JP2011020380A - 記録ヘッド及び記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

記録ヘッド及び記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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真樹 及川
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Abstract

【課題】双方向記録が行われる場合に、往方向走査で記録された画素と復方向走査で記録された画素との間でエリアファクタが異なることを抑え、記録画像に帯状のムラが発生することが抑えられた記録ヘッドを提供すること。
【解決手段】記録ヘッド10は、液体を吐出する吐出口7を有し、記録媒体が搬送される方向に交差する方向に往復移動して走査が行われ、往方向及び復方向の両方向への走査の際に吐出口7から液体を吐出して記録を行うことが可能である。そして、往方向への走査と復方向への走査との間で、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量の差が小さくなるように、凹凸形状が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、吐出口から液滴を吐出し記録媒体に着弾させて記録を行う記録ヘッド及びその記録ヘッドを製造する記録ヘッドの製造方法に関する。
近年、記録ヘッドよりインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置が急速に普及している。このようなインクジェット記録装置は小型化が容易であり、また比較的簡単にカラー記録を行うことができるなどの利点を有している。このようなインクジェット記録方式のインク吐出方法には、インク滴を吐出するために用いられる吐出エネルギ発生素子として、例えばヒータ等の電気熱変換素子を用いる方式と、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いる方式とがある。これらのいずれの方法においても、電気信号によってインク滴の吐出を制御することが可能である。
インクジェット記録装置による記録において、同一の領域に対して複数回の走査が行われて記録が行われる、いわゆるマルチパス記録によって記録が行われることがある。マルチパス記録においては、一般に、普通紙等の記録媒体へ記録が行われる場合には、記録媒体上の同一の領域に対して比較的少ない回数の走査で記録が行われるいわゆる低パス記録が実行されることが多い。一方で、フォトメディアといった比較的高品位の記録媒体に対しては、記録媒体上の同一の領域に対して比較的多い回数の走査で記録が行われるいわゆる多パス記録が行われることが多い。低パス記録としては、同一領域に対して、例えば1〜4回の走査によって記録が行われ、多パス記録では、同一領域に対して、例えば4〜24回の走査によって記録が行われる。このうち、多パス方式によって記録が行われる場合には、記録ヘッドが有している走査毎の着弾精度のばらつきを目立たなくさせることが可能となり、画像品位を向上させることができる。
しかし、近年フォトプリントの需要の拡大によって記録画像の画質を高めることが求められているのみならず、記録の高速化も求められている。従って、高品位の記録媒体に対しても高速記録を実現させるために、低パス記録を行うことが求められている現状がある。
特開2004−209967号公報
このような現状のなか、高品位の記録媒体への高速記録を達成するための低パス化において、次のような課題が顕在化している。1パス3パス5パス・・・といった比較的低パスであって奇数のパス数によって双方向記録が行われる場合に、記録ヘッドの走査方向に沿って帯状のムラが記録画像に発生することがある。双方向記録は、記録ヘッドの往方向の走査及び復方向の走査の両方で記録を行う記録方式である。
この帯状のムラは、4パス6パス8パス・・などの偶数パスでは発生しなかった。この低パスであって奇数のパス数の記録が行われる場合に帯状のムラが発生するメカニズムは、下記のとおりであると考えられる。
記録ヘッドには、カラーのインク滴を吐出するためのノズルが配置されたカラーチップと、ブラックのインク滴を吐出するためのノズルが配置されたブラックチップ(以下、Bkチップとも言う。)が配置されているものがある。Bkチップが吐出するインクは、通常、文字等のテキストを記録するのに用いられる。カラーチップが吐出するインクは、通常、イメージを記録するのに用いられる。このように、ブラックインクはカラーインクと用途が異なるため、Bkチップはカラーチップとは別の形状に形成されることがある。従って、これらのカラーチップ及びBkチップが、記録ヘッドに非対称に配置されて構成されることがある。
Bkチップ、カラーチップといったチップが記録ヘッドに取り付けられる場合、一般に、記録ヘッドに形成された凹部の内部にチップが配置され、凹部の内側の壁面とチップとの間に充填剤が充填されてチップが記録ヘッドに固定される。記録ヘッドに形成された凹部の内部に吐出口列の形成されたチップが配置され、凹部の内側の壁面とチップとの間に充填剤が充填されてチップが記録ヘッドに固定される記録ヘッドについて、特許文献1に開示されている。チップが記録ヘッドに非対称に配置されているので、記録ヘッドに形成された封止溝に着目すると、封止溝は記録ヘッドに非対称に形成されている。
このように、封止溝が記録ヘッドに非対称に形成されるので、記録ヘッド上の凹凸が、記録ヘッドの走査方向に関して非対称に形成される。記録ヘッド上の凹凸が非対称なので、双方向記録によって記録が行われる場合には、記録ヘッドと記録媒体との間に流入してくる気流が、記録ヘッドの往方向の走査と復方向の走査とで異なる。記録ヘッドの往方向への走査の際と復方向への走査の際とで記録ヘッドと記録媒体との間の領域に流入する気流が異なることから、それらの間で主滴とサテライトとの間の距離(以下、主サテ間距離とも称す)が異なる。
