JP2011022538A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、製造コストを低減することができる表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置10は、バックライトである光源30側から、偏光板11、透明電極13、LCMC層14、透明電極15、偏光板16が順次形成され、LCMC層14は、液晶粒子をポリマーの膜で覆って形成されたLCMC14aが、非水系のバインダーによって密着固定され、LCMC14aが複数の層に配列された構成を有し、透明電極13及び15は、導電性高分子を含む材料、ITOの分散液、カーボンナノチューブの分散液等の塗工材料で形成される構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶剤を包含した液晶マイクロカプセルを備えた表示装置に関する。
従来、液晶マイクロカプセルを備えた表示装置としては、例えば、特許文献1〜3に示されたものが知られている。
まず、特許文献1には、ガラス基板上に設けた透明電極と、透明基板上に設けた透明電極との間に、液晶が封入されたマイクロカプセルを含む水溶性高分子のポリマーを備え、着色材によりポリマーを赤色、緑色、青色に着色することによってカラー表示を行う画像表示装置が示されている。
次に、特許文献2には、2つの透明電極の間に、液晶マイクロカプセルを2次元結晶配列させた複数の単粒子層が積層された構成を有し、液晶マイクロカプセル間の間隙がゼラチン及びアラビアゴムで充填された液晶表示装置が示されている。
次に、特許文献3には、透明電極と配向膜とを積層形成した一対の透明基板を狭い空間を挟んで対向させ、空間に第2の液晶を封じた液晶カプセルを分散した第1の液晶を注入封止してなる液晶セルの両側に偏光板をそれぞれ配設し、透明電極に接続された駆動電源により液晶層に印加する電圧を制御して表示動作を行う液晶表示装置が示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に示されたものは、2つの透明電極間に水溶性の高分子材料を用いているので、透明電極間の短絡や透明電極の腐食が発生するという課題があった。
また、特許文献1〜3に示されたものは、硬質の基板を用いているので、柔軟性や屈曲性のある表示装置を実現できないという課題があった。
また、特許文献3に示されたものは、液晶カプセルを液晶に注入する構成なので、構造が複雑である上に、液晶の封止やラビング処理工程を必要とするので、製造コストが増大するとともに、液晶カプセル間を透過する透過光を液晶により制御する必要があるという課題があった。
他方、液晶マイクロカプセルを柔軟な基板上に形成したもの(例えば、特許文献4参照)や、液晶マイクロカプセルを一枚の透明基板上に形成したもの(例えば、特許文献5参照)が知られている。
まず、特許文献4には、液晶マイクロカプセルを可撓性の基板で挟持する構成を有するものが記載してあり、薄く折り曲げ自在な液晶表示装置が実現できる旨の記載がある。しかしながら、特許文献4には、液晶マイクロカプセルの構成について具体的な記載がなく、特許文献4に記載のものは液晶表示装置として実現できるものではない。
また、特許文献5には、一枚の透明基板上に、薄膜トランジスタ、信号配線、液晶マイクロカプセルを含有する液晶層等をモノリシックに形成した液晶表示装置が記載されているが、液晶層において液晶マイクロカプセルがどのように構成されているかについて具体的な記載がなく、特許文献5に記載のものは液晶表示装置として実現できるものではない。
以上のような事情に鑑み、本発明者は、前述の課題を解決するものとして、液晶剤を包含した液晶マイクロカプセルをカラーインキで固定した液晶マイクロカプセル層を備えた表示装置を開発し、特願2008−297059号(以下「先願」という。)として特許出願している。
先願に係る表示装置において、液晶マイクロカプセル層は、バックライト光が入射する光入射面と、散乱光が出射する光出射面とを有している。光入射面上には、透明電極、フィルム基板及び偏光板が順次設けられている。この透明電極は、ITO(スズ含有酸化インジウム)で構成され、例えばポリカーボネートフィルムからなるフィルム基板上にスパッタ蒸着法によって形成される。光出射面上には、透明電極及び偏光板が順次設けられている。
この構成により、先願に係る表示装置は、柔軟性及び屈曲性を有し、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、製造コストを低減することができるものとなったが、本発明者は、柔軟性及び屈曲性のさらなる改善に取り組んだ。具体的には、本発明者は、表示装置の構成要素のうち比較的厚いフィルム基板を廃止することにより、表示装置の柔軟性及び屈曲性の向上を図ろうとした。そのため、本発明者は、スパッタ蒸着法によってITOを偏光板上に直接形成することを試みた。
しかしながら、スパッタ蒸着法によってITOを偏光板上に直接形成しようとすると、作業性が非常に悪く、実用化が困難であることが判明した。具体的には、一般的に偏光板は、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂にヨウ素を加えた偏光フィルムの表裏にTAC(トリアセチルセルロース)樹脂の保護フィルムが積層された構成となっているので、スパッタ蒸着を実施する際に、(1)偏光板からヨウ素成分が揮発することにより所望の真空度が得られない、(2)偏光板から水分が蒸発するためアルゴン等の不活性ガスによる放電が停止してスパッタが行えない、という課題が判明した。
