以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図2に、硬貨入金機の斜視図を示す。
図2において、11は硬貨入金機の機体で、この機体11の下部側に架台部12が設けられ、この架台部12の両側底部に床面上を移動可能とする複数の車輪13が回転自在に取り付けられている。
機体11の上面右側には操作装置15が設置されている。この操作装置15には、暗証番号を入力するテンキーなどの各種操作キーを有する操作部16、および担当者情報などが記録されたカードを読み取るカードリーダ部17が配設されている。そして、これら操作部16およびカードリーダ部17が担当者情報を入力するID入力手段18として構成されている。さらに、操作装置15には、各種のジャーナルを印字出力するプリンタ部19、および各種情報を表示する例えば液晶表示器などのディスプレイ部20が配設されている。
機体11の上面中央には硬貨投入口22が開口形成されたホッパ23が設置され、このホッパ23の上面には硬貨投入口22を開閉する折り畳み式のシャッタ24が開閉可能に配設されている。
機体11内の上部側には、硬貨投入口22に投入された硬貨を識別して種類別に選別する硬貨入金処理部26が配設されている。この硬貨入金処理部26の位置に対応して、機体11の左側面位置には、硬貨入金処理部26から排除されるゴミなどを含む異物を収納する異物回収部27が着脱可能に取り付けられ、さらに、機体11の前面左側位置には、硬貨入金処理部26から排除されるリジェクト硬貨を受け入れて取出可能とするリジェクト口28が設けられている。このリジェクト口28の上側には、リジェクト硬貨が排除された場合に点灯表示する例えば発光ダイオードなどの表示部29が配設されている。
機体11の前側位置であって、硬貨入金処理部26より下側には、機体11内に投入された硬貨を硬貨入金処理部26で種類別に選別し、一時保留した後に、操作部16で返却が指示されることにより、返却処理される一時保留硬貨を受け入れる返却部31が配設されている。この返却部31は、前面に設けられた取手32によって機体11から前方へ引出可能とし、内部には返却処理される硬貨を受け入れて収納する図示しない返却箱が配置されている。返却箱は、返却部31を機体11の前方へ引き出した状態で返却部31の上側から着脱可能としている。
機体11の前面下部側であって、硬貨入金処理部26および返却部31より下側において、機体11の左側の架台部12に装着部34が前方へ向けて開口形成されているとともに、左右両側の架台部12間に装着部35が前方へ向けて開口形成されている。装着部34には1円および5円硬貨を混合収納する種類別収納部36としての混合収納庫37が着脱可能に配設され、また、装着部35には50円、100円、10円および500円硬貨をそれぞれ収納する種類別収納部36としての種類別収納庫38がそれぞれ独立して着脱可能に装着されている。
混合収納庫37は、装着部34に対して前方へ引出可能な引出箱で構成され、前面上部には引出操作用の取手部37aが形成されている。
種類別収納庫38としては、機体11の左側から右側に向けた順に、50円硬貨用の1つの種類別収納庫38(50)、特定金種としての100円硬貨用の2つの種類別収納庫38(100)、特定金種としての10円硬貨用の2つの種類別収納庫38(10)、500円硬貨用の1つの種類別収納庫38(500)が配置されている。これら種類別収納庫38は、車輪39(図1参照)を有し、床面上を移動して装着部35に出し入れ可能とされ、全て共通構造のものが用いられている。種類別収納庫38の前面上部には引出操作用の取手部38aが形成されている。100円および10円硬貨を特定硬貨としているのは、特に市場での流通枚数が多いことによる。
これら各種類別収納部36の上側には、それぞれ所定量の硬貨が収納された場合に点灯表示する例えば発光ダイオードなどの表示部40がそれぞれ配設されている。
なお、図2に示したように、混合収納庫37を1円および5円硬貨用とするとともに、種類別収納庫38を50円、10円、100円および500円硬貨用とする場合を、第1の仕様の硬貨入金機とし、また、後述するが、混合収納庫37を任意の硬貨用とするとともに、種類別収納庫38を1円、50円、5円、100円、10円および500円硬貨の6金種用とする場合を、第2の仕様の硬貨入金機として説明する。
次に、図3に、硬貨入金処理部26の平面図を示す。
硬貨入金処理部26は、硬貨投入口22の下方に位置してホッパ23から硬貨を受け入れる供給円盤42、およびこの供給円盤42から硬貨を受け入れる繰出円盤43、およびこの繰出円盤43から繰り出される硬貨を搬送する硬貨通路44を有している。
供給円盤42の周囲には、繰出円盤43へ硬貨を供給する供給口46を有する周壁47が配設されている。そして、供給円盤42は、図3矢印方向に回転駆動され、この回転による遠心力によって硬貨が周壁47に沿って移動されるとともに供給口46から繰出円盤43上へ放出供給される。なお、供給円盤42からの硬貨の供給量は、繰出円盤43上の硬貨量を図示しないセンサで検知することによって硬貨詰まりなどが生じないように適量に設定される。
