JP2011019757A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
パルス・インバージョン・ハーモニック法による超音波画像の精度を向上させた超音波診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
超音波を対象物に送信し、反射された超音波を受信する超音波振動子と、超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、パルス発生回路は、PチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを含むプッシュ・プル回路を有し、PチャネルMOSFETのドレインと、NチャネルMOSFETのドレインが超音波振動子に接続され、プッシュ・プル回路が駆動信号を生成する。2種類の駆動信号におけるそれぞれ最初の半波を比較して立ち上がりの遅延時間を検出する時間差モニタ回路と、時間差モニタ回路による比較結果に応じてPチャネルMOSFETまたは、NチャネルMOSFETをスイッチング制御するタイミングを調整するタイミング調整部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を利用した超音波診断装置に関するものである。特に、互いに正負の振幅が反転した2種類の超音波を照射し、それぞれ反射された超音波信号を加算することで基本波成分を相殺し、ハーモニック成分のみを抽出して診断画像を生成するパルス・インバージョン・ハーモニック法を実現する超音波診断装置に関する。
パルス・インバージョン・ハーモニック法は、受信信号のハーモニック成分を画像化する手段として、近年さかんに用いられている(例えば、特許文献1参照)。パルス・インバージョン・ハーモニック法を用いることにより、コントラスト分解能の高い画像が得られる。また、受信信号を加算することでハーモニック成分は2倍になり、造影剤に対する感度が向上する。ここでは、ハーモニック成分の抽出方法について説明する。
図12は、上記従来のパルス・インバージョン・ハーモニック法を用いた超音波診断装置の構成を示すブロック図である。制御回路102は、パルス発生回路104が発生する駆動信号のパルス波形を制御する。パルス発生回路104は、超音波振動子106を駆動する駆動信号を生成する。超音波振動子106は、駆動信号により駆動されて超音波を照射し、被検体の体内から反射された超音波信号を受信して電気信号の受信信号に変換する。受信回路107は、受信信号に対して増幅などの処理を施す。A−D変換器108は、処理が施された受信信号をデジタル値に変換し、デジタル値をメモリ109に保存させる。加算器110は保存されたデジタル値を加算し、検波器111は加算された信号を輝度値データに変換する。走査変換器112は輝度値データを走査変換し、表示部113は変換された輝度値データを画像として表示する。
パルス・インバージョン・ハーモニック法は、正負が反転した2種類の超音波を送信して、得られた2種類の信号を加算することにより行われる。図13は、パルス・インバージョン・ハーモニック法における(a)は1回目の超音波送信であり、(b)は2回目の超音波送信である。制御信号131と、制御信号132とが正負が反転した信号であるため、互いに正負が反転した超音波の波形132、133が超音波振動子106から体内にそれぞれ照射される。
体内で反射された超音波(信号)は、図12に示すように、超音波振動子106によって受信されて受信信号に変換される。受信信号は、受信回路107において増幅され、A−D変換器108においてデジタル信号に変換され、メモリ109に格納される。これらの動作は、1回目の超音波送信と2回目の超音波送信における超音波信号に対してそれぞれ行なわれる。
2回の超音波送受信において得られた受信信号は、加算器110により1回目の超音波送受信において得られた受信信号に加算される。受信信号の基本波成分は互いに位相が180度ずれているので、加算されると、信号の基本波成分が相殺され、同相である2次の高調波のみが加算された信号として出力される。すなわち、表示部113では、2次の高調波のみの信号で構成された画像が表示される。
次に、パルス発生回路104について説明する。パルス発生回路104にはさまざまな構成があるが、一般的には図14の回路図に示すように、PチャネルMOSFET122とNチャネルMOSFET123とを組み合わせたプッシュ・プル・スイッチング回路121によって最終段が構成されている。
プッシュ・プル・スイッチング回路121は、PチャネルMOSFET122のソース側に電圧値が+HVの正電源124が接続され、NチャネルMOSFET123のソース側に電圧値が−HVの負電源125が接続されて構成されている。PチャネルMOSFET122とNチャネルMOSFET123のドレイン側には、ダイオード・ブリッジ128を介して超音波振動子106が接続されている。PチャネルMOSFET122とNチャネルMOSFET123は、ゲートドライバ126、127によって駆動される。ダイオード・ブリッジ128は、受信信号がパルス発生回路104の影響を受けないようにするために接続されている。
次に、図14に示すパルス発生回路104における駆動信号のタイミングについて図15と図16を参照しながら説明する。図15は、(a)がPチャネルゲートドライバ126から出力されるゲート信号141、(b)がNチャネルゲートドライバ127から出力されるゲート信号142、(c)が超音波振動子106の駆動信号(以下、1回目の送信電圧と称する)143を示す図である。図16は、(a)が図15(a)に示したゲート信号141の位相が180度ずれたゲート信号144、(b)が図15(b)に示したゲート信号142の位相が180度ずれたゲート信号145、(c)が超音波振動子106の駆動信号(以下、2回目の送信電圧と称する)146を示す図である。
図15に示すゲート信号141、ゲート信号142が切り替わることにより、超音波振動子106に正負の電圧(1回目の送信電圧)が印加される。また、図16に示すゲート信号144、ゲート信号145が切り替わることにより、超音波振動子106に正負の電圧(2回目の送信電圧)が印加される。
