JP2011023281A - 反射鏡付きランプ及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型かつ安価であり、外部電極の断線による通電不具合も発生し難い反射鏡付きランプを提供する。
【解決手段】発光部および当該発光部から延設された封止部を有し当該封止部に電極組立体が封止されたランプと、前記発光部から出射された光を反射する反射面および前記封止部が挿入される筒部を有する反射鏡とを有し、前記封止部と筒部とが固着剤によって固着された反射鏡付きランプであって、前記電極組立体における前記封止部から外部に導出している部分に接合される接合部と、前記接合部から延設されており少なくとも一部が前記固着剤中に埋め込まれるアンカー部とを有する補強板を備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射鏡付きランプ及び画像表示装置に関し、特に、反射鏡付きランプにおける外部電極とリード線との接続構造に関する。
液晶プロジェクタやDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)プロジェクタ等の画像表示装置の光源として、図15及び図16に示すような反射鏡付きランプが公知である。
図15に示す反射鏡付きランプ700は、発光部713および当該発光部713から延設された封止部714を有し当該封止部714に電極組立体712が封止された高圧放電ランプ710と、前記発光部713から出射された光を反射する反射面721および前記封止部714が挿入される筒部723を有する反射鏡720とを備える。電極組立体712の外部電極718は、封止部714に冠着された口金790と電気的に接続されており、当該口金790のボルト部791にリード線740先端の圧着端子744が装着され、ワッシャ792を挟んでナット793で締め付けられることによって、前記外部電極718と前記リード線740とが電気的に接続されている。
しかしながら、上記接続構造を採用すると、口金790によってランプ奥行き寸法L2が長くなるため、画像表示装置の小型化の妨げとなる。また、口金790の部品コスト分だけ反射鏡付きランプ700が高価になり、画像表示装置の低価格化の妨げにもなる。
これら課題を解決したランプとして、特許文献1には、図16に示す反射鏡付きランプ800が開示されている。反射鏡付きランプ800は、発光部813および当該発光部813から延設された封止部814を有し当該封止部814に電極組立体812が封止された高圧放電ランプ810と、前記発光部813から出射された光を反射する反射面821および前記封止部814が挿入される筒部823を有する反射鏡820とを備える点において、図15に示す反射鏡付きランプ700と同様である。しかしながら、封止部814には口金790が冠着されておらず、電極組立体812の外部電極818における封止部814から導出する部分819は剥き出しになっている。当該導出部分819をリード線840の先端に取り付けた導電性のスリーブ844に溶接することによって、外部電極818と前記リード線840とを電気的に接続している。
上記反射鏡付きランプ800の接続構造を採用すると、スリーブ844は口金790ほどランプ奥行き方向の幅を取らないため、ランプ奥行き寸法L3を短くすることができる。また、スリーブ844は口金790よりも安価であるため、部品コストも抑えられる。
特開2004−146097号公報
しかしながら、図16に示す反射鏡付きランプ800では、リード線840が引っ張られるなどして外部電極818に外力が加わった場合に、当該外部電極818の導出部分819が折れて断線し、通電不具合が発生するおそれがある。特に近年は、高圧放電ランプ810の高効率化を図るために封止部814の気密性向上が求められており、気密性向上のために外部電極818の直径を細くする傾向があるので、導出部分819が折れて断線し易くなっている。
本発明は、上記の課題に鑑み、小型かつ安価であり、外部電極の断線による通電不具合も発生し難い反射鏡付きランプを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、信頼性の高い高圧放電ランプを備えたメンテナンスの容易な画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る反射鏡付きランプは、発光部および当該発光部から延設された封止部を有し当該封止部に電極組立体が封止されたランプと、前記発光部から出射された光を反射する反射面および前記封止部が挿入される筒部を有する反射鏡とを有し、前記封止部と筒部とが固着剤によって固着された反射鏡付きランプであって、前記電極組立体における前記封止部から外部に導出している部分に接合される接合部と、前記接合部から延設されており少なくとも一部が前記固着剤中に埋め込まれるアンカー部とを有する補強板を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、上記高圧放電ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係る反射鏡付きランプは、電極組立体における封止部から外部に導出している部分に接合される接合部と固着剤中に埋め込まれるアンカー部とを有する補強板によって、前記導出部分の変位が抑制されているため、前記導出部分が断線し難く、その結果通電不具合が発生し難い。さらに、導出部分が断線し難いため、電極組立体とリード線との電気的な接続に口金が不要である。したがって、口金の分だけ反射鏡付きランプの奥行き寸法を短くすることができ、前記反射鏡付きランプの小型化を図ることができる。また、口金を使用しないことで部品コストを抑えることができ、反射鏡付きランプを安価に製造することができる。
