝播速度Vy[m/s]は、(7)式及び(8)式に基づいて算出することができる。
y0={y1+y2−(y3−y1)×T1/T2)}/2 ……(7)
Vy=(y3−y1)/T2 ……(8)
以上のようにして、Y軸方向の音源位置、すなわち、衝撃波の発生位置を求めることによって、WJP施工対象物2の表面と平行な方向における各位置での単位時間当たりの衝撃波の発生数(衝撃波の発生頻度)を求めることができる。例えば、構成部材2の表面に垂直な方向で、AEセンサ14AとAEセンサ14BのY軸座標位置を所定幅で複数の区間に分割し、これらの区間ごとに衝撃波の発生頻度を求める。
図14(A),(B)は、いずれも、求められた衝撃波の発生位置に基づいて、Y軸方向の位置と衝撃波の発生頻度の関係を整理したものである。図14(A)は噴射ノズル6と施工対象物2のZ軸方向の距離(以下、スタンドオフ、または、S.O.と称す)が比較的大きいとき、図14(B)はスタンドオフが比較的小さいときの、Y軸方向の衝撃波発生頻度分布を示している。棒グラフ55A,55Bで示すのは、計測評価した発生頻度分布であり、線グラフ56A,56Bで示すのは正規分布を仮定してフィッティングした関数である。また、フィッティングした関数に上限値と下限値を決めると(例えば、下限値2.5%〜上限値97.5%を有効範囲とする)、Y軸方向のWJP有効範囲(WJPの有効幅)を算出することもできる。図14では、ある噴射条件でスタンドオフを変更したときに、WJPの有効幅が変化することを計測評価できることを示している。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1のウォータージェットピーニング方法を、図1,図2,図5,図6を用いて説明する。
本実施例のウォータージェットピーニング方法を説明する前に、本実施例に用いるウォータージェットピーニング装置(以下、WJP装置という)1を、図1を用いて説明する。WJP装置1は、ノズル6,高圧ポンプ5,ノズル走査装置10,AEセンサ(衝撃波検出装置)14A,14B,信号処理装置20,ノズル走査制御装置31及びポンプ制御装置30を備えている。
ノズル走査装置10は、X軸走査機構(X軸移動装置)11,Y軸走査機構(Y軸移動装置)12,Z軸走査機構(Z軸移動装置)13を有し、噴射ノズル6を把持し、水槽4内の水3の中でノズル6を走査する。また、給水ホース7が水槽4の底部付近に取り付けられ、高圧ポンプ5に接続される。高圧ホース9が、高圧ポンプ5及びノズル6に接続される。
信号処理装置20は、A/D変換器21,衝撃波信号抽出部22,全衝撃波の発生頻度算出部23,時間差算出部24,発生位置算出部25,頻度分布算出部26,有効幅算出部27及び記録・指示情報作成部28を有する。衝撃波信号抽出部22がA/D変換器21に接続される。全衝撃波の発生頻度算出部23、および、時間差算出部24と発生位置算出部25と頻度分布算出部26と有効幅算出部27からなる一連の演算部がA/D変換器21に接続される。記録・指示情報作成部28には、A/D変換器21,衝撃波信号抽出部22,有効幅算出部27及び表示装置29が接続される。
衝撃波検出装置であるAEセンサ14A,14Bが、ノズル走査装置10に取り付けられて水槽4内の水3の中に設置されている。AEセンサ14A,14Bは、施工対象物2の表面近傍で、Y軸と平行で噴流中心を通る直線状に取り付けられる。増幅器15A,15Bがノズル走査装置10に取り付けられている。AEセンサ14Aが増幅器15Aに接続され、AEセンサ14Bが増幅器15Bに接続される。増幅器15A,15BがA/D変換器21に接続される。
ノズル走査制御装置31がノズル走査装置10に接続され、X軸走査機構11,Y軸走査機構12,Z軸走査機構13を制御する。ポンプ制御装置30が高圧ポンプ5に接続される。高圧ホース9に取り付けられた圧力計33及び流量計32がポンプ制御装置30に接続される。ポンプ制御装置30及びノズル走査制御装置31が信号処理装置20に接続される。
WJP装置1を用いて行う本実施例のウォータージェットピーニング方法を、説明する。本実施例のウォータージェットピーニング方法では、図2に示す各ステップの操作または処理が実施される。