特開昭62−28712号公報 特開平9−90321号公報 特開平4−338923号公報 特開昭55−96922号公報 特開2000−330130号公報
本発明は、前述のような事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、製造コストを低減することができる表示装置を提供することを目的とする。
本発明の表示装置は、液晶剤と前記液晶剤を包含してカプセル化するためのカプセル化剤とを予め定めた仕込み比に設定して形成した液晶マイクロカプセルと、複数の層に配列された前記液晶マイクロカプセル同士を互いに密着させて固定する非水性の固定剤とを含み、光を入射する光入射面と、入射した光を光散乱して出射する光出射面とを有する液晶マイクロカプセル層と、前記光入射面側及び前記光出射面側にそれぞれ設けられ塗工材料で形成された第1及び第2の透明電極と、前記光入射面側に設けられ第1の方向に振動する光のみを透過する第1の偏光板と、前記光出射面側に設けられ前記第1の方向と直交する第2の方向に振動する光のみを透過する第2の偏光板とを備え、前記液晶マイクロカプセル層は、前記光入射面から前記光を入射した際に、前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との間に予め定められた電極間電圧が印加されていないとき前記散乱出射光を前記光出射面側から出射し、前記予め定められた電極間電圧が印加されたとき前記散乱出射光を前記光出射面側から出射しないものである構成を有している。
この構成により、本発明の表示装置は、第1の透明電極を塗工材料で形成して第1の偏光板上に設ける構成としたので、フィルム基板の廃止が可能となり、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図ることができる。
また、この構成により、本発明の表示装置は、液晶マイクロカプセルが非水性の固定剤で密着固定された複数層の液晶マイクロカプセル層を備えるので、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止することができる。
さらに、この構成により、本発明の表示装置は、従来のものとは異なり、配向膜や配向処理、液晶の封止材や封止処理等が不要となるので、製造コストを低減することができる。
なお、本発明の表示装置において、前記塗工材料は、導電性高分子を含む材料、スズ含有酸化インジウムの分散液及び炭素系の繊維状物質を含有する分散液のいずれか1つであることが好ましい。
また、本発明の表示装置は、前記固定剤が、前記光出射面上の予め定められた領域ごとに前記液晶マイクロカプセル層の全厚さにわたって予め定められた着色材で着色されたものである構成を有している。
この構成により、本発明の表示装置は、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、カラー表示が可能な表示装置を提供することができる。
さらに、本発明の表示装置は、前記光出射面上の予め定められた領域ごとに予め定められた着色材で着色されたカラーフィルタを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の表示装置は、カラーフィルタを用いてカラー画像を表示することができる。
本発明は、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、製造コストを低減することができる表示装置を提供することができるものである。
本発明の第1実施形態における表示装置の概念的な断面図 本発明の第1実施形態における液晶マイクロカプセル層の電子顕微鏡写真 本発明の第1実施形態における表示装置の概念的な動作説明図 本発明の第1実施形態における表示装置の製造工程を示すフローチャート 本発明の第2実施形態における表示装置の概念的な断面図 本発明の第2実施形態における表示装置の製造工程を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、「マイクロメートル」を「μm」と、「パーセント」を「%」と記す。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る表示装置の第1実施形態における構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における表示装置の模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態における表示装置10は、バックライトである光源30からの光を入射してカラー画像を表示するものであって、光源30側から、偏光板11、透明電極13、液晶マイクロカプセル(以下「LCMC」という。)層14、透明電極15、偏光板16が順次形成された構成を有している。なお、以下の記載において、透明電極13が形成されたLCMC層14の面を光入射面、透明電極15が形成されたLCMC層14の面を光出射面という。
偏光板11は、LCMC層14の光入射面側に設けられ、光源30からの光のうち第1の方向に振動する光のみを透過するようになっている。また、偏光板16は、LCMC層14の光出射面側に設けられ、第1の方向と直交する第2の方向に振動する光のみを透過するようになっている。なお、偏光板11及び16は、それぞれ、本発明に係る第1及び第2の偏光板を構成する。