本発明に係る画像表示装置は、上記高圧放電ランプを備えているため、従来の画像表示装置に比べてランプの交換の回数が少なくて済み、メンテナンスが容易である。
本実施の形態に係る反射鏡付きランプを示す断面図 本実施の形態に係る外部電極とリード線との接続構造を示す斜視図 本実施の形態に係る補強板を示す平面図 外部電極とリード線との接続強度に関する実験方法を説明するための図 外部電極とリード線との接続強度に関する実験結果を示す図 本実施の形態に係る第1の画像表示装置を示す一部破断斜視図 本実施の形態に係る第2の画像表示装置を示す斜視図 変形例1に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図 変形例2に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図 変形例3に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図 変形例4に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図 変形例5に係る補強板を示す図 変形例6に係る補強板を示す図 変形例7に係る反射鏡付きランプを示す断面図 従来例に係る反射鏡付きランプを示す断面図 従来例に係る反射鏡付きランプを示す断面図
以下、本実施の形態に係る反射鏡付きランプ及び表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。また、本発明において、数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含む。
[反射鏡付きランプ]
図1は、本実施の形態に係る反射鏡付きランプを示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る反射鏡付きランプ100は、高圧放電ランプ110、反射鏡120、補強板130、一対のリード線140a,140b及びコネクタ150を備える。
高圧放電ランプ110は、所謂ダブルエンド型であって、例えば石英ガラス製の放電容器111と、一対の電極組立体112a,112bとを備える。
放電容器111は、発光部113と、当該発光部113の両側から延設された一対の封止部114a,114bとからなる。
発光部113は、内部に放電空間115を有し、当該放電空間115には、例えば、発光物質としての水銀、始動補助用としての希ガス、及び、ハロゲンガスが封入され、ランプ点灯中の水銀蒸気圧が約300[気圧]である。なお、希ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のいずれか又はそれらの少なくとも2種の混合ガス等が挙げられる。また、ハロゲンガスとしては、例えば、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)のいずれか又はそれらの少なくとも2種の混合物質などが挙げられる。
一対の封止部114a,114bは、一方(以下、第1封止部114aと称する)のみが反射鏡120と固着されており、他方(以下、第2封止部114bと称する)はどこにも固着されていない。
第1封止部114a及び第2封止部114bには、それぞれ電極組立体112a,112bが封止されており、前記第1封止部114aのみに金属キャップ160が冠着されている。金属キャップ160は、発光部113から出射された紫外線が第1封止部114aを通過して外部へ漏れるのを防止するための部材である。
第2封止部114bには、トリガー線170の一端部が巻き付けられている。トリガー線170は、ランプ点灯時の始動電圧を下げるための部材であって、放電容器111の外周面に沿って第1封止部114aまで引き廻され、電極組立体112aの外部電極118aに巻き付けられた巻付部分171で前記外部電極118aと電気的に接続されている。
各電極組立体112a,112bは、電極116a,116b、金属箔117a,117b及び外部電極118a,118bを備え、それら電極116a,116b、金属箔117a,117b及び外部電極118a,118bがこの順で例えば溶接等により接合されたものであって、主として金属箔117a,117bの部分において封止部114a,114bに封止されている。
各電極116a,116bは、例えばタングステン製であって、互いの先端部が放電容器111の放電空間115内で対向し、且つ、先端部と反対側の端部が封止部114a,114b内に埋め込まれた状態で、略一直線上に並べて配設されている。先端部間の距離である電極間距離は、ショートアーク形の場合、例えば0.5mm〜2.0mmの範囲に設定されている。