水槽4内に水3が充填され、WJP施工対象物2が、水槽4内の水3の中に設置される。この施工対象物2は、プラント、例えば、建設される原子力プラントに設置される構成部材である。あるいは、施工対象物2は運転を経験した原子力プラントの構成部材であって、プラントの管理区域内に位置する、水が満たされた原子炉圧力容器またはプール内に、図1の設備を構成してWJP施工してもよい。図1では、施工対象物2は模式的に簡略化した形状で示されている。
WJP施工をする際には、まず、ノズル6をX軸・Y軸について固定した状態の定点打ちで適切な噴射条件を探索し、噴射条件が定まってからノズル6をX軸方向とY軸方向に矩形走査する。
最初に、オペレータがWJPによる全衝撃波の発生頻度の目標値を決定し(ステップS11)、この全衝撃波の発生頻度の目標値を操作盤に入力する。記録・指示情報作成部28が、全衝撃波の発生頻度の目標値に基づいて高圧ポンプ5からノズル6への水の供給圧力条件を探索するための上限値・下限値・探索ピッチを決定し(ステップS12)、スタンドオフを探索するための上限値・下限値・探索ピッチを決定する(ステップS13)。
ノズル6の位置情報は、X方向,Y方向、及びZ方向(上下方向)の各座標で示される。
ノズル走査制御装置31は、予め入力されている初期位置情報に基づいてX軸走査機構11及びY軸走査機構12を駆動する。つまり、ノズル6の先端が、X軸走査機構11の移動によってX座標が初期位置情報のX座標値に移動され、Y軸走査機構12の移動によってY座標が初期位置情報のY座標値に移動されて位置決めされる(ステップ14)。また、Z方向の座標値によって、ノズル6と施工対象物2との間の距離、すなわち、スタンドオフが、探索条件の上限値となるように設定される(ステップS14)。
ノズル6が初期位置に設定された後、高圧ポンプ5を起動し、探索条件の下限値となる圧力で噴流を噴射する(ステップS15)。高圧ポンプ5の起動によって水槽4内の水3が給水ホース7を通して高圧ポンプ5に導かれる。ポンプ制御装置30は、圧力計33の計測値に基づいて、高圧ポンプ5から吐出される水の圧力を制御する。また、供給水の圧力を定めれば、高圧ホース9やノズル6に応じた適正範囲の値をとるはずであるが、流量計32の計測値が適正範囲から逸脱していた場合には、WJP装置1内のどこかに不具合があるはずなので、一旦、噴射を停止して装置をチェックする。
高圧ポンプ5から吐出された水3は、初期値の圧力及び流量で、高圧ホース9を通してノズル6に供給され、ノズル6から高圧の水流34となって水槽4内の水中に噴射される。噴射された水流34内の気泡35が水中で潰れることにより衝撃波36が発生する。この衝撃波36は、施工対象物2に衝突すると共に、AEセンサ14A,14Bによって検出される。
衝撃波36を検出したAEセンサ14A,14Bから出力された各衝撃波検出信号が、増幅器15A,15Bで増幅された後、A/D変換器21に入力される。A/D変換器21は、アナログ信号である各衝撃波検出信号をデジタル信号に変換し、衝撃波信号抽出部22及び記録・指示情報作成部28に出力する。記録・指示情報作成部28は、各衝撃波検出信号に基づいてAEセンサ14A,14Bごとの衝撃波検出信号表示情報を作成する。これらの衝撃波検出信号表示情報が表示装置29の表示枠51に表示される(図5参照)。図5において、「14A」がAEセンサ14Aから出力された衝撃波検出信号を、「14B」がAEセンサ14Bから出力された衝撃波検出信号を示している。これらの衝撃波検出信号において、不定期に発生している波高の大きい鋭い波形が、気泡35が潰れた際に発生した衝撃波36を表している。記録・指示情報作成部28は、A/D変換器21から出力された各衝撃波検出信号を記憶する。
衝撃波信号抽出部22は、A/D変換された信号から衝撃波信号を抽出する。全衝撃波の発生頻度算出部23は、単位時間当たりの衝撃波発生頻度を算出する。記録・指示情報作成部28は、ステップS11で入力した全衝撃波の目標発生頻度を図5の目標値枠53に表示し、全衝撃波の発生頻度算出部23の算出値を測定値枠54に表示するための情報を作成・記録する(ステップS16)。
供給水の圧力がステップS12で決定した圧力探索の上限値に達していない場合には(ステップS17)、圧力を1探索ピッチ分だけ増大させて(ステップS18)、全衝撃波の発生頻度を繰り返し計測・算出する。圧力探索の上限値までの発生頻度算出結果を記録できたら、目標発生頻度を達成するものの中で最低の圧力を検索し(ステップS19)、検索した圧力の値に共有圧力を設定する(ステップS20)。