このように、主滴とサテライトとの間の距離が、往方向走査時と復方向走査時との間で異なるので、往方向の走査時に吐出された液滴による画像と復方向の走査時に吐出された液滴による画像とで液滴の占める割合が異なる。このため、往方向走査時に記録された画像と、復方向走査時に記録された画像との間で濃度が異なる。
また、同一の領域に対してN回のパス数で記録が行われる場合、記録ヘッドが一回の走査で記録が行われる領域であるバンドの搬送方向長さをN分割した長さを有し、記録媒体に亘って走査方向に沿う方向に延びる帯状の領域を単位領域とする。このとき、双方向記録で奇数のパス数の記録を行う場合、往方向走査の回数あるいは復方向走査の回数が、記録媒体の搬送方向に隣り合う単位領域同士で異なる。例えば3パス記録が行われる場合には、ある単位領域が、「往→復→往」記録で画像が形成され、その隣の単位領域は「復→往→復」記録で画像が形成される場合がある。このとき、記録媒体の搬送方向に隣り合う単位領域同士で、往方向走査による記録回数あるいは復方向走査による記録回数が異なる場合がある。
結果的に、奇数のパス数で双方向記録が行われる場合に、単位領域ごとに吐出された液滴によるエリアファクタの埋まりに差が生じることになる。従って、隣り合う単位領域同士に濃淡の差が発生し、バンド状のムラが発生する虞が生じる。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、双方向記録が行われる場合に、往方向走査での画像と復方向走査での画像との間でエリアファクタが異なることを抑え、記録画像にムラが発生することが抑えられた記録ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、液体を吐出する吐出口を有し、記録媒体が搬送される方向に交差する方向に往復移動して走査が行われ、往方向及び復方向の両方向への走査の際に前記吐出口から液体を吐出して記録を行うことが可能な記録ヘッドにおいて、往方向への走査と復方向への走査との間で、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に流入する気流の流量の差が小さくなるように、凹凸形状が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、往方向走査と復方向走査との間で、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量の差を少なくすることができる。従って、往方向走査時に吐出された液滴と復方向走査時に吐出された液滴との間で、主滴とサテライトとの間の距離の差を小さくすることができる。これにより、記録された画像の濃度が単位領域ごとに異なることを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る記録ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る記録ヘッドを模式的に示した斜視図である。 図2の記録ヘッドの要部について拡大し、一部を破断して模式的に示した斜視図である。 記録ヘッドにおいて、Bkチップが設けられている場合と設けられていない場合とで、記録された液滴における主滴とサテライトとの間の着弾位置の差を比較して示したテーブルである。 記録ヘッドにおいて、Bkチップが設けられている場合と設けられていない場合とで、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流について比較してBkチップの有無と気流との関係について、記録ヘッドから見て相対的に示した説明図である。 (a)は比較例の記録ヘッドにおける吐出口形成面の平面図であり、(b)は(a)の記録ヘッドが用いられたときの気流について説明するための説明図であり、(c)は(a)の記録ヘッドによって記録された画像について説明するための説明図である。 記録ヘッドが走査を行ったときに生じる気流について記録媒体側から見たときの気流の分布と、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流について説明するための説明図である。 (a)は図2の記録ヘッドにおける吐出口形成面の平面図であり、(b)は(a)の記録ヘッドが用いられたときの気流について説明するための説明図であり、(c)は(a)の記録ヘッドによって記録された画像について説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面の平面図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面の平面図であり、(b)は(a)の記録ヘッドが用いられたときの気流について説明するための説明図である。 本発明の第5実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面の平面図である。 本発明の第6実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッド10が搭載されたインクジェット記録装置100が示されている。本実施形態のインクジェット記録装置100は、記録媒体が搬送される方向に交差する方向に記録ヘッド10が往復移動して走査が行われながら記録ヘッド10によって記録が行われるシリアルスキャン方式の記録装置である。本実施形態の記録ヘッド10は、往方向及び復方向の両方向への走査の際に記録を行うことが可能な双方向記録形式の記録ヘッドである。
