JP2011024115A - デジタルミキサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェーダ操作子による送出レベルの設定受付の対象とする送出先バスの選択を、他の機能を合わせ持つ物理的な操作子を利用して、操作性よく行えるようにする。
【解決手段】 デジタルミキサにおいて、ロータリーエンコーダの時間Ts以内の押下操作に応じてそのロータリーエンコーダと対応するs番目のミキシングバスを選択してSBに設定すると共に、上記ロータリーエンコーダの回転操作に従って、予め選択されている入力チャンネルからそのロータリーエンコーダと対応するs番目のミキシングバスへのセンドレベルを設定する場合において、上記ロータリーエンコーダの押下操作の後所定時間Δtfの間は、そのロータリーエンコーダの回転操作に従ったセンドレベルの設定を無効化するようにした。
【選択図】 図15

Description

この発明は、複数の入力チャンネル(ch)の各々からミキシングバスへの信号の送出レベルを、その入力chと対応するフェーダ操作子の操作に応じて設定する、いわゆるセンズオンフェーダ(sends on fader)機能を備えたデジタルミキサに関する。
従来から、複数の入力チャンネルの各々からミキシングバスへの信号の送出レベルを、その入力chと対応するフェーダ操作子の操作に応じて設定する、いわゆるセンズオンフェーダ機能を備えたデジタルミキサとして、例えば非特許文献1に記載のデジタルミキサが知られている。
そして、このデジタルミキサは、通常モードでは、フェーダ操作子により対応する入力chの信号レベル(chフェーダのレベル)の設定操作を受け付ける一方、センズオンフェーダモードが選択されると、ディスプレイにバス選択ボタンを表示させてミキシングバスの選択を受け付け、フェーダ操作子により、対応する入力チャンネルからバス選択ボタンにより選択されたミキシングバスへの信号の送出レベルの設定操作を受け付ける。
また、同様のセンズオンフェーダ機能を備えたデジタルミキサとして、非特許文献2に記載のものも知られている。
また、デジタルミキサにおいて、上記のフェーダ操作子と別に、入力chからミキシングバスへの信号送出レベルの設定操作を受け付けるための操作子を設けることも行われている。
例えば、非特許文献1に記載のデジタルミキサでは、各ミキシングバスと対応するロータリーエンコーダを設け、chストリップの選択(SEL)スイッチなどにより現在操作対象として選択されている入力chから各ミキシングバスへの信号送出レベルの設定操作を、上記のロータリーエンコーダにより受け付けるようにしている。
また、そのロータリーエンコーダを押下操作することにより、ディスプレイに現在選択されている入力chに関するパラメータの値を参照するための画面を表示させることもできるようにしている。
「DIGITAL MIXING CONSOLE M7CL 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2005年,p.17,28,29,64,65,79〜81 「DIGITAL MIXING CONSOLE LS9 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2006年,p.15,20,21,65,66,78,79
ところで、非特許文献1に記載のデジタルミキサでは、センズオンフェーダモードにおけるバスの選択は、ディスプレイに表示したボタンへのタッチ操作により行っていた。しかし、入力chから多数のミキシングバスへの出力を設定する場合、バスの選択を頻繁に切り換えることがしばしばあり、このような場合、ディスプレイに対する操作では、操作の度にボタン位置を正確に把握して操作し、きちんと操作できたことを確認するのが煩わしいという問題があった。
すなわち、ボタンやノブのような物理的な操作子であれば、位置が固定であるし、凹凸もあるので、ある程度位置の見当をつけて手を延ばすことも可能であるが、ディスプレイ上の操作部は、平らな画面上でボタンが表示された位置を正確にタッチしなければならないので、画面を注視しながらタッチする必要がある。また、物理的な操作子であれば、オンオフ程度の操作であれば、十分な抵抗を感じるまでボタンを押し込む等、体感的に十分と思える程度に操作を行えば、その操作が失敗することはまずないが、ディスプレイに対する操作では、タッチの時間や強度が不十分、位置が不正確等により、操作の認識失敗が無視できない頻度で起こってしまう。従って、操作した後、きちんと操作できたことをよく確認する必要がある。
以上のような事情から、バスの選択は物理的な操作子で行いたいという要望があった。しかし、選択のための専用の操作子を設けると、コストアップにつながるし、操作パネル上にスペースを確保するのも難しいという問題があった。また、他の機能を持つ操作子を、バスの選択のための操作子として兼用するとしても、機能の切り換えを適切に制御しなければ、バスの選択に何段階もの操作が必要となったり、操作ミスが起こりやすくなったりして、十分な操作性が得られないという問題もあった。
この発明は、このような問題を解決し、デジタルミキサにおいて、フェーダ操作子による送出レベルの設定受付の対象とする送出先バスの選択を、他の機能を合わせ持つ物理的な操作子を利用して、操作性よく行えるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明のデジタルミキサは、各々1つの入力チャンネルと対応させ、その入力チャンネルに関するレベルパラメータの設定操作を受け付けるための複数のフェーダ操作子と、各々1つのミキシングバスと対応させ、そのミキシングバスに関する操作を受け付けるための、押下操作及び回転操作が可能な複数のロータリーエンコーダと、上記ロータリーエンコーダの押下操作に応じてそのロータリーエンコーダと対応するミキシングバスを選択する第1の選択手段と、ユーザの操作に従って上記入力チャンネルの1つを選択する第2の選択手段と、上記フェーダ操作子の操作に従ってそのフェーダ操作子と対応する入力チャンネルから上記第1の選択手段により選択されているミキシングバスへのセンドレベルを設定する第1のセンドレベル設定手段と、上記ロータリーエンコーダの回転操作に従って、上記第2の選択手段により選択されている入力チャンネルからそのロータリーエンコーダと対応するミキシングバスへのセンドレベルを設定する第2のセンドレベル設定手段と、上記ロータリーエンコーダの押下操作の後第1の所定時間の間は、そのロータリーエンコーダの回転操作に従った上記第2のセンドレベル設定手段によるセンドレベルの設定を無効にする無効化手段とを設けたものである。
このようなデジタルミキサにおいて、上記ロータリーエンコーダの押下操作の前の第2の所定時間の間にそのロータリーエンコーダの回転操作に従ってなされた上記第2のセンドレベル設定手段によるセンドレベルの設定を無効にする第2の無効化手段を設けるとよい。
さらに、上記第2の無効化手段を、上記ロータリーエンコーダの回転操作に従って設定可能な各センドレベルにつき、そのデジタルミキサにおける信号処理に反映させる現在の値に加え、上記ロータリーエンコーダの押下操作開始よりも上記第2の所定時間だけ前の値も保持しておき、上記ロータリーエンコーダの押下操作終了に応じて、そのロータリーエンコーダの回転操作に応じて上記第2のセンドレベル設定手段が設定するセンドレベルの値を、上記保持しておいた第2の所定時間だけ前の値に置き換える手段とするとよい。
また、上記の各デジタルミキサにおいて、上記フェーダ操作子の操作に従ってそのフェーダ操作子と対応する入力チャンネルの信号レベルを設定するチャンネルレベル設定手段を設け、上記第1の選択手段及び上記第1のセンドレベル設定手段の機能を無効にし、上記チャンネルレベル設定手段の機能を有効にする第1の動作モードと、上記第1の選択手段及び上記第1のセンドレベル設定手段の機能を有効にし、上記チャンネルレベル設定手段の機能を無効にする第2の動作モードとを、ユーザの操作に従って切り替え可能とし、上記第1の動作モードでは、上記各無効化手段の機能を無効にするとよい。
