本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、半導体発光素子の一例である窒化物半導体レーザ素子に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子の構造を示した断面図である。図2は、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子の活性層の構造を説明するための断面図である。図3は、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子のバンド構造を示した図である。なお、図3は、n型クラッド層からp型クラッド層までの伝導帯のバンド構造を示している。まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子100の構造について説明する。
第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子100は、図1に示すように、n型GaN基板10の成長主面(c面(0001))上に、約0.1μm〜約10μm(たとえば約4μm)の厚みを有するn型GaNからなるn型バッファ層11が形成されている。n型バッファ層11上には、約0.5μm〜約3.0μm(たとえば約2μm)の厚みを有するn型Al0.05Ga0.95Nからなるn型クラッド層12が形成されている。n型クラッド層12上には、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するn型GaNからなるn側光ガイド層13が形成されている。n側光ガイド層13上には、活性層14が形成されている。なお、n型GaN基板10は、本発明の「基板」の一例である。
この活性層14は、図2に示すように、アンドープInGaNからなる3つの井戸層14aと、アンドープGaNからなる2つの障壁層14bとが交互に積層された多重量子井戸(MQW)構造を有している。なお、井戸層14aは、たとえば、約4nmの厚みを有するInxGa1-xN(x=0.05〜0.1)から構成されており、障壁層14bは、たとえば、約8nmの厚みを有するGaNから構成されている。
また、活性層14上には、図1に示すように、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するアンドープGaNからなるp側光ガイド層15が形成されている。p側光ガイド層15上には、p型不純物の活性層14への拡散を抑制するアンドープAlGaN層16が形成されており、このアンドープAlGaN層16上には、p型AlGaN層17が形成されている。そして、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17とによって、キャリア(電子)のオーバーフローを抑制するキャリアバリア層30が構成されている。このキャリアバリア層30は、活性層14(井戸層14a)のInの蒸発を防止して、活性層14を保護する役割も有している。また、p側光ガイド層15は、活性層14の最終バリア層として機能する。なお、p側光ガイド層15は、本発明の「アンドープ層」の一例である。
ここで、第1実施形態では、上記アンドープAlGaN層16は、2nm以下の厚みに形成されている。また、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み(キャリアバリア層30の厚み)は、5nm以上となるように構成されている。具体的には、上記アンドープAlGaN層16は、2nmの厚みに形成されているとともに、上記p型AlGaN層17は、18nmの厚みに形成されている。このため、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み(キャリアバリア層30の厚み)は、5nmより大きい20nmとなっている。なお、アンドープAlGaN層16の厚みは、2nm以下に構成されているのが好ましく、1nm以下に構成されていればより好ましい。ただし、アンドープAlGaN層16の厚みは、0より大きい。また、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み(キャリアバリア層30の厚み)は、5nm以上に構成されているのが好ましく、7nm以上に構成されていればより好ましい。
また、第1実施形態では、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17のAl組成比は、15%以上50%以下(0.15以上0.5以下)に構成されている。具体的には、第1実施形態では、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17のAl組成比(キャリアバリア層30のAl組成比)は、それぞれ、30%に構成されている。このため、図3に示すように、キャリアバリア層30によって、キャリア(電子)に対して十分に高いエネルギー障壁が形成されるので、活性層14に注入されたキャリア(電子)がp型半導体層へ流入するのをより効果的に防ぐことが可能となる。
なお、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17のAl組成比は、15%以上50%以下(0.15以上0.5以下)に構成されているのが好ましく、25%以上50%以下(0.25以上0.5以下)に構成されていればより好ましい。
さらに、第1実施形態では、p型AlGaN層17が十分にp型化するように、p型AlGaN層17のp型キャリア濃度が1×1015cm-2以上に設定されている。なお、ここでいうキャリア濃度は、ドーピング濃度とは異なる。