記録ヘッド10はキャリッジ2に搭載されており、キャリッジ2がガイド軸4によって記録ヘッド10の走査を行う方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ2は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、記録ヘッド10の走査が行われる主走査方向に往復動される。記録媒体としての用紙は、搬送ローラ等によって主走査方向に交差する副走査方向に搬送される。記録装置100は、記録ヘッド10を主走査方向に移動させつつ、記録媒体上に向かってインクを吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ記録媒体を副走査方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、記録媒体上に順次画像を記録する。
記録ヘッド10について模式的に示した斜視図を図2に示す。記録ヘッド10には、ブラックインクを吐出するためのブラックチップ(Bkチップ、第2のチップ)5及びカラーインクを吐出するためのカラーチップ(第1のチップ)6が配置されている。それぞれのチップには、インクを吐出する吐出口7が複数並べられて吐出口列が形成されている。Bkチップ5には、二列の吐出口列が形成されている。また、記録ヘッド10には、Bkチップとは別にカラーチップが配置されている。本実施形態では、カラーチップ6は、三色のインクを吐出可能なように三組の吐出口列が形成されている。本実施形態では、カラーチップ6は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の三色のインクを吐出可能に形成されている。カラーチップ6における吐出口列は、一色ごとに二列の吐出口列が形成され、カラーチップ6には合計六列の吐出口列が形成されている。Bkチップ5及びカラーチップ6に形成されたそれぞれの吐出口列は、二列1組で形成され、それぞれ対向する吐出口列がお互いの吐出口列の吐出口に対して半ピッチずらされて千鳥状に配列されている。
また、図3に、記録ヘッド10における一組の吐出口列の周辺について、一部を破断して模式的に示した斜視図を示す。記録ヘッド10は、インクを吐出させる発熱素子8が設けられた素子基板9と、この素子基板9に接合されるオリフィスプレート11とを備えている。オリフィスプレート11は、インクの液滴を吐出する複数の吐出口7を有するとともに、素子基板9に接合されることによって吐出口7が連通するエネルギ作用室としての発泡室12およびこれに連通するインク流路13等が形成される。なお、これら吐出口7、発泡室12及びインク流路13を総称してノズルという。発泡室12の内部空間を画成する壁のうち素子基板の内部には、発熱素子8が埋設されている。そして、発熱素子8の駆動によって発泡室12内部で気泡を発生させ、その発泡圧によって吐出口7からインクを吐出する。また、素子基板9には、オリフィスプレート11に接する主面からその反対側の裏面にかけて素子基板9を貫通するようにインク供給口14が形成されている。
記録ヘッド10に形成された凹部の内部にそれぞれのチップが配置され、凹部の内側の壁面とチップとの間に充填剤が充填されてチップが記録ヘッド10にそれぞれ固定されている。本実施形態では、それぞれのチップにおける記録ヘッド10の主走査方向の両側部と凹部の内側の壁面との間に封止溝15が形成され、そこに充填剤が充填されている。封止溝15の内部で充填剤が固化することで、記録ヘッド10にチップが固定されて取り付けられる。このようにBkチップ5あるいはカラーチップ6を記録ヘッド10に取り付けるために、それぞれのチップの周囲の少なくとも一部には、チップの取り付けによって封止溝15が形成されることになる。
本実施形態の記録ヘッド10には、前述したように、Bkチップ5及びカラーチップ6が配置されている。カラーチップ6は記録ヘッド10の主走査方向に沿う略中央に配置されており、カラーチップ6は記録ヘッド10の主走査方向の中心に対して線対称に形成されている。また、Bkチップ5はカラーチップ6の一方の外側に配置されており、Bkチップ5が配置されることで記録ヘッド10に配置されたチップの配置が主走査方向に関して線対称でなくなる。
記録ヘッドに凹凸が形成されている場合と形成されていない場合とでは、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入してくる気流の流量が異なると考えられる。図4及び図5を参照し、記録ヘッドにチップが配置されることで形成された凹部によって、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流が受ける影響について述べる。図4には、記録ヘッドにBkチップが配置された場合と配置されない場合とで主滴とサテライトとの間の距離を比較した際の、結果についてのテーブルが示されている。また、図5には、記録ヘッドにチップが配置されることで形成された凹部による気流への影響について説明するための説明図が示されている。ここで、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流は、記録ヘッドと記録媒体との間に流れてくる気流だけでなく、記録ヘッドが移動することで元々そこにある空気が記録ヘッドと記録媒体との間に位置するようになる空気も含むものとする。
図4に示されているように、Bkチップが配置されているために凹凸が形成されている記録ヘッドと配置されていない記録ヘッドとで主滴とサテライトとの間の距離を比較すると、Bkチップが配置されているものの方が配置されていないものに比べて小さい。このことは、図4の実際の実験データで示されるように、確かなことと言える。これは、図5に示されるように記録ヘッドに形成された凹部が、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流抵抗を緩和させることによるものと考えられる。
