JP2011025000A - 自己破裂可能型消火用具 - Google Patents

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Shigeaki Hatakeyama
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Abstract

【課題】手投げ型の機能や操作性が向上しており、かつ、運搬や日常での取り扱いにおける耐久強度も良好である自己破裂可能型の消火用具を提供すること
【解決手段】 消火用具を、消火剤を封入した容器と発泡剤を封入した発泡剤室を設け、発泡剤室を破壊する発泡剤室破壊手段を押圧手段で押圧するという簡単な操作で発泡剤室破壊手段を作動させて発泡剤室を破壊して発泡剤を容器内に投入して内圧を上昇させて自己破裂可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、火災において火中に投入された際に、衝撃及び自己破裂機能の作動の少なくとも一方に基づく破壊が生じることにより消火を行う自己破裂可能型消火用具に関する。
消火用具には、産業用から家庭用まで多種のものが利用されており、高圧に耐え得る容器内に消火剤を充填し、圧力を利用して外部へ消火剤を散布する設置型消火用具や据え置き型消火用具が一般的である。
しかしながら、据え置き型消火用具では、火災規模に対応するために、多量の消火剤が充填されている場合が多く、初期消火時において過度な消火剤量を消費することがあった。また、据え置き型消火用具では、操作がやや複雑で訓練が必要であり、火災の発生において使用者が冷静に使用できずに、初期消火が効果的に行われない場合があった。
そこで、初期消火用として適量の消火剤を充填し、投げやすい形状及び大きさとした衝撃破損性の容器を用いた手投げ消火液弾が提供されている(特許文献1)。
特許第3081531号
手投げ型の消火用具は、小型化が可能であり、設置スペースの低減、消火剤の効果的投与、消火作業、特に初期消火における操作の簡易化において利点を有するが、以下の点において更なる改良が求められている。
(A)火災現場に、消防などの消火活動に熟練者が常駐していることは少なく、火災の発見者や火災現場付近にいる者が消火活動を行う場合が多い。手投げ型消火用具では、火災現場において、手投げ型消火用具の衝撃破壊に必要な硬さを有する箇所へ正確に投てきする必要があるが、火災現場では発見者等では冷静さを失っている場合や、全員が投てきのコントロールが良いわけではなく、消火に効果的な場所に投入することが難しい場合がある。特に、初期消火の場合は、火災の規模が小さいうちに確実に消火することが求められており、使用者の投てき能力による消火効果のばらつきを解消する必要がある。
(B)火災現場の条件はいろいろであり、柔らかい土が露出した場所や、布団やクッションなど手投げ型消火用具の衝撃破壊に必要な硬度が得られない場合もある。このような場合には、手投げ消火用具の機能を有効に利用することができない。
(C)手投げ型消火用具では、衝撃破壊性が得られるように容器を形成するが、衝撃破壊性を高めると容器の強度自体が低下し、運送中や日常の取り扱い時(非火災発生時)において破損しやすくなり、衝撃破壊性と耐久強度とのバランスをとることが難しい。
(D)据え置き型消火用具は大型で重量もあり、力の無い者あるいは力の弱い者においては取り扱いが容易ではない。
(E)据え置き型消火用具では価格が高く、一般家庭への普及が困難である。
本発明は、上述した要求性能を満たし、手投げ型の機能や操作性が向上しており、かつ、運搬や日常での取り扱いにおける耐久強度も良好である自己破裂可能型の消火用具を提供することにある。
本発明にかかる消化用具の第一の態様は、
消火剤が内部に封入されている容器と、
発泡剤が封入されている発泡剤室と、
前記発泡剤室を破壊して、前記発泡剤室に封入された発泡剤を前記容器の内部に投入して発泡を生じさせるための発泡剤室破壊手段と、
前記発泡剤室破壊手段を押圧して作動させるための押圧部材と、
