JP2011022717A - 硬貨処理機 - Google Patents

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Abstract

【課題】例え収納袋に収納エリアが狭いまま装着される形態異常があったとしても、硬貨が収納袋から溢れ出てしまうことを防止できる硬貨処理機の提供。
【解決手段】硬貨収納部24aに、硬貨を収納する着脱可能な収納袋30を備えており、硬貨収納部24aには、収納袋30内の硬貨の満杯を検知する満杯検知手段58と、収納袋30の装着時に該収納袋30の上部エリアAの形状を矯正して該上部エリアA内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保する矯正手段98とが設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、収納袋に硬貨を収納する硬貨処理機に関する。
硬貨処理機には、硬貨を計数した後に硬貨収納部に設けられた収納袋に収納するものがある。このような硬貨処理機は、例えば、百貨店やショッピングセンター等に設置されて、各店舗で発生した売上金を管理するために用いられるもので、変形容易な収納袋を用いることで、運搬や空の状態での保管等の自由度を高めるようになっている。
特許第3658498号公報
しかしながら、上記のように収納袋を用いる場合、変形容易であることから逆に形状が一定せず、硬貨収納部への装着時に、例えば捻った状態で装着される等すると、収納エリアが狭いまま装着される形態異常を生じることがある。このような形態異常を生じると、本来収納されるべき硬貨の一部が入りきらずに収納袋から溢れ出てしまう可能性があった。
したがって、本発明は、例え収納袋に収納エリアが狭いまま装着される形態異常があったとしても、硬貨が収納袋から溢れ出てしまうことを防止できる硬貨処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、硬貨収納部に、硬貨を収納する着脱可能な収納袋を備えた硬貨処理機であって、前記硬貨収納部には、前記収納袋内の硬貨の満杯を検知する満杯検知手段と、前記収納袋の装着時に該収納袋の上部エリアの形状を矯正して該上部エリア内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保する矯正手段とが設けられていることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記満杯検知手段は、前記収納袋内の硬貨を検知する磁気センサであって、前記矯正手段の下端部近傍に配設されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記硬貨収納部は、前記収納袋の開口側を係止するベースと、該ベースに係止された前記収納袋の開口に連通する投入口を有して前記収納袋を上側から覆う上蓋とを備え、前記矯正手段が、前記上蓋に配設されていることを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記収納袋の開口側が前記硬貨収納部に適正に装着されているか否かを検出する装着状態検出手段を有することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、収納袋を硬貨収納部に装着すると、例え収納エリアが狭いまま装着される形態異常があったとしても、矯正手段が、収納袋の上部エリアの形状を矯正して該上部エリア内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保することになる。このため、満杯検知手段で収納袋内の硬貨の満杯が検知されない状態にあれば、満杯が検知される寸前の状態から、次の一の取引で最大限度収納容量の硬貨を収納袋に収納する場合であっても、硬貨が収納袋から溢れ出てしまうことを防止できる。
請求項2に係る発明によれば、満杯検知手段が、収納袋内の硬貨を検知する磁気センサであるため、形状が一定しない収納袋に対しても良好に硬貨の満杯状態を検知することができる。しかも、磁気センサが矯正手段の下端部近傍に配設されるため、矯正手段で磁気センサの近傍位置まで収納袋の形状を矯正でき、磁気センサ近傍の収納袋の形状を略一定にすることができ、その結果、磁気センサで一層確実に硬貨を検出することができる。
請求項3に係る発明によれば、収納袋の硬貨収納部への装着時に、ベースに係止された収納袋を上側から上蓋で覆うと、この上蓋に配設された矯正手段が、収納袋の上部エリアの形状を矯正することになる。よって、矯正手段による収納袋の矯正を、簡易に、収納袋の硬貨収納部への装着に連係させることができる。
請求項4に係る発明によれば、装着状態検出手段によって、収納袋の開口側が硬貨収納部に適正に装着されているか否かを検出することができるため、装着の異常によって、硬貨が収納袋に収納されずに、外に落下すること等を防止できる。