このことから、記録ヘッドに後述するダミー封止溝が形成されていない場合には、記録ヘッドと記録媒体との間に流入してくる気流の流量が、Bkチップ側から流入してくるものとBkチップとは反対側から流入してくるものとで異なると考えられる。従って、記録ヘッドの往方向走査の際と復方向走査の際とで、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量が異なる。このように、記録ヘッド10の往方向走査時と復方向走査時とで記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量が異なるので、往方向走査時に吐出された液滴と復方向走査時に吐出された液滴との間で主滴とサテライトとの間の着弾位置の差が異なる。
また、これに加え、流入してくる気流に対して上流、下流といった記録ヘッドにおける吐出口列の位置によって、その吐出口から吐出される主滴とサテライトとの間の着弾位置が異なる。従って、吐出口列が複数列形成されている場合には、走査している方向の前方に形成された吐出口列から吐出される液滴と、走査している方向の後方に形成された吐出口列から吐出される液滴との間で、主滴とサテライトとの間の着弾位置の差がさらに大きい。
比較例としてBkチップがカラーチップから見て一方の側部のみに形成されている記録ヘッドについて、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流について説明する。このときの記録ヘッドを図6(a)〜(c)に示す。サテライトは、一様に主滴に対して走査方向の前方にずれて吐出されているものとする。
図6(a)〜(c)に示される比較例では、往方向の走査時にBkチップが走査方向の前方に位置し、復方向の走査時にBkチップが走査方向の後方に位置するようにBkチップが記録ヘッドに配置されている。このようにBkチップが記録ヘッドに配置された場合には、図6(b)に示されるように、往方向への走査時の方が復方向への走査時に比べて記録ヘッドと記録媒体との間に流入してくる気流の流量が大きい。記録ヘッドが往方向へ走査を行うときには、Bkチップが走査方向の前方に位置することになり、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が大きく、吐出された液滴が流入してくる気流によって流される量が比較的大きい。これに対して、記録ヘッドが復方向へ走査を行うときには、Bkチップが走査方向の後方に位置することになり、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が比較的小さいので、吐出された液滴が気流によって流される量が少ない。
また、気流による着弾位置への影響は、主滴よりもサテライトの方が大きい。これは、主滴よりもサテライトの方が比較的質量に対する投影断面積が大きく、持っている運動エネルギが小さいためである。従って、記録ヘッドが走査を行うときには主滴に比べてサテライトが比較的大きく気流によって流される。そのため、サテライトが比較的大きく気流の下流側に流されるのに対し、主滴が下流側に流される量は比較的小さい。上述のように、主滴及びサテライトは記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流によって走査方向の後方に流されることになる。液滴が吐出されたとき、サテライトが主滴に対して記録ヘッドの走査方向の前方にずれる場合には、主滴よりもサテライトの方が気流によって流される量は大きいので、図6(b)のように主滴とサテライトとの間の距離が小さくなることが多いと考えられる。
また、上述のように、本実施形態の記録ヘッドでは、復方向走査時よりも往方向走査時の方が流入する気流の流量は大きい。従って、上流に形成された吐出口列同士あるいは下流に形成された吐出口列同士で吐出された液滴の主滴とサテライトの間の着弾位置の差を比較すると、往方向走査時の方が復方向走査時よりも差が小さい。
また、図6(b)に示されるように、記録ヘッドにおける吐出口列の形成された位置によって、着弾位置が異なる。図6(b)に示されるように、往方向走査及び復方向走査において、上流側よりも下流側に配置されたチップの方が主滴とサテライトとの着弾位置の差が大きくなっている。記録ヘッドと記録媒体との間に流入した気流は、上流側から下流側へ減衰しながら移動する。そのため、記録ヘッドと記録媒体との間における上流側では、比較的気流の流量が大きく、下流側では、比較的流量が小さい。気流が流れる部分では、気流の流量が大きい方が、液滴における気流によって下流に流される量は大きい。従って、記録ヘッドと記録媒体との間で吐出された液滴が下流側に流される量は、上流側で吐出された液滴の方が下流側で吐出された液滴よりも大きい。
以上の関係から、本実施形態の記録ヘッドでは、主滴とサテライトの間の着弾位置の差は、往方向走査時における記録ヘッドと記録媒体との間に気流が流入する方向の上流側が最も小さい。次いで、復方向走査時における上流側、往方向走査時における下流側、復方向走査時における下流側と順に大きくなる。従って、液滴が記録媒体に吐出された際に、主滴とサテライトとの間の着弾位置の差の大小関係は、図6(b)の不等式に示される関係となることが考えられる。このように、記録ヘッドに吐出口列が複数列形成されている場合には、流入する気流の流量が異なることに加えて、吐出口列の形成された位置によっても主滴とサテライトとの間の着弾位置の差がさらに異なる。
図6(b)には、記録ヘッドの走査方向の速度を止め、気流を記録ヘッドから見たときの相対的速度の分布が示されている。このときの気流の記録媒体から見た絶対的な速度の分布が、図7に示されている。図7に示されるように、記録ヘッドの走査によって、記録ヘッドと記録媒体との間に空気のクエット流が生じている。このときの空気の流速分布は、記録ヘッドの走査方向に対し反対方向に流入する気流によって、このクエット流が押し戻されるような流速分布となっている。この流速分布は、往方向、復方向の走査及び記録ヘッド内で吐出口列が配置された位置によってそれぞれ異なる。そのため、後述するダミー封止溝が形成されていない記録ヘッドにおいては、上述のように走査の往方向、復方向、吐出口列の配置された位置のそれぞれで、主滴とサテライトの間の距離が異なる。これにより、走査ごとに、記録された液滴によるエリアファクタに差が生じる虞がある。