を有し、
前記容器が、前記容器内部での発泡により自己破裂可能である
ことを特徴する自己破裂可能型の消火用具である。
本発明にかかる消化用具の第二の態様は、
消火剤が内部に封入されている容器と、
発泡剤が封入されている発泡剤室と、
前記発泡剤室を破壊して、前記発泡剤室に封入された発泡剤を前記容器の内部に投入して発泡を生じさせるための発泡剤室破壊手段と、
前記発泡剤室破壊手段を前記発泡剤室の破壊が可能な位置に係止する安全ピンと、
前記安全ピンにより係止された前記発泡剤室破壊手段を押圧し、前記安全ピンの引き抜きによる該押圧力の開放によって前記発泡剤室破壊手段を作動させるための押圧手段と、
を有し、
前記容器が、前記容器内部での発泡により自己破裂可能である
ことを特徴する自己破裂可能型の消火用具である。
本発明によれば、代表的には以下の効果を得ることができる。
(1)簡単な操作による自己破裂可能型であるので、衝撃破壊のみのより作動する手投げ型の消火用具のように確実に衝撃破壊できる速さ及びコントロールで投てきする必要がなく、火中に簡単に投入することで消火効果を得ることができる。従って、使用者の投てき能力による消火効果のばらつきをなくすことができる。
(2)衝撃破壊によっても作動するように強度の設定が可能であり、火災現場において投てきして物体に衝突させて衝撃破壊させることで消火を行うことができる。更に、コントロールミスや火災現場に衝突させる物体がない場合でも、簡単な操作での自己破裂により消火を行うことができ、消火活動におけるミスの発生を防止できる。更に、消火用具内で発泡が発生し、自己破裂する前の段階では、消火用具内の内圧が高まっており、その状態で物体と衝突した際には、衝撃破壊され易く、効果的な消火を行うことができる。
(3)消火用具の強度を自己破裂可能である点から設定できる。衝撃破壊のみのより作動する手投げ型よりも強度を高めることが可能であり、運搬や日常の取り扱い(非火災時)における耐久強度を確保できる。
(4)小型化、軽量化が容易な簡易な構造を有しており、設置スペースの低減や形状の多様化が可能である。また、力の無い者あるいは力の弱い者での操作性に優れている。
(5)低価格化が可能であり、一般家庭への普及にも適している。
(6)容器外部に突出した押圧手段を押す操作や、安全ピンを抜く操作などの極めて簡単な操作によって、より確実な消化作業を実施できる。
(a)〜(d)は本発明の消火用具の一例の構造を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の消火用具の一例の構造を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の消火用具の一例の動作を示す図である。
本発明の自己破裂可能型の消火用具は、消火剤が内部に封入されている容器と、発泡剤が封入されている発泡剤室と、発泡剤室を破壊して、発泡剤室に封入された発泡剤を前記容器の内部に投入して発泡を生じさせるための発泡剤室破壊手段と、発泡剤室破壊手段を押圧して作動させるための押圧手段と、を有して構成される。本発明にかかる消火用具の容器は、前記容器内部での発泡により自己破裂可能である。
押圧手段は、発泡剤室破壊手段を押圧するためのものであり、外部からの押圧、例えば手動により動作可能な構造や、バネと安全ピンを組み合わせた自動動作可能な構造とすることができる。
安全ピンを用いた形態の本発明の自己破裂可能型の消火用具は、消火剤が内部に封入されている容器と、発泡剤が封入されている発泡剤室と、発泡剤室を破壊するための発泡剤室破壊手段と、発泡剤破壊室手段を発泡剤室の破壊が可能な位置に係止する安全ピンと、安全ピンにより係止された発泡剤室破壊手段を押圧する押圧手段と、を有して構成されている。
安全ピンは引き抜き可能な状態として発泡剤室破壊手段を係止しており、安全ピンを引き抜くと、押圧手段の押圧力が開放されて発泡剤室破壊手段により発泡剤室を破壊して、発泡剤室内の発泡剤が容器内に投入される。これによって、容器内で発泡が生じ、容器内圧が高まり、内圧が消火用具の破壊限界を超えた時点で消火用具が破裂し、容器内に封入した消火剤がその周辺に散布される。このようにして、消火用具の投入場所における消火が可能となる。