また、この発明の別のデジタルミキサは、動作モードとして第1の動作モード及び第2の動作モードのいずれかを指定する指定手段と、各々1つの入力チャンネルと対応させ、その入力チャンネルに関するレベルパラメータの設定操作を受け付けるための複数のフェーダ操作子と、入力チャンネルから供給される音響信号を混合するメインバスと、それぞれ入力チャンネルから供給される音響信号を混合する複数のミキシングバスと、各々1つのミキシングバスと対応する、押下操作及び回転操作が可能な複数のロータリーエンコーダと、複数の入力チャンネルの各々について、1つのフェーダレベルと、上記複数のミキシングバスの各々へのセンドレベルとを記憶するカレントメモリと、ユーザによる選択操作に応じて、複数の入力チャンネルのいずれか1つを選択するチャンネル選択手段と、上記複数のロータリーエンコーダの各々につき、そのロータリーエンコーダが押下操作されている間はそのロータリーエンコーダを高分解能とし、押下操作されていない間はそのロータリーエンコーダを低分解能とする分解能制御手段と、上記ロータリーエンコーダの回転操作に応じて、上記カレントメモリに記憶されたセンドレベルのうちの、上記チャンネル選択手段により選択されている入力チャンネルから操作されたロータリーエンコーダと対応するミキシングバスへのセンドレベルの値を、上記分解能制御手段が定める分解能で変更する第1の変更手段と、上記指定手段が上記第2の動作モードを指定している場合に、上記ロータリーエンコーダが所定の閾値より短い期間だけ押下されたことに応じて、その押下されたロータリーエンコーダと対応するミキシングバスを選択すると共に、その押下された期間から少なくとも第1の所定時間の間は、上記第1の変更手段によるセンドレベルの変更を無効化するバス選択手段と、上記指定手段が上記第1の動作モードを指定している場合に、上記フェーダ操作子の操作に応じて、上記カレントメモリに記憶されたフェーダレベルのうちの、その操作されたフェーダ操作子と対応する入力チャンネルのフェーダレベルの値を変更する一方、上記指定手段が上記第2の動作モードを指定している場合に、上記フェーダ操作子の操作に応じて、上記カレントメモリに記憶されたセンドレベルのうちの、上記操作されたフェーダ操作子と対応する入力チャンネルから上記バス選択手段が選択しているミキシングバスへのセンドレベルの値を変更する第2の変更手段と、各入力チャンネルに入力する音響信号を、その音量を上記カレントメモリに記憶されているその入力チャンネルのフェーダレベルに基づいて制御して上記メインバスに供給すると共に、その各入力チャンネルに入力する音響信号を、その音量を上記カレントメモリに記憶されているその入力チャンネルから各ミキシングバスへのセンドレベルに基づいてそれぞれ制御して、そのセンドレベルと対応するミキシングバスに供給するレベル調整手段とを設けたものである。
以上のようなこの発明のデジタルミキサによれば、フェーダ操作子による送出レベルの設定受付の対象とする送出先バスの選択を、他の機能を合わせ持つ物理的な操作子を利用して、操作性よく行えるようにすることができる。
この発明の実施形態であるデジタルミキサのハードウェア構成を示す図である。 図1に示したDSPで実行される信号処理の構成をより詳細に示す図である。 同じくDSPにおける信号処理のうち、各入力chからSTバス及びMIXバスへの信号の入力に関する部分の構成を示す図である。 図1に示したデジタルミキサのコンソールの概略構成を示す図である。 図4に示したタッチスクリーンに表示させる入力ch画面及びSOF表示部の例を示す図である。
同じく入力ch画面に送出設定画面をポップアップ表示させた例を示す図である。 図1に示したCPUがSOFモードの開始操作があった場合に実行する処理のフローチャートである。 同じくSOFモードの終了操作があった場合の処理のフローチャートである。 同じくバス選択ボタンの操作があった場合の処理のフローチャートである。 同じく割当chストリップ部におけるフェーダの操作を検出した場合の処理のフローチャートである。
同じくセンドノブのオンイベントがあった場合の処理のフローチャートである。 同じくセンドノブのオフイベントがあった場合の処理のフローチャートである。 同じくセンドノブの回転操作があった場合の処理及びステップS76で登録したイベントの実行に係る処理のフローチャートである。 SOFモードでのセンドノブに対する種々の操作に応じたセンドレベルの設定及びMIXバスの選択について説明するための図である。 その別の図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、この発明の実施形態であるデジタルミキサの構成について説明する。図1は、そのデジタルミキサの構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、このデジタルミキサ10は、CPU11,フラッシュメモリ12,RAM13,外部機器入出力部(I/O)14,表示器15,操作子16,波形I/O17,信号処理部(DSP)18を備え、これらがシステムバス19によって接続されている。そして、複数の入力チャンネル(ch)から入力する音響信号に対して種々の信号処理を施して複数の出力chから出力する機能を有する。
そして、CPU11は、このデジタルミキサ10の動作を統括制御する制御手段であり、フラッシュメモリ12に記憶された所要のプログラムを実行することにより、外部機器I/O14及び波形I/O17におけるデータ及び信号の入出力や表示器15における表示を制御したり、操作子16の操作を検出してその操作に従ってパラメータの値の設定/変更や各部の動作を制御したりといった処理を行う。
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する制御プログラム等を記憶する書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
RAM13は、一時的に記憶すべきデータを記憶したり、CPU11のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
外部機器I/O14は、種々の外部機器を接続し入出力を行うためのインタフェースであり、例えば外部のディスプレイ、マウス、文字入力用のキーボード、操作パネル等を接続するためのインタフェースが用意される。そして、本体の表示器15や操作子16をごく単純な構成にしたとしても、これらの外部機器を活用することによりパラメータの設定/変更や動作指示を行うことができるようにすることも考えられる。
表示器15は、CPU11による制御に従って種々の情報を表示する表示手段であり、例えば液晶パネル(LCD)や発光ダイオード(LED)によって構成することができる。ここで説明する例では、デジタルミキサ10は、表示器15として少なくともパラメータの値の参照や設定の受付を行うためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を表示できるサイズのLCDを備える。
操作子16は、デジタルミキサ10に対する操作を受け付けるためのものであり、種々のキー、ボタン、ロータリーエンコーダ、スライダ等によって構成することができる。ここでは、表示器15であるLCDに積層したタッチパネルも用いている。
波形I/O17は、DSP18で処理すべき音響信号の入力を受け付け、また処理後の音響信号を出力するためのインタフェースである。そして、この波形I/O17には、1枚で4チャンネル(ch)のアナログ入力が可能なA/D変換ボード,1枚で4chのアナログ出力が可能なD/A変換ボード,1枚で8chのデジタル入出力が可能なデジタル入出力ボードを適宜組み合わせて複数枚装着可能であり、実際にはこれらのボードを介して信号の入出力を行う。