このように、走査ごとに、記録された液滴によるエリアファクタが異なるので、隣り合う単位領域同士で記録された画像に濃度差が発生し、バンド状のムラが生じる可能性がある。ここで、同一の領域に対してN回のパス数で記録が行われる場合、記録ヘッドが一回の走査で記録が行われる領域であるバンドの搬送方向長さをN分割した長さを有し、記録媒体に亘って走査方向に沿う方向に延びる領域を単位領域とする。
図6(c)に、比較例の記録ヘッドによって記録が行われた際の、液滴の着弾位置について説明するための説明図が示されている。図6(c)には、隣り合う単位領域の液滴の着弾位置について示されている。また、単位領域について、画素における着弾位置について示した図の右側には、対応する画素が記録ヘッドの往方向走査あるいは復方向走査のどちらの走査の際に記録されたのかが示されている。往方向走査の際に記録が行われる画素を往とし、復方向走査の際に記録が行われる画素を復とする。このとき、往復往往復・・・と記録された単位領域と隣り合う単位領域は、往復復往復・・・と記録される。
上述のように、この比較例では復方向走査時に吐出された液滴の方が、往方向走査時に吐出された液滴よりも主滴とサテライトとの間の距離が長い。従って、復方向走査時に吐出される回数の多い下段の単位領域の方が、上段の単位領域と比べて隙間が形成される割合が全体的に高い。また、単位領域について、それぞれの画素における液滴の着弾位置について示した図の左側には、対応する画素が、複数形成された吐出口列における左側のL列あるいは右側のR列のどちらの吐出口列によって記録が行われたのかが示されている。この比較例では、L列として図6(a)に示されるシアンのインクを吐出する吐出口列が相当し、R列としてイエローのインクを吐出する吐出口列が相当する。
また、上述のように、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の上流側から吐出される液滴の方が、下流側から吐出される液滴よりも、主滴とサテライトとの間の距離が大きい。
従って、復方向走査時に、L列によって吐出された液滴において、主滴とサテライトとの間の距離が比較的大きくなっている。このため、図6(c)では、下段の単位領域におけるL列によって吐出された液滴によって記録された画像が、他の領域で記録された画像に比べ、濃度が比較的薄くなる。
これに対して、本実施形態の記録ヘッド10には、図2に示されるように、ダミー封止溝16が形成される。図8(a)に、ダミー封止溝16が形成された本実施形態の記録ヘッド10の平面図を示す。これにより、記録ヘッド10に形成された液滴が吐出される方向への凹凸形状に関して、記録ヘッドの走査方向に沿う中心に対して対称となるように記録ヘッドを形成することが可能となる。記録ヘッド10では、カラーチップ6が記録ヘッド10の走査方向の中心に配置され、カラーチップ6の一方の側にBkチップ5が配置され、記録ヘッド10におけるカラーチップから見て一方の側とは反対側の他方の側にはBkチップが配置されていない。そして、記録ヘッド10におけるBkチップの配置されていない他方の側には、Bkチップを配置するために形成された封止溝15に相当するダミー封止溝16が形成されている。これにより、記録ヘッド10は、記録ヘッド10におけるカラーチップ6から見てBkチップ5の配置された一方の側にはBkチップ5を配置するための封止溝15が形成され、他方の側にはダミー封止溝16が形成されるような構成となる。このように、記録ヘッド10の凹凸形状が、カラーチップ6の中心に対して線対称となるような構成とすることができる。
このように、記録ヘッド10を形成することで、記録ヘッド10の走査方向に沿う中心に対して一方の側と他方の側とで、記録ヘッド10の凹凸形状の差を小さくすることができる。これにより、記録ヘッド10と記録媒体との間に気流が流入する際に、記録ヘッド10の往方向走査時と復方向走査時との間で流抵抗の差が小さくなる。従って、記録ヘッド10が往方向の走査を行う際及び復方向の走査を行う際の間で、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量の差を小さくすることができる。記録ヘッド10と記録媒体との間に流入してくる気流の流量が往方向走査時と復方向走査時との間で差が小さくなるので、主滴に対してサテライトの流される量に関して、往方向走査と復方向走査との間で差が小さくなる。このときの記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量について説明するための説明図を図8(b)に示す。図8(b)に示されるように、本実施形態の記録ヘッド10が用いられれば、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量が、往方向走査時と復方向走査時との間でほぼ等しくすることができる。主滴とサテライトとの着弾位置の差が往方向走査時に吐出された液滴と復方向走査時に吐出された液滴との間で小さくなるので、往方向走査時に吐出された液滴による画像と復方向走査時に吐出された液滴による画像との間でエリアファクタの差が小さくなる。これにより、往方向走査時に吐出された液滴による画像と復方向走査時に吐出された液滴による画像との間で濃度の濃淡差が小さくなるので、双方向記録において奇数のパス回数による記録が行われても、単位領域ごとの濃度差が小さくなる。
また、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量の差が往方向走査時と復方向走査時との間で小さくなるので、記録ヘッド10の走査によって流入してくる気流によって液滴が流される量の差が、往走査時と復走査時との間で小さくなる。また、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量は、往方向走査時においても復方向走査時においても、下流に行くに従い、同様に減衰する。従って、記録ヘッド10の走査方向の上流に位置した吐出口から吐出される液滴は、往方向の走査時及び復方向の走査時において同様に流される。また、記録ヘッド10の走査方向下流に位置した吐出口から吐出される液滴も同様に、往方向走査時及び復方向走査時において同様に流される。