本発明の消火用具を、衝撃破壊可能に構成することで、投げ入れ型と同様の操作によって使用することも可能である。この場合、硬い物品に衝突することで衝撃破壊を起こして消火剤の散布が可能である。また、硬い物品に衝突できない、あるいは柔らかい土、布団やクッションなど上に落下した場合ように何らかの都合で衝撃破壊できなくても、押圧手段により発泡剤室破壊手段を作動させて火中へ投入しておけば、消火用具が自己破裂して消火を行うことができ、極めて安全な消火活動か可能である。更に、発泡が消火用具の容器内で始まると、容器内圧が高くなり、自己破裂前においても衝撃破壊が更に容易となる。
更に、本発明の消火用具は、小型化及び軽量化が容易な構造を有しており、火中への投げ入れが容易であるばかりではなく、軽く投げたり、転がしたり、足でけったり、あるいは各種の道具を利用して火中へ容易に投入できる。この投入操作は、力の無い者あるいは力の弱い者にも容易である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の消火用具の好ましい第一の実施形態を模式的に示す縦断面図である。図1(a)は発泡剤室、発泡剤室破壊手段及び押圧手段を有するキャップ付の部材の構成を示す縦断面図であり、図1(b)はキャップを外した状態を示す縦断面図である。図1(c)は押圧手段を押す動作を示す縦断面図であり、図1(d)は押圧手段を押圧して、発泡室破壊手段を作動させて発泡剤を容器内へ投入している状態を示す縦断面図である。なお、容器部分は後述する第二の実施形態と同様に容器の受け口に挿入固定される。
図示した消火用具の発泡剤室5は筒状部材としての筒状ケース3中に構成されている。筒状ケース3は図1(c)及び(d)に示すように、容器1の受け口11に接合部12により容器1に固定される。容器1の受け口11への筒状ケース3の固定は、螺着、融着、接着などの各種の固着手段により行うことができる。この点は後述する第二の実施形態においても同様である。
筒状ケース3は容器1の内部に位置する容器内側の端部と、容器の外側に位置する容器外側の端部とを有し、筒状ケースの容器内側の端部は蓋部材19により封止され、容器外側の端部には発泡剤室破壊手段17が貫通する孔を有する蓋部材18が設けられている。
筒状ケース3の内部は、内部仕切り壁17−2により、容器内端部側の内部領域と、容器外端部側の内部領域との2つの領域に区分されている。容器内端部側の内部領域は発泡剤を封入した発泡剤室5となっている。
発泡剤室破壊手段17は、容器内端部側から容器外端部側の内部領域へ伸びる形態として、すなわちこれらの領域に延在して配置されている。発泡剤室破壊手段17は、基部17−1及び17−4と、該基部から伸び、発泡剤室破壊手段を押圧するための押圧手段を構成する突起部17−5とを有する。更に、筒状ケース3の容器外側端部には、押圧手段の突起部17−5を含む部分を覆って保護するキャップ16が着脱自在に設けられている。このキャップ16は、消火用具を使用しない状態において押圧手段の突起部17−5を保護し、かつ誤動作を防止する役割を有する。キャップ16の筒状ケース3への着脱自在な設置は、筒状ケース3とキャップの勘合部分に着脱自在な係止構造を配置する方法などによって達成できる。
図示した例では、発泡剤室破壊手段(具体的な態様は後述する第二の実施態様と同じ)と押圧手段が一体化している。すなわち、棒状部材17−1及び17−4の下端を尖らせて発泡剤室破壊用とし、上端を棒状部材の断面よりも大きな板状の突起部17−5とし、更に、棒状部材の途中から円筒状の部材を含む折り返し構造17−3を有する仕切り壁部分17−2を設けて、発泡剤室破壊手段と押圧手段を一体化した構成としている。棒状部材の断面は円形、楕円形、矩形など種々の形状とすることができる。また、板状部分は、手動などによって押圧がしやすい形状とすればよい。折り返し構造17−3は円筒状等の筒状ケース3の内壁面に対応した外周形状を有するように形成される。