透明電極13及び15は、導電性高分子(例えばポリエチレンジオキシチオフェン)を含む材料、ITOの分散液、炭素系の繊維状物質を含有する分散液等の塗工材料で形成されるものである。これらの塗工材料は、水分散系、非水分散系のいずれでもよいが、水分散系の塗工材料を使用する場合は、適正な温度と時間による乾燥工程を設けるのが好ましい。
具体的に商品名を挙げれば、導電性高分子を含む材料としては、AGFA社のEL−P3040(導電性ポリチオフェン系分散液)、三協化成産業(株)のCLEVIOS(登録商標)、日産化学工業(株)のORMECON D1033W(導電性ポリアニリン系水分散液)、ORMECON NW−D102ET(導電性ポリアニリン系エタノール分散液)等がある。ITO微粉末を分散したITO分散液としては、住友金属鉱山(株)のX−490CN27(アルコール系27重量%スラリー)、X−510CN40(MIBK系40重量%スラリー)、X−105(イソホロン系50重量%アクリルバインダー含有インク)等がある。炭素系の繊維状物質を含有する分散液としては、カーボンナノチューブを含有するEikos社のInvisicon、カーボンナノファイバを含有する三菱マテリアル(株)のCNF−T/EtOH、CNF−T/IPA等がある。
透明電極13及び15は、図示しない電源に接続されており、LCMC層14に所定の電圧(以下「電極間電圧」という。)を画素ごとに印加するようになっている。具体的には、例えば、透明電極13はマトリクス状に配置された複数の画素を構成する画素電極と、画素毎に形成されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)とを備え、透明電極15はベタ状に形成されたベタ状電極で構成されている。なお、透明電極13及び15は、それぞれ、本発明に係る第1及び第2の透明電極を構成する。
LCMC層14は、例えばネマティック型の液晶粒子をポリマーの膜で覆って形成されたLCMC14aが、非水系のバインダー(固定剤)によって密着固定され、LCMC14aが複数の層に配列された構成を有する。非水系のバインダーは、予め定めた色を着色するための着色材、例えば赤色、緑色、青色の各色の顔料を含むものである。その結果、LCMC層14は、赤色インキ14b、緑色インキ14c及び青色インキ14dを含むこととなる。
また、LCMC14aに含まれる液晶粒子は、所定の電極間電圧が印加されていないときはLCMC14a内での配向がランダムであり、所定の電極間電圧が印加されたときはLCMC14a内での配向が電界の方向と同じになるようになっている。したがって、LCMC層14は、LCMC14aに含まれた液晶粒子による光シャッタ効果により、入射光を散乱して散乱光を出射する状態と、入射光を遮断する状態とを有する。なお、本実施形態において光シャッタ効果の評価は、先願に係る表示装置(スパッタ蒸着法によって形成したITOの透明電極を備えたもの)を基準とした。先願に係る表示装置と同等又は同等以上の光シャッタ効果が得られた場合、十分な又は良好な光シャッタ効果が得られたと記す。
LCMC層14を形成するため、LCMC層14に含まれるLCMC14aを形成するための液晶剤とカプセル化剤との仕込み比、LCMC14aの平均粒子径、LCMC層14の厚さ及びLCMC層14内におけるLCMC14aの密度のうち少なくとも1つが、光学特性に基づいて設定されるようになっている。また、非水系のバインダーに含まれる各色の顔料とLCMC14aとの混合物に占める各色の顔料の割合や、顔料、LCMC14a及びバインダーの総重量に占めるバインダーの重量の割合も、光学特性に基づいて設定されるようになっている。
ここで、光学特性とは、LCMC層14の光入射面から光を入射したとき、LCMC層14の光出射面から出射する散乱出射光の輝度、色相、彩度、コントラスト等や、光シャッタとしてのLCMC層14の電極間電圧に対する応答性、LCMC層14の光シャッタ効果等の特性をいい、表示する画像の画質に関わる特性である。
前述したように、LCMC層14を複数層で構成することとしているのは次の理由による。すなわち、LCMC層14を単層のLCMC14aで構成すると、隣接するLCMC14aの間を透過する透過光が発生することとなるので、LCMC14a内の液晶による光シャッタを閉じても、出射面から光が漏れるからである。
本実施形態におけるLCMC層14は、その厚さは例えば5μm〜10μm程度であって、平均粒子径が2μm程度のLCMC14aが非水系のバインダーにより互いに密着され、重なり合っているので、バインダーは光を透過させるものの、単層のもののように、隣接するLCMC14aの間から光が漏れることはなく、光源30からの入射光を遮断(画面表示オフ)したいとき、LCMC14aのみで入射光を遮断できる構成となっている。具体的には、本実施形態におけるLCMC層14は、図2に示すような構成となっている。図2は、本実施形態におけるLCMC層14の電子顕微鏡写真である。図2に示したものは、約10μmの厚さのLCMC層14である。
次に、本実施形態における表示装置10の動作原理について、従来のものと比較しながら図3に基づき説明する。図3(a)及び(b)は、それぞれ、従来の典型的な液晶表示装置100及び本実施形態における表示装置10の動作原理を概念的に示す図であって、それぞれ、上段は画像を表示した状態、下段は画像を表示していない状態を示している。なお、説明を分かりやすくするため、図3(b)において、LCMC層14を単層のLCMC14aで構成し、同図上段において、LCMC14a内の液晶粒子やカラーインキの図示を省略している。