時間差算出部24は、衝撃波信号抽出部22で抽出された衝撃波信号のAEセンサ14Aと14Bのそれぞれの検出時間と、それらの時間差T1を算出する。発生位置算出部25は、(3)式に、その時間差T1、AEセンサ14AのZ方向の座標値y1(m)、AEセンサ14BのZ方向の座標値y2(m)及び水中での衝撃波の伝播速度V(m/s)(例えば、水中音速1500(m/s)を代入して、衝撃波の発生位置z0を算出する。
衝撃波の発生位置は、発生した全ての衝撃波に対して求められる。頻度分布算出部26は施工対象物2の表面と平行な方向で、AEセンサ14Aから14Bまでの間を所定幅で分割して設定されたそれぞれの位置(区間)毎に、発生位置算出部25で算出した各衝撃波の発生位置情報を用いて、衝撃波の発生数をそれぞれカウントする。
有効幅算出部27は、頻度分布算出部26の算出結果を正規分布関数でフィッティングし、フィッティングした関数の一定の範囲(例えば、確率密度が2.5%から97.5%の範囲)のY軸方向の長さをWJPの有効幅として算出する。記録・指示情報作成部28は、頻度分布算出部26で算出した施工対象物2の表面に平行な方向でのそれぞれの位置毎の衝撃波発生頻度55と、有効幅算出部27で算出したフィッティング関数56とWJP有効幅57を表示するための情報を作成・記録する(ステップS21)。
スタンドオフ(S.O.)の値がステップS13で決定したスタンドオフ探索の上限値に達していない場合には(ステップS22)、スタンドオフを1探索ピッチ分だけ増大させて(ステップS23)、WJP有効幅全を繰り返し計測・算出する。スタンドオフ探索の上限値までのWJP有効幅を記録できたら、有効幅が最大となるスタンドオフを検索し(ステップS24)、検索したスタンドオフの値となるようにノズルをZ軸方向に移動させる(ステップS25)。
供給圧力とスタンドオフの設定が完了したら、図6の矩形走査パターン18に示す経路で施工対象物2の表面と平行な方向へのノズル走査を開始する。まず、X軸方向のノズル走査を開始する(ステップS31)。ノズルの走査中に、衝撃波の発生位置分布を計測し、WJP有効幅を算出し(ステップS32)、ノズルのY軸方向の走査ピッチを設定しておく(ステップS36)。ノズルがX軸方向の走査終了位置に到達したら(ステップS33)、ノズルのX軸方向の走査を停止する(ステップS34)。Y軸方向への走査を開始し(ステップS37)、ステップS36で設定しておいたY軸方向の走査ピッチの終了位置にノズルが到達したら(ステップS38)、ノズルのY軸方向への走査を停止する(ステップS39)。このような矩形走査を繰り返し、ノズルがY軸方向の走査終了位置に到達したら(ステップS35)、高圧ポンプ5を停止し、WJP施工が完了する。
本実施例は、ノズル6をX軸方向に走査しているときに、施工抜けが無く、最大のY軸方向への走査ピッチで施工対象物2の施工範囲全面をWJP施工できるので、ノズルの走査距離とWJP施工時間を最小化できる。
本実施例は、ノズルを施工対象物と平行な方向に走査する前に、衝撃波発生頻度に基づいてWJP有効性を精度良く確認することができるので、ノズル6に高圧水を供給する高圧ポンプ5を稼動するためのエネルギーを小さくすることができる。また、WJP有効幅を最大化するスタンドオフ距離を探索するので、Y軸方向への走査ピッチを大きくでき、ノズルの走査距離とWJP施工時間を最小化できる。
本発明の他の実施例である実施例2のウォータージェットピーニング方法を、図7,図8及び図9を用いて説明する。
本実施例のウォータージェットピーニング方法を説明する前に、本実施例に用いるWJP装置1Aを、図7を用いて説明する。WJP装置1Aにおいて、WJP装置1と異なる構成について説明する。WJP装置1Aは、衝撃波検出器として3つのAEセンサ14A,14B,14Cを備えており、支持部材16A,16B,16C、増幅器15A,15B,15Cも3つのAEセンサに対応している。また、水槽4とは別に、高圧ポンプ5へ供給する水3Bを保有する供給水槽19を備えている。供給水槽19、および、水槽4Aには、図示していないヒータが取り付けられており、水3A,3Bの温度を制御できるようになっている。