図17は、図15に示す1回目の送信電圧143と、図16に示す2回目の送信電圧146を反転したものとを重ねて表示した図である。図17に示すように、1回目の送信電圧の立ち上がり時間と2回目の送信電圧146の立ち上がり時間とが一致しないことがわかる。特に、初めてPチャネルMOSFET122をオンした時と、初めてNチャネルMOSFET123をオンした時、および、PチャネルMOSFET122をオンした後に初めてNチャネルMOSFET123をオンした時と、NチャネルMOSFET123をオンした後に初めてPチャネルMOSFET122をオンした時に立ち上がり時間の違いが大きい。この原因は、PチャネルMOSFET122のゲートの入力インピーダンスと、NチャネルMOSFET123のゲートの入力インピーダンスとが異なるためである。
PチャネルMOSFETのオン抵抗(ドレイン−ソース間)と、NチャネルMOSFETのオン抵抗とが等しくなるように形成する(特性の絶対値が同じとみなせることをコンプリメンタリ(相補性)と呼ぶ)ことは可能である。このようにMOSFETを形成すると、それぞれのゲート入力のオン抵抗による電圧降下が等しくなり、PチャネルMOSFETで駆動した場合の振幅と、NチャネルMOSFETで駆動した場合の振幅を等しくすることができ、上記問題を解消することができる。
しかし、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETとはもともと構造が異なるため、オン抵抗を等しくすることで内部電荷量の差が大きくなってしまう。この内部電荷量の違いが最初の立ち上がり時と立ち下がり時の違いとして現れる。さらに、PチャネルMOSFETのオン抵抗(ドレイン−ソース間)とNチャネルMOSFETのオン抵抗とを等しくするように形成しても、構造が異なるため、温度変化も含めて全く同一にすることは難しく、このわずかな差が振幅差として現れる場合もある。
パルス・インバージョン・ハーモニック法では、1回目の送信で受信した信号と2回目の送信で受信した信号とを加算することで基本波成分を除去することにより2次高調波成分を画像化している。したがって、1回目の送信と2回目の送信において、最初の立ち上がり時と立ち下がり時とが異なるあるいは振幅の大きさが異なると、加算しても基本波成分を完全には除去できないことになる。
このようなタイミングのずれを解決する方法として、タイミングのずれを前もって調整する方法がある(例えば、特許文献2参照)。図18は、上記タイミングのずれを前もって調整するパルス発生器の構成を示す回路図である。トランスの1次側コイル152、154と、トランスの2次側コイル163とを介して、電源TXV151の電圧が超音波探触子164に印加される。1次側コイル152は、電源TXV151と、もう片側が接地されたトランジスタスイッチ153に接続されている。同様に、1次側コイル154は、電源TXV151と、もう片側が接地されたトランジスタスイッチ155に接続されている。トランジスタスイッチ153、155は、それぞれゲート電極がタイミング調整部165に接続されている。
また、ゲート電極がタイミング調整部165からの共通の線に接続され、一方が接地されたトランジスタスイッチ158、161の間に、抵抗157、一次側コイル156、159、抵抗160が直列に接続された回路を有する。2次側コイル163には、受信回路RX162と、超音波振動子164とが接続され、超音波振動子164のもう片方の接点は接地されている。
トランジスタスイッチ153をオンすることで、電源TXV151の電圧値に1次側コイル152と2次側コイル163の巻き数比を乗じた電圧を超音波振動子164に与えることができる。また、トランジスタスイッチ155をオンすることで上記電圧値の−1倍の電圧を与えることができる。これによって、超音波振動子164は正負の電圧で駆動される。トランジスタスイッチ158とトランジスタスイッチ161は同時にオンオフされ、トランジスタスイッチ158とトランジスタスイッチ161がオンすることで超音波振動子164の振動する電圧を減衰させることができる。
ここでのトランジスタスイッチ153、155、158および161のオンオフは、タイミングジェネレータ166によって制御される。このとき各トランジスタスイッチがオンまたはオフしてからの遷移時間の差を補償するタイミング調整部165を設け、オンまたはオフする時間が同じになるように制御している。
米国特許第5706819号公報 特開2006−26150号公報
しかしながら、たとえ図12に示す超音波診断装置に、図18に示す構成を適用してPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差を改善させても、次のような問題がある。
ここで用いられるMOSFETは100V程度の高電圧でスイッチングされるため、MOSFETのオン抵抗による内部損失により温度が上昇する。MOSFETはバイポーラトランジスタと比較して温度に対する特性変化が少ないが、ゼロではない。また、オン抵抗については正の温度係数をもっており、それも直線的ではない。特にパルス・インバージョン・ハーモニック法では数nsec以下の立ち上がり時間差でも大きく影響するため、温度が変化してしまうとPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差が変化してしまうことになる。