繰出円盤43の周囲には、硬貨通路44へ硬貨を1枚ずつ繰り出すための繰出口48を有する周壁49が配設されている。この繰出口48には、繰出円盤43の上面との間に処理対象の最大厚み硬貨よりやや大きい間隔をあけて厚み規制部材50が配設されている。そして、繰出円盤43は、図3矢印方向に回転駆動され、この回転による遠心力によって硬貨が周壁49に沿って移動するとともに厚み規制部材50の下側を通じて硬貨通路44に1層1列状態で繰り出される。
また、硬貨通路44は、機体11の左側面に沿った硬貨識別通路52と、機体11の前面に沿った硬貨選別通路53とを有し、これらによって略L字形の通路形状に形成されている。これら硬貨識別通路52および硬貨選別通路53は、通路底板54上で、処理対象の最大径硬貨よりやや大きい間隔をあけて配置された両側の通路側板55,56間に形成されている。
硬貨識別通路52および硬貨選別通路53の各上方には、通路内の硬貨を搬送する搬送ベルト57,58がそれぞれ張設されている。これら各搬送ベルト57,58は図示しない上流側のプーリと下流側のプーリ59,60との間にそれぞれ張設されているとともに、通路底板54に臨むベルト部位が処理する最小厚み硬貨よりやや小さい間隔をあけて配置されるように図示しない複数のローラによって通路底板54へ向けて押え付けられている。そして、各下流側のプーリ59,60にモータ61がそれぞれ連結され(プーリ60に連結されるモータ61のみを図示し、プーリ59に連結されるモータは図示していない)、各モータ61の駆動によって搬送ベルト57,58が回動する。なお、硬貨識別通路52では、通路側板56を基準とし、搬送ベルト57により硬貨の周縁部を通路側板56側に押し付けながら硬貨を搬送し、また、硬貨選別通路53では、通路側板55を基準とし、搬送ベルト58により硬貨の周縁部を通路側板55側に押し付けながら硬貨を搬送する。
硬貨識別通路52には、通路内を搬送する硬貨の正偽や金種(旧硬貨や記念硬貨なども含む)などを識別する例えば材質センサやイメージセンサなどを含む識別部63が配設されている。
硬貨選別通路53には、搬送方向の上流側から下流側に向けて順に、この硬貨選別通路53に搬送してくる硬貨を検知するタイミングセンサ65、識別部63での識別結果およびタイミングセンサ65の検知に基づいてリジェクト硬貨を電気的駆動によって強制的に選別するリジェクト選別手段66、識別部63での識別結果およびタイミングセンサ65の検知に基づいて1円および5円硬貨を電気的駆動によって強制的に選別する任意選別手段67、50円、100円、10円および500円硬貨を硬貨径に応じて選別する種類別選別孔68がそれぞれ形成されている。
リジェクト選別手段66および任意選別手段67は、同一構造が用いられ、硬貨の搬送基準となる通路側板55を基準として通路底板54に形成されたリジェクト孔69および任意選別孔70をそれぞれ有している。図4に示すように(任意選別手段67を示すが、リジェクト選別手段66も同じ構造である)、任意選別孔70(リジェクト孔69)の下方に選別ローラ71が配設され、任意選別孔70(リジェクト孔69)の上方に搬送ベルト58を下方へ押え付ける押えローラ72が配設されている。この選別ローラ71は、図示しないステッピングモータなどのモータ73(図3参照)によって回転する回転軸71a、この回転軸71aに固定された偏心部材71b、およびこの偏心部材71bの周囲に回転自在に設けられたローラ部71cを有している。そして、図4(a)(b)に示すように、回転軸71aの回転によって偏心部材71bの大径部を上方へ向けた状態でローラ部71cの上面が通路底板54の上面と略同一となり、搬送ベルト58で搬送する硬貨(図4に符号Cで示す)の下面を支えて任意選別孔70(リジェクト孔69)上を通過させ、また、図4(c)(d)に示すように、回転軸71aの回転によって偏心部材71bの小径部を上方へ向けた状態でローラ部71cの上面が通路底板54より下降し、搬送ベルト58で搬送する硬貨を任意選別孔70(リジェクト孔69)内に落ち込ませて選別する。
図3に示すように、種類別選別孔68は、搬送方向の上流側から下流側に向けて小径硬貨から大径硬貨の順に、50円硬貨を選別する種類別選別孔68(50)、100円硬貨を選別する種類別選別孔68(100)、10円硬貨を選別する種類別選別孔68(10)、500円硬貨を選別する種類別選別孔68(500)を有している。
硬貨の搬送基準となる通路側板55側には、各種類別選別孔68の側部に基準ローラ74が回転自在に軸支されている(ただし、最下流部の種類別選別孔68の側部には基準ローラ74は設けられない)。各種類別選別孔68は、種類別選別孔68の一側に臨む基準ローラ74の周面位置から種類別選別孔68の他側の縁部までの幅が選別対象金種の直径より少し大きく形成されている。そして、種類別選別孔68上を対象金種より大径金種の硬貨が通過する際、その硬貨の両側が種類別選別孔68の両縁部に載ったまま下流側へ通過し、また、種類別選別孔68上を対象金種の硬貨が通過する際、その硬貨の他側(基準ローラ74に対して反対側)が種類別選別孔68の縁部に載らずに落下して選別される。また、各種類別選別孔68の上流側には、硬貨の通過を検知する通過検知センサ75が配設されている。