以上から、記録ヘッド10における吐出口の位置による主滴とサテライトとの着弾位置の差が全体的に小さくなる。従って、記録画像の全体的に、主滴とサテライトとの間の着弾位置のずれが小さくなる。これにより、さらに記録画像の単位領域ごとにムラが生じることを抑えることができる。
このときの、隣り合う単位領域同士の着弾された液滴の分布を図8(c)に示す。図8(c)に示されるように、主滴とサテライトとの距離が走査の方向ごと、あるいは吐出口列の位置によって異なることが抑えられる。従って、主滴とサテライトとの間が比較的大きく離れることにより記録された画像に隙間が生じることを抑えることができる。従って、単位領域ごとに濃度に差が発生することが抑えられる。
上述のような記録ヘッド10を製造するには、往方向への走査と復方向への走査との間で、記録ヘッド10と記録媒体との間に流入する気流の流量の差が小さくなるように、記録ヘッド10に凹凸形状を形成すれば良い。すなわち、チップの取り付けによって形成される凹凸に対応するように、ダミー封止溝16を記録ヘッド10に形成すれば良い。
このように、双方向記録であって奇数のパス回数による記録が行われた際に、隣り合う単位領域同士の間での濃度の差が小さくなるので、記録によって得られた画像におけるバンド状のムラが生じることが抑えられる。これにより、記録によって得られる画像の品質が高く保たれる。
(第2実施形態)
次に、図9を用いて、第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図9に、第2実施形態に用いられる記録ヘッドの吐出口形成面における平面図を示す。
図9に示されるように、第2実施形態の記録ヘッド10’では、第1実施形態に比べ、Bkチップの側部において吐出口列が延びる方向へ延びるように形成された封止溝15’が長く形成されている。また、カラーチップ6から見てBkチップ5の配置されていない側の領域には、長く形成された封止溝15’に対応するように、ダミー封止溝16’が長く形成されている。本実施形態では、封止溝15’及びダミー封止溝16’は、吐出口列の配列方向への長さよりも配列方向に長く形成されている。吐出口列の延びる方向に沿ってそれぞれのチップにおける吐出口列の配列方向の全体に亘って気流の流量を調節するには、ダミー封止溝は吐出口列の配列方向への長さよりも配列方向に長く形成されることが好ましい。本実施形態では特に、Bkチップ5の側部に形成された封止溝15’及びBkチップ5の配置されていない側の領域に形成されたダミー封止溝16’は、記録ヘッド10’における吐出口列の延びる方向に記録ヘッド10’を横切るように形成されている。これにより、封止溝15’及びダミー封止溝16’の形状を、吐出口列が延びる方向に関し記録ヘッド10’の中心線に対して対称にすることができる。記録ヘッドの吐出口形成面に形成される凹凸形状が記録ヘッド10’における吐出口列の延びる方向の中心に対して線対称に形成されるので、記録ヘッド10’と記録媒体との間に流入する気流を吐出口列の延びる方向に関して対称にすることができる。このように、記録ヘッド10’と記録媒体との間に流入する気流の流量について、往方向走査時と復方向走査時との間の差を小さくするだけでなく、吐出口列の延びる方向に関して対称にすることができる。これにより、記録ヘッド10’と記録媒体との間に流入する気流について、吐出口列の延びる方向に対称にすることができ、主滴とサテライトとの間の着弾位置の差を、吐出口列の延びる方向に揃えることができる。このことによって、記録によって得られた画像にムラが発生することを抑えることができ、さらに記録画像の品質を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、図10を用いて、第三実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態及び第二実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図10に、第三実施形態に用いられる記録ヘッドの吐出口形成面における平面図を示す。
図10に示されるように、第3実施形態の記録ヘッド10’’は、カラーチップ6’’の吐出するインクの色に関して、イエローのインクを吐出する吐出口列を中心に対称に形成されている点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。本実施形態の記録ヘッド10’’は、カラーチップ6’’の吐出するインクの色が対称に配置されるように、カラーチップ6’’の吐出するインクの色が、シアン、マゼンタ、イエロー、マゼンタ、シアン(CMYMC)となるように順に形成されている。
カラーチップが双方向記録に対応するために、吐出口列が対称に形成されている場合、一つの色についてカラーチップの中心よりも左側に形成されている吐出口列と右側に形成されている吐出口列が形成されることになる。このような場合に、記録ヘッドにダミー封止溝が形成されていなければ、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流が往方向走査時と復方向走査時とで異なる虞がある。従って、同じ色のインクであっても、中心に対して右側の吐出口列から吐出される液滴と左側から吐出される液滴とで濃度が異なる虞がある。従って、同一の色のインクであっても記録画像において単位領域ごとに濃度が異なる虞があり、記録画像にバンド状のムラが発生する虞がある。