また、上記キャリアバリア層30(p型AlGaN層17)上には、凸部と、凸部以外の平坦部とを有するp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層18が形成されている。p型クラッド層18の凸部上には、約0.01μm〜約1.0μm(たとえば約0.05μm)の厚みを有するp型GaNからなるコンタクト層19が形成されている。そして、このコンタクト層19とp型クラッド層18の凸部とによって、約1μm〜約10μm(たとえば約1.5μm)の幅を有するストライプ状(細長状)のリッジ部20が構成されている。このリッジ部20は、[1−100]方向に延びるように形成されている。
なお、第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子100では、n型不純物にSi(シリコン)が用いられており、p型不純物にMgが用いられている。
また、第1実施形態では、n型GaN基板10の所定領域に、n型GaN基板10の成長主面から厚み方向に掘り込まれた溝部10aが形成されている。この溝部10aは、たとえば、約1.5μm〜約2μmの深さを有しているとともに、約2μm〜約2.5μmの幅を有している。また、溝部10aは、リッジ部20と平行([1−100]方向)に延びるように形成されている。さらに、上記溝部10aは、窒化物半導体レーザ素子100の一方の側面側に配されている。そして、この溝部10aから所定の距離以上(たとえば、5μm以上)隔てた領域上に、上記リッジ部20が形成されている。
また、第1実施形態では、n型GaN基板10に溝部10aが形成されることによって、n型GaN基板10の成長主面上に形成された窒化物半導体各層の表面に窪み40が形成されている。そして、この窪み40によって、AlGaNとGaNとの格子不整合などに起因して生じる歪みが緩和されている。
ただし、キャリアバリア層30のAl組成比、および、キャリアバリア層30の厚みが大きくなり過ぎると、格子不整合などに起因する歪みの影響が大きくなり過ぎるため、クラックの発生を抑制することが困難となる。そのため、キャリアバリア層30は、Al組成比(%)と層厚(nm)との積が、1500%・nm以下となるように構成されているのが好ましい。具体的には、キャリアバリア層30は、たとえば、Al組成比が50%以下、層厚が30nm以下に構成されているのが好ましい。
リッジ部20を構成するコンタクト層19上には、約5nm〜約100nm(たとえば約15nm)の厚みを有するコンタクト電極22がストライプ状(細長状)に形成されている。このコンタクト電極22は、コンタクト層19と直接接触するように形成されている。なお、窒化物半導体は、p型半導体の抵抗率が大きくp型キャリアが生じ難いため、オーミック接触が取り難いという不都合がある。このため、コンタクト電極22は、コンタクト層19とオーミック接触を取るために、仕事関数の大きい金属材料であるPdから構成されている。
リッジ部20の両脇には、約0.1μm〜約0.3μm(たとえば約0.15μm)の厚みを有するSiO2からなる絶縁層21が形成されている。
また、絶縁層21の上面上には、コンタクト電極22よりも大きい平面積を有するp側パッド電極23が、コンタクト電極22の一部を覆うように形成されている。このp側パッド電極23は、コンタクト電極22の一部を覆っている部分において、コンタクト電極22と直接接触している。また、p側パッド電極23は、絶縁層21側からTi層(図示せず)およびAu層(図示せず)が順次積層された多層構造からなる。また、n型GaN基板10の裏面上には、多層構造からなるn側電極24が形成されている。
なお、拡散したp型不純物は活性化しにくい。これは、拡散するp型不純物は格子間などに入り易いので、p型キャリアとなりにくいためである。
図4〜図9は、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図である。次に、図1、図2および図4〜図9を参照して、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子100の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、n型GaN基板10(半導体ウェハ)に複数の溝部10aを形成する。この際、複数の溝部10aを、互いに所定の距離を隔てるとともに、同一方向([1−100]方向)に延びるようにストライプ状に形成する。また、複数の溝部10aは、[1−100]方向と直交する[11−20]方向に約150μm〜約600μm(たとえば、約400μm)の周期Tで等間隔に形成する。なお、複数の溝部10aは、それぞれ、n型GaN基板10の厚み方向の深さおよび幅の少なくとも一方が1μm以上となるように形成する。具体的には、たとえば、溝部10aは、n型GaN基板10の厚み方向の深さが、約1.5μm〜約2μmとなるように形成するとともに、その幅が、約2μm〜約2.5μmとなるように形成する。
次に、図5に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、n型GaN基板10上に、窒化物半導体各層を成長させる。具体的には、n型GaN基板10の成長主面(c面(0001))上に、約0.1μm〜約10μm(たとえば約4μm)の厚みを有するn型GaNからなるn型バッファ層11、約0.5μm〜約3.0μm(たとえば約2μm)の厚みを有するn型Al0.05Ga0.95Nからなるn型クラッド層12、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するn型GaNからなるn側光ガイド層13、活性層14を順次成長させる。
なお、活性層14を成長させる際には、図2に示したように、n側光ガイド層13上に、約4nmの厚みを有するアンドープInxGa1-xN(x=0.05〜0.1)からなる3つの井戸層14aと、約8nmの厚みを有するアンドープGaNからなる2つの障壁層14bとを交互に成長させる。これにより、n側光ガイド層13上に、3つの井戸層14aと2つの障壁層14bとからなるMQW構造を有する活性層14が形成される。
