JP2011016951A - 光拡散接着シート、光拡散導光シート及びキーシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 ごく限られた光源からの光、特にシート側方からの光を良好に拡散させることにより固定する透光性部材を好適に視認でき、かつ固定した透光性部材のクリック感を好適に保持できる透光性部材固定用の光拡散シートおよび導光シートを提供する。
【解決手段】 導光シート上に設けられる接着シートであって、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層を有し、接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率が75%以上であり、拡散透過率が、5〜35%である光拡散接着シートにより、光源が小さい場合や、光源の位置が限られた位置に光源が配されることにより側方等の限定された方向から光が照射される場合においても、光固定する透光性部材に好適に導光できるため、固定する透光性部材の視認性を好適に確保できる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、携帯電話や携帯情報端末等のボタン操作部に使用されるキートップ等の透光性部材を、シート側方からのバックライト光を伝播させる導光シート上に固定する接着シート、導光シート上に当該接着シートが設けられた光拡散導光シート、および、当該光拡散導光シート上にキートップが設けられたキーシートに関する発明である。
携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン、各種キーボードなどには、入力操作に使用するキーシートが利用されている。このキーシートには、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、PETなどの樹脂を用いたフィルムからなるベース部(以降、ベースシートと表現する)に接着剤を塗布し、ポリカーボネート(以降、PCと表現する)樹脂のような硬質樹脂を成形して得たキートップ部を該接着剤によって接着してベース部に固着した構造が使用されている。そして、キートップ部には、入力要素として文字や数字や記号などが表示されており、キートップ部を押圧するとベース部が該押圧方向へ撓んで、ベースシートの下方に位置する導電接点が導通して、表示されている文字等の所定の入力がなされる。
しかし、前記例示した構成においては、部材を固定する接着剤が液状のため、接着目的とする部分とは異なる部位に接着剤が付着したり、ダレが生じたりする場合があり、キーシートの意匠性が悪化する問題があった。また、例えば携帯電話用キーシートのように、キートップ同士を互いに隣接した位置に接着させなければならない場合には、キートップ同士をそれぞれ正確な位置に接着するのは容易ではなく、部品を配する位置や固定部の面積が異なる多数の機種やモデルを有する携帯電子端末においては、これら機種毎に接着剤の塗布条件や位置決め設定を調整することは工程上煩雑であった(特許文献1参照)。
また、キートップ部の接着固定には粘着テープや熱接着シートのような、両面接着シートも使用される。このような両面接着シートを使用する場合には、当該両面接着シートを、キートップの固定用に狭面積で多数の両面接着シート部分を狭間配置させるように抜き加工して、固定するキートップの位置に準じて接着シート部分を島ノコシして加工して用いることができる。このような両面接着シートを用いることで、接着目的とする部分を位置精度良く固定することができるだけでなく、接着剤を使用する場合よりも厚み精度良く固定することができることから、部品固定用の両面接着シートの使用が検討されている。
一方、携帯電話や小型情報端末などに使用されるキーシートの内側(下方)には、電極およびタクトバネが回路基板上に配設されたキースイッチモジュールが設けられている。近年の携帯電話や小型情報端末などでは、LED光源と、光拡散機能を付与した導光シートがキースイッチモジュールに装備されており、光源から発せられた光が導光シートを均一に照射し、キーシートの内側から透光性のキートップを発光照明させるので、夜間や薄暗い場所等でも容易に押すべきキーを確認して操作することができる(特許文献2参照)。
このような導光シートは、シートの側方等の限られた部位に設けられる光源からの弱い光を好適に拡散させ、キートップ等の透光性部材の視認性を確保する必要があるため、隙間配置されたキートップの位置にあわせて部分的に導光シート表面に凹凸をつけるなどして光拡散機能が付与されている。
しかし、通常使用される導光シートは、厚みが100〜200μmと厚膜でフィルムにコシがあり、また、キーシートに組み込まれているベースシートと、キースイッチモジュールに設置されているタクトバネとの中間層に導光シートが設置されるため、キートップを押圧した際に、押圧したことを本人が認識しやすい感触(以降、クリック感と表現する)が導光シートにより低下することがあった。
また、均一な厚みのシートでない部材、たとえばタクトスイッチをスムーズに押圧するための押し子材などが、導光シートとキートップとの中間層に設置されている場合には、光源から発せられた光を導光シートで光拡散しキートップを発光照明発した際に、中間層に設置された部材の輪郭がキートップ表面に映り込み、意匠性が損なわれるという課題があった。
特開2003−231865号公報 特開2004−69751号公報
本発明が解決しようとする課題は、ごく限られた光源からの光、特にシート側方からの光を良好に拡散させることにより固定する透光性部材を好適に視認でき、かつ固定した透光性部材のクリック感を好適に保持できる透光性部材固定用の光拡散シートおよび導光シートを提供することにある。さらに本発明が解決しようとする課題は、光源からの微弱な光によっても好適な視認性を有し、キートップの押圧時に好適なクリック感を確保できると共に、携帯電話や小型情報端末を簡易に構成可能なキーシートを提供することにある。