しかしながら、本実施形態では、記録ヘッド10’’の走査方向に関して記録ヘッド10’’の凹凸形状が線対称となるように、記録ヘッド10’’にBkチップ5の側部に形成された封止溝15に対応するダミー封止溝16が形成されている。従って、往方向走査時と復方向走査時との間で、記録ヘッド10’’と記録媒体との間に流入する気流の流量の差が少なく抑えられる。これにより、同一の色のインクであっても、インクを吐出する吐出口列の位置によって、主滴とサテライトとの間の距離が異なることを抑えることができ、単位領域ごとに色の濃度差が生じることを抑えることができる。
(第4実施形態)
次に、図11(a)、(b)を用いて、第4実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態ないし第3実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図11(a)に、第4実施形態に用いられる記録ヘッドの吐出口形成面における平面図を示す。
本実施形態の記録ヘッドは、記録ヘッドにおける凹凸形状とは別の要因によって記録ヘッドの往方向走査時と復方向走査時とで記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が異なる場合について対応するものである。例えば、本実施形態の記録ヘッドが搭載された記録装置の形状から、Bkチップが走査方向後方にある復方向走査が行われているときに、記録ヘッドの走査によって発生した気流が記録装本体の壁面で跳ね返り、流入気流の量が増加する場合について考慮する。Bkチップが走査方向前方に位置する往方向走査時には記録装置本体から跳ね返ってくる気流は無いので、往方向走査時は、復方向走査時に比べて記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が少ない。このように、記録ヘッドの往方向走査時と復方向走査時との間で、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が異なることが予め分かっていれば、それに合わせて記録ヘッドの凹凸形状を調節することで気流を調節しても良い。
本実施形態の記録ヘッド10’’’は、Bkチップ5の走査方向の両方の側部に封止溝15が形成されているのに対し、カラーチップ6’’’から見てBkチップの形成されていない側にダミー封止溝16’’’が一つのみ形成されている。上述のように、本実施形態ではダミー封止溝が封止溝15に対応して形成された場合に、記録ヘッド10’’’の往方向走査時と復方向走査時との間で記録ヘッド10’’’と記録媒体との間に流入する気流の流量が異なる。しかしながら、本実施形態では、ダミー封止溝16’’’が気流の流量における往方向走査時と復方向走査時との間の差に応じて非対称に形成されている。具体的には、Bkチップの側部に封止溝15が二つ形成されているのに対しダミー封止溝16’’’が一つのみ形成されているだけである。これにより、気流と記録ヘッド10’’’との間の抵抗が、往方向走査時に比べて復方向走査時の方が大きくなるので、復方向走査時に流入する気流が往方向走査時に流入する気流よりも大きく減衰する。結果的に、記録ヘッド10’’’と記録媒体との間を流れる気流の差が、往方向走査時と復方向走査時との間で小さくなり、往方向走査時に吐出された液滴と復方向走査時に吐出された液滴との間で主滴とサテライトとの間の距離が小さくなる。つまり、記録ヘッド10’’’に形成された凹凸形状によって、往方向走査時と復方向走査時との間で、記録ヘッド10’’’と記録媒体との間への流入気流が同一となるようにバランスを取っているのである。これにより、単位領域ごとに記録された画像の濃度差が小さくなるので、記録画像にムラが発生することを抑えることができる。これにより、記録画像の品質を高く保つことができる。
このように、封止溝15に対応するようにダミー封止溝が形成されても、往方向への走査と復方向への走査との間で、記録ヘッドと記録媒体との間に流入する気流の流量が異なる場合には、ダミー封止溝16を変えても良い。すなわち、記録ヘッド10’’’の走査方向の前方における、記録ヘッド’’’と記録媒体との間を気流が通過するときの流抵抗を、往方向への走査と、復方向への走査との間で異ならせるようにダミー封止溝16’’’を変えても良い。
(第5実施形態)
次に、図12を用いて、第5実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態ないし第4実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図12に、第5実施形態に用いられる記録ヘッドの吐出口形成面における平面図を示す。
図12に示すように、第5実施形態は、記録ヘッド10’’’’におけるカラーチップ6’’’’の吐出口列群の中央部にイエロー(Y)と共にピンク(Pk)が追加された実施形態である。このようにPk色が追加されることで、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)のカラーチップ及びBkチップのみでは表現しきれない階調性、色域を表現できるようになる。
(第6実施形態)
次に、図13を用いて、第6実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態ないし第5実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図13に、第6実施形態に用いられる記録ヘッドの吐出口形成面における平面図を示す。