本実施例において、実施例1と異なるステップについて説明する。本実施例のWJP方法では、3つの衝撃波検出器を備えている。衝撃波36を検出したAEセンサ14A,14B,14Cから出力された各衝撃波検出信号が、増幅器15A,15B,15Cで増幅された後、A/D変換器21に入力される。A/D変換器21は、アナログ信号である各衝撃波検出信号をデジタル信号に変換し、衝撃波信号抽出部22及び記録・指示情報作成部28に出力する。記録・指示情報作成部28は、各衝撃波検出信号に基づいてAEセンサ14A,14B,14Cの衝撃波検出信号表示情報を作成する。収録した衝撃波信号の表示例を図8に示す。不定期に発生している鋭く短い信号が衝撃波信号である。収録信号の時間軸を拡大した表示例を図9に示す。AEセンサ14A,14B,14Cで受信した信号に時間差があることを確認できる。図2に記載したステップS21、および、ステップS32において、本実施例では、以下のようにして衝撃波の発生位置を算出する。衝撃波信号の受信順序がAEセンサ14B,14A,14Cであった場合には、14Bと14Aの時間差T1、14Bと14Cの時間差T2を算出する。(7)式に、その時間差T1,T2、AEセンサ14BのZ方向の座標値y2(m)、AEセンサ14AのZ方向の座標値y1(m)、AEセンサ14CのZ方向の座標値y3(m)、を代入して衝撃波の発生位置z0を算出する。また、本実施例において必須のステップではないが、衝撃波の伝播速度を知りたい場合には、上記の数値を(8)式に代入して、Y軸方向に投影した衝撃波の伝播速度Vyを算出することもできる。
本実施例では、衝撃波の伝播速度が未知な場合でも衝撃波の発生位置を算出できるので、温度等の影響で水の音速が変化する可能性がある場合においても、実施例1と同様に、ノズルの走査中にWJP有効幅を算出し、ノズルの走査距離とWJP施工時間を最小化できる。
本発明の他の実施例である実施例3のウォータージェットピーニング方法を、図10,図11及び図12を用いて説明する。本実施例のWJP方法は、例えば、沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器内に設置された炉内構造物を対象に実施される。この炉内構造物は、例えば、炉心シュラウドである。
沸騰水型原子力プラントの原子炉付近の構造を、図10を用いて説明する。沸騰水型原子力プラントの原子炉75は、原子炉圧力容器(以下、RPVという)76,炉心シュラウド77,炉心支持板79,上部格子板80及びジェットポンプ81を備えている。炉心シュラウド77,炉心支持板79,上部格子板80及びジェットポンプ81は、RPV76内に設置される。炉心を取り囲む炉心シュラウド77内には、炉心の下端に位置する炉心支持板79が設置され、炉心の上端に位置する上部格子板80が設置される。複数のジェットポンプ81が、RPV76と炉心シュラウド77の間に形成される環状のダウンカマ82内に配置される。
本実施例のウォータージェットピーニング方法に用いられるWJP装置1Bは、実施例1で用いられるWJP装置1においてノズル走査装置10をノズル走査装置10Aに替えた構成を有する。WJP装置1Bの他の構成はWJP装置1と同じである。
ノズル走査装置10Aについて説明する。ノズル走査装置10Aは、図10,図11及び図12に示すように、移動装置58A,58B、ポスト部材62,昇降体63及びターンテーブル65を有する。ターンテーブル65が、炉心シュラウド77の上部フランジ78の上面に設置された環状のガイドレール66に旋回可能に設置される。ターンテーブル65には、ガイドレール66の上面に接触する図示されていない複数の車輪が設けられる。少なくとも1つの車輪(図示せず)を回転させるモータ(図示せず)がターンテーブル65に設けられる。移動装置58A,58Bがターンテーブル65上に設置される。
同じ構成を有する移動装置58A,58Bを、移動装置58Aを例にとって説明する。