本発明は、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層を有し、前期接着剤層を含む両面接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率と拡散透過率が特定の範囲になるようにシート化することで作成されるキートップ固定に用いる光拡散接着シートを提供する。
すなわち、本発明は、導光シート上に設けられる接着シートであって、前記接着シートが透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層を有し、前記接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率が75%以上であり、拡散透過率が、15〜35%である光拡散接着シートを提供する。
本発明の光拡散接着シートを導光シート上に隙間配置することで、同様に隙間配置したキートップと導光シートとを本発明の光拡散接着シートを用いて接着固定することができる。本発明は、前記のように本発明の光拡散接着シートを用いて接着固定された導光シートの側面から光源を発光照射した場合に、導光シートを介して本発明の光拡散接着シートに導入された光を均一に拡散し、キートップを内側から均一に照光することを特徴とする。
前記、キートップ/本発明の光拡散接着シート/導光シートの構成物において、ベースシートを兼ねて導光シートを用いることにより、前記構成のままキーシートに組み込むことが可能になる。
本発明の光拡散接着シートによれば、光源が小さい場合や、光源の位置が限られた位置に光源が配されることにより側方等の限定された方向から光が照射される場合においても、光固定する透光性部材に好適に導光できるため、固定する透光性部材の視認性を好適に確保できる。また、透光性部材を使用する際に、従来用いられていた凹凸や切れ込み等の加工を有する厚手の導光シートを用いる必要がないため、透光性部材を押圧した際のクリック感が良好であり、また、構成や製造時の工程の簡易化が可能となる。
また、透明な樹脂フィルム上に前記光拡散接着シートにより透光性のキートップを固定したキーシートは、従来、ベースシートとタクトバネとの中間層に個別に設置していた導光シートを省くことができるため、省スペース化、クリック感の向上、およびコスト削減などの利点が得られる。また、キートップを固定する接着部材に光拡散接着シートを用い、光拡散している部材がキートップと接して発光照射しているため、中間部材が設置されることはなくなり、キートップ表面への映り込みでキートップの外観・意匠性を損ねることもない。
[光拡散接着シート]
本発明の光拡散接着シートは、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層を有し、接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率が75%以上であり、同方向から測定される拡散透過率が5〜35%の接着シートであり、透明/半透明な樹脂フィルム等から形成される導光シート上に設けられる接着シートであり、好適には導光シートと透光性部材とを固定する接着シートである。
本発明の光拡散接着シートは、接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率が75%以上であり、より好ましくは80%以上である。可視光透過率が当該範囲未満であると、シート側方から導入された光を均一に拡散することが難しく、光拡散接着シートを垂直方向から視認した際に発光が部分的にムラになる場合がある。
本発明の光拡散接着シート表面と垂直方向から測定される拡散透過率は5〜35%の範囲である。拡散透過率が当該範囲の下限未満の場合には、光拡散性が低く、光拡散接着シートの発光が弱いため好適な視認性が得られない。また、当該範囲の上限を超える場合には、可視光透過率が低くなり、好適な透光性が得られず視認性が悪化する。
光拡散接着シートの拡散透過率は、JIS−K−7136に準拠し、JIS−K−7136により定義・測定されるヘーズに、JIS−K−7361に準拠し測定される全光線透過率を乗じ、さらに100で除して得られる数値である。すなわち、光拡散接着シート表面の垂直方向から通過する透過光のうち、前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率である。当該拡散透過率は、例えば、村上色彩技術研究所製HR−100で測定される
本発明の光拡散接着剤層の厚みは、3〜200μmであることが好ましく、より好ましくは5〜180μmであり、さらに好ましくは10〜150μmである。当該範囲の下限以上とすることで、キートップ固定に必要な接着強度を確保しやすくなり、当該範囲の上限以下とすることで、薄さを求められるキーシートにおいて、キーシート設計にもたらす影響を考慮せずに用いることができる。
本発明の光拡散接着シートは、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層のみから形成される光拡散接着シートであっても、中芯に基材を有する光拡散接着シートであっても良い。光拡散接着剤層のみから形成される光拡散接着シートは、薄膜化と接着強度の確保とを両立しやすいだけでなく、低コストでの製造が容易になるため好適である。一方、基材を有する光拡散接着シートは、接着シートを島ノコシにして加工する際の加工性に優れるため好適である。また、光拡散接着シートの接着剤層表面には、剥離フィルムが設けられた構成であってもよい。
基材を有する光拡散接着シートにおいて使用できる基材としては、上記可視光透過率や拡散透過率を実現できるものであれば特に制限されないが、透明樹脂フィルムを使用することが好適な透過率を実現しやすいため好ましい。当該透明樹脂フィルムとしては、たとえば、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどがあげられる。