まず、従来の液晶表示装置100は、図3(a)に示すように、バックライトである光源101側から、偏光板102、ガラス基板103、透明電極104、配向膜105、液晶層106、配向膜107、透明電極108、カラーフィルタ109、ガラス基板110、偏光板111を備えている。ここで、偏光板102と偏光板111との間で光を透過する方向が互いに直交し、配向膜105と配向膜107との間で配向方向が互いに直交しており、液晶層106はツイストネマティック液晶を備える構成となっている。なお、従来の液晶表示装置100では、光源101と偏光板102との間に、光源101の出射光が液晶層106にほぼ均一に入射するよう光拡散シートを設け、さらに、輝度を向上させるようプリズムシートを設ける構成とされるのが一般的である。
従来の液晶表示装置100は、前述の構成において、図3(a)上段に示すように、透明電極104と透明電極108との間に電極間電圧が印加されていないとき、光源101からの光は、偏光板102を透過して直線偏光となった後、液晶層106の液晶粒子106aのねじれに沿って進み、カラーフィルタ109でカラー光となって偏光板111から出射し、観視者の目に届く。
一方、従来の液晶表示装置100において、所定の電極間電圧が印加されると、図3(a)下段に示すように、液晶層106の液晶粒子106aが、その長手方向が電界の方向と平行に並ぶので、光源101からの光は、偏光板111を透過することができず、観視者の目には届かない。
したがって、従来のものでは、画素ごとに電極間電圧を印加することにより、観視者が光源101の光を直接見ている状態(光源101自体を見ている状態)と、観視者が光源101の光を見ることができない状態とを組み合わせて、画像を表示することができる。
次に、本実施形態に係る表示装置10において、図3(b)上段に示すように、透明電極13と透明電極15との間に電極間電圧が印加されていないとき、光源30からの光は、偏光板11を透過して直線偏光となった後、LCMC層14の入射面に入射する。ここで、LCMC14a内の液晶がランダムに配向しているので、入射光が各LCMC14a内で光散乱を起こし、この散乱光が各色インキを透過してカラー光となり、その一部が偏光板16から出射し、観視者の目に届く。
一方、本実施形態に係る表示装置10において、所定の電極間電圧が印加されると、図3(b)下段に示すように、LCMC14a内の液晶粒子14eが、その長手方向が電界の方向と平行に並ぶので、光源30からの光は、各LCMC14a内で光散乱しないため偏光板16を透過することができず、観視者の目には届かない。
したがって、本実施形態に係る表示装置10は、画素ごとに電極間電圧を印加することにより、観視者がLCMC層14からの散乱光を見ている状態(LCMC層14自体を見ている状態)と、観視者がLCMC層14からの散乱光を見ることができない状態とを組み合わせて、画像を表示することができる。すなわち、本実施形態に係る表示装置10は、従来のものとは異なり、観視者に光源30の光を直接見せるのではなく、LCMC層14からの散乱光を見せるものである。換言すれば、本実施形態に係る表示装置10は、入射光の拡散及び輝度向上のために従来用いられていた光拡散シート及びプリズムシートと、入射光を透過又は遮断する光シャッタとを兼ね備えたものであると言える。
前述の構成により、本実施形態に係る表示装置10は、LCMC層14で生じる光散乱によって輝度を向上させることができ、従来のものよりも光源を観視者側に移動したものとなるので視野角を広げることができる。また、本実施形態に係る表示装置10は、従来のものとは異なり、配向膜や配向処理、液晶の封止材や封止処理等が不要となるので、製造コストを低減することができる。
次に、本実施形態における表示装置10の具体的な実施例を挙げ、その製造工程について説明する。図4は、表示装置10の製造工程の概要を示すフローチャートである。なお、以下に記載した材料や製造方法等は一例であり、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、以下の説明では、本発明に係る塗工材料としてAGFA社の導電性高分子材料EL−P3040を例に挙げるが、塗工材料として、ITOの分散液、カーボンナノチューブの分散液等を用いてもよい。
[液晶のマイクロカプセル化(ステップS11)]
マイクロカプセル化法としては、従来公知の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法、"in situ"重合法等を用いることができる。ここでは、"in situ"重合法を例に挙げて説明する。
乳化剤としてのスチレン無水マレイン酸加水分解物に液晶材料を少しずつ加えながら乳化し、この乳化物に、メラミンプレポリマーと蒸留水とを混合したもの(カプセル化剤)を加え、撹拌しながら加熱した後に室温に戻す。この結果、LCMCスラリーが生成される。
この処理において、液晶剤とカプセル化剤との仕込み重量比(以下、単に「カプセル化仕込み比」という。)、及びカプセルの平均粒子径を適切に設定することが、製造工程上の強度確保や、表示装置として所望の光学的特性を得るために重要である。これらについて、試作検討結果に基づき以下説明する。ここで、平均粒子径とは、体積平均粒子径のことをいう。なお、カプセル化仕込み比を例えば80対20と表した場合、液晶剤が80重量%、カプセル化剤(膜剤)が20重量%であることを示す。また、例えば、カプセル化仕込み比80対20以上と表した場合、カプセル化剤が20重量%以上であるカプセル化仕込み比を示す。