なお、上述した第1の仕様の硬貨入金機では、100円硬貨を選別する種類別選別孔68(100)と10円硬貨を選別する種類別選別孔68(10)との間、および10円硬貨を選別する種類別選別孔68(10)と500円硬貨を選別する種類別選別孔68(500)との間には、種類別選別孔68が設けられないが、上述した第2の仕様の硬貨入金機とで機構を共用するために、種類別選別孔68が設けられるのに相当するスペースが形成されている。また、それらスペースにも対応して基準ローラ74が設けられているが、設けなくてもよい。
また、各円盤42,43と周壁47,49との間の硬貨が入り込まない隙間や硬貨通路44の硬貨識別通路52に形成された硬貨が落下しない異物解除口などから投入硬貨に混入していた異物が落下する。落下した異物は、図示しない異物回収シュートを通じて異物回収部27に送り込まれる。
次に、図1は、硬貨入金機の内部構造を示す正面図である。
硬貨入金処理部26のリジェクト孔69の下側には、選別されたリジェクト硬貨をリジェクト口28に案内するシュート77が配設されている。
硬貨入金処理部26の任意選別孔70および各種類別選別孔68の下側には、任意選別孔70および各種類別選別孔68で選別された硬貨をそれぞれ下方へ案内するシュート体78が配設されている。
なお、このシュート体78は、上述した硬貨入金機の第1の仕様と第2の仕様とで共用されるため、任意選別孔70で選別された1円および5円硬貨を案内するシュート部79と、4金種(50円、100円、10円および500円)の各種類別選別孔68で選別された硬貨を案内するシュート部79を含む6金種分のシュート部79とが一体に形成されている。そのため、第1の仕様の硬貨入金機では、6金種分のシュート部79のうち、4金種分の各種類別選別孔68で選別された硬貨を案内する4金種分のシュート部79のみが使用され、残りの2金種分のシュート部79は使用されない。
シュート体78の下方には、任意選別孔70および各種類別選別孔68で選別されるとともにシュート体78の各シュート部79で案内されてくる硬貨をそれぞれ一時保留する一時保留部81が配設されている。これら各一時保留部81は、上下方向に開口した保留筒82を有するとともに、この保留筒82の底面を開閉する底板83を有している。これら保留筒82および底板83は、機体11の前後方向に対してそれぞれ反対方向に連動駆動されるように構成されており、保留筒82がシュート体78のシュート部79の下方に位置するとともに底板83で保留筒82の底面を閉塞した位置を、硬貨を一時保留する一時保留位置とし、また、保留筒82が前方へ、底板83が後方へ移動した位置を、一時保留硬貨を返却部31へ放出する返却放出位置とし、さらに、保留筒82が後方へ、底板83が前方へ移動した位置を、一時保留硬貨を種類別収納部36(混合収納庫37および種類別収納庫38)側へ放出する収納放出位置とする。
なお、一時保留部81は、上述した硬貨入金機の第1の仕様と第2の仕様とで共用されるため、任意選別孔70で選別された1円および5円硬貨を一時保留する一時保留部81と、4金種(50円、100円、10円および500円)の各種類別選別孔68で選別された硬貨を一時保留する4金種分の一時保留部81を含む6金種分の一時保留部81とが一体的に形成されている。そのため、第1の仕様の硬貨入金機では、6金種分の一時保留部81のうち、4金種分の各種類別選別孔68で選別された硬貨を一時保留する4金種分の一時保留部81のみが使用され、残りの2金種分の一時保留部81は使用されない。
各一時保留部81の保留筒82が収納放出位置に移動した際の保留筒82の下方には、各一時保留部81から放出される一時保留硬貨を、種類別収納部36(混合収納庫37および種類別収納庫38)へそれぞれ案内するシュート体85が配設されている。このシュート体85は、図1および図5に示すように、上述した第1の仕様の硬貨入金機の専用品であり、硬貨を案内するシュート部86として、任意選別孔70で選別されて一時保留部81から収納側に放出される1円および5円硬貨を混合収納庫37へ案内するシュート部86(1,5)と、4金種(50円、100円、10円および500円)の各種類別選別孔68で選別されて一時保留部81から収納側に放出される硬貨を各種類別収納庫38へ案内するシュート部86(50),86(100),86(10),86(500)とが一体に形成されている。
特定金種とする100円および10円硬貨用のシュート部86(100),86(10)には、100円および10円硬貨用としてそれぞれ2つずつ用いられる各種類別収納庫38(100),38(10)に硬貨を振り分ける振分手段87が配設されている。この振分手段87では、シュート部86(100),86(10)の下部側がそれぞれ2つずつ用いられる各種類別収納庫38(100),38(10)に硬貨を案内可能とするように2方向のシュート通路に分岐形成され、その分岐箇所に硬貨を案内するシュート通路を切り換える切換板88が配設されている。切換板88は、下部の揺動軸89を支点としてシュート部86(100),86(10)内で揺動可能とし、図示しないソレノイドやモータなどの切換駆動部によってシュート通路を切り換える。