各金属箔117a,117bは、例えば、モリブデン(Mo)製で略短冊状であって、長尺方向の一端部には電極116a,116bが接合され、他端部には外部電極118a,118bが接合されている。そして、金属箔117a,117bの全体が封止部114a,114b内に埋め込まれている。
外部電極118a,118bは、例えば、モリブデン製で直径約0.4mmの棒状であって、金属箔117a,117b側が封止部114a,114b内に埋め込まれ、金属箔117a,117bとは反対側が封止部114a,114bから外部に導出されている。なお、外部電極118a,118bの直径は約0.4mmに限定されないが、封止部114a,114bの気密性を高めるためには、0.5mm以下であることが好ましく、この場合は特に外部電極118aが外力により折れ易いため、本発明に係る構成が有効である。
なお、金属キャップ160には外部電極118aを挿通させるための孔部(不図示)が設けられており、外部電極118aは前記孔部を通って外部へ導出されている。なお、外部電極118a,118bは、モリブデン製に限定されず、タングステン製であっても良い。
反射鏡120は、例えばダイクロイック反射鏡であって、発光部113から出射された光を反射する凹状の反射面121を有する椀部122と、当該椀部122から延設された筒部123とを有する。高圧放電ランプ110の第1封止部114aを椀部122の反射面121側から筒部123内へと挿入し、反射面121の焦点と高圧放電ランプ110の一対の電極116a,116b間の中央位置とを略一致させた状態で、第1封止部114aと前記筒部123との隙間に固着剤180としてのセメントを充填して、高圧放電ランプ110と反射鏡120とが固着されている。なお、固着剤180は、セメントに限定されず、ランプ用の固着剤として入手可能な市販品を使用して良い。
図2は、本実施の形態に係る外部電極とリード線との接続構造を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る補強板を示す平面図である。図2に示すように、電極組立体112aにおける封止部114aから外部に導出している部分119(外部電極118aにおける封止部114aから外部に導出している部分)は、補強板130により変位が抑制されており、折れ難くなっている。
補強板130は、板材を例えば打ち抜き加工して作製したものであって、図3に示すように、導出部分119が接合される接合部131と、当該接合部131から延設された一対の並行する舌片132a,132bからなるアンカー部133とを有する。なお、アンカー部133は、1つ又は3つ以上の舌片で構成されていても良い。
接合部131は、略三角形状であって、舌片132a,132b側の端部134に略半円状の切欠部分135が形成されており、図2に示すように、前記端部134を第1封止部114a(正確には金属キャップ160)に当接させた際に、前記接合部131がトリガー線170の巻付部分171と接触しないようになっている。
図3に戻って、接合部131は、舌片132a,132bと反対側の端部136が山形に形成されており、導出部分119が配置される領域では舌片延出方向の幅が広く、導出部分119が配置されない領域では舌片延出方向の幅が狭くなっている。このような形状にすることで、導出部分119と接合する領域の面積を広く確保しながら、接合部131の小型化、軽量化を図っている。
また、接合部131は、舌片延出方向の幅W1が約5.5mmであり、導出部分119が配置される領域の幅W2が約4.0mmである。幅W1は、ランプ奥行き寸法L1(図1参照)を短くするために、6.0mm以下であることが好ましく、さらに、延出部分119と同程度の長さであることが好ましい。
接合部131は、導出部分119と、例えば溶接により接合されている。なお、接合方法は、例えば、ねじ締め、かしめ、付着など溶接以外の方法であっても良いが、接合強度の強い溶接がより好ましい。
各舌片132a,132bは、帯状であって、帯幅(舌片延出方向と直交する方向の幅)W3は約1mmである。幅W3は、第1封止部114aと筒部123との隙間の幅よりも小さく、舌片132a,132bを前記隙間に差し込むことが可能である。舌片132a,132bを前記隙間に差し込んだ場合は、補強板130をより強固に固着剤180で固定することができる。なお、各舌片132a,132bの舌端は丸みを帯びており、前記舌片132a,132bを前記隙間に差し込み易くなっている。
一対の舌片132a,132b間の幅W4は約6.5mmであって、第1封止部114aを挟んで両側に配置できるように、第1封止部114aの外径よりは少し大きくなっている。幅W4は、第1封止部114aの外径に応じて3mm〜8mmであることが好ましい。
図2に戻って、一対の舌片132a,132bは、第1封止部114aを挟み、かつ、前記第1封止部114aの外表面に沿うように配置され、それぞれの舌端が固着剤180中に埋め込まれる。なお、一対の舌片132a,132bの舌端は、第1封止部114aと筒部123との隙間に入り込んでいても良いし、入り込んでいなくても良い。