DSP18は、信号処理回路を含み、波形I/O17から入力する音響信号に対し、カレントデータとして設定されている各種処理パラメータに従って、ミキシング、イコライジング等の各種信号処理を施して波形I/O17に出力する信号処理部である。この処理に用いるカレントデータは、RAM13あるいはDSP18自身に備えるメモリに記憶しておくことができる。
次に、図2に、図1に示したDSP18で実行される信号処理の構成をより詳細に示す。
この図に示すように、DSP18での信号処理は、入力パッチ33,入力ch40,ステレオ(ST)バス60,ミキシング(MIX)バス70,ST出力ch81,MIX出力ch82,出力パッチ34を有する。
そして、DSP18においては、24chある入力ch40にそれぞれ、波形I/O17に入力端子と対応するように用意されたアナログ入力ポート31及びデジタル入力ポート32のいずれかをパッチ(結線)し、各入力chでは、パッチされたポートから入力する信号に対してアッテネータ,イコライザ等により信号処理を行った後、STバス60及び12系統のMIXバス70のうちの任意のバスに対して処理後の信号を送出する。この送出については、入力ch40とバスの組み合わせ毎にオンオフ及びレベル調整を行うことが可能である。
また、STバス60及び各MIXバス70では、各入力ch40から入力する信号をミキシングし、メインバスであるSTバス60においてミキシングされた信号はST出力ch81に、MIXバス70においてミキシングされた信号はその各系統に対応して設けられる12chのMIX出力ch82に出力する。そして、各出力ch81,82では、対応するバスから入力する信号に対してイコライザ、コンプレッサ等により信号処理を行い、その処理後の信号を、出力パッチ34により波形I/O17に出力端子と対応するように用意されたアナログ出力ポート35及びデジタル出力ポート36にパッチし、パッチ先の出力ポートから出力する。
なお、DSP18に設けるこれらの各部による信号処理の内容は、カレントメモリに記憶される所定のパラメータの値を設定することにより制御可能であり、また、各部の機能は、ソフトウェアによって実現してもハードウェアによって実現してもよい。
次に、図3に、DSP18における信号処理のうち、各入力chからSTバス及びMIXバスへの信号の入力に関する部分の構成を示す。
図3に示す通り、各入力ch40には、アッテネータ41,イコライザ42,コンプレッサ43,chフェーダ44,オンスイッチ45を設けている。また、その先の、STバス60に信号を入力する経路にはTO_ST(トゥーステレオ)スイッチ46及びパン47を設け、各MIXバス70に信号を入力する経路には、プリ/ポスト(PRE/POST)スイッチ51,センドレベルフェーダ52,センドオンスイッチ53を設けている。
そして、このような入力ch40に入力した信号は、アッテネータ41,イコライザ42,コンプレッサ43,chフェーダ44による信号処理を受けた後、オンスイッチ45及びTO_STスイッチ46がオンであれば、パン47に設定されている音像定位位置に従ってLとRに分配され、それぞれLとRのSTバス60に入力される。
また、各MIXバス70に対する信号入力経路のPRE/POSTスイッチ51の状態に応じた位置の信号が、該当のMIXバス70に入力される。そして、その入力の過程で、センドレベルフェーダ52によってレベル調整がなされ、センドオンスイッチ53がオンの場合のみ、MIXバス70への信号の入力がなされる。なお、以下の説明において、センドレベルフェーダ52によるレベル調整量を示すパラメータの値を「センドレベル」と呼ぶことにする。
図3には、1つの入力ch40の構成のみを詳細に示したが、他の23の入力chも同様な構成を有し、STバス60及び各MIXバス70では、それら24の入力chから入力する信号を混合することができる。
以上のような入力chにおいて、各入力chから各MIXバスへ送出する信号のレベルは、該当する送出経路のセンドレベルフェーダ52により、個別にかつ入力chの1ch分の信号レベルを調整するchフェーダ44とも独立して調整可能である。
次に、デジタルミキサ10のコンソールの構成について説明する。
図4は、そのコンソールの概略構成を示す図である。
デジタルミキサ10は、図4に示すような構成のコンソール100を有しており、この上に、デジタルミキサ10の特徴に関連する構成要素として、タッチスクリーン110,割当chストリップ部120,入力レイヤ選択スイッチ131,出力レイヤ選択スイッチ132,センドレベル設定部140をはじめとする各種のユーザインタフェースを設けている。これらの各構成要素は、図1における表示器15及び操作子16に対応するものである。
このうちタッチスクリーン110は、LCDにタッチパネルを積層し、信号処理に使用するパラメータの値の参照や設定の受付を行うためのGUIを表示すると共に、ユーザからの操作を受け付ける手段である。
割当chストリップ部120は、入力ch又は出力chの1ch分のパラメータの値を設定するためのchストリップを8つ有し、その各chストリップに、入力レイヤ選択スイッチ131及び出力レイヤ選択スイッチ132の操作に応じたレイヤのchを割り当てて、そのchのパラメータを設定するための操作子として使用するセクションである。
そして、各chストリップは、chノブ121,選択スイッチ122,オンスイッチ123,フェーダ124を備えている。
このうち、chノブ121は、ノブの回転量を操作量として検出することができるロータリーエンコーダである。そして、詳細な説明は省略するが、このchノブ121には、タッチスクリーン110に表示させる画面上の操作子を割り当て、その操作子と対応するパラメータの値の設定に使用することができる。
選択スイッチ122は、対応するchの選択/非選択を設定するための操作子である。デジタルミキサ10のCPU11は、ユーザによる選択スイッチ122の操作に従って、第2の選択手段として機能し、操作された選択スイッチ122が属するchストリップと対応するchを選択すると共に、それまでに選択されていたchの選択を解除する。
オンスイッチ123は、対応するchのオン/オフ(chストリップが入力chに割り当てられている場合には、図3に示したオンスイッチ45のオン/オフ)を設定するための操作子である。
フェーダ124は、対応するchの信号レベル(chストリップが入力chに割り当てられている場合には、図3に示したchフェーダ44におけるレベルの調整内容)を設定するための操作子である。また、後述するセンズオンフェーダ(以下「SOF」という)モードにおいては、対応する入力chから現在選択されているMIXバスへ送出する信号のセンドレベルを設定するための操作子として用いる。
また、フェーダ124のつまみはモータにより駆動可能であり、デジタルミキサ10のCPU11は、レイヤの変更、動作モードの切り換え、パラメータ値の読み出し、別の操作子によるパラメータの編集など、フェーダ124と対応するパラメータの値に変更があった場合(対応するパラメータの種類が変わった場合と、種類は変わらず値が変わった場合の両方)に、モータを駆動して、つまみを変更後の値と対応する位置に移動させる。
次に、入力レイヤ選択スイッチ131及び出力レイヤ選択スイッチ132は、割当chストリップ部120の各chストリップに入力ch40あるいはMIX出力ch70を割り当てるレイヤを排他的に選択するためのスイッチである。
入力レイヤ選択スイッチ131としては、24の入力ch40を8つずつに分け、1〜8番目,9〜16番目,17〜24番目の入力chを各chストリップに割り当てるレイヤを選択するための3つの操作子を設けている。