続いて、図5に示すように、MOCVD法を用いて、活性層14上に、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するアンドープGaNからなるp側光ガイド層15、アンドープAlGaN層16、p型AlGaN層17、約0.1μm〜約1.0μm(たとえば約0.5μm)の厚みを有するp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層18、約0.01μm〜約1.0μm(たとえば約0.05μm)の厚みを有するp型GaNからなるコンタクト層19を順次成長させる。なお、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17とによって、キャリアバリア層30が構成される。
このとき、n型半導体層(n型バッファ層11、n型クラッド層12およびn側光ガイド層13)は、約1200℃の成長温度で成長させる。活性層14およびp側光ガイド層15は、約800℃の成長温度で成長させる。アンドープAlGaN層16は、約800℃から約850℃まで成長温度を上げながら成長させる。p型AlGaN層17は、約850℃から約1200℃まで成長温度を上げながら成長させる。すなわち、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17)を成長させる際には、その成長温度を、約800℃から約1200℃まで徐々に(たとえば、100℃/5分)昇温しながら成長させる。また、p型クラッド層18およびコンタクト層19は、それぞれ、約1200℃の成長温度で成長させる。
なお、AlGaN層は出来るだけ高い温度で形成することで、AlGaN層中の欠陥が抑制される。そして、AlGaN層中の欠陥を抑制することによって、p型不純物(Mg)の拡散が抑制される。したがって、出来るだけ早くp型AlGaN層17の成長温度を900℃以上、できれば1000℃以上にすることが好ましい。
これらの窒化物半導体の原料としては、たとえば、Gaの原料としてトリメチルガリウム((CH3)3Ga:TMGa)を、Alの原料としてトリメチルアルミニウム((CH3)3Al:TMAl)を、Inの原料としてトリメチルインジウム((CH3)3In:TMIn)を、Nの原料としてNH3を用いることができる。また、キャリアガスとしては、たとえば、H2を用いることができる。ドーパントについては、n型ドーパント(n型不純物)としては、たとえば、モノシラン(SiH4)を用いることができ、p型ドーパント(p型不純物)としては、たとえば、シクロペンタジエニルマグネシウム(CP2Mg)を用いることができる。
ここで、第1実施形態では、Al組成比が15%以上50%以下(0.15以上0.5以下)となるように、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17(キャリアバリア層30)を形成する。具体的には、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17(キャリアバリア層30)を、そのAl組成比が30%となるように形成する。
また、第1実施形態では、上記アンドープAlGaN層16を、2nm以下の厚みに形成する。また、アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み(キャリアバリア層30の厚み)が、5nm以上となるように、各層を形成する。具体的には、上記アンドープAlGaN層16を、2nmの厚みに形成するとともに、上記p型AlGaN層17を、18nmの厚みに形成する。
さらに、第1実施形態では、p型AlGaN層17のp型キャリア濃度が1×1015cm-2以上となるように設定する。このため、p型AlGaN層17には、1×1019cm-3以上のドーピング濃度で、p型不純物であるMgをドープする。
なお、第1実施形態では、n型GaN基板10に溝部10aを形成することによって、図1に示したように、窒化物半導体各層の表面に窪み40が形成された状態となる。そして、この窪み40によって、格子不整合などに起因して生じる歪みが緩和されている。このため、キャリアバリア層30のAl組成比を、通常よりも高くした場合でも、クラックの発生が抑制される。
続いて、図6に示すように、p型クラッド層18の途中の深さまでエッチングを行うことにより、[1−100]方向に延びるストライプ状(細長状)のリッジ部20を形成する。
次に、図7に示すように、スパッタ法などにより、約0.1μm〜約0.3μm(たとえば約0.15μm)の厚みを有するSiO2層を全面に形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、SiO2層のリッジ部20上面部分を除去する。これにより、SiO2層に開口部が形成され、リッジ部20の上面(コンタクト層19)が露出されるとともに、リッジ部20の両脇に、SiO2層からなる絶縁層21が形成される。
その後、リッジ部20の上部以外の領域にレジスト(図示せず)を形成し、たとえば、EB蒸着法などを用いて、コンタクト層19上に、Pdからなるコンタクト電極を形成する。この際、コンタクト電極は、その厚みが5nm以上100nm以下(たとえば15nm)となるように形成する。そして、リフトオフによりレジスト(図示せず)を除去する。このようにして形成されたコンタクト電極22が図8に示されている。
なお、n型GaN基板10の上面全面にコンタクト電極を形成した後、リッジ部20の上部以外をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて除去することにより、コンタクト層19上に、コンタクト電極22を形成してもよい。