また、MOSFETのオン抵抗や浮遊容量は、MOSFETのドレインに接続された電源の電位に依存する。超音波診断装置では、上記電源の電位を任意に可変して使用するため、これによってPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差が変化してしまう。つまり、固定されたタイミング調整では補償することができないという問題を有している。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、パルス・インバージョン・ハーモニック法による超音波画像の精度を向上させた超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、前記パルス発生回路は、PチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PチャネルMOSFETのドレインと、前記NチャネルMOSFETのドレインが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する。上記課題を解決するために、前記2種類の駆動信号におけるそれぞれ最初の半波を比較して立ち上がりの遅延時間を検出する時間差モニタ回路と、前記時間差モニタ回路により検出された前記遅延時間に応じて前記PチャネルMOSFETまたは、前記NチャネルMOSFETをスイッチング制御するタイミングを調整するタイミング調整部を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、前記パルス発生回路は、PNPバイポーラトランジスタおよびNPNバイポーラトランジスタを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PNPバイポーラトランジスタのコレクタと、前記NPNバイポーラトランジスタのコレクタが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する。上記課題を解決するために、前記2種類の駆動信号におけるそれぞれ最初の半波を比較して立ち上がりの遅延時間を検出する時間差モニタ回路と、前記時間差モニタ回路により検出された前記遅延時間に応じて前記PNPバイポーラトランジスまたは、前記NPNバイポーラトランジスタをスイッチング制御するタイミングを調整するタイミング調整部を備えたことを特徴とする。
本発明の第3の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、前記パルス発生回路は、PチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PチャネルMOSFETのドレインと、前記NチャネルMOSFETのドレインが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する。上記課題を解決するために、前記PチャネルMOSFETのソースに接続された正電源と、前記NチャネルMOSFETのソースに接続された負電源と、前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する電圧値調整部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第4の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、前記パルス発生回路は、PNPバイポーラトランジスタおよびNPNバイポーラトランジスタを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PNPバイポーラトランジスタのエミッタと、前記NPNバイポーラトランジスタのエミッタには、前記超音波振動子が接続される。上記課題を解決するために、前記PNPバイポーラトランジスタのソースに接続された正電源と、前記NPNバイポーラトランジスタのソースに接続された負電源と、前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する電圧値調整部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差を常にモニタし、これによってPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差の違いによる波形の立ち上がり時間差あるいは振幅差を低減させることにより、パルス・インバージョン・ハーモニック法による超音波画像の精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における超音波診断装置の構成を示す機能ブロック図 同上超音波診断装置のパルス発生回路および時間差モニタ回路の一構成例を示すブロック図 (a)、(c)は同上超音波診断装置の積分部に印加される電圧値を示すグラフ、(b)は(a)の電圧値を積分した値を示すグラフ、(d)は(c)の電圧値を積分した値を示すグラフ 同上超音波診断装置インピーダンス変換部および積分部の一構成を示す回路図 同上超音波診断装置のパルス発生回路の別の構成を示す回路図 同上超音波診断装置のパルス発生回路の別の構成を示す回路図 同上超音波診断装置のパルス発生回路の別の構成を示す回路図 本発明の実施の形態2における超音波診断装置の構成を示す機能ブロック図 同上超音波診断装置のパルス発生回路の一構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態2における超音波診断装置の別の構成を示す機能ブロック図 同上超音波診断装置のパルス発生回路および時間差モニタ回路の構成を示すブロック図 従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図 パルス発生回路が生成する駆動信号と、超音波振動子が送信する超音波の波形を示す図 従来の超音波診断装置のパルス発生回路の構成を示すブロック図 1回目の送信におけるゲート信号と駆動信号を示すグラフ 2回目の送信におけるゲート信号と駆動信号を示すグラフ 1回目の送信における駆動信号と反転させた2回目の送信における駆動信号を示すグラフ 従来の超音波診断装置の別の構成を示す回路図
本発明の超音波診断装置は、上記構成を基本として種々の態様をとることができる。すなわち、第1の超音波診断装置において、前記時間差モニタ回路は、駆動信号の電圧値を積分する積分回路と、前記積分回路の積分値の最大値を保持するピークホールド部と、前記ピークホールド部により保持された値を保存するメモリを有し、前記メモリに保存された値、および前記ピークホールド部に保持された値を比較して、立ち上がりの遅延時間を検出する構成にすることができる。
また、前記タイミング調整部は、前記PチャネルMOSFETのゲートまたは、前記NチャネルMOSFETのゲートに配置された遅延素子を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がりの遅延時間が等しくなるように前記遅延素子を調整する構成にすることができる。
