JP2011020779A - 鋼板ブロック反転装置および鋼板ブロック反転方法 - Google Patents

鋼板ブロック反転装置および鋼板ブロック反転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風が強い日でも鋼板ブロックの反転作業を安全に行い得る装置と方法を提供する。
【解決手段】鋼板ブロックを立て起こして寝かせることにより、表裏面を反転させる際に用いる鋼板ブロック反転装置1であって、鋼板ブロックを寝かせた状態で支持する支持架台3と、支持架台3の一端側に設けられて鋼板ブロックの一方の端縁部に当接して移動を規制するストッパー11と、支持架台3のストッパー11側に設けられて鋼板ブロックの端縁部を保持する保持面13を有する保持台12とから構成され、且つ鋼板ブロックの反転時に、鋼板ブロックの一方の端縁部に取り付けられて、ストッパー11の表面及び保持面13に保持される回転治具21、及び支持架台3の両側部に設けられた案内溝部33に移動可能に案内されると共に鋼板ブロックの反転時に鋼板ブロックにワイヤーを介して連結されて鋼板ブロックが揺れるのを防止するアイボルト35を具備したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼板ブロック反転装置および鋼板ブロック反転方法に関するものである。
大型の鋼構造物では、工場で製作されて据付現地へ搬入されるのではなく、据付現地の作業ヤードで直接製作されるものがある。この鋼構造物で、複数の鋼板を溶接で継ぎ合わせて鋼板ブロックを組み立てるために、作業ヤードで鋼板ブロックを裏表反転させる必要がある。また、鋼板ブロックの表面および裏面に部材を有するものであれば、鋼板ブロックの両面に部材を溶接するために、作業ヤードで鋼板ブロックを裏表反転させる必要がある。
反転作業には、クレーンで鋼板の一端部を吊り上げて、この鋼板の裏表が逆になるようにして当該鋼板を吊り下ろす工法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、鋼板ブロックが大型である場合には、上記工法では反転作業が困難になるため、クレーンで吊り下ろされる鋼板ブロックの他端部(下端部)の移動をストッパーで規制し、鋼板ブロックの反転を補う工法が一般的に用いられている。
実登3021002号公報
しかし、上記の工法では、クレーンで吊持された鋼板ブロックは全面で風を受けるため、風が強い日には鋼板ブロックが煽られて危険であり、反転作業を行うことができず、工程の遅れの原因となっていた。
また、風が強くない場合でも、風向きによってはクレーン操作のみで鋼板ブロックを反転できず、作業員による補助作業が必要となり、吊荷のそばで作業が発生するため、危険であった。
そこで、本発明は、風が強い日でも鋼板ブロックの反転作業を安全に行い得る装置と方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る鋼板ブロック反転装置は、鋼板ブロックを立て起こして寝かせることにより、その表裏面を反転させる際に用いる鋼板ブロック反転装置であって、
鋼板ブロックを寝かせた状態で支持する支持架台と、この支持架台の一端側に設けられて鋼板ブロックの一方の端縁部に当接してその移動を規制する規制部材と、上記支持架台の規制部材側に設けられるとともに鋼板ブロックを立て起こして寝かせる際に当該鋼板ブロックの端縁部を保持する保持面を有する保持部材とから構成され、
且つ鋼板ブロックの反転時に、鋼板ブロックの一方の端縁部に取り付けられて、上記規制部材の表面および保持部材の保持面に保持される被保持部材、および上記支持架台の両側部に設けられた案内溝部に移動可能に案内されるとともに鋼板ブロックの反転時に鋼板ブロックに索体を介して連結されて当該鋼板ブロックが揺れるのを防止する揺れ防止具を具備したものである。