各舌片132a,132bが固着剤180によって固定されており、接合部131が導出部分119に接合されており、かつ、各舌片132a,132bと接合部131とが一体(不動の関係)であるため、導出部分119は補強板130を介して固着剤180に対し位置的に固定されている。したがって、リード線140aが引っ張られるなどして外力が加わったときは、導出部分119に伝わるはずだった外力が補強板130を介して固着剤180に伝わる。これにより、導出部分119が折れるのを防止することができる。
補強板130は、外部電極118a,118bの材料であるモリブデンと溶接性の良い鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金製である。なお、補強板130の材料は、鉄−ニッケル合金に限定されず他の金属であっても良いが、外部電極118aと溶接性の良い材料であることが好ましい。例えば、鉄(Fe)、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)、ニッケル合金、クロム(Cr)等の金属、及び、亜鉛(Zn)メッキ材、錫(Sn)メッキ材等のメッキ材等が考えられる。
さらに、補強板130の材料は、セラミックやガラス等の非金属であっても良い。但し、耐熱性の高い材料であることが好ましい。具体的には、耐熱温度が300℃以上の材料であることが好ましい。
補強板130は、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金製であるため、導電性を有する。このように補強板130が導電性を有する場合は、接合部131と導出部分119とを溶接することで補強板130と外部電極118aとを電気的に接続することができる。なお、補強板130は、導電性を有するものに限定されない。
図1に戻って、各リード線140a,140bは、被覆導線141a,141b、ニッケル線142a,142b、及び、それらを接続する接続部材143a,143bからなる。各リード線140a,140bのニッケル線142a,142b側の先端部には、接続端子としてのスリーブ144a,144bが取り付けられており、被覆導線141a,141b側の先端部には、コネクタ150が取り付けられている。なお、リード線140a,140bは、上記構成に限定されず、例えば継線でなく単線であっても良い。また、接続端子はスリーブに限定されず、導電性を有する部材であれば良い。
各リード線140a,140bは、高圧放電ランプ110の電極組立体112a,112bに、スリーブ144a,144bを介して電気的に接続されている。なお、第2封止部114bに封止されている電極組立体112bに接続されるリード線140bは、反射鏡120の椀部122に形成された貫通孔124を通って反射鏡120の内部へ挿入され、外部電極118bに接続されている。
被覆導線141a,141bは、導電性を有する芯材145a,145bを絶縁性の被覆材146a,146bで被覆したものであり、前記芯材145a,145bとニッケル線142a,142bとが接続部材143a,143bによって接続されている。なお、ニッケル線142a,142bは、純ニッケル線に限定されず、銅−ニッケル(Cu−Ni)等のニッケル合金製であっても良い。
スリーブ144a,144bは、外部電極118a,118bとリード線140a,140bとの接合強度を向上させるための接続端子であって、鉄−ニッケル合金製の筒状体をニッケル線142a,142bに外嵌させ、それをかしめることによって、前記リード線140a,140bに取り付けられている。なお、スリーブ144aの材料は、鉄−ニッケル合金に限定されないが、外部電極118aとのなじみの良い材料であることが好ましい。
スリーブ144a,144bは、外部電極118a,118bに、例えば溶接により接合されている。具体的には、外部電極118a,118bとスリーブ144a,144bとが直交し、かつ、スリーブ144a,144bが外部電極118a,118bを抱き込むように「く」の字形に折れ曲げられた状態で溶接されている。このように、「く」の字形に折れ曲げることによってスリーブ144a,144bと外部電極118a,118bとの接触面積を大きくして接合強度を高めている。なお、スリーブ144a,144bと外部電極118a,118bとは、例えば、ねじ締め、かしめ、圧着など溶接以外の方法によって接合されていても良いが、接合強度の強い溶接がより好ましい。
また、スリーブ144aは、例えば長手方向両端部が補強板130の接合部131に例えば溶接等により接合されている。なお、スリーブ144a,144bと補強板130とは、例えば、ねじ締め、かしめ、圧着など溶接以外の方法によって接合されていても良いが、接合強度の強い溶接がより好ましい。
外部電極118aと補強板130との溶接、外部電極118aとスリーブ144aとの溶接、スリーブ144aと補強板130との溶接は、一度に行うことが可能であり、これにより、外部電極118a、補強板130及びスリーブ144aは一体に接合され、かつ、それぞれが電気的に接続される。
[外部電極とリード線との接続強度の評価]
