JP2011018767A - 半導体製品組立用テープ - Google Patents

半導体製品組立用テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2011018767A
JP2011018767A JP2009162267A JP2009162267A JP2011018767A JP 2011018767 A JP2011018767 A JP 2011018767A JP 2009162267 A JP2009162267 A JP 2009162267A JP 2009162267 A JP2009162267 A JP 2009162267A JP 2011018767 A JP2011018767 A JP 2011018767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
semiconductor product
adhesive layer
group
assembling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009162267A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Imamura
茂樹 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2009162267A priority Critical patent/JP2011018767A/ja
Publication of JP2011018767A publication Critical patent/JP2011018767A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程において半導体チップとダイパッド面との接着性や半導体チップとボンディングワイヤーとの接着性を低下させる虞を抑制しつつ、糊残りの虞をも抑制することができるような半導体製品組立用テープを提供することを目的とする。
【解決手段】 耐熱性基材シート面上に粘着層を形成してなる半導体製品組立用テープであって、粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを含有する粘着層形成用組成物の硬化物である、ことを特徴とする半導体製品組立用テープにより、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程において半導体チップとダイパッド面との接着性や半導体チップとボンディングワイヤーとの接着性を低下させる虞を抑制しつつ、糊残りの虞をも抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製品組立用テープに関する。
電子機器類の小型・薄型・高機能化により各種電子部品の小型・高集積化、電子部品の中でも特に半導体チップを搭載した半導体製品の小型・高集積化、が要請され、この要請に応える半導体チップのパッケージ形態の実現が重要とされている。
半導体チップの高密度実装を実現するパッケージ形態として、CSP(Chip Size Package)が提案されている。CSPの中でも、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)と呼ばれるパッケージ形態が、小型・高集積化を容易に実現可能な技術である点で特に注目される。
QFNの製造方法としては、生産性の高さの点で、複数のチップを一括封止するMAP(Molded Array Packaging)方式による製造方法が用いられることが多い。この製造方法は、次のようなものである。
リードフレームのパッケージパターン領域に、複数のQFN用を配置されるダイパッドを所定パターンで整然と配置しあるいは形成する。次に、リードフレームの裏面(ダイパッドの裏面(半導体チップの非当接面となるほうの面))側にマスクキングシートを面あたりにリードフレームに貼り付ける(貼付工程)。そして、そのリードフレームの露出面側のダイパッド上に半導体チップをエポキシ銀ペースト(エポキシ樹脂を樹脂成分とする銀ペースト)による接着などにて搭載する(ダイボンディング工程)。さらに、半導体チップのボンディングパッドとリードフレームのリード部とをボンディングワイヤーにより接続する(ワイヤーボンディング工程)。その後、ボンディングワイヤーを接続された半導体チップは、エポキシ樹脂などの樹脂でリードフレームの表面から封止される(樹脂封止工程)。樹脂封止工程の後、リードフレームに貼着られていたマスクシートが取り除かれる(剥離工程)。最後に、リードフレームを、各パッケージ単位に分割して(カッティングして)個片化し、QFNが製造される。
マスキングシートについて、ポリイミド系熱可塑性積層フィルムを用いる技術が提案されている(特許文献1)。ところが、この技術では、貼付工程において、リードフレームの面にポリイミド系熱可塑性積層フィルムを当接してなる積層体を、130℃から270℃程度という比較的高温条件下でプレスすることによって、ポリイミド系熱可塑性積層フィルムがリードフレームの一方面に貼り付けられる。すると、貼付工程においてポリイミド系熱可塑性積層フィルムをリードフレームに均一にプレスすることが重要となる。均一なプレスを行うためには、特別の装置が必要になることから、そのような装置を準備する問題(設備の面の問題)が生じ、さらに作業効率が向上しにくいという問題(作業性の問題)が生じてくる。
また、マスキングシートについては、上記のほかに、耐熱性フィルムにシリコーン系粘着剤を塗布して粘着層を形成したテープ(半導体製品組立用テープ)を用いる技術が提案されている(特許文献2)。この技術では、樹脂封止工程の前に半導体製品組立用テープがリードフレームに貼り付けられており、半導体製品組立用テープの粘着性により、樹脂封止工程時におけるモールドフラッシュが発生するという問題が抑制される。
特開2003−249617号公報 特開2004−186323号公報
ところが、樹脂封止工程の前にあたるダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程が実施される前の段階で、この半導体製品組立用テープが面あたりにリードフレームに貼り着けられる場合、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程が通常高熱条件下で行われる工程であるために、そうした工程において、半導体製品組立用テープの粘着剤であるシリコーン系粘着剤の一部が分解してしまうという問題が新たに生じてしまう。そして、シリコーン系粘着剤の一部が分解した際にシロキサンガスが発生し、これが、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程を進めるにあたり、半導体チップとダイパッド面との接着性や半導体チップとボンディングワイヤーとの接着性を低下させてしまうという問題が生じる。一方、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程の実施後に、この半導体製品組立用テープが面あたりにリードフレームに貼り付けられると、その貼り付け時にボンディングワイヤーと半導体チップとの接続が切断される虞があるばかりか、リードフレームのリード部にぐらつきが生じないようにリード部を固定することができず、ワイヤーボンディング工程時にボンディングワイヤーをリード部に効率的に取り付けることができない虞が大きくなる。
こうした問題があるうえで、さらに、シリコーン系粘着剤を用いた半導体製品組立用テープでは、剥離工程において、リードフレームの面に粘着剤の一部が残ってしまう(糊残り)という問題も生じていた。
この糊残りは、半導体製品組立用テープとリードフレームとの接触面領域に不均一に生じることが多く、半導体製品組立用テープとリードフレームの接触面のうち面内方向中央の部分から接触端縁近傍の部分に向かうほど強く生じていた。リードフレームに糊残りが発生すると、QFNを基板に実装した際に、導通不良を起こす虞が大きいことから、このような糊残りは重要な問題である。
糊残りが発生する原因については、粘着剤の構造など様々な可能性が挙げられてきたが、「ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程といった高温条件下で実施される工程において半導体製品組立用テープの粘着剤の層が熱分解してしまう」ということが、主な原因であると言われてきた。
そこで、粘着剤の耐熱性を向上させることで糊残りを抑制することが研究されてきたが、
それでも、糊残りの発生を抑制できていないのが実情であった。