また、前記タイミング調整部は、前記PチャネルMOSFETのゲートまたは、前記NチャネルMOSFETのゲートに配置された可変抵抗を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がりの遅延時間が等しくなるように前記可変抵抗を調整する構成にすることができる。
また、前記可変抵抗は、複数の抵抗と、マルチプレクサとを有し、前記タイミング調整部は、前記マルチプレクサにより前記複数の抵抗を切り替え可能である構成にすることができる。また、前記可変抵抗は、JFETを有し、前記タイミング調整部は、前記JFETのゲートに印加する電圧を可変可能である構成にすることもできる。また、前記可変抵抗は、スイッチト・キャパシタを有し、前記タイミング調整部は、前記スイッチト・キャパシタのスイッチング制御を行う構成にすることもできる。
また、第2の超音波診断装置において、前記時間差モニタ回路は、駆動信号の電圧値を積分する積分回路と、前記積分回路の積分値の最大値を保持するピークホールド部と、前記ピークホールド部により保持された値を保存するメモリを有し、前記メモリに保存された値、および前記ピークホールド部に保持された値を比較して、立ち上がりの遅延時間を検出する構成にすることができる。
また、前記タイミング調整部は、前記PNPバイポーラトランジスのベースまたは、前記NPNバイポーラトランジスタのベースに配置された遅延素子を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がり時間が等しくなるように前記遅延素子を調整する構成されることができる。
また、第3および第4の超音波診断装置において、電圧値調整部は、前記2種類の駆動信号のそれぞれ最初の半波の振幅を比較して、前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する構成にすることができる。
以下、本発明の超音波診断装置に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパルス・インバージョン・ハーモニック法を用いる超音波診断装置1aの構成を示す機能ブロック図である。制御回路2は、送信するパルス波形を生成するための制御信号をタイミング調整回路3へ供給する。時間差モニタ回路5は、超音波振動子6の両端に印加された電圧をモニタし、パルスの立ち上がり時間と立ち下がり時間に起因する特徴量(詳細は後述する)を検出し記憶し、タイミング調整回路3に供給する。タイミング調整回路3は、制御回路2からの制御信号を、時間差モニタ回路5に記憶された特徴量に対応する遅延時間分だけ遅延する。パルス発生回路4aは、遅延された制御信号に基づいて駆動信号を生成する。
超音波振動子6は、駆動信号により駆動されて超音波を照射し、被検体の体内から反射された超音波信号を電気信号である受信信号に変換する。受信回路7は、受信信号に対して増幅などの処理を施す。A−D変換器8は、処理が施された受信信号をデジタル信号に変換し、メモリ9に保存する。加算器10は、第1の超音波送信と第2の超音波送信で得られたそれぞれのデジタル信号を加算する。検波器11は、加算されたデジタル信号を輝度値データに変換する。走査変換器12は輝度値データを走査変換し、表示部13は変換された輝度値データを画像として表示する。
次に、図2と図3を参照しながら、パルス発生回路4aおよび時間差モニタ回路5の詳細な構成と、特徴量について説明する。図2は、パルス発生回路4aおよび時間差モニタ回路5の一構成例を示すブロック図である。
パルス発生回路4aとしてさまざまな構成を用いることができるが、図2に示す回路のように、PチャネルMOSFET22とNチャネルMOSFET23とを組み合わせたプッシュ・プル・スイッチング回路21によって最終段が構成されている。パルス発生回路4aの最終段の構成は、図14に示した従来の構成と同様である。
すなわち、プッシュ・プル・スイッチング回路21は、PチャネルMOSFET22のソース側に電圧値が+HVの正電源24が接続され、NチャネルMOSFET23のソース側に電圧値が−HVの負電源25が接続されて構成されている。PチャネルMOSFET22とNチャネルMOSFET23のドレイン側には、ダイオード・ブリッジ28を介して超音波振動子6が接続されている。ダイオード・ブリッジ28は、受信信号がパルス発生回路4aの影響を受けないようにするために接続されている。PチャネルMOSFET22とNチャネルMOSFET23は、Pチャネル用ゲートドライバ26、Nチャネル用ゲートドライバ27によって駆動される。
したがって、本実施の形態に係る超音波診断装置においても、PチャネルMOSFET22とNチャネルMOSFET23とにおける電圧の立ち上がり、立ち下がり特性に差が生じる。この特性差による超音波画像の画質低下を抑制するために、時間差モニタ回路5は、駆動信号の立ち上がり、立ち下がりの遅延量を検出し、タイミング調整回路3が制御信号に遅延量を加算する。
時間差モニタ回路5において、インピーダンス変換部31は、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスとなるように構成されている。また、インピーダンス変換部31は、パルス発生回路4aからの駆動信号を例えば100:1に分圧する。積分部32は、分圧された駆動信号を積分する。リセット制御部33は、図1に示す制御回路2からの信号に基づいて、積分部32に積分された駆動信号をリセットする。ピークホールド部34は、積分部32に積分された駆動信号のピークの値(特徴量)を検出し、保持する。電圧測定部35は、ピークホールド部34に保持された値を測定し、測定した値をメモリ36に保存する。
電圧差測定部37は、メモリ36に保存された値と、次の測定により電圧測定部35で測定された値との差分を算出する。遅延値LUT39には、差分値および正電源24、負電源25の電圧値と、あらかじめ設定された遅延補正時間データとが関連付けられ、保存されている。遅延値LUT参照部38は、遅延値LUT39を参照して、差分値と正電源24、負電源25の電圧値とから、遅延補正時間データを検出し、タイミング調整回路3に遅延補正時間データを供給する。
