JP2011018537A - 組電池、及び電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易な組電池、及びこのような組電池を用いた電池システムを提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3とが直列に接続された電池ブロックB1と、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量が、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節するNTCサーミスタ7及びダイオードDを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の二次電池を備える組電池、及びこの組電池を備えた電池システムに関する。
従来、二輪車や三輪車、及び四輪以上の車両には、動力系の始動用や、電気回路、電気機器の駆動用として鉛蓄電池が搭載されている。鉛蓄電池は、低価格であるが、蓄電エネルギー密度が小さいため、搭載重量および体積が大きい。車両としての燃費、動力性能の観点からは、この重量および体積の軽量化、コンパクト化が求められている。
この改善策として、より蓄電エネルギー密度の大きいニッケル−カドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池や、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池を採用する方法がある。また、一種類の電池で組電池を構成した場合における様々な課題解決のため、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池も提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1に記載の組電池は、非水系二次電池よりも水溶液系二次電池の電池容量が小さくされており、この組電池を充電すると、非水系二次電池よりも水溶液系二次電池が先に満充電になるようにされている。そして、水溶液系二次電池が満充電になると、副反応が生じて酸素が発生し、この副反応に伴う温度上昇によって電池の起電圧が低下する現象に基づいて水溶液系二次電池の満充電を検出し、組電池の充電を終了させるようになっている。
一方、特許文献2に記載の組電池は、水溶液系二次電池よりも非水系二次電池の電池容量が小さくされており、この組電池を充電すると、水溶液系二次電池よりも非水系二次電池が先に満充電になるようにされている。そして、非水系二次電池のSOCが大きくなると充電電流が減少する性質を利用して、非水系二次電池が満充電近くになったこと検出し、組電池の充電を終了させるようになっている。
特開平9−180768号公報 特開2009−4349号公報
しかしながら、上述のように、非水系二次電池と水溶液系二次電池とを直列接続した組電池を充放電すると、非水系二次電池に流れる充放電電流と、水溶液系二次電池に流れる充放電電流とは常に等しくなる。そして、水溶液系二次電池は、充電の際に電解液の電気分解反応も伴うことから、非水系二次電池よりも一般的に充電効率が小さい傾向がある。
そのため、このような組電池の充放電を繰り返すと、水溶液系二次電池に蓄電される蓄電電荷量が非水系二次電池に対して相対的に徐々に減少していき、非水系二次電池の蓄電電荷量は水溶液系二次電池に対して相対的に増大し、かつその差が増大していく。
さらに、水溶液系二次電池は、非水系二次電池よりも一般的に自己放電が大きいため、時間の経過に伴い非水系二次電池との蓄電電荷量の差がますます増大していく。
そのため、特許文献1に記載の組電池では、非水系二次電池よりも水溶液系二次電池の電池容量が小さくされているにもかかわらず、非水系二次電池より水溶液系二次電池の蓄電電荷量が少ない状態から充電を行うために、水溶液系二次電池より先に非水系二次電池が満充電になってしまうおそれがある。そして、非水系二次電池が満充電になった後も、水溶液系二次電池が満充電になるまで充電され続けるために、非水系二次電池が過充電になってしまうおそれがあるという、不都合があった。
また、特許文献2に記載の組電池では、非水系二次電池の蓄電電荷量と水溶液系二次電池の蓄電電荷量との差が大きい状態で充電を行うと、非水系二次電池が満充電近くになって組電池の充電が終了したときには、水溶液系二次電池の蓄電電荷量が少ない状態となり、水溶液系二次電池を充分に充電することができなくなる。そして、蓄電電荷量の差がさらに増大していくと、最終的には水溶液系二次電池がほとんど充電されないまま組電池の充電が終了してしまうという、不都合があった。
さらに、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池の場合、非水系二次電池に流れる電流と水溶液系二次電池に流れる電流は常に等しくなる。従って、上述のように水溶液系二次電池の蓄電電荷量が少なくなっていると、例えリチウムイオン二次電池の蓄電電荷量が水溶液系二次電池の蓄電電荷量より多くても、水溶液系二次電池が放電して蓄電電荷量がゼロになると、まだ蓄電電荷が残っているリチウムイオン二次電池も放電できなくなってしまう。
そのため、水溶液系二次電池の蓄電電荷量がリチウムイオン二次電池より少なくなると、組電池全体の放電可能な蓄電電荷量が、充分に充電されない水溶液系二次電池の蓄電電荷量によって制限される結果、減少してしまうという、不都合があった。
このように、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池の場合、非水系二次電池の蓄電電荷量と水溶液系二次電池の蓄電電荷量とのバランスが崩れると、上述したような種々の弊害が生じることとなる。
本発明の目的は、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易な組電池、及びこのような組電池を用いた電池システムを提供することである。
本発明に係る組電池は、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列に接続された電池ブロックと、前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が、前記水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、当該非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節する蓄電電荷量調節部とを備える。
この構成によれば、水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が、充電効率の低さや自己放電が多い性質によって非水系二次電池よりも相対的に減少していく。その一方、蓄電電荷量調節部によって、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が、水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、非水系二次電池の放電、及び水溶液系二次電池の充電のうち少なくとも一方が実行されて、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節される。
その結果、非水系二次電池よりも充電効率が低く自己放電が多い性質により生じる水溶液系二次電池の、蓄電電荷量の減少が相殺される方向に、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節されるので、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易となる。
また、前記蓄電電荷量調節部は、前記非水系二次電池と前記水溶液系二次電池とにおける充電効率の差、及び前記水溶液系二次電池の自己放電によって生じる前記水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少を、実質的に補うように、前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と前記水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節することが好ましい。
この構成によれば、蓄電電荷量調節部によって、充電効率の低さや自己放電が多い性質により生じる水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少が相殺される方向に、かつその減少を量的に実質的に補うように、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節されるので、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との間のバランスが保たれる結果、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易となる。
また、前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は3:2であり、前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、同一極性方向に直列接続されていることが好ましい。
非水系二次電池のセル数と水溶液系二次電池のセル数との比率を3:2とし、非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとを同一極性方向に直列接続した組電池は、非水系二次電池のセルを4の整数倍だけ直列接続した組電池よりも各セルが満充電になったときの組電池の端子電圧が鉛蓄電池に近い。そのため、このような構成の組電池は、鉛蓄電池の代わりに用いて鉛蓄電池用の充電器で充電することが容易である。
また、前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は3:1であり、前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、同一極性方向に直列接続されるようにしてもよい。
鉛蓄電池用の充電器の中には、鉛蓄電池の長寿命化を図るために、通常の鉛蓄電池用の充電器よりも充電電圧を低下させているものがある。このような充電器で充電する場合、非水系二次電池のセル数と水溶液系二次電池のセル数との比率を3:1とし、非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとを同一極性方向に直列接続した組電池が充電に適する。
また、前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、逆極性の方向に直列接続されるようにしてもよい。
この構成によれば、組電池を構成するにあたっての、非水系二次電池と水溶液系二次電池との組み合わせ方のバリエーションが増加するので、組電池全体の端子電圧として、所望の電圧を得ることが容易となる。
また、前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は4:1であることが好ましい。
非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとを逆極性の方向に直列接続し、かつその比率を4:1とした組電池は、非水系二次電池のセルを4の整数倍だけ直列接続した組電池よりも、非水系二次電池の各セルが満充電になり、かつ水溶液系二次電池が放電されている状態の組電池の端子電圧が鉛蓄電池に近い。そのため、このような構成の組電池は、鉛蓄電池の代わりに用いて鉛蓄電池用の充電器で充電することが容易である。
また、前記電池ブロックを所定の充電電圧で満充電になるまで充電したときの前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfrであり、前記水溶液系二次電池のセルあたりの電池容量がCnであるとき、当該非水系二次電池の所定のタイミングにおけるセルあたりの蓄電電荷量Qrt、及び当該水溶液系二次電池の前記タイミングにおけるセルあたりの蓄電電荷量Qntが、下記の式(A)及び式(B)で示す関係を満たすように、設定されていること
Cfr−Qrt < Qnt ・・・(A)
Qrt < Cn−Qnt ・・・(B)
が好ましい。
この構成によれば、充放電に伴い非水系二次電池に流れる電流と水溶液系二次電池に流れる電流とは常に等しく、かつ電流の流れる方向が逆である。従って、非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとが逆極性の方向に直列接続されている場合における、組電池の充放電方向を、非水系二次電池の充放電方向と一致するものとした場合、組電池を充電すると、非水系二次電池は充電され、水溶液系二次電池は放電される。組電池を放電すると、非水系二次電池は放電され、水溶液系二次電池は充電される。
