JP2011015292A - 積層型コモンモードフィルタ - Google Patents

積層型コモンモードフィルタ Download PDF

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真 吉野
Kentaro Yoshida
賢太郎 吉田
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Abstract

【課題】磁束のロスを低減すると共に、信頼性を向上させることができる積層型コモンモードフィルタを提供する。
【解決手段】第一コイル導体31及び第二コイル導体34の辺部同士が交わる頂部において、内縁側の角部の周長を外縁側の角部よりも大きくする。従って、頂部同士の間のスペース幅を狭くして、辺部同士の間のスペース幅に近づけることが可能となり、これによって、磁束のロスを低減することができる。また、例えば、コイル導体の厚みを厚くして、厚みがコイル導体の導体幅よりも大きくなった場合は、積層時にシートを支えきれずに導体の倒れや潰れが発生する可能性があるが、内縁側の角部の周長を外縁側の角部よりも大きくして、頂部における導体の幅を大きくすることで、積層時にシートを確実に支え、導体の倒れや潰れを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層型コモンモードフィルタに関する。
従来の積層型コモンモードフィルタとして、絶縁体層を複数積層することによって構成された素体と、素体の内部で絶縁層同士の間に積層されているスパイラル形状の複数のコイルとを備えているものが知られている。この積層型コモンモードフィルタは、複数のコイル同士が互いに磁気結合することによって、コモンモードフィルタを構成している。
このような積層型コモンモードフィルタは、図6に示すように、導体幅が一定とされたコイルを有している。図6に示すように、従来の積層型コモンモードフィルタのコイルは、導体幅が一定とされて巻回されている。
特開2003−217932号公報
しかしながら、上述の積層型コモンモードフィルタにおいては、図6に示すように、コイルの導体幅が一定とされて巻回されているため、辺部と辺部が交わるコーナー部分では、導体同士の間の間隔が大きくなっていた。積層型コモンモードフィルタは、コイルの導体一本の回りに発生する磁束が、隣り合う導体の回りに発生する磁束と打ち消しあうことによってコイル全体の回りに大きな磁束を発生させるものである。しかし、導体同士の間の間隔が大きい場合は、導体の回りに発生する磁束の一部が、隣合う導体の回りの磁束と打ち消し合わずに、磁束が漏れてロスとなってしまう場合があった。従って、従来の積層型コモンモードフィルタでは、コイル導体のコーナー部分で導体同士の間隔が大きくなることによって、磁束のロスが発生する場合があった。更に、積層時にコイル導体に倒れや潰れが発生する可能性があり、積層型コモンモードフィルタの信頼性に影響を与えるおそれがあった。
本発明は、磁束のロスを低減すると共に、信頼性を向上することができる積層型コモンモードフィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る積層型コモンモードフィルタは、複数の絶縁体層が積層された素体と、素体内に積層され、矩形状の渦巻きパターンを構成する第一コイル導体と、素体内に積層され、第一コイル導体との間で絶縁体層の一部を挟むと共に、第一コイル導体と磁気結合し、矩形状の渦巻きパターンを構成する第二コイル導体と、を備え、第一コイル導体は、それぞれが矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部を有し、第二コイル導体は、それぞれが矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部を有し、第一コイル導体は、辺部同士が交わる部分において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくされていることを特徴とする。
本発明に係る積層型コモンモードフィルタによれば、第一コイル導体あるいは第二コイル導体の辺部同士が交わる部分において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部よりも大きくされている。従って、角部における導体同士の間のスペース幅を狭くして、辺部同士の間のスペース幅に近づけることが可能となり、これによって、磁束のロスを低減することができる。また、例えば、コイル導体の厚みを厚くして、厚みがコイル導体の導体幅よりも大きくなった場合は、積層時にシートを支えきれずに導体の倒れや潰れが発生する可能性がある。しかし、本発明に係る積層型コモンモードフィルタは、内縁側の角部の周長を外縁側の角部よりも大きくして、角部付近における導体の幅を大きくすることで、積層時にシートを確実に支え、導体の倒れや潰れを防止することができる。以上によって、磁束のロスを低減すると共に、信頼性を向上することができる。
