JP2011020570A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系に有する半締結可能要素の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ること。
【解決手段】第1モータジェネレータ3、第2モータジェネレータ5とエンジン1が接続される遊星歯車を有し、無段変速比を得る電気無段変速機10と、電気無段変速機10の出力側に接続され、締結要素として摩擦クラッチ7を有し、複数の有段変速比を得る機械有段変速機6と、機械有段変速機6の変速過渡期、摩擦クラッチ7のスリップ締結状態を保ちながら変速する。このハイブリッド車両において、モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における摩擦クラッチ7への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段(図4)を設け、変速制御手段(図5)は、学習制御手段(図4)による学習結果に基づいて機械有段変速機6の変速制御を行う。
【選択図】図4
【解決手段】第1モータジェネレータ3、第2モータジェネレータ5とエンジン1が接続される遊星歯車を有し、無段変速比を得る電気無段変速機10と、電気無段変速機10の出力側に接続され、締結要素として摩擦クラッチ7を有し、複数の有段変速比を得る機械有段変速機6と、機械有段変速機6の変速過渡期、摩擦クラッチ7のスリップ締結状態を保ちながら変速する。このハイブリッド車両において、モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における摩擦クラッチ7への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段(図4)を設け、変速制御手段(図5)は、学習制御手段(図4)による学習結果に基づいて機械有段変速機6の変速制御を行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系を備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
2つ以上の電動機と主たる動力源と出力軸、合計四軸が一つ以上の遊星歯車でつながれていて、主たる動力源と出力軸との速度比が無段に設定できる電気無段変速機はハイブリッド変速機構と呼ばれる。このハイブリッド変速機構においては、主たる動力源と出力軸との間の変速比を無段にとり、電動機を介して蓄電手段とのエネルギーのやり取りを行っていた。また、電気無段変速機の電動機の一つと出力軸との間に機械的な変速機を挿入していた。そして、変速機につながれている電動機のトルクと油圧とに基づき、伝達トルクと油圧との関係を学習していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記発明は電動機に直接半締結可能要素が接続されているハイブリッド変速機構においては有用であるが、本発明で対象としている「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」に適用することができない。
なぜなら、「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」には、二つの解決すべき課題があるからである。
一つ目の課題は、機械的な有段変速機より上流側で変速するものが電動機単体ではなく、電気無段変速機であるため、電動機の回転慣性に対して電動機トルクと半締結要素伝達トルクが作用するのみでない。二つ目の課題は、電気無段変速機のトルクつりあいの中に、トルク出力精度の低い「主たる動力源」が入っているため、これに基づき半締結可能要素の伝達トルクを学習しても精度が低い。
なぜなら、「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」には、二つの解決すべき課題があるからである。
一つ目の課題は、機械的な有段変速機より上流側で変速するものが電動機単体ではなく、電気無段変速機であるため、電動機の回転慣性に対して電動機トルクと半締結要素伝達トルクが作用するのみでない。二つ目の課題は、電気無段変速機のトルクつりあいの中に、トルク出力精度の低い「主たる動力源」が入っているため、これに基づき半締結可能要素の伝達トルクを学習しても精度が低い。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系に有する半締結可能要素の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、2以上の電動機と主たる動力源が接続される遊星歯車を有し、無段変速比を得る電気無段変速機と、前記電気無段変速機の出力側に接続され、締結要素として半締結可能要素を有し、複数の有段変速比を得る機械有段変速機と、前記機械有段変速機の変速過渡期、前記半締結可能要素のスリップ締結状態を保ちながら変速する変速制御手段と、を備えている。
このハイブリッド車両の制御装置において、前記2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と前記遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における前記半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段を設ける。そして、前記変速制御手段は、前記学習制御手段による学習結果に基づいて前記機械有段変速機の変速制御を行う。
このハイブリッド車両の制御装置において、前記2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と前記遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における前記半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段を設ける。そして、前記変速制御手段は、前記学習制御手段による学習結果に基づいて前記機械有段変速機の変速制御を行う。
よって、本発明にあっては、学習制御手段において、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係が学習される。そして、変速制御手段において、学習制御手段による学習結果に基づいて機械有段変速機の変速制御が行われる。
すなわち、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系の場合、機械有段変速機より上流側で変速するものが電動機単体ではなく、電気無段変速機であり、電気無段変速機のトルクつりあいの中に、トルク出力精度の低い「主たる動力源」が入っている。これに対し、遊星歯車に接続される2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と、遊星歯車の運動方程式(つりあい式)に基づいて、スリップ締結状態における半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係が学習される。このため、電動機の回転慣性のみや電気無段変速機のトルクつりあいのみを考慮して学習する場合に比べ、半締結可能要素の伝達トルクの学習精度が高くなる。したがって、機械有段変速機の変速制御では、精度の高い学習結果に基づき、変速途中でも要求駆動力に対して正確な出力トルクが発生できるというように、良好な運転フィーリングとなる変速を実行することができる。
この結果、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系に有する半締結可能要素の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ることができる。
すなわち、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系の場合、機械有段変速機より上流側で変速するものが電動機単体ではなく、電気無段変速機であり、電気無段変速機のトルクつりあいの中に、トルク出力精度の低い「主たる動力源」が入っている。これに対し、遊星歯車に接続される2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と、遊星歯車の運動方程式(つりあい式)に基づいて、スリップ締結状態における半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係が学習される。このため、電動機の回転慣性のみや電気無段変速機のトルクつりあいのみを考慮して学習する場合に比べ、半締結可能要素の伝達トルクの学習精度が高くなる。したがって、機械有段変速機の変速制御では、精度の高い学習結果に基づき、変速途中でも要求駆動力に対して正確な出力トルクが発生できるというように、良好な運転フィーリングとなる変速を実行することができる。
この結果、電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結した駆動系に有する半締結可能要素の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系と制御系の構成を示す全体システム図である。以下、図1に基づき駆動系構成と制御系構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系と制御系の構成を示す全体システム図である。以下、図1に基づき駆動系構成と制御系構成を説明する。
ハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジン1(主たる動力源)と、ダンパー2と、第1モータジェネレータ3(電動機)と、オイルポンプ4と、第2モータジェネレータ5(電動機)と、機械有段変速機6と、摩擦クラッチ7(半締結可能要素)と、ドッグクラッチ8(締結要素)と、電気無段変速機10と、を備えている。
前記エンジン1は、その出力トルクを、電気無段変速機10にて第1モータジェネレータ3への発電トルク分と走行トルク分に分配する。そして、第1モータジェネレータ3が発電した電力を使って第2モータジェネレータ5が、機械有段変速機6を介してトルクを出力する。そして、電気無段変速機10からの出力トルクと、機械有段変速機6からの出力トルクを、最終出力軸23にて合成している。