そして、充電効率の低さや自己放電が多い性質による水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少が蓄電電荷量調節部によって低減されているから、組電池を充放電させる前の所定のタイミングにおいて、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量Qrt、及び当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量Qntが、式(A)及び式(B)で示す関係を満たすように設定すると、非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量Qrt、及び水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量Qntは、組電池の充放電を繰り返した後も式(A)及び式(B)で示す関係が、実質的に維持される。
さらに、あるタイミングでのCfr−Qrtはそのタイミングから非水系二次電池に充電可能な電荷量を示しているから、式(A)を満たす関係が実質的に維持されていると、この組電池を定電圧充電する際に非水系二次電池の蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfrに達する前に水溶液系二次電池の蓄電電荷量がゼロになることがないので、定電圧充電によって非水系二次電池を充電可能電荷量まで充電できなくなるおそれが低減される。
そして、あるタイミングでのCn−Qntはそのタイミングから水溶液系二次電池に充電可能な電荷量を示しているから、式(B)で示す関係が実質的に維持されていると、この組電池を放電する際に非水系二次電池の蓄電電荷量がゼロになる前に水溶液系二次電池が満充電になってそれ以上非水系二次電池が放電できなくなるおそれが低減されるので、非水系二次電池の蓄電電荷量を有効に活用することが容易になる。
また、前記蓄電電荷量調節部は、前記非水系二次電池と並列に接続された抵抗体を用いて構成されていることが好ましい。
この構成によれば、抵抗体を介して非水系二次電池を放電させることができる結果、充電効率の低さや自己放電が少ないことにより、蓄電電荷量が水溶液系二次電池ほど減らない、非水系二次電池の蓄電電荷量を減少させることができ、水溶液系二次電池の蓄電電荷量と、非水系二次電池の蓄電電荷量とのバランスをとることができる。その結果、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易となる。
また、前記抵抗体は、NTCサーミスタであることが好ましい。
水溶液系二次電池の自己放電量は、温度が高くなるほど増大し、温度が低くなるほど減少する性質を有している。従って、水溶液系二次電池の自己放電量とのバランスをとるために、非水系二次電池の放電量も、温度が低くなるほど減少させることが望ましい。ここで、NTCサーミスタは、温度が低くなるほど抵抗値が増大して非水系二次電池の放電量を、温度が低くなるほど減少させることができるので、抵抗体として好適である。
また、前記抵抗体と直列に接続されたダイオードをさらに備え、前記抵抗体と前記ダイオードとの直列回路が前記非水系二次電池と並列に接続されており、前記ダイオードは、並列に接続された非水系二次電池の放電方向が順方向になる向きに接続されていることが好ましい。
この構成によれば、非水系二次電池が放電してその端子電圧がダイオードの順方向オン電圧を下回ると、ダイオードがオフして放電が停止するので、非水系二次電池が過放電するおそれが低減される。
また、前記非水系二次電池と前記水溶液系二次電池とのうち少なくとも一方における、充電及び放電のうち少なくとも一方を制御する制御部をさらに備え、前記制御部の動作用電力を、前記非水系二次電池から供給することにより、当該制御部を前記蓄電電荷量調節部として用いることが好ましい。
この構成によれば、非水系二次電池は、制御部の動作用電力を供給するために放電するので、充電効率の低さや自己放電により蓄電電荷量が減少する水溶液系二次電池の蓄電電荷量と、非水系二次電池の蓄電電荷量とのバランスをとることができる。
また、前記電池ブロックにおいて最もマイナス側に接続されたセルは前記非水系二次電池であり、当該非水系二次電池の負極が、組電池のグラウンド端子と同電位にされていることが好ましい。
この構成によれば、制御部の動作用電力は非水系二次電池から供給されるから、非水系二次電池の負極電位は制御部の電源グラウンドレベルと等しい。そして、非水系二次電池の負極が、組電池のグラウンド端子と同電位にされているから、制御部の電源グラウンドレベルは組電池のグラウンド端子と同電位にされるので、制御部の動作を安定させることが容易となる。
また、前記蓄電電荷量調節部は、前記電池ブロックに含まれる非水系二次電池及び水溶液系二次電池のうち少なくとも一部から、前記水溶液系二次電池の充電電流を供給する充電回路を用いて構成されていることが好ましい。
この構成によれば、組電池単体で、非水系二次電池と水溶液系二次電池との蓄電電荷量のバランスをとることができる。また非水系二次電池と水溶液系二次電池のうちの少なくとも一部から、充電電流を生成することにより、非水系二次電池の蓄電電荷量の減少以上に水溶液系二次電池の蓄電電荷量を増大させることができ、DCDCコンバータなども使うこともなく、容易に蓄電電荷量調節部を構成することができる。
また、前記充電回路は、前記非水系二次電池からの電力供給に基づき、前記水溶液系二次電池の充電電流を生成することが好ましい。
この構成によれば、充電回路へ電力を供給するために非水系二次電池が放電され、その電力に基づき水溶液系二次電池が充電されるので、充電効率の低さや自己放電により蓄電電荷量が減少する水溶液系二次電池の蓄電電荷量を補って、非水系二次電池の蓄電電荷量とのバランスをとることができる。
また、前記蓄電電荷量調節部は、前記電池ブロックにおける前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとを、2対1の割合で含む直列回路と並列に接続された充電電流供給用抵抗を用いて構成されていることが好ましい。
この構成によれば、非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとは逆方向に接続されているから、水溶液系二次電池は、その2倍の数の非水系二次電池によって、充電電流供給用抵抗を介して充電される。そうすると、非水系二次電池が放電され、その放電電流に基づき水溶液系二次電池が充電されるので、充電効率の低さや自己放電により蓄電電荷量が減少する水溶液系二次電池の蓄電電荷量を補って、非水系二次電池の蓄電電荷量とのバランスをとることができる。
また、前記充電電流供給用抵抗の抵抗値は、1kΩ〜100kΩであることが好ましい。
例えば、24h程度電池が放置された後に充放電されるような使用環境では、充電電流供給用抵抗の抵抗値が1kΩ、数ヶ月間電池が放置され後に充放電されるような使用環境では、充電電流供給用抵抗の抵抗値が100kΩとすると、蓄電電荷量の調整量が好適となる。
また、前記電池ブロックの両端間の電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部によって検出された電圧が、予め設定された閾値電圧を下回るとき、前記電池ブロックに含まれる水溶液系二次電池を当該電池ブロックから切り離す切替回路をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、電池ブロックの端子電圧が閾値電圧を下回ると、非水系二次電池と逆方向に接続された水溶液系二次電池が切替回路によって電池ブロックから切り離されるので、電池ブロックの端子電圧を上昇させることができる。
また、前記切替回路は、前記水溶液系二次電池と直列に接続された第1スイッチング素子と、前記水溶液系二次電池と第1スイッチング素子との直列回路と並列に接続された第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子をオフ、前記第2スイッチング素子をオンすることにより前記水溶液系二次電池を前記電池ブロックから切り離し、前記第1スイッチング素子をオン、前記第2スイッチング素子をオフすることにより前記水溶液系二次電池を前記電池ブロックに接続する切替制御部とを含むことが好ましい。
この構成によれば、電池ブロックの端子電圧が閾値電圧を下回ると、第1スイッチング素子がオフ、第2スイッチング素子がオンされて、水溶液系二次電池が電池ブロックから切り離される。また、電池ブロックの端子電圧が閾値電圧を上回ると、切替制御部によって、第1スイッチング素子がオン、第2スイッチング素子がオフされることにより水溶液系二次電池が電池ブロックに接続される。
また、前記水溶液系二次電池は、ニッケル水素二次電池であることが好ましい。
ニッケル水素二次電池は、水溶液系二次電池の中でも高エネルギー密度であるため、組電池をより軽量化およびコンパクト化することが可能となる。
また、前記非水系二次電池は、リチウムイオン二次電池であることが好ましい。
リチウムイオン二次電池は、非水系二次電池の中でも高エネルギー密度であるため、組電池をより軽量化およびコンパクト化することが可能となる。
また、本発明に係る電池システムは、上述の組電池と、予め設定された一定の充電電圧を前記組電池の電池ブロックへ供給する第1充電回路とを備える。
この構成によれば、上述の組電池を、定電圧充電することができる。
また、本発明に係る電池システムは、上述の組電池と、予め設定された一定の充電電圧を前記組電池の電池ブロックへ供給する第1充電回路と、前記水溶液系二次電池の充電電流を供給する第2充電回路とを備え、前記蓄電電荷量調節部は、前記水溶液系二次電池の充電電流を前記第2充電回路から受電する接続端子である。
この構成によれば、水溶液系二次電池を充電するための第2充電回路を組電池が備えなくてもよいので、組電池の構成を簡素化することが容易である。また水溶液系二次電池の蓄電電気量を安定して非水系二次電池よりも大きくすることができるため、温度や充放電回数が大きく変動するような使用条件でも安定して、非水系二次電池と水溶液系二次電池の蓄電電荷量のバランスをとることが容易となる。
また、前記充電電圧の値が、実質的に14.5Vの整数倍であることが好ましい。
この構成によれば、充電電圧として14.5Vの整数倍の電圧を用いる鉛蓄電池用の充電器を第1充電回路として用いることができる。
また、前記充電電圧の値が、実質的に13.7Vの整数倍となるようにしてもよい。
この構成によれば、充電電圧として13.7Vの整数倍の電圧を用いる鉛蓄電池用の充電器を第1充電回路として用いることができる。
また、本発明に係る電池システムは、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが、互いに逆極性の方向に直列に接続された電池ブロックと、予め設定された一定の充電電圧を前記電池ブロックへ供給する第1充電回路と、前記非水系二次電池の充電電流を供給する第2充電回路と、前記充電電流を前記第2充電回路から受電し、前記非水系二次電池へ供給する接続端子とを備える。
非水系二次電池のセルと水溶液系二次電池のセルとが、逆極性の方向に直列接続された電池ブロックは、非水系二次電池を充電することによっても、充電効率の低さや自己放電が多い性質により生じる水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少が相殺される方向に、当該非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節することができる。従って、この構成によれば、接続端子によって、第2充電回路から非水系二次電池を充電する充電電流が受電されて非水系二次電池が充電されるので、第2充電回路を組電池が備えなくても当該非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節することができ、組電池の構成を簡素化することが容易である。
このような構成の組電池、及び電池システムによれば、充電効率の低さや自己放電が多い性質により生じる水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少が相殺される方向に、該非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節されるので、非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列接続された組電池において、水溶液系二次電池の、非水系二次電池よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって生じる弊害を低減することが容易となる。