出力レイヤ選択スイッチ132としては、12のMIX出力ch82を6つずつに分け、1〜6番目及び7〜12番目のMIX出力chを1〜6番目のchストリップに割り当てるレイヤを選択するための2つの操作子を設けている。これらの割り当てを行う場合、7番目と8番目のchストリップは、対応するchなしとなる。
次に、センドレベル設定部140は、入力chからMIXバスへ送出する信号のセンドレベルを設定するための操作子を集めた部分であり、12系統の各MIXバス70と対応する12のセンドノブ141を設けている。
センドノブ141は、押下操作と回転操作が可能なロータリーエンコーダであり、回転操作により、現在選択されている入力chからノブと対応する系統のMIXバスへ出力する信号のセンドレベルを増減することができる。このとき、ノブを押し込んだ状態で回転操作することにより、単に回転操作した場合よりも細かい調整を行うことができる。この機能については、SOFモード(第2の動作モード)であっても、SOFモードの機能が無効である通常モード(第1の動作モード)であっても変わらない。
また、通常モードでは、センドノブ141を短時間押下操作することにより、タッチスクリーン110上に、選択されている入力chから各MIXバスへの出力の設定に関する表示を行う、後述する送出設定画面を表示させることができる。
一方、SOFモードでは、センドノブ141の短時間の押下操作により、ノブと対応する系統のMIXバスを、chストリップのフェーダ124によりセンドレベルを設定するMIXバスとして排他的に選択することができる。この場合、デジタルミキサ10のCPU11は、押下操作に従って、第1の選択手段として機能し、操作されたセンドノブ141と対応するMIXバスを選択すると共に、それまでに選択されていたMIXバスの選択を解除する。そしてこのとき、押下操作の前後所定時間の間は、センドノブ141の回転操作に応じたセンドレベルの調整を無効にしている。
これらのセンドノブ141の機能を実現するための処理、特にセンドレベル調整の無効化に関する処理が、デジタルミキサ10の特徴の1つである。
次に、タッチスクリーン110に表示させる画面のうち、上記のセンドノブ141の機能に関連するものについて説明する。
まず、図5(a)に、入力ch画面の一表示例を示す。
この入力ch画面200は、入力ch40における信号処理に使用するパラメータとして現在設定されている内容を表示し、また設定に関する操作を受け付けるためのGUI画面である。そして、入力レイヤ選択スイッチ131においていずれかのレイヤが選択されると、そのレイヤによって割当chストリップ部120に割り当てる入力chに関する入力ch画面200を、タッチスクリーン110に表示させるようにしている。図5には、1〜8番目の入力chを割り当てた場合の画面例を示している。
このような入力ch画面200は、各入力chと対応するchスロット210を備え、各chスロット210に、対応するchに関する内容を表示するものである。また、一番右側の列には、選択ch表示部230を設け、現在選択されているchに関する情報を表示している。
そして、各chスロット210には、ch名ブロック211,周波数特性ブロック212,ダイナミクスブロック213,センドレベル表示部214,パン表示部217を設けている。
このうち、ch名ブロック211は、chの番号,名称及び用途等を表示するブロックである。
周波数特性ブロック212は、図3に示したイコライザ42の周波数特性を、パラメータの現在値に基づいてグラフで表示するブロックである。
ダイナミクスブロック213は、図3に示したコンプレッサ43のパラメータであるスレッショルドの値を表示すると共に、リアルタイム値である入力レベルとゲインのリダクション量をグラフ表示するブロックである。
また、これらの各ブロックについては、タッチスクリーン110においてブロック内にタッチ操作があった場合、タッチスクリーン110に、操作されたブロックと対応する不図示の別のGUI画面を表示させるようにしている。
センドレベル表示部214は、対応する入力chからMIXバス70の各系統へ出力する信号のセンドレベルをつまみ215の向きにより表示する表示部であり、つまみ215は、12系統のMIXバス70への出力経路に対応して12個設けている。また、つまみ215の明暗や色あるいは模様の違い等により、対応するセンドオンスイッチ53のオン/オフの状態も表示するようにしている。図では、実線で示したつまみの部分がオン、破線で示したつまみの部分がオフであることを示している。
パン表示部217は、図3に示したパン47について設定されている音像定位位置を、つまみ218の向きにより表示する表示部である。また、STセンドボタン219を設け、図3に示したTO_STスイッチ46のオンオフを制御できるようにしている。
また、選択ch表示部230には、ch番号表示部231,メータ表示部232,SOFボタン233を設けている。
このうち、ch番号表示部231は、現在選択されている入力chの番号を表示するブロックである。なお、現在選択されている入力chが画面に表示中のchスロット210のいずれかと対応するものである場合、カーソル220によりその旨を表示するが、必ずしも表示中のchスロット210と対応するchが選択されているとは限らない。
メータ表示部232は、現在選択されている入力chからSTバス60のLとRの系統に出力される信号のレベルをバーグラフのレベルメータにより表示する領域である。
SOFボタン233は、SOFモードと通常モードとを、トグルで切り換えるためのボタンである。なお、図5(a)の表示は、通常モード(SOFモードオフ)の場合の表示である。
SOFモードにおいては、選択ch表示部230の表示が、図5(b)に示すSOF表示部240に置き換わる。このSOF表示部240は、選択ch表示部230におけるメータ表示部232が、MIXバスの各系統を選択するためのバス選択ボタン242を配置したバス選択部241に置き換わったものである。
ユーザは、このバス選択ボタンにタッチすることにより、chストリップのフェーダ124により何番目のMIXバスに関するセンドレベルを設定するかを選択することができる。この選択は、図4に示したセンドノブ141の押下操作による選択と同等なものであるが、操作性が異なる。図5(b)では、1番目のMIXバスが選択されている状態を示しており、センドノブ141の押下操作によりバスの選択状態が変更された場合、その内容はバス選択部241の表示にも反映される。
また、図5(b)に示す状態でSOFボタン233が操作されると、SOFモードはオフされ、画面も図5(a)に示す表示に戻る。このとき、MIXバスの選択状態は維持しておくとよいが、SOFモード以外のモードでは、その選択の内容に特に意味はない。
なお、出力chからMIXバスへのセンドレベルというパラメータは存在しないため、割当chストリップ部120に出力ch(入力ch以外)を割り当てるレイヤが選択されていたり、現在選択されているchが出力ch(入力ch以外)であったりする場合には、SOFモードへ移行しても意味がない。そこで、これらの場合はSOFボタン233の機能を無効にしたり、SOFモードではこれらの選択ができないようにしたり、また、SOFモードでこれらの選択がなされた場合には直ちに通常モードに戻るようにしたりするとよい。
次に、図6に、入力ch画面200の別の表示例を示す。
この図に示すのは、通常モードにおいてセンドノブ141のプッシュ操作に応じて送出設定画面250が表示された状態である。この送出設定画面250は、選択されている入力chから各MIXバスへの出力の設定内容を表示すると共に、その一部の変更操作を受け付けるための画面であり、センドノブ141の操作に応じて入力ch画面200に重ねてポップアップ表示される。なお、表示される画面は、12あるセンドノブ141のいずれが操作された場合でも同じである。
そして、送出設定画面250には、選択ch表示部251,閉じるボタン252及び、各MIXバスに対応する送出設定部260を備える。