前記電気無段変速機10は、リングギア11と、ピニオン12と、サンギア13と、ピニオン12を支持するキャリア14と、を有するシングルピニオン型の遊星歯車により構成されている。前記リングギア11には、出力ギア15が接続される。前記キャリア14には、ダンパー2を介してエンジン1が接続される。前記サンギア13には、第1モータジェネレータ3が接続される。前記サンギア13とキャリア14には、オイルポンプ4が接続される。すなわち、エンジン1(キャリア14)の回転数が決まると、第1モータジェネレータ3(サンギア13)の回転数の大きさにより、出力ギア15(リングギア11)の回転数が自動的に決まる無段変速機能を有する。なお、出力ギア15は、最終出力軸23にベアリング28を介して回転可能に支持されたロー側アイドルギア22に噛み合う。
前記機械有段変速機6は、第2モータジェネレータ5が接続されるモータ出力軸29に固定されたハイ側入力ギア25と、該ハイ側入力ギア25に噛み合うと共に最終出力軸23にベアリング27を介して回転可能に支持されたハイ側アイドルギア21と、該ハイ側アイドルギア21と最終出力軸23をスリップ締結可能に断接する湿式多板構造による摩擦クラッチ7と、を有している。また、第2モータジェネレータ5が接続されるモータ出力軸29に固定されたロー側入力ギア24と、該ロー側入力ギア24に噛み合うと共に最終出力軸23にベアリング28を介して回転可能に支持されたロー側アイドルギア22と、該ロー側アイドルギア22と最終出力軸23を断接する噛み合い構造によるドッグクラッチ8と、を有している。以上の構成により平行軸式変速ギア機構と締結要素(摩擦クラッチ7とドッグクラッチ8)を有する実施例1の機械有段変速機6が構成される。
そして、摩擦クラッチ7を締結し、ドッグクラッチ8を開放すると、ハイ側入力ギア25とハイ側アイドルギア21の歯数比により決まる「ハイモード」になり、摩擦クラッチ7を開放し、ドッグクラッチ8を締結すると、ロー側入力ギア24とロー側アイドルギア22の歯数比により決まる「ローモード」になる。すなわち、切り替え変速段として、「ハイモード」による高速段と「ローモード」による低速段を持つ2段変速機能を有する。
そして、摩擦クラッチ7を締結し、ドッグクラッチ8を開放すると、ハイ側入力ギア25とハイ側アイドルギア21の歯数比により決まる「ハイモード」になり、摩擦クラッチ7を開放し、ドッグクラッチ8を締結すると、ロー側入力ギア24とロー側アイドルギア22の歯数比により決まる「ローモード」になる。すなわち、切り替え変速段として、「ハイモード」による高速段と「ローモード」による低速段を持つ2段変速機能を有する。
前記最終出力軸23は、ベアリング26、26により両端部が支持され、ハイ側アイドルギア21とロー側アイドルギア22が回転可能に支持されると共に、最終出力ギア30が固定されている。この最終出力ギア30に伝達されたトルクは、図示しない終減速ギアとデファレンシャル装置31を介して、一対の駆動輪32、32へ伝達される。
ハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、第1インバータ41と、第2インバータ42と、バッテリー43と、第1モータコントローラ44と、第2モータコントローラ45と、エンジンコントローラ46と、トランスミッションコントローラ47と、バッテリーコントローラ48と、ハイブリッドコントローラ49と、を備えている。
前記第1モータコントローラ44は、第1インバータ41に対する制御指令により第1モータジェネレータ3の動作点(第1トルクT1、第1回転数N1)を制御する。また、前記第2モータコントローラ45は、第2インバータ42に対する制御指令により第2モータジェネレータ5の動作点(第2トルクT2、第2回転数N2)を制御する。
前記エンジンコントローラ46は、図示しない電子制御スロットルアクチュエータへの制御指令によりエンジン1の動作点(エンジントルクTe、エンジン回転数Ne)を制御する。
前記トランスミッションコントローラ47は、図示しない摩擦クラッチアクチュエータへの制御指令により摩擦クラッチ7の動作点(締結・スリップ締結・開放)を制御する。また、図示しないドッグクラッチアクチュエータへの制御指令によりドッグクラッチ8の動作点(締結・開放)を制御する。
前記バッテリーコントローラ48は、バッテリー43の充電容量(SOC)を監視し、SOC情報やバッテリー温度情報等を、ハイブリッドコントローラ49へ供給する。
前記ハイブリッドコントローラ49は、車両全体の消費エネルギーを管理し、要求駆動力を確保しながら最高効率でハイブリッド車両を走らせるための機能を担うもので、CAN通信線等の双方向通信線を介して、第1モータコントローラ44と第2モータコントローラ45とエンジンコントローラ46とトランスミッションコントローラ47とバッテリーコントローラ48等に接続される。このハイブリッドコントローラ49は、アクセル開度センサ50や車速センサ51等から必要情報を入力する。そして、入力した情報に基づいて、所定の演算処理を行い、各コントローラ44、45、46、47に対し動作点指令値を出力する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両において「ローモード」を選択したときの駆動系に有する各回転要素の回転数(回転速度)を縦軸にとってあらわした速度線図である。図3は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両において「ハイモード」を選択したときの駆動系に有する各回転要素の回転数(回転速度)を縦軸にとってあらわした速度線図である。
電気変速部分は、図2及び図3に示すように、2つの回転数が決まると、残りの1つの回転数が決まる2自由度系の遊星歯車(電気無段変速機10)と、遊星歯車に接続される第1モータジェネレータ3と、エンジン1と、第2モータジェネレータ5により構成される。このため、エンジン1の回転数を入力回転数とした場合、第1モータジェネレータ3の回転数により変速比が無段階に決められ、決められた変速比により第2モータジェネレータ5の出力回転数が自動的に決まる無段変速機能を有する。
機械変速部分は、摩擦クラッチ7とドッグクラッチ8を有する機械有段変速機6により構成され、図2に示すように、ドッグクラッチ8の締結(摩擦クラッチ7の開放)により「ローモード(低速段)」が選択され、図3に示すように、摩擦クラッチ7の締結(ドッグクラッチ8の開放)により「ハイモード(高速段)」が選択される。つまり、「ローモード」と「ハイモード」を切り替える2段変速機能を有する。
そして、電気変速部分からの電気変速出力トルクは、機械変速部分に入力され、機械変速部分での変速比により機械変速出力トルクとされ、最終出力ギア30→終減速ギア→デファレンシャル装置31を経過して、一対の駆動輪32、32への最終出力トルク(駆動力)として伝達され、車速Vとされる。
ここで、「ハイモード」で摩擦クラッチ7を用い、「ローモード」でドッグクラッチ8を用いる理由を説明する。例えば、両方共に摩擦クラッチとした場合、引き摺り損失や油圧ポンプ損失が生じ、特に、伝達されるトルクが大きい「ローモード」において損失が顕著になる。また、例えば、両方共にドッグクラッチとした場合、損失を伴わないという利点があるが、変速の際に締結側も開放側も完全に開放し、回転同期をとって締結させる必要がある。つまり、回転同期制御が必要であると共に変速過渡期にトルク抜けが生じる。そこで、「ハイモード」の締結要素として、回転同期制御を必要としない摩擦クラッチ7を用い、「ローモード」の締結要素として、損失を抑えたドッグクラッチ8を用い、「ハイモード」から「ローモード」、あるいは、「ローモード」から「ハイモード」への変速過渡期には、摩擦クラッチ7をスリップ締結状態として伝達トルクを確保しておくことにより駆動力抜けを補償している。
例えば、機械変速部分において、「ハイモード」から「ローモード」へ移行するダウンシフトの変速過渡期には、摩擦クラッチ7の締結力を低下させ、第2モータジェネレータ5をトルク制御から回転数制御に変更し、第2モータジェネレータ5の回転数を上昇させるモータ変速動作を行う。このモータ変速動作により、摩擦クラッチ7はスリップ締結状態に移行し、モータ変速動作の間は、駆動力の抜けが補償される。そして、第2モータジェネレータ5の回転数(=ドッグクラッチ8の入力回転数)が、ドッグクラッチ8の出力回転数に同期すると、回転数同期タイミングでドッグクラッチ8を噛み合い締結させると共に、摩擦クラッチ7を開放する。
また、機械変速部分において、「ローモード」から「ハイモード」へ移行するアップシフトの変速過渡期には、開放されている摩擦クラッチ7の締結力を上昇させながらドッグクラッチ8を開放する指令を出す。このクラッチ指令により、摩擦クラッチ7が駆動力補償を行えるスリップ締結状態となり、ドッグクラッチ8を経過する伝達トルクが低下すると自動的にドッグクラッチ8が切り離される。そして、第2モータジェネレータ5をトルク制御から回転数制御に変更し、第2モータジェネレータ5の回転数を低下させるモータ変速動作を行う。このモータ変速動作の間は、スリップ締結状態の摩擦クラッチ7により駆動力の抜けが補償される。そして、第2モータジェネレータ5の回転数(=摩擦クラッチ7の入力回転数)が、摩擦クラッチ7の出力回転数に同期すると、回転数同期タイミングにて摩擦クラッチ7が自動締結し、締結力増大により完全締結に移行する。
図4は、実施例1のハイブリッドコントローラ49にて実行される摩擦クラッチ7の油圧指令値と伝達トルクの関係についての学習制御処理の流れを示すフローチャートである(学習制御手段)。以下、図4の各ステップについて説明する。