また、請求項2に係る鋼板ブロック反転方法は、請求項1に記載の鋼板ブロック反転装置を用いる鋼板ブロック反転方法であって、
鋼板ブロックを支持架台上に寝かせた状態で、規制部材とは反対側の一方の端縁部に被保持部材を取り付けるとともに鋼板ブロックの側縁部を索体を介して揺れ防止具に連結し、
次に鋼板ブロックの他方の端縁部側をクレーンにより吊り上げて、その一方の端縁部に取り付けられた被保持部材が規制部材側に移動するように立て起こし、
次に上記被保持部材が保持部材の保持面に保持された状態でクレーンにより一方の端縁部を規制部材から離間する方向に吊り下げることにより、鋼板ブロックの反転を行うことを特徴とするものである。
上記鋼板ブロック反転装置および鋼板ブロック反転方法によると、揺れ防止具により鋼板ブロックの揺れが軽減されるため、風が強い日でも安全に且つ迅速に反転作業を行うことができる。さらに、鋼板ブロックに取り付けられる被保持部材によりクレーン操作のみで鋼板ブロックを所定の位置に反転できるので、安全に作業を行うことができる。
本発明の実施例1に係る鋼板ブロック反転装置における支持架台の平面図である。 同装置における支持架台の側面図である。 同装置における支持架台のA−A矢視図である。 同装置に準備された鋼板ブロックの平面図である。 同装置における回転治具のB−B断面図である。 同装置を用いて鋼板ブロックを立て起こす動作図である。
以下に、本発明の実施例1に係る鋼板ブロック反転装置および当該鋼板ブロック反転装置を用いた鋼板ブロック反転方法について図1〜図6に基づき説明する。実施例1では、反転が行われる対象が鋼製セルの鋼殻板として使用される鋼板ブロックである場合について説明する。
まず、鋼製セルについて簡単に説明する。
鋼製セルは、円筒形状の鋼構造物であり、護岸の建設に用いられるものである。具体的には、多数の鋼製セルが海底地盤に一定間隔で順次打ち込まれ、隣り合う鋼製セルをアーク継手およびアーク部材で連結し、各鋼製セルおよびアーク部材の内部に土砂を充填して護岸が構築される。
一般的に、鋼製セルは直径20〜25m、高さ20〜30m程度の大きさであるから、一体物としてではなく、円周方向において複数に分割した鋼板ブロック(竹を割ったような形状である)が据付現地の作業ヤードで製作され、各鋼板ブロックの組立ておよび溶接により鋼製セルが完成する。各鋼板ブロックの内周面には、外側からの海水の水圧および内側からの充填される土砂の土圧を受けるための補強材が設けられ、外周面には、他の鋼製セルとの連結を行うためのアーク継手が設けられる。
次に、鋼製セルの鋼板ブロックの製作方法についても簡単に説明する。
上記の通り、鋼板ブロックは高さが20〜30m程度の大きさであり、鋼板の規格品のサイズを越えるため、複数の鋼板を突合せ溶接により接続することで、鋼板ブロックが製作される。具体的には、作業ヤードに複数の鋼板を並置し、各鋼板の表面側に溶接を行った後、鋼板ブロック(製作段階においても鋼板ブロックとして説明する)を立て起こして表裏を反転させ、裏面側にも溶接が行われ、鋼板ブロックが製作される。この反転作業において、本発明に係る鋼板ブロック反転装置および鋼板ブロック反転方法が使用される。
以下、本発明の要旨である鋼板ブロック反転装置について説明する。なお、鋼板ブロックの立て起こしの際にクレーンで吊り上げられる手前側を後方向とし、反対側を前方向とする。また、この前後方向に直交する水平面上の方向を左右方向として説明する。
図1〜図5に示すように、この鋼板ブロック反転装置1は、寝かせた状態の鋼板ブロック2を支持する支持架台3と、この支持架台3の後端側に設けられて立て起こされた鋼板ブロック2の下端縁部に当接してその移動を規制するストッパー(規制部材の一例である)11と、上記支持架台3のストッパー11側に設けられるとともに鋼板ブロック2を立て起こして寝かせる際に当該鋼板ブロック2の下端縁部を保持する保持台(保持部材の一例である)12とから構成される。また、この鋼板ブロック反転装置1は、立て起こされた鋼板ブロック2の下端縁部に取り付けられて、上記ストッパー11の前面および保持台12の上面(保持面13である)に保持される回転治具(被保持部材の一例である)21、および上記支持架台3の左右両側部に設けられた案内部材31の案内溝部33に移動可能に案内されるとともに鋼板ブロック2の反転時に鋼板ブロック2にワイヤー(索体の一例である)37を介して連結されて当該鋼板ブロック2が揺れるのを防止するアイボルト(揺れ防止具の一例である)35を具備する。