また、本発明に係る積層型コモンモードフィルタにおいて、第二コイル導体は、辺部同士が交わる部分において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくされていることが好ましい。第一コイル導体及び第二コイル導体の両方について、角部における導体同士の間のスペース幅を狭くして、辺部同士の間のスペース幅に近づけることが可能となるため、磁束のロスを一層低減することができる。
また、本発明に係る積層型コモンモードフィルタにおいて、内縁側の角部と外縁側の角部は、それぞれ円弧をなしている。このように、角部を円弧にすることによって、辺部同士のスペース幅及び角部付近における導体同士のスペース幅を一定に保ち易くなる。
本発明によれば、磁束のロスを低減すると共に、部品の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る積層型コモンモードフィルタを示す斜視図である。 素体の構成を示す分解斜視図である。 素体の断面図である。 実施形態に係る積層型コモンモードフィルタの第一コイル導体及び第二コイル導体を積層方向から見た図である。 図4に示す第一コイル導体及び第二コイル導体の頂部の拡大図である。 従来の積層型コモンモードフィルタのコイル導体を積層方向から見た図である。 変形例に係る積層型コモンモードフィルタの第一コイル導体及び第二コイル導体の頂部の拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型コモンモードフィルタの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層型コモンモードフィルタを示す斜視図である。また、図2は、素体の構成を示す分解斜視図であり、図3は、素体の断面図である。図1に示すように、積層型コモンモードフィルタ1は、略直方体形状の素体2と、素体2の長手方向の両端部に形成された外部電極3〜6とを備えている。
外部電極3,5は、素体2の長手方向の一方の端面2aにおいて、所定の間隔をもって素体2の積層方向に延在しており、外部電極3,5の両端部は、素体2の上面2c及び底面2dに張り出した状態となっている。外部電極4,6は、素体2の長手方向の他方の端面2bにおいて、所定の間隔をもって素体2の積層方向に延在しており、外部電極4,6の両端部は、素体2の上面2c及び底面2dに張り出した状態となっている。
素体2は、図2及び図3に示すように、矩形状の渦巻きパターンを構成する第一コイル導体31及び第二コイル導体34が表面に形成された一対の非磁性シート(絶縁体層)22,26を含む複数の非磁性体層11と、非磁性体層11を挟む一対の磁性体層12,12とが積層された積層体である。素体2は、導体パターンを形成したグリーンシートの焼成によって形成されており、実際の積層型コモンモードフィルタ1では、非磁性体層11及び磁性体層12を構成する各層同士は、視認できない程度に一体化されている。
磁性体層12,12は、それぞれ複数(本実施形態では4枚)の磁性シート21の積層体である。焼成後の各磁性シート21の厚さは、例えば20μm〜40μm程度となっている。磁性体層12,12は、非磁性体層11を積層方向の上下から挟むように配置されており、上述した素体2の上面2c及び底面2dを構成している。
非磁性体層11は、複数層(本実施形態では6層)の非磁性シートの積層体である。より具体的には、非磁性体層11は、第一コイル導体31が形成された非磁性シート(絶縁体層)22、第一引出導体32が形成された非磁性シート(絶縁体層)23、第一余白非磁性シート(絶縁体層)24、第二引出導体33が形成された非磁性シート(絶縁体層)25、第二コイル導体34が形成された非磁性シート(絶縁体層)26、及び第二余白非磁性シート(絶縁体層)27がこの順に積層されて構成されている。各磁性体35の間に位置する焼成後の各非磁性シート22〜27の厚さは、例えば5μm〜20μm程度となっている。
焼成後の渦巻状の第一コイル導体31は、非磁性シート22の表面に形成されている。第一コイル導体31の引出部31aは、素体2の端面2bまで引き出され、外部電極4に接続されている。また、第一コイル導体31の引出部31bは、非磁性シート22の中央側に伸びている。非磁性シート23において、第一コイル導体31の引出部31bに対応する位置には、非磁性シート23を厚み方向に貫通するスルーホール導体(不図示)が形成されている。
焼成後の第一引出導体32は、非磁性シート23の表面において、第一コイル導体31と同様に、例えば5μm〜20μm程度の厚さで形成されている。第一引出導体32の外側端部32aは、素体2の端面2aまで引き出され、外部電極3に接続されている。また、第一引出導体32の内側端部32bは、非磁性シート23のスルーホール導体に対応する位置に伸びている。これにより、第一コイル導体31は、第一引出導体32を介して外部電極3に接続されている。