本発明の光拡散接着シートは、両面に接着剤層を有する構成とすることで、導光シートと透光性部材とを好適に固定できるため両面接着シートの構成を特に好適に使用できる。一方、基材の片面にのみ接着剤層を有する構成や、接着剤層のみからなる接着シートの片面を糊殺しした構成の片面接着シートとしても使用でき、部材間固定の必要がない用途において導光シートの光拡散性を向上させることができるため好ましい。
本発明の光拡散接着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。例えば、フィルム基材または剥離フィルム上に接着剤層を形成して製造することができる。具体的には、接着剤の組成物を基材フィルムに直接塗布し乾燥または架橋・重合するか、或いは、いったん剥離フィルム上に塗布し、乾燥し、接着剤層を形成後、同様にして剥離フィルム上に作成した接着剤層又は基材フィルムに貼り合わせる方法などにより製造できる。
また、本発明の光拡散接着シートの両面の加熱後の接着力は、いずれの面においても以下の測定により測定される接着力が、10N/10mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは13N/10mm以上である。上記範囲にあることで狭い接着面積で高い接着力が求められるキーシート部材固定用に好ましい。接着力の上限は特に制限されるものではないが、本発明の好適な組成においては、実質的に30N/10mm程度が上限となる。接着力の測定は、両面接着シートの両面接着シートの接着力を測定する面とは他方の面25μmのPETフィルムで裏打ちし、接着力を測定する面を輪郭曲線の中心線平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に接着する。接着力を測定する面の接着剤層が粘着剤層からなる接着シートの接着力を測定する場合には、2kgのローラーを用い2往復させ、23℃50%RH雰囲気下に一時間放置下のちに、23℃50%RH雰囲気下で50mm/minの速度で180°方向に引き剥がした時の2mm厚のポリカーボネート板に対する接着力を測定する。接着力を測定する面の接着剤層が感熱接着剤層からなる接着シートの接着力を測定する場合には120℃5秒、100N/cmの条件で加熱圧着し、23℃50%RH雰囲気下で、23℃50%RH雰囲気下に一時間放置下のちに50mm/minの速度で180°方向に引き剥がした時の2mm厚のポリカーボネート板に対する接着力を測定する。
[光拡散接着剤層]
本発明に使用する光拡散接着剤層は、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する接着剤層である。光拡散接着剤層中の白色微粒子の含有量は、光拡散接着剤層の面積1mあたりに占める白色微粒子体積含有量が0.005〜0.1cmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05cmである。白色微粒子の含有量が当該範囲上限以下とすることで、シート側方から導入された光を均一に拡散することが容易になり、光拡散接着シートを垂直方向から視認した際の照光の部分的なムラが生じ難くなる。白色微粒子の含有量が当該範囲下限以上であると光拡散性を付与しやすくなり、好適な視認性が得られる。
配合量は、使用する白色微粒子の粒子径等に応じて、上記含有量範囲となるよう適宜調整すればよいが、接着性能の低下を抑制するため、光拡散接着剤層中の20質量%以下の含有量することが好ましい。
[白色微粒子]
前記光拡散接着剤層に含有される白色微粒子の材質は特に制限されるものではないが、無機微粒子を用いることが好ましい。前記無機微粒子は例えば、酸化チタン(チタン白)、酸化亜鉛、鉛白(2PbCO3、Pb(OH)2)、などが上げられるが、好ましくは前記無機微粒子として酸化チタンを微粒子としてものが用いられる。前記材料を用いることで、粒径のコントロールが容易になり、透明接着剤層中への分散も比較的容易になり、可視光透過率および拡散透過率の光学物性のコントロールもしやすくなる。
前記光拡散接着剤層に含有される白色微粒子の平均粒子径は0.1〜50μmであることが好ましい。また、前記光拡散接着剤層の厚さに対する前記白色微粒子の粒子径の比が1/2以下であることが好ましく、より好ましくは1/3であり、さらに好ましくは1/4である。当該範囲の粒子径の白色微粒子を用いることで光拡散接着剤層の表面に白色微粒子の凹凸が形成されることを防ぎ、平滑な光拡散接着剤層としやすくなる。
[透明接着剤層]
前記光拡散接着剤層に用いられる透明接着剤層を形成する接着剤組成物はシート状に形成できるものであれば、分類は特に制限されず使用できる。たとえば、粘着剤(感圧接着剤とも言う)、湿気硬化型接着剤、感熱接着剤(熱硬化型および熱可塑型)、UV硬化型接着剤などの分類が上げられる、接着固定に使用できるもので透明であれば接着剤の種類は特に制限されず使用できる。なお、キートップ固定用として用いる場合には、感熱接着剤組成物を用いることが好ましく、熱可塑型感熱接着剤組成物を用いることがより好ましい。前記感熱接着剤組成物を用いることで、キートップの接着工程に要する時間を短縮でき、また、十分な接着強度を確保しやすくなるため好ましい。
感熱接着剤組成物を用いる場合の感熱接着剤組成物の種類としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フェノール系樹脂を単独或いは複数混合したものが挙げられる。なかでも、前記感熱接着剤組成物が、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する熱可塑型接着剤組成物であると、透光性部材を好適に固定できるため好ましく、繰り返し押圧が行われる透光性部材、特にキートップを固定する際に、長期に渡って安定的に固定できるため好ましい。