次に、図6に、種類別収納庫38およびこの種類別収納庫38を装着する機体11の装着部35に配置される構成の側面図を示す。
種類別収納庫38は、前面板91、底面板92、および両側の側面板93を有し、上面および背面が開口形成され、内側に硬貨を収納する収納袋94が収容される袋収容部95が形成されている。種類別収納庫38の底部四隅には床面上を移動するための車輪39が回転自在に取り付けられている。
両側の側面板93の上縁中央域には上方へ突出されるとともに相対向する内方に間隔が狭められた口掛部96が形成され、この口掛部96に収納袋94の口部が内側から外側に折り返されて引っ掛けられる。
また、種類別収納庫38の上部には、口掛部96に対して収納袋94の口部を押える袋押え体97が開閉可能に取り付けられている。この袋押え体97は、収納袋94に収納する硬貨が通過可能な中央開口を有する枠状に形成され、前端側が両側の側面板93側に対して支軸98により回動可能に軸支されている。したがって、袋押え体97は、前端側の支軸98を支点として、口掛部96に対して収納袋94の口部を押える袋押え位置と、後端側が上方に持ち上げられた開放位置とに開閉可能とされている。また、袋押え体97の後部寄り下面には、鉛直軸状の係止部99が突設されている。
そして、種類別収納庫38の口掛部96に収納袋94の口部が内側から外側に折り返されて引っ掛けられるとともに袋押え体97が種類別収納庫38の上部に閉じられた状態で、袋押え体97の中央開口の下側に収納袋94の口部が開口された状態に保持される。この袋押え体97の中央開口、すなわち収納袋94の開口された口部は、種類別収納庫38を装着部35に装着した際に、シュート部86の下方に配置され、一時保留部81から放出される硬貨を収納袋94内に受入可能とする。
また、各種類別収納庫38が装着される機体11の装着部35には、各種類別収納庫38の後部上端の位置すなわち係止部99の位置に対応して、装着部35に装着された種類別収納庫38を電気的駆動によりロック動作およびロック動作の解除を可能とする電気的ロック手段101がそれぞれ配設されている。
この電気的ロック手段101は、機体11側に固定的に支持された支持枠102を有し、この支持枠102上に支軸103が立設され、この支軸103にロック爪104が回動自在に軸支されている。このロック爪104の前端は、装着部35内に突出され、装着部35に装着される種類別収納庫38の係止部99に係合可能とする。ロック爪104の後端にはピン105を介して伝達板106が連結され、この伝達板106に電気的駆動部としてのソレノイド107のプランジャ108が連結されている。ソレノイド107は支持枠102に取り付けられており、励磁時にプランジャ108が後退されてロック爪104が係止部99から外れるロック解除位置に回動し、非励磁時にプランジャ108が進出されてロック爪104が係止部99に係合するロック位置に回動する。ロック爪104は、ロック位置に向けてスプリングで付勢されている。
また、支軸103には検知レバー110が回動自在に軸支され、この検知レバー110の前端には装着部35の所定位置に装着された種類別収納庫38の袋押え体97が当接して押動される当接部111が形成され、後端には検知片112が突設されており、当接部111が装着部35へ向けて突出する方向(袋押え体97で押動される方向と反対方向)へスプリングで付勢されている。
検知レバー110の検知片112の回動領域に対応して、種類別収納庫38の装着を検知する装着検知手段113の近接スイッチ114が配設されている。近接スイッチ114に対しては、検知レバー110が袋押え体97で押動されていないときに検知片112が近接され、検知レバー110が袋押え体97で押動されたときに検知片112が離反される。この検知片112の近接および離反に対応した近接スイッチ114の出力から種類別収納庫38の装着が検知される。
また、装着部35には、装着部35に装着された種類別収納庫38に収納袋94が取り付けられているか否かを検知する収納袋検知手段としての1組の投受光センサ115が配設されている。この投受光センサ115の一方は装着部35の上部に配設されるとともに他方は装着部35の後部に配設され、これらの間で袋押え体97の中央開口を通じて検知光が投受光され、収納袋94が装着されている場合には検知光が遮光され、収納袋94が装着されていない場合には検知光が投受光される。装着部35に装着された種類別収納庫38に収納袋94が取り付けられていないと硬貨の収納ができないため、この投受光センサ115が種類別収納庫38の装着を検知する装着検知手段113の一部を構成している。