焼成後の渦巻状の第二コイル導体34は、非磁性シート26の表面に形成されており、積層方向から見て第一コイル導体31と磁気結合することができる。第二コイル導体34の外側端部34aは、素体2の端面2bまで引き出され、外部電極6に接続されている。また、第二コイル導体34の内側端部34bは、非磁性シート26の中央側に伸びている。非磁性シート26において、第二コイル導体34の内側端部34bに対応する位置には、非磁性シート26を厚み方向に貫通するスルーホール導体(不図示)が形成されている。
焼成後の第二引出導体33は、非磁性シート25の表面において、第二コイル導体34と同様に、例えば5μm〜20μm程度の厚さで形成されている。第二引出導体33の外側端部33aは、素体2の端面2aまで引き出され、外部電極5に接続されている。また、第二引出導体33の内側端部33bは、非磁性シート26のスルーホール導体に対応する位置まで伸びている。これにより、第二コイル導体34は、第二引出導体33を介して外部電極5に接続されている。
さらに、各非磁性シート22〜27の表面には、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の内側領域R1に位置する磁性体層35がそれぞれ設けられている。磁性体層35は、例えば印刷によって矩形にパターン形成され、焼成後の磁性体層35の厚さは、例えば3μm〜15μm程度となっている。第一コイル導体31が形成された非磁性シート22、及び第二コイル導体34が形成された非磁性シート26においては、磁性体層35と第一コイル導体31及び第二コイル導体34との間には所定の間隔が設けられており、これらが互いに接触しないようになっている。
素体2においては、以上の非磁性シート22〜27が積層されることにより、図3に示すように、磁性体と非磁性体とが積層方向に交互に並ぶ柱状部分P1が、一対の磁性体層12,12間において第一コイル導体31及び第二コイル導体34の内側領域R1に形成されている。本実施形態では、非磁性シート22〜27の厚さと磁性体層35の厚さとが等しくなっている。したがって、柱状部分P1では、磁性体と非磁性体とが積層方向に沿って均等の厚さで交互に並ぶと共に、第一コイル導体31及び第二コイル導体34と同一段に磁性体が配置されることとなる。
次に、図4及び図5を用いて、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の構成について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタ1の第一コイル導体31及び第二コイル導体34を積層方向から見た図である。図5は、図4に示す第一コイル導体31及び第二コイル導体34の頂部の拡大図である。
図4に示すように、第一コイル導体31は、矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部と、辺部同士が交わることによって構成される頂部(辺部同士が交わる部分)とを有している。第一コイル導体31は、最外周側で略正方形状を形成するように、辺部41A,41B,41C,41Dを有している。なお、辺部41Aの一端部は、非磁性シート26の幅方向の中央位置で引出部31aと接続されているため、他の辺部41B,41C,41Dの約半分の長さとされている。更に、第一コイル導体31は、外周側から内周側へ向かって徐々に小さくなる略正方形状を形成するように、辺部42A,42B,42C,42D、辺部43A,43B,43C,43D、辺部44A,44B,44C,44D、辺部45A,45B,45Cを備えている。辺部45Cは、他の辺部45A,45Bの約半分の長さとされており、端部が第一コイル導体31の引出部31bとされている。辺部41A,42A,43A,44A,45Aは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部41B,42B,43B,44B,45Bは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部41C,42C,43C,44C,45Cは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部41D,42D,43D,44Dは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。
辺部41A,42A,43A,44A,45Aと、辺部41B,42B,43B,44B,45Bとが交わる部分に、それぞれ頂部51A,52A,53A,54A,55Aが形成される。辺部41B,42B,43B,44B,45Bと、辺部41C,42C,43C,44C,45Cとが交わる部分に、それぞれ頂部51B,52B,53B,54B,55Bが形成される。辺部41C,42C,43C,44Cと、辺部41D,42D,43D,44Dとが交わる部分に、それぞれ頂部51C,52C,53C,54Cが形成される。辺部41D,42D,43D,44Dと、辺部42A,43A,44A,45Aとが交わる部分に、それぞれ頂部51D,52D,53D,54Dが形成される。焼成前においては、例えば、各辺部の幅は30〜35μmに設定され、互いに隣り合う各辺部同士の間のスペース幅は30μmに設定され、各辺部の導体厚は15μmに設定される。焼成後においては、各辺部の幅は25〜30μmに設定され、互いに隣り合う各辺部同士の間のスペース幅は22〜27μmに設定され、各辺部の導体厚は5〜10μmに設定される。また、各辺部の一辺の長さは、80〜1100μmに設定される。