また、当該熱可塑性接着剤組成物を用いることで、透明性と接着強度をより確保しやすくなり、また、光拡散接着シートに粘着性を付与することが容易になるため、透光性部材を接着する工程での光拡散接着シートの位置決め性を確保しやすくなるため、キーシートのように、複数の透光性部材を特定の位置に乱れなく配する際に好ましく使用できる。
上記熱可塑型接着剤組成物に使用するポリエステルは、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステルやこれを変性したポリエステルを通常使用できる。
上記熱可塑型接着剤組成物においては、一種のポリエステルを使用しても、複数のポリエステルを混合しても良いが、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルを含有することが好ましく、−40〜−10℃のポリエステルを含有することが特に好ましい。ガラス転移温度が当該範囲のポリエステルを使用することにより、接着シートに粘着性を付与することが容易になる。
また、ポリエステルの数平均分子量としては、8,000〜30,000であることが好ましい。数平均分子量が当該範囲のポリエステルを含有することで、好適な接着性を得やすくなる。また、15,000〜25,000であることがより好ましい。含有量を上記範囲内とすると、接着剤を好適な粘度範囲で取り扱うことができ、また、加熱圧着の工程にて接着シートが引き伸ばされることを防ぐ性能(以降、耐型崩れ性という)に優れる。
ポリエステルに使用する多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類など、あるいはこれらの酸無水物などが挙げられ、これらのカルボン酸は通常単独でまたは2種以上混合して用いられる。好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸を用いることが出来る。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール等が挙げられる。また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸などが挙げられる。さらに、多価アルコールをε−カプロラクトンなどのカプロラクトン化合物により変性することで、ポリエステルのガラス転移温度を低温化でき、85℃の弾性率E’および23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。また、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールを用いることでピーク温度を目的の範囲に制御しやすいため好ましい。
多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例を挙げると、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)する合成法が一般的である。
また、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応では、三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを使用すれば、得られる縮合物に分岐構造を付与することもできる。
上記熱可塑型接着剤組成物中の上記ポリエステルの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の35〜80質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。
上記ポリエステルウレタンは、水酸基含有ポリエステルに、ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリエステルウレタンを好適に使用できる。水酸基含有ポリエステルは、多価カルボン酸と多価アルコールを縮合し、水酸基を残存させたポリエステルや、これを変性したポリエステルを使用できる。水酸基含有ポリエステルに用いられる多価カルボン酸及び多価アルコールとしては、上記ポリエステルの製造に用いられるものを用いることができる。多価カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸を用いるのが好ましく、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
上記熱可塑型接着剤組成物においては、一種のポリエステルウレタンを使用しても、複数のポリエステルウレタンを混合しても良いが、数平均分子量が15,000〜100,000であるポリエステルウレタンを使用することが好ましい。
また、上記ポリエステルウレタンとして、ガラス転移温度が低温のポリエステルウレタンを使用する場合には、ガラス転移温度が好ましくは−30〜80℃、より好ましくは25〜50℃のポリエステルウレタンを使用することで、接着強度の確保と耐型崩れ性の両立を達成しやすくなる。
ポリエステルウレタンに使用する水酸基含有ポリエステルは、上記ポリエステルと同様に、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合により得られるポリエステルを使用できる。水酸基含有ポリエステルは、数平均分子量が4,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、また、水酸基価が3〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
上記熱可塑型接着剤組成物を使用する場合には、前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、式(1)を充足する組成物であることが初期タック性と型崩れ性を高度に両立できるため好ましい。
−50<[(WPEPE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