ステップS1では、機械有段変速機6に対する変速指令の出力に基づいて、変速中であるか否かを判断し、YES(変速中)の場合はステップS2へ進み、NO(モード固定)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1での変速中であるとの判断に続き、機械有段変速機6においてイナーシャ相が開始し、かつ、摩擦クラッチ7への伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であるか否かを判断し、YES(イナーシャ相開始、Tex ref≦T0)の場合はステップS3へ進み、NO(イナーシャ相開始前、または、Tex ref>T0)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、イナーシャ相の開始判断では、機械有段変速機6の入力回転数が変化を開始した直後の値で判断するのではなく、機械有段変速機6の入力回転数が、変速前回転数から設定回転数だけ変速後の回転数側へ変化することで判断している。つまり、変速前回転数に近い部分は学習禁止とする。同様に、ステップS10でのイナーシャ相の終了判断では、機械有段変速機6の入力回転数が変速後の回転数になるまで待つのではなく、機械有段変速機6の入力回転数が、変速後回転数より設定回転数前の回転数まで変化することで判断している。つまり、入力回転数が変速後回転数に近い部分は学習禁止とする。これにより、摩擦クラッチ7が、安定したスリップ状態を実現している部分でのみ学習するようにしている。
ここで、イナーシャ相の開始判断では、機械有段変速機6の入力回転数が変化を開始した直後の値で判断するのではなく、機械有段変速機6の入力回転数が、変速前回転数から設定回転数だけ変速後の回転数側へ変化することで判断している。つまり、変速前回転数に近い部分は学習禁止とする。同様に、ステップS10でのイナーシャ相の終了判断では、機械有段変速機6の入力回転数が変速後の回転数になるまで待つのではなく、機械有段変速機6の入力回転数が、変速後回転数より設定回転数前の回転数まで変化することで判断している。つまり、入力回転数が変速後回転数に近い部分は学習禁止とする。これにより、摩擦クラッチ7が、安定したスリップ状態を実現している部分でのみ学習するようにしている。
ステップS3では、ステップS2でのイナーシャ相が開始したとの判断に続き、エンジン回転数Neの時間微分値であるエンジン加速度dNe/dtが設定値A以下か否かを判断し、YES(dNe/dt≦A)の場合はステップS4へ進み、NO(dNe/dt>A)の場合はエンドへ進む。
ここで、エンジン加速度dNe/dtの設定値Aは、エンジン1の慣性トルクの検出誤差により学習精度を低下させない限界値に設定される。
ここで、エンジン加速度dNe/dtの設定値Aは、エンジン1の慣性トルクの検出誤差により学習精度を低下させない限界値に設定される。
ステップS4では、ステップS3でのdNe/dt≦Aであるとの判断に続き、摩擦クラッチ7の一次回転数(入力回転数)と、一次回転数と二次回転数(出力回転数)の回転数差を算出し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4での摩擦クラッチ7の一次回転数と二次回転数(出力回転数)の回転数差の算出に続き、必要な情報と各運動方程式を用いて、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算し、ステップS6へ進む(第1学習演算部)。
第1学習演算部は、必要な既知情報として、動力源1,3,5の慣性トルクと動力源3,5のトルクを用い、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(3式)と遊星歯車の運動方程式(2式)を用いて、未知数であるエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算する。なお、詳しい演算手法は後述する。
第1学習演算部は、必要な既知情報として、動力源1,3,5の慣性トルクと動力源3,5のトルクを用い、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(3式)と遊星歯車の運動方程式(2式)を用いて、未知数であるエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算する。なお、詳しい演算手法は後述する。
ステップS6では、ステップS5でのエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1の演算に続き、必要な情報と各運動方程式を用いて、半クラッチトルクTex2を演算し、ステップS6へ進む(第2学習演算部)。
第1学習演算部は、必要な既知情報として、動力源1,3,5の慣性トルクとトルクを用い、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(3式)と遊星歯車の運動方程式(1式)を用いて、未知数である半クラッチトルクTex2を演算する。なお、詳しい演算手法は後述する。
第1学習演算部は、必要な既知情報として、動力源1,3,5の慣性トルクとトルクを用い、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(3式)と遊星歯車の運動方程式(1式)を用いて、未知数である半クラッチトルクTex2を演算する。なお、詳しい演算手法は後述する。
ステップS7では、ステップS6での半クラッチトルクTex2の演算に続き、ステップS5で演算したエンジントルクTeと、ステップS6で既知情報として用いたエンジントルク推定値Te#の差の絶対値(=エンジントルク差)を算出し、エンジントルク差が設定値B以上であるか否かを判断し、YES(|Te−Te#|≧B)の場合はステップS8へ進み、NO(|Te−Te#|<B)の場合はステップS9へ進む。
ここで、エンジントルク差の設定値Bは、エンジントルク推定値Te#に信頼度がある限界値として設定する。
ここで、エンジントルク差の設定値Bは、エンジントルク推定値Te#に信頼度がある限界値として設定する。
ステップS8では、ステップS7での|Te−Te#|≧Bであるとの判断に続き、ステップS5で演算した半クラッチトルクTex1を用い、摩擦クラッチ7の回転数状態および油圧指令と、半クラッチトルクTex1との間で行う学習制御により、学習値kを求めて更新記憶し、ステップS10へ進む。なお、詳しい学習制御手法は後述する。
ステップS9では、ステップS7での|Te−Te#|<Bであるとの判断に続き、ステップS6で演算した半クラッチトルクTex2を用い、摩擦クラッチ7の回転数状態および油圧指令と、半クラッチトルクTex2との間で行う学習制御により、学習値kを求めて更新記憶し、ステップS10へ進む。なお、詳しい学習制御手法は後述する。
ステップS10では、ステップS8またはステップS9での学習制御に続き、機械有段変速機6においてイナーシャ相が終了する、または、摩擦クラッチ7への伝達トルク指令値Tex refが所定値T0を超えているか否かを判断し、NO(イナーシャ相終了前、かつ、Tex ref≦T0)の場合はステップS3へ戻り、YES(イナーシャ相終了、または、Tex ref>T0)の場合はエンドへ進む。
図5は、実施例1のハイブリッドコントローラ49にて実行される学習値を用いて摩擦クラッチ7をスリップ締結させる変速制御処理の流れを示すフローチャートである(変速制御手段)。以下、図5の各ステップについて説明する。
ステップS21では、機械有段変速機6を変速(モード遷移)させる変速指令が出力されたか否かを判断し、YES(変速指令出力有り)の場合はステップS22へ進み、NO(変速指令出力無し)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS22では、ステップS21での変速指令が出力されたとの判断に続き、「ローモード」から「ハイモード」への変速か否かを判断し、YES(LOW→HIGH)の場合はステップS23へ進み、NO(HIGH→LOW)の場合はステップS30へ進む。
ステップS23では、ステップS22でのLOW→HIGH変速との判断に続き、ドッグクラッチ8を開放させる開放指令をドッグクラッチアクチュエータに出力し、ステップS24へ進む。
ステップS24では、ステップS23でのドッグクラッチ8の開放指令出力、あるいは、ステップS25でのドッグクラッチ8が締結状態であるとの判断に続き、開放していた摩擦クラッチ7へのクラッチ油圧を上げる指令を出力し、ステップS25へ進む。
ステップS25では、ステップS24での摩擦クラッチ7の油圧上昇指令出力に続き、ドッグクラッチ8が開放したか否かを判断し、YES(ドッグクラッチ開放)の場合はステップS26へ進み、NO(ドッグクラッチ締結)の場合はステップS24へ戻る。
ここで、ドッグクラッチ8が開放したか否かの判断は、ドッグクラッチ8の開放位置を検出するクラッチストロークセンサ等からのセンサ信号により行う。
ここで、ドッグクラッチ8が開放したか否かの判断は、ドッグクラッチ8の開放位置を検出するクラッチストロークセンサ等からのセンサ信号により行う。
ステップS26では、ステップS25でのドッグクラッチ開放であるとの判断、あるいは、ステップS28での回転同期でないとの判断に続き、第2モータジェネレータ5を回転数制御とし、機械有段変速機6の入力回転数を「ハイモード」での同期回転数に向かって徐々に低下させるモータ変速を行い、ステップS27へ進む。
ステップS27では、ステップS26での第2モータジェネレータ5によるモータ変速に続き、そのときの摩擦クラッチ7の一次回転数と回転数差を求め、一次回転数と回転数差を用いた学習マップの検索により学習値kを読み込み、学習値kを用いて油圧指令を決めるクラッチ油圧制御を行い、ステップS28へ進む。
ステップS28では、ステップS27での学習値kを用いたクラッチ油圧制御に続き、摩擦クラッチ7の一次回転数と二次回転数が一致する回転同期か否かを判断し、YES(回転同期)の場合はステップS29へ進み、NO(回転差有り)の場合はステップS26へ戻る。
ステップS29では、ステップS28での摩擦クラッチ7が回転同期であるとの判断に続き、回転数差無しで締結状態にある摩擦クラッチ7への油圧を高め、摩擦クラッチ7を完全締結し、リターンへ進む。
ステップS30では、ステップS22でのHIGH→LOW変速との判断、あるいは、ステップS32での回転同期でないとの判断に続き、第2モータジェネレータ5を回転数制御とし、機械有段変速機6の入力回転数を「ローモード」の同期回転数に向かって徐々に上昇させるモータ変速を行い、ステップS31へ進む。
ステップS31では、ステップS30での第2モータジェネレータ5によるモータ変速に続き、そのときの摩擦クラッチ7の一次回転数と回転数差を求め、一次回転数と回転数差を用いた学習マップの検索により学習値kを読み込み、学習値kを用いて油圧指令を決めるクラッチ油圧制御を行い、ステップS32へ進む。
