JP2011016871A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性および密着性に優れたトップコート層を形成することができる硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(メタ)アクリレート系重合体(A)、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシリコーン樹脂(B)、光硬化性樹脂(C)および光重合開始剤(D)を含有し、
前記(メタ)アクリレート系重合体(A)のガラス転移点が90〜120℃であり、かつ、重量平均分子量が50000〜100000であり、
前記シリコーン樹脂(B)の重量平均分子量が1000〜50000であり、
前記光硬化性樹脂(C)が1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のようなプラスチックを成型してなるプラスチック成型品は、軽量で耐衝撃性、成形加工性に優れ安価であることから、種々の分野で使用されている。
そして、プラスチックの成型品は、その表面を損傷から保護すること等を目的として、塗膜で被覆されているのが一般的である。
このような塗膜による被覆としては、例えば、プラスチック基材の上にアンダーコートまたはベースコートと称されるアンダーコート剤が塗装されてアンダーコート層が形成され、その上にスズ、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属が真空蒸着されて蒸着層が形成され、さらにその上にミドルコートと呼ばれるミドルコート剤が塗装されてミドルコート層が形成され、耐摩耗性および耐擦傷性を付与するために、さらにその上にトップコートまたはハードコートと称されるトップコート剤が塗装されてトップコート層が形成されることが知られている。
具体的には、本出願人は、特許文献1において、プライマー組成物、プラスチック表面保護剤、ハードコート剤、紫外線硬化型塗料等として使用できる硬化性樹脂組成物として、「分子量が50,000〜140,000の(メタ)アクリル重合体(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(C)と、1分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し主鎖骨格が脂肪族炭化水素である2官能性単量体(D)と、光重合開始剤(E)とを含有する硬化性樹脂組成物。」を提供している([請求項1][0061])。
特開2008−255228号公報
本発明者は、特許文献1に記載の硬化性樹脂組成物について検討した結果、トップコート層に使用した場合、耐摩耗性を向上させる観点から膜厚を厚く(10μm程度)すると、蒸着層またはミドルコート層との密着性が劣る場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、耐摩耗性および密着性に優れたトップコート層を形成することができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の重量平均分子量およびガラス転移点を有する(メタ)アクリレート系重合体と、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する特定の重量平均分子量のシリコーン樹脂と、(メタ)アクリロイルオキシ基を6個以上有する光硬化性樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物が、耐摩耗性および密着性に優れたトップコート層を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)(メタ)アクリレート系重合体(A)、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシリコーン樹脂(B)、光硬化性樹脂(C)および光重合開始剤(D)を含有し、
上記(メタ)アクリレート系重合体(A)のガラス転移点が90〜120℃であり、かつ、重量平均分子量が50000〜100000であり、
上記シリコーン樹脂(B)の重量平均分子量が1000〜50000であり、
上記光硬化性樹脂(C)が1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する硬化性樹脂組成物。
(2)上記シリコーン樹脂(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシランの縮合物である上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3)上記(メタ)アクリレート系重合体(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を重合させて得られる重合体である上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4)上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数1〜12のアルキル基を有する上記(3)に記載の硬化性樹脂組成物。
(5)上記光重合開始剤(D)が、アルキルフェノン系化合物である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6)上記(メタ)アクリレート系重合体(A)、上記シリコーン樹脂(B)、上記光硬化性樹脂(C)および上記光重合開始剤(D)の合計質量に対して、
上記(メタ)アクリレート系重合体(A)を10〜30質量%含有し、
上記シリコーン樹脂(B)を10〜30質量%含有し、
上記硬化性樹脂(C)を60〜80質量%含有し、
上記光重合開始剤(D)を1〜10質量%含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
以下に説明するように、本発明によれば、耐摩耗性および密着性に優れたトップコート層を形成することができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」という。)は、(メタ)アクリレート系重合体(A)、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシリコーン樹脂(B)、光硬化性樹脂(C)および光重合開始剤(D)を含有し、
上記(メタ)アクリレート系重合体(A)のガラス転移点が90〜120℃であり、かつ、重量平均分子量が50000〜100000であり、
上記シリコーン樹脂(B)の重量平均分子量が1000〜50000であり、
上記光硬化性樹脂(C)が1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する硬化性樹脂組成物である。
次に、本発明の組成物の各成分について詳述する。
<(メタ)アクリレート系重合体(A)>
本発明の組成物に用いられる上記(メタ)アクリレート系重合体(A)(以下、「重合体(A)」ともいう。)は、(メタ)アクリレート系化合物を含む単量体成分を重合させて得られ、ガラス転移点が90〜120℃であり、重量平均分子量が50000〜100000である共重合体であれば特に限定されない。
ここで、本明細書においては、「(メタ)アクリレート」との表記は、アクリレートまたはメタクリレートを示すものである。