本発明の一実施形態に係る硬貨処理機を概略的に示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る硬貨処理機の硬貨収納部を示す一部を断面とした正面図である。 本発明の一実施形態に係る硬貨処理機の硬貨収納部の要部を示す一部を断面とした拡大正面図である。 本発明の一実施形態に係る硬貨処理機の硬貨収納部の要部を示す一部を断面とした拡大側面図である。 本発明の一実施形態に係る硬貨処理機の硬貨収納部の要部を示す一部を断面とした拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係る硬貨処理機の硬貨収納部の要部を示す一部を断面とした拡大側面図である。
本発明の一実施形態に係る硬貨処理機を図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る硬貨処理機1は、硬貨を入金させる硬貨入金機であり、その上部には、入金のため金種混合状態で一括投入された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する分離供給部5が設けられている。この分離供給部5は、硬貨が一括投入されるホッパ6と、このホッパ6の下側にその底部を形成するように設けられた水平旋回可能な回転円盤7と、硬貨が一枚のみ通過可能な開口を有し回転円盤7の回転時の遠心力で硬貨を一枚ずつ繰り出す硬貨分離部8と、硬貨分離部8で一枚ずつ間隔をあけて繰り出された硬貨を水平に搬送する硬貨搬送部9とを有している。
また、硬貨処理機1には、硬貨搬送部9で搬送中の硬貨の真偽及び金種を識別し計数する識別部11が硬貨搬送部9の上流側に設けられ、硬貨搬送部9におけるこの識別部11の下流側には、識別部11の識別結果に基づいて真以外の硬貨と識別されたリジェクト硬貨を排除するリジェクト部12が設けられている。さらに、硬貨搬送部9におけるリジェクト部12の下流側には、識別部11の識別結果に基づいて真の硬貨であって受け入れ可能と識別された硬貨を金種別に振り分ける複数箇所、具体的には取扱金種数(日本国内では1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨の六種類)と同数の六箇所の振分部13a〜13fが硬貨搬送部9の搬送方向に沿ってこの順に設けられている。
これら振分部13a〜13fは、機体前後方向に並べられており、すべて、取り扱う最大径の硬貨(日本国内では500円硬貨)を落下可能な選別孔14a〜14fを有していて、これらのうち上流側の五つの振分部13a〜13eには、選別孔14a〜14eを個別に開閉可能なシャッタ15a〜15eが設けられている。さらに、各振分部13a〜13fのそれぞれの上流側には、硬貨の通過を検出する硬貨センサ16a〜16fが設けられている。同様に、リジェクト部12も、リジェクト孔14gと、リジェクト孔14gを開閉可能なシャッタ15gと、上流側の硬貨センサ16gとを有している。なお、硬貨センサ16a〜16gは、シャッタ15a〜15e,15gのうちの対応するものの開閉タイミングを制御するために用いられ、また、硬貨の搬送ジャムの有無を検出するために用いられる。ここで、選別孔14a〜14eを硬貨の搬送方向下流側のものほど幅が大きくなるようにすることでシャッタを設けずに硬貨を小径のものから順に落下させるようにして金種別に選別してもよい。
また、硬貨処理機1は、リジェクト部12で硬貨搬送部9から排除された硬貨を受け入れる着脱自在のリジェクトボックス20と、各振分部13a〜13fに一対一で対応して設けられ、各振分部13a〜13fで振り分けられた硬貨をそれぞれ個別に一時貯留させる複数箇所、具体的には振分部13a〜13fと同数である六箇所の一時貯留部21a〜21fとを有している。
なお、最も上流側の一時貯留部21aは、最も上流側の振分部13aの下方に設けられており、この振分部13aのシャッタ15aが開かれることで選別孔14aから落下された硬貨のみを受け入れて一時貯留させる。次の一時貯留部21bは、振分部13bの下方に設けられ、シャッタ15bが開かれることで選別孔14bから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21cは、振分部13cの下方に設けられ、シャッタ15cが開かれることで選別孔14cから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21dは、振分部13dの下方に設けられ、シャッタ15dが開かれることで選別孔14dから落下された硬貨のみを一時貯留させる。次の一時貯留部21eは、振分部13eの下方に設けられ、シャッタ15eが開かれることで選別孔14eから落下された硬貨のみを一時貯留させる。最も下流側つまり最も後側の一時貯留部21fは、振分部13fの下方に設けられ、選別孔14fから落下された硬貨のみを一時貯留させる。