ところで、半導体製品組立用テープの剥離時の課題となる粘着剤の糊残りとは無関係な研究として、金属の被着体に対する糊を粘着性の向上という粘着時の課題に関する研究が進められてきた。
本発明者は、上記した粘着時の課題に関する研究を進めるために、被着体をなす金属表面の酸化によって被着体と粘着剤との粘着性が影響をうけてしまう虞を排除する手法を検討していた。そして、この手法を検討するなかで、本発明者は、金属からなる被着体の酸化が抑えられた場合には、被着体の金属表面から粘着剤を剥離してもその被着体の金属表面に糊残りが殆ど発生していないこと発見した。
本発明者は、この発見で得られた知見を基礎としつつ、別途、半導体製品組立用テープの剥離時の課題となる粘着剤の糊残りについての研究を行い、半導体製品組立用テープの粘着剤の糊残りの主な原因が、半導体製品組立用テープの粘着層の熱分解よりも酸素による粘着層の酸化にあることを突き止め、本発明を完成するに至った。
本発明は、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程において半導体チップとダイパッド面との接着性や半導体チップとボンディングワイヤーとの接着性を低下させる虞を抑制しつつ、糊残りの虞をも抑制することができるような半導体製品組立用テープを提供することを目的とする。
本発明は、(1)耐熱性基材シート面上に粘着層を形成してなる半導体製品組立用テープであって、粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを含有する粘着層形成用組成物の硬化物である、ことを特徴とする半導体製品組立用テープ、
(2)粘着層が常温粘着性を有する、上記(1)記載の半導体製品組立用テープ、
(3)粘着層は、ガラス転移温度が30℃未満であり、JIS Z 0237に準拠するボールタック試験で1以上である、上記(1)または(2)に記載の半導体製品組立用テープ、
(4)熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物は、下記式(1)に示すテトラカルボン酸二無水物ならびに下記式(2)に示すテトラカルボン酸及びテトラカルボン酸の誘導体からなる群より選ばれた1種以上の化合物(Q)と下記式(3)に示す脂肪族ジアミンとを、化合物(Q)のモル数のほうが脂肪族ジアミンのモル数よりも多くなるように配合して加熱反応させてポリイミド(A)となし、ポリイミド(A)と下記式(4)に示す芳香族ジアミンとを加熱反応させてポリイミド(B)となし、ポリイミド(B)と下記式(5)に示すビスマレイミド化合物とを混合してなり、粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤を混合してなる粘着層形成用組成物を耐熱性基材シート面上に塗布して形成される塗布膜を加熱して塗布膜に含まれるポリイミド(B)とビスマレイミド化合物とを架橋重合反応させて形成されるものである、上記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ
Figure 2011018767
(Rは4価の有機基である)
Figure 2011018767
(Rは4価の有機基であり、Y〜Yは独立した水素または炭素数1〜8の炭化水素基である)
Figure 2011018767
(Rは、アミノ基に脂肪族基または脂環基が直接結合している炭素数1〜221の2価の有機基であり、その構造の一部に芳香族基、エーテル基、その他の置換基を含んでいてもよい。)
Figure 2011018767
(Rは、アミノ基に芳香族環が直接結合している炭素数6〜27の2価の有機基であり、その構造の一部に脂肪族基、脂環基、その他の置換基を含んでいてもよい。)
Figure 2011018767
(Zは2価の有機基である)
(5)酸化防止剤は、ヒンダートフェノール誘導体またはベンゾトリアゾール誘導体である、上記(1)から(4)のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ、
(6)粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを、100重量部の熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物に対する酸化防止剤の配合量を0.1重量部以上10重量部以下の範囲にして含有している、上記(1)から(5)のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ、
(7)リードフレームのダイパッド上に半導体チップを固定するダイボンディング工程と、リードフレームのインナーリードとダイパッド上の半導体チップにボンディングワイヤーを接続するワイヤーボンディング行程と、インナーリードと半導体チップとボンディングワイヤーを樹脂材料で被覆する樹脂封止工程とを備える半導体製品の製造方法において用いられるものであり、且つ、ダイボンディング工程の前にリードフレームの一方面に貼り付けられるものであるとともに、樹脂封止工程の後にリードフレームの一方面から剥離されるものである、上記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ、
(8)耐熱性基材シートは、250℃で1時間加熱前後の重量減少率が5%未満である、上記(1)から(7)のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ、を要旨とする。
本発明によれば、耐熱性基材シート面上に粘着層を形成してなる半導体製品組立用テープにおいて、粘着層が熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを含有する粘着層形成用組成物の硬化物であることにより、ダイボンディング工程やワイヤーボンディング工程において半導体チップとダイパッド面との接着性や半導体チップとボンディングワイヤーとの接着性を低下させる虞を抑制しつつ、糊残りの虞をも効果的に抑制することができるような半導体製品組立用テープを得ることができる。
また、「QFN等の半導体製品を製造する各工程」は通常酸素不存在の雰囲気下で行われるものではない。この点、本発明によれば、こうした各工程を酸素不存在の雰囲気で実施しなくても、糊残りの虞をも効果的に抑制することができるような半導体製品組立用テープを得ることができる。
本発明の半導体製品組立用テープの実施例の1つを示す断面図である。 (a)リードフレームの1つを模式的に示す平面模式図である。(b)図2(a)における領域Sの部分を拡大した状態を模式的に示す部分拡大模式図である、(c)図2(a)におけるA−A線断面を模式的に示す部分断面模式図である。 (a)半導体製品組立用テープをリードフレームに接着する貼付工程を説明するための工程断面図である、(b)ダイボンディング工程を説明するための工程断面図である、(c)ワイヤーボンディング工程を説明するための工程断面図である、(d)樹脂封止工程を説明するための工程断面図である、(e)剥離工程を説明するための工程断面図である、(f)QFNプロセスによって得られる半導体製品を説明するための断面模式図である。
本発明の半導体製品組立用テープ1は、耐熱性基材シート2面上に粘着層3を形成してなる。
(耐熱性基材シート2)
耐熱性基材シート2は、その融点が「QFN等の半導体製品を製造する各工程を実施する際の最も高い処理温度」(工程最高処理温度)を超えるシート材からなる。
耐熱性基材シート2となるシート材は、リードフレームに貼り付ける貼付工程やリードフレームから取り除く剥離工程を容易に実施するためには、柔軟性を有するフィルム材であることが好ましい。また、耐熱性基材シート2をなすフィルム材の厚みは、5μmから200μmの範囲であることが好ましい。ただし、柔軟性を有するフィルム材は、半導体製品を製造する各工程を実施する際の温度範囲で過剰な膨張を生じないものであることが好ましい。このようなフィルム材としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート等からなるフィルム材が例示されるが、耐熱性に優れる点で、特にポリイミドが好ましい。
耐熱性基材シート2となるシート材は、250℃で1時間加熱前後の重量減少率が5%未満であり、ガラス転移点が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。また150℃から250℃における熱膨張係数が5〜50ppm/℃であることが好ましく、10〜30ppm/℃であることがより好ましい。耐熱性基材シート2が250℃で1時間加熱前後の高温加熱時の減少率が低く、重量減少率が5%未満である場合には、QFN等の半導体製品を製造する各工程(半導体製品製造工程)を実施する際における高温加熱時に耐熱性基材シート2の分解が抑制されている。耐熱性基材シート2のガラス転移点が150℃以上であれば、半導体製品製造工程の高温加熱時に耐熱性基材シート2の軟化を抑制できる。また、耐熱性基材シート2の150℃から250℃における熱膨張係数が5〜50ppm/℃であることで、半導体製品組立用テープ1の半導体製品製造工程時に加熱が行われた後の冷却にともなう熱収縮を抑え、半導体製品に反りが発生する虞を抑制することができる。
