JP2011021622A - ころ軸受の外輪及びころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】外輪給油穴から軸受内部にスムーズに潤滑油を取り込むことができるようにする。
【解決手段】内径面の両端部に内向きのつば部16が形成され、前記両側のつば部16の間の内径面に軌道面15が形成され、その軌道面15に開口を有する給油穴17が設けられたころ軸受10の外輪11において、前記給油穴17を軌道面15の両側部に片寄って設けた。
【選択図】図1
【解決手段】内径面の両端部に内向きのつば部16が形成され、前記両側のつば部16の間の内径面に軌道面15が形成され、その軌道面15に開口を有する給油穴17が設けられたころ軸受10の外輪11において、前記給油穴17を軌道面15の両側部に片寄って設けた。
【選択図】図1
Description
この発明は、ころ軸受の外輪及びその外輪を用いたころ軸受に関し、特に給油構造の改良に関するものである。
自動車エンジンのクランクシャフトの支持軸受として使用されるジャーナル軸受としてころ軸受があり、オイルポンプから圧送された潤滑油が、外輪の給油穴を通して供給されている(特許文献1)。
通常、このようなころ軸受の外輪の給油穴は、外輪の幅方向のほぼ中央に設けられている(特許文献2〜4)。
通常、このようなころ軸受の外輪の給油穴は、外輪の幅方向のほぼ中央に設けられている(特許文献2〜4)。
ところで、上記のように、ころ軸受の外輪の幅方向のほぼ中央に給油穴を設けた場合には、給油穴の部分は、ころが転動する部分であるため、オイルポンプで潤滑油を圧送しようとしても、ころが外輪の内径面を公転することによって潤滑油の流れが妨げられ、回転数等との関係で潤滑油が軸受内部に入り難く、時には、軸受内部から潤滑油が押し出されるということが生じる。
また、例えば、エンジンの場合には、オイルポンプを省略すれば、小型・軽量化することができ、オイルポンプの損失もなくなるので、燃費向上が期待できる。
しかしながら、オイルポンプを省略すると、エンジン内部で回転部品等から飛び散っている潤滑油を、外輪外径面側から自然落下で軸受内部に取り込む必要があり、オイルポンプで潤滑油を圧送する場合よりも、さらに軸受内部へ潤滑油が入り難くなる。
しかしながら、オイルポンプを省略すると、エンジン内部で回転部品等から飛び散っている潤滑油を、外輪外径面側から自然落下で軸受内部に取り込む必要があり、オイルポンプで潤滑油を圧送する場合よりも、さらに軸受内部へ潤滑油が入り難くなる。
そこで、この発明は、外輪給油穴から軸受内部にスムーズに潤滑油を取り込むことができるようにすることを課題とする。
前記の課題を解決するために、この発明は、内径面両端部に内向きのつば部が形成され、前記両つば部の間の内径面に軌道面が形成され、前記軌道面と外径面の間を貫通する給油穴が設けられたころ軸受の外輪において、前記給油穴を前記軌道面の両側部に設ける構成としたものである。
この発明に係るころ軸受の外輪は、その軌道面の両側部に給油穴が開口し、その開口にころの両端部が臨むことになる。これにより、ころの端部とつば部との密着が防止され、ころの端部とつば部との間に存在する隙間から、潤滑油が軸受内部に取り込まれる。
また、この発明は、外輪の軌道面にころを配列したころ軸受において、その外輪として前述した外輪、即ち、給油穴が前記軌道面の両側部に設けられたものを用い、前記ころの両端部をR形状に形成し、そのR形状部分を給油穴の開口に臨む構成としたものである。
この場合は、ころの両端部をR形状に形成し、そのR形状部分を給油穴の開口に臨ませることにより、開口の部分に確実に隙間が形成されるため、給油穴がころによって閉塞されず、潤滑油の軸受内部への取り込みが確実に行われる。
この発明に係るころ軸受の外輪及びその外輪を用いたころ軸受は、以上のように、給油穴がころによって閉塞されることがないので、潤滑油を円滑に軸受内部に取り込むことができる。
したがって、この発明に係るころ軸受の外輪及びその外輪を用いたころ軸受を自動車エンジンのクランクシャフトの支持軸受として使用した場合には、オイルポンプを省略することも可能となり、燃費向上が期待できる。
したがって、この発明に係るころ軸受の外輪及びその外輪を用いたころ軸受を自動車エンジンのクランクシャフトの支持軸受として使用した場合には、オイルポンプを省略することも可能となり、燃費向上が期待できる。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、実施形態のころ軸受10は、外輪11と、保持器25によって均等に配列されたころ12とからなり、ケーシング13の内側において軸14の回り嵌合される。外輪11の内径面は前記ころ12が転動する軌道面15となっており、その軌道面15の左右両側縁に内側に屈曲されたつば部16が設けられる。
前記外輪11の軌道面15の両側端とつば部16とのコーナ部には、図2(a)に示したように、ヌスミ20が全周に形成される。前記軌道面15の両側端において、ヌスミ20を設けた部分に、給油穴17、17が軸方向の同一線上の2個所に設けられる(図3参照)。各給油穴17の180度反対側にも同様の給油穴17が設けられる(図4参照)。いずれの給油穴17も、ころ12の直径より小さい径で設けられている。前記ヌスミ20は、図2(b)に示したように、省略される場合もある。
各給油穴17は、図1(b)に示したように、前記のヌスミ20の部分を貫通し、また、その給油穴17の一部aがつば部16に達するように形成される。つば部16に達した給油穴17の一部aは、つば部16の内側面において、つば部16の内端に開放された径方向の給油溝24となる。
また、外輪11の外径面の両側部において、各給油穴17を含む周溝18,18がそれぞれ設けられる(図3参照)。各周溝18は、ケーシング13の各給油通路19の開口に対向する。図1でケーシング13の給油通路19は給油穴が二手に分かれているが、それぞれ単独でも良い。