また、重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(Gel permeation chromatography(GPC))により測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いるのが好ましい。
同様に、ガラス転移点は、示差熱分析計(DSC)を用い、ASTMD3418−82に従い、昇温速度10℃/分にて測定した値である。
本発明においては、上記重合体(A)のガラス転移点は、90〜120℃であり、95〜115℃であるのが好ましく、100〜110℃であるのがより好ましい。
また、上記重合体(A)の重量平均分子量は、50000〜100000であり、70000〜100000であるのが好ましく、80000〜90000であるのがより好ましい。
上記重合体(A)のガラス転移点および重量平均分子量がこの範囲であると、上記重合体(A)を含有する本発明の組成物を塗装した塗膜の密着性がより良好となる。
これは、ガラス転移点が上記範囲内にあることで、本発明の組成物を塗装して形成される塗膜に強靭性および柔軟性が付与され、また、重量平均分子量が上記範囲内にあることで、塗膜に高い造膜性が付与されるためであると考えられる。
一方、上記重合体(A)の単量体成分である(メタ)アクリレート系化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
これらのうち、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性が良好となり、密着性がより良好となる理由から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるのがより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2011016871
式中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は、炭素数1〜12のアルキル基を表す。
上記式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性がより良好となり、密着性が更に良好となる理由から、メタクリル酸メチルが好ましい。
本発明においては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを上記重合体(A)の単量体成分として用いる場合、上記重合体(A)は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよい。
ここで、上記重合体(A)が上記ホモポリマーである場合、その具体例としては、(メタ)アクリル酸メチルホモポリマー、(メタ)アクリル酸エチルホモポリマー等が挙げられる。
これらのうち、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性がより良好となり、密着性が更に良好となる理由から、メタクリル酸メチルホモポリマーが好ましい。
一方、上記重合体(A)が上記コポリマーである場合、上記他のモノマーは特に限定されず、従来公知のモノマーを用いることができる。
特に、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性が良好となり、密着性がより良好となる理由から、(メタ)アクリル酸エステルであってエステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有するものが好ましい。
エステル結合に結合する炭化水素基における第三級または第四級炭素原子の位置は特に限定されないが、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性がより良好となり、密着性が更に良好となる理由から、第三級または第四級炭素原子がエステル結合に結合しているのが好ましい。
また、同様の理由から、第三級または第四級炭素原子を有する炭化水素基の炭素原子数は4〜20個であるのが好ましく、4〜10個であるのがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルであってエステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有するものとしては、例えば、下記式(2)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2011016871
式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4は第三級または第四級炭素原子を有する炭化水素基を表す。
また、式中のR4としては、例えば、下記式(3)で表されるもの等が挙げられる。
−R5 m−CR678 (3)
(式中、R5はアルキレン基を表し、mは0または1を表し、R6は水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を表し、R7、R8はそれぞれ独立に炭素原子数1〜5の炭化水素基を表し、R7とR8とは互いに結合して環構造を形成することができる。)
また、式中のR4としては、具体的には、例えば、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソボロニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、下記式(a2)〜式(a6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2011016871
このような上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーは、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記重合体(A)が上記コポリマーである場合、本発明の組成物を塗装した塗膜の意匠性および乾燥性が良好となり、密着性がより良好となる理由から、使用する単量体成分の合計質量に対して、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が80〜99.9質量%であるのが好ましく、85〜95質量%であるのがより好ましく、上記他のモノマーの含有量が0.01〜20質量%であるのが好ましく、5〜15質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記重合体(A)の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記重合体(A)を製造する際に使用することができる溶剤としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;等が挙げられる。
また、上記重合体(A)を製造する際に使用することができる重合開始剤としては、具体的には、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
<シリコーン樹脂(B)>
本発明の組成物に用いられる上記シリコーン樹脂(B)は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重量平均分子量が1000〜50000のシリコーン樹脂である。