(1)カプセル化仕込み比
試作検討結果によれば、カプセル化剤を増やしても、それに応じてカプセル膜が厚くはならず、カプセル化仕込み比が75対25以上ではアグリゲーション(凝集)を引き起こし、カプセル化仕込み比75対25程度がマイクロカプセル化の限界であることがわかった。また、カプセル化剤を増やすと液晶の割合が少なくなり、十分な光シャッタ効果が得られないこともわかった。
他方、カプセル化仕込み比が95対5では、後述する洗浄工程においてカプセル膜の耐久性が得られず、洗浄中の物理的な力でカプセル膜が一部破壊され、洗浄残液に液晶がみられた。また、カプセル化仕込み比が、92対8、85対15では、洗浄工程でのカプセル膜の破壊はみられず、良好な光シャッタ効果が得られた。なお、カプセル化仕込み比を85対15で形成したLCMCの平均粒子径は、2.2μm程度であった。
以上の結果より、本実施形態に係る表示装置10では、カプセル化仕込み比を92対8程度から75対25程度までの範囲とするのが好ましく、光学特性や製造上のばらつきを考慮すると、カプセル化仕込み比を90対10程度から80対20程度までの範囲とするのが特に好ましい。
なお、前述の特許文献1及び2に示されたものでは、製造工程上でカプセル膜にならずに残留した材料が脱水乾燥時にバインダーとなり、カプセル同士の凝集が発生するので、画像表示したときに表示画像に表示むらが生じるという課題があったが、本実施形態に係る表示装置10では、前述のようなカプセル化仕込み比を設定することにより、表示むらの発生を防止することができる。
(2)カプセルの平均粒子径
まず、前述した平均粒子径2.2μmの液晶カプセルが得られるカプセル化仕込み比である85対15(膜剤15%)を基準にし、前述のようにカプセル化ができないカプセル化仕込み比95対5(膜剤5%)に相当する粒子径(以下「最小の平均粒子径」という。)を算出する。
平均粒子径2.2μmでのカプセル膜剤量をV2.2、その粒子の外表面積をS2.2で表し、最小の平均粒子径での膜剤量をVx、その粒子の半径をr、外表面積をSxと表す。カプセル膜厚dは約0.1μmのためカプセル膜の外表面積と内表面積とが等しいとみなすと、V2.2及びVxは、それぞれ、外表面積S2.2及びSxを用いて以下のように近似的に表すことができる。
2.2 = S2.2×d ・・・ カプセル化剤=15%
Vx = Sx×d ・・・ カプセル化剤=5%
よって、次式が成り立つ。
Vx/V2.2 =(4πr)d/(4π(2.2/2))d=5/15
上式より、r=0.635が得られ、2r=1.27となり、最小の平均粒子径は1.27μm程度となる。
次に、最大の平均粒子径を求めるため、試作実験を行った。偏光板(厚さ0.18mm)上に透明電極として導電性高分子材料EL−P3040を5μmのアプリケーターで塗工したものを用意し、透明電極上に、平均粒子径の異なるLCMCを15μm塗布して紫外線で硬化した。次に、硬化したLCMC層上に他方の偏光板を配置し、バックライト上で平均粒子径と光散乱の程度とを比較した。使用したLCMCの平均粒子径は、1.5μm、2.2μm、4μm、8μm、10μm、12μmである。この実験の結果、LCMCの平均粒子径が12μmのものでは塗工面に筋目が発生し、表示装置として好ましくないことがわかった。
以上の結果より、カプセルの平均粒子径は、1μm程度から10μm程度までの範囲とするのが好ましく、光学特性や製造上のばらつきを考慮すると、2μm程度から8μm程度までの範囲とするのが特に好ましい。
[洗浄、乾燥(ステップS12)]
次に、ステップS11で得られたLCMCスラリーを洗浄、乾燥する。例えば、イソプロピルアルコールと水との混合液をLCMCスラリーに撹拌しながら添加した後、遠心分離処理をする。遠心分離処理後の上澄みを捨ててイソプロピルアルコールで再度洗浄後、上澄みを捨てて沈殿物を採取し、沈殿物を真空乾燥機で乾燥させることにより、LCMC粉末を得る。
[カラーインキ化(ステップS13)]
まず、赤色、緑色、青色の各色素として各色顔料のレジストと、バインダーとしての非水系の樹脂とを用意する。次に、顔料及び非水系の樹脂と、ステップS12で得たLCMC粉末とを、色素ごとにインキヘラで練る。非水系の樹脂としては、例えば、アクリレートモノマー、シリコン系アクリルオリゴマー、ポリエステル系アクリルオリゴマー、ウレタン系アクリルオリゴマー等を用いるのが好ましい。また、製造上の取り扱いを考慮すると、紫外線硬化型の非水系の樹脂を用いるのが好ましい。
ここで、赤色、緑色、青色の各色の顔料と、LCMCと、バインダーとの配合比(重量比)について説明する。
(1)各色の顔料とLCMCとの割合
まず、試作品を製作し、各色の顔料とLCMCとの割合を求めた。その結果を表1に示す。この検討では、LCMCの平均粒子径が4.2μmのものを用いた。また、LCMC層の厚さ(以下「層厚」という。)は、配合A〜Eでは7μm、配合Fでは12μm、配合G及びHでは20μmのものを用いた。
表1に示した配合A〜Cの試作品の検討結果より、LCMCに対する顔料の量が多くなると、電極間電圧のオン、オフによる光シャッタ効果が十分に得られなくなるということがわかった。具体的には、電極間電圧を印加しても、画像を表示する光出射面側の面(以下「画像表示面」という。)において顔料の色が視認されやすくなって画像表示面が黒くならず、顔料とLCMCとの割合は、配合Cのものよりも顔料の比率が低い方が好ましいことがわかった。
