JP2011015525A - ケーブル潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】往復移動する移動体にU字状に湾曲させて配線したフラットケーブルの摩耗・損傷を少なくしてフラットケーブルの耐久性を向上させる。
【解決手段】Y軸方向にスライド移動する装着ヘッド22に対して給電及び信号の送受信を行うフラットケーブル41がU字状に湾曲させて配線されている。シリコンオイル等の潤滑油が含浸された複数本(例えば25本)の潤滑ローラ43が、フラットケーブル41の移動側の部分41aの移動経路に沿って該移動側の部分41aの持ち上がりを上側から押えるように配列されている。フラットケーブル41の固定側の部分41bを受け支えるケーブル受け部46が、該フラットケーブル41の固定側の部分41bの下側に沿って直線状に設けられ、該ケーブル受け部46内に、シリコンオイル等の潤滑油が含浸された潤滑シート47が設置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、往復移動する移動体に対して給電及び/又は信号の送受信を行うケーブルをU字状に湾曲させて配線したケーブル潤滑装置に関する発明である。
例えば、特許文献1(特開2008−243839号公報)に記載されているように、部品実装機は、部品吸着ノズルを保持する装着ヘッドを、X−Yスライド機構によりX−Y方向に移動して部品の吸着・実装を行うようになっている。この装着ヘッドに対して給電と信号の送受信を行うために、装着ヘッド側のコネクタとX−Yスライド機構側のコネクタとの間をケーブルで接続して、該ケーブルをU字状に湾曲させて配線することで、装着ヘッドにケーブルを接続した状態で該装着ヘッドを自由に移動できるようになっている。
更に、特許文献1では、ケーブルベア(登録商標)と称されるケーブルガイド内にケーブルを収容し、該ケーブルガイドの固定側の部分を受け支える支持部材を、該ケーブルガイドの固定側の部分の下方に設けると共に、該ケーブルガイドの移動側の部分が上方に持ち上げられることを防止する押え部材を、該ケーブルガイドの移動側の部分の上方に設けた構成となっている。
特開2008−243839号公報
近年の部品実装機は、実装作業の高速化に伴って装着ヘッドの移動速度も高速化されているため、装着ヘッド移動時のケーブルガイドの移動側の部分の暴れ(上下運動)が大きくなってきている。このため、押え部材へのケーブルガイドの衝突が強くなり、その衝突の繰り返しによりケーブルガイド内のケーブルが摩耗・損傷してケーブルの耐久性が低下しないように頻繁なメンテナンスが必要であった。
また、ケーブルガイドを用いずに裸のケーブルをU字状に湾曲させて配線して、該ケーブルの移動側の部分の持ち上がりを押え部材で直接押えるように構成したものがあるが、この構成でも、装着ヘッド移動時にケーブルの移動側の部分が暴れて押え部材に衝突するため、その衝突の繰り返しでケーブルの摩耗・損傷が発生してケーブルの耐久性が低下しないように頻繁なメンテナンスが必要であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、往復移動する移動体にU字状に湾曲させて配線したケーブルの摩耗・損傷を少なくしてケーブルの耐久性を向上させるためのメンテナンス周期を延ばすことができるケーブル潤滑装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、往復移動する移動体に対して給電及び/又は信号の送受信を行うケーブルをU字状に湾曲させて配線し、該ケーブルのうちの前記移動体に接続されている移動側の部分を固定側の部分よりも上方又は下方に位置させたケーブル潤滑装置において、潤滑油が含浸された複数本の潤滑ローラを、前記ケーブルの移動側の部分の移動経路に沿って該移動側の部分の持ち上がり又は持ち下がりを押えるように配列し、前記ケーブルの固定側の部分を受け支えるケーブル受け部を、該ケーブルの固定側の部分の下側に沿って直線状に設けると共に、該ケーブル受け部内に、潤滑油が含浸された潤滑シートを設置した構成としたものである。
この構成では、移動体の移動時に、ケーブルの移動側の部分の持ち上がり又は下がりを押える潤滑ローラから滲み出る潤滑油がケーブルの移動側の部分に付着すると共に、該ケーブルの固定側の部分を受け支えるケーブル受け部内の潤滑シートから滲み出る潤滑油が該ケーブルの固定側の部分に付着する。このようにして、潤滑ローラと潤滑シートによってケーブルの広範囲に潤滑油を付着させることができ、その潤滑油の潤滑作用によってケーブルの摩耗・損傷を少なくしてケーブルの耐久性を向上させるためのメンテナンス周期を延ばすことができる。