上記ポリエステルの平均ガラス転移温度TPEは、感熱接着剤中に含有するポリエステルが一種の場合には、当該ポリエステルのガラス転移温度であり、複数種のポリエステルを含有する場合には、含有するポリエステルのガラス転移温度の平均温度を表す。ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度TPEUも同様である。
また上記熱可塑型接着剤組成物においては、TPE<TPEU、及び、WPE>WPEUとなるよう配合することで、初期タック性と耐型崩れ性の調整が容易であるため好ましい。
ところで、携帯電子機器のうち携帯電話やPHS、デジタルカメラなどは用途上、人の皮膚や頭髪などと接触する機会が多い。皮膚や頭髪の表面には汗のほかに皮脂や化粧品類などの油状成分が存在するため、これらの機器を長期間使用しているうちに、例えばキーとキーの間から徐々に浸入し、両面粘着テープや接着剤を犯す場合がある。油状成分は粘着剤を軟化・膨潤させる作用があるため、デザインによっては両面粘着テープまたは接着剤が接合端部にはみだす問題がある。そのため、キーシートなどに用いられる熱接着シートには耐油性が求められる。上記熱可塑型接着剤組成物においては、上記の式(1)を充足するポリエステルとポリエステルウレタンを用い、架橋剤により3次元架橋構造をとることで、耐油性が良好であるため、これら用途に使用する際に特に適している。
水酸基含有ポリエステルに反応させるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できる。脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートが代表例として挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートが代表例として挙げられる。
また、上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、ヌレート、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も使用することができる。
上記ポリエステルウレタンの含有量は、溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜40質量%であることが好ましい。
また、ポリエステル100質量部に対するポリエステルウレタンの配合量は5〜60質量部であることが好ましい。
上記熱可塑型接着剤組成物を使用する場合には、加熱後の接着力を高くできるため、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。当該エポキシ樹脂としては、数平均分子量が350〜3000の範囲内、より好ましくは500〜2000の範囲内にあるものが好適に使用される。分子量を上記下限以上とすることで、感熱接着剤層が型崩れしにくくなり、また、上記上限以下とすることで、良好な相溶性を確保しやすく、該接着剤組成物の好適な貯蔵安定性とできる。
エポキシ樹脂としては、接着性、耐熱性などの観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好適に使用できる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代表的なものとしてJER828,JER1001,JER1004,JER1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピクロン850,エピクロン1050,エピクロン1055,エピクロン4050(DIC株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてJER180(ジャパンエポキシレジン株式会社製),エピクロンN−665(DIC株式会社製),エポトートYDCN−701,エポトート−702(東都化成株式会社製)などのクレゾールノボラックエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂を含有する場合には、当該エポキシ樹脂の含有量が、溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが特に好ましい。上記含有量とすることで、85℃の弾性率E’および23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。
上記熱可塑型接着剤組成物は硬化剤を含有することが好ましい。当該硬化剤としては、イソシアネート化合物を好適に使用できる。イソシアネート化合物で硬化させることで耐油性、耐熱性が良好となる。
イソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できるが、安全性、耐黄変性の点から脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が好適に使用できる。
脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアネート化合物は上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も含まれる。特にこれらのイソシアネート化合物の中で本発明に用いられるものとしては脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が適しており、この中でヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好意に用いることができる。
イソシアネート化合物の配合量は溶剤を除いた熱可塑性接着剤組成物に対しての0.1〜10質量部であることが好ましい。配合量が0.1質量部より少ない場合には、イソシアネート化合物の反応が少なく、接着剤の凝集力が低下する。また、10質量部よりも多い場合には接着剤が過剰に硬化するため、初期タック性が低下する。