そこで、表1に示した配合D及びEのものを試作した。その結果、配合Dのものは、製造工程上において特に問題なく取り扱いでき、光学特性上においても光シャッタ効果、輝度、色相等が良好に得られた。しかしながら、配合Eのものでは、電極間電圧を印加しないときに、LCMCによる散乱光によって画像表示面が薄白く着色されたように視認された。したがって、顔料とLCMCとの割合は、配合Eのものよりも顔料の比率が高い方が好ましいことがわかった。
さらに、配合A〜Eでの層厚7μmとは異なる層厚のものも試作した。光学特性及び製造上において良好であったものを例示すれば、層厚12μmの配合F、層厚20μmの配合G及びHのものであった。これらの試作品により、層厚を7μmから12μm、20μmと厚くした場合、層厚が7μmのものと比べ、顔料の割合が小さくてもその絶対値が大きくなるため良好な着色が確認できた。また、層厚が20μmのものは、顔料の割合が大きくてもLCMC同士の重なり合いにより良好なシャッタ効果が得られた。
以上の結果より、各色の顔料とLCMCとの混合物に占める各色の顔料の割合は、20重量%(配合G)程度から75重量%(配合H)程度までが好ましく、30重量%(配合E)程度から60重量%(配合C)程度までが特に好ましい。換言すれば、LCMC層14は、その製造工程において、各色の顔料とLCMCとの混合物に占めるLCMCの割合が、25重量%(配合H)程度から80重量%(配合G)程度までに相当するLCMCの密度で製造するのが好ましく、40重量%(配合C)程度から70重量%(配合E)程度までとするのが特に好ましい。
(2)バインダーの割合
次に、各色の顔料の量とLCMCの量とを固定して試作品を製作し、バインダーの割合を求めた。その結果を表2に示す。この検討では、LCMCの平均粒子径が4.2μmのものを用いた。また、層厚は、配合I〜Kでは7μm、配合L及びMでは12μmのものを用いた。
表2に示した配合I〜Kの試作品において、配合Jのものは、常温(20℃±15℃)での製造工程上において特に問題なく取り扱いでき、光学特性上においても光シャッタ効果、輝度、色相等が良好に得られた。しかしながら、配合Iのものは、バインダーの量が比較的少なくて、常温ではインキが固くなりやすいので、後述する塗工工程において塗工が困難となった。
一方、配合Kのものは、散乱光を見ている状態において、散乱光による顔料の発色濃度が基準色の色濃度よりも薄くなってしまうという現象と、電極間電圧のオン、オフによる光シャッタ効果が十分に得られないという現象が発生した。
さらに、好ましいバインダーの割合を求めるため、配合I〜Kでの層厚7μmとは異なる層厚のものも試作した。そのうち、光学特性及び製造上において良好であったものを例示すれば、層厚12μmの配合L及びMのものであった。
まず、バインダーの割合を増大させた配合Lのものについて説明する。配合Lのものは、各色の顔料とLCMCとの混合物に占める各色の顔料の割合が40%と少な目であるにも関わらず、前述の層厚7μmよりも層厚12μmと厚くしたので、層に含まれる顔料の絶対量が多くなるため、良好な着色が得られた。
次に、バインダーの割合を低下させた配合Mのものについて説明する。層をフィルム上に形成する場合の一般的な手法であるバーコーターを用いる常温での塗工において、バインダーの割合を低下させ、顔料及びLCMCの割合を増大させるに従って、層を形成するためのインキの流動性が悪くなり、均一な塗工が困難となる。そこで、バーコーター、インキ及び塗工フィルムの温度を60℃程度に上げて試作した結果、配合Mのものでも光学特性及び製造上において良好であることが確認できた。
さらに、常温での塗工が困難であった配合Iのものについても同様に、バーコーター、インキ及び塗工フィルムの温度を60℃程度に上げて試作した。その結果、配合Iのものも塗工が容易となり、光学特性及び製造上においても良好であることが確認できた。ただし、配合Iのものは層厚が7μmであり、配合Mのものは層厚が12μmであるので、膜厚が厚い配合Mのものの方が配合Iのものよりも塗工性が優れる。
以上の結果より、全重量に占めるバインダーの重量の割合は、10重量%(配合M)程度から50重量%(配合L)程度までが好ましく、17重量%(配合I)程度から44重量%(配合K)程度までが特に好ましい。
[透明電極を偏光板上に形成(ステップS14)]
塗工用の台としてガラス板を用意し、偏光板(厚さ0.18mmの偏光フィルム)をガラス板上に置く。次に、5μmのアプリケーターを用いて、導電性高分子材料EL−P3040を偏光板上に塗工し、130℃の送風乾燥機で3分間乾燥させる。なお、アプリケーターによる塗工に代えて、スクリーン印刷機を用いて導電性高分子材料EL−P3040を偏光板上に印刷し、透明電極を形成する工程としてもよい。
[カラーインキを透明電極上に塗工(ステップS15)]
塗工用の台として60℃に加熱したガラス板を用意し、導電性高分子材料EL−P3040を塗布した偏光板をガラス板上に置く。次に、7μmのアプリケーターを用いて、透明電極13の上面に、ステップS13において製造したカラーインキを塗工する。その後、カラーインキを紫外線硬化して乾燥させる。
なお、紫外線硬化したカラーインキ上に被覆層を設ければ、電極間のショートを防止することができて好ましい。被覆層としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の紫外線硬化型オーバーコートニスUVHC−1105をカラーインキ上に簡易印刷機(RIテスター)で印刷し、紫外線硬化することにより形成することができる。
ここで、カラーインキの塗工厚についての検討結果について説明する。