この場合、請求項2のように、複数本の潤滑ローラをケーブルの移動側の部分の移動経路の全域にわたって所定ピッチで配列するようにすると良い。このようにすれば、移動体の移動時に、その移動経路の全域で、ケーブルの移動側の部分の持ち上がりを2本以上の潤滑ローラで分担して押えることができて、ケーブルの移動側の部分と各潤滑ローラとの間の衝突力を効果的に緩和することができ、ケーブルの摩耗・損傷を一層確実に少なくすることができる。
この場合、請求項3のように、ケーブルは、複数本の絶縁導線を帯状に一体化したフラットケーブルであっても良いし、請求項4のように、ケーブルを、該ケーブルの移動側の部分の移動に追従して変形するケーブルガイド内に収納するようにしても良い。ケーブルガイドを用いる場合は、フラットケーブルをケーブルガイド内に収容しても良いし、複数本の丸型のケーブルをケーブルガイド内に収容しても良い。フラットケーブルを用いる場合は、ケーブルガイドを用いずにフラットケーブルをU字状に湾曲させて配線しても良い。
以上説明した請求項1〜3に係る発明は、往復移動する移動体にケーブルをU字状に湾曲させて配線した様々な装置に適用可能であり、例えば、請求項5のように、部品実装機における部品吸着ノズルを保持する装着ヘッドのケーブル配線構造に適用しても良い。これにより、装着ヘッドに接続したケーブルの耐久性を向上させることができる。
図1は本発明の実施例1におけるモジュール型部品実装システムの構成を示す斜視図である。 図2は装着ヘッドをY軸方向に移動させるY軸スライド機構とその周辺部分を示す斜視図である。 図3は実施例1のY軸スライド機構のフラットケーブル配線構造の縦断側面図である。 図4は実施例1のY軸スライド機構のフラットケーブル配線構造の上面図である。 図5は実施例1のY軸スライド機構のフラットケーブル配線構造の縦断正面図である。 図6(a)は実施例1のフラットケーブルの断面形状の一例を示す断面図、同図(b)は潤滑シートの一例を示す断面図、同図(c)は潤滑シートの他の例を示す断面図である。 図7は実施例2のY軸スライド機構のフラットケーブル配線構造の縦断側面図である。 図8は実施例2のケーブルガイド内にフラットケーブルを収納した構成を説明する斜視図である。 図9は実施例2のケーブルガイドの固定側の部分をケーブル受け部で受け支える構成を説明する縦断面図である。 図10は実施例2の潤滑シートの断面形状の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、部品実装機のY軸スライド機構のフラットケーブル配線構造に適用して具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてモジュール型部品実装システムの構成を説明する。
モジュール型部品実装システムのベース台11上に、回路基板の搬送方向に隣接して複数台の実装機モジュール12(部品実装機)が入れ替え可能に整列配置されている。各実装機モジュール12は、本体ベッド13上に、部品供給装置14、回路基板搬送装置15、部品撮像装置16、部品装着装置17等を搭載して構成され、上部フレーム18の前面部には、操作パネル部19が設けられている。各実装機モジュール12の回路基板搬送装置15によって回路基板を順次搬送して部品装着装置17によって回路基板に部品を実装する。
一方、図2は、移動体である装着ヘッド22をY軸方向に移動させるY軸スライド機構24とその周辺部分を示す斜視図である。部品装着装置17は、複数本の部品吸着ノズル21を交換可能に保持する回転型の装着ヘッド22と、この装着ヘッド22を回路基板の搬送方向(以下この方向を「X軸方向」と定義する)に移動させるX軸スライド機構23と、このX軸スライド機構23を装着ヘッド22と共にY軸方向(回路基板の搬送方向と直交する方向)に移動させるY軸スライド機構24と、部品吸着動作時や装着動作時に装着ヘッド22の部品吸着ノズル21を昇降させるノズル昇降機構(図示せず)等から構成されている。
Y軸スライド機構24は、実装機モジュール12の上部フレーム18側に取り付けられたY軸モータ31によってY軸ボールねじ32を回転駆動することで、Y軸スライド33をY軸ガイド34に沿ってY軸方向にスライド移動させるように構成されている。このY軸スライド33にX軸スライド機構23を介して装着ヘッド22が支持されている。
次に、図3乃至図6を用いてY軸スライド機構24のフラットケーブル潤滑装置の構成を説明する。図3はY軸スライド機構24のフラットケーブル配線構造の縦断側面図、図4はY軸スライド機構24のフラットケーブル配線構造の上面図、図5はY軸スライド機構24のフラットケーブル配線構造の縦断正面図である。