ステップS32では、ステップS31での学習値kを用いたクラッチ油圧制御に続き、ドッグクラッチ8の一次回転数と二次回転数が一致する回転同期か否かを判断し、YES(回転同期)の場合はステップS33へ進み、NO(回転差有り)の場合はステップS30へ戻る。
ステップS33では、ステップS32でのドッグクラッチ8が回転同期であるとの判断に続き、ドッグクラッチ8への締結指令により、ドッグクラッチ8を噛み合い締結し、ステップS34へ進む。
ステップS34では、ステップS33でのドッグクラッチ8の噛み合い締結に続き、スリップ締結状態の摩擦クラッチ7を開放し、リターンへ進む。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例における課題」、「本発明の骨子について」の説明を行い、続いて、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1,Tex2の演算手法」、「学習値kの演算手法」、「学習制御作用」、「変速制御作用」に分けて説明する。
まず、「比較例における課題」、「本発明の骨子について」の説明を行い、続いて、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1,Tex2の演算手法」、「学習値kの演算手法」、「学習制御作用」、「変速制御作用」に分けて説明する。
[比較例における課題]
2つ以上の電動機と主たる動力源と出力軸、合計四軸が一つ以上の遊星歯車でつながれていて、主たる動力源と出力軸との速度比が無段に設定できる電気無段変速機はハイブリッド変速機構と呼ばれる。このハイブリッド変速機構においては、主たる動力源と出力軸との間の変速比が無段にとれ、主たる動力源や電動機での効率最大化・損失最小化を図れること、電動機を介して蓄電手段とのエネルギーのやり取りができることから、動力装置としての効率や性能を向上する手段として注目されている。しかし、主たる動力源に比して大きな電動機を必要とする欠点のあることが知られている。
2つ以上の電動機と主たる動力源と出力軸、合計四軸が一つ以上の遊星歯車でつながれていて、主たる動力源と出力軸との速度比が無段に設定できる電気無段変速機はハイブリッド変速機構と呼ばれる。このハイブリッド変速機構においては、主たる動力源と出力軸との間の変速比が無段にとれ、主たる動力源や電動機での効率最大化・損失最小化を図れること、電動機を介して蓄電手段とのエネルギーのやり取りができることから、動力装置としての効率や性能を向上する手段として注目されている。しかし、主たる動力源に比して大きな電動機を必要とする欠点のあることが知られている。
特開2003-12768号公報に記載の「変速機を備えたハイブリッド車駆動構造」では、この欠点を克服するため、電気無段変速機の電動機のひとつと出力軸との間に機械的な変速機を挿入している。この機械的な変速機として、通常用いられる遊星歯車と半締結可能要素(湿式多板クラッチ)とを組み合わせた、いわゆるオートマチックトランスミッションを適用した場合、半クラッチによる電動機の変速の最中に出力軸に伝えられるトルクは湿式多板クラッチの油圧指令値によって決まるが、この油圧の応答性やクラッチ表面の摩擦係数の変動などにより、意図したトルクが伝えられず、駆動力の変動やショックが発生することで、運転フィーリングの悪化を招くことがある。
これを解決するため、特開2004-204959号公報においては、変速機につながれている電動機のトルクと油圧とに基づき、伝達トルクと油圧との関係を学習する手段を追加している。この学習結果を電動機の変速制御に用いることにより、変速制御の向上と変速中の運転フィーリングの改善を図っている。
ところで、上記発明は電動機に直接半締結可能要素が接続されているハイブリッド変速機構においては有用である。しかし、本発明で対象としている、「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」に適用することができない。なぜなら、「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」には、二つの困難点があるからである。
一つ目の困難点は、機械的な有段変速機より上流側で変速するものが特開2004-204959号公報の対象であるような電動機単体ではなく、電気無段変速機であることである。電気無段変速機の場合、電動機の回転慣性に対して電動機トルクと半締結可能要素の伝達トルクが作用するのみでない。
二つ目の困難点は、電気無段変速機のトルクのつりあいの中に、トルク出力精度の低い「主たる動力源」が入っていることである。そのため、この電気無段変速機のトルクのつりあい式に基づいて半締結可能要素の伝達トルクを学習しても精度が低い。
さらに、本発明が対象とする「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」では、機械的な有段変速機の変速途中においては半締結可能要素の伝達トルクが出力トルクそのものであるため、伝達トルクの精度の悪化や変動は出力トルクそのものの変動に直結する。
[本発明の骨子について]
本発明は、上記のような「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」の半締結可能要素の伝達トルク精度を高めるための学習に関する。そして、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習する構成を採用した。
本発明は、上記のような「電気無段変速機と直列に機械有段変速機を連結したハイブリッド変速機構」の半締結可能要素の伝達トルク精度を高めるための学習に関する。そして、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習する構成を採用した。
すなわち、学習に際して下記の点を考慮した。
・モータ/エンジンの運動方程式は、2つの電動機と1つのエンジンの場合は3式、遊星歯車の運動方程式は、並進つりあいと公転つりあいにより2式、合計5式あり、5つの未知数を解くことが出来る。
・変速中は、MG1のトルクT1及び慣性トルクと、MG2のトルクT2及び慣性トルクと、Engの慣性トルクは既知であるため、5式を用いると半クラッチトルクTexとエンジントルクTeを未知数として逆算できる。
・変速中は常に計算でき、エンジントルクTeの過渡応答の影響を除去できる。
・半クラッチトルクTexのみを未知数として最小二乗法でも算出できる。この場合、ピニオンの公転つりあい式を使うのと同じである。
・エンジントルクTeは、通常状態でキャリブレーション(較正)し、変速時のエンジントルクTeの過渡応答の影響がないように変速が安定した部分で行う。これにより、Engの慣性トルクの検出誤差の影響を低減できる。
・「ローモード」でのドッグクラッチが抜けた直後や入る直前は、電気変速出力の速度変化が小さく、かつ、ドッグクラッチ伝達トルクがゼロなので、精度の高いキャリブレーションが出来る。
・モータ/エンジンの運動方程式は、2つの電動機と1つのエンジンの場合は3式、遊星歯車の運動方程式は、並進つりあいと公転つりあいにより2式、合計5式あり、5つの未知数を解くことが出来る。
・変速中は、MG1のトルクT1及び慣性トルクと、MG2のトルクT2及び慣性トルクと、Engの慣性トルクは既知であるため、5式を用いると半クラッチトルクTexとエンジントルクTeを未知数として逆算できる。
・変速中は常に計算でき、エンジントルクTeの過渡応答の影響を除去できる。
・半クラッチトルクTexのみを未知数として最小二乗法でも算出できる。この場合、ピニオンの公転つりあい式を使うのと同じである。
・エンジントルクTeは、通常状態でキャリブレーション(較正)し、変速時のエンジントルクTeの過渡応答の影響がないように変速が安定した部分で行う。これにより、Engの慣性トルクの検出誤差の影響を低減できる。
・「ローモード」でのドッグクラッチが抜けた直後や入る直前は、電気変速出力の速度変化が小さく、かつ、ドッグクラッチ伝達トルクがゼロなので、精度の高いキャリブレーションが出来る。
以上の点を踏まえ、実施例1では、下記の特徴を有する学習制御を行う。
[半クラッチとエンジンの学習1]
モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式から半クラッチトルクTexとエンジントルクTeとを逆算し(演算1)、クラッチトルクと油圧との関係を学習し、変速制御に使う。
[半クラッチのみの学習2]
モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式のうち、並進式(=ピニオンの公転つりあい式)から、半クラッチトルクTexを最小二乗法で逆算し(演算2)、クラッチトルクと油圧との関係を学習し、変速制御に使う。
[使い分け]
上記二つの学習結果を比較モニタし、エンジントルクの誤差が大きい場合は、上記演算1の結果を用いて半クラッチの学習を行う。エンジントルクの誤差が小さい場合は、上記演算2の結果を用いて半クラッチの学習を行う。
[タイミング]
半クラッチ中(駆動モータ変速中=イナーシャ相中)に、上記学習1と学習2の学習制御を行う。
[学習パラメータ]
上記1,2の半クラッチ学習制御は、クラッチの回転数状態(差速度・速度)と油圧と、運動方程式から求められる半クラッチトルクTexとの間で行う。
[学習シーン]
上記1,2の半クラッチ学習制御、特に、上記1のエンジントルク学習制御は、エンジン回転数変動の小さいメカ変速中に行う。
[半クラッチとエンジンの学習1]
モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式から半クラッチトルクTexとエンジントルクTeとを逆算し(演算1)、クラッチトルクと油圧との関係を学習し、変速制御に使う。
[半クラッチのみの学習2]
モータ/エンジンの運動方程式と遊星歯車の運動方程式のうち、並進式(=ピニオンの公転つりあい式)から、半クラッチトルクTexを最小二乗法で逆算し(演算2)、クラッチトルクと油圧との関係を学習し、変速制御に使う。
[使い分け]