また、上記シリコーン樹脂(B)の主鎖構造(主骨格)は、シロキサン結合により形成されていれば特に限定されないが、本発明の組成物の硬化性が向上し、本発明の組成物を塗装した塗膜の耐摩耗性がより良好となる理由から、三次元架橋した構造であるのが好ましい。
上記シリコーン樹脂(B)としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシランが加水分解されて生成したシラノールを脱水縮合した縮合物(以下、単に「縮合物」という。)等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシランとしては、具体的には、例えば、アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシメチル(メチル)ジメトキシシラン、アクリロイルオキシメチル(ジメチル)メトキシシラン、アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチル(メチル)ジメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチル(エチル)ジメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチル(ジメチル)メトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(ジメチル)エトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(ビニル)ジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリ(メトキシエトキシ)シラン、δ−アクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、δ−アクリロイルオキシブチルトリエトキシシラン、δ−アクリロイルオキシブチル(メチル)ジメトキシシラン、δ−アクリロイルオキシブチル(ジメチル)メトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ジエトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシエチル)ジエトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(アクリロイルオキシプロピル)ジエトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシメチル)メトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシメチル)エトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシエチル)メトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシエチル)エトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシプロピル)メトキシシラン、トリス(アクリロイルオキシプロピル)エトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチル(メチル)ジメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチル(ジメチル)メトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチル(メチル)ジメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチル(エチル)ジメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチル(ジメチル)メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(メチル)メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(ジメチル)エトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(ビニル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ(メトキシエトキシ)シラン、δ−メタクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルトリエトキシシラン、δ−メタクリロイルオキシブチル(メチル)ジメトキシシラン、δ−メタクリロイルオキシブチル(ジメチル)メトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ジエトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ジメトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ジエトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)ジエトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシメチル)メトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシメチル)エトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシエチル)メトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシエチル)エトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシプロピル)メトキシシラン、トリス(メタクリロイルオキシプロピル)エトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、原料が入手しやすく、後述する光硬化性樹脂(C)との相溶性に優れ、光硬化性を向上させる理由から、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル(ジメチル)エトキシシランの縮合物であるのが好ましい。
本発明においては、上記シリコーン樹脂(B)を用いることにより、本発明の組成物を塗装した塗膜の耐摩耗性および密着性が良好となる。
これは、上記シリコーン樹脂(B)が、無機成分層を形成することにより、無機物特有の極めて優れる耐摩耗性を付与するからである。また、上記シリコーン樹脂が反応性官能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を有することにより、密着性に優れる上記重合体(A)と架橋構造をとり、密着性と耐摩耗性を両立する樹脂構造を形成するためであると考えられる。
また、本発明においては、上記シリコーン樹脂(B)の含有量は、塗膜の耐摩耗性および密着性がより良好となる理由から、上記重合体(A)100質量部に対して30〜300質量部であるのが好ましく、50〜250質量部であるのがより好ましく、75〜150質量部であるのがさらに好ましい。
<光硬化性樹脂(C)>