また、第二コイル導体34は、矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部と、辺部同士が交わることによって構成される頂部(辺部同士が交わる部分)とを有している。第二コイル導体34は、最外周側で略正方形状を形成するように、辺部61A,61B,61C,61Dを有している。なお、辺部61Aの一端部は、非磁性シート26の幅方向の中央位置で引出部31aと接続されているため、他の辺部61B,61C,61Dの約半分の長さとされている。更に、第二コイル導体34は、外周側から内周側へ向かって徐々に小さくなる略正方形状を形成するように、辺部62A,62B,62C,62D、辺部63A,63B,63C,63D、辺部64A,64B,64C,64D、辺部65A,65B,65Cを備えている。辺部65Cは、他の辺部65A,65Bの約半分の長さとされており、端部が第二コイル導体34の引出部31bとされている。辺部61A,62A,63A,64A,65Aは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部61B,62B,63B,64B,65Bは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部61C,62C,63C,64C,65Cは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。辺部61D,62D,63D,64Dは、互いに平行をなし、外周側から内周側へ向かって等間隔に配置されている。
辺部61A,62A,63A,64A,65Aと、辺部61B,62B,63B,64B,65Bとが交わる部分に、それぞれ頂部71A,72A,73A,74A,75Aが形成される。辺部61B,62B,63B,64B,65Bと、辺部61C,62C,63C,64C,65Cとが交わる部分に、それぞれ頂部71B,72B,73B,74B,75Bが形成される。辺部61C,62C,63C,64Cと、辺部61D,62D,63D,64Dとが交わる部分に、それぞれ頂部71C,72C,73C,74Cが形成される。辺部61D,62D,63D,64Dと、辺部62A,63A,64A,65Aとが交わる部分に、それぞれ頂部71D,72D,73D,74Dが形成される。焼成前においては、例えば、各辺部の幅は30〜35μmに設定され、互いに隣り合う各辺部同士の間のスペース幅は30μmに設定され、各辺部の導体厚は15μmに設定される。焼成後においては、各辺部の幅は25〜30μmに設定され、互いに隣り合う各辺部同士の間のスペース幅は22〜27μmに設定され、各辺部の導体厚は5〜10μmに設定される。また、各辺部の一辺の長さは、80〜1100μmに設定される。
図5に示すように、第一コイル導体31の辺部41Cと辺部41Dとの間の頂部51Cにおいて、内縁側の角部82と外縁側の角部81とがそれぞれ円弧をなしている。内縁側の角部82の内径は、外縁側の角部81の外径よりも大きくされている。また、内縁側の角部82の周長が、外縁側の角部81の周長よりも大きくされている。内縁側の角部82の周長とは、角部82の円弧の長さであって、図5においてL1で示される長さである。また、外縁側の角部81の周長とは、角部81の円弧の長さであって、図5においてL2で示される長さである。このL1とL2との間ではL1>L2の関係が成り立つ。角部81の外径は10〜70μmに設定され、角部81の周長L2は15〜110μmに設定される。角部82の内径は40〜100μmに設定され、角部82の周長L1は60〜160μmに設定される。
頂部51Cと同様に、頂部52Cにおいて、内縁側の角部84と外縁側の角部83とがそれぞれ円弧をなしている。内縁側の角部84の内径は、外縁側の角部83の外径よりも大きくされている。また、内縁側の角部84の周長が、外縁側の角部83の周長よりも大きくされている。また、頂部53Cは、内縁側の角部86と外縁側の角部85とがそれぞれ円弧をなしている。内縁側の角部86の内径は、外縁側の角部85の外径よりも大きくされている。また、内縁側の角部86の周長が、外縁側の角部85の周長よりも大きくされている。内縁側の角部84,86の内径及び周長は、内縁側の角部82と同様である。外縁側の角部83,85の外径及び周長は、外縁側の角部81と同様である。
第一コイル導体31は、導体同士の間のスペース幅が、矩形状の渦巻きパターンの全周にわたって一定とされている。すなわち、径方向に隣り合う頂部51Cと頂部52Cとの間のスペース幅(内縁側の角部82と外縁側の角部83との間の距離)は、辺部42Dと辺部41Dとの間のスペース幅及び辺部42Cと辺部41Cとの間のスペース幅と同じである。具体的には、(内縁側の角部82の内径)−(外縁側の角部83の外径)=(辺部42Dと辺部41Dとの間のスペース幅)という関係が成り立つ。この関係は、内縁側の角部84と外縁側の角部85との間でも成り立つ。