上記熱可塑型接着剤組成物は特に限定されるものではないが、通常塗料または接着剤に用いられている酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等に溶かして使用される。
上記熱可塑型接着剤組成物は、上記成分の他に充填剤、軟化剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、可視用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料などの着色剤、充填剤などの添加剤を必要に応じて使用することが出来る。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤などを使用することが出来る。
[光拡散導光シート]
本発明の光拡散導光シートは、透明樹脂フィルムからなる導光シート上に、上記光拡散接着シートが設けられた光拡散導光シートである。使用する透明樹脂フィルムは全光線透過率が90%以上の透明樹脂フィルムを使用することで、好適に光拡散導光シートに光を導光でき、良好な視認性を確保できる。当該透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系共重合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを含むポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、フェノール系樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、あるいは、これらの複合樹脂などを使用することができる。
本発明の光拡散導光シートの好適な態様としては、導光シートの一表面に一枚の光拡散接着シートが全面に貼り付けられた光拡散導光シート(図1)や、一枚の導光シート上に複数の光拡散接着シートを、狭間配置した光拡散導光シート(図2)が例示できる。先の態様によれば複数の透光性部材を配するに際しても光拡散接着シートを抜き加工する必要が無く、また後の態様によれば、携帯電話の数字キーを構成するキートップや、小型PC等のキーボード部を構成するキートップ等のように、小さな透光性部材を適切に配列して固定する用途に好適に使用できる。
当該導光シート上の光拡散接着シートにより固定される透光性部材としては、使用する用途により適宜選択されるものであり、例えば、携帯電話の数字キーや機能キー、小型パソコンのキーボード等のキートップ、家電製品用リモコンや小型ゲーム機のキーボタンなどの部材が例示できる。当該部材は、透光性に優れる部材であることが好ましい。
[キーシート]
本発明のキーシートは、上記光拡散導光シート上にキートップが設けられた構成を有する。当該キーシートの好適な実施態様の一例として、複数のキートップを抜き加工されていない一枚の光拡散接着シートの同一平面上に配して接着固定し、透明樹脂フィルムからなる導光シート(ベースシート)上にキートップが、本発明の光拡散接着シートにより接着された構成を例示できる(図3)。前記構成をとることで、光拡散接着シートを狭間配置させるように抜き加工する必要が無くなるだけでなく、トップカバーなどの他部品の固定を行う場合には、別工程で接着するのではなく、キートップとトップカバー(筐体等)などの他部品とを同一の接着工程で接着固定できる(図4)ことなり、工程を削減できるだけでなく、トップカバーなどの他部品に使用する接着部材の削減にもなるため、製造コストを低減できる。抜き打ち加工されていない一枚の光拡散接着シートの同一平面上にキートップを配して接着固定した場合、キートップ同士の隙間からキートップと接する側の感熱接着剤表面が視認されるが、本発明の光拡散接着シートを使用することにより、該感熱接着剤表面がギラつくなどして意匠性を損なうことのないキーシートを作成できるため、当該構成のキーシートを特に好適な態様として使用できる。
また、キートップの貼り付け工程と、トップカバー等の他の部品とを別途に設ける場合には、抜き加工した光拡散接着シートを、固定する部品の配置に応じて導光シート上に設け、当該光拡散接着シート上にキートップを設けたキーシートとすることができる(図5)。当該構成の場合においても光源からの光を好適に光拡散シートが拡散させ、キートップとトップカバーとの隙間から光が漏れることを防ぎ、キートップ部を選択的な視認性が良好となる。なお、当該構成においてキートップ間等にトップカバー等の他の部品を設ける場合には、これら他の部品の固定を各種接着部材により接着すればよいが、抜き加工した本発明の光拡散接着シートを使用するとキートップを固定する光拡散接着シートを設ける際に同一工程で形成可能となるため製造工程上有利となる。
キーシートに使用する導光シートは、上記例示した導光シートのなかでも、各種携帯電子端末におけるキートップの押圧操作に際し、繰り返し生じる変形及び復元に適した素材により形成することが好ましく、
これら例示された素材のなかから、適用する携帯電子端末の種類、キーシートの層構成や厚さ等により適宜選択すればよい。例えば、軟質のキートップとの組み合わせにおいて押釦の押打感を高める場合や、少ない層構成にて一定の強度や弾性率を確保する必要がある場合などにおいては、剛性の高い素材を好適に使用できる。また、導光シートが剛性の高い他の層と積層される場合や、硬質のキートップとの組合せにおいてソフトな押圧感が求められる場合などにおいては、軟質のゴム状素材を好適に使用できる。
近年要請の高い薄型携帯電話などの薄型携帯電子端末においては、通常、硬質のキートップとの組み合わせであることから、軟質の導光シートを好適に使用でき、ウレタンシートなどのゴム状弾性体を好ましく使用できる。
キーシートに使用されるキートップは、携帯電子端末の操作釦等の外部から視認される部位である。当該キートップの素材は、上記例示した透光性部材として使用できるものから、使用される態様により、適宜選択すればよいが、その素材の例としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を使用できる。また、樹脂素材以外にステンレスやアルミニウム等の金属素材や、樹脂素材に金属のめっき加工が施されたものを使用してもよい。