本発明の第1の実施形態に係る組電池の外観の一例を示す斜視図である。 図1に示す組電池と、組電池を充電する充電器とを備えた電池システムの電気的構成の一例を示す回路図である。 図2に示す電池システムの変形例を示す回路図である。 図2、図3に示す充電器の構成の一例を示すブロック図である。 図4に示す充電器によって、組電池を定電流定電圧(CCCV)充電した場合の、充電時間と、各リチウムイオン二次電池、及び各ニッケル水素二次電池の端子電圧と、組電池の端子電圧値との一例を示したグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る電池システムに用いられる組電池の構成の一例を示す外観図である。 図6に示す組電池と、組電池を充電する充電器とを備えた電池システムの電気的構成の一例を示す回路図である。 図7に示す電池システムにおいて、組電池を定電流定電圧(CCCV)充電した場合の、充電時間と、組電池の端子電圧値Vbと、4個のリチウムイオン二次電池の端子電圧を合計した電圧Vrとの関係の一例を示したグラフである。 図7に示す電池システムにおいて、組電池を放電した場合の、充電時間と、組電池の端子電圧値Vbと、4個のリチウムイオン二次電池の端子電圧を合計した電圧Vrとの関係の一例を示したグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る電池システムの電気的構成の一例を示す回路図である。 図10に示す電池システムの変形例を示す回路図である。 実施例1における測定結果を示すグラフである。 実施例2における測定結果を示す一覧表である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る組電池の外観の一例を示す斜視図である。図1に示す組電池1は、例えば二輪車や四輪車その他工事車両等の車載用のバッテリとして用いられる。図1に示す組電池1は、例えば、略箱状の筐体6に、3個のリチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)と2個のニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)とが同一極性方向に直列接続された電池ブロックB1を収容して構成されている。
3個のリチウムイオン二次電池2と、2個のニッケル水素二次電池3とは、ニッケル水素二次電池3の負極にリチウムイオン二次電池2の正極が接続されて電池ブロックB1が構成されている。
リチウムイオン二次電池2は、非水系二次電池の一例に相当し、リチウムイオン二次電池2の代わりにリチウムポリマー二次電池等の他の非水系二次電池を用いてもよい。また、ニッケル水素二次電池3は、水溶液系二次電池の一例に相当し、ニッケル水素二次電池3の代わりにニッケル−カドミウム二次電池等の他の水溶液系二次電池を用いてもよい。
しかしながら、水溶液系二次電池のなかではニッケル水素二次電池が最も高いエネルギー密度を有しており、また、非水系二次電池のなかではリチウムイオン二次電池が最も高いエネルギー密度を有している。従って、軽量化およびコンパクト化の観点から、それぞれ、水溶液系二次電池にはニッケル水素二次電池、非水溶液系二次電池にはリチウムイオン二次電池を用いることがより好ましい。
また、筐体6の上面に、接続端子4,5が上向きに突設されている。接続端子4は、電池ブロックB1の一端に位置するニッケル水素二次電池3の正極端子すなわち電池ブロックB1の正極端子と接続され、組電池1の正極端子を構成している。
一方、接続端子5は、電池ブロックB1の他端に位置するリチウムイオン二次電池2の負極端子すなわち電池ブロックB1において最もマイナス側に接続されたセルの負極端子と接続されている。これにより、接続端子5の電位がグラウンドレベルとなるようにされている。
図1に示す例では、接続端子4,5はボルト状をなし、これにナット41,51が螺合可能となっている。一方、接続端子4に接続されるべき電線42の端末には、接続端子4に外嵌可能なリング状の配線側端子43がカシメ等の手段で固定され、同様に、接続端子5に接続されるべき電線52の端末には、接続端子5に外嵌可能なリング状の配線側端子53がカシメ等の手段で固定されている。そして、配線側端子43,53を組電池1の接続端子4及び接続端子5にそれぞれ外嵌し、接続端子4,5にナット41,51を装着して締め付けることにより、電線42,52の端末が接続端子4,5に電気的に接続されるようになっている。
電線42,52は、車両内の電気回路や組電池1を充電する充電回路等に接続されており、組電池1の充放電に用いられる。
なお、接続端子4,5は、ボルト状のものに限られず、例えば円柱状であってもよい。そして、配線側端子43,53として、例えば導電性を有する金属板がその中間部分で略C字状に曲げ加工されたものを用いて、当該中間部分を接続端子4,5の外側にそれぞれ遊嵌した後、配線側端子43,53の両端をボルト等で締め付けることにより、接続端子4,5と配線側端子43,53とを結合する構成であってもよい。
このような筐体構造、及び端子構造を有することにより、組電池1を、車載用の鉛蓄電池と置き換えて、鉛蓄電池用の充電回路等に接続するための配線側端子43,53と接続することが容易となる。
また、組電池1は、必ずしも筐体6に収容されている必要はなく、鉛電池用の配線側端子43,53とそのまま接続可能な接続端子を備えるものに限らない。接続端子4,5は、例えば、端子台やコネクタの他、例えばセルの電極端子そのものであってもよい。
図2は、図1に示す組電池1と、組電池1を充電する充電器20(第1充電回路)とを備えた電池システム100の電気的構成の一例を示す回路図である。図2に示す組電池1は、接続端子4,5、電池ブロックB1、3個のNTC(negative temperature coefficient)サーミスタ7、9個のダイオードD、電圧検出回路8、制御部9、スイッチング素子11、及び抵抗12を備えて構成されている。
電池ブロックB1において、電池ブロックB1を充電器20によって満充電になるまで充電したときのリチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfrであるとき、リチウムイオン二次電池2の充電可能電荷量Cfrが、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの電池容量Cn(公称容量)より小さくなるように、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3の電池容量がそれぞれ設定されている。
ここで、電池ブロックB1が満充電になるときとは、電池ブロックB1が充電器20の、充電終了の条件を満たす状態になったときである。すなわち、例えば充電器20が予め設定された一定の充電電圧、例えば14.5Vの定電圧充電を行って、電池ブロックB1に流れる電流が予め定電圧充電の終了条件として設定された充電終止電流以下になったときに充電を終了するのであれば、前記充電電圧を印加された状態で流れる電流が充電終止電流以下になったとき、電池ブロックB1が満充電になったことになる。このとき、ニッケル水素二次電池3は必ずしも満充電になっていない。
なお、充電器20を、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)が満充電になった際の副反応に伴う温度上昇によって電池の起電圧が低下する現象に基づいて組電池1の充電を終了させるようにした場合には、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの充電可能電荷量Cfrを、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの電池容量Cn(公称容量)より大きくしてもよい。
この場合、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)が満充電になって副反応に伴う温度上昇を生じたときが、電池ブロックB1が満充電になったときとなる。このとき、リチウムイオン二次電池2は必ずしも満充電になっていない。
このように、電池ブロックB1が満充電になるときとは、電池ブロックB1に含まれるすべてのセルが満充電になるときを意味するのではない。組電池1の充電に用いられる充電器20の充電終了条件を満たすとき(状態)が、電池ブロックB1が満充電になったとき(状態)となる。
従って、充電可能電荷量Cfrは、組電池1の充電に用いられることが想定される充電装置の充電終了条件に応じて設定する必要がある。
そして、1個のNTCサーミスタ7と3個のダイオードDとが直列接続された直列回路が3組構成され、この各組の直列回路が、電池ブロックB1に含まれる3個のリチウムイオン二次電池2のそれぞれと並列に接続されている。これにより、各リチウムイオン二次電池2は、NTCサーミスタ7とダイオードDとを介して放電するので、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量が徐々に減少する。
また、スイッチング素子11と抵抗12との直列回路が、3個のリチウムイオン二次電池2の直列回路と並列に接続されている。
電圧検出回路8は、例えばアナログデジタルコンバータを用いて構成されており、各リチウムイオン二次電池2の端子電圧を検出し、その各端子電圧をデジタル値に変換して制御部9へ出力する。
制御部9は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、その周辺回路等と、これらを動作させるための消費電流を受電する電源端子91,92とを備えて構成されている。
電源端子91は、3個直列接続されたリチウムイオン二次電池2のうち、最も高電位側のセルの正極端子に接続されている。また、電源端子92は、電池ブロックB1において最もマイナス側に接続されたセルの負極端子と接続されて、電源端子92がグラウンドレベルになるようにされている。これにより、制御部9の動作を安定させることが容易となる。
そして、制御部9は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、電圧検出回路8によって検出された各リチウムイオン二次電池2の端子電圧を、過充電を検出するために予め設定された過充電電圧(例えば4.3V)と比較する。そして、各リチウムイオン二次電池2の端子電圧のうち少なくとも一つが過充電電圧を超えると、スイッチング素子11をオンさせて、各リチウムイオン二次電池2を、抵抗12を介して放電させる。
制御部9は、上述のようにスイッチング素子11のオン、オフを制御することで、リチウムイオン二次電池2の放電を制御して、各リチウムイオン二次電池2が過充電されるおそれを低減するようになっている。
そして、制御部9の消費電流は、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)から供給されるので、リチウムイオン二次電池2は、制御部9への消費電流の供給に伴い徐々に放電する。
ここで、ニッケル水素二次電池3は、リチウムイオン二次電池2よりも自己放電量が多い。そのため、もし仮にNTCサーミスタ7、ダイオードD、及び制御部9が無かった場合、ニッケル水素二次電池3の自己放電によって、時間の経過に伴いニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量が減少し、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量が、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する。
さらに、電池ブロックB1に含まれるリチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3とは、直列接続されているから、組電池1が充放電を行う際に、各リチウムイオン二次電池2に流れる電流と各ニッケル水素二次電池3に流れる電流とは等しい。そして、ニッケル水素二次電池3は、リチウムイオン二次電池2よりも充電効率が低い。
そうすると、組電池1が充放電を繰り返すと、充電効率が低い分だけ、各ニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量は各リチウムイオン二次電池2よりも減少していくことになる。
そこで、NTCサーミスタ7とダイオードDとを介した各リチウムイオン二次電池2の放電電流、及び制御部9の消費電流の合計が、上述のようなニッケル水素二次電池3の自己放電量や充放電の繰り返しに伴う蓄電電荷量の減少量と実質的に略等しくなるように、NTCサーミスタ7の抵抗値や制御部9の消費電流値を設定しておく。
このような条件を満たすNTCサーミスタ7の抵抗値は、例えば実験的に求めることができる。
このとき、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量の減少は、ニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量の減少よりも少々大きくなってもかまわない。ニッケル水素二次電池3は満充電以降も正極から酸素が発生し、その酸素がまた負極で再吸収されるために、内部圧力がある程度低く保たれて過充電でも破裂することなく、電池の密閉性が保たれる、いわゆる密閉化の原理が保たれる。またニッケル水素二次電池3が満充電に近づくとき、定電圧充電の場合には、リチウムイオン二次電池2の電圧が上昇するため、充電電流は小さくなっており、発熱もほとんど起こらない。
そうすると、各リチウムイオン二次電池2の方が各ニッケル水素二次電池3よりも放電量が増大する結果、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量が、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節される。
この場合、NTCサーミスタ7、ダイオードD、及び制御部9が、蓄電電荷量調節部の一例に相当している。