外部電極とリード線との接続強度を実験により評価した。実験では、実施例として、上記本実施の形態に係る反射鏡付きランプ、すなわち、外部電極の直径が約0.4mmであり、補強板を備える反射鏡付きランプを用いた。また、比較例1として、外部電極が約0.6mmである点、補強板を備えていない点が実施例と異なる反射鏡付きランプを用いた。さらに、比較例2として、補強板を備えていない点が実施例と異なる反射鏡付きランプ(外部電極は実施例と同じ約0.4mm)を用いた。
図4は、外部電極とリード線との接続強度に関する実験方法を説明するための図であって、図1における矢印Aの方向から見た図である。図4に示すように、実験では、反射鏡付きランプの反射鏡を固定しておき、リード線140aのニッケル線142aを、その軸心がラインX1上からラインX2上に移動するように折り曲げ(外部電極118aからスリーブ144aを引き剥がす方向に折り曲げ)、さらに前記軸心がラインX2上からラインX1上に移動するように折り曲げ、この往復動作を1回とカウントして、何回で外部電極118aとリード線140aとの接続(電気的な接続)が断たれるかを評価した。なお、ラインX1とラインX2との交差角度Bは約90°である。また、往路動作だけで接続が断たれた場合は0.5回とカウントした。
図5は、外部電極とリード線との接続強度に関する実験結果を示す図である。図5に示すように、実施例では平均10.8回で外部電極とリード線との接続が断たれた。これに対して、比較例1では平均11.6回で接続が断たれ、比較例2では平均3.2回で接続が断たれた。
実験結果から明らかなように、実施例は、外部電極の直径が0.4mmであるにもかかわらず、外部電極の直径が0.6mmである比較例1と同程度の接続強度を有した。一方、比較例2は、実施例と同様に外部電極の直径が0.4mmであるが、補強板を備えていないため、実施例ほどの接続強度はなかった。このような接続強度の差は、補強板によって外部電極の強度が補強されているか否かの差によるものだと考えられる。
また、実施例及び比較例1ではリード線が折れたのに対して、比較例2では外部電極が折れた。比較例1は、ニッケル線及び外部電極が共に直径0.6mmであるが、材質の違いによりリード線の方が折れたのだと考えられる。比較例2は、外部電極の直径が0.4mmと細かったため、前記外部電極が折れたのだと考えられる。実施例も、外部電極の直径が0.4mmと細いが、補強板によって外部電極の変位が抑制されているため(外部電極が位置的に固定されているため)外部電極が折れ難くなっており、リード線が折れたのだと考えられる。なお、外部電極の変位が抑制されるのは、リード線から受ける外力の大部分が補強板を介して固着剤に伝わり、外部電極へ伝わり難いからであると考えられる。
[画像表示装置]
図6は、本実施の形態に係る第1の画像表示装置を示す一部破断斜視図であって、内部の様子がわかるように筐体の天板を取り除いている。図6に示すように、本実施の形態に係る第1の画像表示装置200は、前方に設置したスクリーン(不図示)に向けて画像を投影する投射型のフロントプロジェクタであって、DLP(登録商標)方式を採用している。当該画像表示装置200は、筐体201内に、光源としての反射鏡付きランプ100、DMD(登録商標)や3色のカラーフィルタからなるカラーホイール(いずれも不図示)等を有する光学ユニット202、前記DMD等を駆動制御する制御ユニット203、投射レンズ204、冷却ファンユニット205、及び、商用電源から供給される電力を前記制御ユニット203や前記反射鏡付きランプ100に適した電力に変換して供給する電源ユニット206等が収納された構成を有する。
図7は、本実施の形態に係る第2の画像表示装置を示す斜視図である。図7に示すように、本実施の形態に係る第2の画像表示装置300は、投射型のリアプロジェクタであって、光源としての反射鏡付きランプ100、光学ユニット(不図示)、投射レンズ(不図示)及びミラー(不図示)等が筐体301内に収納された構成であり、前記投射レンズから投射され前記ミラーで反射された画像が、透過式スクリーン302の裏側から投影されて画像を表示する。
第1及び第2の画像表示装置200,300は、断線による不点が起こり難く信頼性の高い長寿命な反射鏡付きランプ100を備えているため、従来の画像表示装置に比べてメンテナンスが容易である。
[変形例]
以上、本発明に係る反射鏡付きランプ及び画像表示装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る反射鏡付きランプ及び画像表示装置は、上記の実施の形態に限定されない。例えば以下のような変形例が考えられる。
<外部電極とリード線との接続構造の変形例>
上記本実施の形態では、外部電極118aとリード線140aとの接続構造は、外部電極118aと補強板130、外部電極118aとスリーブ144a、及び、補強板130とスリーブ144aがそれぞれ溶接により直接接合された構成であったが、このような構成に限定されず例えば以下のような構成であっても良い。