Y軸方向にスライド移動する装着ヘッド22に対して給電及び信号の送受信を行うフラットケーブル41がU字状に湾曲させて配線されている。フラットケーブル41は、複数本の絶縁導線を帯状に一体化した平型のケーブルである。このフラットケーブル41のうちの装着ヘッド22に接続されている移動側の部分41aが固定側の部分41bよりも上方に配置されている。
図5に示すように、Y軸スライド機構24の上部を覆うカバー42の両側にフラットケーブル41が配置され、シリコンオイル等の潤滑油が含浸された複数本(例えば25本)の潤滑ローラ43が、フラットケーブル41の移動側の部分41aの移動経路に沿って該移動側の部分41aの持ち上がりを上側から押えるように配列されている。各潤滑ローラ43は、カバー42上に固定された断面L字形の取付フランジ44に支持シャフト45を介して回転自在に支持されている。図3及び図4に示すように、各潤滑ローラ43は、Y軸と直交するX軸と平行に配列され、且つ、フラットケーブル41の移動側の部分41aの移動経路の全域にわたって所定ピッチで配列されている。各潤滑ローラ43は、無数の微細孔を有する多孔状材料(例えば多孔質ゴム、多孔質樹脂等)で形成され、その微細孔にシリコンオイル等の潤滑油が含浸されている。
一方、図3及び図5に示すように、フラットケーブル41の固定側の部分41bを受け支えるケーブル受け部46が、該フラットケーブル41の固定側の部分41bの下側に沿って直線状に設けられ、該ケーブル受け部46内に、シリコンオイル等の潤滑油が含浸された潤滑シート47が設置されている。この潤滑シート47は、フェルト、不織布、スポンジ等の多孔状材料で形成されている。
図6(a)に示すように、フラットケーブル41の下面部の断面形状が凹凸のある形状である場合には、図6(b)に示すように、潤滑シート47の上面部をフラットケーブル41の下面部の凹凸形状に合わせた凹凸形状に形成しても良い。また、潤滑シート47を比較的柔らかい材料で形成する場合は、図6(b)に示すように、潤滑シート47の上面部を平面状に形成しても良い。潤滑シート47を比較的柔らかい材料で形成すれば、フラットケーブル41の下面部が潤滑シート47の上面部に当接したときに、潤滑シート47の上面部がフラットケーブル41の下面部の凹凸形状に倣った凹凸形状に自然に変形して潤滑シート47の上面部とフラットケーブル41の下面部との接触面積が拡大される。
以上説明した本実施例1によれば、装着ヘッド22の移動時に、フラットケーブル41の移動側の部分41aの持ち上がりを潤滑ローラ41で押えるときに、潤滑ローラ43から滲み出る潤滑油がフラットケーブル41の移動側の部分41aに付着すると共に、フラットケーブル41の固定側の部分41bを受け支えるケーブル受け部46内の潤滑シート47から滲み出る潤滑油がフラットケーブル41の固定側の部分41bに付着する。このようにして、潤滑ローラ43と潤滑シート47によってフラットケーブル41の広範囲に潤滑油を付着させることができ、その潤滑油の潤滑作用によって潤滑ローラ43やケーブル受け部46とフラットケーブル41との間の摩擦力を小さくしてフラットケーブル41の摩耗・損傷を少なくすることができ、フラットケーブル41の耐久性を向上させることができる。
しかも、本実施例1では、多数本の潤滑ローラ43をフラットケーブル41の移動側の部分41aの移動経路の全域にわたって所定ピッチで配列するようにしたので、装着ヘッド22の移動時に、その移動経路の全域で、フラットケーブル41の移動側の部分41aの持ち上がりを2本以上の潤滑ローラ43で分担して押えることができて、フラットケーブル41の移動側の部分41aと各潤滑ローラ43との間の衝突力を効果的に緩和することができ、フラットケーブル41の摩耗・損傷を一層確実に少なくすることができる利点がある。
次に、図7乃至図10を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、上記実施例1と実質的に同じ部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
本実施例2では、フラットケーブル41の移動側の部分41aの移動に追従して変形するケーブルガイド51内に、フラットケーブル41が収納されている。一般に、ケーブルガイド51は、ケーブルベア(登録商標)と称されている。