そして、各リチウムイオン二次電池2の方が各ニッケル水素二次電池3よりも放電量が増大し、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量がニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節される結果、ニッケル水素二次電池3の自己放電量や充放電の繰り返しに伴う蓄電電荷量の減少が補われるので、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量とが実質的に、略等しい状態が維持される。
このとき、単に非水系二次電池の蓄電電荷量を水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少に合わせることだけにとどまらない。非水系二次電池の電圧が低下することで、組電池の電圧も低下する。これにより、定電圧充電の場合には、組電池全体の充電電流が増大する。結果として水溶液系二次電池を積極的に充電させる効果が生まれる。
つまり定電圧充電中に、あたかも非水系二次電池を放電すると同時に水溶液系二次電池の充電を加速させる効果が生まれる。
さらに、ダイオードDの順方向オン電圧は、約0.7Vである。従って、リチウムイオン二次電池2の端子電圧が、0.7V×3=2.1Vを下回ると、ダイオードDがオフしてダイオードDとNTCサーミスタ7とを介したリチウムイオン二次電池2の放電が停止する。
リチウムイオン二次電池の使用に適した電圧範囲の下限値は、一般的に2Vである。従って、リチウムイオン二次電池2と並列接続するダイオードDの数を3個にして、端子電圧が2.1Vを下回るとリチウムイオン二次電池2の放電が停止するようにすれば、リチウムイオン二次電池2の過放電を防止することができる。
なお、NTCサーミスタ7と直列接続するダイオードDの数は3個に限らない。ダイオードDを介した放電を停止させたい電圧に応じて、適宜ダイオードDの数を設定すればよい。
また、ニッケル水素二次電池は、温度が高くなるほど自己放電量が増大する性質を有している。そのため、もし仮に、蓄電電荷量調節部によるリチウムイオン二次電池2の放電量を温度に関わらず一定にした場合、高温時にはニッケル水素二次電池3の自己放電量が増大してリチウムイオン二次電池2の放電量が不足し、低温時にはニッケル水素二次電池3の自己放電量が減少して必要以上に過剰にリチウムイオン二次電池2を放電させてしまうおそれがある。
しかしながら、抵抗体として用いられているNTCサーミスタ7は、温度が低くなるほど抵抗値が増大する。従って、NTCサーミスタ7を介した各リチウムイオン二次電池2の放電量は、温度が低くなるほど減少することになる。
これにより、温度によるニッケル水素二次電池3の自己放電量の増減に応じて、リチウムイオン二次電池2の放電量を増減させることができるので、リチウムイオン二次電池2の放電量を適正に保つことが容易となる。もちろん同様の考え方で、温度に応じた自己放電量の増減を制御部9が認識して、スイッチング素子11をオンオフして放電させることも可能である。
なお、制御部9を備えず、NTCサーミスタ7及びダイオードDのみを蓄電電荷量調節部として用いる構成としてもよい。また、NTCサーミスタ7、及びダイオードDを備えず、制御部9のみを蓄電電荷量調節部として用いる構成としてもよい。
また、抵抗体としてNTCサーミスタ7の代わりに抵抗器を用いてもよい。また、ダイオードDを備えない構成としてもよいが、抵抗体としてNTCサーミスタ7を用いた場合には、高温時にNTCサーミスタ7が低抵抗になって、リチウムイオン二次電池2の放電電流が増大するので、リチウムイオン二次電池2の過放電が生じ易い。従って、抵抗体としてNTCサーミスタ7を用いる場合には、ダイオードDをNTCサーミスタ7と直列接続して過放電を防止するようにすることが望ましい。
また、抵抗体としてNTCサーミスタ7と抵抗器との直列回路を用いるようにしてもよい。これにより、抵抗器の抵抗値を適宜設定することで、高温時におけるリチウムイオン二次電池2の放電電流を、適当な電流値に設定することが容易となる。
また、各リチウムイオン二次電池2と抵抗体をそれぞれ並列接続する例を示したが、例えば図3に示すように、複数のリチウムイオン二次電池2の直列回路と、抵抗体の一例である抵抗13とを並列接続してもよい。また、抵抗13の代わりに、NTCサーミスタ7や、NTCサーミスタ7と抵抗との直列回路等の抵抗体を用いてもよく、さらにこれにダイオードを直列接続したものを用いてもよい。
なお、制御部9は、例えば電圧検出回路8を含んで構成され、電圧検出回路8の動作用電源電流も電源端子91,92を介してリチウムイオン二次電池2から供給されるようにされていてもよい。また、制御部9は、例えばコンパレータや論理回路等を用いて構成されていてもよい。
また、制御部9は、リチウムイオン二次電池2と並列接続されたスイッチング素子11をオンさせてリチウムイオン二次電池2を放電させることで、リチウムイオン二次電池2の過充電を防止する例に限らない。
例えば、制御部9は、リチウムイオン二次電池2と直列接続されたスイッチング素子をオフして充電電流を遮断(充電を制御)することで、リチウムイオン二次電池2の過充電を防止するようになっていてもよい。また、制御部9は、電流を消費する負荷回路であればよく、リチウムイオン二次電池2の過充電防止以外の処理を実行するものであってもよい。
図4は、図2、図3に示す充電器20の構成の一例を示すブロック図である。
充電器20は、例えば車載用の鉛蓄電池を定電流定電圧(CCCV)によって充電する充電回路である。充電器20は、例えば、電圧センサ21、電流センサ22、充電電流供給回路23、及び制御部24を備えている。
充電器20は、例えば、車例えば車載用の鉛蓄電池を定電流定電圧(CCCV)によって充電する充電回路であり、例えば車載用のECU(Electric Control Unit)等によって構成されている。車載用鉛蓄電池を定電圧充電する際の充電電圧としては、一般的に14.5Vが用いられる。
なお、充電器20は、例えば発電機や太陽電池等の発電装置、あるいは商用電源から得られた電圧を、組電池1の充電電圧に変換する充電回路であってもよい。
充電電流供給回路23は、例えば車両で発電された電力から、鉛蓄電池を充電するための充電電流、充電電圧を生成する整流回路やスイッチング電源回路等を備えて構成されている。そして、充電電流供給回路23は、電流センサ22及び電線42を介して接続端子4に接続され、電線52を介して接続端子5に接続されている。
電圧センサ21は、例えば分圧抵抗やA/Dコンバータ等を用いて構成されている。そして、電圧センサ21は、電線42,52を介して接続端子4,5間の電圧、すなわち組電池1の端子電圧値Vbを検出し、その電圧値を制御部24へ出力する。電流センサ22は、例えばシャント抵抗やホール素子、A/Dコンバータ等を用いて構成されている。そして、電流センサ22は、充電電流供給回路23から組電池1へ供給される電流値Ibを検出し、その電流値を制御部24へ出力する。
制御部24は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されている。そして、制御部24は、所定の制御プログラムを実行することにより、電圧センサ21から得られた端子電圧値Vb、及び電流センサ22から得られた電流値Ibに基づいて、充電電流供給回路23の出力電流、及び出力電圧を制御することで、定電流定電圧(CCCV)充電を実行する。
鉛蓄電池を定電圧充電によって充電する際の充電電圧は、一般的に14.5V〜15.5Vである。そのため、制御部24は、定電圧充電を行う際には、電圧センサ21の検出電圧が14.5V〜15.5Vになるように、充電電流供給回路23の出力電流、電圧を制御する。
これにより、制御部24は、組電池1を、定電流で、定電圧充電における充電電圧、例えば14.5Vまで充電後、14.5Vの電圧を印加しながら電流値Ibを検出する。そして、制御部24は、電池の起電圧の上昇につれて減少する充電電流値が、予め設定した充電終止電流値以下になった時点で充電完了と判定し、充電を終了する。
次に、上述のように構成された電池システム100の動作について説明する。
リチウムイオン二次電池は、満充電状態における開路電圧(OCV)が、約4.2Vである。リチウムイオン二次電池は、充電に伴いSOCが増大するに従って、正極電位は増大し、負極電位は減少する。リチウムイオン二次電池の端子電圧は、正極電位と負極電位との差として現れる。
そして、SOCが増大するに従って負極電位が低下し、負極電位が0Vになったときの正極電位と負極電位との差、すなわち正極電位は、充電電流値、温度、正極及び負極の活物質の組成のバラツキの影響を受けるものの、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いた場合に約4.2V、正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた場合に約4.3Vとなることが知られている。このように、負極電位が0Vになったときに満充電となり、このときの満充電状態におけるセルの端子電圧(OCV:開路電圧)である例えば4.2Vを、定電圧充電における充電電圧として用いることで、リチウムイオン二次電池を満充電(SOC100%)にすることができる。
また、リチウムイオン二次電池は、充電に伴いSOCが増大するに従って、セル電圧が徐々に増大する。
一方、水溶液系二次電池は、SOCの変化に対してゆるやかに端子電圧が変化し、略一定の端子電圧を示す特性がある。例えばニッケル水素二次電池では、満充電状態における開路電圧が約1.4V、充電状態から放電するときの閉路電圧は約1.2Vである。
そうすると、電池システム100において、例えば充電電圧を14.5Vとして組電池1の定電圧充電を行った場合、リチウムイオン二次電池2の一つあたりの充電電圧は、{14.5V−(1.4V×2)}/3=3.9Vとなる。
一方、もし仮にリチウムイオン二次電池とニッケル水素二次電池とを組み合わせることなく、リチウムイオン二次電池を4個直列接続して充電器20で充電した場合、リチウムイオン二次電池一個あたりの充電電圧は14.5V/4=3.63Vとなり、4.2Vに対して充電電圧が低すぎてSOCが50%程度またはそれ以下にしかならず、二次電池の電池容量を有効活用することが困難となる。
すなわち、リチウムイオン二次電池の満充電状態における開放電圧である4.2Vに、4を乗じて得られる電圧16.8Vよりも、リチウムイオン二次電池の満充電状態における開放電圧である4.2Vに3を乗じた電圧とニッケル水素二次電池の満充電状態における開放電圧1.4Vに2を乗じた電圧との合計電圧である15.4Vの方が、鉛蓄電池用の充電電圧14.5Vとの差が小さくなる。この場合、充電終了時におけるリチウムイオン二次電池2のSOCは約73%となり、充電終了時におけるリチウムイオン二次電池2のSOCを増大することができる。
また、上記合計電圧は、鉛蓄電池用の充電電圧14.5V以上にされているので、鉛蓄電池用の充電電圧が接続端子4,5間に印加された場合に、リチウムイオン二次電池2一つあたりに印加される充電電圧が4.2V以下となる結果、リチウムイオン二次電池2の劣化を低減することができると共に、安全性が損なわれるおそれを低減することができる。
なお、鉛蓄電池の出力電圧は、12V、24V、48Vというように、12Vの倍数のものが存在し、このような鉛蓄電池を充電する充電回路の充電電圧もまた、14.5V(〜15.5V)の倍数(整数倍)となる。そこで、ニッケル水素二次電池2個とニッケル水素二次電池より電池容量の小さいリチウムイオン二次電池3個を直列に接続した組電池を1ユニット(一単位)とし、充電回路の充電電圧に応じてこのユニット数を増減することで、ニッケル水素二次電池の個数とリチウムイオン二次電池の個数とを2:3の比率にすれば、鉛蓄電池の出力電圧が12Vの場合と同様に、組電池の充電電圧を充電回路の出力電圧と適合させて、このような充電回路によって組電池1を充電する際の充電終了時のSOCを増大することができる。
このように構成されたユニットを基本単位として、起電力、あるいは電池容量などの要望に合わせて、数ユニットを直列及び並列、あるいは、直並列に接続し、組電池を構成してもよい。
なお、「実質的に14.5V」とは、14.5Vに対して、充電装置の出力精度誤差や特性バラツキ等による変動幅を許容する意味であり、例えば14.5V±0.1Vを意味している。
図5は、図4に示す充電器20によって、組電池1を定電流定電圧(CCCV)充電した場合の、充電時間と、各リチウムイオン二次電池2、及び各ニッケル水素二次電池3の端子電圧と、接続端子4,5間の電圧、すなわち端子電圧値Vbとの一例を示したグラフである。横軸が充電時間、右側縦軸がリチウムイオン二次電池2及びニッケル水素二次電池3の単セルの端子電圧、左側縦軸が端子電圧値Vbを示している。
まず、制御部24からの制御信号に応じて、充電電流供給回路23から2Aの電流値Ibが、電線42を介して組電池1へ出力され、組電池1が2Aで定電流充電される。そうすると、各リチウムイオン二次電池2、及び各ニッケル水素二次電池3の端子電圧が充電に伴い上昇し、端子電圧値Vbもまた上昇する。
このとき、ニッケル水素二次電池3の端子電圧は、わずかしか上昇せず、ほとんど一定のまま、充電が行われる。一方、リチウムイオン二次電池の端子電圧は、充電に伴い上昇カーブを描いて増大する。そうすると、端子電圧値Vbは、リチウムイオン二次電池の端子電圧の増大に応じて増大する。