また、支持枠102の前方位置には、収納袋94に収納された硬貨量を直接検知する硬貨量検知手段116としての磁気センサ117が配設されている。この磁気センサ117は、一時保留部81の満杯硬貨量分を収納袋94内に収納可能な高さ分を収納袋94の口部の上端から残した高さ位置に配設され、種類別収納庫38が装着部35の所定位置に装着された際に収納袋94に押し当てられ、磁気センサ117の高さまで収納袋94内の硬貨が達すると、満杯信号を出力する。
なお、図示していないが、混合収納庫37が装着される機体11の装着部34には、種類別収納庫38用のものとは構成が異なるものの、装着部34に装着された混合収納庫37を電気的駆動によりロック動作およびロック動作を解除する電気的ロック手段101、混合収納庫37が機体11に装着されたことを検知する装着検知手段113、混合収納庫37に収納された硬貨量を直接検知する硬貨量検知手段116が配設されている。
次に、図7に、硬貨入金機を制御する制御部121のブロック図を示す。
制御部121は、操作部16、ディスプレイ部20、カードリーダ部17、識別部63、各装着検知手段113、各種類別収納部36毎に所定量の硬貨が収納されたことを検知する各収納硬貨検知手段122、プリンタ部19、硬貨入金処理部26を駆動する硬貨入金処理部駆動手段123、一時保留部81を駆動する一時保留部駆動手段124、振分手段87、各電気的ロック手段101、各種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことを報知する報知手段125が接続されている。
収納硬貨検知手段122は、識別部63の識別結果に基づいて各種類別収納部36に収納された硬貨の枚数をカウントして検知する硬貨枚数検知手段126と、各種類別収納部36に収納された硬貨量を直接検知する硬貨量検知手段116とを備えている。
なお、図示していないが、各一時保留部81に一時保留される硬貨の枚数を検知する一時保留硬貨枚数検知手段も有している。
装着検知手段113のうち、各種類別収納庫38の装着を検知する装着検知手段113は、種類別収納庫38の装着を検知する近接スイッチ114と収納袋94を検知する投受光センサ115との両方の検知を条件に種類別収納庫38の装着を検知する。
硬貨入金処理部駆動手段123には、硬貨入金処理部26の各円盤42,43のモータ、各搬送ベルト57,58のモータ61(搬送ベルト58のモータ61は示すが、搬送ベルト57のモータは図示していない)、各選別手段66,67のモータ73などが含まれる。
一時保留部駆動手段124は、一時保留部81の保留筒82および底板83を移動させるモータやソレノイドなどの電気的駆動部が含まれる。
報知手段125では、所定量の硬貨が収納されたことを、各種類別収納部36に対応して設けられた表示部40を点灯または点滅させて報知したり、ディスプレイ部20に表示して報知する。
そして、制御部121は、次のような機能を有している。
特定種類の100円および10円硬貨用のそれぞれ2つずつの種類別収納庫38のうち、振分手段87により硬貨を振り分けさせている一方の種類別収納庫38に所定量の硬貨が収納されたことが収納硬貨検知手投122により検知される毎に、振分手投87により他方の種類別収納庫38へ硬貨を振り分けさせるとともに、所定量の硬貨が収納された種類別収納庫38の機体11からの取り出しを可能とする機能。
硬貨を収納させる種類別収納庫38の装着が装着検知手段113により検知されないとき、混合収納庫37および特定種類以外の種類別収納庫38に所定量の硬貨が収納されたことが収納硬貨検知手段122により検知されているとき、および特定種類の種類別収納庫38のうちの次に硬貨を振り分ける種類別収納庫38に所定量の硬貨が収納されていることが収納硬貨検知手段122により検知されているときに、種類別収納部36への硬貨の収納を中止させる機能。
ID入力手段18で担当者情報の入力を受け付けたことを条件に、収納硬貨検知手投122により所定量の硬貨が収納されたことが検知された種類別収納部36に対応する電気的ロック手投101のロック動作を解除させる機能。
また、各種類別収納庫38に硬貨を収納する枚数は、計数モードを選択することにより設定可能としている。この計数モードとしては、収納袋94に満杯となる硬貨量の硬貨が収納されたことを硬貨量検知手段116で検知するまで収納するフルモードと、予め決められた枚数まで収納する小袋モード、中袋モードおよび大袋モードと、任意に指定される任意バッチ枚数になるまで収納する任意バッチモードとがある。小袋モード、中袋モードおよび大袋モードは、例えば、10円、50円、100円硬貨の種類別収納庫38の場合には1000枚、2000枚、4000枚とし、500円硬貨の種類別収納庫38の場合には500枚、1000枚、2000枚とする。また、混合収納庫37については、任意バッチモードは設定できず、任意バッチモード以外のいずれの計数モードを設定しても、例えば、1円硬貨と5円硬貨の混合で1000枚とする。