なお、図5で説明した寸法関係は、図5に示されている第二コイル導体34についての辺部61C,62C,63C,61D,62D,63D及び頂部71C,72C,73Cについても成り立つ更に、図5で説明した寸法関係は、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の図5に示されていない辺部及び頂部についても成り立つ。
続いて、上述した積層型コモンモードフィルタ1の作製方法について説明する。
まず、磁性シート21を構成する磁性グリーンシート、及び非磁性シート22〜27を構成する非磁性グリーンシートをそれぞれ用意する。非磁性グリーンシートは、例えばFeとZnOとCuOとの混合粉を原料としたスラリーを、ドクターブレード法によってフィルム上に塗布して形成する。FeとZnOとCuOとの混合粉の代わりに、誘電体材料(TiOとCuOとNiOとMnCOとの混合粉等)や、酸化物セラミック材料(Al、SiO、ZrO、フォルステライト、ステアタイト、コージライト等、またはこれらの混合粉)を用いてもよい。
また、磁性グリーンシートは、例えばフェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又は、Ni−Cu系フェライト等)粉末を原料としたスラリーを、ドクターブレード法によってフィルム上に塗布して形成する。
次に、所定の非磁性グリーンシートにおけるスルーホール導体の形成予定位置に、レーザ加工等によってスルーホールを形成する。スルーホールの形成後、非磁性グリーンシートに、第一コイル導体31、第一引出導体32、第二コイル導体34、及び第二引出導体33に対応する導体パターンを形成する。各導体パターンは、例えば銀もしくはニッケルを主成分とする導体ペーストをスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。各スルーホールには、各導体パターンの形成の際に導体ペーストが充填される。
導体パターンの形成の後、各非磁性グリーンシートの中央領域、すなわち、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の内側領域R1となる領域に、磁性体層35に対応する磁性体を印刷によってパターン形成する。磁性体としては、例えば磁性グリーンシートと同様のフェライト粉末を原料としたスラリーが用いられる。
磁性体を印刷した後、乾燥工程を経て各グリーンシートを順次積層して圧着し、チップ単位に切断する。その後、例えば800℃〜900℃の温度で所定時間の焼成を行い、素体2を得る。その後、素体2の端面2a,2bに外部電極3〜6を形成する。これにより、図1〜図3に示した積層型コモンモードフィルタ1が完成する。
外部電極3〜6は、素体2の端面2a,2bに銀、ニッケルもしくは銅を主成分とする電極ペーストを転写した後、例えば700℃程度にて焼き付けを行い、更に電気めっきを施すことによって形成される。電気めっきには、Cu/Ni/Sn、Ni/Sn、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、又は、Ni/Ag等を用いることができる。
次に、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタ1の作用・効果について説明する。
図6は、従来の積層型コモンモードフィルタのコイル導体を積層方向から見た図である。まず、従来の積層型コモンモードフィルタにおいては、図6に示すように、コイル導体100の導体幅が一定とされて巻回されている。すなわち、コイル導体100の辺部101と頂部102の幅が一定となっていた。このとき、頂部102の外縁側の角部の周長が内縁側の角部の周長よりも大きくなる。従って、径方向に隣り合う頂部102同士の間のスペースは、辺部同士のスペース幅に比べて大きくなっていた。積層型コモンモードフィルタは、コイルの導体一本の回りに発生する磁束が、隣り合う導体の回りに発生する磁束と打ち消しあうことによってコイル全体の回りに大きな磁束を発生させるものである。しかし、導体同士の間の間隔が大きい場合は、導体の回りに発生する磁束の一部が、隣合う導体の回りの磁束と打ち消し合わずに、磁束が漏れてロスとなってしまう場合があった。従って、従来の積層型コモンモードフィルタでは、コイル導体100の頂部102で導体同士の間隔が大きくなることによって、当該頂部102で磁束のロスが発生する場合があった。