そして、電圧センサ21によって検出された端子電圧値Vbが14.5Vに達すると(タイミングT1)、制御部24によって、定電流充電から定電圧充電に切替られる。そして、制御部24からの制御信号に応じて、充電電流供給回路23によって、接続端子4,5間に14.5Vの一定の電圧が印加されて定電圧充電が実行される。
そうすると、定電圧充電によって、リチウムイオン二次電池2のSOCが増大するにつれて、電流値Ibが減少する。
ここで、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池等の水溶液系二次電池は、充電電流値Ibが減少しても、端子電圧が約1.4Vのまま略一定の電圧値に維持される性質がある。そのため、2個のニッケル水素二次電池3の端子電圧の合計は、1.4V×2=2.8Vとなる。そうすると、接続端子4,5間に14.5Vの電圧が印加された場合、3個のリチウムイオン二次電池2に印加される電圧の合計は、14.5V−2.8V=11.7Vとなる。
従って、14.5Vの定電圧充電において、リチウムイオン二次電池2の1セルあたりに印加される充電電圧は、11.7V/3=3.9Vとなる結果、リチウムイオン二次電池2の劣化を低減することができると共に、安全性が損なわれるおそれを低減することができる。
そして、電流センサ22によって検出された電流値Ibが、予め定電圧充電の終了条件として設定された充電終止電流以下になると、制御部24によって、14.5Vの定電圧充電において充電可能な最大のSOCに近いSOCまでリチウムイオン二次電池2が充電され、電池ブロックB1が満充電になるまで充電されたと判断される。そして、制御部24からの制御信号に応じて、充電電流供給回路23の出力電流がゼロにされて充電が終了する(タイミングT2)。
ところで、三個のリチウムイオン二次電池2と、二個のニッケル水素二次電池3とは、直列接続されているから、各電池に供給される充電電流は等しい。そして、NTCサーミスタ7(蓄電電荷量調節部)によって、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量とが実質的に、略等しい状態にされており、かつ、リチウムイオン二次電池2の充電可能電荷量Cfrがニッケル水素二次電池3の電池容量Cnより小さいので、ニッケル水素二次電池3が電池容量Cnまで充電されるより先にリチウムイオン二次電池2が充電可能電荷量Cfrまで充電される結果、タイミングT2においては、リチウムイオン二次電池2が充電可能電荷量Cfrまで充電されて定電圧充電が終了したタイミングT2において、ニッケル水素二次電池3が満充電(SOC100%)を超えることがなくなるので、ニッケル水素二次電池3が過充電になるおそれを低減しつつ充電終了時のリチウムイオン二次電池2のSOCを増大することができる。
また、NTCサーミスタ7(蓄電電荷量調節部)によって、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量とが実質的に、略等しい状態に近づけられているので、ニッケル水素二次電池3の、リチウムイオン二次電池2よりも充電効率が低い性質や自己放電が多い性質によって、ニッケル水素二次電池3が充分に充電されなくなってしまうおそれが低減される。
また、ニッケル水素二次電池3が満充電付近で発熱する前に、充電が終了するため、ニッケル水素二次電池3の満充電付近の副反応における発熱で、リチウムイオン二次電池2が劣化するおそれが低減される。
なお、充電器20は、鉛蓄電池用の充電回路に限らない。また、組電池1は、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3との個数を適宜、設定することにより、任意の充電電圧で定電圧充電を行う充電回路で充電される組電池に適用することができる。
例えば、バックアップ用鉛蓄電池用の充電器の中には、鉛蓄電池の長寿命化を図るために、定電圧充電の充電電圧を13.7V(13.5V〜13.7V)、あるいは13.7V(13.5V〜13.7V)の整数倍としたものがある。例えば、図2、図3、図4に示される充電器20が、このようなバックアップ用鉛蓄電池用の充電器であった場合、このような充電器で充電される組電池は、例えば図2、図3に示される組電池1,1’において、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3との個数比率を3:1とすることが好ましい。
リチウムイオン二次電池2を3個、ニッケル水素二次電池3を1個直列接続すると、リチウムイオン二次電池2が3個直列接続された直列回路の両端にかかる電圧は、13.7V−1.2V=12.3Vとなる。従って、リチウムイオン二次電池2の1個あたりにかかる電圧は 12.3V/3=4.1V となる。
一方、もし仮に、リチウムイオン二次電池2のみ3個直列接続された組電池を13.7Vの充電器で充電すると、リチウムイオン二次電池2の1個あたりにかかる電圧は 13.7V/3=4.6V となって、リチウムイオン二次電池の満充電電圧を超え、過充電、過電圧になってしまう。また、もし仮にリチウムイオン二次電池2のみ4個直列接続された組電池を13.7Vの充電器で充電すると、リチウムイオン二次電池2の1個あたりにかかる電圧は 13.7V/4=3.4V となる。
従って、定電圧充電の充電電圧を13.7V(13.5V〜13.7V)、あるいは13.7V(13.5V〜13.7V)の整数倍とした充電器20を用いる場合、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3との個数比率を3:1とすることで、過充電や過電圧となるおそれを低減しつつ、リチウムイオン二次電池2のみ4個直列接続された組電池よりもリチウムイオン二次電池2一つあたりの充電電圧を上昇させて、当該充電器20による定電圧充電完了時のSOCを増大させることができる。
なお、「実質的に13.7V」とは、13.7Vに対して、充電装置の出力精度誤差や特性バラツキ等による変動幅を許容する意味であり、例えば13.7V±0.1Vを意味している。
また、図3に示す組電池1’において、抵抗13や制御部9等の蓄電電荷量調節部を備えず、代わりに後述する図10、図11と同様に、2個のニッケル水素二次電池3のみを充電するための充電回路33や接続端子54を蓄電電荷量調節部として備える構成としてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電池システム100aについて説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る電池システム100aに用いられる組電池1aの構成の一例を示す外観図である。また、図7は、図6に示す組電池1aと、組電池1aを充電する充電器20(第1充電回路)とを備えた電池システム100aの電気的構成の一例を示す回路図である。
図7に示す組電池1aと図1に示す組電池1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図7に示す組電池1aは、電池ブロックB2が、4個のリチウムイオン二次電池2と、1個のニッケル水素二次電池3とが直列接続され、且つニッケル水素二次電池3がリチウムイオン二次電池2とは逆極性の方向に接続されて構成されている。
より具体的には、4個のリチウムイオン二次電池2のうち、2個のリチウムイオン二次電池2が直列接続されて、その正極側が接続端子4と接続され、負極側が第1スイッチング素子SW1を介してニッケル水素二次電池3の負極に接続されている。残りの2個のリチウムイオン二次電池2は、直列接続されてその正極側がニッケル水素二次電池3の正極と接続され、負極側が接続端子5と接続されている。
ここで、充電器20を用いて電圧Vcvで組電池1aを定電圧充電し、組電池1aの開路電圧が電圧Vcvと略等しくなると、電流値Ibが定電圧充電の終了条件として設定された充電終止電流以下になって、組電池1aが満充電になり、定電圧充電が終了する。このようにして定電圧充電を終了したとき(組電池1aが満充電になったとき)のリチウムイオン二次電池2のセルあたりの開路電圧を、リチウムイオン二次電池2の充電可能最大電圧とする。
このとき、充電器20の定電圧充電電圧Vcvを、14.5Vとして組電池1aの定電圧充電を行った場合、リチウムイオン二次電池2の一つあたりの充電電圧、すなわち充電可能最大電圧は、(14.5V+1.2V)/4=3.925Vとなる。
そして、リチウムイオン二次電池2を充電可能最大電圧まで充電したときの、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量を、リチウムイオン二次電池2の充電可能電荷量Cfrとする。さらに、ニッケル水素二次電池3の電池容量Cnは、充電可能電荷量Cfrより大きくされている。
このように構成された組電池1aを充電すると、4個のリチウムイオン二次電池2が充電される一方、ニッケル水素二次電池3は放電されることになる。
そこで、充電から組電池1aの使用を開始する場合は、初期状態A(放電初期状態)として、例えば組電池1aの製造時に各リチウムイオン二次電池2を、SOCが0%の状態にしておく一方、ニッケル水素二次電池3には、上述のリチウムイオン二次電池2の充電可能電荷量Cfrより多い電荷を充電しておく。このような初期状態Aから、組電池1aの使用(充電)を開始する。
一般的に非水系二次電池のセルはより高い安全性を得るため放電状態で出荷されることが多く、水溶液系二次電池は放電状態では性能が低下する可能性を懸念して充電状態で出荷されることが多いため、それらのセルが製造された状態のままで、接続板でそれぞれを連結することにより、組電池としては放電状態の電池ができあがるという利便性がある。
なお、最初に放電から使用を開始する場合(組電池1aが満充電になっている場合)、例えば組電池1aの製造時に下記の初期状態B(充電初期状態)にしておく。
まず、各リチウムイオン二次電池2を、上述の充電可能最大電圧まで充電し、各リチウムイオン二次電池2に上述の充電可能電荷量Cfrが充電されている状態にしておく。
一方、ニッケル水素二次電池3は、初期状態Bから満充電(ニッケル水素二次電池3のセル単体でのSOCが100%)にするまでに必要な電荷量が、上述のリチウムイオン二次電池2のセルあたりの充電可能電荷量Cfrより多くなるように、初期状態Bにおけるニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量が設定されている。
具体的には、ニッケル水素二次電池3の電池容量をCn、初期状態Bにおけるニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量をCbとすると、蓄電電荷量Cbは、下記の式(1)で表される。
Cb<Cn−Cfr ・・・(1)
また、組電池1aは、NTCサーミスタ7、ダイオードD、及び制御部9の代わりに蓄電電荷量調節部として、充電電流供給用抵抗R1,R2を備えている。そして、組電池1aは、第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2、電圧検出部31、及び切替制御部32をさらに備えている。
そして、第1スイッチング素子SW1とニッケル水素二次電池3との直列回路と並列に、第2スイッチング素子SW2が接続されている。さらに、接続端子4と、ニッケル水素二次電池3の正極との間に充電電流供給用抵抗R1が接続されている。これにより、充電電流供給用抵抗R1は、2個のリチウムイオン二次電池2と、1個のニッケル水素二次電池3とで構成される直列回路と並列に接続される。
また、接続端子5と、ニッケル水素二次電池3の負極との間に充電電流供給用抵抗R2が接続されている。これにより、充電電流供給用抵抗R2は、2個のリチウムイオン二次電池2と、1個のニッケル水素二次電池3とで構成される直列回路と並列に接続される。
電圧検出部31は、例えばアナログデジタルコンバータを用いて構成されており、接続端子4,5間の電圧、すなわち電池ブロックB2の端子電圧を検出し、その端子電圧値Vbをデジタル値に変換して切替制御部32へ出力する。
切替制御部32は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、その周辺回路等とを備えて構成されている。
そして、切替制御部32は、電圧検出部31によって検出された端子電圧値Vbが、予め設定された閾値電圧Vthを下回るとき、第1スイッチング素子SW1をオフ、第2スイッチング素子SW2をオンすることによりニッケル水素二次電池3を電池ブロックB2から切り離す。閾値電圧Vthは、例えば10.5Vに設定されている。
また、切替制御部32は、電圧検出部31によって検出された端子電圧値Vbが、予め設定された閾値電圧Vthを超えるとき、第1スイッチング素子SW1をオン、第2スイッチング素子SW2をオフすることによりニッケル水素二次電池3を電池ブロックB2に接続する。
その他の構成は図2に示す電池システム100と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の動作について説明する。
まず、組電池1aにおけるリチウムイオン二次電池2と、ニッケル水素二次電池3とが、初期状態Aにされている。
そして、電圧検出部31によって検出された端子電圧値Vbが、閾値電圧Vthを超えるとき、切替制御部32によって、第1スイッチング素子SW1がオン、第2スイッチング素子SW2がオフされている。そうすると、2個のリチウムイオン二次電池2、第1スイッチング素子SW1、ニッケル水素二次電池3、及び充電電流供給用抵抗R1による閉回路が形成される。