上記二つの学習結果を比較モニタし、エンジントルクの誤差が大きい場合は、上記演算1の結果を用いて半クラッチの学習を行う。エンジントルクの誤差が小さい場合は、上記演算2の結果を用いて半クラッチの学習を行う。
[タイミング]
半クラッチ中(駆動モータ変速中=イナーシャ相中)に、上記学習1と学習2の学習制御を行う。
[学習パラメータ]
上記1,2の半クラッチ学習制御は、クラッチの回転数状態(差速度・速度)と油圧と、運動方程式から求められる半クラッチトルクTexとの間で行う。
[学習シーン]
上記1,2の半クラッチ学習制御、特に、上記1のエンジントルク学習制御は、エンジン回転数変動の小さいメカ変速中に行う。
[エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1,Tex2の演算手法]
図4のステップS5では、必要な情報と各運動方程式を用いて、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算する。また、図4のステップS6では、必要な情報と各運動方程式を用いて、半クラッチトルクTex2を演算する。以下、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1,Tex2の演算手法を説明する。
図4のステップS5では、必要な情報と各運動方程式を用いて、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算する。また、図4のステップS6では、必要な情報と各運動方程式を用いて、半クラッチトルクTex2を演算する。以下、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1,Tex2の演算手法を説明する。
摩擦クラッチ7の伝達トルクである半クラッチトルクTexは、図6に示すように、摩擦クラッチ7における減速比をGf(H)とし、電気変速部分の出力トルクをTout'とし、電気変速部分と機械変速部分の合成出力トルクをToutとしたとき、電気変速部分の出力回転要素が加減速していない場合は、Tout'≒Texであり、
Tex≒Tout'=Tout/Gf(H)
の式で表され、半締結可能要素である摩擦クラッチ7は等速運動を継続すると共に、制御可能である。
Tex≒Tout'=Tout/Gf(H)
の式で表され、半締結可能要素である摩擦クラッチ7は等速運動を継続すると共に、制御可能である。
そして、「電気無段変速機10と直列に機械有段変速機6を連結したハイブリッド変速機構」における運動方程式は、以下のとおりである。
・モータ/エンジンの運動方程式
J1(dω1/dt)=T1−T1' …(1)
J2(dω2/dt)=T2−T2' …(2)
Je(dωe/dt)=Te−Te' …(3)
・遊星歯車の運動方程式
T1'+T2'+Te'=Tex …(4)
(α+1)T1'+Te'=0 …(5)
・速度拘束式
ω1=(α+1)ωe−αωo
ω2=ωo
なお、J1,ω1,T1,T1'は、それぞれ第1モータジェネレータ3の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。J2,ω2,T2,T2'は、それぞれ第2モータジェネレータ5の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。Je,ωe,Te,Te'は、それぞれエンジン1の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。αは、遊星歯車のギア比である。
・モータ/エンジンの運動方程式
J1(dω1/dt)=T1−T1' …(1)
J2(dω2/dt)=T2−T2' …(2)
Je(dωe/dt)=Te−Te' …(3)
・遊星歯車の運動方程式
T1'+T2'+Te'=Tex …(4)
(α+1)T1'+Te'=0 …(5)
・速度拘束式
ω1=(α+1)ωe−αωo
ω2=ωo
なお、J1,ω1,T1,T1'は、それぞれ第1モータジェネレータ3の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。J2,ω2,T2,T2'は、それぞれ第2モータジェネレータ5の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。Je,ωe,Te,Te'は、それぞれエンジン1の回転慣性,角速度,トルク,作用反作用トルクである。αは、遊星歯車のギア比である。
モータ/エンジンの運動方程式(1),(2),(3)は、左項が慣性トルクであり、右項が作用トルクである。遊星歯車の運動方程式(4)は、並進つりあい式(ピニオンの公転つりあい)であり、遊星歯車の運動方程式(5)は、回転つりあい式(ピニオンの自転つりあい)であり、ピニオンの回転慣性をゼロと近似している。また、速度拘束式は、遊星歯車の3回転要素の回転数の間にある関係であり、二つの回転数を決めれば残る一つを決めることができる。
ステップ5では、必要な既知情報として、エンジン1,第1モータジェネレータ3,第2モータジェネレータ5の慣性トルク((1),(2),(3)の左項)と第1モータジェネレータ3,第2モータジェネレータ5のトルクT1,T2を用いる。そして、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(上記3式)と遊星歯車の運動方程式(上記2式)を用いて、未知数であるエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を下記の式にて演算する。
Te=Je(dωe/dt)+(α+1){J1(dω1/dt)−T1} …(6)
Tex1=α{J1(dω1/dt)−T1}+{T2−J2(dω2/dt)} …(7)
上記式(6),(7)の右辺は、計測可能な角加速度や精度の高い電動機トルク、遊星歯車のパラメータ、回転慣性で構成されており、リアルタイムで逆算可能なものとなっている。
Te=Je(dωe/dt)+(α+1){J1(dω1/dt)−T1} …(6)
Tex1=α{J1(dω1/dt)−T1}+{T2−J2(dω2/dt)} …(7)
上記式(6),(7)の右辺は、計測可能な角加速度や精度の高い電動機トルク、遊星歯車のパラメータ、回転慣性で構成されており、リアルタイムで逆算可能なものとなっている。
ステップS6では、必要な既知情報として、エンジン1,第1モータジェネレータ3,第2モータジェネレータ5の慣性トルク((1),(2),(3)の左項)とエンジン1,第1モータジェネレータ3,第2モータジェネレータ5のトルクTe,T1,T2を用いる。そして、各運動方程式として、モータ/エンジンの運動方程式(上記3式)と遊星歯車の運動方程式(上記並進つりあい式(4))を用いて、未知数である半クラッチトルクTex2を下記の式にて演算する。
Tex2={T1−J1(dω1/dt)}+{T2−J2(dω2/dt)}+{Te−Je(dωe/dt)} …(8)
この(8)式は、上記式(7)の半クラッチトルクTex1は、エンジントルクTe、すなわち主たる動力源のトルク推定値を使っていないが、これを使うように式を変形したものである。
Tex2={T1−J1(dω1/dt)}+{T2−J2(dω2/dt)}+{Te−Je(dωe/dt)} …(8)
この(8)式は、上記式(7)の半クラッチトルクTex1は、エンジントルクTe、すなわち主たる動力源のトルク推定値を使っていないが、これを使うように式を変形したものである。
[学習値kの演算手法]
実施例1の学習制御においては、上記のように計算された半クラッチトルクTexと、そのときの伝達トルク指令値Tex refを比較して補正を計算するが、摩擦クラッチ7におけるその学習補正の演算手法を以下に説明する。
実施例1の学習制御においては、上記のように計算された半クラッチトルクTexと、そのときの伝達トルク指令値Tex refを比較して補正を計算するが、摩擦クラッチ7におけるその学習補正の演算手法を以下に説明する。
すなわち、油圧締結による摩擦クラッチ7においては、油圧指令値または油圧実績値P[N/m2]に対して、摩擦クラッチ7の対向面数N、クラッチ面の動的摩擦係数μ、クラッチ面の実効トルク半径r[m]、クラッチシリンダのピストン面積S[m2]を用いて、伝達トルクの絶対値Tは、工学計算的に、
T=μ・N・P・S[Nm]
と計算される。
この伝達トルク絶対値Tと半クラッチトルクTexの絶対値との比をkとすれば、このトルク比を学習値kとし、各種の一次二次回転数、一次二次の回転数差、各種の油圧指令値、について学習マップに記憶しておき、次回の伝達トルクの絶対値Tを設定する場合に、これを参照して下記の油圧指令値を設定すればよい。
T=μ・N・P・S[Nm]
と計算される。
この伝達トルク絶対値Tと半クラッチトルクTexの絶対値との比をkとすれば、このトルク比を学習値kとし、各種の一次二次回転数、一次二次の回転数差、各種の油圧指令値、について学習マップに記憶しておき、次回の伝達トルクの絶対値Tを設定する場合に、これを参照して下記の油圧指令値を設定すればよい。
実施例1では、三次元的に学習マップを表現するため、図7に示すように、回転数差をx軸、一次回転数をy軸、油圧指令をz軸として、各セルで学習値k(x,y,z)を学習修正するイメージとしている。
そして、学習方法については、各種の方法があるが、例えば、当該のセルの学習値k[i]について、回数を追うごとに逐次修正していく方法として、
k[i]=a・k[i-1]+(1-a)・(Tex/T)[i] …(9)
但し、k[i-1]は、既に格納されている学習値であり、(Tex/T)[i]は、今回計算された学習値kである。
とすることができる。
このように、回数を追うごとに逐次修正された学習値k[i]を、学習マップの各セルに格納し、この学習マップを参照し、下記の式を用いて油圧指令値Pを設定すればよい。
P=Tref/μNS/k[i] …(10)
但し、k[i]は、現在格納されている学習値である。
これにより、摩擦クラッチ7の油圧制御時、学習値k[i]の値が急激に変化することで、油圧指令値Pが急激に変化することを防止することができる。
そして、学習方法については、各種の方法があるが、例えば、当該のセルの学習値k[i]について、回数を追うごとに逐次修正していく方法として、
k[i]=a・k[i-1]+(1-a)・(Tex/T)[i] …(9)
