JP2011023259A - バットコンタクト式コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メス側電極10は、メス側接点11を先端部に保持し、インシュレータ30の孔内を軸方向に進退するスリーブ13と、スリーブ13を先端方向に付勢するバネ19と、スリーブ13の内孔に先端部が挿入されて、後端部において電路36と接続されている芯金17とを有する。芯金17の外面には、スリーブ13の内孔に押し当てられるように接触する、径方向の弾性を有する弾性導電部材20が装着されている。コネクタのオンオフの繰り返しにおけるスリーブ13の軸方向の進退時には、弾性導電部材20がスリーブ13の内面に接触しながら摺動する。弾性導電部材20はスリーブ13の内面に弾性を持って接触しているので、両者間に安定な導通が得られ、耐久性が向上する。
【選択図】図1
Description
メス側電極210は、インシュレータ230に形成された内孔に進退可能に配置されている。同電極210は、オス側電極の接点と接する接点211と、同接点211が取り付けられている可動接点台212と、レセプタクル側の電路に接続する固定端子部236と、を有する。可動接点台212はバネ217により、先端方向(オス側電極方向)に付勢されている。また、可動接点台212と固定端子部236とは可撓性導電部材220により導通可能に接続されている。大電流回路用の場合、可撓性導電部材220として可撓軟銅線を使用するのが一般的である。
(1)コネクタのオン−オフ動作時には、接点211が取り付けられている可動接点台212がインシュレータ230の内孔をスライドし、これに伴って、図9に示すように、可撓軟銅線220が屈曲・伸長する。このオン−オフ動作を繰り返すと、可撓軟銅線220は繰り返し屈曲・伸長運動することとなり、可撓軟銅線220の一部が加工硬化を起こす。するとその反力により可動接点台212の戻り力を弱めたり、接点同士が正対せず温度上昇を引き起こすおそれがある。
(2)また、屈曲・伸長運動の繰り返しによる加工硬化により、可撓軟銅線220の一部断線や全面断線を起こしやすく、耐久寿命は1万回程度である。
(3)耐久寿命を延ばすには、可撓軟銅線220の径を大きくすることや長さを長くすることが必要になり、コネクタの小型化を図り難い。
(4)可撓軟銅線220を可動接点台212や固定端子部236に接続する方法として、カシメ方法やスポット溶接が挙げられるが、これらの作業は熟練度を要し、作業効率が悪くコストアップにつながる。
この場合、弾性導電部材が中間胴部の弾性潰れによって、芯金の外面とスリーブの内孔との間に突っ張るように接触するので、両者間に安定な導通を与えることができる。
この場合も、リング状コイルバネがリング断面の弾性潰れによって、芯金の外面とスリーブの内孔との間に突っ張るように接触するので、両者間に安定な導通を与えることができる。
弾性導電部材とスリーブとの接触面と、スリーブの後端面との間に所定の距離が存在するとは、言い換えれば、コネクタオフ時にもスリーブと弾性導電部材とが接触していることである。これにより、主回路が不用意に遮断された場合、接点間には放電(スパーク)が発生するが、コンタクトバンドとスリーブとは導通したままであるので両者間にスパークが発生しない。
(1)弾性導電部材はスリーブ内面方向に弾性を持って接触しているので、両者間に安定な導通が得られ、可撓軟銅線を使用した場合に比べて耐久性が向上する。一例として、10万回の摺動試験を満足する耐久性を得られる。
(2)弾性導電部材は芯金に嵌め込むことによって簡単に芯金に装着できる。
(3)全体回路を2個の分流回路に分けることができるので、各回路での温度上昇を防ぐことができる。
(4)可動接点台の後端面と芯金の先端面間、及び、スリーブの後端と固定端子部との間にギャップを持たせることにより、各部材間の接触抵抗を安定化できる。
(5)コネクタオフ時にも、スリーブとコンタクトバンドとを接触させて両者を常に同電位にすることにより、不用意な回路遮断があっても両電極の接点間にのみスパークが発生し、スリーブと芯金間にはスパークが発生しない。
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るバットコンタクト式コネクタについて説明する。