本発明の組成物に用いられる上記光硬化性樹脂(C)は、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する化合物であれば特に限定されない。
上記光硬化性アクリル樹脂としては、具体的には、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記光硬化性アクリル樹脂は、ウレタン結合を有するウレタンアクリレートであってもよく、例えば、イソシアネート基を2個有するポリイソアネート化合物と、1個の水酸基と3個以上(例えば3〜5個)の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物とを、イソシアネート基に対して水酸基が過剰量となるように反応させた化合物(以下、「化合物c1」ともいう。);イソシアネート基を3個有するポリイソアネート化合物と、1個の水酸基と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物とを、イソシアネート基に対して水酸基が過剰量となるように反応させた化合物(以下、「化合物c2」ともいう。);イソシアネート基を3個有するポリイソアネート化合物と、1個の水酸基と3個以上(例えば3〜5個)の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物とを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が2/3以上となるように反応させた化合物(以下、「化合物c3」ともいう。);等が挙げられる。
ここで、イソシアネート基を2個有するポリイソアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
また、イソシアネート基を3個有するポリイソアネート化合物としては、具体的には、例えば、上記で例示したイソシアネート基を2個有するポリイソアネート化合物を、ビウレット化したもの、トリメチロールプロパンと反応させたもの(アダクト体)、3量化したもの(イソシアヌレート体)等が挙げられる。
一方、1個の水酸基と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物としては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセリンジアクリレート等が挙げられる。
また、1個の水酸基と3個以上(例えば3〜5個)の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物としては、具体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
これらの光硬化性樹脂(C)うち、速硬化性、塗膜の硬度、耐水性、耐溶媒性、耐薬品性等の観点から、化合物(c1)〜(c3)であるのが好ましく、なかでも、(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜10個有する化合物であるのがより好ましい。
本発明においては、上記光硬化性樹脂(C)を用いることにより、本発明の組成物の塗装後の乾燥時間を短縮することができる。
これは、(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する上記光硬化性樹脂(C)の反応性が非常に高いためであると考えられる。
また、本発明においては、上記光硬化性樹脂(C)の含有量は、塗膜の耐摩耗性および密着性がより良好となる理由から、上記重合体(A)100質量部に対して200〜800質量部であるのが好ましく、210〜600質量部であるのがより好ましく、220〜400質量部であるのがさらに好ましい。
<光重合開始剤(D)>
本発明の組成物に用いられる上記光重合開始剤(D)としては、例えば、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(3)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物:等が挙げられる。
Figure 2011016871
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、上記重合体(A)との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
上記光重合開始剤(D)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記光重合開始剤(D)の含有量は、塗膜の耐摩耗性および密着性がより良好となる理由から、上記光硬化性樹脂(C)100質量部に対して1〜10質量部であるのが好ましく、2〜8質量部であるのがより好ましい。
本発明においては、塗膜の耐摩耗性および密着性がより良好となる理由から、上記(メタ)アクリレート系重合体(A)、上記シリコーン樹脂(B)、上記光硬化性樹脂(C)および上記光重合開始剤(D)の合計質量に対して、上記(メタ)アクリレート系重合体(A)を10〜30質量%含有し、上記シリコーン樹脂(B)を10〜30質量%含有し、上記硬化性樹脂(C)を60〜80質量%含有し、上記光重合開始剤(D)を1〜10質量%含有するのが好ましく、上記(メタ)アクリレート系重合体(A)を15〜25質量%含有し、上記シリコーン樹脂(B)を15〜25質量%含有し、上記硬化性樹脂(C)を65〜75質量%含有し、上記光重合開始剤(D)を2〜8質量%含有するのがより好ましい。
<溶剤、添加剤>
本発明の組成物は、作業性の観点から、更に、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
また、本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法等により製造することができる。
本発明の組成物は、例えば、アンダーコート剤組成物およびトップコート剤組成物以外にも、プライマー組成物、紫外線硬化型塗料等として使用できる。
本発明の組成物はプラスチックに適用することができる。
上記プラスチック基材としては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックを問わず種々のプラスチック基材を用いることができる。
具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
また、本発明の組成物の硬化方法は、上述した造膜助剤に応じて、加熱または紫外線により行うことができる。
本発明の組成物の塗布量としては、硬化時の塗膜の膜厚が1〜30μmとなるようにするのが好ましい。硬化塗膜の膜厚が1μm以上の場合、特に基材であるプラスチックの表面劣化の防止効果に優れ、30μm以下の場合、基材との密着性により優れ、クラックの発生を防ぐことができる。
本発明の組成物の硬化方法としては、例えば、熱による硬化方法、紫外線による硬化方法が挙げられる。
本発明の組成物を熱で硬化させる場合、80〜120℃の条件下で加熱することができる。
また、本発明の組成物を紫外線照射によって硬化させる場合、本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量としては、速硬化性、作業性の観点から、500〜3,000mJ/cm2が好ましい。本発明の組成物を紫外線照射により硬化させる際の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<重合体(A)の合成>