但し、k[i-1]は、既に格納されている学習値であり、(Tex/T)[i]は、今回計算された学習値kである。
とすることができる。
このように、回数を追うごとに逐次修正された学習値k[i]を、学習マップの各セルに格納し、この学習マップを参照し、下記の式を用いて油圧指令値Pを設定すればよい。
P=Tref/μNS/k[i] …(10)
但し、k[i]は、現在格納されている学習値である。
これにより、摩擦クラッチ7の油圧制御時、学習値k[i]の値が急激に変化することで、油圧指令値Pが急激に変化することを防止することができる。
[学習制御作用]
以下、図4のフローチャートを用い、機械有段変速機6による変速中、駆動力抜けを補償するためにスリップ締結される摩擦クラッチ7の学習制御作用を説明する。
以下、図4のフローチャートを用い、機械有段変速機6による変速中、駆動力抜けを補償するためにスリップ締結される摩擦クラッチ7の学習制御作用を説明する。
機械有段変速機6が変速中のイナーシャ相の開始であって、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であり、かつ、エンジン加速度dNe/dtが設定値A以下であると判断されると、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7へと進む。そして、ステップS7において、|Te−Te#|≧Bと判断されると、ステップS5で演算した半クラッチトルクTex1を用い、摩擦クラッチ7の一次回転数,回転数差および油圧指令と、半クラッチトルクTex1との間で行う学習制御により学習値kを求め、学習値kが学習マップに更新記憶される。一方、ステップS7において、|Te−Te#|<Bと判断されると、ステップS6で演算した半クラッチトルクTex2を用い、摩擦クラッチ7の一次回転数,回転数差および油圧指令と、半クラッチトルクTex2との間で行う学習制御により学習値kを求め、学習値kが学習マップに更新記憶される。そして、ステップS10において、イナーシャ相中であり、かつ、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であると判断される限り、ステップS3〜ステップS10へ進む流れが繰り返される。
このステップS3〜ステップS10へ進む流れを繰り返す学習制御中、ステップS10において、イナーシャ相終了である、または、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0を超えたと判断されると、エンドへ進んで、学習制御を終了する。
このステップS3〜ステップS10へ進む流れを繰り返す学習制御中、ステップS10において、イナーシャ相終了である、または、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0を超えたと判断されると、エンドへ進んで、学習制御を終了する。
なお、学習制御開始時点でイナーシャ相の開始であるが、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0を超えている場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進む流れが繰り返され、学習制御は禁止される。また、イナーシャ相開始であり、伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であるが、エンジン加速度dNe/dtが設定値Aを超えていると判断されると、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→エンドへと進み、学習制御は禁止される。さらに、学習制御中にエンジン加速度dNe/dtが設定値Aを超えていると判断されると、ステップS3〜ステップS10へ進む流れの繰り返し途中で、ステップS3からエンドへと進み、学習制御は、dNe/dt>Aであるとの判断時点以降、禁止される。同様に、学習制御中に伝達トルク指令値Tex refが所定値T0を超えていると判断されると、ステップS3〜ステップS10へ進む流れの繰り返し途中で、ステップS10からエンドへと進み、学習制御は、Tex ref>T0であるとの判断時点以降、禁止される。
上記のように、実施例1では、学習演算部として、エンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算するステップS5と、半クラッチトルクTex2を演算するステップS6を備えている。
したがって、エンジントルクTeの推定値が適用不可能である場合、ステップS5にてエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算することでエンジントルク誤差影響を小さくすることができ、また、エンジントルクTeの推定値が適用可能である場合、ステップS6にて半クラッチトルクTex2を演算することで、第1モータジェネレータ3や第2モータジェネレータ5の発生トルクが不確かな場合であっても、その誤差の影響を小さくすることができる。
したがって、エンジントルクTeの推定値が適用不可能である場合、ステップS5にてエンジントルクTeと半クラッチトルクTex1を演算することでエンジントルク誤差影響を小さくすることができ、また、エンジントルクTeの推定値が適用可能である場合、ステップS6にて半クラッチトルクTex2を演算することで、第1モータジェネレータ3や第2モータジェネレータ5の発生トルクが不確かな場合であっても、その誤差の影響を小さくすることができる。
実施例1では、ステップS5で演算されたエンジントルクTeと、エンジンコントローラ46で計算されるエンジントルク推定値Te#とを比較し(ステップS7)、トルク誤差が設定誤差B以上のときには、ステップS5から得られる半クラッチトルクTex1を用いて摩擦クラッチ7の油圧指令を学習し(ステップS8)、トルク誤差が設定誤差B未満のときには、ステップS6から得られる半クラッチトルクTex2を用いて摩擦クラッチ7の油圧指令を学習する(ステップS9)。
したがって、エンジン1のエンジントルク推定値Te#の信頼度が時間的に変化するような場合にも、精度の高い学習が可能であると共に、エンジントルク推定値Te#の信頼度自体もリアルタイムで評価することができる。
したがって、エンジン1のエンジントルク推定値Te#の信頼度が時間的に変化するような場合にも、精度の高い学習が可能であると共に、エンジントルク推定値Te#の信頼度自体もリアルタイムで評価することができる。
実施例1では、変速中のうち、摩擦クラッチ7がスリップ状態のイナーシャ相である間に学習演算を行う(ステップS2、ステップS10)。
したがって、摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習をスリップ状態のときのみに限定することにより、効率良く、精度の高い学習を行うことができる。
したがって、摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習をスリップ状態のときのみに限定することにより、効率良く、精度の高い学習を行うことができる。
実施例1では、摩擦クラッチ7の一次側回転数と二次側回転数の速度差値が所定値以上であり、かつ、摩擦クラッチ7の伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であるとき、スリップ状態のイナーシャ相であると判定する(ステップS2)。
したがって、摩擦クラッチ7のスリップ状態がより安定した状態でのみ学習をし、締結近辺の滑り状態の不安定な状況では学習禁止とすることで、より効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
すなわち、図8に変速例である「ローモード」から「ハイモード」への変速時における学習タイミングについて示す。「ローモード」の回転数に近い場合と、「ハイモード」の回転数に近い場合には学習禁止とし、安定したスリップ状態が実現している部分でのみ学習する。
したがって、摩擦クラッチ7のスリップ状態がより安定した状態でのみ学習をし、締結近辺の滑り状態の不安定な状況では学習禁止とすることで、より効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
すなわち、図8に変速例である「ローモード」から「ハイモード」への変速時における学習タイミングについて示す。「ローモード」の回転数に近い場合と、「ハイモード」の回転数に近い場合には学習禁止とし、安定したスリップ状態が実現している部分でのみ学習する。
実施例1では、摩擦クラッチ7の一次回転数、回転数差の回転数状態に対する伝達トルク実績として、摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習を行う(ステップS4、ステップ8、ステップS9)。
したがって、指令値と実伝達トルクとの対応の学習のみでなく、その滑り状態、実回転数も考慮することにより、より精度の高い学習が可能になる。後者の実回転数は、例えば、半締結可能要素が湿式多板クラッチの場合、クラッチプレートの油濡れの状態が遠心力によって変化する効果を考慮できることになる。
したがって、指令値と実伝達トルクとの対応の学習のみでなく、その滑り状態、実回転数も考慮することにより、より精度の高い学習が可能になる。後者の実回転数は、例えば、半締結可能要素が湿式多板クラッチの場合、クラッチプレートの油濡れの状態が遠心力によって変化する効果を考慮できることになる。
実施例1では、摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習を、エンジン加速度dNe/dtが小さい状態で行う(ステップS3)。
したがって、エンジン1の慣性力が小さくなるため、エンジン1の回転慣性の誤差等に強くなる。また、エンジン1の回転数変動に伴う発生トルクの変動の影響も小さく抑えることができる。
したがって、エンジン1の慣性力が小さくなるため、エンジン1の回転慣性の誤差等に強くなる。また、エンジン1の回転数変動に伴う発生トルクの変動の影響も小さく抑えることができる。
[変速制御作用]
以下、図5のフローチャートを用いて摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習値kを用いた変速制御作用を説明する。