図8は、変形例1に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図である。図8に示すように、変形例1に係る接続構造では、外部電極118aと補強板130とが直接接合されており、スリーブ144aと補強板130とも直接接合されているが、外部電極118aとスリーブ144aとは直接接合されていない。しかしながら、補強板130が導電性を有していれば、当該補強板130を介して外部電極118aとスリーブ144aとの電気的な接続を確保することができる。このような接続構成とすれば、補強板130を固着剤で固定する前に、予め前記補強板130にスリーブ144aを接合しておくことができる。
図9は、変形例2に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図である。変形例1に係る接続構造では、補強板130の一方の主面に外部電極118aが接合され、前記補強板130の他方の主面にスリーブ144aが接合されていたが、図9に示す変形例2に係る接続構造では、補強板130の同一の主面に外部電極118aとスリーブ144aの両方が接合されている。このように補強板130が導電性を有していれば、スリーブ144aを接合する位置は前記補強板130のどの部位であっても良く、その場合でも変形例1と同様の効果を得ることができる。
図10は、変形例3に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図である。変形例1及び変形例2に係る接続構造では、補強板130が導電性を有していなければ外部電極118aとリード線140aとを電気的に接続することができなかったが、図10に示す変形例3に係る接続構造であれば、補強板130が導電性を有していなくても、外部電極118aとリード線140aとを電気的に接続することができる。
変形例3に係る接続構造では、リード線140aのニッケル線142aが外部電極118aに直接接合されている。具体的には、ニッケル線142aの先端がスリーブ144aから突出しており、その突出した部分147が外部電極118aに溶接により接合されている。このような構成とすれば、導電性を有さない補強板130であっても、変形例1と同様の効果を得ることができる。
図11は、変形例4に係る外部電極とリード線との接続構造を示す図である。図11に示すように、変形例4に係る接続構造では、外部電極118aと補強板130とが直接接合されておらず、スリーブ144aを介して接合されている。このように、外部電極118aは必ずしも補強板130に直接接合されていなくても良く、前記補強板130によって変位が規制されるのであれば間接的に前記補強板130に接合されていても良い。
<補強板の形状の変形例>
補強板の形状は、上記実施の形態に係る形状に限定されず、例えば、以下のような形状とすることが考えられる。
図12は、変形例5に係る補強板を示す図である。図12に示すように、変形例5に係る補強板430は、略U字形であって、接合部431と、当該接合部431から延設された一対の舌片432a,432bからなるアンカー部433とを有する。接合部431は、上記実施の形態に係る接合部131と同じ機能を果たし、一対の舌片432a,432bは、上記実施の形態に係る一対の舌片132a,132bと同じ機能を果たす。補強板430は、接合部431が小さく軽量であるため、反射鏡付きランプの低コスト化、軽量化に適している。
図13は、変形例6に係る補強板を示す図である。図13に示すように、変形例に係る補強板530は、略U字形の板材における両端部を90°に捻ってなる形状であって、接合部531と、当該接合部531から延設された一対の舌片532a,532bからなるアンカー部533とを有する。接合部531は、上記実施の形態に係る接合部131と同じ機能を果たし、一対の舌片532a,532bは、上記実施の形態に係る一対の舌片132a,132bと同じ機能を果たす。補強板530は、一対の舌片532a,532bの一方の主面同士が対向する形状を有するため、筒部123と封止部114aとの隙間が狭い場合でも、その隙間に前記舌片532a,532bを差し込み易い。
<ランプの変形例>
本発明に係るランプは所謂ダブルエンド型の高圧放電ランプに限定されず、例えば所謂シングルエンド型の高圧放電ランプであっても良い。
図14は、変形例7に係る反射鏡付きランプを示す断面図である。図14に示すように、変形例7に係る反射鏡付きランプ600は、所謂シングルエンド型の高圧放電ランプ610と反射鏡620とを備え、実施の形態と同様に、高圧放電ランプ610が反射鏡620の筒部623に固着剤680を介して保持されている。
高圧放電ランプ610は、放電空間615を有する発光部613と、この発光部613から延出する1つの封止部614とからなる放電容器611と、前記放電空間615の内部で先端部同士が対向する状態で封止部614に封止されている一対の電極組立体612a,612bとを備える。放電空間615には、水銀、希ガス及びハロゲンガスが封入されている。封止部614における発光部613と反対側の端部には、金属キャップ660が冠着されている。
電極組立体612a,612bは、電極616a,616b、金属箔617a,617b及び外部電極618a,618bがこの順で接続されてなり、主に金属箔617a,617bの部分で封止部614に封止されている。各外部電極618a,618bの一方の端部は、封止部614から外部に導出されている。