一時貯留部21a〜21fは、機体左右方向に水平移動可能な共通の側壁部形成体22にそれぞれの側壁部が個別に形成されており、この側壁部形成体22の下側に左右方向に水平移動可能に設けられた共通の底部形成体23でそれぞれの下部開口部が開閉可能とされている。
一時貯留部21a〜21fは、その側壁部形成体22および底部形成体23が振分部13a〜13fの鉛直下方に位置する状態で、これら振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れて一時貯留するものであり、この状態の一時貯留部21a〜21fの下方には、一時貯留部21a〜21fの硬貨を金種別に収納する硬貨収納部24a〜24fが設けられている。
一時貯留部21a〜21fは、振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れた状態から底部形成体23のみを水平移動させると、一時貯留部21aに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24aに、一時貯留部21bに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24bに、一時貯留部21cに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24cに、一時貯留部21dに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24dに、一時貯留部21eに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24eに、一時貯留部21fに一時貯留されていた硬貨のみを硬貨収納部24fに、それぞれ収納することになる。
なお、一時貯留部21a〜21fは、一時貯留させていた硬貨を上記した硬貨収納部24a〜24fに収納する状態以外に、振分部13a〜13fからの硬貨を受け入れた状態から側壁部形成体22のみを水平移動させることで、硬貨を機外に返却するための図示略の返却部に硬貨を放出するようになっている。
次に、硬貨収納部24a〜24fについて説明する。硬貨収納部24a〜24fは、硬貨処理機1の図示略の側面の側部扉を開いた状態で外側に引き出されて硬貨の取り出し回収等が行われるものである。なお、硬貨収納部24a〜24fは同様の構成であるため、以下に一つの硬貨収納部24aを例にとり、図2〜図6を参照して説明する。
図2は、硬貨収納部24aを、引き出し手前側から見た正面図である。硬貨収納部24aは、硬貨を収納する着脱可能な布製の麻袋等の収納袋30と、この収納袋30が吊り下げ状態で配設される硬貨収納部本体31とからなっている。
硬貨収納部本体31は、その上部にあって収納袋30を支持する収納袋支持部34と、収納袋支持部34の下側にあって収納袋支持部34に支持された収納袋30を収容する収納袋収容部35とを有している。
収納袋収容部35は、機体前後方向(図2の左右方向)に対し直交する姿勢で機体前後方向に所定の間隔で配置された一対の壁部39および壁部39と、機体左右方向に対し直交する姿勢でこれら壁部39,39の奥側縁部同士を結ぶ壁部40と、水平姿勢で壁部39,39,40の下端縁部同士を結ぶ底部41とを有しており、収納袋30の取り出し手前側となる図示略の側部扉側に開口部42を有している。これにより、収納袋収容部35を主体的に構成する壁部39,39,40は、全体として平面視コ字状をなしている。そして、壁部39,39の壁部40とは反対の底部41側には、開口部42の下部を一部閉塞して、収納袋30の下部の取り出し手前側への移動を規制する規制壁部43が配設されている。
収納袋支持部34は、図3および図4に示すように、収納袋30を係止するためのベース47を有している。このベース47は、収納袋収容部35の上部に取り付けられる複数の取付部48と、これら取付部48が収納袋収容部35に取り付けられた状態で、一対の壁部39,39の内側にこれらと平行をなして設けられて収納袋収容部35よりも上方に突出する一対の係止板部52および係止板部52と、一対の係止板部52,52の奥側縁部同士を結ぶことで壁部40よりも開口部42に壁部40と平行に配置される係止板部53とを有している。これにより、ベース47は、収納袋収容部35と同様、収納袋30の取り出し手前側(図示略の側部扉側)に開口部54を有している。ベース47の一対の係止板部52,52は上端縁部が同一高さに形成される一方、係止板部53は、これら係止板部52,52よりも若干高くなっている。これら係止板部52,52,53は、壁部39,39,40よりも一回り小さい平面視コ字状をなす係止部55を構成しており、その開口部54を収納袋保持部34の開口部42に連続させている。