このうち選択ch表示部251は、現在選択されている入力chの番号を表示するブロックである。閉じるボタン252は、送出設定画面250を閉じて入力ch画面200に戻るためのボタンである。
送出設定部260は、センドレベルつまみ261,PRE/POSTボタン262,センドオンボタン263を備える。これらはそれぞれ、現在選択されている入力chから送出設定部260と対応するMIXバスへの信号出力経路におけるセンドレベルフェーダ52,PRE/POSTスイッチ51及びセンドオンスイッチ53の状態を表示する表示部である。PRE/POSTボタン262及びセンドオンボタン263については、対応するスイッチの切替操作を受け付ける操作部でもある。センドレベルフェーダ52のゲイン値については、上述の通りセンドノブ141の回転操作により設定することができる。
次に、デジタルミキサ10において各部の操作に応じてCPU11が実行する特徴的な処理について説明する。ここで説明する処理は、SOFモードに関する制御と、操作子の操作に応じた入力chからMIXバスへのセンドレベルの設定に関する処理である。また、割当chストリップ部120には入力ch40が割り当てられているものとし、他のch(MIX出力ch82等)が割り当てられている場合に関する処理については説明を省略する。
まず、図7に、SOFモードの開始操作があった場合の処理を示す。
デジタルミキサ10において、SOFモードの開始操作は、オフ状態の(通常モードの状態の)SOFボタン233にタッチする操作である。そして、この操作を検出すると、CPU11は図7のフローチャートに示す処理を開始する。
図7の処理において、CPU11はまずSOFモードのオンオフを示すSOFフラグにオン状態を示す「1」をセットする(S11)と共に、以下のSOFモード開始準備に係る処理を行う。
すなわち、各MIXバスについて、過去のセンドレベルを記憶するためのレジスタSLX(n)(nはMIXバスの番号であり、1〜12)を用意すると共に、値変化遅延用のFIFOを用意する(S12)。さらに、現在選択されている入力chから各MIXバスへのセンドレベルの現在値SL(SC,n)(SCは選択されている入力chの番号、nは同上)を、カレントメモリから対応するレジスタSLX(n)に初期値としてコピーする(S13)。
その後、割当chストリップ部120における各chストリップのフェーダ124のつまみを、対応する入力chから選択されているバスへのセンドレベルの現在値を示す位置へ移動する(S14)と共に、タッチスクリーン110における選択ch表示部230の表示をSOF表示部240に変更して(S15)、処理を終了する。
以上の処理により、デジタルミキサ110は通常モードからSOFモードに移行できる。ただし、モードの移行のみによっては、センドレベルの値自体は変化しない。
次に、図8に、SOFモードの終了操作があった場合の処理を示す。
デジタルミキサ10において、SOFモードの終了操作は、オン状態の(SOFモードの状態の)SOFボタン233にタッチする操作である。そして、この操作を検出すると、CPU11は図8のフローチャートに示す処理を開始する。
そして、CPU11はまず、SOFフラグにオフ状態を示す「0」をセットする(S21)。その後、SOFモード開始時に用意したレジスタSLX(n)及び値変化遅延用FIFOの記憶領域を解放すると共に(S22)、割当chストリップ部120における各chストリップのフェーダ124のつまみを、対応する入力chにおけるchフェーダ44のレベルの現在値を示す位置へ移動する(S23)。さらに、タッチスクリーン110におけるSOF表示部240の表示を選択ch表示部230に変更して(S24)、処理を終了する。
以上の処理により、デジタルミキサ110はSOFモードから通常モードに移行できる。
次に、図9に、バス選択ボタン242の操作があった場合の処理を示す。なお、バス選択ボタン242はSOFモードにおいてのみ表示されるので、操作も当然SOFモードにおいてのみなされる。
CPU11は、s番目のバス選択ボタン242にタッチ操作があった場合、図9のフローチャートに示す処理を開始する。そして、現在選択されているMIXバスを示すレジスタSBにsの値を設定する。すなわち、それまでに選択されていたバスの選択を解除して操作されたボタンと対応するs番目のMIXバスを選択する(S31)。
そしてこれに応じて割当chストリップ部120における各chストリップのフェーダ124のつまみを、対応する入力chから現在選択されている(ステップS31で設定したSB番目の)MIXバスへのセンドレベルの現在値を示す位置へ移動して(S32)、MIXバスの選択変更後に合わせた表示を行い、処理を終了する。
以上の処理により、MIXバスの選択を変更することができる。
次に、図10に、割当chストリップ部120におけるフェーダ124の操作を検出した場合の処理を示す。
CPU11は、c番目の入力chと対応するフェーダ124(c番目の入力chが割り当てられているchストリップのフェーダ)が位置pに移動されたことを検出すると、図10のフローチャートに示す処理を開始する。
そして、SOFフラグが「1」でない場合、すなわちSOFモードでない場合(S41のNO)、c番目の入力chのchフェーダ44のゲイン値を位置pと対応する値に更新し(S42)、処理を終了する。この場合、CPU11はチャンネルレベル設定手段として機能し、操作されたフェーダ操作子と対応する入力chの信号レベルを設定することになる。
一方、ステップS41でSOFフラグが「1」である場合は、c番目の入力chから現在選択されているSB番目のMIXバスへのセンドレベルSL(c,SB)の値を位置pと対応する値に更新し(S43)、その更新に応じて入力ch画面200中のセンドレベルSL(c,SB)の表示を更新して(S44)、処理を終了する。この場合、CPU11は第1のセンドレベル設定手段として機能し、操作されたフェーダ操作子と対応する入力chから現在選択されているMIXバスへのセンドレベルを設定することになる。
次に、図11乃至図13を用いて、センドノブ141の操作に応じてCPU11が実行する処理について説明する。これらの図に示す処理は、デジタルミキサ10がSOFモードであるか通常モードであるかに関わらず実行されるものである。また、これらの図に示す処理は、相互に関連するものであり、CPU11が順次発生するイベントに応じて対応する処理を実行することにより、一連の処理の結果としてセンドノブ141の機能が実現されるものである。
まず、図11に、センドノブ141のオンイベントがあった場合の処理を示す。
CPU11は、s番目のセンドノブ141が押下されたことを示すオンイベントを検出すると、図11のフローチャートに示す処理を開始する。そして、s番目のセンドノブ141の状態を示すフラグSN(s)に、オン状態を示す「1」をセットする(S51)と共に、オンイベントの発生時刻T(s)を記憶して(S52)、処理を終了する。イベント発生時刻の記録は、ノブ毎に独立して行う。
次に、図12に、センドノブ141のオフイベントがあった場合の処理を示す。
CPU11は、s番目のセンドノブ141の押下が解除されたことを示すオフイベントを検出すると、図12のフローチャートに示す処理を開始する。
そして、まずs番目のセンドノブ141の状態を示すフラグSN(s)に、オフ状態を示す「0」をセットする(S61)と共に、現在時刻から対応するオンイベントの発生時刻T(s)を引いて、s番目のセンドノブ141が押下されていた時間である押下時間Dを算出する(S62)。
そして、Dが所定の閾値Ts以下である場合には、センドノブ141の短時間の押下操作がなされたと判断し(S63)、短時間の押下操作に係る処理であるS64以下の処理に進む。
そして、ステップS64でSOFフラグが「1」である場合、すなわちSOFモードである場合、押下操作に応じて対応するMIXバスを選択すべく、ステップS65以下のバスの選択に係る処理を行う。