移動装置58Aは、図12に示すように、装置本体59,2本のアーム60及びボールネジ72を有する。2本のアーム60が、装置本体59のケーシングを貫通しており、スライド可能にそのケーシングに取り付けられる。2本のアーム60の両端部が連結部材61A,61Bによって連結されている。装置本体59のケーシングを貫通するボールネジ72が、回転可能に連結部材61A,61Bに取り付けられる。装置本体59のケーシング内には、図示されていないが、モータが設置され、このモータの回転軸に取り付けられた歯車(図示せず)が、ボールネジ72に噛み合う歯車(図示せず)と噛み合っている。このモータの駆動によってそれらの歯車が回転し、ボールネジ72がRPV76の半径方向に移動する。RPV76の軸方向に伸びるポスト部材62が、連結部材61Bに取り付けられる。昇降体63が、ポスト部材62に沿って移動できるように、ポスト部材62に取り付けられる。昇降体63を上下動させるモータ64がポスト部材62の上端部に設けられる。
ノズル6,AEセンサ14A,14B及び監視カメラ67が昇降体63に設置される。
本実施例では、炉心シュラウド77の上端部の外面に対してWJPが施工される。本実施例では、炉心シュラウド77がWJP施工対象物である。沸騰水型原子力プラントの運転が停止された後、RPV76の上蓋が取り外され、RPV76内に設置されている蒸気乾燥器及び気水分離器が取り外されてRPV76の外に搬出される。これらの搬出は、RPV76が設置されている原子炉建屋内の天井クレーン(図示せず)を用いて行われる。
これらの取り外し及び搬出作業を行うとき、RPV76の真上に位置する原子炉ウエル68内に、水3が充填されている。
ガイドレール66が、その天井クレーンを用いて上部フランジ78上まで移送され、上部フランジ78に設置される。移動装置58A,58Bが設置されたターンテーブル65が、天井クレーンによって搬送され、ガイドレール66上に設置される。昇降体63が取り付けられたポスト部材62が、ターンテーブル65の搬送前に、移動装置58A,58Bのそれぞれに設置されている。ターンテーブル65がガイドレール66に設置されたとき、移動装置58A,58Bのそれぞれに設けられたポスト部材62が、ダウンカマ82内に配置される。
高圧ポンプ5が原子炉建屋内の運転床69の上に置かれ、信号処理装置20,ノズル走査制御装置31,ポンプ制御装置30が設けられる。運転床69は原子炉ウエル68を取り囲んでいる。高圧ポンプ5に接続された2本の高圧ホース9が、移動装置58A,58Bにそれぞれ取り付けられ、移動装置58Aに設けられたノズル6及び移動装置58Bに設けられたノズル6に別々に接続されている。
ノズル走査制御装置31に接続される制御信号線71が、移動装置58A,58Bのそれぞれに設けられたモータ64、装置本体59のケーシング内に設けられたモータ、及びターンテーブル65に設けられてターンテーブル65の車輪を回転させるモータにそれぞれ接続される。それぞれのモータにはエンコーダ(図示せず)が設けられ、各エンコーダは、モータによって移動される部材の移動距離、すなわち、その部材の移動後の位置を検出する。
本実施例のウォータージェットピーニング方法においても、実施例1と同様に、図2に示す各操作または処理等が実行される。炉心シュラウド77では、周方向と軸方向の2軸についてノズルを走査することにより、炉心シュラウド77上部の全外周面をWJPで施工する。
例えば、炉心シュラウド77の周方向が図2のフローチャートのX軸に、軸方向が図2のフローチャートのY軸に相当する。ステップS11〜S13で、WJP施工および噴射条件探索に必要な数値を決定する。ステップS14で、移動装置58A,58Bに設けられた各ノズル6をWJPの開始位置に移動させる。ステップS15で高圧ポンプ5を起動し、ステップS16〜S20において最適な供給圧力を探索・設定する。ステップS21〜S25においてボールネジ72を回転操作しながらノズル6のスタンドオフ距離を走査し、最適なスタンドオフ距離を設定する。
ステップS31で周方向のノズル走査を開始し、ステップ32でノズル走査中に衝撃波の発生位置分布とWJP幅を算出し、ステップS36でノズルの軸方向の走査ピッチを設定しておく。ステップS34〜35でノズルが周方向に半周したら周方向の走査を停止し、ステップS37〜S39で軸方向の走査ピッチ分までノズルを走査する。上記のような周方向と軸方向のノズル走査を繰り返し、ノズルが炉心シュラウド77上部の全外周全面を走査したら、高圧ポンプを停止して、WJP施工を終了する。
本実施例も、実施例1で生じた各効果を得ることができる。