また、図示した例では棒状部材の途中に段差を設けて棒状部材17の位置を固定し、かつ図(d)の状態でこれを係止する機能を持たせている。
発泡剤室破壊手段と押圧手段は図示したように一体化されていなくてもよく、複数の部材を一体化せずに配置して構成してもよい。
また、仕切り壁の構造も図示した例に限定されず、目的とする機能が得られる構造であればよい。
図示した例は、構造も簡易であり、組み立ての際の作業性もよく、更に、発泡剤室の密封性及び図1(d)に示した状態で容器内の圧力が上昇した際に筒状部材内部から圧力が外部に放出されるのを防止する上で特に好ましい形態である。すなわち、仕切り壁17−2の折り返し構造17−3により、仕切り壁17−2と筒状ケース3の内面との接触面を大きくして容器破裂までの内圧上昇時における容器内部の密封性を確保することができる。なお、仕切り壁17−2と筒状ケース3の間には必要に応じてOリングなどのシール材を設けても良い。
図2(a)及び(b)は、本発明の消火用具の好ましい第二の実施形態を模式的に示す縦断面図である。
図示した消火用具は、容器1の受け口11に、発泡剤室5、発泡剤室5を破壊するための鋭角の先端を有する突起9、突起9を作動させるためのバネ14を内包する筒状部材からなるケース3を挿入固定あるいは勘合した構造を有する。
ケース3は、容器1の内部2に位置する容器内部側の端部と、容器1の外側に位置する容器外側の端部とを有するように受け口11に挿入されている。ケース3の上端と下端は、蓋部材6−1、6−2によって封止されており、更に内部仕切り壁7が設けられることによって、ケース3内部が2つの内部領域に区分されている。ケース3の容器内端部側の内部領域には、発泡剤が封入されており、発泡剤室5が形成されている。ケース3の容器外端部側の内部領域4には、発泡剤室破壊手段と押圧手段とが、内部仕切り壁7から蓋部材6−1で封止された容器外端部方向へ直列配置されている。
発泡剤室破壊手段は、基部10と基部10から伸びる突起部9を有して構成されており、突起部は先端が尖った棒状の部材からなる。
容器1の外壁は、容器内部2中での発泡による内圧の上昇によって破壊されて、自己破裂を生じ、消火活動に用いない場合の運搬や日常の取り扱い時に必要な耐久強度を有するように形成されている。
発泡剤室5は、容器内部2との境界となる隔壁としての蓋部材6−2と、内部領域4と接する内部仕切り壁7と、ケース3の側壁8によって形成され、発泡剤がその内部の封入されている。なお、内部仕切り壁7を設けることにより、発泡剤がケース3内の内部領域4中に分散することが防止される。
突起部9は中空円柱状に形成された基部10の下端に取り付けられており、基部10の突起部9を設けた面にはパッキン15が突起9の棒状のシャフト(軸)の外周面に周設されている。これらの部材から発泡剤室破壊手段が形成されている。
安全ピン13は、ケース3及び突起部9の基部10を貫通する貫通孔に引き抜き可能に挿入されている。安全ピン13が挿入されていることによって、基部10が安全ピンにより係止され、突起9の先端が内部仕切り壁7及び蓋部材6−2を破壊可能な位置に保持される。
基部10には、基部10の上面と、ケース3の蓋部材6−1の内面との間に配置されたバネ14による押圧力がかかっており、この状態で基部10は安全ピン13により係止されている。バネ14の上端は、ケース3の蓋部材6−1の内面に固定されていてもよいし、固定されずにフリーな状態として配置されていてもよい。また、バネ14の下端と基部10の頭部についても、同様である。
ケース3の受け口11への固定は、図示するようにねじきりによる螺着が利用できる。更に、接着剤による接着、溶着などを利用してもよい。