次に、本実施の形態に係る超音波探触子の時間差モニタ回路5の遅延量測定動作について図3を参照しながら説明する。遅延量測定動作は、遅延量を測定するため、通常の動作に先立って行われる。遅延量測定動作では、パルス・インバージョン・ハーモニック法と同様に、2回の超音波送信(第1モニタ送信、第2モニタ送信)を行う。なお、第1モニタ送信および第2モニタ送信においては、タイミング調整回路3の遅延量を0とする。
図3(a)は第1モニタ送信における積分部32に印加される電圧値41aを示す図であり、図3(b)は電圧値41aを積分した値43aを示す図である。図3(c)は第2モニタ送信における積分部32に印加される電圧値41bを示す図であり、図3(d)は電圧値41bを積分した値43bを示す図である。なお、図3(b)および(d)では、後の回路図(図4参照)に示す回路に合わせて、面積値42a、42bと頂点44a、44bの正負を逆に示している。
まず、リセット制御部33は、制御部2からの指示に基づいて積分部32をリセットする。次に、第1モニタ送信として、PチャネルMOSFET22をオン状態とすると、超音波探触子6に電圧が印加され、積分部32に分圧された駆動信号が積分される。PチャネルMOSFET22がオン状態では、図3(b)の積分された値43aは減少する。
次に、PチャネルMOSFET22をオフ状態とし、その後NチャネルMOSFET23をオン状態とすると、電圧値41aが負となる。ここで、電圧値41aと0Vとで囲まれた領域(図3(a)のドットハッチングで示す領域)42aの面積に対応する値(図3(b)の頂点)44aがピークホールド部34で保持される。このピークホールド部34で保持された値が上記特徴量である。電圧測定部35は、保持された値を測定し、メモリ36に保存する。
次に、リセット制御部33は、制御部2からの指示に基づいて積分部32をリセットする。次に、第2モニタ送信として、NチャネルMOSFET23をオン状態とすると、超音波振動子6に負電圧が印加され、積分部32に分圧された駆動信号が積分される。
次に、図2に示すNチャネルMOSFET23をオフ状態とし、その後PチャネルMOSFET22をオン状態とすると、図3(c)に示す電圧値41bが正となる。ここで、電圧値41bと0Vとで囲まれた領域42bの面積に対応する値がピークホールド部34で検出する図3(d)に示す頂点44bの値となる。ピークホールド部34で保持された値は、電圧測定部35により測定される。
ここで、上記従来技術と同様に、MOSFETの接合容量の差からPチャネルMOSFETをオンしたときの立ち上がり時間は、NチャネルMOSFETをオンしたときの立ち上がり時間に比べて遅くなる。よって、図3(a)の領域42aの面積と(b)の領域42bの面積とでは、領域42aの面積の方が大きくなる。なお、上述したように、ピークホールド部34で保持し、電圧測定部35で測定された第1モニタ送信におけるピーク値(電圧測定部35で測定された電圧値)と、第2モニタ送信におけるピーク値(電圧測定部35で測定された電圧値)とを比較することは、領域42aの面積と領域42bの面積とを比較することに相当する。
そこで、電圧差測定部37は、第1モニタ送信により得られメモリ36に保存された値と、第2モニタ送信により得られた値とを比較し、差分値を求める。遅延値LUT参照部38は、この差分値と、電源電圧HVの値から、遅延値LUT39を参照することにより、適切な遅延補正時間データを選択する。選択された遅延値補正時間データは、タイミング調整回路3に供給される。
なお、遅延値補正時間データは、例えば、第1モニタ送信のピークホールド部34に保持される値と、第2モニタ送信のピークホールド部34に保持される値とが、等しくなるように決められる。これにより、最適なタイミングで駆動パルスを生成することができる。
図4は、図2におけるインピーダンス変換部31と積分部32の具体的な回路構成例を示す回路図である。インピーダンス変換部31は、オペアンプ31aを用いて、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスを実現している。積分部32は、オペアンプ32aを用いて積分回路で構成され、キャパシタ32bに対して並列に、直列に接続されたスイッチ33dと抵抗33cが接続されている。スイッチは、リセット制御部33からの信号に基づいてオン、オフされ、オン状態では積分回路のキャパシタに蓄えられた電圧が放電される。
図1に示すタイミング調整回路3によるタイミング調整方法は、いくつかの実現方法が考えられる。例えば、Pチャネル用ゲートドライバ26とNチャネル用ゲートドライバ27との入力信号がFPGA(Field Programmable Gate Array)で生成されるとすると、タイミング調整回路3がFPGAに搭載された絶対遅延ラインのタップ数を変更することで実現することができる。
他の方法として、Nチャネル用ゲートドライバ27の出力抵抗を可変とすることで、NチャネルMOSFETの接合容量と、Nチャネル用ゲートドライバ26の出力抵抗で決まる時定数によって、NチャネルMOSFETの立ち上がりの遅延時間を変更することができる。PチャネルMOSFETについても同様に遅延時間を変更できるが、PチャネルMOSFETの立ち上がり時間の方が遅いので、以下NチャネルMOSFETのゲートドライバの出力抵抗を大きくすることで遅延時間を調整する場合についての具体例を示す。
図5は、パルス発生回路4aのNチャネル用ゲートドライバ27の出力側に可変抵抗51aが配置されたパルス発生回路4bの構成を示す回路図である。可変抵抗51aは、複数の抵抗53がマルチプレクサ52により切り替え可能に構成されている。ダイオード54は、立ち下がり時間に影響与えないためのものである。この場合のタイミング調整回路3bは、マルチプレクサ52のスイッチング制御を行うコントロール信号を出力する。このようにして、遅延時間を調整することができる。すなわち、タイミング調整回路3bと可変抵抗51aとで、実質的なタイミング調整回路となる。
図6は、図5と異なる構成の可変抵抗器51bを用いたパルス発生回路4cの構成を示す回路図である。可変抵抗器51bは、JFET(接合型電解効果トランジスタ)55を用いて形成されている。この構成において、タイミング調整回路3cは、JFET55のゲートに印加する電圧をコントロールする信号を出力することにより、可変抵抗器51bの抵抗値を可変する。このようにして、遅延時間を調整することができる。すなわち、タイミング調整回路3cと可変抵抗51bとで、実質的なタイミング調整回路となる。