第6実施形態の記録ヘッド10’’’’’は、カラーチップ6’’’’’におけるノズル列群のシアン、マゼンタ、イエロー、マゼンタ、シアン(CMYMC)の外側にピンク(Pk)の色のインクを吐出する吐出口列が追加された実施形態である。このように、カラーチップ6’’’’’の中央ではなく外側にPkを配置することで、上述のように、さらなる階調性、色域の表現を可能にする。また、それと共に、本実施形態の記録ヘッド10’’’’’は第5実施形態の記録ヘッド10’’’’に比べて記録のために使用される頻度の高いシアン同士の吐出口列間の距離が短縮されるように構成される。また、同様に、記録ヘッド10’’’’’がマゼンタ同士の吐出口列間の距離が短縮されるように構成にできる。これにより、チップの取り付け時の誤差等により、記録ヘッドの走査方向に対して吐出口列が角度を持って配置されてしまったときにもC―C列、またはM―M列間の吐出口列それぞれの、記録媒体搬送方向への着弾ずれを軽減することができる。仮に、カラーチップ6’’’’’の取り付けに誤差が生じカラーチップ6’’’’’における吐出口列の全体がずれてしまった場合、カラーチップ6’’’’’における走査方向の中心を挟んでC−C列あるいはM−M列間で搬送方向にずれが生じる虞がある。しかしながら、本実施形態ではC−C列あるいはM−M列間の距離が短く形成されているので、これらの列の間で生じ得る搬送方向のずれが小さく抑えられる。従って、記録画像の品質をより高く保つことができる。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
7 吐出口
10 記録ヘッド
16 ダミー封止溝
100 記録装置

Claims (10)

  1. 液体を吐出する吐出口を有し、記録媒体が搬送される方向に交差する方向に往復移動して走査が行われ、往方向及び復方向の両方向への走査の際に前記吐出口から液体を吐出して記録を行うことが可能な記録ヘッドにおいて、
    往方向への走査と復方向への走査との間で、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に流入する気流の流量の差が小さくなるように、凹凸形状が形成されることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記吐出口はチップに形成されており、
    前記チップは凹部の内部に配置され、前記凹部と前記チップとの間に充填剤が充填されて前記チップが取り付けられ、
    前記チップの取り付けによって形成される凹凸に対応するように、ダミーの凹凸形状が形成されることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記チップの取り付けによって形成される凹凸は封止溝であって、
    前記チップの取り付けによって形成される前記封止溝に対応するように形成されるダミーの凹凸形状は、ダミー封止溝であることを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記チップは、前記記録ヘッドにおける走査が行われる方向の中心に対して線対称に配置された第1のチップと、第1のチップから見て一方の側のみに配置された第2のチップとを有し、
    前記第2のチップの周囲の少なくとも一部には、前記第2のチップの取り付けによって封止溝が形成され、
    前記第1のチップから見て前記一方の側の反対側の他方の側には、前記封止溝に対応するダミー封止溝が形成されることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
  5. 前記吐出口は、複数並べられて吐出口列が形成されており、
    前記凹凸形状は、前記吐出口列の配列方向への長さよりも前記配列方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録ヘッド。
  6. 前記凹凸形状は、前記吐出口列の配列方向へ前記記録ヘッドを横切るように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド。
  7. 前記チップは、前記記録ヘッドにおける走査が行われる走査方向の中心に対して線対称に配置された第1のチップを有し、
    前記第1のチップには、複数の色の液滴を吐出可能なように、複数の色に対応した複数の吐出口が形成され、
    前記第1のチップは、液滴の吐出可能な色が前記走査方向の中心に対して対称となるように、前記複数の吐出口が前記第1のチップに形成されることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の記録ヘッド。
  8. 前記チップの取り付けによって形成される凹凸に対応するように前記ダミーの凹凸形状が形成されても、前記往方向への走査と前記復方向への走査との間で、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に流入する気流の流量が異なる場合には、前記往方向への走査の際の前記気流の流量と前記復方向への走査の際の前記気流の流量との差に応じて、前記凹凸形状を変えることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の記録ヘッド。
  9. 前記記録ヘッドの走査方向の前方における、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間を気流が通過するときの流抵抗を、前記往方向への走査と、前記復方向への走査との間で異ならせるように、前記凹凸形状を変えることを特徴とする請求項8に記載の記録ヘッド。
  10. 液体を吐出する吐出口を有し、記録媒体が搬送される方向に交差する方向に往復移動して走査を行い、往方向及び復方向の両方向への走査の際に前記吐出口から液体を吐出して記録を行うことが可能な記録ヘッドの製造方法において、
    往方向への走査と復方向への走査との間で、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に流入する気流の流量の差が小さくなるように、前記記録ヘッドに凹凸形状を形成することを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
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