また、形状、模様等も使用する態様により適宜選択すればよいが、キーシートが、携帯電話の押釦部位に使用されるような場合には、配列される少なくとも一部のキートップに文字や図形、記号などが表記される。これらの文字、図形、記号は、キートップの表面に表示部を印刷する方法や、透明素材で作成したキートップの裏面に印刷する方法、あるいは、透明素材で作成したキートップに抜き文字上の印刷をし、内部光源からの照射により抜き文字部を外部から視認できるようにする方法等により設けることができる。
キートップに光を透過させる場合には、印刷前のキートップの可視光透過率を60%以上とすることが好ましく、80%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることが更に好ましい。
キートップは、金型成形や切削加工等により作成でき、その形状や大きさは使用する態様により方形や円形等の任意の形状を選択でき、その断面も方形や半球状に加工して使用できる。また、押釦部位を一枚のシート部材(以降、プッシャーシートと表現する)とし、導光シート上に光拡散接着シートを用いてキートップを固定した部材に、両面粘着テープなどを用いてプッシャーシートを固定し、図6に示したようなキーシートとすることできる。
キーシートには、これが設置される小型電子端末の筐体と同様の外装が予め設置された構成としてもよい。当該構成のキーシートは、小型電子端末を製造する際に押釦部位の位置あわせが不要となるため、組み立てが容易となる。
また、キーシートのキートップが設置される面の他方の面に、放熱シートや絶縁シート等の機能性シートが設けられていてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお実施例および比較例における部との記載は質量部を表し、用いた原料の質量部は揮発成分を除く固形分の質量部とする。
(実施例1)
ポリエステルとしてバイロンBX10SS(Mn=21,000、Tg=−18℃、東洋紡績株式会社製)62.1部と、ポリエステルウレタンとしてバイロンUR1350(Mn=36,000、Tg=43℃、東洋紡績株式会社製)13.7部と、エポキシ樹脂としてエピクロン1055(Mn=900、DIC株式会社製)24.2部をメチルエチルケトンとトルエンの質量比が1:1である混合溶剤を用いて、組成物中の固形分量が35%となるように調整した。この接着剤組成物(固形分)中の濃度が0.35w%となるように二酸化チタン微粒子JR−301(平均粒径0.3μm、テイカ株式会社)を添加しペイントコーディネーターを用いて10分間混合攪拌した。この組成物にイソシアネート化合物としてバーノックDN980(ヘキサメチレンジイソシアネート型、DIC株式会社製)3.2部を添加し10分攪拌した後、1時間放置して泡抜けさせた。このように作成した感熱接着剤組成物を棒状の金属アプリケータを用いて、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ75μmのPETフィルムの剥離処理面上に乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、100℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した後、シリコーン化合物で片面を剥離処理した38μmのPETフィルムを貼り合わせた。その後、40℃で3日間放置し、熱接着シートを得た。
(実施例2)
二酸化チタン微粒子の濃度が0.07w%に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(実施例3)
二酸化チタン微粒子の濃度を0.70w%に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(実施例4)
二酸化チタン微粒子の濃度を1.05w%に変更し、乾燥後の接着シート厚みが10μmに変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(実施例5)
二酸化チタン微粒子の濃度を0.18w%に変更し、乾燥後の接着シート厚みが60μmに変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(実施例6)
二酸化チタン微粒子の濃度を0.12w%に変更し、乾燥後の接着シート厚みが90μmに変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(比較例1)
二酸化チタン微粒子の濃度を0.04w%に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(比較例2)
二酸化チタン微粒子の濃度を1.75w%に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(比較例3)
二酸化チタン微粒子の濃度を3.50部に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
上記にて得られた両面熱接着シートを以下の評価方法に基づいて全光線透過率、拡散透過率、照光性、ムラ、接着力を評価した。得られた結果を表1に示す。
〔全光線透過率〕
接着シートを1.1mm厚のガラス板に気泡が入らないように貼付し、村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定した。(JIS−K−7361準拠)
〔拡散透過率〕
接着シートを1.1mm厚のガラス板に気泡が入らないように貼付し、村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定した。(JIS−K−7136準拠)
〔拡散光の視認性〕