以下、図5のフローチャートを用いて摩擦クラッチ7の伝達トルクの学習値kを用いた変速制御作用を説明する。
「ローモード」から「ハイモード」への変速指令が出力されると、図5のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む。そして、ステップS23では、「ローモード」にて締結されていたドッグクラッチ8を開放させる開放指令が出力され、ステップS24では、開放していた摩擦クラッチ7へのクラッチ油圧を上げる指令が出力され、ステップS25にてドッグクラッチ8の開放が確認されるまで、ステップS24→ステップS25へと進む流れが繰り返される。
すなわち、ドッグクラッチ8の開放指令が出ても、ドッグクラッチ8を経過する伝達トルクが大きい間は、噛み合い状態のままであり、摩擦クラッチ7を締結させて伝達トルクの一部を摩擦クラッチ7に分担させ、ドッグクラッチ8を経過する伝達トルクを、開放トルクが上回った時点で、ドッグクラッチ8が開放される。
すなわち、ドッグクラッチ8の開放指令が出ても、ドッグクラッチ8を経過する伝達トルクが大きい間は、噛み合い状態のままであり、摩擦クラッチ7を締結させて伝達トルクの一部を摩擦クラッチ7に分担させ、ドッグクラッチ8を経過する伝達トルクを、開放トルクが上回った時点で、ドッグクラッチ8が開放される。
ドッグクラッチ8の開放が確認されると、ステップS25からステップS26→ステップS27→ステップS28へと進み、摩擦クラッチ7の回転同期が判断されるまでは、ステップS26→ステップS27→ステップS28へと進む流れが繰り返される。そして、ステップS26では、第2モータジェネレータ5を回転数制御とし、機械有段変速機6の入力回転数を「ハイモード」での同期回転数に向かって徐々に低下させるモータ変速が行われる。次のステップS27では、そのときの摩擦クラッチ7の一次回転数と回転数差が求められ、一次回転数と回転数差を用いた学習マップ(図7)の検索により学習値kが読み込まれ、学習値kを用いて油圧指令を決めるクラッチ油圧制御が行われる。
摩擦クラッチ7の回転同期が判断されると、ステップS28からステップS29へと進み、ステップS29では、回転数差無しで締結状態にある摩擦クラッチ7への油圧が高められ、摩擦クラッチ7が完全締結とされ、「ハイモード」への変速を完了する。
一方、「ハイモード」から「ローモード」への変速指令が出力されると、図5のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS30→ステップS31→ステップS32へと進む。そして、ステップS30では、第2モータジェネレータ5を回転数制御とし、機械有段変速機6の入力回転数を「ローモード」の同期回転数に向かって徐々に上昇させるモータ変速が行われる。次のステップS31では、そのときの摩擦クラッチ7の一次回転数と回転数差が求められ、一次回転数と回転数差を用いた学習マップの検索により学習値kが読み込まれ、学習値kを用いて油圧指令を決めるクラッチ油圧制御が行われる。
ドッグクラッチ8の回転同期が判断されると、ステップS32からステップS33へと進み、ステップS33では、ドッグクラッチ8への締結指令により、ドッグクラッチ8が噛み合い締結される。次のステップS34では、スリップ締結状態の摩擦クラッチ7が開放され、「ローモード」への変速が完了する。
上記のように、実施例1では、変速時、学習値kを用いてスリップ締結状態の摩擦クラッチ7の伝達トルクを制御するようにしたことで、機械有段変速機6の変速途中でも要求駆動力に対して正確な出力トルクを発生させることが出来ると共に、機械的な変速を所望どおりに実行することができる。この結果、下記に述べるような「運転性向上」と「燃費向上」と「フェール防止」の効果を見積もることができる。
・運転性向上
電気無段変速機10と直列に機械有段変速機6を連結した駆動系を備えたハイブリッド車両において、半クラッチトルクの誤差100%(学習なし)→誤差30%程度(学習あり)のデータがある。しかも、上記駆動系では、機械有段変速機6によるメカ変速中は、半クラッチ伝達トルク=駆動力であるため、これがそのまま駆動力ショック改善となる。
・燃費向上
エンジン回転数を変動させないメカ変速をすることで、エンジン・ダンパイナーシャ誤差の影響の小さい学習ができる。これによりエンジン特性のばらつきが考慮できるため、エネルギー管理の向上が期待できる。
・フェール防止
変速中の回転数制御を駆動モータで行っている場合には、制御のずれがあると過充電・過放電が発生し、モータ制御回路がシャットダウンになるおそれがある。これに対し、制御のずれが抑えられることで、フェール原因となる過充電・過放電の発生を防止できる。
・運転性向上
電気無段変速機10と直列に機械有段変速機6を連結した駆動系を備えたハイブリッド車両において、半クラッチトルクの誤差100%(学習なし)→誤差30%程度(学習あり)のデータがある。しかも、上記駆動系では、機械有段変速機6によるメカ変速中は、半クラッチ伝達トルク=駆動力であるため、これがそのまま駆動力ショック改善となる。
・燃費向上
エンジン回転数を変動させないメカ変速をすることで、エンジン・ダンパイナーシャ誤差の影響の小さい学習ができる。これによりエンジン特性のばらつきが考慮できるため、エネルギー管理の向上が期待できる。
・フェール防止
変速中の回転数制御を駆動モータで行っている場合には、制御のずれがあると過充電・過放電が発生し、モータ制御回路がシャットダウンになるおそれがある。これに対し、制御のずれが抑えられることで、フェール原因となる過充電・過放電の発生を防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 2以上の電動機(第1モータジェネレータ3、第2モータジェネレータ5)と主たる動力源(エンジン1)が接続される遊星歯車を有し、無段変速比を得る電気無段変速機10と、前記電気無段変速機10の出力側に接続され、締結要素として半締結可能要素(摩擦クラッチ7)を有し、複数の有段変速比を得る機械有段変速機6と、前記機械有段変速機6の変速過渡期、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)のスリップ締結状態を保ちながら変速する変速制御手段と、を備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記2以上の電動機(第1モータジェネレータ3、第2モータジェネレータ5)と主たる動力源(エンジン1)の運動方程式と前記遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段(図4)を設け、前記変速制御手段(図5)は、前記学習制御手段(図4)による学習結果に基づいて前記機械有段変速機6の変速制御を行う。
このため、電気無段変速機10と直列に機械有段変速機6を連結した駆動系に有する半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ることができる。
このため、電気無段変速機10と直列に機械有段変速機6を連結した駆動系に有する半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク精度を高める学習を行い、学習結果を機械的な変速制御に使うことにより、運転フィーリングの向上を図ることができる。
(2) 前記学習制御手段(図4)は、第1学習演算部(ステップS5)と第2学習演算部(ステップS6)を備え、前記第1学習演算部(ステップS5)は、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式(モータ/エンジンの運動方程式(1),(2),(3))と、遊星歯車の運動方程式((4),(5))を用いて、電動機のトルク実績値またはその推定値から主たる動力源(エンジン1)のトルクと前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク(半クラッチトルクTex)を逆算し、前記第2学習演算部(ステップS6)は、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式(モータ/エンジンの運動方程式(1),(2),(3))と、遊星歯車の運動方程式のうち並進つりあい式(式(4))のみを用いて、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク(半クラッチトルクTex)を逆算する。
このため、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値が適用不可能である場合、エンジントルク誤差影響を小さくすることができ、また、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値が適用可能である場合に、電動機の発生トルクが不確かな場合であっても、その誤差の影響を小さくすることができる。
このため、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値が適用不可能である場合、エンジントルク誤差影響を小さくすることができ、また、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値が適用可能である場合に、電動機の発生トルクが不確かな場合であっても、その誤差の影響を小さくすることができる。
(3) 前記学習制御手段(図4)は、前記第1学習演算部(ステップS5)で逆算される主たる動力源(エンジン1)のトルクの逆算値(エンジントルクTe)と、主たる動力源(エンジン1)の制御装置(エンジンコントローラ46)で計算されるトルク推定値Te#とを比較し、トルク誤差が設定誤差以上のときには(ステップS7でYES)、前記第1学習演算部(ステップS5)から得られる前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク(半クラッチトルクTex1)を用いて前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)への指令値と伝達トルクとの関係を学習し(ステップS8)、トルク誤差が設定誤差未満のときには(ステップS7でNO)、前記第2学習演算部(ステップS6)から得られる前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク(半クラッチトルクTex2)を用いて前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)への指令値と伝達トルクとの関係を学習する(ステップS9)。