ここで、上記支持架台3は、台座部4および台座部4を支持する脚桁部6から構成される。この台座部4は、左右方向に配置された左右桁5が前後方向に所定間隔で列置されてなり、また脚桁部6は、台座部4の下で上記左右桁5と直交する方向(前後方向)に配置された前後桁7が左右方向に所定間隔で列置されてなるものである。言い換えれば、支持架台3は、左右桁5およびこれら左右桁5の下の前後桁7が格子状に組まれたものである。さらにストッパー11には、上記支持架台3の各前後桁7の後部上面において、両フランジ面が前後へ向くように鉛直上向きに配置されたH形鋼が用いられている。また保持台12は、上記支持架台3の各前後桁7上において上記各ストッパー11と最後列に配置された左右桁5の間に取り付けられ、保持面13である上面はストッパー11側を下位(すなわち、左右桁5側を上位)として傾斜し、保持面13の上端である前端辺は、左右桁5の高さと同一またはこれより低くされている。
一方、回転治具21は、図5に示すように、鋼板ブロック2の前端縁部(鋼板ブロック2が立て起こされると下端縁部となる)に取り付けられるためにボルト穴23が複数形成された平鋼である取付板部22と、この取付板部22と平行で且つ当該取付板部22の長辺側から突出するように設けられたパイプ部25とから構成される。
また、案内部材31は支持架台3のそれぞれ左右両側に前後方向で2つ設けられている。これら各案内部材31は、開口部が下向きのコの字形状となるように相対向して配置された一対の山形鋼32と、一対の山形鋼32をそれぞれの底部で接続して固定する接続板34とから構成されて、両山形鋼32の間には隙間が設けられて案内溝部33が形成される。この案内部材31の案内溝部33には、鋼板ブロック2の揺れ防止具であるアイボルト35が嵌め込まれて、アイボルト35は案内溝部33の下側からナット36で固定される。
次に、上記鋼板ブロック反転装置1を用いた鋼板ブロック反転方法、すなわち、製作段階における鋼板ブロック2の反転方法について図6に基づき説明する。
鋼板ブロック2を支持架台3上に寝かせた状態で(図6(a)参照)、まず鋼板ブロック2の後端縁部(鋼板ブロック2が立て起こされると上端縁部となる)にクレーンKからの吊り具をワイヤーWで接続し、さらに鋼板ブロック2の前端縁部に回転治具21をボルトナット24で接合する。この回転治具21は、鋼板ブロック2が立て起こされた際に保持面13により保持されるものであるから、回転治具21のパイプ部25が取付板部22の上側で且つ前側となる向きで、鋼板ブロック2に取り付けられる(図6(b)参照)。また、鋼板ブロック2の左右側縁部(図示しないが、左右側縁部にはワイヤー37を通すためのブラケットが設けられる)を、ワイヤー37を介して案内部材31の案内溝部33に案内された左右のアイボルト35に連結する。
次に、鋼板ブロック2の後端縁部をクレーンKにより吊り上げ、鋼板ブロック2を支持架台3上で引き摺ることなく垂直に立て起こす(図6(c)参照)。そして、鋼板ブロック2の前端縁部が支持架台3から離れるまで完全に吊り上げた後は(図6(d)参照)、鋼板ブロック2が保持台12の上方に位置するまで、鋼板ブロック2を後方へ水平移動させてストッパー11側へ寄せる。このとき、鋼板ブロック2は、揺れ防止のためにワイヤー37を介してアイボルト35と連結されているが、これらアイボルト35は前後方向へ移動可能であるから、上記の鋼板ブロック2の移動に追従してアイボルト35も移動する。