また、一時保留部81に所定量の硬貨が収納された場合の収納処理方法を設定する自動収納設定があり、この自動収納設定が設定されていれば一時保留部81に所定量の硬貨が収納された場合に一時保留硬貨を自動的に収納し、また、設定されていなければ一時保留部81に所定量の硬貨が収納された場合に入金処理を停止し、承認による収納指示または不承認による返却指示を確認する。
次に、本実施の形態の硬貨入金機(第1の仕様の硬貨入金機)の作用を図8および図9のフローチャートを参照して説明する。
硬貨を入金しようとする担当者は、ID入力手段18にカードまたはキー入力で担当者情報を入力する(ステップ1)。この担当者情報の入力が受け付けられたら、硬貨入金機の入金処理が可能となる。
硬貨入金機の入金処理が可能となったら、硬貨入金機のシャッタ24を開き、硬貨を硬貨投入口22に投入する。
硬貨投入口22に投入された硬貨を硬貨入金処理部26の供給円盤42上に受け入れ、硬貨入金処理部26による入金処理を開始する(ステップ2)。供給円盤42の回転によって硬貨を繰出円盤43に適量ずつ供給し、この繰出円盤43の回転によって硬貨を1層1列状態で硬貨通路44へ繰り出す。
硬貨通路44に繰り出した硬貨は、硬貨識別通路52内を搬送して識別部63で識別し、硬貨選別通路53へ搬送する。
識別部63でリジェクト硬貨を識別すると、そのリジェクト硬貨がタイミングセンサ65を通過するタイミングに応じてリジェクト選別手段66が動作し、そのリジェクト硬貨をリジェクト孔69に排除し、シュート77を通じてリジェクト口28に返却する。
識別部63で正常な1円硬貨または5円硬貨を識別すると、その1円硬貨または5円硬貨がタイミングセンサ65を通過するタイミングに応じて任意選別手段67が動作し、その1円硬貨または5円硬貨を任意選別孔70に排除し、シュート体78の各シュート部79を通じて一時保留位置にある一時保留部81に一時保留する。
識別部63で正常な50円、100円、10円および500円硬貨を識別すると、それら硬貨が動作しない任意選別手段67上を通過し、それら硬貨を硬貨選別通路53の種類別選別孔68で硬貨径に応じて種類別に選別し、シュート体78のシュート部79を通じて一時保留位置にある各一時保留部81に一時保留する。
各一時保留部81に一時保留した硬貨の枚数は、識別部63の識別結果から制御部121の計数機能で計数する。
そして、ある種類の一時保留部81に一時保留した硬貨の枚数が満杯となる所定量に達すると(ステップ3)、硬貨入金処理部26による入金処理を一旦中止する。
このとき、自動収納設定が設定されていない場合には、一時保留した硬貨の識別結果をディスプレイ部20に表示し、担当者により操作部16で承認による収納指示または不承認による返却指示が入力されるのを待機する。
入金不承認で返却指示がなされたときには、一時保留部81を返却放出位置に移動させ、一時保留硬貨を一括して返却部31内の返却箱に収納させる。その後、担当者により、返却部31を機体11から引き出し、返却部31から返却箱を上方に取り出すことにより、返却された硬貨を取り出すことができる。
入金承認で収納指示がなされたときには、一時保留部81を収納放出位置に移動させ、一時保留硬貨をシュート体85の各シュート部86を通じて各種類別収納部36(混合収納庫37および各種類別収納庫38)に収納する(ステップ4)。各種類別収納部36(混合収納庫37および各種類別収納庫38)に収納した硬貨の枚数は硬貨枚数検知手段126で検知する。
一方、自動収納設定が設定されていた場合には、一時保留部81を収納放出位置に自動的に移動させ、一時保留硬貨をシュート体85の各シュート部86を通じて各種類別収納部36(混合収納庫37および各種類別収納庫38)に収納する(ステップ4)。各種類別収納部36(混合収納庫37および各種類別収納庫38)に収納した硬貨の枚数は硬貨枚数検知手段126で検知する。
そして、一時保留部81の一時保留硬貨の収納または返却後、一時保留部81を一時保留位置に戻し、各種類別収納部36(混合収納庫37および各種類別収納庫38)が満杯になっていなければ(ステップ5)、硬貨入金処理部26による入金処理を再開する。
また、2つずつの種類別収納庫38を有する特定種類の100円および10円硬貨をそれぞれ収納する場合、振分手段87でいずれか一方の種類別収納庫38に振り分けて収納する。
また、特定種類の100円および10円硬貨用の種類別収納庫38において、計数モードがフルモードのときに種類別収納庫38に収納された硬貨が満杯となる硬貨量に達したことが硬貨量検知手段116で検知された場合、あるいは小袋モード、中袋モード、大袋モード、任意バッチモードのときに、種類別収納庫38に収納された硬貨の枚数が設定された枚数に達したことが硬貨枚数検知手段126で検知された場合(ステップ5、6)、硬貨の収納先を他方の種類別収納庫38に切り換える。