図7は、図5と異なる構成の可変抵抗器51cを用いたパルス発生回路4dの構成を示す回路図である。可変抵抗器51cは、スイッチ56とキャパシタ57で構成されたスイッチト・キャパシタで構成されている。タイミング調整回路3dは、スイッチ56のスイッチングを制御して、可変抵抗器51cの抵抗値を設定する。すなわち、タイミング調整回路3dと可変抵抗51cとで、実質的なタイミング調整回路となる。
以上のように、第1モニタ送信と第2モニタ送信とが終了し、タイミング調整回路3、3b〜3dによって制御信号に遅延情報が加えられることにより、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性差による立ち上がり時間の違いを補正することができる。
次に、本実施の形態に係る超音波診断装置1bの通常動作について図1を参照して説明する。超音波診断装置1aの通常動作は、遅延量測定動作で求めた遅延量を用いるため、遅延量測定動作の終了後に行われる。本実施の形態に係る超音波診断装置1aでは、パルス・インバージョン・ハーモニック法を用いるため、位相が180度異なる超音波をそれぞれ送信する。まず、1回目の送信について説明する。
制御回路2は、送信するパルス波形を生成するための制御信号をタイミング調整回路3へ供給する。制御信号は、第1モニタ送信時の制御信号と同様の信号であり、それぞれ超音波振動子6を正側に振動させるためのタイミング信号と、負側に振動させるためのタイミング信号との2種類の信号が含まれる。タイミング調整回路3では、制御回路2からの制御信号が遅延量分だけ補正されてパルス発生回路4aに供給される。パルス発生回路4aは、補正された制御信号から駆動信号を生成し、超音波振動子6に供給する。
超音波振動子6は、駆動信号を超音波に変換して、超音波を被検体の体内に照射する。また、超音波振動子6は、体内から反射した超音波を受信して受信信号を出力する。受信回路7は、受信信号を増幅し、A−D変換器8は、増幅された受信信号をデジタル信号(第1デジタル信号)に変換して、第1デジタル信号をメモリ9に保存する。
次に、制御回路2は、第2モニタ送信時の制御信号と同様の制御信号をタイミング調整回路3に供給する。タイミング調整回路3は、遅延量分だけ補正されてパルス発生回路4aに供給される。パルス発生回路4aは、補正された制御信号から駆動信号を生成し、超音波振動子6に供給する。
超音波振動子6は、駆動信号を超音波に変換して、超音波を被検体の体内に照射する。また、超音波振動子6は、体内から反射した超音波を受信して受信信号を出力する。受信回路7は、受信信号を増幅し、A−D変換器8は、増幅された受信信号をデジタル信号(第2デジタル信号)に変換して、第2デジタル信号をメモリ9に保存する。
次に、加算器10は、第1デジタル信号と、第2デジタル信号とを加算する。第1デジタル信号と、第2デジタル信号とは、それぞれ基本波成分の位相が180度ずれているので、加算器10により加算されると、基本波成分が相殺されて、同相である2次の高調波成分のみの高調波信号となる。検波器11は、高調波信号を検波して、輝度値データを生成する。走査変換器12は、輝度値データの走査変換を行い、表示部109に超音波画像として表示する。
以上の処理により、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性が異なる場合でも、2つの立ち上がり時間差をモニタすることで、最適な立ち上がり時間差の補正を行うことができ、パルス・インバージョン・ハーモニック法を最適な状態で実施することができる。
なお、タイミング調整回路3による遅延時間補正は、パルス・インバージョン・ハーモニック法を行うたびに実施してもよいが、パルス・インバージョン・ハーモニック法を複数回実施した後に行ってもよい。また、電源電圧HVが変更された場合に行ってもよい。
なお、プッシュ・プル・スイッチング回路21は、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETで構成したが、PチャネルMOSFETの代わりにPNPパワートランジスタ、NチャネルMOSFETの代わりにNPNパワートランジスタを用いてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、Nチャネルゲートドライバからの出力信号を遅延又は、Nチャネルゲートドライバの出力抵抗を可変することにより、振動子に印加される電圧の立ち上がりタイミングを調整する場合について説明した。本実施の形態では、図2に示す負電源25の出力電圧を調整することにより、超音波振動子6に印加される正負電圧の絶対値を等しくする場合について説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置1bの構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る超音波診断装置1bは、図12に示した従来の超音波診断装置のパルス発生回路104に、HV設定回路により制御される電圧値調整回路が接続された構成である。なお、超音波診断装置1bは、実施の形態1で説明した超音波診断装置1aと同様の構成要素を含む。超音波診断装置1bにおいて、超音波診断装置1aと同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すHV設定回路14は、超音波振動子6に印加される駆動信号の絶対値を設定し、電圧値調整回路15に、設定した値を出力する。一般的には、超音波振動子6に印加される正負の駆動電圧値は等しいので、駆動電圧値の絶対値が指定される。
図9は、実施の形態2における超音波診断装置1bのパルス発生回路4eの回路構成および電圧値調整回路15を示す回路図である。PチャネルMOSFET22と、NチャネルMOSFET23とは、構成が異なるので、それぞれのオン抵抗が異なる。したがって、PチャネルMOSFET22とNチャネルMOSFET23のドレイン−ソース間にかかる電圧の絶対値が等しい場合には、駆動信号の振幅の絶対値が異なる。電圧値調整回路15は、PチャネルMOSFET22、NチャネルMOSFET23のオン抵抗による電圧降下の差を考慮して、超音波振動子6に印加される駆動信号の絶対値が等しくなるように、負電源25の電圧値を調整する。