表3は、LCMC内の液晶が駆動する電圧を印加電圧とし、印加電圧とカラーインキの塗工厚との関係の実験結果を示している。この検討では、導電性高分子材料EL−P3040による透明電極を偏光板上に形成し、平均粒子径が4.2μmのLCMCを含むカラーインキを透明電極上に塗工したものを用いた。
表3において、インキ塗工厚が厚くなるに応じて印加電圧を増大させないと液晶が駆動できないことが示されている。一般に、液晶表示装置を駆動する電圧は30V程度であるので、この結果より、カラーインキの塗工厚としては20μm程度以下とするのが好ましい。
カラーインキの塗工厚の下限としては、現状の製造可能なLCMCの平均粒子径が1μm〜1.5μm程度であり、LCMC層14を複数層で構成するという条件より、3μm程度が好ましい。
以上の結果より、カラーインキの塗工厚は、3μm程度から20μm程度までの範囲とすることが好ましく、光学特性や製造上のばらつきを考慮すると、7μm程度から14μm程度までの範囲とするのが特に好ましい。
[透明電極をカラーインキ上に形成(ステップS16)]
ステップS14と同様な工程で透明電極を形成する。すなわち、カラーインキを塗工した偏光板をガラス板上に置き、カラーインキの上面に、5μmのアプリケーターを用いて導電性高分子材料EL−P3040を塗工し、透明電極15を形成する。その後、120℃の送風乾燥機で2分間乾燥させる。
[偏光板を貼付(ステップS17)]
透明電極15の上面に偏光板16を貼付する(図1参照)。ここで、偏光板16の直線偏光を出射する方向が、偏光板11の直線偏光を出射する方向と直交するよう貼付する。
以上説明した製造工程に基づいて製造した試作品の評価を行った。試作品の評価では、DC−ACインバータにより、単三乾電池の電圧1.5Vを交流500Hzの約25Vに昇圧した電圧を、透明電極13と15との間に印加できる構成とした。その結果、LCMC14aに含まれる液晶が印加電圧のオン、オフに応じて動作し、LCMC層14が光シャッタとして動作することを確認した。
以上のように、本実施形態における表示装置10によれば、透明電極13を塗工材料で形成して偏光板11上に設ける構成としたので、フィルム基板の廃止が可能となり、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施形態における表示装置10によれば、LCMC14aが複数の層に配列されたLCMC層14を備え、LCMC層14は、透明電極13と15との間に、非水性の固定剤で密着固定されて形成される構成としたので、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極13と15との間の短絡や透明電極13及び15の腐食を防止することができる。
また、本実施形態における表示装置10によれば、従来のものよりも簡易な構成となり、配向膜や配向処理、液晶の封止材や封止処理等が不要となるので、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態における表示装置10によれば、入射光がLCMC層14内で光散乱して出射する際の散乱出射光の光学特性に基づいて、仕込み比、LCMC14aの平均粒子径、LCMC層14の厚さ及びLCMC層14内におけるLCMC14aの密度のうち少なくとも1つが設定される構成としたので、輝度や色相等の光学特性を向上させ、カラー画像を好適に表示することができる。
また、本実施形態における表示装置10によれば、LCMC層14からの散乱光を観視者に見せる構成としたので、入射光の拡散及び輝度向上のために従来用いられていた光拡散シート及びプリズムシートと、入射光を透過又は遮断する光シャッタとを兼ね備えたものに相当するものとなり、従来のものよりも光源を観視者側に移動したものとなるので視野角を広げることができる。
また、本実施形態における表示装置10によれば、偏光板11と16との間にLCMC層14を備える構成としたので、例えば、円柱状の物体の周縁に沿って曲げたままでカラー画像を表示したり、凹凸面を有する物体の凹凸面に沿わせた状態のままでカラー画像を表示させたりすることができる。
(第2実施形態)
まず、本発明に係る表示装置20の第2実施形態における構成について説明する。
図5に示すように、本実施形態における表示装置20は、第1実施形態における表示装置10(図1参照)の一部を変更したものであって、LCMC層21と、カラーフィルタ22とを備えた点が異なる。したがって、第1実施形態における表示装置10の説明と重複する構成の説明は省略する。
LCMC層21は、複数のLCMC21aと、カラー表示のための着色材を含まないバインダー(図示省略)とで構成されている。ここで、LCMC21aは、第1実施形態におけるLCMC14aと同じであるが、便宜上、異なる符号を用いた。
カラーフィルタ22は、光出射面上の予め定められた領域ごとに着色材によって、例えば赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に着色された構成を有している。
次に、本実施形態における表示装置20の製造工程について、図5及び図6を用いて説明する。図6は、表示装置20の製造工程の概要を示すフローチャートであって、第1実施形態における表示装置10の製造工程(図4参照)と同様な工程には同一の符号を付して説明を省略する。
[インキ化(ステップS21)]