150μmの透明ポリカーボネートシート100mm×50mmの表面に、5mm×40mmのサイズにカットした光拡散接着シート5枚を貼付した。その際、前記ポリカーボネートシートの50mmの辺と前記光拡散接着シートの40mmの辺とを平行に、前記ポリカーボネートシート片側から5mmの離れた位置に光拡散接着シートを貼付し、続けてさらに5mmの間隔をあけて光拡散接着シートを貼付し、同様にして、ポリカーボネートの片側から50mmにわたり合計5枚の光拡散接着シートを貼付した。この光拡散接着シートを貼付した前記ポリカーボネートシートの光拡散接着シートが貼付されていない側から5mm離れた位置に幅20mm、長さ55mm以上の遮光用不透明ゴムシートを、ポリカーボネートシートの表と裏との両方からパウチするように密着させて固定し、ポリカーボネートシートの内部に光をあてたときに、ポリカーボネートの内部以外から光が漏れないようにした。前記光拡散接着シートを貼付したポリカーボネートシートの遮光用不透明ゴムシートが固定された側のポリカーボネートシート端部から白色蛍光灯スタンド(サンソニック株式会社、22W)を光源に用いて光を照射した。前記ポリカーボネートシートに貼付された光拡散接着シートの周辺を、黒色PETフィルムで囲い、周辺を暗くしたのち、前記ポリカーボネートシートに貼付された光拡散接着シートを目視で観察した。
端部から光を照射した前記ポリカーボネートシートに貼付した前記光拡散接着シートを、シート表面と垂直方向から目視で観察し、以下の評価基準により「照光性」と「ムラ」について、評価した。
〔照光性〕
◎: 光拡散接着シートが良好に照光している。
○: 光拡散接着シートの照光が確認される。
×: 光拡散接着シートの照光が確認できない。
〔ムラ〕
◎: 光拡散接着シートの外観にムラが生じない。
○: 光拡散接着シートの外観に部分的な薄いムラが生じる。
×: 光拡散接着シートの外観にムラが明確に確認できる。
〔接着力〕
接着力の測定は、両面接着シート表面に25μm厚のPETフィルムで裏打ちし、接着力を測定する面を輪郭曲線の中心線平均高さ(Ra)が0〜0.1μmで2mm厚のポリカーボネート板に、120℃10秒、100N/cmの条件で加熱圧着し、1時間23℃50%RH雰囲気下に放置し放冷したのち、23℃50%RH雰囲気下で50mm/minの速度で180°方向に引き剥がした時の接着力を測定した。
Figure 2011016951
上記表から明らかなとおり、実施例1〜6の本発明の光拡散接着シートは、導光シートから導かれる光を好適に拡散し、良好な照光が確認され、光のムラがほとんど確認されないものであった。また、これら本発明の光拡散接着シートは、接着力の低減が少なく好適な接着力を示すものであった。一方、比較例1〜3のシートは、好適に光散乱ができず良好な視認性を有さないものであった。
導光シートの一表面に一枚の光拡散接着シートが全面に貼り付けられた光拡散導光シートの模式図である。 一枚の導光シート上に複数の光拡散接着シートを、狭間配置した光拡散導光シートの模式図である。 導光シート上に複数のキートップが、一枚の光拡散接着シートにより固定されたキーシートの模式図である。 導光シート上に複数のキートップが、一枚の光拡散接着シートにより固定されたキーシートに、トップカバーが設けられた構成の模式図である。 導光シート上に複数のキートップが、抜き加工された光拡散接着シートにより固定されたキーシートの模式図である。 導光シート上に複数のキートップが、抜き加工された光拡散接着シートにより固定されたキーシートにプッシャーシートが設けられた構成の模式図である。
1 光拡散接着シート
2 導光シート
3 キートップ
4 トップカバー
5 接着部材
6 プッシャーシート
7 接着部材

Claims (9)

  1. 導光シート上に設けられる接着シートであって、
    前記接着シートが、透明接着剤層中に白色微粒子を含有する光拡散接着剤層を有し、
    前記接着シート表面と垂直方向から測定される可視光透過率が75%以上であり、
    拡散透過率が、5〜35%である光拡散接着シート。
  2. 前記光拡散接着剤層の厚さが3〜200μmであり、前記白色微粒子の粒子径が0.1〜50μmであり、前記光拡散接着剤層の厚さに対する前記白色微粒子の粒子径の比が1/2以下である請求項1に記載の光拡散接着シート。
  3. 前記光拡散接着剤層の面積1mあたりに占める白色微粒子体積含有量が0.005〜0.1cmである請求項1又は2に記載の光拡散接着シート。
  4. 前記透明接着剤層が、感熱接着剤組成物から形成される透明感熱接着剤層である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散接着シート。
  5. 前記感熱接着剤組成物が、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステル、ポリエステルウレタン、エポキシ樹脂、及び、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する感熱接着剤組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散接着シート。
  6. 前記導光シートと透光性部材との固定に使用する請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散接着シート。
  7. 全光線透過率が90%以上の透明樹脂フィルムからなる導光シート上に、請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散接着シートが設けられた光拡散導光シート。
  8. 前記導光シート状に、複数の光拡散接着シートが狭間配置された請求項7に記載の光拡散導光シート
  9. 請求項7又は8に記載の光拡散導光シートに設けられた光拡散接着シート上にキートップが設けられたキーシート。
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