この場合、2個のリチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3とは、極性が逆方向となるように直列接続されているから、ニッケル水素二次電池3が、2個のリチウムイオン二次電池2によって、充電電流供給用抵抗R1を介して充電されることとなる。
具体的には、例えば、ニッケル水素二次電池3の端子電圧が1.2V、リチウムイオン二次電池2の端子電圧が4.0V、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値が1kΩの場合、充電電流供給用抵抗R1には、4.0V×2−1.2V=6.8V の電圧が印加され、6.8mAの電流が2個のリチウムイオン二次電池2からニッケル水素二次電池3へ充電される。
同様に、ニッケル水素二次電池3、2個のリチウムイオン二次電池2、及び充電電流供給用抵抗R2による閉回路において、6.8mAの電流が2個のリチウムイオン二次電池2からニッケル水素二次電池3へ充電される。そうすると、ニッケル水素二次電池3には、6.8mA×2=13.6mAの充電電流が流れる。
そうすると、各リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)の蓄電電荷量が減少し、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)の蓄電電荷量が増大する結果、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量が、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節される。
具体的には、各リチウムイオン二次電池2(非水系二次電池)の蓄電電荷量の減少をQdeとしたときに、その二倍の速度で、ニッケル水素二次電池3(水溶液系二次電池)の蓄電電荷量が増大し、その増大量が2×Qdeとなる結果、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量 Qnt+2×Qdeが、リチウムイオン二次電池2の充電可能蓄電電荷量 Cfr−Qrt−Qdeよりも相対的に増加する方向に向かうことになる。
この場合、充電電流供給用抵抗R1,R2が、蓄電電荷量調節部の一例に相当している。そして、充電電流供給用抵抗R1,R2によるリチウムイオン二次電池2の放電電荷量とニッケル水素二次電池3の充電電荷量との合計(Qde=2×Qde−Qde)が、上述のようなニッケル水素二次電池3の自己放電量や充放電の繰り返しに伴う蓄電電荷量の減少量と実質的に、略等しくなるように、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値を設定しておく。
充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値は、組電池1aの使われ方に応じて抵抗値が適宜設定されることが望ましい。組電池1aが頻繁に充放電されるような用途では、充放電の都度、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3との充電効率の差によってニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量がリチウムイオン二次電池2よりも少なくなり、蓄電電荷量のバランスが崩れてしまう。
そのため、組電池1aが頻繁に充放電されるような用途では、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3とのセルあたりの蓄電電荷量のバランスを維持するためには、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値を小さくしてリチウムイオン二次電池2からニッケル水素二次電池3への充電電流を増大させることが望ましい。
一方、組電池1aの充放電の頻度が少ない場合やほとんど充放電されない場合、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値が小さいと、ニッケル水素二次電池3の蓄電電荷量がリチウムイオン二次電池2よりも増大してバランスが崩れ、蓄電電荷量の差が増大してしまうおそれがある。従って、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値を大きくしてリチウムイオン二次電池2からニッケル水素二次電池3への充電電流を減少させることが望ましい。
具体的には、例えば、ニッケル水素二次電池3の電池公称容量が2000mAhであって、かつ1時間の休止を挟んで充放電のサイクルが繰り返される場合、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値は約1kΩであることが好ましい。この場合、1時間の休止時間に充電されれば13.6mAhの充電電気量となる。
また、例えば、ニッケル水素二次電池3の電池公称容量が2000mAhであって、かつ一日に1回だけ充放電サイクルが繰り返される場合、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値は約24kΩであることが好ましい。この場合、上記各閉回路において、0.283mAずつの電流がリチウムイオン二次電池からニッケル水素二次電池に充電される。
従って、ニッケル水素二次電池3の充電電流は、0.283mA×2=0.567mAとなり、24時間充電されれば13.6mAhの充電電気量となる。
ここで、リチウムイオン二次電池は、一回の充放電で入力電気量Ahに対する出力電気量Ahの比率である充電効率が、ほぼ100%である。一方、ニッケル水素二次電池の充電効率は99.5%程度である。そうすると、この充電効率の差である0.5%によって、一回の充放電で生じる蓄電電荷量の差は、2000mAhの0.5%である10mAhとなる。
このとき、1時間におけるニッケル水素二次電池の自己放電はわずかであるから、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値を約1kΩとし、1時間の休止時間に13.6mAhの充電を行うようにすれば、充電効率の差により生じるリチウムイオン二次電池とニッケル水素二次電池との間での蓄電電荷量の差を、実質的にほぼ補うことができる。なお、「実質的に」とは、実用的に許容できる程度の誤差範囲を含む意味である。
同様に、24時間におけるニッケル水素二次電池の自己放電はわずかであるから、充電電流供給用抵抗R1,R2の抵抗値を約24kΩとし、24時間で13.6mAhの充電を行うようにすれば、充電効率の差により生じるリチウムイオン二次電池とニッケル水素二次電池との間での蓄電電荷量の差をほぼ補うことができる。
このようにして、上述の初期状態A、及び初期状態Bのいずれか一方から、組電池1aの使用が開始され、充放電が繰り返されると、充電電流供給用抵抗R1,R2(蓄電電荷量調節部)によって、充電効率の差や自己放電により生じる蓄電電荷量の差がほぼ補われるようにリチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量とニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量との関係が調節される結果、使用期間中のあるタイミングtにおける、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとの間には、常時、下記の式(2)、(3)で示される関係が維持されることになる。
Cfr−Qrt < Qnt ・・・(2)
Qrt < Cn−Qnt ・・・(3)
ここで、Cfr:リチウムイオン二次電池2のセルあたりの充電可能電荷量
Cn:ニッケル水素二次電池3のセルあたりの電池容量
であり、さらにCfr−Qrtは、現時点からリチウムイオン二次電池2に充電可能な電荷量を示し、Cn−Qntは、現時点からニッケル水素二次電池3に充電可能な電荷量を示している。
なお、組電池1aは、必ずしも上述の初期状態A、及び初期状態Bのいずれか一方から使用開始される例に限られない。初期状態A,Bは、式(2)、(3)を満たす状態の一例であって、リチウムイオン二次電池2及びニッケル水素二次電池3が、式(2)、(3)を満たす蓄電電荷量Qrt,Qntに充電された状態を初期状態として、使用(充放電)が開始されてもよい。
また、図2に示す組電池1の場合と同様、充電電流供給用抵抗R1,R2の代わりにNTCサーミスタを用いることで、温度によるニッケル水素二次電池3の自己放電量の増減に応じて、ニッケル水素二次電池3の充電量を増減させることができる結果、過剰にニッケル水素二次電池3を充電させてしまうおそれを低減することができる。
図8は、図7に示す電池システム100aにおいて、組電池1aを定電流定電圧(CCCV)充電した場合の、充電時間と、接続端子4,5間の電圧(すなわち組電池1aの端子電圧値Vbであって、かつ充電器20の出力電圧)である端子電圧値Vbと、4個のリチウムイオン二次電池2の端子電圧を合計した電圧Vrとの関係の一例を示したグラフである。横軸が充電時間、縦軸が電圧値を示している。
まず、使用期間中のあるタイミングtにおいて、充電器20から一定の電流値Ibが組電池1aへ出力され、組電池1aの定電流充電が開始される。そうすると、ニッケル水素二次電池3はリチウムイオン二次電池2とは逆の極性方向、すなわち組電池1aと逆の極性方向に接続されているため、各リチウムイオン二次電池2は電流値Ibで充電される一方、ニッケル水素二次電池3は電流値Ibで放電される。
ここで、上述したように、組電池1aは、充電電流供給用抵抗R1,R2(蓄電電荷量調節部)の働きによって、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとは、式(2)の関係を有している。
そして、各リチウムイオン二次電池2の端子電圧は充電に伴い上昇する一方、ニッケル水素二次電池3の端子電圧は、わずかしか低下せず、ほとんど一定のまま放電される。そのため、4個のリチウムイオン二次電池2の端子電圧の合計電圧Vrは、充電器20の出力電圧にニッケル水素二次電池3の端子電圧が加算された電圧となる。そして、リチウムイオン二次電池2の充電に伴い、組電池1aの端子電圧値Vbが上昇する。
そして、電圧センサ21によって検出された端子電圧値Vbが14.5Vに達すると(タイミングT11)、制御部24によって、定電流充電から定電圧充電に切替られる。そして、制御部24からの制御信号に応じて、充電電流供給回路23によって、接続端子4,5間に14.5Vの一定の電圧が印加されて定電圧充電が実行される。
そうすると、14.5Vの定電圧充電によって、リチウムイオン二次電池2のSOCが増大するにつれて、電流値Ibが減少する。
これによって、電池システム100aにおいて、例えば充電電圧を14.5Vとして組電池1aの定電圧充電を行った場合、リチウムイオン二次電池2の一つあたりの充電電圧は、(14.5V+1.2V)/4=3.925Vとなり、上述したようにリチウムイオン二次電池を四個直列接続した場合におけるリチウムイオン二次電池一個あたりの充電電圧3.63Vより、リチウムイオン二次電池2の充電電圧を上昇させることができる。
すなわち、リチウムイオン二次電池の満充電状態における開放電圧である4.2Vに、4を乗じて得られる電圧16.8Vよりも、リチウムイオン二次電池の満充電状態における開路電圧である4.2Vに4を乗じた電圧からニッケル水素二次電池の放電時における閉路電圧1.2Vを差し引いた合計電圧である15.6Vの方が、鉛蓄電池用の充電電圧14.5Vとの差が小さくなる。
また、上記合計電圧は、鉛蓄電池用の充電電圧14.5V以上にされているので、鉛蓄電池用の充電電圧が接続端子4,5間に印加された場合に、一つあたりのリチウムイオン二次電池2に印加される充電電圧が4.2V以下となる結果、リチウムイオン二次電池2の劣化を低減することができると共に、安全性が損なわれるおそれを低減することができる。
そして、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfr以上になって、電流センサ22によって検出された電流値Ibが、予め定電圧充電の終了条件として設定された充電終止電流以下になると、制御部24によって、14.5Vの定電圧充電において充電可能な最大のSOCに近いSOCまでリチウムイオン二次電池2が充電されたと判断される。そして、制御部24からの制御信号に応じて、充電電流供給回路23の出力電流がゼロにされて充電が終了する(タイミングT12)。
このとき、もし仮に、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが、式(2)の関係を有していなかった場合、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfr以上になって定電圧充電が終了する前に、ニッケル水素二次電池3が蓄電電荷量Qntをすべて放電してしまい、それ以上組電池1aを充電できなくなってリチウムイオン二次電池2の充電が不十分になったり、ニッケル水素二次電池3に過放電が生じたりするおそれがある。