このとき、他方の種類別収納庫38が装着されていることが検知されているとともにこの種類別収納庫38に収納袋94の装着されていることが検知され、かつ他方の種類別収納庫38に既に所定量の硬貨が収納されていて回収待ちとなっていないことを条件に(ステップ7)、振分手段87で硬貨の収納先を他方の種類別収納庫38に切り換える(ステップ8)。そして、振分手段87で硬貨の収納先を他方の種類別収納庫38に切り換えることにより、入金処理を中断せずに、硬貨入金処理部26による入金処理を継続できる。この入金処理と並行して一方の種類別収納庫38からの硬貨の回収処理が可能となり、他方の種類別収納庫38に所定量の硬貨が収納されるまでの間に一方の種類別収納庫38からの硬貨の回収処理が完了すれば、続けて他方の種類別収納庫38に所定量の硬貨が収納されても入金処理を中断せず、継続できる。なお、この種類別収納庫38からの硬貨の回収処理は、図9に示す回収待ちの処理で説明する。
切換条件を満たさない場合には、硬貨入金処理部26による入金処理を一時停止し、一方の種類別収納庫38の回収待ちとなる(ステップ9)。
また、混合収納庫37や、特定種類の100円および10円硬貨以外の種類別収納庫38において、計数モードがフルモードのときに混合収納庫37や種類別収納庫38に収納された硬貨が満杯となる硬貨量に達したことが硬貨量検知手段116で検知した場合、あるいは小袋モード、中袋モード、大袋モード、任意バッチモードのときに、混合収納庫37や種類別収納庫38に収納された硬貨の枚数が設定された枚数に達したことが硬貨枚数検知手段126で検知された場合、硬貨入金処理部26による入金処理を一時停止し、混合収納庫37や種類別収納庫38の回収待ちとなる(ステップ9)。
そして、回収待ちとなった混合収納庫37や種類別収納庫38がある場合(ステップ11)、始めに入力された担当者情報から回収権限のある担当者か判断する(ステップ12)。回収権限のある担当者の担当者情報は予め登録しておく。
回収権限のない担当者である場合には、その担当者では回収できず、回収権限のある別の管理者が回収する(ステップ13)。
回収権限のある担当者である場合には、担当者が操作部16で暗証番号を入力する(ステップ14)。入力された暗証番号を予め登録されている暗証番号と照合して適正であるか判断する(ステップ15)。
暗証番号が適正であれば、回収待ちとなった混合収納庫37や種類別収納庫38の電気的ロック手段101によるロックを解除し(ステップ16)、プリンタ部19でジャーナルを印字出力する(ステップ17)。ジャーナルには、金種、枚数、ロック解除時刻(月、日、時、分)、担当者情報などを印字する。
暗証番号が適正でなかった場合には、操作部16で暗証番号を再入力し、また、暗証番号を忘れるなどして操作部16でキャンセルキーが操作された場合には、回収権限のある別の管理者が回収する(ステップ13)。
回収待ちとなっている混合収納庫37や種類別収納庫38に対応して、表示部40が点灯表示するとともに、ディスプレイ部20で表示する。そのため、回収待ちとなっている混合収納庫37や種類別収納庫38の場所を容易に特定できる。
混合収納庫37から硬貨を回収する場合、混合収納庫37を機体11の装着部34から引き出し、例えば、別の収納袋に移し替えるとともにその収納袋に印字出力されたジャーナルを添付する。その後、混合収納庫37を機体11の装着部34に押し込み装着する。混合収納庫37を装着部34の所定位置に装着したことを装着検知手段113で検知すると、電気的ロック手段101により混合収納庫37を自動的にロックする(ステップ18)。
種類別収納庫38から硬貨を回収する場合、該当する種類別収納庫38を機体11の装着部35から引き出し、袋押え体97を上方へ退避させて収納袋94の口部の保持を解除し、硬貨が収納された収納袋94を種類別収納庫38から降ろし、収納袋94の口部を閉じるとともにその収納袋94に印字出力されたジャーナルを添付する。その後、硬貨未収納の収納袋94の口部を種類別収納庫38の口掛部96に引っ掛けて取り付けるとともに袋押え体97を閉じて保持し、この種類別収納庫38を機体11の装着部35に押し込み装着する。種類別収納庫38を装着部35の所定位置に装着したことを装着検知手段113(近接スイッチ114と投受光センサ115)で検知すると、電気的ロック手段101により種類別収納庫38を自動的にロックする(ステップ18)。
そして、混合収納庫37または種類別収納庫38の装着を検知すると、入金処理が停止されていた場合には、入金処理を再開する。
また、例えば、識別部63で硬貨を所定時間検知しなくなったことから、硬貨投入口22に投入された全ての硬貨について一時保留までの入金処理が完了したことを検知すれば、上述したように担当者による入金承認の確認、または一時保留部81に一時保留した硬貨を自動収納する。
以上のように、種類別の一時保留部81に対応して設ける種類別収納部36を、特定種類の一時保留部81については複数の種類別収納部36を設け、特定種類の一時保留部81から複数の各種類別収納部36に対して振分手段87で硬貨を振り分けるように構成し、そして、特定種類の複数の種類別収納部36のうち振分手段87により硬貨を振り分けている一方の種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことが検知される毎に、振分手投87により特定種類の他方の種類別収納部36へ硬貨を振り分けさせるため、入金処理を中断することがなく、処理時間を短縮できる。