図2(a)に示す消火用具は、下端に底部を設けて、上端に受け口を有する蓋部をそれぞれ設けた円筒状の容器1を用いて形成されている。図2(b)に示す消火用具は、上部球状部分1aと下部球状部分1bとを中央の円筒部分で接続した鉄アレイ状の形状を有するものである。かかる鉄アレイ状の形状によれば、中央の円筒部分を把持する部分とすることで、コントロールよい投てき性を付与するとともに、上下の球状部分の体積を大きくすることで消火剤の必要量を確保することができる。更に、上下の球状部分1a、1bの左右先端部分を消火用具の縦軸を中心とする円筒状の面1cとし、上下の球状部分1a、1bにおける面1cの位置を調節することで、転がす場合の直線性を確保できる。すなわち、球状部分1a及び1bの中心と、円筒状部分1cの円形断面の中心は、容器1の縦方向(図における上下方向)での中心軸上にある。
第一及び第二の実施形態における容器1の形状及び大きさ、ケース3の形状、内部構造及び大きさ、突起部9の形状(たとえば、棒状、ピン状、針状、円柱状など)及び大きさ、第二の実施形態における安全ピンの形状、大きさ及び設置位置などは、図示したものに限定されず、消火用具の目的用途に応じて適宜変更可能である。また、発泡剤室破壊手段の構成についても、図示した例に限定されず、所望とする機能に応じて適宜変更できる。
次に、第二の実施形態における自己破裂による消火動作について図3を参照して説明する。図3(a)及び(b)は、消火用具の上部を模式的な縦断面図として示したもので、図3(a)は安全ピン(13)を引き抜いた状態を示している。安全ピン(13)が引き抜かれると、図3(b)に示すとおり、バネ14の押圧力が開放され、基部10がバネの弾性反発力によって押され、突起部9が下方に移動して、内部仕切り壁7及び蓋部材6−2を突き破ってこれらを破壊する。これによって、発泡剤室5内の発泡剤が容器1の内部2内に放出され、発泡が生じて容器1の内圧が上昇する。この内圧が容器1の外壁の破壊強度の限界を超えると、外壁が破壊されて破裂する。この破裂によって容器内部に封入しておいた消火剤が飛散して消火を行うことができる。
バネ14を、図3(b)の状態において、完全に延びきることなく、パッキン15を、発泡剤室5のケース3の内部領域4側の面を封止するようにバネ13の押圧残力がある状態に配置することで、容器内部2において発泡が開始されてから上昇する内圧の容器外部へのリークを効果的に防止することができる。この場合、側壁8の内径を、内部領域4の内径よりも小さくしておき、側壁8の内径での開口部をパッキン15と突起部9とで封止できるようにするとよい。
蓋部材6−2、内部仕切り壁7及び側壁8の接合は、接着や溶着などにより行うことができ、突起部9の衝突によってこれらの接合部が剥離するようにしてもよい。あるいは、蓋部材6−2、内部仕切り壁7を、突起9による付き刺し、突き抜け、突き破りが容易となる薄さで形成してもよい。
突起部9は、発泡剤室5を破壊できる形状や構造を有するものであれば、図示した例に限定されない。
容器1は、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ガラス、アルミニウムなどの金属などから形成することができる。ケース3、突起部9、基部10などは、硬質塩化ビニル樹脂などの硬質樹脂、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂、金属などから形成することができる。バネ13には、金属製や樹脂製のものが利用できる。更に、各部材の接合には、接着剤を用いた接着、溶着、一体成型など接合部の構造や所望とする接合強度に応じて適宜選択した接合方法が利用できる。
図2及び図3に示した構成では、バネ14をケース3内の頭部(上部)に設け、バネ14による押圧方向に沿った最短部に発泡剤室5を設けている、すなわち、筒状のケースの一方の端部にバネ14を、他方の端部に発泡剤室5を設け、これらの間に基部10に接合された突起部9を、バネ14による押圧方向に直線的に配置した構成により、バネ14の力を効果的に利用して、発泡剤室5を破壊し、発泡剤を容器内部2の消火剤中に放出させることが可能となる。
本発明の消火用具は、住宅火災用のみならず、車両火災、船舶火災、工場や各種業務に使用する施設や建物などにおける火災用として極めて有用である。
(実施例1)
硬質塩化ビニル樹脂を用いて図2(b)に示す受け口11と容器1とを一体成型した。受け口11の内部にはめねじとなるねじ切を設けた。