そして、硬貨収納部24aにおける上部所定位置となる一の係止板部52の下部には、収納袋30に収納された硬貨の高さ位置を検出する磁気センサ(満杯検知手段)58が取り付けられている。また、係止板部52,52,53のそれぞれの外側には、それぞれの水平方向の中央にICタグリーダ(装着状態検出手段)60が取り付けられている。ICタグリーダ60は、近接所定範囲にあるICタグを検出するものである。
収納袋支持部34に取り付けられる上記した収納袋30は、細長い形状をなしており、その長さ方向の一端部のみが開口する有底筒状をなしている。また、収納袋30は、折り癖および縫製の位置により長さ方向に沿って見た場合の形状が一方向(以下、奥行き方向とする)に長くこれと直交する方向(以下、幅方向とする)に短い形状をなしている。このような収納袋30は、開口側を上側にした姿勢で、その奥行き方向に沿って、開口部42,54を介して収納袋収容部35およびベース47の内側に挿入されることになる。そして、収納袋30は、その開口側の端部が全周にわたって表側に折り返され、これにより形成される筒状の折返部65が、係止板部52,52,53の外側に配置されることで、ベース47の係止板部52,52,53つまり係止部55に係止されることになる。
この係止状態で、収納袋30は、その折返部65が上記したように係止板部52,52,53よりも外側に配置されることになり、折返部65以外の主体部66の折返部65側の首部67が係止板部52,52,53の内側に配置される。なお、収納袋30の折返部65には、幅方向の両側と奥行き方向の両側とにICタグ(装着状態検出手段)70がそれぞれ埋設されており、収納袋30の折返部65が係止部52,52,53に適正に係止された状態にあるとき、係止部52,52,53に設けられたICタグリーダ60がそれぞれ近接するICタグ70を検出して情報を読み取ることになる。よって、ICタグリーダ60が、収納袋30の開口側の折返部65が硬貨収納部24aに適正に装着されているか否かを検出することになる。
収納袋支持部34は、収納袋収容部35よりも開口部42とは反対奥側に壁部40と平行に水平延在する姿勢で配置された揺動軸75を有するヒンジ76と、ヒンジ76に取り付けられて揺動軸75を中心に揺動する上蓋78とを有している。この上蓋78は、ベース47側の揺動端位置へ揺動した図2〜図5に示す閉状態にあるとき、ベース47に係止された収納袋30を上側から覆うようにして水平に配置されることになり、図6に示すようにベース47とは反対側の揺動端位置へ揺動した開状態にあるとき、ベース47に係止された収納袋30から全体として水平方向外側に離間する。
上蓋78を上記した閉状態をもってさらに説明する。上蓋78は、上記した揺動軸75を有するヒンジ76に取り付けられる取付板部80と、揺動軸75の軸線方向における取付板部80の両端側から互いに平行に延出する一対の細長い延出板部81および延出板部81と、これら延出板部81,81のそれぞれと同一平面をなしてこれらとは反対側に上下に幅広の形状をなして延出する一対の側板部82および側板部82と、揺動軸75と平行をなし鉛直に沿って一対の側板部82,82の延出板部81,81側の上部端縁部同士を結ぶ連結板部83と、一対の側板部82,82の上端縁部同士を結ぶ水平に沿う上板部84とを有している。
上板部84には、平面視矩形状の開口部86が形成されており、開口部86の開口部42側および壁部40側に投入口ガイド87,88がそれぞれ固定されている。また、上蓋78には、一対の側板部82,82のそれぞれの内側に、側板部82,82と平行をなして一対の矯正板部91および矯正板部91が配設されており、投入口ガイド87,88と矯正板部91,91とで一時貯留部21aから硬貨が投入される投入口89が形成されている。また、一対の矯正板部91,91の揺動軸75とは反対側には、これら矯正板部91,91の端縁部同士を上板部84と直交するように結ぶ連結板部92aと、連結板部92aの上板部84とは反対側から上板部84から離れるほど揺動軸75側に位置するように傾斜する傾斜板部92bとからなる矯正板部92が配設されている。近接する一側の側板部82と矯正板部91との距離は、近接する他側の側板部82と矯正板部91との距離と等距離となっている。一対の矯正板部91,91には、それぞれ、揺動軸75とは反対側の下部に下方に突出する突出部95が形成されており、揺動軸75側の下部に、この突出部95よりも上側にあって段差状をなす段差部96が形成されている。矯正板部91,91,92が、平面視コ字状をなす係止部55の内側で一回り小さい逆向きの平面視コ字状をなす矯正部(矯正手段)98を構成している。