補強板630は、外部電極618a,618bの導出部分が溶接により接合されている接合部631と、当該接合部631から延設された一対の舌片632a,632bを有し、それら舌片632a,632bの舌端が固着剤680に埋め込まれた状態で当該固着剤680により固定されている。補強板630の接合部631には、一対のリード線640a,640bのニッケル線642a,642bの先端に取り付けられた導電性のスリーブ644a,644bがそれぞれ溶接により接合されており、それらリード線640a,640bと外部電極618a,618bとがそれぞれ電気的に接続されている。
また、各スリーブ644a,644bと補強板630も溶接により接合されている。なお、補強板630は、導電性を有さない材料で作製されており、スリーブ644a,644b同士は電気的に絶縁されている。
以上のように、本発明に係るランプは、シングルエンド型の高圧放電ランプ610を備えた反射鏡付きランプ600にも適用することができる。なお、本発明に係るランプは、高圧放電ランプに限定されない。
<その他>
本発明に係る反射鏡付きランプにおいて、リード線及びスリーブは不可欠ではなく、それらリード線及びスリーブを備えていない構成であっても良い。
また、リード線は備えているがスリーブは備えておらず、リード線がスリーブを介さずに外部電極と電気的に接続されている構成であっても良い。その場合、外部電極とリード線との接続強度を確保するために、前記リード線が補強板に溶接等により接合されていることが好ましい。さらに、補強板が導電性を有し、当該補強板を介して外部電極とリード線とが電気的に接続されていることが好ましい。なお、補強板を介して外部電極とリード線とが電気的に接続されている場合は、必ずしも前記外部電極とリード線とが直接電気的に接続されている必要はない。
本発明に係る反射鏡付きランプ及び画像表示装置は、液晶プロジェクタやDMDプロジェクタ等の画像表示装置に広く利用できる。
100 反射鏡付きランプ
110,610 ランプ
112a,112b,612a,612b 電極組立体
113,613 発光部
114a,114b,614 封止部
119 導出部分
120,620 反射鏡
121 反射面
123,623 筒部
130,430,530,630 補強板
131a,131b,631a,631b 接合部
132a,132b,632a,632b 舌片
133,633 アンカー部
140a,140b 640a,649b リード線
144a,144b,644a,644b スリーブ
180,680 固着剤
200,300 画像表示装置

Claims (8)

  1. 発光部および当該発光部から延設された封止部を有し当該封止部に電極組立体が封止されたランプと、前記発光部から出射された光を反射する反射面および前記封止部が挿入される筒部を有する反射鏡とを有し、前記封止部と筒部とが固着剤によって固着された反射鏡付きランプであって、
    前記電極組立体における前記封止部から外部に導出している部分に接合される接合部と、前記接合部から延設されており少なくとも一部が前記固着剤中に埋め込まれるアンカー部とを有する補強板を備えることを特徴とする反射鏡付きランプ。
  2. 前記アンカー部は、前記接合部から延設された一対の舌片からなり、それら舌片は、前記封止部を挟んだ状態で配置され各舌端が前記固着剤に埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の反射鏡付きランプ。
  3. 前記接合部と前記電極組立体の導出部分とが溶接により接合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の反射鏡付きランプ。
  4. さらに、前記電極組立体に電流を供給するためのリード線を備え、当該リード線の一端部には導電性を有する接続端子が取り付けられており、前記リード線と前記導出部分とが前記接続端子を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射鏡付きランプ。
  5. 前記接続端子が前記補強板に接合されていることを特徴とする請求項4に記載の反射鏡付きランプ。
  6. 前記補強板は導電性を有し、前記導出部分と前記接続端子とが前記補強板を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の反射鏡付きランプ。
  7. さらに、前記電極組立体に電流を供給するためのリード線を備え、前記補強板は導電性を有し、前記導出部分と前記リード線とが前記補強板を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射鏡付きランプ。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の反射鏡付きランプを備えることを特徴とする画像表示装置。
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