1,1A,1B ウォータージェットピーニング装置
4 水槽
5 高圧ポンプ
6 ノズル
9 高圧ホース
10 ノズル走査装置
14A,14B,14C AEセンサ
20 信号処理装置
22 衝撃波信号抽出部
23 全衝撃波の発生頻度算出部
24 時間差算出部
25 発生位置算出部
26 頻度分布算出部
27 有効幅算出部
28 記録・指示情報作成部
29 表示装置
30 ポンプ制御装置
31 ノズル走査制御装置
35 気泡
36 衝撃波
60 アーム
62 ポスト部材
63 昇降体
65 ターンテーブル
76 原子炉圧力容器
77 炉心シュラウド

Claims (8)

  1. ノズルが存在する水中に、ポンプから供給された水を前記ノズルから噴射し、前記水を噴射している前記ノズルを、前記水中に存在するウォータージェットピーニング施工対象物に沿って走査し、前記ノズルから前記水中に噴射された前記水に含まれた気泡が潰れて発生する衝撃波を、前記ウォータージェットピーニング施工対象物に当て、前記衝撃波を前記水中に配置された複数の衝撃波検出装置によって検出し、ある前記衝撃波検出装置と他の前記衝撃波検出装置との、前記衝撃波の検出時間の差に基づいて、前記衝撃波の発生位置を求め、前記発生位置に基づいて、前記ウォータージェットピーニング施工対象物の表面と平行で前記ノズルの走査方向と垂直に設定された複数の区間ごとに前記衝撃波の発生頻度を求めることを特徴とするウォータージェットピーニング方法。
  2. 前記複数の区間ごとの前記衝撃波の前記発生頻度に基づいてウォータージェットピーニングの有効幅の値を求める請求項1に記載のウォータージェットピーニング方法。
  3. 前記ノズルを施工対象表面と平行な方向に固定した状態において、気泡が潰れて発生する衝撃波全数の発生頻度が最適となるようにポンプの供給圧を調整し、ウォータージェットピーニングの前記有効幅の値が最適となるように前記施工対象物表面と前記ノズルの間の距離を調整し、前記施工対象物表面と平行な方向にノズルを走査することを特徴とする請求項1に記載のウォータージェットピーニング方法。
  4. 前記ポンプの供給圧の調整及び前記施工対象物表面と前記ノズルの間の距離の調整の後、前記施工対象表面と平行な方向に前記ノズルを走査しているときに、ウォータージェットピーニングの前記有効幅の値を求めることを特徴とする請求項3に記載のウォータージェットピーニング方法。
  5. 前記施工対象物表面の施工範囲をウォータージェットピーニングで施工する場合に、前記ノズルを前記施工対象物表面に対して矩形走査し、長軸方向の走査中にウォータージェットピーニングの前記有効幅の値を求め、求めた前記有効幅の値に基づいて短軸方向の走査ピッチを決定することを特徴とする請求項2に記載のウォータージェットピーニング方法。
  6. 前記ウォータージェットピーニングの施工対象物が、原子炉容器内の構成部材であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のウォータージェットピーニング方法。
  7. 水中に存在して水を噴射するノズルと、前記ノズルに水を供給するポンプと、前記ノズルを水中で保持・走査する走査装置を備えたウォータージェットピーニング施工装置において、
    前記走査装置に取り付けられた衝撃波検出手段と、前記衝撃波検出装置によって検出した衝撃波信号に基づいて衝撃波の発生位置を求め、ウォータージェットピーニングの施工対象物の表面と平行で前記ノズルの走査方向と垂直に設定された複数の区間ごとに前記衝撃波の発生頻度を算出する手段と、前記ウォータージェットピーニングの有効幅の値を算出する手段と、算出したウォータージェットピーニングの有効幅を表示する手段とを備えたことを特徴とするウォータージェットピーニング装置。
  8. 前記走査装置は、前記ノズルを3軸以上の方向に移動させるノズル走査手段であり、
    ノズル走査の目標値に基づいて前記走査装置の移動を制御する制御手段と、前記ポンプへの水の供給圧を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項7に記載のウォータージェットピーニング装置。
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