JP2011025261A - スライディングノズル装置 - Google Patents

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伸次郎 斎藤
Junichi Funato
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Abstract

【課題】面圧の負荷状態を容易且つ安全に確認することができるスライディングノズル装置を提供する。
【解決手段】バネボックス13の前面部は開口部とされ、カバー部材17によって覆われている。バネボックス13内には、コイル状の圧縮バネ14が収納されており、棒状のピン19が圧縮バネ14を挿通している。ピン19の前端部には、圧縮バネ14を下ノズル25側から上ノズル28側に向けて押圧する板状の押圧部材15が接続されている。圧縮バネ14の圧縮量を検知する面圧チェックゲージ16は、押圧部材15の前面部に立設され、押圧部材15と共に可動する棒状の可動部材18と、カバー部材17とから構成され、カバー部材17の前面部には、可動部材18の先端部18aが出没する孔17aが設けられている。可動部材18の先端部18aには、カバー部材17に対する可動部材18の相対位置を示す目印となる段差部18bが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スライディングノズル装置に関し、特に、面圧の負荷状態を確認する機構を備えたスライディングノズル装置に関する。
連続鋳造プロセスにおいて、溶融金属容器から流出する溶融金属の流量制御に使用されるスライディングノズル装置は、固定プレートと摺動プレートの間に溶融金属が浸入しないように、プレート間に所定の面圧を負荷する機構を備えている。面圧負荷機構としては、圧縮バネの弾発力を利用してプレート間に面圧を負荷する方法が一般的であり、例えば、圧縮バネが収納されたバネボックスを両側方部に備える開閉金枠を固定金枠に押し付けた後、開閉金枠を固定金枠に固定することにより面圧を負荷する。
開閉金枠を固定金枠に押し付ける方式には油圧方式と手動方式があり、油圧方式には、スライド金枠の移動を利用して開閉金枠を固定金枠に押し付ける方式(例えば特許文献1、2参照)と、加圧治具を用いて開閉金枠を固定金枠に押し付ける方式とがある。
面圧を負荷する場合、面圧値が所定範囲内にあるかどうか管理すると共に、一対のバネボックスを介して均等に面圧が負荷されるようにする必要がある。このため、スライディングノズル装置には、面圧の負荷状態を確認するための面圧チェックゲージ54がバネボックス50に設けられている(図4参照)。面圧チェックゲージ54は、バネボックス50の上端部に段差状に形成された第一の切欠部56a及び第二の切欠部56bと、バネボックス50に収納された圧縮バネ(図示省略)を押圧する押圧部材51の側面部に形成された凹陥部55とからなる。
図4は、特許文献1に記載されている面圧負荷方式を示したものであるが、面圧が負荷されていない図4(A)の状態から、図4(B)に示すように、固定金枠(図示省略)に基端部が軸支されたフック53を、押圧部材51の両端部に設けられた係合突起52に掛止することにより、圧縮バネに弾発力が発生し、プレート間に面圧が負荷される。面圧が正常に負荷されている場合、凹陥部55の下縁部は、第一の切欠部56aの底辺と第二の切欠部56bの底辺との間に位置する。即ち、各バネボックス50の押圧部材51に形成されている凹陥部55の下縁部の位置を目視することによって、面圧の負荷状態を確認することができる。
国際公開第2002/090017号パンフレット 特開平11−254126号公報
しかしながら、溶融金属容器(鍋)を90°回転させ、鍋底にスライディングノズル装置が取り付けられている状態でプレートの交換を行う際、従来のスライディングノズル装置では、面圧チェックゲージがバネボックスの側面部に設けられているため、鍋底にリブ等が設けられている場合、面圧チェックゲージがリブ等に隠れて見づらいうえ、高熱を帯びている鍋底に近づかなければならず、危険を伴うものであった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、面圧の負荷状態を容易且つ安全に確認することができるスライディングノズル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、圧縮バネの弾発力を利用して面圧を負荷する面圧負荷機構を備え、前記圧縮バネが下ノズル側から上ノズル側に向けて押圧されるスライディングノズル装置において、前記圧縮バネの圧縮量を検知する面圧チェックゲージが、該圧縮バネが収納されたバネボックスの正面部に設けられていることを特徴としている。