なお、HV設定回路14は、電圧値を設定するために、あらかじめ測定されたPチャネルMOSFET22のドレイン−ソース間のオン抵抗値と、NチャネルMOSFET23のドレイン−ソース間のオン抵抗値とを用いる。図9では、電圧値調整回路15によって負電源25が調整されるようになっているが、正電源24の方を調整してもよい。
本実施の形態に係る超音波診断装置の動作は、制御信号の遅延時間の補正を行わずに、パルス発生回路4aの正負電源電圧の絶対値を異ならせること以外は、実施の形態1に係る超音波診断装置の通常動作と同様である。
以上の処理により、本実施の形態に係る超音波診断装置は、PチャネルMOSFETと、NチャネルMOSFETのドレイン−ソース間のオン抵抗が異なる場合でも、正負の電圧差を補正することで、最適なパルス・インバージョン・ハーモニック法を実行することができる。
図10は、本実施の形態に係る超音波診断装置の別の構成を示すブロック図である。図10に示す超音波診断装置1cは、図8に示す超音波診断装置1bにHVモニタ回路16が追加された構成である。HVモニタ回路16は、超音波振動子6の正負電圧振幅値をモニタして、正の振幅電圧値と負の振幅電圧値の絶対値を比較する。HVモニタ回路16は、正負の電圧値を比較した情報を電圧調整回路15に供給する。
PチャネルMOSFET22のドレイン−ソース間のオン抵抗および、NチャネルMOSFET23のドレイン−ソース間のオン抵抗による電圧降下の値は、超音波振動子6のインピーダンスによって変化する。上記の形態では、超音波振動子6のインピーダンスが既知として電圧値の調整を行っているが、温度等環境の影響で変化することが予想される。HVモニタ回路16を設けることによって、超音波振動子6の正負電圧振幅値をモニタして、正の振幅電圧値と負の振幅電圧値の絶対値を比較し、その差が減少するように電圧調整回路25でパルス発生回路4eの電圧を制御することができる。
図11は、HVモニタ回路16の構成を示す回路図である。インピーダンス変換部31は、超音波振動子6に印加される電圧(駆動信号)をハイインピーダンスで100:1程度に分圧する。電圧測定部35は、分圧された電圧を計測し、計測値をメモリ36に保存する。電圧差測定部35は、メモリ36に保存された計測値と、次に計測された計測値との絶対値の差を検出する。電圧値調整回路15は、電圧差測定部37により検出された差から、負電源25の所望の電圧値を算出する。
なお、電圧の計測は、1回の超音波送信における正負のパルスから絶対値の振幅差を求めることができる。しかし、実施の形態1で示したように、第1モニタ送信と第2モニタ送信から、駆動信号の最初の半波の振幅値だけを用いて正負の絶対値の振幅差を求めた方がより正確である。この場合には、メモリ36を用いて第1モニタ送信の測定結果を保存して、第2モニタ送信後に、第2モニタ送信の測定結果との差を求める。
負電源25の電圧値が算出された後は、上述したように、パルス・インバージョン・ハーモニック法を実施することにより、温度環境に応じて精度良く超音波診断を行うことができる。また、負電源25の電圧値は、定期的に算出し直すことにより温度環境の変化に対応することができる。
以上の処理により、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETの特性が異なる場合でも、2つの信号の振幅をモニタすることで、正負の電圧の絶対値を一致させることにより、パルス・インバージョン・ハーモニック法を最適な状態で実施することができる。
なお、プッシュ・プル・スイッチング回路21は、PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETで構成したが、PチャネルMOSFETの代わりにPNPパワートランジスタ、NチャネルMOSFETの代わりにNPNパワートランジスタを用いてもよい。
本発明は、パルス発生回路の非対称性に起因する高調波ひずみの発生を抑制し、画質の劣化を防ぐことができ、パルス・インバージョン・ハーモニック法を用いた超音波診断に利用することができる。
1a〜1c 超音波診断装置
2 制御回路
3、3b〜3d タイミング調整回路
4a〜4e パルス発生回路
5 時間差モニタ回路
6 超音波振動子
7 受信回路
8 A−D変換器
9 メモリ
10 加算器
11 検波器
12 走査変換器
13 表示部
14 HV設定回路
15 電圧値調整回路
21 プッシュ・プル・スイッチング回路
22 PチャネルMOSFET
23 NチャネルMOSFET
24 正電源
25 負電源
26 Pチャネル用ゲートドライバゲートドライバ
27 Nチャネル用ゲートドライバゲートドライバ
28 ダイオード・ブリッジ
31、61 インピーダンス変換部
31a、32a オペアンプ
32 積分部
32b、57 キャパシタ
32c、53 抵抗
33d、56 スイッチ
33 リセット制御部
34 ピークホールド部
35、62 電圧測定部
36、63 メモリ
37、64 電圧差測定部
38 遅延値LUT参照部
39 遅延値LUT
41a、41b 電圧値
42a、42b 領域
43a、43b 電圧値を積分した値
44a、44b 頂点
51a〜51c 可変抵抗
52 マルチプレクサ
54 ダイオード
55 JFET

Claims (13)

  1. 超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、
    前記パルス発生回路は、PチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PチャネルMOSFETのドレインと、前記NチャネルMOSFETのドレインが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する超音波診断装置において、
    前記2種類の駆動信号におけるそれぞれ最初の半波を比較して立ち上がりの遅延時間を検出する時間差モニタ回路と、
