JP2012119374A - 積層コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Hisashi Abe
久 阿部
Kunihiko Kawasaki
邦彦 川崎
Masaki Takahashi
聖樹 高橋
Takuo Hattori
琢生 服部
Yutaka Morioka
豊 森岡
Shizuki Sasaki
鎮樹 佐々木
Takashi Kimura
孝 木村
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Abstract

【課題】グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成されるのを防ぎ、特性劣化を抑制することが可能な積層コイル部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の非磁性体グリーンシートが積層され且つ内部にコイル状の導体パターンPが配置されると共に、導体パターンPの内側を通るように複数の非磁性体グリーンシートの積層方向に伸びる貫通孔THが形成された積層体MB1を準備する。貫通孔TH内に磁性体ペーストを充填し、積層体MB1の主面MB1aから突出するようにグリーン磁性芯体GCを積層体MB1に形成する。積層体MB1を積層方向で挟むように、積層体MB1に磁性体グリーンシートを積層する。積層体MB1と磁性体グリーンシートとが積層された構造体STを焼成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、積層コイル部品の製造方法に関する。
積層コイル部品の製造方法として、複数の非磁性体グリーンシートが積層され且つ内部にコイル状の導体パターンが配置されると共に、コイル状の導体パターンの内側を通るように複数の非磁性体グリーンシートの積層方向に伸びる貫通孔が形成された積層体を準備する準備工程と、貫通孔内に磁性体ペーストを充填し、積層体にグリーン磁性芯体を形成するグリーン磁性芯体形成工程と、積層体を上記積層方向で挟むように、積層体に磁性体グリーンシートを積層する積層工程と、積層体と磁性体グリーンシートとが積層された構造体を焼成する焼成工程と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−080594号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている積層コイル部品の製造方法は、以下のような問題点を有している。
グリーン磁性芯体を形成するために用いられる磁性体ペーストには、一般に、溶剤が含まれている。磁性体ペーストに含まれる溶剤は、磁性体ペーストを付与した後に、磁性体ペーストを乾燥させて除去される。このとき、グリーン磁性芯体は、溶剤が除去される分、収縮する。
グリーン磁性芯体が収縮していると、磁性体グリーンシートを積層体に積層した際に、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成され、構造体は、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成された状態で焼成されることとなる。したがって、焼成後においても、グリーン磁性芯体から得られた磁性芯体と、磁性体グリーンシートから得られた磁性体層と、の間に間隙が形成されてしまう。このように、磁性芯体と磁性体層との間に間隙が形成されると、積層コイル部品の特性(インダクタンスやインピーダンスなど)が劣化する。
本発明の目的は、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成されるのを防ぎ、特性劣化を抑制することが可能な積層コイル部品の製造方法を提供することである。
本発明に係る積層コイル部品の製造方法は、複数の非磁性体グリーンシートが積層され且つ内部にコイル状の導体パターンが配置されると共に、コイル状の導体パターンの内側を通るように複数の非磁性体グリーンシートの積層方向に伸びる貫通孔が形成された積層体を準備する準備工程と、貫通孔内に磁性体ペーストを充填し、積層体にグリーン磁性芯体を形成するグリーン磁性芯体形成工程と、積層体を積層方向で挟むように、積層体に磁性体グリーンシートを積層する積層工程と、積層体と磁性体グリーンシートとが積層された構造体を焼成する焼成工程と、を備え、グリーン磁性芯体形成工程では、グリーン磁性芯体を積層体の一方の主面から突出するように形成することを特徴とする。