次に、絶縁層21が形成されたn型GaN基板10の上面上の全面にレジスト(図示せず)を形成するとともに、フォトリソグラフィ技術を用いて、リッジ部20(コンタクト電極22)の一部を含む所定領域を露出させる開口部をレジスト(図示せず)に形成する。そして、レジスト(図示せず)が形成されたn型GaN基板10上に、真空蒸着法などを用いて、基板側からTi層(図示せず)およびAu層(図示せず)を順次形成することにより、多層構造からなるp側パッド電極を形成する。その後、リフトオフによりレジストを除去する。これにより、図9に示すように、コンタクト電極22の一部を覆うように(コンタクト電極22の上面の一部と直接接触する)p側パッド電極23が形成される。
続いて、基板(半導体ウェハ)を分割し易くするために、n型GaN基板10の裏面を研削または研磨することにより、n型GaN基板10を約80μm〜約150μm(たとえば約100μm)の厚みまで薄くする。そして、研削または研磨した面にドライエッチングなどを施して表面を調整する。
次に、n型GaN基板10の裏面上に、真空蒸着法などを用いて、多層構造からなるn側電極24を形成する。
最後に、劈開により基板(半導体ウェハ)を分割することによって、個々のチップ(窒化物半導体レーザ素子)に個片化する。このようにして、本発明の第1実施形態による窒化物半導体レーザ素子100が製造される。
第1実施形態では、上記のように、p型AlGaN層17より活性層14側に配されたアンドープAlGaN層16の厚みを2nm以下(2nm)に構成することによって、ビルトイン電圧の増加を抑制することができる。これにより、動作電圧の上昇を抑制することができる。これは、p型不純物(Mg)が含まれていないアンドープAlGaN層16の厚みが2nm以下と薄いことで、pn接合がキャリアバリア層30中に無く、アンドープAlGaN層16(キャリアバリア層30)より活性層14側に形成されるためである。
すなわち、Inの蒸発を防止するために、活性層14は比較的低温(約800℃)で形成されるため、活性層14は、低濃度のn型の性質を示すと考えられる。このため、図3に示すように、pn接合は、n型の性質を示す活性層14とp型AlGaN層17との間に位置していると考えられる。また、アンドープAlGaN層16は、最初は低温(約800℃)から成長が開始するため、アンドープの層(アンドープAlGaN層16(p側光ガイド層15も含む))も、低濃度のn型の性質を示すと考えられる。ここで、アンドープAlGaN層16の厚みが大きい場合には、pn接合は、キャリアバリア層30中に位置する一方、アンドープAlGaN層16の厚みが小さくなると、上述のように、pn接合が、アンドープAlGaN層16(キャリアバリア層30)より活性層14側(たとえば、p側光ガイド層15)に位置すると考えられる。これにより、ビルトイン電圧への影響が小さくなると考えられる。したがって、上記のように、動作電圧の上昇を抑制することが可能となる。
また、第1実施形態では、p型AlGaN層17の活性層14側にアンドープAlGaN層16を形成することによって、p型AlGaN層17などから拡散したp型不純物(Mg)をアンドープAlGaN層16で吸収することができるので、p型不純物(Mg)が活性層14へ拡散するのを抑制することができる。これにより、活性層14にp型不純物(Mg)が拡散することに起因する発振閾値電流の上昇、および、発光効率の低下を抑制することができる。また、p型不純物(Mg)が活性層14に拡散するのを抑制することによって、p型不純物(Mg)が活性層14に拡散することに起因して、活性層14に欠陥が増殖するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、素子寿命の低下を抑制することができる。したがって、このように構成することにより、素子特性を向上させることができる。また、素子の信頼性を向上させることもできる。
なお、上記した第1実施形態の構成において、アンドープAlGaN層16の厚みが1nm以下に構成されていればより好ましい。このように構成すれば、ビルトイン電圧の増加を十分に抑制することができるので、動作電圧の上昇を十分に抑制することができる。また、アンドープAlGaN層16の厚みは、0.3nm以上であるのが好ましく、0.6nm以上であればより好ましい。このように構成すれば、活性層14へのp型不純物(Mg)の拡散を容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、活性層14とアンドープAlGaN層16との間に、アンドープGaNからなるp側光ガイド層15を形成することによって、p型不純物であるMgがドープされていないp側光ガイド層15が、活性層14の近傍に配されることになるので、活性層14とアンドープAlGaN層16との間に、Mgがドープされたp型半導体層が形成される場合と異なり、Mgによる光吸収を抑制することができる。このため、これによっても、発振閾値電流の上昇、および、発光効率の低下を抑制することができる。
また、第1実施形態では、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17)のAl組成比を、15%以上50%以下である30%に構成することによって、Mgの活性層14への拡散を容易に抑制することができる。これは、AlNの結合エネルギーとGaNの結合エネルギーとの差によるもので、AlNの結合エネルギーの方が、GaNの結合エネルギーより高いためである。加えて、キャリアバリア層30のAl組成比を高くすることにより、Alは、MgやBeなどのp型不純物と反応し易いために、Mgの活性層への拡散が抑制される。