図7に示すように、ケーブルガイド51の移動側の部分51aの持ち上がりが上側から潤滑ローラ43によって押えられ、ケーブルガイド51の固定側の部分51bがケーブル受け部46内で受け支えられ、該ケーブル受け部46内にシリコンオイル等の潤滑油が含浸された潤滑シート47が設置されている。この潤滑シート47とケーブルガイド51内のフラットケーブル41との接触性を確保するために、図8及び図10に示すように、潤滑シート47の上面部には、複数の凸部47aがケーブルガイド51の開口部51cと同じ間隔で形成され、各凸部47aがケーブルガイド51の各開口部51cに嵌まり込むことで、各凸部47aがケーブルガイド51内のフラットケーブル41に接触するように構成されている。これにより、ケーブルガイド51とフラットケーブル41との間にも潤滑油を供給して、ケーブルガイド51とフラットケーブル41との間の摩擦によるフラットケーブル41の摩耗・損傷を少なくする。
本実施例2においても、多数本の潤滑ローラ43をケーブルガイド51の移動側の部分51a(フラットケーブル41の移動側の部分41a)の移動経路の全域にわたって所定ピッチで配列するようにしたので、装着ヘッド22の移動時に、その移動経路の全域で、ケーブルガイド51の移動側の部分51aの持ち上がりを2本以上の潤滑ローラ43で分担して押えることができて、ケーブルガイド51の移動側の部分51aと各潤滑ローラ43との間の衝突力を効果的に緩和することができ、ケーブルガイド51内のフラットケーブル41の摩耗・損傷を一層確実に少なくすることができる。
尚、ケーブルガイド51を用いる場合は、1本のフラットケーブル41に代えて、複数本の丸型のケーブルをケーブルガイド51内に収容しても良い。
また、上記実施例1,2では、フラットケーブル41の移動側の部分41aを上方、固定側の部分41bを下方に配置した構成としたが、これとは上下関係を反対にして、フラットケーブルの移動側の部分を下方、固定側の部分を上方に配置した構成としても良く、この場合は、潤滑ローラを下方、ケーブル受け部と潤滑シートを上方に配置すれば良い。また、上下に潤滑ローラを配置しても良い。
また、上記実施例1,2は、部品実装機のY軸スライド機構24のフラットケーブル潤滑装置に本発明を適用した実施例であるが、本発明は、これに限定されず、往復移動する移動体にケーブルをU字状に湾曲させて配線した様々な装置に適用可能である。
11…ベース台、12…実装機モジュール(部品実装機)、14…部品供給装置、15…回路基板搬送装置、16…部品撮像装置、17…部品装着装置、21…部品吸着ノズル、22…装着ヘッド(移動体)、23…X軸スライド機構、24…Y軸スライド機構、31…Y軸モータ、33…Y軸スライド、41…フラットケーブル(ケーブル)、41a…移動側の部分、41b…固定側の部分、43…潤滑ローラ、45…支持シャフト、46…ケーブル受け部、47…潤滑シート、51…ケーブルガイド51、51a…移動側の部分、51b…固定側の部分

Claims (5)

  1. 往復移動する移動体に対して給電及び/又は信号の送受信を行うケーブルをU字状に湾曲させて配線し、該ケーブルのうちの前記移動体に接続されている移動側の部分を固定側の部分よりも上方又は下方に位置させたケーブル潤滑装置において、
    潤滑油が含浸された複数本の潤滑ローラを、前記ケーブルの移動側の部分の移動経路に沿って該移動側の部分の持ち上がり又は持ち下がりを押えるように配列し、
    前記ケーブルの固定側の部分を受け支えるケーブル受け部を、該ケーブルの固定側の部分の下側に沿って直線状に設けると共に、該ケーブル受け部内に、潤滑油が含浸された潤滑シートを設置したことを特徴とするケーブル潤滑装置。
  2. 前記複数本の潤滑ローラは、前記ケーブルの移動側の部分の移動経路の全域にわたって所定ピッチで配列されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル潤滑装置。
  3. 前記ケーブルは、複数本の絶縁導線を帯状に一体化したフラットケーブルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル潤滑装置。
  4. 前記ケーブルは、該ケーブルの移動側の部分の移動に追従して変形するケーブルガイド内に収納されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のケーブル潤滑装置。
  5. 前記移動体は、部品実装機における部品吸着ノズルを保持する装着ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のケーブル潤滑装置。
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