しかも、特定種類の複数の種類別収納部36のうち振分手段87により硬貨を振り分けている一方の種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことが検知される毎に、振分手投87により特定種類の他方の種類別収納部36へ硬貨を振り分けさせて入金処理を継続させるとともに、所定量の硬貨が収納された種類別収納部36の機体11からの取り出しによる回収処理を並行して行え、作業効率を向上できる。
また、振分手投87では、シュート部86と、このシュート部86内で各種類別収納部36への硬貨の振分先を切り換える切換板88とを用いるため、特定種類の一時保留部81に一時保留された硬貨を任意の種類別収納部36へ確実に振り分けることができる。
また、硬貨を収納させる種類別収納部36の装着が検知されないとき、特定種類以外の種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことが検知されているとき、および特定種類の種類別収納部36のうちの次に硬貨を振り分ける種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されていることが検知されているときに、種類別収納部36への硬貨の収納を中止させるため、種類別収納部36に硬貨が収納されなかったり、種類別収納部36に所定量以上の硬貨が収納されてしまうのを防止できる。
また、電気的ロック手投101のロック動作により機体11に装着された種類別収納部36の取り出しを規制することにより、硬貨を種類別収納部36に収納する入金処理を可能とし、また、ID入力手段18で担当者情報の入力を受け付けたことを条件に電気的ロック手段101のロック動作を解除することにより、種類別収納部36を取り出して硬貨を回収できる。
また、種類別収納部36に収納される硬貨枚数を検知するため、種類別収納部36に収納された硬貨枚数を把握でき、管理を容易にできる。この場合、硬貨枚数から種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことを判断する硬貨枚数を任意に設定でき、利便性を向上できる。
また、種類別収納部36に収納される硬貨枚数と種類別収納部36に収納された硬貨を直接検知する硬貨量とのいずれでも種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことを検知でき、種類別収納部36に所定の硬貨枚数を収納させたり、種類別収納部36に満杯になる硬貨量まで収納させたりすることができ、利便性を向上できる。
また、報知手段125の報知により種類別収納部36に所定量の硬貨が収納されたことを把握できる。この報知手段125としては、各種類別収納部36に対応して機体11に設けられた表示部40と、各種情報を表示するディスプレイ部20との少なくとも一方を用いることにより、所定量の硬貨が収納された種類別収納部36を容易に把握できる。
次に、図10に硬貨入金機の第2の仕様の場合に用いられる硬貨入金処理部26の平面図を示し、図11に硬貨入金機の第2の仕様の場合に用いられるシュート体85の断面図を示す。
この第2の仕様の硬貨入金機では、混合収納庫37を任意の硬貨用とするとともに、種類別収納庫38を1円、50円、5円、100円、10円および500円硬貨の6金種用とする。
そのため、図10に示すように、硬貨入金処理部26の任意選別手段67では、例えば、旧硬貨および記念硬貨などの任意に設定される複数の種類の硬貨を選別し、また、硬貨選別通路53には、搬送方向の上流側から下流側に向けて小径硬貨から大径硬貨の順に、1円硬貨を選別する種類別選別孔68(1)、50円硬貨を選別する種類別選別孔68(50)、5円硬貨を選別する種類別選別孔68(5)、100円硬貨を選別する種類別選別孔68(100)、10円硬貨を選別する種類別選別孔68(10)、500円硬貨を選別する種類別選別孔68(500)が形成されている。
シュート体78および一時保留部81はそれぞれ6金種対応であるため、第1の仕様と共通に用いられる。
図11に示すように、シュート体85には、6金種対応の各一時保留部81から放出される硬貨を対応する各種類別収納庫38に案内するためにシュート部86(x),86(1),86(50),86(5),86(100),86(10),86(500)が形成されている。シュート部86(x)は任意の硬貨用である。
そして、硬貨入金機の第1の仕様と第2の仕様とは、構造的には硬貨入金処理部26およびシュート体85を変えるだけで容易に対応でき、ソフト的には両仕様ソフトを備えていていずれか一方を選択設定するようにすれば容易に対応できる。
そのため、第1の仕様と第2の仕様の硬貨入金機を容易に製作でき、また、たとえ硬貨入金機の運用場所であっても、第2の仕様から第1の仕様に容易に変更でき、逆に、第1の仕様から第2の仕様に容易に変更できる。
なお、特定種類は、100円および10円に限らず、他の種類でもよく、いずれか1つの種類でも2つ以上の複数の種類でもよい。