その後、鋼板ブロック2を吊り下げて、回転治具21のパイプ部25を保持台12の上面(保持面13である)に接触させて回転治具21を保持面13により保持させる(図6(e)参照)。仮に、前方への風により鋼板ブロック2が傾いて、ストッパー11へ鋼板ブロック2を当接できない場合であっても、回転治具21を保持面13上へ接触させることができれば、鋼板ブロック2は自重により保持面13の傾斜に沿ってストッパー11側へ寄せられる。
次に、上記の通り回転治具21が保持面13に保持された状態で、クレーンKにより鋼板ブロック2の上端縁部が前方(ストッパー11から離間する方向である)となるように下ろして寝かせることにより、鋼板ブロック2の表裏面が所定の位置に反転される(図6(f)参照)。
最後に、鋼板ブロック2から回転治具21、クレーンKからの吊り具および側縁部のワイヤー37を取り外して一連の反転作業が完了する。
このように、鋼板ブロック2は側縁部でワイヤー37を介してアイボルト35に連結されているため、風がある場合でも鋼板ブロック2の揺れを防止でき、反転作業を行うことができる。
また、保持台12により保持される回転治具21は、保持面13との接触する部分が円弧形状であるので、鋼板ブロック2が支持架台3に直接保持される場合に比べて鋼板ブロック2の反転が容易となり、迅速に反転作業を行うことができる。
さらに、回転治具21は、鋼板ブロック2の自重により保持面13の傾斜に沿ってストッパー11へ寄せられるため、風が発生していても作業員の補助作業を必要とせずに鋼板ブロック2をストッパー11へ当接でき、安全に反転作業を行うことができる。
ところで、上記実施例では、保持台12の保持面13は斜面として説明したが、この形状に限定されるものではなく、ストッパー11側(後側)が下位となる凹形状の円弧曲面であってもよい。
1 鋼板ブロック反転装置
2 鋼板ブロック
3 支持架台
4 台座部
6 脚桁部
11 ストッパー
12 保持台
21 回転治具
23 ボルト穴
24 ボルトナット
31 案内部材
32 山形鋼
33 案内溝部
34 接続板
35 アイボルト
37 ワイヤー

Claims (2)

  1. 鋼板ブロックを立て起こして寝かせることにより、その表裏面を反転させる際に用いる鋼板ブロック反転装置であって、
    鋼板ブロックを寝かせた状態で支持する支持架台と、この支持架台の一端側に設けられて鋼板ブロックの一方の端縁部に当接してその移動を規制する規制部材と、上記支持架台の規制部材側に設けられるとともに鋼板ブロックを立て起こして寝かせる際に当該鋼板ブロックの端縁部を保持する保持面を有する保持部材とから構成され、
    且つ鋼板ブロックの反転時に、鋼板ブロックの一方の端縁部に取り付けられて、上記規制部材の表面および保持部材の保持面に保持される被保持部材、および上記支持架台の両側部に設けられた案内溝部に移動可能に案内されるとともに鋼板ブロックの反転時に鋼板ブロックに索体を介して連結されて当該鋼板ブロックが揺れるのを防止する揺れ防止具を具備したことを特徴とする鋼板ブロック反転装置。
  2. 請求項1に記載の鋼板ブロック反転装置を用いる鋼板ブロック反転方法であって、
    鋼板ブロックを支持架台上に寝かせた状態で、規制部材とは反対側の一方の端縁部に被保持部材を取り付けるとともに鋼板ブロックの側縁部を索体を介して揺れ防止具に連結し、
    次に鋼板ブロックの他方の端縁部側をクレーンにより吊り上げて、その一方の端縁部に取り付けられた被保持部材が規制部材側に移動するように立て起こし、
    次に上記被保持部材が保持部材の保持面に保持された状態でクレーンにより一方の端縁部を規制部材から離間する方向に吊り下げることにより、鋼板ブロックの反転を行うことを特徴とする鋼板ブロック反転方法。
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