本発明に係る積層コイル部品の製造方法では、グリーン磁性芯体形成工程において、グリーン磁性芯体が、積層体の一方の主面から突出するように形成されることとなる。このため、グリーン磁性芯体が収縮していた場合でも、磁性体グリーンシートを積層体に積層した際に、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとが接触して、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成されることはない。このため、焼成後に、磁性芯体と磁性体層との間に間隙が形成されるのが抑制されることとなり、積層コイル部品の特性劣化を抑制することができる。
グリーン磁性芯体形成工程では、印刷パターンとして貫通孔に対応する開口が形成されたメタルマスクを用いて磁性体ペーストを貫通孔内に充填することにより、磁性体ペーストを積層体の一方の主面から突出するように付与してもよい。この場合には、グリーン磁性芯体を積層体の一方の主面から突出するように確実に形成することができる。
グリーン磁性芯体形成工程では、磁性体ペーストを積層体の一方の主面から突出するように複数回付与してもよい。この場合には、グリーン磁性芯体を積層体の一方の主面から突出するように確実に形成することができる。
本発明によれば、グリーン磁性芯体と磁性体グリーンシートとの間に間隙が形成されるのを防ぎ、特性劣化を抑制することが可能な積層コイル部品の製造方法を提供することが可能な積層コイル部品の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る積層コモンモードフィルタを示す斜視図である。 素体の構成を示す分解斜視図である。 素体の断面構成を説明するための図である。 積層コモンモードフィルタの製造方法を説明するための図である。 積層コモンモードフィルタの製造方法を説明するための図である。 積層コモンモードフィルタの製造方法を説明するための図である。 積層コモンモードフィルタの製造方法を説明するための図である。 積層コモンモードフィルタの製造方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1〜図3を参照して、積層コモンモードフィルタ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る積層コモンモードフィルタを示す斜視図である。図2は、素体の構成を示す分解斜視図である。図3は、素体の断面構成を説明するための図である。本実施形態は、本発明を積層コモンモードフィルタに適用したものである。そして、積層コモンモードフィルタ1は、後述する好適な実施形態に係る製造方法を適用して得られたものである。
積層コモンモードフィルタ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体2と、素体2の長手方向の両端部に形成された外部電極3〜6と、を備えている。
外部電極3,5は、素体2の長手方向の一方の端面2aにおいて、所定の間隔をもって素体2の積層方向に延在している。外部電極3,5の両端部は、素体2の上面2c及び底面2dに張り出した状態となっている。外部電極4,6は、素体2の長手方向の他方の端面2bにおいて、所定の間隔をもって素体2の積層方向に延在している。外部電極4,6の両端部は、素体2の上面2c及び底面2dに張り出した状態となっている。
素体2は、図2及び図3に示されるように、渦巻き状の第1コイル導体30及び第2コイル導体31が表面に形成された一対の非磁性体シート22,26を含む複数の非磁性体層10と、非磁性体層10を挟む一対の磁性体層11とが積層された積層体である。素体2は、導体パターンを形成したグリーンシートの焼成によって形成されており、実際の積層コモンモードフィルタ1では、非磁性体層10及び磁性体層11を構成する各層同士は、視認できない程度に一体化されている。
磁性体層11は、それぞれ複数(本実施形態では4枚)の磁性体シート21の積層体である。各磁性体シート21の厚みは、例えば20〜40μm程度である。磁性体層11,11は、非磁性体層10を積層方向の上下から挟むように配置されており、上述した素体2の上面2c及び底面2dを構成している。
非磁性体層10は、複数層(本実施形態では6層)の非磁性体シートの積層体である。非磁性体層10は、第1コイル導体30が形成された非磁性体シート22、第1引出導体32が形成された非磁性体シート23、第1余白非磁性体シート24、第2引出導体33が形成された非磁性体シート25、第2コイル導体31が形成された非磁性体シート26、及び第2余白非磁性体シート27がこの順に積層されて構成されている。各非磁性体シート22〜27の厚みは、例えば5〜20μm程度である。
コイル状の第1コイル導体30は、非磁性体シート22の表面において、例えば5〜20μm程度の厚みで形成されている。第1コイル導体30の外側端部30aは、素体2の端面2bまで引き出され、外部電極4に接続されている。第1コイル導体30の内側端部30bは、非磁性体シート22の中央側に伸びている。非磁性体シート23において、第1コイル導体30の内側端部30bに対応する位置には、非磁性体シート23を厚み方向に貫通するスルーホール導体(図示しない)が形成されている。