ここではまず、図9のステップS31の場合と同様に操作されたセンドノブと対応するs番目のMIXバスを選択する(S65)。その後、現在選択されているSC番目の入力chから現在選択されている(ステップS65で設定したSB番目の)MIXバスへのセンドレベルの現在値SL(SC,SB)を、レジスタSLX(SB)に記録されている過去のセンドレベルの値に戻す(S66)。このとき、センドレベルの急激な変化を防止するため、徐々に値を戻すようにするとよい。この処理は、センドノブ141の押下操作の開始前の所定時間Δtb(第2の所定時間)の間になされた操作によるセンドレベル値の変更を無効にするための処理である。詳細については後述する。
また、CPU11は次に、操作されたs番目のセンドノブについてのマスクタイマMT(s)をスタートさせる(S67)。このマスクタイマは、センドノブ141のプッシュ操作の終了後の所定時間Δtf(第1の所定時間)の間になされた操作によるセンドレベル値の変更を無効にするためのものであり、スタートからΔtf経過後に、不図示の処理により停止される。こちらの詳細についても後述する。
CPU11はさらに、図9のステップS32の場合と同様に各chストリップのフェーダ124のつまみを、MIXバスの選択変更後の状態に合ったセンドレベルを示す位置に移動させ(S68)、処理を終了する。
一方、ステップS64でSOFフラグが「0」である場合、すなわち通常モードである場合、CPU11は、通常モードでのプッシュ操作に応じた処理として、現在選択されているSC番目のchについての送出設定画面250をタッチスクリーン110に表示させ(S69)、処理を終了する。
また、ステップS63でNOの場合、押下時間が長いため、今回のオフイベントはセンドノブ141の短時間の押下操作に係るものではなく、長押し操作の終了に係るものと判断する。そして、この場合、オフイベントに応じて実行する処理はないため、そのまま図12の処理を終了する。
次に、図13に、センドノブ141の回転操作があった場合の処理を示す。
CPU11は、s番目のセンドノブ141について操作量rの回転操作を検出した場合、図13の左側のフローチャートに示す処理を開始する。なお、rは正回転(例えば右回転)の場合にプラス、逆回転の場合にマイナスの値とする。
そして、まず操作されたs番目のセンドノブについてのマスクタイマMT(s)が動作中であるか否か判断する(S71)。ここで動作中であれば、まだセンドノブ141の押下によるMIXバス選択後の所定時間Δtf以内であるので、回転操作に応じたセンドレベルの変更を無効にすべく、そのまま処理を終了する。なお、図12の記載からわかるように、マスクタイマはSOFモードでしか動作しない。
一方、ステップS71でマスクタイマが動作中でない場合、現在選択されているSC番目の入力chから操作されたセンドノブ141と対応するs番目のMIXバスへのセンドレベルの現在値SL(SC,s)を、rに応じた量だけ変更する(S72)。このとき、センドノブ141が押下中、すなわちSN(s)=1であった場合には、微調整モードとし、rに応じた変更量を通常より小さい値にする。
そして、ステップS72での変更に応じて入力ch画面200中のセンドレベルSL(SC,s)の表示を更新する(S73)。ここまでの処理は、通常モードでもSOFモードでも同じく行う処理である。
そして、SOFフラグが「1」である場合(S74)、すなわちSOFモードである場合、まず、割当chストリップ部120のフェーダ124が、変更されたセンドレベルの現在値を表示している可能性があるので、該当するフェーダ124があればそのつまみを変更後の値に応じた位置に移動させる。具体的には、選択されているレイヤにSC番目の入力chが含まれており、かつ、sが現在選択されているMIXバスの番号を示すSBと一致する場合に、SC番目の入力chが割り当てられているchストリップのフェーダ124のつまみを、センドレベルSL(SC,s)の変更後の値を示す位置に移動させる(S75)。
そしてその後、SLX(s)の管理のため、レジスタSLX(s)に変更後のSL(SC,s)の値を設定するイベントを値変化遅延用FIFOに登録して(S76)、処理を終了する。
ステップS74でNOの場合、すなわち通常モードの場合、フェーダ124がセンドレベルの値を示すことはなく、レジスタSLXを使用することもないので、そのまま処理を終了する。
なお、CPU11は、ステップS76で登録されたイベントに係る処理を、FIFOへの登録から後方無効期間Δtbだけ経過した後、図13の右側のフローチャートの処理として実行する。
この処理においては、処理実行時点でイベントに係るs番目のMIXバスについてSN(s)=1でなければ(S81)、すなわち対応するセンドノブ141が押下状態でなければ、イベントの指示に従い、レジスタSLX(s)に、イベント登録時のSL(SC,s)の値を設定する(S82)。ステップS81でSN(s)=1であれば、イベントをキャンセルし、レジスタSLX(s)の値は変更しない。
以上の処理により、対応するセンドノブ141が押下されない限りは、レジスタSLX(s)に、現在よりも後方無効期間Δtbだけ前の時点のセンドレベルSL(SC,s)の値を設定することができる。また、センドノブ141の押下中は、レジスタSLX(s)に、押下開始より後方無効期間Δtbだけ前の時点のセンドレベルSL(SC,s)の値を保持しておくことができる。
次に、図14及び図15を用いて、SOFモードでセンドノブ141に対する種々の操作があった場合の、図11乃至図13の処理に従ったセンドレベルの設定内容及びMIXバスの選択について説明する。
これらの図には、横軸を時間軸として、センドノブに対してなされた回転操作の量をつまみの相対位置により、押下操作の状況をON(押下あり)/OFF(押下なし)により示している。そして、これに合わせてセンドレベルSL及び過去のセンドレベル値を記憶するレジスタSLXの値の変化を相対値により示している。
これらの図の例では、SC番目の入力chが選択されている状態でs番目のセンドノブが操作されたとする。従って、MIXバスの選択に変更がない場合、センドノブの操作に応じて値が変更されるセンドレベルはSL(SC,s)であり、その変更につれて値が変化するレジスタSLXはSLX(s)である。
まず、図14(a)には、センドノブ141を押下せずに回転操作した場合の例を示す。
この場合、センドノブ141の回転操作と同時に、その操作量に応じた値だけ、図13のステップS72の処理によりSLの値が変化する。また、SLXについては、ステップS81が常にYESであるので、SLの変化をΔtbだけ遅れて追いかけるように変化する。また、センドノブ141のオフイベントがないため、マスクタイマは働かないし、SLXの値が利用されることもない。
次に、図14(b)には、センドノブ141を閾値Tsより長い期間押下しながら、押下中に回転操作を行った場合、すなわち押し回しの操作を行った場合の例を示す。
この場合も、センドノブ141の回転操作と同時に、その操作量に応じた値だけ、図13のステップS72の処理によりSLの値が変化する。押下中であるので(a)の場合よりSLの変化量は小さいが、ここでは変化量の違いの図示は省略した。
また、SLXについては、センドノブ141の押下中はステップS81がNOとなるため、SLの変化に関わらず一定の値を保つことになる。そして、センドノブ141の押下が解除された時点で、その時点よりΔtbだけ前に登録されたイベントに従って図13のステップS82の処理が実行されるため、SLXの値にΔtbだけ前の時点のSLの値が設定される。そして、以後は、(a)の場合と同様、SLの変化をΔtbだけ遅れて追いかけるように変化する。
また、この例の場合、センドノブ141のオフイベントはあるが、図12のステップS63はNOとなるため、マスクタイマは働かないし、SLXの値が利用されることもない。
次に、図14(c)には、センドノブ141を閾値Tsより長い期間押下しながら、押下中及び押下前後を通じて回転操作を行った場合の例を示す。