(粘着層3)
粘着層3は、常温粘着性を有する層である。
本明細書において、「常温粘着性を有する」とは、常温(23℃から30℃)下でJIS Z 0237の貼り付け方法により被着体に貼り付け可能であることを示す。さらに、貼り付け可能とは、JIS Z 0237に規定されるSUS(ステンレス鋼)に対する粘着層3の剥離強度が0.001(N/25mm)以上であることを示す。なお、粘着層3の剥離強度は、好ましくは0.01(N/25mm)以上である。
粘着層3は、所望の被着体に対する粘着性が、JIS Z 0237に基づくボールタック試験で1以上(ボールナンバーが1以上)であることが、より好ましい。粘着層3が、ボールタック試験法で1以上であるような粘着性を有すると、より確実に常温粘着性を示すこととなる。
粘着性の測定に用いるJIS Z 0237に準拠したボールタック試験は、次のように実施される。
まず、半導体製品組立用テープ(粘着テープ)を幅25mm〜50mm×長さ100mm以上に裁断した試験体を準備する。次に、ボールタック試験機に、粘着面が表面になるようにするとともに粘着面の傾斜角が30度となるように、試験体をセットする。さらに、ボールタック試験機にセットされた試験体の粘着面のうち所定の測定面内の領域を通過するように鋼球を転がす。このとき、鋼球を転がされる測定面の長さは、100mmである。また、鋼球は、直径が1/32インチから1インチまでの大きさのものを用いられるである。そして、これらの鋼球を転がした際に測定面の領域内で停止するような鋼球のうち、最大径のボールナンバーを見出す。ボールナンバーは、鋼球の直径を32倍することで求められる。ボールナンバーが1以上であれば、粘着面に粘着性が存在し、ボールナンバーが大きいほど、粘着性が強い。
粘着層3は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを含有する粘着層形成用組成物の硬化物であり、耐熱性基材シート2面上に層状に形成されている。
(熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物)
熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物(組成物(K))は、下記に示す、第1の工程から第3の工程を順次実施して製造されるものである。
すなわち、化合物(Q)と脂肪族ジアミンとを加熱反応(イミド化反応)させてポリイミド(A)を合成する工程(第1の工程)、ポリイミド(A)と芳香族ジアミンとを加熱反応させてポリイミド(B)を合成する工程(第2の工程)、ポリイミド(B)とビスマレイミド化合物とを配合して所定の温度下で混合する工程(第3の工程)を実施することで、組成物(K)が製造される。
(第1の工程について)
第1の工程では、上記したような脂肪族ジアミンと化合物(Q)を無溶剤下で加熱して脂肪族ジアミンと化合物(Q)のイミド化反応を行い、イミド化反応の反応生成物としてポリイミド(A)が合成される。
イミド化反応は、ポリイミド(A)の両末端に酸無水物基またはイミド化可能なジカルボン酸誘導体の官能基を配させるようにする点と、イミド化可能な官能基を有するモノマーである化合物(Q)の残留量を抑制する点で、化合物(Q)のモル数のほうが脂肪族ジアミンのモル数よりも多くなるように配合して実施されることが好ましく、具体的には脂肪族ジアミン1モルに対して化合物(Q)を1モル以上2モル以下の比で配合して実施されることが好ましい。
なお、第1の工程は、各種の有機溶媒中で脂肪族ジアミンと化合物(Q)をイミド化反応させることにて実施されても良い。使用できる有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、m−クレゾール、フェノール、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキサン、γ―ブチロラクトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどが使用可能であるが、N−メチルー2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ―ブチロラクトンを単独または併用するのが好ましい。
第1の工程においては、イミド化反応が、1〜12時間の反応時間、150〜200℃の反応温度という条件下で実施されることが好ましい。
(化合物(Q))
化合物(Q)は、下記式(1)に示すテトラカルボン酸二無水物ならびに下記式(2)に示すテトラカルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれた1種以上の化合物である。
Figure 2011018767
(Rは4価の有機基である)
Figure 2011018767
(Rは4価の有機基であり、Y〜Yは独立して水素または炭素数1〜8の炭化水素基である。)
テトラカルボン酸二無水物としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物が例示できる。また所望の耐熱性を発現させるために必要に応じて例示した芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することも出来る。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物などを例示できる。使用するものとして特に限定されるものではないが、好ましくは、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物であり、より好ましくは1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2, 2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、3−カルボキシメチル−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物等を挙げる事ができる。
テトラカルボン酸及びその誘導体としては、脂肪族テトラカルボン酸及びその誘導体と、芳香族テトラカルボン酸及びその誘導体、をあげることができる。
脂肪族テトラカルボン酸としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸などが例示される。脂肪族テトラカルボン酸の誘導体としては、上記した脂肪族テトラカルボン酸とアルコール(炭素数1〜8)とのエステルが例示される。
芳香族テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、エチレンテトラカルボン酸、3−カルボキシメチル−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン等を挙げることができる。芳香族テトラカルボン酸の誘導体としては、上記した芳香族テトラカルボン酸とアルコール(炭素数1〜8)とのエステルが例示される。
(脂肪族ジアミン)
脂肪族ジアミンは、下記式(3)に示すものである。
Figure 2011018767
(Rは、アミノ基に脂肪族基または脂環基が直接結合している炭素数1〜221の2価の有機基であり、その構造の一部に芳香族基、エーテル基、その他の置換基を含んでいてもよい。)
したがって、脂肪族ジアミンは、アミノ基に脂肪族基または脂環基が直接結合している分子構造を有するジアミンである。脂肪族ジアミンには、分子構造の一部に芳香族基、エーテル基、その他の置換基を含んでいてもよい。脂肪族ジアミンとしては、ポリオキシアルキレンジアミンを挙げることができるほか、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ノルボルナンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、ビシクロヘキシルジアミン、シロキサンジアミン類などを挙げることができる。脂肪族ジアミンは、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物の硬化物を可撓性と粘着性に優れたものとするためには、ポリオキシアルキレンジアミンであることが好ましい。
(第2の工程について)