ここで、「バネボックスの正面部」とは、スライディングノズル装置を装着している溶融金属容器の底面を正面視した際、正面に位置するバネボックスの部位をいう。
また、本発明に係るスライディングノズル装置では、前記圧縮バネを押圧する押圧部材に設けられ、該押圧部材と共に可動する可動部材と、前記バネボックスに固定され、不動点となる不動部材とから前記面圧チェックゲージが構成され、前記不動部材に対する前記可動部材の相対位置を示す目印が該可動部材に設けられていることが好ましい。
また、本発明に係るスライディングノズル装置では、前記可動部材を棒状とし、その先端部に前記目印を設けてもよい。
また、本発明に係るスライディングノズル装置では、前記バネボックスの正面部を覆うカバー部材を前記不動部材とし、前記可動部材の先端部が出没する孔を前記カバー部材に設けてもよい。
本発明に係るスライディングノズル装置では、圧縮バネの圧縮量を検知する面圧チェックゲージが、該圧縮バネが収納されたバネボックスの正面部に設けられているので、面圧状態を確認するために鍋底に近づく必要がないだけでなく、一対のバネボックスの面圧状態を一度に確認することができる。これにより、面圧の負荷状態を容易且つ安全に確認することができ、作業性を向上させることができる。
本発明の第一の実施の形態に係るスライディングノズル装置の部分正面図である。 図1のA−A矢視断面図であり、(A)は面圧負荷前、(B)は面圧負荷時の状態を示す。 本発明の第二の実施の形態に係るスライディングノズル装置を構成するバネボックス部分の斜視図であり、(A)は面圧負荷前、(B)は面圧負荷時の状態を示す。 従来のスライディングノズル装置を構成するバネボックス部分の斜視図であり、(A)は面圧負荷前、(B)は面圧負荷時の状態を示す。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態に係るスライディングノズル装置10の部分正面図を図1に、そのA−A矢視断面図を図2(A)、(B)に示す。鍋底にスライディングノズル装置10が取り付けられている溶融金属容器29を90°回転させ、スライド金枠11が正面に位置する状態で、固定プレート27及び摺動プレート26の交換を行うことを前提とし、スライド金枠11側を「前」側、固定金枠12側を「後」側として説明する。
スライディングノズル装置10は、固定プレート27及び摺動プレート26と、溶融金属容器29の底面に固定され、固定プレート27を保持する固定金枠12と、固定金枠12に対して開閉可能に設けられ、摺動プレート26を保持するスライド金枠11と、スライド金枠11を移動させる油圧シリンダ(図示省略)と、固定プレート27と摺動プレート26との間に面圧を負荷するバネボックス13とを備えている。固定プレート27には上ノズル28が、摺動プレート26には下ノズル25がそれぞれ接続される。
バネボックス13は、スライド金枠11の移動方向に長い箱状とされ、スライド金枠11の両側部にそれぞれ設置されている。バネボックス13の後端部は、固定金枠12に軸支され、スライド金枠11の移動方向と直交する面内で回動可能とされている。また、バネボックス13のスライド金枠11がわ側面部には、スライド金枠11を固定金枠12に押し付ける帯板状の押圧部13aが形成されている。
バネボックス13の前面部は開口部とされ、カバー部材17によって覆われている。バネボックス13内には、コイル状の圧縮バネ14が収納されており、棒状のピン19が圧縮バネ14を挿通している。ピン19の前端部には、圧縮バネ14を下ノズル25側から上ノズル28側に向けて押圧する板状の押圧部材15が接続されている。一方、ピン19の後端部には、図示しないラックギアと噛合するピニオンギア20が装着されている。面圧負荷時、スライド金枠11の移動に伴ってラックアンドピニオン機構によりピニオンギア20が回転する。これに伴い、ピン19が軸方向に移動し、ピン19に接続された押圧部材15により圧縮バネ14が押圧される。この圧縮バネ14の弾発力を利用して、固定プレート27と摺動プレート26との間に面圧が負荷される。
次に、上記構成を有する面圧負荷機構に設けられた面圧チェックゲージ16について説明する。
圧縮バネ14の圧縮量を検知する面圧チェックゲージ16は、押圧部材15の前面部に立設され、押圧部材15と共に可動する棒状の可動部材18と、バネボックス13の前面部を覆うカバー部材17(不動部材)とから構成される。
カバー部材17の前面部(正面部)には、可動部材18の先端部18aが出没する孔17aが設けられている(図1参照)。一方、可動部材18の先端部18aには、カバー部材17(不動部材)に対する可動部材18の相対位置を示す目印となる段差部18bが形成されている(図2参照)。