前記のころ12は、その両端面が両側のつば部16、16に達する長さを有し、その端面の形状は、図1(a)(b)に示したように、全体がR形状21に形成され、球面となっている。図1(c)に示したように、コーナー部がR形状22に形成される場合もある。
いずれの場合にも、R形状21、22の外周面が給油穴17の開口に臨み、開口とR形状21、22の外周面との間に空所23が生じる。この空所23は前記のヌスミ20がある場合の方が、ない場合(図2(b)参照)に比べ広くなる。前記空所23が生じることにより、給油穴17の開口がころ12によって閉塞されることがない。また、つば部15の内側面に存在する給油溝24もころ12の端面によって閉塞されることがない。
前記外輪11は、図1から図5に示したように環状に形成されるが、2分割した形状の半環状の外輪半体11aを2個環状に突き合わせて使用する場合もある。
実施形態のころ軸受の外輪11及びその外輪11を用いたころ軸受10は以上のごときものであり、例えば、エンジンのクランクシャフト、カムシャフト、バランサーシャフト等の支持軸受として用いられる。また、トランスミッションにおける支持軸受としても用いることができる。
外輪11の周溝18、18をケーシング13の各給油通路19、19の開口に合致させることにより、外輪11の周方向の向きにかかわらず、各給油穴17を各給油通路19に連通させることができる。給油穴17は、空所23の存在及び径方向の給油溝24の存在により、ころ12の転動によっても閉塞されることがない。このため、潤滑油は軸受内部にスムーズに供給される。軸受内部に供給された潤滑油の一部は、両側の給油穴17から軌道面15の中間部に向かって流れ、その軌道面15及び軸14を潤滑する。
以上の実施形態は、保持器25を使用しているが、この発明は、保持器を使用しない総ころタイプのころ軸受にも適用することができる。
10 ころ軸受
11 外輪
11a 外輪半体
12 ころ
13 ケーシング
14 軸
15 軌道面
16 つば部
17、17a 給油穴
18、18a 周溝
19 給油通路
20 ヌスミ
21、22 R形状
23 空所
24、24a 給油溝
25 保持器
11 外輪
11a 外輪半体
12 ころ
13 ケーシング
14 軸
15 軌道面
16 つば部
17、17a 給油穴
18、18a 周溝
19 給油通路
20 ヌスミ
21、22 R形状
23 空所
24、24a 給油溝
25 保持器
Claims (11)
- 内径面両端部に内向きのつば部が形成され、前記両つば部の間の内径面に軌道面が形成され、前記軌道面と外径面の間を貫通する給油穴が設けられたころ軸受の外輪において、前記給油穴を前記軌道面の両側部に設けたことを特徴とするころ軸受の外輪。
- 前記給油穴の一部分が前記つば部に達するように設けられ、そのつば部に達した給油穴の一部分が前記つば部内側面において径方向の給油溝となっていることを特徴とする請求項1に記載のころ軸受の外輪。
- 前記給油穴の大きさを、ころ径より小さい径に形成したことを請求項1又は2に記載のころ軸受の外輪。
- 前記給油穴の外径面側の開口に一致する周溝を当該外径面に形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のころ軸受の外輪。
- 前記給油穴が、前記軌道面の両側端の2個所において、それぞれ径方向の対向位置にも設けられたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のころ軸受の外輪。
- 前記軌道面の両側端とつば部とのコーナー部にヌスミを全周に渡り形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のころ軸受の外輪。
- 外輪の軌道面にころを配列したころ軸受において、前記外輪として請求項1から6のいずれかに記載の外輪を用い、前記ころの両端部のコーナーがR形状に形成され、そのR形状部分が給油穴の開口に臨んだことを特徴とするころ軸受。
- 前記ころ端部のR形状が、ころ軸部の端面全体に形成されることにより、当該ころの端面形状が球面に形成されたことを特徴とする請求項7に記載の単列ころ軸受。
- 前記ころ端部のR形状が、ころ軸部と端面とのコーナー部に形成されたことを特徴とする請求項7に記載のころ軸受。
- エンジンのクランクシャフト、カムシャフト又はバランサーシャフトに使用される支持軸受の外輪として請求項1〜6のいずれかの項に記載の外輪を使用するころ軸受。
- トランスミッション使用される支持軸受の外輪として請求項1〜6のいずれかの項に記載の外輪を使用するころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009164602A JP2011021622A (ja) | 2009-07-13 | 2009-07-13 | ころ軸受の外輪及びころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011021622A true JP2011021622A (ja) | 2011-02-03 |
Family
ID=43631889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009164602A Pending JP2011021622A (ja) | 2009-07-13 | 2009-07-13 | ころ軸受の外輪及びころ軸受 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2011021622A (ja) |
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2009
- 2009-07-13 JP JP2009164602A patent/JP2011021622A/ja active Pending
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