ステップS12において洗浄及び乾燥して得たLCMC粉末と、バインダーとしての非水系の樹脂とを用意する。非水系の樹脂としては、第1実施形態で示したものが使用できる。次に、LCMC粉末とバインダーとをインキヘラで練り、インキ化したLCMCを得る。LCMC粉末とバインダーとの配合比は、作業性を考慮して適宜決めるのが好ましい。
[インキを透明電極上に塗工(ステップS22)]
塗工用の台として60℃に加熱したガラス板を用意し、導電性高分子材料EL−P3040を塗布した偏光板をガラス板上に置く。次に、7μmのアプリケーターを用いて、透明電極13の上面に、ステップS21において製造したインキを塗工する。その後、インキを紫外線硬化して乾燥させる。
[透明電極をインキ上に塗工(ステップS23)]
ステップS14と同様な工程で透明電極を形成する。すなわち、インキを塗工した偏光板をガラス板上に置き、インキの上面に、5μmのアプリケーターを用いて導電性高分子材料EL−P3040を塗工し、透明電極15を形成する。その後、130℃の送風乾燥機で3分間乾燥させる。
[カラーフィルタを形成(ステップS24)]
ステップS23において形成した透明電極15の上面に、例えば赤色、緑色及び青色からなるカラーフィルタ22を形成する。例えば、市販のカラーフィルタを使用してカラーフィルタ22を形成する。また、例えば、公知の成膜技術を用いてカラーフィルタ膜を透明電極15の上面に成膜することにより、カラーフィルタ22を形成してもよい。
以上のように、本実施形態における表示装置20によれば、透明電極13を塗工材料で形成して偏光板11上に設ける構成としたので、フィルム基板の廃止が可能となり、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施形態における表示装置20によれば、LCMC21aが複数の層に配列されたLCMC層14を備え、LCMC層14は、透明電極13と15との間に、非水性の固定剤で密着固定されて形成され、透明電極15上にカラーフィルタ22を設ける構成としたので、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極13と15との間の短絡や透明電極13及び15の腐食を防止することができる。
また、本実施形態における表示装置20によれば、従来のものよりも簡易な構成となり、配向膜や配向処理、液晶の封止材や封止処理等が不要となるので、製造コストを低減することができる。
なお、前述の実施形態において、カラーフィルタ22を設けてカラー画像を表示するものを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーフィルタ22を設けないでモノクロームの表示装置とすることもできる。
以上のように、本発明に係る表示装置は、柔軟性及び屈曲性のさらなる向上を図るとともに、透明電極間の短絡や透明電極の腐食を防止し、製造コストを低減することができるという効果を有し、バックライトを有するカラー画像の表示装置等として有用である。
10、20 表示装置
11 偏光板(第1の偏光板)
13 透明電極(第1の透明電極)
14 LCMC層
14a LCMC
14b 赤色インキ
14c 緑色インキ
14d 青色インキ
14e 液晶粒子
15 透明電極(第2の透明電極)
16 偏光板(第2の偏光板)
21 LCMC層
21a LCMC
22 カラーフィルタ
30、101 光源
100 液晶表示装置
102、111 偏光板
103、110 ガラス基板
104、108 透明電極
105、107 配向膜
106 液晶層
106a 液晶粒子
109 カラーフィルタ

Claims (4)

  1. 液晶剤と前記液晶剤を包含してカプセル化するためのカプセル化剤とを予め定めた仕込み比に設定して形成した液晶マイクロカプセルと、複数の層に配列された前記液晶マイクロカプセル同士を互いに密着させて固定する非水性の固定剤とを含み、光を入射する光入射面と、入射した光を光散乱して出射する光出射面とを有する液晶マイクロカプセル層と、前記光入射面側及び前記光出射面側にそれぞれ設けられ塗工材料で形成された第1及び第2の透明電極と、前記光入射面側に設けられ第1の方向に振動する光のみを透過する第1の偏光板と、前記光出射面側に設けられ前記第1の方向と直交する第2の方向に振動する光のみを透過する第2の偏光板とを備え、
    前記液晶マイクロカプセル層は、前記光入射面から前記光を入射した際に、前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との間に予め定められた電極間電圧が印加されていないとき前記散乱出射光を前記光出射面側から出射し、前記予め定められた電極間電圧が印加されたとき前記散乱出射光を前記光出射面側から出射しないものであることを特徴とする表示装置。
  2. 前記塗工材料は、導電性高分子を含む材料、スズ含有酸化インジウムの分散液及び炭素系の繊維状物質を含有する分散液のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記固定剤は、前記散乱出射光が出射する光出射面上の予め定められた領域ごとに前記液晶マイクロカプセル層の全厚さにわたって予め定められた着色材で着色されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記光出射面上の予め定められた領域ごとに予め定められた着色材で着色されたカラーフィルタを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
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