第2の工程では、ポリイミド(A)に芳香族ジアミンを配合し無溶剤下で加熱してイミド化反応を行うことによりポリイミド(B)が合成される。
第2の工程では、各種の有機溶媒中でポリイミド(A)と芳香族ジアミンのイミド化反応を実施しても良い。有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、テトラヒドロフラン、アセトン等を使用できる。また、m−クレゾール、フェノール、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキサン、γ―ブチロラクトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなども使用可能であるが、N−メチルー2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトンを単独または併用するのが好ましい。
第2の工程においては、第1の工程と同じく、イミド化反応が、1〜12時間の反応時間、150〜200℃の反応温度という条件下で実施されることが好ましい。
(芳香族ジアミン)
芳香族ジアミンは、下記式(4)に示すものである。
Figure 2011018767
(Rは、アミノ基に芳香族環が直接結合している炭素数6〜27の2価の有機基であり、その構造の一部に脂肪族基、脂環基、その他の置換基を含んでいてもよい。)
芳香族ジアミンは、アミノ基に芳香族環が直接結合しているジアミンである。芳香族ジアミンとしては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、α、α’−ビス(3−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、α、α’―ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンおよび2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン等が例示される。この中で耐熱性と粘着性の観点から3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンが好ましい。
(第3の工程について)
第3の工程では、ポリイミド(B)とビスマレイミド化合物を配合して所定の温度条件下で混合する事により組成物(K)が得られる。具体的には、第3の工程は、第2の工程で合成されたポリイミド(B)とビスマレイミド化合物とを所定の温度下で溶媒に溶かして均一な液になるまで混合する。そして、これにより得られる溶液が組成物(K)である。ビスマレイミド化合物は、架橋剤としての機能を示すものであり、ポリイミド(A)を製造するために用いた脂肪族ジアミン1モルに対して0.25モル以上4モル以下で配合されることが、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物の硬化物を可撓性に優れたものとするためには好ましい。また、溶媒の量は、キャスト製膜が可能な粘度となる量である事が好ましい。
第3の工程において、ポリイミド(B)とビスマレイミド化合物を混合させる温度は、ビスマレイミド化合物を効果的に溶解させて均一な溶液を得るとともに組成物(K)の硬化が進行してしまうことを抑制するためには、0℃〜80℃が好ましく、20℃〜60℃がより好ましい。
(ビスマレイミド化合物)
ビスマレイミド化合物は、下記式(5)に示す化合物である。
Figure 2011018767
(Zは2価の有機基である)
ビスマレイミド化合物としては、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルオキシ)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルスルホン)ビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N’−2,6−トリレンビスマレイミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−{4,4’−〔2,2’−ビス(4’’,4’’’−フェノキシフェニル)イソプロピリデン〕}ビスマレイミド、N,N’−{4,4’−〔2,2’−ビス(4’’,4’’’−フェノキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデン〕}ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−ビス(3,5−ジメチルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−ビス(3,5−ジエチルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−(3−メチル−5−エチルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−ビス(3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジシクロヘキシルメタン)ビスマレイミド、N,N’−p―キシリレンビスマレイミド、N,N’−m―キシリレンビスマレイミド、N,N’−(1,3−ジメチレンシクロヘキサン)ビスマレイミド、N,N’−(1,4−ジメチレンシクロヘキサン)ビスマレイミド、ビスマレイミド化合物としては、N,N’―(4,4’―ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−ビス(3−メチル−5−エチルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミドなどが例示できる。この中で耐熱性の観点からN,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−〔4,4’−(3−メチル−5−エチルフェニル)メタン〕ビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミドが好ましい。
(第3の工程で使用される溶媒)
第3の工程で使用される溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系の溶媒、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系の溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系の溶媒、他にアセトニトリル等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系の溶媒を単独もしくは併用して用いる事が好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、耐熱性を有するものであれば特に限定されるものではない。具体的に、酸化防止剤としては、ヒンダートアミン誘導体、ヒンダードフェノール誘導体、リン系化合物、イオウ系化合物、ヒドロキシル系化合物、トリアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体などが例示されるが、ヒンダートフェノール誘導体及び/又はベンゾトリアゾール誘導体が使用されることが好ましい。このような酸化防止剤が粘着層3に含まれることにより、「QFN等の半導体製品の製造する各工程を実施する際に半導体製品組立用テープ1が用いられた場合に各工程時に加えられる熱によって粘着層3が劣化してしまう」という問題を防ぐ効果が発揮される。
(その他添加剤)
粘着層3には、半導体製品組立用テープ1の作用、効果を害しない範囲で、可塑剤、充填材、帯電防止剤などの各種添加剤や必要であれば反応を促進させる光重合開始剤や塩基性触媒等の添加剤が含まれていてもよい。
粘着層3は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを、100重量部の熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物に対する酸化防止剤の配合量が0.1重量部以上10重量部以下の範囲となるような配合割合にて含有している、ことが好ましい。酸化防止剤の配合量が0.1未満であると粘着層3の酸化劣化を抑制する能力が不足し、酸化防止剤の配合量が10重量部を超えると粘着層3からの酸化防止剤のブリードによる糊残りが生じるため好ましくない。
粘着層3は、その厚みが3μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5μm以上20μm以下の範囲内である。粘着層3の厚みが3μm以下であると粘着強度が不足し、被着体への貼り付け性が低下する点で好ましくなく、50μm以上では熱履歴後に糊残りが生じる虞があることから好ましくない。