一方、円筒状ケース3を硬質塩化ビニル樹脂で成型し、その一方の端に、発泡剤を封入した発泡剤室5を接合して封止した。なお、円筒状のケース3の容器1側の受け口11との接合部12は、対応するおねじとなるようにねじ切を設けた。更に、円筒状ケース3の他端から、硬質塩化ビニル樹脂製の突起部9及び中空円柱状基部10からなる部材にゴム製パッキン15を配置して挿入し、更に、金属製バネ14を縮んだ状態(反発力を内包させた状態)で組み込み、硬質塩化ビニル樹脂製の安全ピン13を、ケース3外壁及び基部10の貫通する貫通孔に差し込んでこれらを係止し、その状態で蓋を固定して封止した。金属製バネ14は、発泡剤室5を破壊した際に、ゴム製パッキン15及び突起部9により内壁8の上部開口部を封止可能な押圧残力がかかるように配置した。
容器1内に消火剤の必要量を充填し、更に上記のようにして組み立てたケース3を容器1側の受け口11内に挿入、螺着、固定し、消火剤を容器1内部に封入した。このようにして、消火用具を完成した。
完成した消化用具の仕様は以下のとおりである。
・消火剤の量:600ml
・本体容器の内容積:680ml
・発泡剤室のサイズ:φ21mm×15mm
・発泡剤室蓋部肉厚:0.5mm
・発泡剤室側壁部肉厚:4mm
・発泡剤室内部仕切り壁の肉厚:0.5mm
・発泡剤室発泡剤の量:1.5g
・本体容器の肉厚:0.7mm
・ケース3の肉厚:2mm
・発泡剤
炭酸ガス発生用薬剤:クエン酸、炭酸ナトリウムの混合物を粉状または固形で使用
・消火剤成分:リン酸アンモニウム10質量%、炭酸カリウム20質量%、硫酸アンモニウム5質量%の水溶液
なお、発泡剤及び消火剤は上記のものに限定されず、目的とする消火剤の機能に応じて適宜選択できる。
上記の消火用具から、安全ピンを引き抜き、衝撃破壊をさせないで試験用の火中に投下したところ、所望とする時間経過時に破裂し、火災を効果的に消火できた。
(実施例2)
発泡剤室を有する構造を図1に示す構造とし、構成材料をポリブチレンテレフタレートとし、以下の仕様を用いた以外は、実施例1と同様にして消火用具を作成した。キャップ16を取り、押圧部17−5を押して発泡剤を容器内に投入して、試験用の火中に投下したところ、所望とする時間経過時に破裂し、火災を効果的に消火できた。なお、発泡剤室及びキャップの仕様は以下のとおりである。
・筒状ケース(円筒状)のサイズ:φ30mm×48.6mm
・発泡剤室のサイズ:φ30mm×20.6mm
・発泡剤室蓋部材(19)肉厚:0.6mm
・発泡剤室側壁部肉厚:2mm
・発泡剤室内部仕切り壁の肉厚:0.5mm
・蓋部材(18)肉厚:3mm
・基部(17−1)の直径:8mm
・基部(17−4)の直径:5mm
・突起部(17−5)の直径:20mm
・突起部(17−5)の肉厚:最大5mm
・キャップの肉厚:1.7mm
・キャップのサイズ:φ33.4mm×24.5mm
1 容器
1a、1b 球状部分
1c 円筒状部分
2 容器内部
3 ケース
4 ケース内領域
5 発泡剤室
6−1、6−2 蓋部材
7 隔壁
8 側壁
9 突起
10 基部
11 受け口
12 接合部
13 安全ピン
14 バネ
15 パッキン
16 キャップ
17 発泡剤室破壊手段
17−1 基部
17−2 仕切り部材
17−3 折り返し構造
17−4 基部
17−5 突起部
18 蓋部材
19 蓋部材

Claims (8)

  1. 消火剤が内部に封入されている容器と、
    発泡剤が封入されている発泡剤室と、
    前記発泡剤室を破壊して、前記発泡剤室に封入された発泡剤を前記容器の内部に投入して発泡を生じさせるための発泡剤室破壊手段と、
    前記発泡剤室破壊手段を押圧して作動させるための押圧手段と、
    を有し、
    前記容器が、前記容器内部での発泡により自己破裂可能である
    ことを特徴する自己破裂可能型の消火用具。
  2. 前記容器に、受け口と、該受け口内に挿入された筒状部材とを設け、