この場合も、センドノブ141の回転操作と同時に、その操作量に応じた値だけ、図13のステップS72の処理によりSLの値が変化する。押下中は、それ以外の期間よりも操作量当たりのSLの変化量は小さくなる。
また、SLXについては、センドノブ141が押下されていない間は、(a)や(b)の場合と同様に、各時点でその時点よりΔtbだけ前の時点のSLの値が設定される。しかし、センドノブ141が押下された時点でSLXの値は固定され、押下解除されるまでその値が維持される。押下解除時点でSLXの値にその時点よりΔtbだけ前の時点のSLの値が設定され、以後SLXがSLの変化をΔtbだけ遅れて追いかけるように変化することは、(b)の場合と同様である。
また、この例の場合も、センドノブ141のオフイベントはあるが、図12のステップS63はNOとなるため、マスクタイマは働かないし、SLXの値が利用されることもない。
次に、図15(a)には、センドノブ141を閾値Tsより短い期間押下し、その直後(Δtf以内)に回転操作を行った場合の例を示す。この例は、センドノブ141の短時間の押下操作を行い、ノブを離す際に誤って若干回転させてしまった場合に相当する。
この場合、センドノブの押下が解除された時点で、CPU11が図12のステップS65以下の処理を実行する。従って、選択されているMIXバスの番号を示すSBの値が押下されたセンドノブ141と対応するsに変更され、s番目のMIXバスが選択されることになる。またさらに、CPU11がステップS67でマスクタイマをスタートするため、その後Δtfの期間は、センドノブ141の回転操作があっても、図13のステップS71でYESとなり、SLの値は変化しない。このため、SLXの値も変化しないことになる。
この動作は、センドノブ141の押下操作に応じてそのセンドノブ141と対応するミキシングバスを選択する第1の選択手段及び、センドノブ141のプッシュ操作の後第1の所定時間の間はそのセンドノブ141の回転操作に従ったセンドレベルの設定を無効にする無効化手段の機能に相当する。
次に、図15(b)には、センドノブ141を閾値Tsより短い期間押下し、その直前(Δtb以内)に回転操作を行った場合の例を示す。この例は、センドノブ141の短時間の押下操作を行い、ノブを押し込む際に誤って若干回転させてしまった場合に相当する。
この場合も、センドノブの押下が解除された時点でs番目のMIXバスが選択されることになる。しかし、それより前の時点においては、マスクタイマは動作していないため、センドノブ141が回転されれば、CPU11は図13のステップS72以下の処理を実行し、回転操作に応じてSLの値を変更する。
しかし、図14(c)を用いて説明した通り、SLXの値は、センドノブ141の押下開始よりΔtbだけ前の値で固定される。そして、センドノブの押下が解除された時点で、CPU11が図12のステップS66の処理を実行するため、SLの値はその固定されていたSLXの値、すなわちセンドノブ141の押下開始よりもΔtbだけ前のSLの値に戻されることになる。従って、実質的に、センドノブ141の押下開始前Δtbの期間及びセンドノブ141の押下中になされたセンドレベルの変更は、無効となる。
この動作は、上記第1の選択手段及び、センドノブ141の押下操作の前の第2の所定時間の間にそのセンドノブ141の回転操作に従ってなされたセンドレベルの設定を無効にする第2の無効化手段の機能に相当する。
次に、図15(c)には、センドノブ141を閾値Tsより短い期間押下し、その押下中及び押下前後短時間に回転操作を行った場合の例を示す。
このような場合でも、上記(a)及び(b)で説明した動作の組み合わせにより、s番目のMIXバスを選択すると共に、センドノブ141の押下開始前Δtb、押下中及び押下解除後Δtf以内になされた回転操作に応じたセンドレベルの設定を無効にすることができる。
デジタルミキサ10においては、以上のような動作を可能としたことにより、既に回転操作によるセンドレベルの調整機能を与えられているロータリーエンコーダに、プッシュ操作によるバスの選択機能を追加する場合でも、両方の操作を適切に検出して対応する機能に反映させることができる。
特に、プッシュ操作を行う場合には、操作時に誤ってノブを回転させてしまうことがしばしばあると考えられるため、プッシュ操作前後の回転操作を、回転操作に応じた機能の動作に反映させないようにすることは、誤操作防止の観点から重要である。
また、ロータリーエンコーダの場合には、つまみの操作範囲に制限がないため、このように操作を一時的にパラメータの値に反映させないようにしても、つまみの位置とパラメータの値との対応関係が崩れることもない。
また、デジタルミキサ10においては、SOFモードでは、センドノブ141のプッシュ操作により選択するMIXバスに対するセンドレベルは、その後、操作性のよいフェーダ124により値を調整しようとするパラメータであるので、プッシュ操作と共になされた回転操作の内容は反映させないようにすることが好ましい。
この場合において、プッシュ操作前の回転操作を反映させないようにする処理は、多少複雑になるため、処理負荷を考慮して、プッシュ操作後の回転操作のみを反映させないようにすることも、十分考えられる。
また、デジタルミキサ10においては、センドノブ141の押下開始よりもΔtfだけ前のセンドレベルの値を保持するレジスタSLXを設ける一方、SLの値自体は、センドノブ141の押下がTs以内に押下解除する短時間の操作に係るものであることが確認できるまでは、センドノブ141の回転操作に応じて変化させるようにしている。従って、長押し操作を行った場合でも、センドノブ141の押下直後の操作が無効化されてしまうことがなく、長押し操作の操作性低下を防止することができる。
また、デジタルミキサ10においては、通常モードの場合には、SLX及びマスクタイマに関する処理を行わず、いわば各無効化手段の動作を無効化した状態としている。これは、通常モードにおいては、フェーダ124の操作に応じたセンドレベルの変更を行わないため、センドレベルの変更は基本的に常にセンドノブ141の操作により行うので、常に操作内容をセンドレベルの値に反映させたとしても特に問題ないためである。逆に、わずかであっても操作が無効になる期間があると、操作に違和感が生じることもあるため、これを防止することを優先したものである。
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成や具体的な処理内容、画面の表示例、操作方法等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、上述した実施形態では、センドノブ141の押し回し操作によりセンドレベルの微調整を可能としていたが、この機能は必須ではない。この機能を設けない場合、プッシュ操作の押下時間を判定することは必須ではなく、押下時間Dの算出及び閾値Tsとの比較に関する処理は不要である。
また、ロータリーエンコーダの回転操作及びプッシュ操作に従った動作は、上述の実施形態で説明したものに限られない。上述した図11乃至図13のフローチャートにおける「MIXバスの選択」の部分をプッシュ操作に従った動作のための処理に置き換え、センドレベルの変更及び過去の値の取扱に関する部分を回転操作に従った動作のための処理に置き換えれば、回転操作及びプッシュ操作に応じた動作が上述の実施形態と異なるものであっても、この発明は適用可能である。
また、上述の実施形態ではデジタルミキサ10が本体にコンソールを備える例について説明したが、この発明は、外部のコントローラによりミキシング機能を有する装置を制御する場合にも適用可能である。例えばPC上で動作させるDAW(デジタルオーディオワークステーション)アプリケーションの動作をフィジカルコントローラにより制御したり、操作パネルを有しないミキサエンジンの動作を外部コンソールにより制御したりする場合にも適用可能である。この場合、PCとフィジカルコントローラ、あるいはミキサエンジンと外部コンソールとが、合わせてデジタルミキサを構成すると考えることができる。