粘着層3は、ガラス転移温度が30℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、常温下(23℃から30℃)において、粘着層3は、より確実に粘着性を有するものとなる。
ガラス転移温度は、損失正接(tanδ)のピークトップの値に基づく方法(DMA法)により測定されたものである。損失正接は、損失弾性率/貯蔵弾性率の値により測定される。損失弾性率と貯蔵弾性率は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物からなる層構造に対して一定の周波数で力を付与しその力を与えた時の応力を、動的粘弾性計測装置を用いて計測することで測定される。
(半導体製品組立用テープ1の製造)
本発明の半導体製品組立用テープ1は、次のように製造される。
上記したような耐熱性基材シート2を準備し、その一方で、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物と酸化防止剤とを混合して粘着層形成用組成物を調整する。耐熱性基材シート2面上に、粘着層形成用組成物を塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を形成した耐熱性基材シート2を加熱する(加熱工程)。加熱工程では、塗布膜に含まれる熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤を混合してなる粘着層形成用組成物が加熱されることで、ポリイミド(B)とビスマレイミド化合物が、架橋重合反応する。この架橋重合反応の進行により塗布膜の硬化が生じる。そして、このとき、塗布膜が硬化して粘着層形成用組成物の硬化物となり、これが粘着層3をなす。こうして、半導体製品組立用テープ1が製造される。
粘着層形成用組成物の塗布方法は、ダイレクトグラビアコート法、グラビアリバースコート法、マイクログラビアコート法、ファンテンコート法、ディッピング法、コンマコート法、ダイコート法等の公知の塗布方式を適宜採用することができる。
加熱工程は、150〜250℃の温度条件下で実施されることが、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物の未硬化物の残存を抑制するとともに製造コストの高騰を抑制する点で、好ましい。
なお、粘着層形成用組成物には、上記したように粘着層3の性質を害しない範囲で、架橋剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤などの各種添加剤や反応を促進させる光重合開始剤や塩基性触媒等の添加剤を入れることも可能である。
(半導体製品組立用テープ1の使用)
半導体製品組立用テープ1は、次に示すような半導体製品の製造プロセスに使用される。ここでは、半導体製品のパッケージ形態をQFNとする場合の半導体製品の製造プロセス(QFNプロセス)を例としてあげつつ、半導体製品組立用テープ1の使用方法を説明する。
QFNプロセスは、半導体製品組立用テープ1をリードフレームに貼り付ける工程(貼付工程)、リードフレームに半導体チップを搭載する工程(ダイボンディング工程)、リードフレームのリード部と半導体チップとをボンディングワイヤーで接続する工程(ワイヤーボンディング工程)、リードフレームの表面の半導体チップを樹脂で封止する工程(樹脂封止工程)、リードフレーム裏面の半導体製品組立用テープ1を取り除く工程(剥離工程)、リードフレームを分割する工程(カッティング工程)を備えてなる。
(貼付工程)
まず、図2(a)に例示するようなリードフレーム10を準備する。この例に示すリードフレーム10は、枠部30と、枠部30に取り囲まれたパッケージ用領域形成部31とからなる。パッケージ用領域形成部31は、複数の単位領域11に区画化されている。各単位領域11は、整然と区画化されて形成されている。リードフレーム10では、例えば、図2に示すように、リードフレーム10上のパッケージ用領域形成部31は、平面視上、縦横のマトリックス状のパターンに区画化され、図2(a)(c)に示すように、区画化された各部分の領域が単位領域11をなす。図2(c)は、図2(a)におけるA−A線断面を模式的に示す部分断面模式図である。
リードフレーム10においては、図2(b)に示すように単位領域11には、個々のQFN用の半導体チップを配置されるダイパッドを形成した所定のパッケージパターン形成部32が形成されている。具体的には、単位領域11ごとにQFNの規格に応じたパッケージパターン形成部32が形成されている。リードフレーム10は、例えば銅などの金属を素材としており、また、リードフレーム10の厚みは、50〜300μmが一般的である。図2(b)は、図2(a)における領域Sの部分を拡大した状態を模式的に示す部分拡大模式図である。
リードフレーム10の単位領域11に形成されるパッケージパターン形成部32は、図2(b)の例では、半導体チップを搭載される平面視上矩形状のダイパッド12を単位領域11の中央に形成し、ダイパッド12の周囲に櫛歯状のリード部13をその先端をダイパッド12の四側周縁に向けて形成し、ダイパッド12とリード部13との間に隙間部14を形成し、ダイパッド12の四方を支える4つの支持部33を形成してなる。
貼付工程では、半導体製品組立用テープ1が、その粘着層3面を、リードフレーム10の裏面側に当接するように配置されるとともにリードフレーム10に押し当てられ、半導体製品組立用テープ1が面あたりにリードフレーム10の裏面に貼り付けられる(図3(a))。なお、リードフレーム10の裏面とは、ダイパッド12の裏面、すなわち半導体チップの非当接面となるほうの面を示す。
半導体製品組立用テープ1は、少なくともパッケージ用領域形成部31の領域を含みさらにその周縁よりも外側の領域まで含む領域にわたってリードフレーム10裏面に貼着され、樹脂にて封止されるリードフレーム10の部分に対応する領域の外側まで貼着される。
(ダイボンディング工程)
貼付工程の後、図3(b)に示すように、リードフレーム10の露出面側(表面側)のダイパッド12の表面(図3において符号12aで示す)上に半導体チップ15を、固定材16を介して接着する。これにより、ダイパッド12上に半導体チップ15を搭載する。固定材16には、エポキシ銀ペースト(エポキシ樹脂を樹脂成分とする銀ペースト)などの接着剤が用いられる。
このダイボンディング工程は、温度150℃から180℃の雰囲気下で実施される。
(ワイヤーボンディング工程)
ダイボンディング工程の後、半導体チップ15とリードフレーム10のリード部13とをボンディングワイヤー17により電気的に通電可能に接続する(図3(c))。
このワイヤーボンディング工程は、温度180℃から250℃の雰囲気下で実施される。
(樹脂封止工程)
ワイヤーボンディング工程の後、ボンディングワイヤー17を接続された半導体チップ15を搭載したリードフレーム10の表面全面を覆うように、樹脂を流しこんで、樹脂層18を形成する。このとき、ボンディングワイヤー17を接続された半導体チップ15が樹脂層18に閉じ込められた状態が形成され、樹脂によって「半導体チップ15やボンディングワイヤー17が保護される」とともに「半導体チップ15とリード部13とがボンディングワイヤー17を介して接続された状態」にて封止がなされる(図3(d))。この封止のために使用される樹脂としては、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
封止工程は、具体的に、リードフレーム10を所定形状の金型内にセットして溶融状態の樹脂を注ぎ込んで金型中で樹脂層の成型が行われることが通常である。この成形は、樹脂を170〜180℃程度の温度まで加熱し、この温度で樹脂層の成形が行われる。
(剥離工程)
樹脂封止工程の後、リードフレーム10の裏面に貼着されていた半導体製品組立用テープ1が取り除かれる(図3(e))。
そして、最後に、リードフレーム10を、各パッケージ単位に分割して(分割位置の例については、図3(e)において、K1、K2、K3、K4にて示す)(カッティングして)個片化し、図3(f)に示すようなQFN20が製造される。カッティングは、例えばダイサーなどの切断刃にて樹脂層18とリードフレーム10をカットすることにより実現できる。
なお、リードフレームを説明するにあたり、図2(c)に示すように単位領域11が互いに離間している場合を例としたが、このような例に限定されず、となりあう単位領域11同士は境界を接していてもよい。その場合、図3(e)に示す分割位置K1、K2は、互い重なり合っていてもよく、さらにまた、分割位置K3、K4も重なり合っていてもよい。