下記第1表に示す各単量体成分を第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、メチルエチルケトン中で重合させて、第1表に示される重合体A1〜A7(40%メチルエチルケトン溶液)を得た。
なお、重合体A5〜A7は、本発明の組成物で用いる(メタ)アクリレート系重合体(A)には該当しないものである。
Figure 2011016871
<実施例1〜7、比較例1〜5>
下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、各硬化性樹脂組成物を得た。
得られた各硬化性樹脂組成物の意匠性、密着性および耐摩耗性を以下の方法により評価した。その結果を第2表に示す。
(意匠性)
塗布面を45°に傾けた状態のポリカーボネート製基板に対して、得られた各硬化性樹脂組成物をスプレーで塗布し、サンプル(膜厚:10μm)を得た。
スプレー塗布後、得られたサンプルの塗布面を水平にして、60℃で3分間乾燥させた後、サンプルの塗布面に対して斜め45°の角度からサンプルを肉眼で観察した。
意匠性の評価基準は、塗膜の光沢に優れ、凹凸が少ないものを「○」、凹凸が目立つ等外観上異常があるものを「×」とした。なお、比較例5については、60℃で3分間では乾燥しなかったため、下記第2表においては「−」とした。
(密着性)
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。
具体的には、まず、意匠性の評価で使用したサンプルに対して、日本電池社製のGS UV SYSTEMを用いて積算光量が900mJ/cm2または1500mJ/cm2となるようにUV照射を行い、薄膜を形成させた。
次いで、薄膜上に、碁盤目テープはく離試験用の試験体を作製した。
得られた試験体に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をポリカーボネート製基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
100個中、95個以上が残ったものを合格とした。
(耐摩耗性)
密着性の評価で使用した薄膜付きのサンプル表面(薄膜)に、消しゴム(MONO、トンボ鉛筆社製)を500gの荷重で押し当てた状態で500回擦った。
その結果、目視により傷(擦りガラス状に入る細かい傷)が確認できるものを耐摩耗性に劣るものとして「×」と評価し、多少の傷はあるものの実用上問題のないものを耐摩耗性に優れるものとして「○」と評価した。
Figure 2011016871
Figure 2011016871
上記第2表に示す各成分は、下記のとおりである。
・重合体(A1)〜(A7):第1表に示すもの
・シリコーン樹脂(B1):γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン1当量に対して1.5当量の水を加えて重合反応させたもの(重量平均分子量:3000)
・シリコーン樹脂(B2):γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン1当量に対して1.5当量の水を加えて重合反応させたもの(重量平均分子量:20000)
・光硬化性樹脂(C1):トリメチロールプロパンに対してヘキサメチレンジイソシアネートを付加させたアダクト体と、ジペンタエリスリトートペンタアクリレートとを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が2/3となるように反応させたウレタンアクリレート((メタ)アクリロイルオキシ基の基数:10個)
・光硬化性樹脂1:ヘキサメチレンジイソシアネートと、ヒドロキシエチルアクリレートとを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が1/1となるように反応させたウレタンアクリレート((メタ)アクリロイルオキシ基の基数:2個)
・光重合開始剤(D):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)
上記第2表に示す結果から明らかなように、本発明の組成物で用いる(メタ)アクリレート系重合体(A)に該当しない重合体(A5)〜(A7)を用いて調製した比較例1〜3の硬化性樹脂組成物は、意匠性、密着性および耐摩耗性のいずれをも満足できる結果にはならないことが分かった。
また、本発明の組成物で用いる光硬化性樹脂(C)に該当しない光硬化性樹脂1を用いて調製した比較例4の硬化性樹脂組成物は、耐摩耗性に劣ることが分かった。
また、本発明の組成物で用いる(メタ)アクリレート系重合体(A)を用いずに調製した比較例5の硬化性樹脂組成物は、意匠性(乾燥性)に劣り、密着性も劣ることが分かった。
一方、本発明の組成物に該当する実施例1〜7の硬化性樹脂組成物は、いずれも意匠性、密着性および耐摩耗性に優れることが分かった。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリレート系重合体(A)、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシリコーン樹脂(B)、光硬化性樹脂(C)および光重合開始剤(D)を含有し、
    前記(メタ)アクリレート系重合体(A)のガラス転移点が90〜120℃であり、かつ、重量平均分子量が50000〜100000であり、
    前記シリコーン樹脂(B)の重量平均分子量が1000〜50000であり、
    前記光硬化性樹脂(C)が1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する硬化性樹脂組成物。
  2. 前記シリコーン樹脂(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシランの縮合物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート系重合体(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を重合させて得られる重合体である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数1〜12のアルキル基を有する請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記光重合開始剤(D)が、アルキルフェノン系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(メタ)アクリレート系重合体(A)、前記シリコーン樹脂(B)、前記光硬化性樹脂(C)および前記光重合開始剤(D)の合計質量に対して、
    前記(メタ)アクリレート系重合体(A)を10〜30質量%含有し、
    前記シリコーン樹脂(B)を10〜30質量%含有し、
    前記硬化性樹脂(C)を60〜80質量%含有し、
    前記光重合開始剤(D)を1〜10質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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