押圧部材15により圧縮バネ14が押圧されると、押圧部材15と共に可動部材18が後方に移動する。これに伴い、可動部材18の先端部18aに形成されている段差部18bがバネボックス13内に埋没する。面圧が正常に負荷されている場合、図2(B)に示すように、段差部18bの位置は、孔17aの下面に近接した位置となる。このように、不動点となるカバー部材17に対する段差部18bの相対位置を目視することにより、面圧の負荷状態を容易に管理することができる。
[第二の実施の形態]
図3(A)、(B)に、本発明の第二の実施の形態に係るスライディングノズル装置を構成するバネボックス部分の斜視図を示す。なお、第一の実施の形態と同じ構成要素には同符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態では、摺動プレート26を保持するスライド金枠11が、固定金枠12に対して開閉可能に設けられた開閉金枠(図示省略)によって支持されている。そして、開閉金枠の両側面部に、それぞれバネボックス30が設置されている。
第一の実施の形態と同様、バネボックス30の前面部は開口部とされ、バネボックス30内には、コイル状の圧縮バネ14が収納されている。棒状のピン19が圧縮バネ14を挿通し、ピン19の前端部には、圧縮バネ14を下ノズル25側から上ノズル28側に向けて押圧する直方体状の押圧部材31が接続されている。押圧部材31の長手方向側の両端面には、固定金枠12に基端部が軸支されたフック33を掛止するための係合突起32が設けられている。
面圧チェックゲージ34は、押圧部材31の前面部に立設され、押圧部材31と共に可動する棒状の可動部材35と、バネボックス30の前面部に設置された山形鋼からなる不動部材36とから構成される。
不動部材36の前面部(正面部)には、可動部材35が挿通する孔36aが設けられており、可動部材35の先端部35aには、不動部材36に対する可動部材35の相対位置を示す目印となる段差部35bが形成されている。面圧が正常に負荷されている場合、図3(B)に示すように、段差部35bの位置は、孔36aの下面に近接した位置となる。このように、不動部材36に対する段差部35bの相対位置を目視することにより、面圧の負荷状態を容易に管理することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、可動部材の先端部に段差部を設けることにより目印を形成しているが、可動部材の先端部を色で塗り分けて目印を形成してもよい。また、上記実施の形態における面圧負荷機構は、スライド金枠の移動を利用してスライド金枠を固定金枠に押し付ける方式としているが、加圧治具を用いて開閉金枠を固定金枠に押し付ける方式や手動方式でもよく、圧縮バネの弾発力を利用して面圧を負荷する機構であればよい。
10:スライディングノズル装置、11:スライド金枠、12:固定金枠、13:バネボックス、13a:押圧部、14:圧縮バネ、15:押圧部材、16:面圧チェックゲージ、17:カバー部材(不動部材)、17a:孔、18:可動部材、18a:先端部、18b:段差部(目印)、19:ピン、20:ピニオンギア、25:下ノズル、26:摺動プレート、27:固定プレート、28:上ノズル、29:溶融金属容器、30:バネボックス、31:押圧部材、32:係合突起、33:フック、34:面圧チェックゲージ、35:可動部材、35a:先端部、35b:段差部(目印)、36:不動部材、36a:孔

Claims (4)

  1. 圧縮バネの弾発力を利用して面圧を負荷する面圧負荷機構を備え、前記圧縮バネが下ノズル側から上ノズル側に向けて押圧されるスライディングノズル装置において、
    前記圧縮バネの圧縮量を検知する面圧チェックゲージが、該圧縮バネが収納されたバネボックスの正面部に設けられていることを特徴とするスライディングノズル装置。
  2. 請求項1記載のスライディングノズル装置において、前記圧縮バネを押圧する押圧部材に設けられ、該押圧部材と共に可動する可動部材と、前記バネボックスに固定され、不動点となる不動部材とから前記面圧チェックゲージが構成され、前記不動部材に対する前記可動部材の相対位置を示す目印が該可動部材に設けられているスライディングノズル装置。
  3. 請求項2記載のスライディングノズル装置において、前記可動部材が棒状とされ、その先端部に前記目印が設けられているスライディングノズル装置。
  4. 請求項3記載のスライディングノズル装置において、前記不動部材が、前記バネボックスの正面部を覆うカバー部材からなり、前記可動部材の先端部が出没する孔が前記カバー部材に設けられているスライディングノズル装置。
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