このように、本発明の半導体製品組立用粘着テープは、半導体チップの搭載及び結線が実施される前のリードフレームの裏面側に貼り合わせられ、且つ、リードフレームのダイパッド上に搭載された半導体チップを樹脂により封止された後に剥離されるものである。そして、リードフレーム裏面から耐熱性粘着テープが剥離された後においては、所定のサイズにカットされて半導体製品が製造されることになる。
(他の使用)
なお、上記では、半導体製品組立用テープがQFNプロセスで半導体製品が製造される際に用いられる場合を例として説明したが、半導体製品組立用テープは、QFNプロセスに限定されず、SONプロセス、DFN(Dual Flat Non−leaded Package)プロセスなど、ダイパッドにチップを固定した状態にして樹脂を封止するように構成されるパッケージプロセスで半導体製品が製造される際にも用いることが可能なものである。さらに、この半導体製品組立用テープは、パッケージプロセスの途中の必要なプロセスにのみ使用される半導体組立用テープとしての用途以外に、最終製品の接着層を形成するために用いるテープとして永久的に接着する用途でも適応可能である。
本発明の半導体製品組立用テープを製造するにあたり、粘着層を形成するための熱硬化性ポリイミド樹脂組成物を調整した。
熱硬化性ポリイミド樹脂組成物を調整するために、次のようにポリイミド(A)を調整し、さらにポリイミド(B)を調整した。
<ポリイミド(A、B)の合成>
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物20.35g(0.090モル)、ポリオキシプロピレンジアミン(三井化学ファイン社製、ジェファーミンD2000)118.81g(0.060モル)、N−メチル−2−ピロリドン91.50gを窒素気流下で加え合わせ、200℃に昇温して3時間イミド化反応を行い、ディーンスターク装置を用いて生成水を分離した。反応後、水の留出がないことを確認し、室温(23℃)まで放冷し反応物(ポリイミド(A))を得た。ポリイミド(A)の生成有無は、IRスペクトルを確認して、ν(C=O)1770、1706cm−1のイミド環の特性吸収を確認することで判定できる。次に、ポリイミド(A)に、4,4’―ジアミノジフェニルエーテル12.08g(0.060モル)、N−メチル−2−ピロリドン9.74gを加え、200℃に昇温して3時間イミド化反応を行い、ディーンスターク装置で生成水を分離した。イミド化反応後、水の留出が止まったのを確認し、反応生成物溶液を室温まで放冷し、反応生成物溶液中に反応物(ポリイミド(B))を得た。ポリイミド(B)の生成有無は、IRスペクトルから確認される。
得られたポリイミド(B)に基づき、粘着層を形成する熱硬化性ポリイミド樹脂組成物(P)が調整され、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物からなる硬化物に基づき、その耐熱性とゴム弾性と、ガラス転移温度が特定された。
<熱硬化性ポリイミド樹脂組成物(P)の調整>
窒素気流下、ポリイミド(B)に架橋剤のN,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドを混合するとともに(熱硬化性ポリイミド樹脂組成物(P))、これに酸化防止剤を表1に示す配合量(重量比)で混合させて混合物(表1、混合物W1からW6)を得て、これをN,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)と1,3−ジオキソランの混合液(混合液の混合比率は、体積比率でDMAc:1,3−ジオキソラン=50%:50%とした)を用いて、固形分濃度(重量%)が25%となるように希釈し、室温で1時間攪拌し完全に溶解させ、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物(表1中、材料組成物N1からN6)を得た。この熱硬化性ポリイミド樹脂組成物の200℃で30分硬化させた硬化物のガラス転移温度は、損失正接(tanδ)のピークトップの値に基づくと(DMA法に基づくと)、−43.0℃である。
酸化防止剤には、次に示す酸化防止剤A1〜A3を用いた。なお、混合物W1からW6のそれぞれに添加される酸化防止剤の種別は、表1に示すとおりである。
酸化防止剤A1:ヒンダートフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX1010)
酸化防止剤A2:ヒンダートフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX1098)
酸化防止剤A3:ヒンダートフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX1010)と1,2,3−ベンゾトリアゾールの併用
(配合比率は、ヒンダートフェノール系酸化防止剤:1,2,3−ベンゾトリアゾール=2(重量部):1(重量部))
Figure 2011018767
実施例1
材料組成物N1を用いてのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン100V)(厚さ25μm)の片面に、乾燥後の厚さが5μmになるようベーカー式アプリケーターを用いて一面塗布して塗布膜を作製し、200℃に設定したオーブン中で30min間乾燥し、熱硬化型ポリイミド樹脂組成物塗布膜を粘着層となすことで、粘着テープ(半導体製品組立用テープ)を得た。
得られた粘着テープを用いて粘着性試験を実施して粘着層の粘着性を測定し、さらに剥離試験を実施して糊残りの発生有無を確認するとともに、粘着強度の測定を行った。結果を表2に示す。
(粘着性試験)
粘着性試験は、JIS Z 0237に準拠したボールタック試験により実施された。
まず、得られた粘着テープを幅25mm×長さ100mmに裁断した試験体を準備した。次に、ボールタック試験機(テスター産業株式会社製)に、粘着面が表面になるように試験体をセットした(粘着面の傾斜角が30°)。さらに、23℃雰囲気下で、ボールタック試験機にセットされた試験体の粘着層表面の測定面領域を通過するように鋼球を転がす(測定面の長さは、100mm)。このとき、鋼球は、直径が1/32インチから1インチまでの大きさのものを用いた。そして、これらの鋼球を転がした際に測定面の領域内で停止するような鋼球のうち、最大径のボールナンバーの値を特定した(表2)。ボールナンバーは、鋼球の直径を32倍することで求められる。表2中、ボールタック試験欄の各数値は、ボールナンバーの値を示す。
(剥離試験)
剥離試験は、JIS Z 0237に準拠した粘着力測定方法を行うことにより実現された。粘着力測定方法として次のような初期粘着強度測定と加熱後粘着強度測定を行った。
(初期粘着強度測定)
得られた粘着テープを25mm幅×150mmに裁断し、貼り付け面積が25mm×100mmになるように室温下2kgローラーでSUS304に貼り付けて試験体を得た。試験体を1時間室温下で保管し(保管処理)、保管処理の後、試験体を引張試験機(エーアンドディ社製(TENSILON RTF−1150−H))にセットして、試験体から粘着テープを、引張速度300mm/分で、180°方向に引き剥がし(剥離処理)、剥離処理の際に試験体から粘着テープを剥離するために要する力を測定することで粘着強度(N/25mm)を測定した(表3)。
(加熱後粘着強度測定)
加熱後粘着強度測定は、保管処理にかえて試験体を250℃×30min加熱する処理(加熱処理)を行ったほかは、初期粘着強度測定と同じ方法を用いて実施され、粘着強度(N/25mm)が測定された。加熱後粘着強度測定では、さらに、剥離処理の際に被着体表面に糊残りが生じたか否かについて目視にて確認した(表3)。表3中、剥離試験欄において、数値は、粘着強度を示し、「あり」が、糊残りがあったことを示し、「なし」が、糊残りがなかったことを示す。
被着体としては、初期粘着強度測定についてはSUS(SUS304)が用いられ、加熱後粘着強度測定については、銅材(古河電工株式会社製、EFTEC64T)およびSUS(SUS304)の2種類が用いられた。
剥離試験は、初期粘着強度測定については、酸素存在雰囲気下でのみ実施され、加熱後粘着強度測定については、酸素存在雰囲気下と窒素雰囲気下の2通りの雰囲気下で実施された。酸素存在雰囲気下での剥離試験は、空気雰囲気下で剥離試験を行うことで実施され、窒素雰囲気下での剥離試験は、密閉容器内に試験体を配置して容器内に窒素ガスを充填させて形成される雰囲気下で剥離試験を行うことで実施された。なお、酸素存在雰囲気下で行われる剥離試験が、通常の半導体製品組立工程の条件下(通常条件下)での粘着テープの性能を示している。
実施例2から5