また、第1実施形態では、活性層14(井戸層14a)に含まれるInの蒸発を抑制するために、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17を比較的低温で形成した場合でも、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17のAl組成比を高くすることによって、結晶性が悪化するのを抑制することができる。このため、結晶性が良好なアンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17を形成することができるので、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17)によって、Inの蒸発を抑制し、活性層14を保護することができる。これにより、活性層14の組成が設計値からずれたりするのを抑制することができる。また、結晶性の悪化に起因する量子井戸の界面における平坦性の悪化を抑制することができる。このため、量子井戸の界面における平坦性の悪化を抑制することによって、量子井戸の界面の平坦性が悪化することに起因して、量子効果が失われたりするという不都合が生じるのを抑制することができる。さらに、発振閾値電流が増加したり、発光効率が低下したりするという不都合が生じるのを抑制することもできる。
また、第1実施形態では、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17のAl組成比を、15%以上50%以下に構成することによって、キャリア(電子)に対して十分に高いエネルギー障壁を形成することができるので、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17を、キャリア(電子)のオーバーフローを抑制するキャリアバリア(キャリアバリア層30)として効果的に機能させることができる。これにより、Mgの活性層14への拡散を抑制しながら、温度特性を向上させることができる。その結果、窒化物半導体レーザ素子の高出力化、および、80℃以上での高温度動作を実現することが可能となる。
また、第1実施形態では、キャリアバリア層30の厚み(アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み)を、5nm以上とすることによって、キャリアバリア層30により、活性層14を効果的に保護することができる。加えて、アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17を、キャリアバリアとしてより効果的に機能させることができる。なお、キャリアバリア層30の厚み(アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み)を、5nm以上とすることによって、キャリアバリア層30の厚み(アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み)が小さくなり過ぎることに起因して、トンネル効果によってキャリアバリアの効果が低減するという不都合が生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、キャリアバリア層30のAl組成比を15%以上にするとともに、その厚みを5nm以上とすることによって、下地の平坦性が悪い場合でも、活性層14を効果的に保護することができる。これは、Al組成比が高くなると、活性層を保護する効果が高くなるとともに、厚みが大きくなることでも、活性層を保護する効果が高くなるためである。
また、第1実施形態では、p型AlGaN層17のキャリア濃度を、1×1015cm-2以上に設定することによって、p型AlGaN層17を十分にp型化することができるので、アンドープAlGaN層16の厚みを2nm以下に構成した際に、容易に、pn接合をアンドープAlGaN層16(キャリアバリア層30)より活性層14側に形成することができる。すなわち、p型AlGaN層17のキャリア濃度を、1×1015cm-2以上とすることによって、p型AlGaN層17のキャリア濃度が1×1015cm-2より低濃度となることに起因して、pn接合が、活性層14と反対方向側に形成され易くなるという不都合が生じるのを抑制することができる。このため、p型AlGaN層17の活性層14側に接するアンドープAlGaN層16の厚みを2nm以下とすることにより、容易に、pn接合をアンドープAlGaN層16(キャリアバリア層30)より活性層14側に持ってくることができる。これにより、容易に、ビルトイン電圧の増加を抑制することができる。
なお、上述のように、p型AlGaN層17には、p型化されたキャリアが存在することが重要である。拡散によってMgが存在してもp型キャリアにはなっていない。p型キャリアにならなければ、pn接合をアンドープAlGaN層16(キャリアバリア層30)より活性層14側に持ってくることが困難となる。
また、第1実施形態では、n型GaN基板10に、成長主面から厚み方向に掘り込まれた溝部10aを形成することによって、窒化物半導体各層の表面に窪み40が形成されるので、この窪み40によって、格子不整合などに起因して生じる歪みを緩和することができる。このため、クラックの発生を効果的に抑制することができる。これにより、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層16およびp型AlGaN層17)のAl組成比を容易に高くすることができるとともに、キャリアバリア層30の厚み(アンドープAlGaN層16とp型AlGaN層17との合計厚み)を容易に大きくすることができる。その結果、容易に、動作電圧の上昇を抑制しながら、素子特性を向上させることができる。また、クラックの発生を抑制することによって、クラックの発生に起因するキャリアバリア効果の低減を抑制することができる。さらに、活性層14に歪みが加わるのを抑制することができるので、活性層14に欠陥が増殖するのを効果的に抑制することができる。これにより、容易に、信頼性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態において、キャリアバリア層30の厚み(nm)とキャリアバリア層30のAl組成比(%)との積が1500%・nm以下となるように構成することによって、クラックの発生を抑制することができる。これにより、クラックの発生に起因するキャリアバリア効果の低減を抑制することができる。また、このように構成すれば、活性層14に歪みが加わるのを抑制することができるので、活性層14に欠陥が増殖するのを効果的に抑制することができる。これにより、容易に、信頼性を向上させることができる。