一方、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタ1は、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の辺部同士が交わる頂部において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部よりも大きくされている。従って、頂部同士の間のスペース幅を狭くして、辺部同士の間のスペース幅に近づけることが可能となり、これによって、磁束のロスを低減することができる。また、例えば、コイル導体の厚みを厚くして、厚みがコイル導体の導体幅よりも大きくなった場合は、積層時にシートを支えきれずに導体の倒れや潰れが発生する可能性がある。しかし、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタ1は、内縁側の角部の周長を外縁側の角部よりも大きくして、頂部における導体の幅を大きくすることで、積層時にシートを確実に支え、導体の倒れや潰れを防止することができる。以上によって、磁束のロスを低減すると共に、信頼性を向上することができる。
また、本実施形態に係る積層型コモンモードフィルタ1では、内縁側の角部と外縁側の角部がそれぞれ円弧をなしている。このように、角部を円弧にすることによって、辺部同士のスペース幅及び頂部同士のスペース幅を一定に保ち易くなる。辺部同士のスペース幅及び頂部同士のスペース幅を一定に保つことによって、磁束のロスを低減すると同時に、反射の影響も低減することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態においては、内縁側の角部及び外縁側の角部はそれぞれ円弧であったが、角部の形状は特に限定されない。例えば、直線状に面取りをなすことによって形成された角部であってもよい。具体的には、図7に示すように、辺部41C,61Cと辺部41D,61D同士が交わる頂部51C,71Cの外縁側を面取りすることで角部181を形成し、内縁側を面取りすることで角部182を形成する。また、辺部42C,62Cと辺部42D,62D同士が交わる頂部52C,72Cの外縁側を面取りすることで角部183を形成し、内縁側を面取りすることで角部184を形成する。また、辺部43C,63Cと辺部43D,63D同士が交わる頂部53C,73Cの外縁側を面取りすることで角部185を形成し、内縁側を面取りすることで角部186を形成する。内縁側の角部182,184,186の周長は、外縁側の角部181,183,185の周長よりも大きい。ここで、内縁側の角部の周長とは、面取り部分の長さであって、図7においてL3で示される大きさである。外縁側の角部の周長とは、面取り部分の長さであって、図7においてL4で示される大きさである。L3とL4との間には、L3>L4の関係が成り立つ。
また、上述の実施形態においては第一コイル導体31及び第二コイル導体34の両方について、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくなっていたが、第一コイル導体31及び第二コイル導体34の少なくとも一方についてのみ、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくなっているものであってもよい。
1…積層型コモンモードフィルタ、2…素体、22,23,25,26…非磁性シート(絶縁体層)、24…第一余白非磁性シート(絶縁体層)、27…第二余白非磁性シート(絶縁体層)、31…第一コイル導体、34…第二コイル導体、41A〜45A,41B〜45B,41C〜45C,41D〜44D…辺部、51A〜55A,51B〜55B,51C〜54C,51D〜54D…頂部(辺部同士が交わる部分)、61A〜65A,61B〜65B,61C〜65C,61D〜64D…辺部、71A〜75A,71B〜75B,71C〜74C,71D〜74D…頂部(辺部同士が交わる部分)、81,83,85,181,183,185…外縁側の角部、82,84,86,182,184,186…内縁側の角部。

Claims (3)

  1. 複数の絶縁体層が積層された素体と、
    前記素体内に積層され、矩形状の渦巻きパターンを構成する第一コイル導体と、
    前記素体内に積層され、前記第一コイルとの間で前記絶縁体層の一部を挟むと共に、前記第一コイル導体と磁気結合し、矩形状の渦巻きパターンを構成する第二コイル導体と、を備え、
    前記第一コイル導体は、それぞれが前記矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部を有し、前記第二コイル導体は、それぞれが前記矩形状の渦巻きパターンの一辺を構成するように直線状に延びる複数の辺部を有し、
    前記第一コイル導体は、前記辺部同士が交わる部分において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくされていることを特徴とする積層型コモンモードフィルタ。
  2. 前記第二コイル導体は、前記辺部同士が交わる部分において、内縁側の角部の周長が外縁側の角部の周長よりも大きくされていることを特徴とする請求項1記載の積層型コモンモードフィルタ。
  3. 前記内縁側の角部と前記外縁側の角部は、それぞれ円弧をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の積層型コモンモードフィルタ。
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