ここで、上記した閉状態にあるとき、図5に示すように、上蓋78の一方の側板部82は、ベース47の係止部55の一方の係止板部52の外側に配置されることになり、この係止板部52に係止された収納袋30の折返部65を水平外側から覆う。同様に、上蓋78の他方の側板部82も、ベース47の係止部55の他方の係止板部52の外側に配置されることになり、この係止板部52に係止された収納袋30の折返部65を水平外側から覆う。加えて、上蓋78の連結板部83は、ベース47の係止部55の係止板部53の外側に配置されることになり、この係止板部53に係止された収納袋30の折返部65を水平外側から覆う。さらに、上蓋78は、図3および図4に示すように、上板部84が係止部55に係止された収納袋30の上端縁部の全体を覆う。加えて、上蓋78の投入口ガイド87,88は、ベース47の係止部55の水平方向内側にあってその下端縁部が係止部55の上端縁部よりも下側に位置することになり、その結果、係止部55に係止された収納袋30の開口内に入り込むことになって、収納袋30の開口に投入口89を連通させる。
また、上記した閉状態にあるとき、上蓋78の矯正部98の一方の矯正板部91は、係止部55の一方の係止板部52の内側に近接配置されることになり、収納袋30の首部67のこの一方の係止板部52の内側部分をこの一方の係止板部52に近接させるように形状を略平面状に矯正して内側から覆う。同様に、上蓋78の矯正部98の他方の矯正板部91は、係止部55の他方の係止板部52の内側に近接配置されることになり、収納袋30の首部67のこの他方の係止板部52の内側部分をこの他方の係止板部52に近接させるように形状を略平面状に矯正して内側から覆う。さらに、上蓋78の矯正部98の矯正板部92は、係止部55に係止された収納袋30の首部67の揺動軸75とは反対側部分を略平面状に矯正して内側から覆う。なお、収納袋30内の硬貨の満杯を検知する上記した磁気センサ58を、この上蓋78の矯正部98に設けても良い。
なお、上記した閉状態にあるとき、図4に示すように、上蓋78の矯正部98の下端部近傍に、収納袋30内の硬貨を検知する上記した磁気センサ58が位置することになる。具体的には、矯正部98の矯正板部91の段差部96側に、突出部95よりも段差部96側に一部突出し段差部96に近接するように磁気センサ58が配置されることになる。そして、このように矯正板部91の直下に配置される磁気センサ58が、収納袋30内の硬貨を検知した状態になると、収納袋30内に収納された硬貨の容量は、次の一の取引によって一時貯留部21aから受け渡される可能性がある最大限度量の硬貨、つまり一時貯留部21aで一時貯留可能な最大限度量の硬貨を、受け入れると硬貨を収納しきれない可能性がある状態となる。この状態が、収納袋30内の硬貨が満杯となる満杯状態であり、磁気センサ58はこの収納袋30内の硬貨の満杯を検知する。言い換えれば、収納袋30内の硬貨を磁気センサ58が検知していなければ、磁気センサ58で検知される直前の高さまで硬貨が収納袋30に収納されていたとしても、次の一の取引によって一時貯留部21aから受け渡される可能性がある最大限度量の硬貨の硬貨を、収納袋30から溢れさせることなく硬貨収納部24aに収納可能となっている(形態異常がない場合)。
ここで、収納袋30を硬貨収納部24aに取り付ける際に、作業者は、まず、図6に示すように、上蓋78を開状態とする。次に、収納袋30を、開口側を上側にした姿勢で持ち、これをその奥行き方向に移動させて、開口部42,54を介して収納袋収容部35およびベース47の内側に挿入することになる。そして、収納袋30の開口側の端部を全周にわたって表側に折り返すことで筒状の折返部65を形成し、この折返部65を係止部55の係止板部52,52,53の外側に被せる。これにより、収納袋30がベース47の係止部55に係止されることになる。
次に、作業者は、上蓋78を揺動させて閉じる。すると、図3〜図5に示すようにベース47の平面視コ字状の係止部55に係止された収納袋30の首部67の内側に、上蓋78の矯正板部91,91,92からなる、係止部55とは逆向きの平面視コ字状の矯正部98が入り込み、首部67を強制的に広げる。これにより、収納袋30の首部67の内側の上部エリアAに、所定量の硬貨を受け入れ可能なスペースを確保する。
ここで、このスペースによる収納袋30の上部エリアAの硬貨の収納容量は、上記したように、磁気センサ58で収納袋30内の硬貨を検知しない状態にあれば、磁気センサ58で検知される直前の高さまで硬貨が収納袋30に収納されていたとしても、次の一の取引によって一時貯留部12aから受け渡される可能性がある、少なくとも一の取引における最大限度量の硬貨を、収納袋30から溢れさせることなく確実に収納可能な容量である。つまり、収納袋30の装着時に連係して行われる上蓋78の閉作動で、上蓋78の矯正部98が、収納袋30の上部エリアAの形状を矯正して上部エリアA内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保する。
なお、ベース47には、上蓋78の開閉状態を検出する図示略の開閉センサが設けられており、開閉センサで上蓋78が閉状態にあることが検出されると、図示略の制御部は、すべてのICタグリーダ60でICタグ70を検出する状態にあるか否かを判定し、すべてのICタグリーダ60でICタグ70を検出する状態にない場合、つまりICタグリーダ60の少なくともいずれか一つでICタグ70を検出しない状態にある場合、図示略の表示部および音声発生部により収納袋30のセット異常を示すエラー報知を行う。これにより、収納袋30の再セットが行われることになる。