    前記時間差モニタ回路により検出された前記遅延時間に応じて前記PチャネルMOSFETまたは、前記NチャネルMOSFETをスイッチング制御するタイミングを調整するタイミング調整部を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記時間差モニタ回路は、駆動信号の電圧値を積分する積分回路と、前記積分回路の積分値の最大値を保持するピークホールド部と、前記ピークホールド部により保持された値を保存するメモリを有し、前記メモリに保存された値、および前記ピークホールド部に保持された値を比較して、立ち上がりの遅延時間を検出する請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記タイミング調整部は、前記PチャネルMOSFETのゲートまたは、前記NチャネルMOSFETのゲートに配置された遅延素子を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がりの遅延時間が等しくなるように前記遅延素子を調整する請求項1または2記載の超音波診断装置。
  4. 前記タイミング調整部は、前記PチャネルMOSFETのゲートまたは、前記NチャネルMOSFETのゲートに配置された可変抵抗を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がりの遅延時間が等しくなるように前記可変抵抗を調整する請求項1または2記載の超音波診断装置。
  5. 前記可変抵抗は、複数の抵抗と、マルチプレクサとを有し、
    前記タイミング調整部は、前記マルチプレクサにより前記複数の抵抗を切り替え可能である請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 前記可変抵抗は、JFETを有し、
    前記タイミング調整部は、前記JFETのゲートに印加する電圧を可変可能である請求項4記載の超音波診断装置。
  7. 前記可変抵抗は、スイッチト・キャパシタを有し、前記タイミング調整部は、前記スイッチト・キャパシタのスイッチング制御を行う請求項4記載の超音波診断装置。
  8. 超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、
    前記パルス発生回路は、PNPバイポーラトランジスタおよびNPNバイポーラトランジスタを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PNPバイポーラトランジスタのコレクタと、前記NPNバイポーラトランジスタのコレクタが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する超音波診断装置において、
    前記2種類の駆動信号におけるそれぞれ最初の半波を比較して立ち上がりの遅延時間を検出する時間差モニタ回路と、
    前記時間差モニタ回路により検出された前記遅延時間に応じて前記PNPバイポーラトランジスまたは、前記NPNバイポーラトランジスタをスイッチング制御するタイミングを調整するタイミング調整部を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 前記時間差モニタ回路は、駆動信号の電圧値を積分する積分回路と、前記積分回路の積分値の最大値を保持するピークホールド部と、前記ピークホールド部により保持された値を保存するメモリを有し、前記メモリに保存された値、および前記ピークホールド部に保持された値を比較して、立ち上がりの遅延時間を検出する請求項8記載の超音波診断装置。
  10. 前記タイミング調整部は、前記PNPバイポーラトランジスのベースまたは、前記NPNバイポーラトランジスタのベースに配置された遅延素子を有し、前記2種類の駆動信号の立ち上がりの遅延時間が等しくなるように前記遅延素子を調整する請求項8または9記載の超音波診断装置。
  11. 超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、
    前記パルス発生回路は、PチャネルMOSFETおよびNチャネルMOSFETを含むプッシュ・プル回路を有し、前記PチャネルMOSFETのドレインと、前記NチャネルMOSFETのドレインが前記超音波振動子に接続され、前記プッシュ・プル回路が前記駆動信号を生成する超音波診断装置において、
    前記PチャネルMOSFETのソースに接続された正電源と、
    前記NチャネルMOSFETのソースに接続された負電源と、
    前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する電圧値調整部とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 超音波を対象物に送信し、前記対象物から反射された超音波を受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子に位相が180度異なる正負に振動する2種類の駆動信号を印加するパルス発生回路とを備え、
    前記パルス発生回路は、PNPバイポーラトランジスタおよびNPNバイポーラトランジスタを含むプッシュ・プル回路を有し、
    前記PNPバイポーラトランジスタのエミッタと、前記NPNバイポーラトランジスタのエミッタには、前記超音波振動子が接続された超音波診断装置において、
    前記PNPバイポーラトランジスタのソースに接続された正電源と、
    前記NPNバイポーラトランジスタのソースに接続された負電源と、
    前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する電圧値調整部とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  13. 電圧値調整部は、前記2種類の駆動信号のそれぞれ最初の半波の振幅を比較して、前記駆動信号の正負の振幅が等しくなるように前記正電源または前記負電源の電圧を調整する請求項11または12に記載の超音波診断装置。
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