コネクタは、レセプタクルとこのレセプタクルに差し込むプラグとからなり、メス側電極がレセプタクルに設けられており、オス側電極がプラグに設けられている。以降、レセプタクルに設けられたメス側電極について説明する。
メス側電極10は、図1に示すように、先端側(オス側電極側)に接点11が取り付けられた可動接点台12と、先端側端部に可動接点台12が保持されたスリーブ13と、芯金17とを有する。スリーブ13は、バネ19により先端方向に付勢されている。また、芯金17の外面とスリーブ13の内面との間には、弾性導電部材20が介装されている。これらは、インシュレータ30に収容されている。
前側インシュレータ31には、この例では、4個の平行な孔34が開けられている。各孔34は、先端側の小径孔34aと、同孔と同軸上の大径孔34bとを有する。小径孔34aと大径孔34bとの間には、段部34cが形成されている。この段部34cは、メス側電極10の抜け止めとなる。
後側インシュレータ32の、前側インシュレータ31の内孔34の奥側端面に当たる部分には、電路に接続する固定端子部36が設けられている。
プラグがレセプタクルに差し込まれると、両者のケーシングがバヨネットカップリングにより連結し、プラグのオス側電極110がレセプタクルの前側インシュレータ31の小径孔部34aから大径孔部34bに所定のストロークSだけ差し込まれる。すると、オス側電極110の先端の接点111とメス側電極10の先端の接点11が接触するとともに、メス側電極10の接点11(可動接点台12、スリーブ13)は大径孔部34b内を後端方向に押し込まれる。メス側電極10の接点11はバネ19で先端方向に付勢されているので、これにより、オス側電極110の接点111とメス側電極10の接点11との接点圧が確保される。また、芯金17に装着されているコンタクトバンド20の中間胴部22の外面は、スリーブ13の内孔の長さ方向のほぼ中央で接している。
分流回路I1の経路となるバネ19は、スリーブ13を付勢することが主目的であるので、バネ19の径及び反発力は抜き差しに適するように設定されており、通電性に重点をおいていない。そのため、必然的に、弾性導電部材を経由する分流回路I2が主となり、分流回路I1は副となり、分流回路I2の方が多く電流が流れる。
分流比は、例えば、バネ19の線径、中心径、巻き数から概略の抵抗値を推定し、電密度から電流値を決定することができる。
このようなギャップが存在しない場合、例えば、接点11から、可動接点台12及び芯金17を介して固定端子部36に向かう分流回路や、接点11から、可動接点台12及びスリーブ13を介して固定端子部36に向かう分流回路が形成される。このように、第3の分流回路が形成されると、回路の小型化の点では好ましいが以下の問題点を生じる。
(2)芯金17の長手方向の寸法が公差外プラスになった場合、ギャップg1がなくなり、可動接点台12の後端面と芯金17の先端面とが当接する。すると、(1)と同様に、スリーブ13が後方へ移動できなくなる場合があり、バヨネット連結が不十分となる。
(3)上記(1)、(2)のケースにおいては、各部材間に接触抵抗値が存在する。つまり、ギャップg1、g2が存在する場合と存在しない場合とでは、全体としての接触抵抗値が大きく変動し、接触抵抗の安定性に問題を生じる。また、経年的な安定性にも問題が生じる。
以上のような理由により、ギャップg1、g2を設けることが好ましい。
前述のように、コネクタオフ時には、スリーブ13はバネ19により先端方向に付勢されて、フランジ14が前側インシュレータ31の内孔34に形成された段部34cに当接している。このとき、接点11は前側インシュレータ31の内孔34の小径孔部34a内に突き出している。また、芯金17に装着したコンタクトバンド20の中間胴部22の外面は、スリーブ13の内孔部に当接している。
プラグを不用意にレセプタクルから引き抜くと、両者の接点間に放電(スパーク)が発生するが、コンタクトバンド20とスリーブ13とは導通したままであるので両者間にスパークは発生しない。つまり、不用意な回路遮断が生じても、電極には影響を及ぼさない。なお、両接点はスパークに耐えられる構造を有しているため、このようなスパークが発生しても接点の耐久性などに問題は生じない。
(1)コンタクトバンド20を使用することにより、繰り返し摺動に対して安定した耐久性を得られる。
(2)コンタクトバンド20は弾性により簡単に芯金に装着できる。
(3)全体回路を2個の分流回路に分けることができるので、各回路での温度上昇を防ぐことができる。