次に、上記実施形態による窒化物半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験について説明する。
この実験では、素子特性に及ぼすアンドープAlGaN層の層厚の影響を調べるために、アンドープAlGaN層の層厚を種々変えた窒化物半導体レーザ素子を作製し、光出力150mW時の動作電圧の測定を行った。なお、測定に供した窒化物半導体レーザ素子は、アンドープAlGaN層の層厚を除き、いずれの素子も上記第1実施形態と同様の構成とした。
その結果を、図10に示す。図10は、アンドープAlGaN層の層厚と動作電圧との関係を示した相関図である。なお、図10において、縦軸は、光出力150mW時の動作電圧(V)を示しており、横軸は、アンドープAlGaN層の厚み(nm)を示している。
図10より、アンドープAlGaN層の層厚が大きくなるに従い動作電圧の上昇が大きくなる傾向が見られる。一方、アンドープAlGaN層の層厚が2nm以下では、動作電圧の上昇は0.1Vと非常に小さい結果となった。また、アンドープAlGaN層の層厚が1nm以下では、動作電圧の上昇は全く見られなかった。これより、p型不純物(Mg)の活性層への拡散を抑制するために、アンドープAlGaN層を形成した場合でも、アンドープAlGaN層の層厚を2nm以下とすることによって、動作電圧の上昇が抑制され、素子特性にほとんど影響を及ぼさないことが確認された。また、アンドープAlGaN層の層厚を1nm以下とすれば、動作電圧の上昇が十分に抑制され、素子特性には全く影響を及ぼさないことが確認された。
次に、温度特性に及ぼすキャリアバリア層のAl組成比の影響を調べるために、キャリアバリア層のAl組成比を種々変えた窒化物半導体レーザ素子を作製し、温度特性の測定を行った。なお、測定に供した窒化物半導体レーザ素子は、いずれも、上記第1実施形態と同様、キャリアバリア層の層厚を20nmとした。また、その他の構成も、上記第1実施形態と同様とした。
また、温度特性の測定は、25℃における閾値電流(Ith1)と、80℃における閾値電流(Ith2)とを測定し、以下の(1)式より、温度特性T0(K)を求めた。
温度特性 T0=(T2−T1)/ln(Ith2/Ith1)・・・・・(1)
T1(K):測定温度 298K(25℃)
T2(K):測定温度 353K(80℃)
Ith1 :25℃での閾値電流
Ith2 :80℃での閾値電流
また、基準となる温度特性レベルを、温度特性が十分に高いといえるレベルである100(K)以上に設定した。具体的には、温度特性の基準レベルを150(K)に設定した。
その結果を、図11に示す。図11は、キャリアバリア層のAl組成比(%)と温度特性との関係を示した相関図である。なお、図11において、縦軸は、温度特性T0(25−80℃ K)を示しており、横軸は、キャリアバリア層のAl組成比(%)を示している。
図11より、キャリアバリア層のAl組成比が大きくなるに従い温度特性T0が大きくなる傾向が見られ、キャリアバリア層のAl組成比が15%以上で、温度特性T0が、基準レベルである150(K)以上となる結果が得られた。これより、キャリアバリア層のAl組成比を15%以上とすることで、十分に高い温度特性が得られることが確認された。
続いて、温度特性に及ぼすキャリアバリア層の層厚の影響を調べるために、キャリアバリア層の層厚を種々変えた窒化物半導体レーザ素子を作製し、温度特性の測定を行った。なお、キャリアバリア層のAl組成比は、15%および30%の2種類とした。また、温度特性の測定は、上記と同様に行った。
その結果を、図12に示す。図12は、キャリアバリア層の層厚と温度特性との関係を示した相関図である。なお、図12において、縦軸は、温度特性T0(25−80℃ K)を示しており、横軸は、キャリアバリア層の層厚(nm)を示している。
図12より、Al組成比15%および30%のいずれにおいても、キャリアバリア層の層厚が5nm以上で、温度特性T0が、基準レベルである150(K)以上となる結果が得られた。これより、キャリアバリア層の層厚を5nm以上とすることで、十分に高い温度特性が得られることが確認された。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子の構造を示した断面図である。図14は、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子のバンド構造を示した図である。なお、図14は、n型クラッド層からp型クラッド層までの伝導帯のバンド構造を示している。次に、図13および図14を参照して、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子200の構造について説明する。
この第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子200では、図13および図14に示すように、上記第1実施形態の構成において、アンドープAlGaN層216(16)が、1nmの厚みに形成されており、p型AlGaN層217(17)が、19nmの厚みに形成されている。そのため、アンドープAlGaN層216(16)とp型AlGaN層217(17)との合計厚み(キャリアバリア層30の厚み)は、上記第1実施形態と同様、20nmとなっている。また、アンドープAlGaN層216(16)およびp型AlGaN層217(17)のAl組成比(キャリアバリア層30のAl組成比)は、上記第1実施形態と同様、30%に構成されている。