第1引出導体32は、非磁性体シート23の表面において、第1コイル導体30と同様に、例えば5〜20μm程度の厚みで形成されている。第1引出導体32の外側端部32aは、素体2の端面2aまで引き出され、外部電極3に接続されている。第1引出導体32の内側端部32bは、非磁性体シート23のスルーホール導体に対応する位置に伸びている。これにより、第1コイル導体30は、第1引出導体32を介して外部電極3に接続されている。
コイル状の第2コイル導体31は、非磁性体シート26の表面において、例えば5μm〜20μm程度の厚さで形成されている。第2コイル導体31の外側端部31aは、素体2の端面2bまで引き出され、外部電極6に接続されている。第2コイル導体31の内側端部31bは、非磁性体シート26の中央側に伸びている。非磁性体シート26において、第2コイル導体31の内側端部31bに対応する位置には、非磁性体シート26を厚み方向に貫通するスルーホール導体(図示しない)が形成されている。
第2引出導体33は、非磁性体シート25の表面において、第2コイル導体31と同様に、例えば5〜20μm程度の厚みで形成されている。第2引出導体33の外側端部33aは、素体2の端面2aまで引き出され、外部電極5に接続されている。第2引出導体33の内側端部33bは、非磁性体シート26のスルーホール導体に対応する位置まで伸びている。これにより、第2コイル導体31は、第2引出導体33を介して外部電極5に接続されている。
非磁性体層10(非磁性体シート22〜27)には、第1及び第2コイル導体30,31の内側を通るように、非磁性体層10(非磁性体シート22〜27)の厚み方向、すなわち非磁性体シート22〜27の積層方向に伸びる貫通孔34が形成されている。貫通孔34の、非磁性体シート22〜27の積層方向に直交する面で切断した断面形状は矩形とされている。
貫通孔34には、磁性体ペーストの焼結体からなる磁性芯体35が配置されている。磁性芯体35は、貫通孔34の形状に対応して、略直方体形状を呈している。磁性芯体35は、磁性体層11に接続されており、磁性体層11間を結ぶ磁路を形成している。フェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライト)から構成されている。図2では、説明のため、磁性芯体35(貫通孔34)を各非磁性体シート22〜27の厚みに対応した間隔で分割して示している。実際の積層コモンモードフィルタ1では、磁性体層11と磁性芯体35とは、視認できない程度に一体化されている。
続いて、図4〜図8を参照して積層コモンモードフィルタ1の製造方法について説明する。図4〜図8では、後述する非磁性体グリーンシート間の境界線の図示を省略し、図8では、同じく磁性体グリーンシート間の境界線の図示を省略している。
まず、磁性体シート21を構成することとなる磁性体グリーンシート、及び非磁性体シート22〜27を構成することとなる非磁性体グリーンシートをそれぞれ用意する。非磁性体グリーンシートは、Znの酸化物単独ならびにMgの酸化物及びZnの酸化物から選ばれる一つと、Cuの酸化物と、Siの酸化物とを主成分(MgSiO及びZnSiOを含む複合酸化物にCuを含有)とし、これにガラス成分、バインダ樹脂、及びバインダ樹脂の溶媒を含有したスラリーを、ドクターブレード法によって基材(例えば、PETフィルムなど)上に塗布して形成する。
上記ガラス成分は、ガラス軟化点が750℃以下の低融点ガラスであり、Siの酸化物、Znの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Srの酸化物及びLiの酸化物から選ばれる少なくとも一つと、Bの酸化物とを含むものである。具体的には、ガラス成分としては、B−SiO−BaO−CaO系ガラス、B−SiO−BaO系ガラス、B−SiO−CaO系ガラス、B−SiO−SrO系ガラス、B−SiO−LiO系ガラス、B−ZnO−BaO系ガラス、B−ZnO−LiO系ガラス、B−SiO−ZnO−BaO系ガラス、B−SiO−ZnO−BaO−CaO系ガラス等が挙げられる。
磁性体グリーンシートは、例えばフェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又は、Ni−Cu系フェライト等)粉末などの磁性体粉末、バインダ樹脂、及びバインダ樹脂の溶媒を含有したスラリーを、ドクターブレード法によって基材(例えば、PETフィルムなど)上に塗布して形成する。本実施形態にあっては、フェライト粉末には、例えばFeが48.00mol%〜49.00mol%、NiOが15.92mol%〜27.85mol%、CuOが8.28mol%〜11.18mol%、ZnOが12.93mol%〜27.00mol%含有されている。