以上に述べた本実施形態に係る硬貨処理機1によれば、変形容易な収納袋30を硬貨収納部24aに装着すると、図6に示すように収納袋30に例えば捻った状態で装着される等しその収納エリアが狭いまま装着される形態異常があったとしても、矯正部98が、収納袋30の上部エリアAの形状を矯正して上部エリアA内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保することになる。このように収納袋30の上部エリアA内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を保証するため、磁気センサ58で収納袋30内の硬貨の満杯が検知されない状態にあれば、満杯が検知される寸前の状態から、次の一の取引で最大限度収納容量の硬貨を収納袋30に収納する場合であっても、硬貨が収納袋30から溢れ出てしまうことを防止できる。つまり、磁気センサ58で収納袋30内の硬貨の満杯が検知されない状態にあれば、硬貨の適正な収納を確実に保証できる。その結果、収納袋30から硬貨が溢れ出た場合にセキュリティ上の観点から必要であった、硬貨処理機の保守員もしくは硬貨の回収担当者によるリカバリー処理が不要となり、円滑な運用が可能になる。
また、収納袋30内の硬貨を検知する磁気センサ58で収納袋30内の硬貨の満杯状態を検知するため、形状が一定しない収納袋30に対しても良好に硬貨の満杯状態を検知することができる。しかも、磁気センサ58が矯正部98の下端部近傍に配設されるため、矯正部98で磁気センサ58の近傍位置まで収納袋30の形状を矯正できて、磁気センサ58近傍の収納袋30の形状を略一定にすることができ、その結果、磁気センサ58で一層確実に硬貨を検出することができる。
また、収納袋30の硬貨収納部24aへの装着時に、一連の装着作業として必要な上蓋78の閉操作を行い、ベース47に係止された収納袋30を上側から上蓋78で覆うと、この上蓋78に配設された矯正部98が、収納袋30の上部エリアAの形状を広げるように矯正することになる。よって、矯正部98による収納袋30の矯正を、簡易に、収納袋30の硬貨収納部24aへの装着に連係させることができる。
また、収納袋30のICタグ70とベース47に設けられたICタグリーダ60とによって、収納袋30の開口側が硬貨収納部24aに適正に装着されているか否かを検出することができるため、装着の異常によって、硬貨が収納袋30に収納されずに、外に落下する等を防止できる。
勿論、他の硬貨収納部24b〜24fも同様の構成を採用しており、同様の効果を奏することができる。
なお、以上の実施形態においては、収納袋30の上部エリアAに確保する一の取引における硬貨の最大限度収納容量を、直上流の一時貯留部21aの最大収納容量と同等に設定したが、ホッパ6の最大収納容量と同等に設定しても良い。
また、上蓋78を揺動させるのではなく、硬貨収納部24aから着脱する構造としても良い。
また、硬貨収納部24a〜24fに金種別に硬貨を収納するのではなく、それぞれに金種混合で硬貨を収納する場合にも適用可能である。
1 硬貨処理機
24a〜24f 硬貨収納部
30 収納袋
47 ベース
58 磁気センサ(満杯検知手段)
60 ICタグリーダ(装着状態検出手段)
70 ICタグ(装着状態検出手段)
78 上蓋
89 投入口
98 矯正部(矯正手段)

Claims (4)

  1. 硬貨収納部に、硬貨を収納する着脱可能な収納袋を備えた硬貨処理機であって、
    前記硬貨収納部には、
    前記収納袋内の硬貨の満杯を検知する満杯検知手段と、
    前記収納袋の装着時に該収納袋の上部エリアの形状を矯正して該上部エリア内に少なくとも一の取引における硬貨の最大限度収納容量を確保する矯正手段とが設けられていることを特徴とする硬貨処理機。
  2. 前記満杯検知手段は、前記収納袋内の硬貨を検知する磁気センサであって、前記矯正手段の下端部近傍に配設されていることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
  3. 前記硬貨収納部は、
    前記収納袋の開口側を係止するベースと、
    該ベースに係止された前記収納袋の開口に連通する投入口を有して前記収納袋を上側から覆う上蓋とを備え、
    前記矯正手段が、前記上蓋に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
  4. 前記収納袋の開口側が前記硬貨収納部に適正に装着されているか否かを検出する装着状態検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の硬貨処理機。
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