しかしながら、図7に示す組電池1aは、充電電流供給用抵抗R1,R2(蓄電電荷量調節部)の働きによって、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが式(2)の関係を有するようにその蓄電容量が調節されているので、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfrに達して定電圧充電が終了するときには、まだニッケル水素二次電池3には蓄電電荷が残ることになる。
これにより、リチウムイオン二次電池2の充電が不十分になったり、ニッケル水素二次電池3に過放電が生じたりするおそれを低減することができる。
次に、組電池1aの放電時の動作について、説明する。図9は、図7に示す電池システム100aにおいて、組電池1aを放電した場合の、充電時間と、接続端子4,5間の電圧(すなわち組電池1aの端子電圧値)である端子電圧値Vbと、4個のリチウムイオン二次電池2の端子電圧を合計した電圧Vrとの関係の一例を示したグラフである。横軸が充電時間、縦軸が電圧値を示している。
まず、使用期間中のあるタイミングtにおいて、組電池1aの放電が開始される。そうすると、ニッケル水素二次電池3はリチウムイオン二次電池2とは逆の極性方向、すなわち組電池1aと逆の極性方向に接続されているため、各リチウムイオン二次電池2は電流値Ibで放電される一方、ニッケル水素二次電池3は電流値Ibで充電される。
ここで、上述したように、組電池1aは、充電電流供給用抵抗R1,R2(蓄電電荷量調節部)の働きによって、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとは、式(3)の関係を有している。
そして、各リチウムイオン二次電池2の端子電圧は放電に伴い低下する一方、ニッケル水素二次電池3の端子電圧は、わずかしか上昇せず、ほとんど一定のまま充電される。そのため、4個のリチウムイオン二次電池2の端子電圧の合計電圧Vrは、充電器20の出力電圧にニッケル水素二次電池3の端子電圧が加算された電圧となる。そして、リチウムイオン二次電池2の放電に伴い、組電池1aの端子電圧値Vbが低下する。
このとき、もし仮に、タイミングtにおいてリチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが、式(3)の関係を有していなかった場合、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量がまだ残っているにもかかわらず、先にニッケル水素二次電池3が満充電になって組電池1aに電流が流せなくなったり、ニッケル水素二次電池3が満充電になった後も充電されて過充電になったりするおそれがある。
しかしながら、図7に示す組電池1aは、充電電流供給用抵抗R1,R2(蓄電電荷量調節部)の働きによって、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが式(3)の関係を有するようにその蓄電容量が調節されているので、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量がまだ残っているにもかかわらず、先にニッケル水素二次電池3が満充電になることがない。
これにより、放電時にリチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量がまだ残っているにもかかわらず組電池1aに電流が流せなくなったり、ニッケル水素二次電池3が満充電になった後も充電されて過充電になったりするおそれが低減される。
そして、電圧センサ21によって検出された端子電圧値Vbが、閾値電圧Vth(例えば10.5V)以下になると、切替制御部32によって、第1スイッチング素子SW1がオフされ、第2スイッチング素子SW2がオンされる(タイミングT21)。
そうすると、電池ブロックB2からニッケル水素二次電池3が切り離されて、組電池1aの端子電圧値Vbが4個のリチウムイオン二次電池2の端子電圧を合計した電圧Vrと等しくなる。すなわち、端子電圧値Vbがニッケル水素二次電池3の端子電圧の分だけ、上昇することになる。
これにより、例えば端子電圧値Vbが所望の閾値電圧Vthを下回るときは、切替制御部32によって、ニッケル水素二次電池3が電池ブロックB2から切り離され、組電池1aの端子電圧値Vbを上昇させて、さらに所望の端子電圧以上の電圧を確保することが容易となる。
この場合、必ずしも放電によって端子電圧値Vbが閾値電圧Vthを下回る場合に限らず、例えば組電池1aが低温になったことによって端子電圧値Vbが低下した場合であっても、切替制御部32によって、ニッケル水素二次電池3を電池ブロックB2から切り離すことで、組電池1aの端子電圧値Vbを上昇させることができる。
なお、閾値電圧Vthは、10.5Vに限られず、所望の電圧を設定すればよい。
また、第1スイッチング素子SW1をオフ、第2スイッチング素子SW2をオンした後、端子電圧Vb<Vthならば、第2スイッチング素子SW2をオフして放電を停止させてもよい。このとき、もし端子電圧Vb>Vth+2.0Vならば、第2スイッチング素子SW2をオフした後、第1スイッチング素子SW1をオンして復帰させてもよい。第1スイッチング素子SW1、及び第2スイッチング素子SW2が共にオフされた状態から充電が開始されると、第1スイッチング素子SW1をオンして初期状態に戻す。
また、第1スイッチング素子SW1、及び第2スイッチング素子SW2が共にオンされた状態が継続するときには、短絡異常としてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電池システム100bについて説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る電池システム100bの電気的構成の一例を示す回路図である。図10に示す電池システム100bは、組電池1bと、組電池1bを充電する充電器20(第1充電回路)とを備えている。
図10に示す組電池1bと図7に示す組電池1aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図10に示す組電池1bは、電池ブロックB3に含まれる4個のリチウムイオン二次電池2が直列接続されて、その負極側が接続端子5と接続され、その正極側が、ニッケル水素二次電池3の正極と接続されている。
そして、ニッケル水素二次電池3の負極が、第1スイッチング素子SW1を介して接続端子4と接続されている。さらに、ニッケル水素二次電池3と第1スイッチング素子SW1との直列回路と並列に、第2スイッチング素子SW2が接続されている。
また、充電電流供給用抵抗R1,R2の代わりに、蓄電電荷量調節部として充電回路33を備えている。充電回路33は、例えばスイッチング電源回路や定電圧回路等を用いて構成されており、4個のリチウムイオン二次電池2からの電力供給を受けて、ニッケル水素二次電池3へ充電電流を供給する。
この場合、充電回路33が4個のリチウムイオン二次電池2から供給を受ける放電電荷量と、充電回路33からニッケル水素二次電池3へ供給される充電電荷量との合計が、上述のようなニッケル水素二次電池3の自己放電量や充放電の繰り返しに伴う蓄電電荷量の減少量と実質的に、略等しくなるように、充電回路33の動作が設定されている。
このように構成された組電池1bを用いた電池システム100bは、図7に示す電池システム100aと同様、充電から組電池1bの使用を開始する場合は初期状態A、最初に放電から使用を開始する場合は初期状態Bから使用を開始することで、充電回路33(蓄電電荷量調節部)の働きによって、タイミングtにおいて、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが、式(2)、(3)の関係を有する。
そうすると、組電池1aの場合と同様の動作により、組電池1bの充電時に、リチウムイオン二次電池2の充電が不十分になったり、ニッケル水素二次電池3に過放電が生じたりするおそれを低減することができ、組電池1bの放電時に、リチウムイオン二次電池2の蓄電電荷量がまだ残っているにもかかわらず組電池1bが放電できなくなくなったり、ニッケル水素二次電池3が満充電になった後も充電されて過充電になったりするおそれが低減される。
また、電圧の高いリチウムイオン二次電池2から、電圧の低いニッケル水素二次電池3へ電力を供給して充電するので、充電回路33の消費電力を考慮しても、リチウムイオン二次電池2からの放電電流よりもニッケル水素二次電池3の充電電流を大きくすることが容易となる。従って、リチウムイオン二次電池2の蓄電電気量の減少を最小に抑えて、ニッケル水素二次電池3に充電をすることが容易となる。
組電池1b全体の蓄電電気量は、4個のリチウムイオン二次電池2の蓄電電気量と一致するので、リチウムイオン二次電池2の蓄電電気量の減少を抑制することは、組電池1b全体での蓄電電気量の減少を抑制することにつながる。
なお、充電回路33は、4個のリチウムイオン二次電池2のみからの電力供給を受けてニッケル水素二次電池3へ充電電流を供給する例に限られず、電池ブロックB3全体から電力供給を受けてニッケル水素二次電池3へ充電電流を供給する構成であってもよい。
また、図11に示す組電池1cのように、組電池1cは充電回路33を備えず、代わりに、4個のリチウムイオン二次電池2の直列回路及び1個のニッケル水素二次電池3のうちいずれか一方の両端を外部に接続するための接続端子54を蓄電電荷量調節部として備える構成としてもよい。
そして、充電器20cが、接続端子4,54を介してニッケル水素二次電池3へ充電回路33と同様の充電電流を供給する充電回路25(第2充電回路)を備えるようにしてもよい。あるいは、充電回路25(第2充電回路)は、接続端子5,54を介して4個のリチウムイオン二次電池2へ、充電回路33と同様の充電電流を供給する充電回路であってもよい。
ニッケル水素二次電池3がリチウムイオン二次電池2と逆方向に接続されている場合、上述の式(2)、及び式(3)で示す関係が維持されるように、リチウムイオン二次電池2のセルあたりの蓄電電荷量Qrtと、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntとが調節されればよい。ここで、ニッケル水素二次電池3のセルあたりの蓄電電荷量Qntが自己放電や低充電効率に起因して減少した場合、式(2)、及び式(3)を満たすためには、ニッケル水素二次電池3を充電して蓄電電荷量Qntを増加させるか、あるいはリチウムイオン二次電池2を充電して蓄電電荷量Qrtを増加させればよい。
また、鉛蓄電池の出力電圧は、12V、24V、48Vというように、12Vの倍数のものが存在し、このような鉛蓄電池を充電する充電回路の充電電圧もまた、14.5V(〜15.5V)の倍数となる。そこで、ニッケル水素二次電池1個とリチウムイオン二次電池4個とを、ニッケル水素二次電池を逆向きにして直列接続した電池ブロックを1ユニット(一単位)とし、充電回路の充電電圧に応じてこのユニット数を増減することで、ニッケル水素二次電池の個数とリチウムイオン二次電池の個数とを1:4の比率にすれば、鉛蓄電池の出力電圧が12Vの場合と同様に、組電池の充電電圧を充電回路の出力電圧と適合させることができる結果、このような充電回路によって組電池1a,1bを充電する際の充電終了時のSOCを増大することができる。
このように構成されたユニットを基本単位として、起電力、あるいは電池容量などの要望に合わせて、数ユニットを直列及び並列、あるいは、直並列に接続し、組電池とすることも可能である。
また、図7、図10に示す組電池1a,1bと同様、電圧検出回路8や制御部9を備えてもよく、この場合、スイッチング素子11、及び抵抗12を備えず、スイッチング素子11をオンさせる代わりに第1スイッチング素子SW1をオフさせることで過充電を防止するようにしてもよい。
なお、充電器20は、鉛蓄電池用の充電回路に限らない。組電池1,1a,1bは、リチウムイオン二次電池2とニッケル水素二次電池3との個数を適宜、設定することにより、任意の充電電圧で定電圧充電を行う充電回路で充電される組電池に適用することができる。
図7に示す組電池1aにおいて、充電電流供給用抵抗R1,R2を取り付けた場合と取り外した場合とで、充放電サイクルを繰り返した場合の組電池1aの放電容量の変化を実験的に測定した。その測定結果を図12に示す。
リチウムイオン二次電池2としてはパナソニック(株)製CGR26650 4S、ニッケル水素二次電池3としてはパナソニック(株)製HHR300SCP 2P1Sを用いた。
図12において、横軸はサイクル数(回)、縦軸は放電容量(単位:Ah)を示している。図12に示すように、充電電流供給用抵抗R1,R2がないと、充電効率の差により蓄電電荷量のバランスがくずれ、100サイクルあたりから組電池1a全体の放電可能な容量が低下する。しかしながら充電電流供給用抵抗R1,R2を取り付けた場合、ニッケル水素二次電池3がリチウムイオン二次電池2により充電されているために完全放電にいたることもなく、蓄電電荷量の良好なバランスが保たれることが確認できた。
リチウムイオン二次電池2としてパナソニック(株)製CGR18650DA(電池容量2.45Ah)、ニッケル水素二次電池3としてパナソニック(株)製HHR260SCP(電池容量2.6Ah)、もしくは、パナソニック(株)製HHR200SCP(電池容量2.1Ah)を用いて、図13に示す本発明に係るサンプル1,2、および本発明とは異なる比較例2,3の組電池を作成した。また、比較例1には、鉛蓄電池としてパナソニック(株)製LC−P122R2J(電池容量2.2Ah)を用いた。