また、以上述べてきた構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
以上の説明から明らかなように、この発明のデジタルミキサによれば、フェーダ操作子による送出レベルの設定受付の対象とする送出先バスの選択を、他の機能を合わせ持つ物理的な操作子を利用して、操作性よく行えるようにすることができる。
従って、この発明を適用することにより、デジタルミキサの操作性を向上させることができる。
10…デジタルミキサ、11…CPU、12…フラッシュメモリ、13…RAM、14…外部機器I/O、15…表示器、16…操作子、17…波形I/O、18…DSP、19…システムバス、40…入力ch、44…chフェーダ、45…オンスイッチ、46…TO_STスイッチ、47…パン、51…PRE/POSTスイッチ、52…センドレベルフェーダ、53…センドオンスイッチ、70…MIXバス、82…MIX出力ch、100…操作パネル、110…タッチスクリーン、120…割当chストリップ部、121…chノブ、122…選択スイッチ、123…オンスイッチ、124…フェーダ、131…入力レイヤ選択スイッチ、132、出力レイヤ選択スイッチ、140…センドレベル設定部、141…センドノブ、200…入力ch画面、210…chスロット、215…つまみ、230…選択ch表示部、231…ch番号表示部、232…メータ表示部、233…SOFボタン、240…SOF表示部、241…バス選択部、242…バス選択ボタン、250…送出設定画面、260…送出設定部

Claims (5)

  1. 各々1つの入力チャンネルと対応させ、該入力チャンネルに関するレベルパラメータの設定操作を受け付けるための複数のフェーダ操作子と、
    各々1つのミキシングバスと対応させ、該ミキシングバスに関する操作を受け付けるための、押下操作及び回転操作が可能な複数のロータリーエンコーダと、
    前記ロータリーエンコーダの押下操作に応じて該ロータリーエンコーダと対応するミキシングバスを選択する第1の選択手段と、
    ユーザの操作に従って前記入力チャンネルの1つを選択する第2の選択手段と、
    前記フェーダ操作子の操作に従って該フェーダ操作子と対応する入力チャンネルから前記第1の選択手段により選択されているミキシングバスへのセンドレベルを設定する第1のセンドレベル設定手段と、
    前記ロータリーエンコーダの回転操作に従って、前記第2の選択手段により選択されている入力チャンネルから該ロータリーエンコーダと対応するミキシングバスへのセンドレベルを設定する第2のセンドレベル設定手段と、
    前記ロータリーエンコーダの押下操作の後第1の所定時間の間は、該ロータリーエンコーダの回転操作に従った前記第2のセンドレベル設定手段によるセンドレベルの設定を無効にする無効化手段とを設けたことを特徴とするデジタルミキサ。
  2. 請求項1に記載のデジタルミキサであって、
    前記ロータリーエンコーダの押下操作の前の第2の所定時間の間に該ロータリーエンコーダの回転操作に従ってなされた前記第2のセンドレベル設定手段によるセンドレベルの設定を無効にする第2の無効化手段を設けたことを特徴とするデジタルミキサ。
  3. 請求項2に記載のデジタルミキサであって、
    前記第2の無効化手段は、前記ロータリーエンコーダの回転操作に従って設定可能な各センドレベルにつき、当該デジタルミキサにおける信号処理に反映させる現在の値に加え、前記ロータリーエンコーダの押下操作開始よりも前記第2の所定時間だけ前の値も保持しておき、前記ロータリーエンコーダの押下操作終了に応じて、該ロータリーエンコーダの回転操作に応じて前記第2のセンドレベル設定手段が設定するセンドレベルの値を、前記保持しておいた第2の所定時間だけ前の値に置き換える手段であることを特徴とするデジタルミキサ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデジタルミキサであって、
    前記フェーダ操作子の操作に従って該フェーダ操作子と対応する入力チャンネルの信号レベルを設定するチャンネルレベル設定手段を有し、
    前記第1の選択手段及び前記第1のセンドレベル設定手段の機能を無効にし、前記チャンネルレベル設定手段の機能を有効にする第1の動作モードと、前記第1の選択手段及び前記第1のセンドレベル設定手段の機能を有効にし、前記チャンネルレベル設定手段の機能を無効にする第2の動作モードとを、ユーザの操作に従って切り替え可能であり、
    前記第1の動作モードでは、前記各無効化手段の機能を無効にすることを特徴とするデジタルミキサ。
  5. 動作モードとして第1の動作モード及び第2の動作モードのいずれかを指定する指定手段と、
    各々1つの入力チャンネルと対応させ、該入力チャンネルに関するレベルパラメータの設定操作を受け付けるための複数のフェーダ操作子と、
    入力チャンネルから供給される音響信号を混合するメインバスと、
    それぞれ入力チャンネルから供給される音響信号を混合する複数のミキシングバスと、
    各々1つのミキシングバスと対応する、押下操作及び回転操作が可能な複数のロータリーエンコーダと、
    複数の入力チャンネルの各々について、1つのフェーダレベルと、前記複数のミキシングバスの各々へのセンドレベルとを記憶するカレントメモリと、
    ユーザによる選択操作に応じて、複数の入力チャンネルのいずれか1つを選択するチャンネル選択手段と、
    前記複数のロータリーエンコーダの各々につき、該ロータリーエンコーダが押下操作されている間は該ロータリーエンコーダを高分解能とし、押下操作されていない間は該ロータリーエンコーダを低分解能とする分解能制御手段と、
    前記ロータリーエンコーダの回転操作に応じて、前記カレントメモリに記憶されたセンドレベルのうちの、前記チャンネル選択手段により選択されている入力チャンネルから操作されたロータリーエンコーダと対応するミキシングバスへのセンドレベルの値を、前記分解能制御手段が定める分解能で変更する第1の変更手段と、
    前記指定手段が前記第2の動作モードを指定している場合に、前記ロータリーエンコーダが所定の閾値より短い期間だけ押下されたことに応じて、該押下されたロータリーエンコーダと対応するミキシングバスを選択すると共に、該押下された期間から少なくとも第1の所定時間の間は、前記第1の変更手段によるセンドレベルの変更を無効化するバス選択手段と、
    前記指定手段が前記第1の動作モードを指定している場合に、前記フェーダ操作子の操作に応じて、前記カレントメモリに記憶されたフェーダレベルのうちの、該操作されたフェーダ操作子と対応する入力チャンネルのフェーダレベルの値を変更する一方、前記指定手段が前記第2の動作モードを指定している場合に、前記フェーダ操作子の操作に応じて、前記カレントメモリに記憶されたセンドレベルのうちの、前記操作されたフェーダ操作子と対応する入力チャンネルから前記バス選択手段が選択しているミキシングバスへのセンドレベルの値を変更する第2の変更手段と、
    各入力チャンネルに入力する音響信号を、その音量を前記カレントメモリに記憶されているその入力チャンネルのフェーダレベルに基づいて制御して前記メインバスに供給すると共に、該各入力チャンネルに入力する音響信号を、その音量を前記カレントメモリに記憶されているその入力チャンネルから各ミキシングバスへのセンドレベルに基づいてそれぞれ制御して、該センドレベルと対応するミキシングバスに供給するレベル調整手段とを有することを特徴とするデジタルミキサ。
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