また、第2実施形態では、p側光ガイド層215(15)がアンドープInGaNから構成されており、その厚みが上記第1実施形態に比べて小さくなっている。光ガイド層の厚みが小さくなると、光閉じ込めの効果が低減するため、第2実施形態では、光閉じ込めを有効に行うために、キャリアバリア層30上に、さらに、光ガイド層218が形成されている。
具体的には、第2実施形態では、活性層14とキャリアバリア層30との間に、約0.01μm〜約0.1μm(たとえば約0.05μm)の厚みを有するアンドープInGaNからなるp側光ガイド層215(15)が形成されている。また、キャリアバリア層30の活性層14とは反対側(キャリアバリア層30とp型クラッド層18との間)に、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するp型GaNからなる光ガイド層218が形成されている。
また、アンドープInGaNからなるp側光ガイド層215(15)は、活性層14の最終バリア層として機能する。この場合、上記キャリアバリア層30は、p側光ガイド層215(15)のInの蒸発を防ぐ蒸発防止層としても作用する。
また、第2実施形態では、p側光ガイド層215(15)の厚みを小さく形成することによって、第1実施形態に比べて、pn接合がより活性層14側(または、活性層14中)に形成されると考えられる。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層216(16)とp型AlGaN層217(17))の好ましい構成も、上記第1実施形態と同様である。
図15は、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子の製造方法を説明するための断面図である。次に、図15を参照して、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子200の製造方法について説明する。
まず、上記第1実施形態と同様のn型GaN基板10(溝部10aが形成されたn型GaN基板10)を用いて、その成長主面上に、窒化物半導体各層を成長させる。
具体的には、図15に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板10の成長主面(c面(0001))上に、約0.1μm〜約10μm(たとえば約4μm)の厚みを有するn型GaNからなるn型バッファ層11、約0.5μm〜約3.0μm(たとえば約2μm)の厚みを有するn型Al0.05Ga0.95Nからなるn型クラッド層12、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するn型GaNからなるn側光ガイド層13、活性層14、約0.01μm〜約0.1μm(たとえば約0.05μm)の厚みを有するアンドープInGaNからなるp側光ガイド層215(15)、1nmの厚みを有するアンドープAl0.3Ga0.7NからなるアンドープAlGaN層216(16)、19nmの厚みを有するp型Al0.3Ga0.7Nからなるp型AlGaN層217(17)、約0.01μm〜約0.2μm(たとえば約0.1μm)の厚みを有するp型GaNからなる光ガイド層218、約0.1μm〜約1.0μm(たとえば約0.5μm)の厚みを有するp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層18、約0.01μm〜約1.0μm(たとえば約0.05μm)の厚みを有するp型GaNからなるコンタクト層19を順次成長させる。
このとき、n型半導体層(n型バッファ層11、n型クラッド層12およびn側光ガイド層13)は、約1200℃の成長温度で成長させる。活性層14およびp側光ガイド層215(15)は、約800℃の成長温度で成長させる。アンドープAlGaN層216(16)は、約800℃から約900℃まで成長温度を上げながら成長させる。p型AlGaN層217(17)は、約900℃から約1200℃まで成長温度を上げながら成長させる。すなわち、キャリアバリア層30(アンドープAlGaN層216(16)およびp型AlGaN層217(17))を成長させる際には、その成長温度を、約800℃から約1200℃まで徐々に(たとえば、100℃/5分)昇温しながら成長させる。また、光ガイド層218、p型クラッド層18およびコンタクト層19は、それぞれ、約1200℃の成長温度で成長させる。
また、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、p型AlGaN層217(17)のp型キャリア濃度が1×1015cm-2以上となるように設定する。このため、p型AlGaN層217(17)には、1×1019cm-3以上のドーピング濃度で、p型不純物であるMgをドープする。
その後、上記第1実施形態と同様の工程を経て、本発明の第2実施形態による窒化物半導体レーザ素子200が製造される。
第2実施形態では、上記のように、アンドープAlGaN層216(16)の厚みを1nm以下(1nm)に構成することによって、ビルトイン電圧の増加を十分に抑制することができるので、動作電圧の上昇を十分に抑制することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、半導体発光素子の一例である窒化物半導体レーザ素子に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、窒化物半導体レーザ素子以外の半導体発光素子(たとえば、発光ダイオード素子)に本発明を適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、クラックの発生を抑制するために、基板に溝部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、基板に溝部を形成しない構成にしてもよい。この場合、アンドープAlGaN層(Al組成比15%、層厚1nm)、p型AlGaN層(Al組成比15%〜17%、層厚9nm)のように、Al組成比を下げたり、層厚を小さくしたりするのが好ましい。このように構成することにより、格子歪みなどに起因するクラックの発生が抑制されるので、素子寿命を向上させることが可能となる。