    前記筒状部材は、該容器の内部に位置する容器内側の端部と、該容器の外側に位置する容器外側の端部とを有し、
    前記筒状部材の容器内側の端部は蓋部材により封止され、かつ、前記筒状部材の内部は、内部仕切り壁により、容器内端部側の内部領域と、容器外端部側の内部領域との2つの領域に区分され、
    前記容器内端部側の内部領域を、前記発泡剤を封入して前記発泡剤室とし、
    前記前記容器内端部側から前記容器外端部側の内部領域へ伸びる形態として前記発泡剤室破壊手段を配置し、
    前記発泡剤室破壊手段は、基部と、該基部から伸び、該発泡剤室破壊手段を押圧するための突起部とを有する
    請求項1に記載の消火用具。
  3. 前記発泡剤室破壊手段の突起部を含む前記筒状部材の前記容器の外側に位置する容器外側の端部から突出した部分を覆うキャップを前記容器に着脱自在に設けた請求項2に記載の消化用具。
  4. 消火剤が内部に封入されている容器と、
    発泡剤が封入されている発泡剤室と、
    前記発泡剤室を破壊して、前記発泡剤室に封入された発泡剤を前記容器の内部に投入して発泡を生じさせるための発泡剤室破壊手段と、
    前記発泡剤室破壊手段を前記発泡剤室の破壊が可能な位置に係止する安全ピンと、
    前記安全ピンにより係止された前記発泡剤室破壊手段を押圧し、前記安全ピンの引き抜きによる該押圧力の開放によって前記発泡剤室破壊手段を作動させるための押圧手段と、
    を有し、
    前記容器が、前記容器内部での発泡により自己破裂可能である
    ことを特徴する自己破裂可能型の消火用具。
  5. 前記容器に、受け口と、該受け口内に挿入された筒状部材とを設け、
    前記筒状部材は、該容器の内部に位置する容器内側の端部と、該容器の外側に位置する容器外側の端部とを有し、
    前記筒状部材の容器内側の端部と容器外側の端部は蓋部材により封止され、かつ、前記筒状部材の内部は、内部仕切り壁により、容器内端部側の内部領域と、容器外端部側の内部領域との2つの領域に区分され、
    前記容器内端部側の内部領域を、前記発泡剤を封入して前記発泡剤室とし、
    前記容器外端部側の内部領域に、前記発泡剤室破壊手段と前記押圧手段を、前記内部仕切り壁から前記容器外側の端部へ向けてこの順に直列配置し、
    前記発泡剤室破壊手段は、基部と該基部から伸びる突起部とを有し、
    前記押圧手段はバネを有し、
    前記筒状部材の前記容器の外側に位置する部分には、該筒状部材の側壁とその内部に位置する前記基部を貫通する貫通穴が設けられており、該貫通孔に前記安全ピンが挿入されていることによって、前記突起部が、前記内部仕切り壁に向いた位置で、前記内部仕切り壁及び前記筒状部材の容器内側の端部にある蓋部材とを破壊可能に位置に係止し、
    前記突起部にパッキンを周設し、前記容器内端部側の内部領域の内径を、前記容器外端部側の内部領域よりも小さくして、前記内部仕切り壁が前記突起部により破壊された際に、前記容器内端部側の内部領域の内径からなる開口部を前記突起部と前記パッキンを、前記ばねによる押圧力の残力により封止する
    請求項4に記載の消火用具。
  6. 前記突起部が、先端が尖った棒状である請求項2及び5に記載の消火用具。
  7. 前記容器が、断面が円形の円筒状である請求項1乃至6のいずれかに記載の消火用具。
  8. 前記容器が、2つの球状部分を円筒状部分で接続した形状をする請求項1乃至6のいずれかに記載の消火用具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014054317A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Nippon Sakudory:Kk 投擲用消火装置およびその製造方法
KR102194180B1 (ko) * 2019-10-25 2020-12-23 문용택 가스 어댑터가 구비되는 소화기

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