このため、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値の信頼度が時間的に変化するような場合にも、精度の高い学習が可能であると共に、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値の信頼度自体もリアルタイムで評価することができる。
このため、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値の信頼度が時間的に変化するような場合にも、精度の高い学習が可能であると共に、主たる動力源(エンジン1)のトルク推定値の信頼度自体もリアルタイムで評価することができる。
(4) 前記学習制御手段(図4)は、変速中のうち、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)がスリップ状態のイナーシャ相である間に学習演算を行う(ステップS2、ステップS10)。
このため、半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルクの学習をスリップ状態のときのみに限定することにより、効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
このため、半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルクの学習をスリップ状態のときのみに限定することにより、効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
(5) 前記学習制御手段(図4)は、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の一次側回転数と二次側回転数の速度差値が所定値以上であり、かつ、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルク指令値Tex refが所定値T0以下であるとき、スリップ状態のイナーシャ相であると判定する(ステップS2)。
このため、上記(4)より安定したスリップ状態でのみ学習をすることにより、締結近辺の滑り状態の不安定な状況を学習禁止とすることで、より効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
このため、上記(4)より安定したスリップ状態でのみ学習をすることにより、締結近辺の滑り状態の不安定な状況を学習禁止とすることで、より効率が良く、精度の高い学習を行うことができる。
(6) 前記学習制御手段(図4)は、少なくとも前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の一次側回転数、二次側回転数、回転数差のいずれかの回転数状態に対する伝達トルク実績として、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルクの学習を行う。
このため、指令値と実伝達トルクとの対応の学習のみでなく、その滑り状態、実回転数も考慮することにより、より精度の高い学習が可能になる。例えば、半締結可能要素が湿式多板クラッチの場合、実回転数を考慮することで、クラッチプレートの油濡れの状態が遠心力によって変化する効果を考慮できることになる。
このため、指令値と実伝達トルクとの対応の学習のみでなく、その滑り状態、実回転数も考慮することにより、より精度の高い学習が可能になる。例えば、半締結可能要素が湿式多板クラッチの場合、実回転数を考慮することで、クラッチプレートの油濡れの状態が遠心力によって変化する効果を考慮できることになる。
(7) 前記学習制御手段(図4)は、前記半締結可能要素(摩擦クラッチ7)の伝達トルクの学習を、主たる動力源(エンジン1)の加速度が小さい状態で行う(ステップS3)。
このため、主たる動力源(エンジン1)の慣性力が小さくなり、主たる動力源(エンジン1)の回転慣性の誤差等に強くなる。また、主たる動力源(エンジン1)の回転数変動に伴う発生トルクの変動の影響も小さく抑えることができる。
このため、主たる動力源(エンジン1)の慣性力が小さくなり、主たる動力源(エンジン1)の回転慣性の誤差等に強くなる。また、主たる動力源(エンジン1)の回転数変動に伴う発生トルクの変動の影響も小さく抑えることができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1の機械有段変速機6として、「ローモード」と「ハイモード」による2段の変速機を示した。しかし、第2モータジェネレータ5の軸に異なるギア比のギアと締結要素、最終出力軸(第二軸)にそれらにかみ合うギアを追加することにより、3段以上の変速機にすることができる。また、変速のための締結要素として、ドッグクラッチ8と摩擦クラッチ7を用いた例を示したが、全てが摩擦クラッチの機械有段変速機であっても良い。
実施例1では、動力源として、2つのモータジェネレータMG1、MG2とエンジンEngを搭載し、遊星歯車として、シングルピニオン型遊星歯車を用いたハイブリッド車両への適用例を示した。しかし、動力源として、3つ以上のモータジェネレータを搭載したり、また、遊星歯車として、複数の遊星歯車やラビニョー型遊星歯車を用いたりするようなハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、電気無段変速機と機械有段変速機を直列に組み合わせた駆動系を備えたハイブリッド車両であれば適用できる。
1 エンジン(主たる動力源)
2 ダンパー
3 第1モータジェネレータ(電動機)
4 オイルポンプ
5 第2モータジェネレータ(電動機)
6 機械有段変速機
7 摩擦クラッチ(半締結可能要素)
8 ドッグクラッチ(締結要素)
10 電気無段変速機
43 バッテリー
49 ハイブリッドコントローラ
Te エンジントルク
Tex1,Tex2 半クラッチトルク
k 学習値
2 ダンパー
3 第1モータジェネレータ(電動機)
4 オイルポンプ
5 第2モータジェネレータ(電動機)
6 機械有段変速機
7 摩擦クラッチ(半締結可能要素)
8 ドッグクラッチ(締結要素)
10 電気無段変速機
43 バッテリー
49 ハイブリッドコントローラ
Te エンジントルク
Tex1,Tex2 半クラッチトルク
k 学習値
Claims (7)
- 2以上の電動機と主たる動力源が接続される遊星歯車を有し、無段変速比を得る電気無段変速機と、
前記電気無段変速機の出力側に接続され、締結要素として半締結可能要素を有し、複数の有段変速比を得る機械有段変速機と、
前記機械有段変速機の変速過渡期、前記半締結可能要素のスリップ締結状態を保ちながら変速する変速制御手段と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
前記2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と前記遊星歯車の運動方程式に基づいて、スリップ締結状態における前記半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習する学習制御手段を設け、
前記変速制御手段は、前記学習制御手段による学習結果に基づいて前記機械有段変速機の変速制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、第1学習演算部と第2学習演算部を備え、
前記第1学習演算部は、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と、遊星歯車の運動方程式を用いて、電動機のトルク実績値またはその推定値から主たる動力源のトルクと前記半締結可能要素の伝達トルクを逆算し、
前記第2学習演算部は、2以上の電動機と主たる動力源の運動方程式と、遊星歯車の運動方程式のうち並進つりあい式のみを用いて、前記半締結可能要素の伝達トルクを逆算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、前記第1学習演算部で逆算される主たる動力源のトルクの逆算値と、主たる動力源の制御装置で計算されるトルク推定値とを比較し、トルク誤差が設定誤差以上のときには、前記第1学習演算部から得られる前記半締結可能要素の伝達トルクを用いて前記半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習し、トルク誤差が設定誤差未満のときには、前記第2学習演算部から得られる前記半締結可能要素の伝達トルクを用いて前記半締結可能要素への指令値と伝達トルクとの関係を学習することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、変速中のうち、前記半締結可能要素がスリップ状態のイナーシャ相である間に学習演算を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、前記半締結可能要素の一次側回転数と二次側回転数の速度差値が所定値以上であり、かつ、前記半締結可能要素の伝達トルク指令値が所定値以下であるとき、スリップ状態のイナーシャ相であると判定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、少なくとも前記半締結可能要素の一次側回転数、二次側回転数、回転数差のいずれかの回転数状態に対する伝達トルク実績として、前記半締結可能要素の伝達トルクの学習を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記学習制御手段は、前記半締結可能要素の伝達トルクの学習を、主たる動力源の加速度が小さい状態で行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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