(4)可動接点台12の後端面と芯金17の先端面間、及び、スリーブ13の後端と固定端子部36との間にそれぞれギャップg1、g2を持たせることにより、各部材間の接触抵抗を安定化できる。
(5)コネクタオフ時にも、スリーブ13とコンタクトバンド20とを接触させて両者を常に同電位にすることにより、不用意な回路遮断時に両電極の接点間にのみスパークが発生し、スリーブ13と弾性導電部材20間にはスパークが発生しない。
この形態においては、コンタクトバンド20に変えて、中空断面を有するリング状コイルバネ70を使用する。これに伴って、第1の形態とは芯金67の構造が異なる。図5、図6に示すように、接点11、可動接点台12、スリーブ13、バネ19、インシュレータ30、固定端子部36の構造・作用は、図1のバットコンタクト式コネクタと同じである。
上記第1、第2の実施の形態のコネクタは電力供給用に使用されるものであったが、電力供給と信号伝達とを行うコネクタに適用することもできる。つまり、図8に示すように、レセプタクル81のインシュレータ82に、メス側電極10(図1、図5参照)が収容されるとともに、オス・メス嵌合式のコネクタである信号伝達用の電極83を収容することもできる。
10 メス側電極 11 接点
12 可動接点台 13 スリーブ
14 フランジ 15 段部
17 芯金 17a 基部
17b 先端部 17c 中央部
19 バネ
20 弾性導電部材(コンタクトバンド) 21 端部
22 胴部 22a 金属片(ルーバー)
22b 細長の孔
30 インシュレータ 31 前側インシュレータ
32 後側インシュレータ 34a 小径孔
34b 大径孔 34c 段部
36 固定端子部
40 金属薄板 41 細長の孔
42 細長の金属片
67 芯金 70 コイルバネ(斜め巻きコイルスプリング)
71 スペーサ 81 レセプタクル
82 インシュレータ 83 信号伝達用電極
110 オス側電極 111 オス側接点
Claims (6)
- インシュレータに形成された孔の中を進退するとともに、先端部に接点を有するメス側電極、及び、
該メス側電極の接点(メス側接点)に押し当てられる接点を有するオス側電極、
を備えるバットコンタクト式コネクタであって、
前記メス側電極が、
前記メス側接点を先端部に保持し、前記インシュレータの孔の中を軸方向に進退する筒状のスリーブと、
該スリーブを先端方向に付勢するバネと、
前記スリーブの内孔に先端部が挿入されており、後端部において電路と接続されている芯金と、
該芯金の外面に装着された、前記スリーブの内孔に押し当てられるように接触する、径方向の弾性を有する弾性導電部材と、
を具備することを特徴とするバットコンタクト式コネクタ。 - 前記弾性導電部材が、所定の長さを有するCリング状のバンドであって、軸方向中央部に径方向外側に膨らんだ胴部を有することを特徴とする請求項1に記載のバットコンタクト式コネクタ。
- 前記弾性導電部材が、中空断面を有するリング状のコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載のバットコンタクト用コネクタ。
- 前記スリーブを付勢するバネが高導電性材質で作製され、
該スリーブ付勢バネの先端が、前記スリーブ先端に当接するとともに、後端が電路に当接し、これにより、前記接点から前記スリーブ及びスリーブ付勢バネを通って前記電路に至る第2の導通回路が形成され、
該第2の導通回路が、分流比が回路全体の10〜40%の分流回路を形成することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のバットコンタクト式コネクタ。 - コネクタオン時において、
前記スリーブ内孔の先端面と前記芯金の先端面との間にギャップg1が存在し、
前記スリーブの後端と前記電路との間にギャップg2が存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバットコンタクト用コネクタ。 - コネクタオフ時において、
前記弾性導電部材と前記スリーブとの接触面と、前記スリーブの後端面との間に所定の距離Lが存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバットコンタクト用コネクタ。
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