(サンプル1)
図2に示す組電池1において、NTCサーミスタ7とダイオードDとを備えず、電圧検出回路8、及び制御部9のみを蓄電電荷量調節部として用いた。そして、リチウムイオン二次電池2としてパナソニック(株)製CGR18650DA(電池容量2.45Ah)を3セルと、ニッケル水素二次電池3としてパナソニック(株)製HHR260SCP(電池容量2.6Ah)を2セルの計5セルを直列に接続し、電圧検出回路8、及び制御部9(電池電圧監視用の保護回路)の消費電力は専らCGR18650DA(電池容量2.45Ah)の3セルのみから供給する構成とした。
(サンプル2)
図7に示す組電池1aにおいて、第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2、電圧検出部31、及び切替制御部32を備えない構成とした。
そして、リチウムイオン二次電池2としてパナソニック(株)製CGR18650DA(電池容量2.45Ah)を4セルと、ニッケル水素二次電池3としてパナソニック(株)HHR260SCP(電池容量2.6Ah)を1セルの計5セルを、HHR260SCPのみ逆極性として直列に接続した。また、充電電流供給用抵抗R1,R2は、1kΩとした。
(比較例1)
鉛蓄電池としてパナソニック(株)製LC−P122R2J(電池容量2.2Ah)1セルを比較例1の組電池とした。
(比較例2)
サンプル1において、電圧検出回路8、及び制御部9(電池電圧監視用の保護回路)の消費電力を、5セルからなる電池ブロックB1全体から供給するようにした。
(比較例3)
CGR18650DA(電池容量2.45Ah)を3セルとHHR200SCP(電池容量2.1Ah)を2セルの計5セルを直列接続したものを、比較例3の組電池とした。
これら(サンプル1)、(サンプル2)、及び(比較例1)〜(比較例3)の組電池に対して、定電流充電における充電電流1A、定電圧充電における充電電圧14.5V、充電終止電流0.1Aの条件で定電流定電圧充電を行った後、定電流1Aで10Vまで放電した場合の、体積当たりの電池エネルギー密度、重量当たりの電池エネルギー密度を測定した。また、上記充放電を300回繰り返した後の体積当たりの電池エネルギー密度、重量当たりの電池エネルギー密度を測定し、図13に示した。
図13に示すように、電圧検出回路8、及び制御部9の消費電力をリチウムイオン二次電池からのみの供給とした本発明に係る(サンプル1)の組電池や、非水系二次電池から水溶液系二次電池を 充電するように閉回路を設けた本発明に係る(サンプル2)では、比較例1の鉛蓄電池と比較すると初期および300サイクル後のエネルギー密度は充分に大きく、軽量化、コンパクト化が可能である。また、(比較例2)や(比較例3)の組電池と、比較しても初期および300サイクル後のエネルギー密度は、高くなる。
以上のように、本発明に係る組電池によれば、例えば鉛蓄電池の代替として充電回路を変更することなく容易に車両に搭載可能な、軽量、コンパクトで繰り返し使用での劣化の少ない組電池を提供することができる。
本発明は、二輪車や四輪車その他工事車両等の車載用のバッテリとして用いられる組電池や、UPSなどのバックアップ電源、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両等の電源として用いられる組電池として好適に利用することができる。また、このような組電池を用いた電池システムとして好適である。
1,1a,1b 組電池
2 リチウムイオン二次電池
3 ニッケル水素二次電池
4,5 接続端子
6 筐体
7 NTCサーミスタ
8 電圧検出回路
9 制御部
12,13 抵抗
20,20c 充電器
21 電圧センサ
22 電流センサ
23 充電電流供給回路
24 制御部
25,33 充電回路
31 電圧検出部
32 切替制御部
100,100a,100b,100c 電池システム
B1,B2,B3 電池ブロック
D ダイオード
Ib 電流値
R1,R2 充電電流供給用抵抗
SW1,SW2 スイッチング素子
Vb 端子電圧値
Vth 閾値電圧

Claims (25)

  1. 非水系二次電池と水溶液系二次電池とが直列に接続された電池ブロックと、
    前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が、前記水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量よりも相対的に減少する方向に向かうように、当該非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と当該水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節する蓄電電荷量調節部と
    を備えることを特徴とする組電池。
  2. 前記蓄電電荷量調節部は、
    前記非水系二次電池と前記水溶液系二次電池とにおける充電効率の差、及び前記水溶液系二次電池の自己放電によって生じる前記水溶液系二次電池の蓄電電荷量の減少を、実質的に補うように、前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量と前記水溶液系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量との関係を調節すること
    を特徴とする請求項1記載の組電池。
  3. 前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は3:2であり、
    前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、同一極性方向に直列接続されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の組電池。
  4. 前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は3:1であり、
    前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、同一極性方向に直列接続されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の組電池。
  5. 前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとは、逆極性の方向に直列接続されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の組電池。
  6. 前記電池ブロックにおける、前記非水系二次電池のセル数と前記水溶液系二次電池のセル数との比率は4:1であること
    を特徴とする請求項5記載の組電池。
  7. 前記電池ブロックを所定の充電電圧で満充電になるまで充電したときの前記非水系二次電池のセルあたりの蓄電電荷量が充電可能電荷量Cfrであり、前記水溶液系二次電池のセルあたりの電池容量がCnであるとき、当該非水系二次電池の所定のタイミングにおけるセルあたりの蓄電電荷量Qrt、及び当該水溶液系二次電池の前記タイミングにおけるセルあたりの蓄電電荷量Qntが、下記の式(A)及び式(B)で示す関係を満たすように、設定されていること
    Cfr−Qrt < Qnt ・・・(A)
    Qrt < Cn−Qnt ・・・(B)
    を特徴とする請求項5又は6記載の組電池。
  8. 前記蓄電電荷量調節部は、
    前記非水系二次電池と並列に接続された抵抗体を用いて構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組電池。
  9. 前記抵抗体は、
    NTCサーミスタであること
    を特徴とする請求項8記載の組電池。
  10. 前記抵抗体と直列に接続されたダイオードをさらに備え、
    前記抵抗体と前記ダイオードとの直列回路が前記非水系二次電池と並列に接続されており、
    前記ダイオードは、並列に接続された非水系二次電池の放電方向が順方向になる向きに接続されていること
    を特徴とする請求項8又は9に記載の組電池。
  11. 前記非水系二次電池と前記水溶液系二次電池とのうち少なくとも一方における、充電及び放電のうち少なくとも一方を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部の動作用電力を、前記非水系二次電池から供給することにより、当該制御部を前記蓄電電荷量調節部として用いること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組電池。
  12. 前記電池ブロックにおいて最もマイナス側に接続されたセルは前記非水系二次電池であり、当該非水系二次電池の負極が、組電池のグラウンド端子と同電位にされていること
    を特徴とする請求項11記載の組電池。
  13. 前記蓄電電荷量調節部は、
    前記電池ブロックに含まれる非水系二次電池及び水溶液系二次電池のうち少なくとも一部から、前記水溶液系二次電池の充電電流を供給する充電回路を用いて構成されていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組電池。
  14. 前記充電回路は、
    前記非水系二次電池からの電力供給に基づき、前記水溶液系二次電池の充電電流を生成すること
    を特徴とする請求項13記載の組電池。
  15. 前記蓄電電荷量調節部は、
    前記電池ブロックにおける前記非水系二次電池のセルと前記水溶液系二次電池のセルとを、2対1の割合で含む直列回路と並列に接続された充電電流供給用抵抗を用いて構成されていること
    を特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の組電池。
  16. 前記充電電流供給用抵抗の抵抗値は、1kΩ〜100kΩであること
    を特徴とする請求項15記載の組電池。
  17. 前記電池ブロックの両端間の電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部によって検出された電圧が、予め設定された閾値電圧を下回るとき、前記電池ブロックに含まれる水溶液系二次電池を当該電池ブロックから切り離す切替回路をさらに備えること
    を特徴とする請求項5〜7、15、及び16のいずれか1項に記載の組電池。
  18. 前記切替回路は、
    前記水溶液系二次電池と直列に接続された第1スイッチング素子と、
    前記水溶液系二次電池と第1スイッチング素子との直列回路と並列に接続された第2スイッチング素子と、
    前記第1スイッチング素子をオフ、前記第2スイッチング素子をオンすることにより前記水溶液系二次電池を前記電池ブロックから切り離し、前記第1スイッチング素子をオン、前記第2スイッチング素子をオフすることにより前記水溶液系二次電池を前記電池ブロックに接続する切替制御部とを含むこと
    を特徴とする請求項16記載の組電池。
  19. 前記水溶液系二次電池は、ニッケル水素二次電池であること
    を特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の組電池。
  20. 前記非水系二次電池は、リチウムイオン二次電池であること
    を特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の組電池。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の組電池と、
    予め設定された一定の充電電圧を前記組電池の電池ブロックへ供給する第1充電回路と
    を備えることを特徴とする電池システム。
  22. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組電池と、
    予め設定された一定の充電電圧を前記組電池の電池ブロックへ供給する第1充電回路と、
    前記水溶液系二次電池の充電電流を供給する第2充電回路とを備え、
    前記蓄電電荷量調節部は、前記水溶液系二次電池の充電電流を前記第2充電回路から受電する接続端子であること
    を特徴とする電池システム。
  23. 前記充電電圧の値が、実質的に14.5Vの整数倍であること
    を特徴とする請求項21又は22に記載の電池システム。
  24. 前記充電電圧の値が、実質的に13.7Vの整数倍であること
    を特徴とする請求項21又は22に記載の電池システム。
  25. 非水系二次電池と水溶液系二次電池とが、互いに逆極性の方向に直列に接続された電池ブロックと、
    予め設定された一定の充電電圧を前記電池ブロックへ供給する第1充電回路と、
    前記非水系二次電池の充電電流を供給する第2充電回路と、
    前記充電電流を前記第2充電回路から受電し、前記非水系二次電池へ供給する接続端子と
    を備えることを特徴とする電池システム。
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