また、上記第1および第2実施形態において、窒化物半導体レーザ素子に溝部を含まないように、ウェハを分割してもよい。なお、本発明における「基板に溝部が形成されている」とは、分割前のウェハ(基板)に溝部が形成されていればよい。
また、上記第1および第2実施形態では、アンドープAlGaN層とp型AlGaN層とを同じAl組成比に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、アンドープAlGaN層とp型AlGaN層とは、異なるAl組成比となるように構成されていてもよい。この場合、p型AlGaN層のAl組成比の方が高いとキャリアバリアとしては効果的である。一方、アンドープAlGaN層のAl組成比の方が高いと活性層の保護に効果的である。
また、上記第1および第2実施形態では、成長温度を徐々に昇温しながら、アンドープAlGaN層およびp型AlGaN層を成長させた例を示したが、本発明はこれに限らず、それぞれの層で成長温度を固定して、各半導体層を成長させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、基板にn型GaN基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、InGaN、AlGaN、または、AlGaInNなどからなる基板や、サファイア基板などの絶縁性基板を用いてもよい。なお、基板上に結晶成長される窒化物半導体層の各層については、その厚みや組成等は、所望の特性に合うものに適宜組み合わせたり、変更したりすることが可能である。たとえば、半導体層を追加または削除したり、半導体層の順序を一部入れ替えたりしてもよい。また、導電型を一部の半導体層について変更してもよい。すなわち、窒化物半導体レーザ素子としての基本特性が得られる限り自由に変更可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、c面を成長主面とするn型GaN基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、m面やa面などの無極性面、または、半極性面を成長主面とする基板を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態において、アンドープAlGaN層のAl組成比は、AlxGa1-xN(0<x≦1)の範囲内において、適宜変更することができる。また、p型AlGaN層のAl組成比も、AlyGa1-yN(0<y≦1)の範囲内において、適宜変更することができる。
また、上記第1および第2実施形態において、n型クラッド層、p型クラッド層およびコンタクト層は、それぞれ、AlxGa1-xN層(0≦x≦1)から構成することができる。また、活性層および光ガイド層は、AlxGayIn1-x-yN層(0≦x≦1、0≦y≦1)を含んで構成することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、絶縁層をSiO2から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、SiO2以外の絶縁性材料から構成してもよい。たとえば、SiN、Al2O3やZrO2などから絶縁層を構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、MOCVD法を用いて、窒化物半導体各層を結晶成長させた例を示したが、本発明はこれに限らず、MOCVD法以外のエピタキシャル成長法を用いて、窒化物半導体各層を結晶成長させてもよい。MOCVD法以外の方法としては、たとえば、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)、および、MBE法(Molecular Beam Epitaxy)などが挙げられる。
また、上記第1および第2実施形態では、n側光ガイド層をn型に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、n側光ガイド層をアンドープとすることもできる。
また、上記第1実施形態では、p側光ガイド層としてアンドープGaNガイド層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、p側光ガイド層は、InGaNガイド層、InGaN/GaNガイド層、または、InGaN/GaN/AlGaNガイド層とすることもできる。このように構成した場合でも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第2実施形態では、p側光ガイド層としてアンドープInGaNガイド層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、p側光ガイド層は、GaNガイド層、InGaN/GaNガイド層、および、InGaN/GaN/AlGaNガイド層とすることもできる。このように構成した場合でも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、n型光ガイド層も上記と同様に構成することができる。
また、上記第2実施形態では、キャリアバリア層とp型クラッド層との間に、p型GaNからなる光ガイド層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、キャリアバリア層とp型クラッド層との間に形成される光ガイド層を、p型AlGaNから構成してもよい。また、n型光ガイド層も上記と同様に構成することができる。