材料組成物N1にかえて材料組成物N2(実施例2)、材料組成物N3(実施例3)、材料組成物N4(実施例4)、材料組成物N5(実施例5)を用いたほかは、実施例1と同様にして粘着テープを得た。それぞれ得られた粘着テープを用いて粘着性試験と剥離試験を実施して、糊残りの発生有無を確認するとともに、粘着強度の測定を行った。結果を表2,3に示す。
実施例2,4,5については、それぞれで得られた粘着テープを用いてワイヤーボンディング試験を実施し、半導体製品組立工程のワイヤーボンディング工程の歩留まりを測定した。結果を表4に示す。
(ワイヤーボンディング試験)
粘着テープをリードフレーム(QFN用リードフレーム(Cuリードフレーム)縦200mm×横50mm)の裏面に貼り付け、ダイパット部分にエポキシフェノール系の銀ペーストを接着剤として用いて半導体チップに接着し、180℃の雰囲気下で90分間銀ペーストの硬化処理を実施することで、ダイパット上に半導体チップを搭載した。次に、ワイヤーボンディングを行った。ワイヤーボンディングは、1つのワイヤの一方端をダイパッド上のチップ領域内の1箇所に接続する工程(ファーストボンディング)と、他端をリード部の1箇所に接続する工程(セカンドボンディング)とで1セットとなっており、この工程をダイパッド領域内の接続箇所数に応じたセット数くりかえして実施される。ワイヤーボンディング試験では、ダイパッド上のチップ1つにおけるリード部に対面する部分に、垂直方向に4ワイヤ(ワイヤ長2mm弱)、水平方向に4ワイヤ(ワイヤ長2mm弱)、これを5段、合計40箇所のワイヤーボンディングを行った。したがって、上記ファーストボンディングとセカンドボンディングが40セットくりかえして実施された。このとき、未着状況の確認を行った。
ワイヤーボンディングには、ワイヤーボンダー(HW27U−HF(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社)が用いられ、下記のボンディング条件で実施された。
(ボンディング条件)
・トーチレベル:0.999mm
・ボンドレベル:(1st)5.5826mm、(2nd)5.826mm
・サーチ速度:(1st)6、(2nd)6
・ループ高さ:Nonset、rev−0.180mm
・ループモード:STD B
・テール長さ:0.699mm
・軌跡補正:0.000ms
・US(超音波)発振時間:(1st)15ms、(2nd)10ms
・USパワー:(1st)55bit、(2nd)150bit
・ボンド荷重:(1st)40g、(2nd)120g
・ボンディング温度:200℃
(樹脂はみだし確認試験)
実施例2,4,5について、ワイヤーボンディング試験に引き続き、樹脂のはみ出し確認試験を行った。樹脂のはみ出し確認試験は、ワイヤーボンディング終了後、さらにエポキシ系モールド樹脂を用いて、175℃雰囲気下、5分間の条件でその樹脂による封止処理を実施した後、室温下で粘着テープを剥離処理し、この剥離処理の際にフレームからの樹脂のはみ出しが認められる否かを確認することによって実施された。結果を表5に示す。
比較例1
材料組成物N1にかえて材料組成物N6を用いたほかは、実施例1と同様にして粘着テープを得た。得られた粘着テープを用いて加熱後粘着強度測定を実施して、糊残りの発生有無を確認するとともに、粘着強度の測定を行った。結果を表3に示す。粘着テープの剥離後、銅材、SUS材の面を観察したところ、粘着面の端縁に強い糊残りが認められた。
比較例2
実施例1の粘着テープにかえて市販のテープ(日東電工社製、TRM−6250L)を用いたほかは、実施例2と同様にしてワイヤーボンディング試験を行った。結果を表4に示す。ワイヤーボンディング試験の結果、未着箇所が9箇所確認された。9箇所のうちファーストボンディングで未着であった箇所が3箇所、セカンドボンディングで未着であった箇所が5箇所、ファーストボンディングおよびセカンドボンディングともに未着であった箇所が1箇所であった。
Figure 2011018767
Figure 2011018767
Figure 2011018767
Figure 2011018767
表3の比較例1により、金属からなる被着体の酸化が抑えられた場合(窒素雰囲気下)では、酸素条件下と異なり、被着体の金属表面から粘着剤を剥離してもその被着体の金属表面に糊残りが殆ど発生していないことが確認される。また、このことは、通常条件下で比較例1の粘着テープを使用することに問題があることを示している。この点、実施例1から5の粘着テープでは、金属からなる被着体の酸化が抑えられた場合(窒素雰囲気下)はもちろん、酸素条件下でも、被着体の金属表面から粘着剤を剥離してもその被着体の金属表面に糊残りが殆ど発生していないことが確認される。
また、表3から5により、本発明の粘着テープは、半導体製品組立用テープとして有効なものであることが確認される。
1 半導体製品組立用テープ
2 耐熱性基材シート
3 粘着層
10 リードフレーム
11 単位領域
12 ダイパッド
13 リード部
14 隙間部
15 半導体チップ
16 固定材
17 ボンディングワイヤー
18 樹脂層
20 QFN
30 枠部
31 パッケージ用領域形成部
32 パッケージパターン形成部
33 支持部

Claims (8)

  1. 耐熱性基材シート面上に粘着層を形成してなる半導体製品組立用テープであって、粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを含有する粘着層形成用組成物の硬化物である、ことを特徴とする半導体製品組立用テープ。
  2. 粘着層が常温粘着性を有する、請求項1記載の半導体製品組立用テープ。
  3. 粘着層は、ガラス転移温度が30℃未満であり、JIS Z 0237に準拠するボールタック試験で1以上である、請求項1または2に記載の半導体製品組立用テープ。
  4. 熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物は、下記式(1)に示すテトラカルボン酸二無水物ならびに下記式(2)に示すテトラカルボン酸及びテトラカルボン酸の誘導体からなる群より選ばれた1種以上の化合物(Q)と下記式(3)に示す脂肪族ジアミンとを、化合物(Q)のモル数のほうが脂肪族ジアミンのモル数よりも多くなるように配合して加熱反応させてポリイミド(A)となし、ポリイミド(A)と下記式(4)に示す芳香族ジアミンとを加熱反応させてポリイミド(B)となし、ポリイミド(B)と下記式(5)に示すビスマレイミド化合物とを混合してなり、
    粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤を混合してなる粘着層形成用組成物を耐熱性基材シート面上に塗布して形成される塗布膜を加熱して塗布膜に含まれるポリイミド(B)とビスマレイミド化合物とを架橋重合反応させて形成されるものである、請求項1から3のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ
    Figure 2011018767
    (Rは4価の有機基である)
    Figure 2011018767
    (Rは4価の有機基であり、Y〜Yは独立した水素または炭素数1〜8の炭化水素基である)
    Figure 2011018767
    (Rは、アミノ基に脂肪族基または脂環基が直接結合している炭素数1〜221の2価の有機基であり、その構造の一部に芳香族基、エーテル基、その他の置換基を含んでいてもよい。)
    Figure 2011018767
    (Rは、アミノ基に芳香族環が直接結合している炭素数6〜27の2価の有機基であり、その構造の一部に脂肪族基、脂環基、その他の置換基を含んでいてもよい。)

    Figure 2011018767
    (Zは2価の有機基である)
  5. 酸化防止剤は、ヒンダートフェノール誘導体またはベンゾトリアゾール誘導体である、請求項1から4のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ。
  6. 粘着層は、熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物と酸化防止剤とを、100重量部の熱硬化性ポリイミド系樹脂組成物に対する酸化防止剤の配合量を0.1重量部以上10重量部以下の範囲にして含有している、請求項1から5のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ。
  7. リードフレームのダイパッド上に半導体チップを固定するダイボンディング工程と、リードフレームのインナーリードとダイパッド上の半導体チップにボンディングワイヤーを接続するワイヤーボンディング行程と、インナーリードと半導体チップとボンディングワイヤーを樹脂材料で被覆する樹脂封止工程とを備える半導体製品の製造方法において用いられるものであり、且つ、ダイボンディング工程の前にリードフレームの一方面に貼り付けられるものであるとともに、樹脂封止工程の後にリードフレームの一方面から剥離されるものである、請求項1から6のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ。
  8. 耐熱性基材シートは、250℃で1時間加熱前後の重量減少率が5%未満である、請求項1から7のいずれかに記載の半導体製品組立用テープ。
JP2009162267A 2009-07-08 2009-07-08 半導体製品組立用テープ Withdrawn JP2011018767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009162267A JP2011018767A (ja) 2009-07-08 2009-07-08 半導体製品組立用テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009162267A JP2011018767A (ja) 2009-07-08 2009-07-08 半導体製品組立用テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011018767A true JP2011018767A (ja) 2011-01-27

Family

ID=43596339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009162267A Withdrawn JP2011018767A (ja) 2009-07-08 2009-07-08 半導体製品組立用テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011018767A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012140740A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 日立化成工業株式会社 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着材、並びにそれらの使用方法
JP2014047312A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Dainippon Printing Co Ltd 粘着剤組成物及び粘着テープ
WO2014058056A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 日立化成株式会社 粘着剤組成物、積層体及び剥離方法
US9446576B2 (en) 2011-04-12 2016-09-20 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive agent, adhesive material using the same, and method of use thereof
WO2021070623A1 (ja) * 2019-10-11 2021-04-15 積水化学工業株式会社 粘着剤組成物、粘着テープ、及び、電子部品の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012140740A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 日立化成工業株式会社 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着材、並びにそれらの使用方法
US9446576B2 (en) 2011-04-12 2016-09-20 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive agent, adhesive material using the same, and method of use thereof
US10322572B2 (en) 2011-04-12 2019-06-18 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive agent, adhesive material using the same, and method of use thereof
US10328683B2 (en) 2011-04-12 2019-06-25 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive agent, adhesive material using the same, and method of use thereof
JP2014047312A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Dainippon Printing Co Ltd 粘着剤組成物及び粘着テープ
WO2014058056A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 日立化成株式会社 粘着剤組成物、積層体及び剥離方法
WO2021070623A1 (ja) * 2019-10-11 2021-04-15 積水化学工業株式会社 粘着剤組成物、粘着テープ、及び、電子部品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100647132B1 (ko) 접착시트 및 반도체장치 및 그 제조방법
JP4219660B2 (ja) ウエハダイシング・ダイボンドシート
WO2007083810A1 (ja) 接着剤組成物、フィルム状接着剤、接着シート、並びにそれを用いた半導体装置
US11195728B2 (en) Temporary protective film for semiconductor sealing molding
KR102664369B1 (ko) 반도체 밀봉 성형용 가보호 필름, 가보호 필름 구비 리드 프레임, 가보호 필름 구비 밀봉 성형체, 및 반도체 장치를 제조하는 방법
JP4900244B2 (ja) 半導体用熱可塑性樹脂組成物、これを用いた接着フィルム、リードフレーム、半導体装置および半導体装置の製造方法
KR200493739Y1 (ko) 릴체, 포장체 및 곤포물
JP2011018767A (ja) 半導体製品組立用テープ
JP3719234B2 (ja) 半導体用接着フィルム、およびこれを用いた半導体用接着フィルム付きリードフレームならびに半導体装置
KR20130113377A (ko) 반도체 장치 제조용 마스크 시트 및 이를 이용한 반도체 장치의 제조 방법
JP2011202139A (ja) 粘着剤組成物および粘着テープ
JP4213998B2 (ja) 接着剤樹脂組成物及びそれを用いたフィルム状接着剤
KR101208082B1 (ko) 반도체 공정용 점착테이프 및 이를 이용한 반도체 장치의 제조방법
JP5699388B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着テープ
JP5332183B2 (ja) 接着剤組成物、フィルム状接着剤、接着シート及び半導体装置
US20220319873A1 (en) Temporary protective film for semiconductor encapsulation molding, lead frame with temporary protective film, encapsulation molded body with temporary protective film, and method for manufacturing semiconductor device
JP6698306B2 (ja) リードフレーム固定用接着テープ
JP6744004B1 (ja) 仮保護フィルム、リール体、包装体、梱包体、仮保護体、及び、半導体装置を製造する方法
CN1287980C (zh) 金属层压体
JP4238123B2 (ja) ダイボンドフィルム
JP2008094865A (ja) フィルム状接着剤組成物及びフィルム状接着剤並びにこのフィルム状接着剤を用いた半導体パッケージの製造方法
JP2006282973A (ja) 接着フィルム、接着フィルム付きリードフレーム及びこれらを用いた半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121002