次に、所定の非磁性体グリーンシートおけるスルーホール導体の形成予定位置に、レーザ加工によって貫通孔を形成する。そして、貫通孔の形成後、非磁性体グリーンシートに、第1コイル導体30、第1引出導体32、第2コイル導体31、及び第2引出導体33に対応する導体パターンを形成する。各導体パターンは、例えば銀もしくはニッケルを主成分とする導体ペーストをスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。スルーホール導体に対応するスルーホールには、各導体パターンの形成の際に導体ペーストが充填される。
また、非磁性体グリーンシートに、第1及び第2コイル導体30,31に対応するコイル状の導体パターンの内側に対応する位置に、貫通孔を形成する。貫通孔THの形成は、レーザ加工や、パンチなどを用いた機械加工などにより行うことができる。
次に、導体パターンが形成された非磁性体グリーンシートを基材から剥がし、順次積層して圧着する。それにより、図4に示されるように、複数の非磁性体グリーンシートが積層されてなり且つ内部に第1及び第2コイル導体30,31に対応する導体パターンPが配置された積層体MB1が得られることとなる。基材は、非磁性体グリーンシートを順次積層する毎に、積層した非磁性体グリーンシートから剥がしてもよく、また、積層する前に、非磁性体グリーンシートから剥がしておいてもよい。
そして、各非磁性体グリーンシートに、導体パターンPの内側に対応する位置に貫通孔を予め形成されていることから、複数の非磁性体グリーンシートからなる積層体MB1には、第1及び第2コイル導体30,31に対応する導体パターンPの内側を通るように非磁性体グリーンシートの積層方向に伸びる貫通孔THが形成されることとなる。貫通孔THは、焼成後に、貫通孔34となる。貫通孔THは、複数の非磁性体グリーンシートを積層して積層体MB1を形成した後に、積層体MB1に形成してもよい。これらの工程により、積層方向に貫通孔THが形成された積層体MB1が準備されることとなる(準備工程)。
次に、図5に示されるように、貫通孔TH内に磁性体ペーストを充填し、積層体MB1に、磁性体ペーストからなるグリーン磁性芯体GCを形成する(グリーン磁性芯体形成工程)。磁性体ペーストは、上述したフェライト粉末などの磁性体粉末の他、バインダ樹脂や溶剤を含有している。本工程では、充填した磁性体ペーストを、遠赤外線や熱風などにより乾燥させて、磁性体ペーストに含有される溶剤を除去する。そして、グリーン磁性芯体GCは、積層体MB1の主面MB1aから突出するように形成される。本実施形態では、グリーン磁性芯体GCは、その積層体MB1の主面MB1aから突出する部分(以下、単に「突出部分」と称する。)が主面MB1aの一部を覆うように形成されている。
グリーン磁性芯体GCを形成する手法としては、以下のもの挙げられる。
図6に示されるように、印刷パターンとして貫通孔THに対応する開口MMaが形成されたメタルマスクMMを用いて磁性体ペーストを貫通孔TH内に充填することにより、磁性体ペーストを積層体MB1の主面MB1aから突出するように付与する。このとき、開口MMaの面積を貫通孔THの開口面積よりも大きく設定しておくことにより、グリーン磁性芯体GCの突出部分が主面MB1aの一部を覆うように形成されることとなる。
図7(a)及び(b)に示されるように、スクリーン印刷法などにより、磁性体ペーストを積層体MB1の主面MB1aから突出するように複数回(たとえば、2回)付与する。図7(b)では、説明のため、一回目に付与された磁性体ペーストと二回目に付与された磁性体ペーストとの境界を破線で示している。本実施形態では、磁性体ペーストの二回目の付与では、グリーン磁性芯体GCの突出部分が形成されることとなる。
グリーン磁性芯体GCの突出部分の容積は、グリーン磁性芯体GCが乾燥による溶剤の除去より収縮することを考慮して調整する。ところで、貫通孔THの、非磁性体グリーンシートの積層方向に直交する面で切断したときの面積は、インダクタンスなどの特性に影響を及ぼす。このため、グリーン磁性芯体GCの突出部分の容積は、当該突出部分の高さ(積層体MB1の主面MB1aからの突出高さ)により制御する。メタルマスクMMを用いて磁性体ペーストを貫通孔TH内に充填する場合には、メタルマスクMMの厚みにより、突出部分の高さを制御する。磁性体ペーストを複数回付与する場合には、付与量や磁性体ペーストの粘度などにより、突出部分の高さを制御する。グリーン磁性芯体GCの突出部分の高さは、溶剤の除去により、付与当初に形成された高さから低くなる。
グリーン磁性芯体GCは、積層体MB1の主面MB1aから突出するように形成されているものの、積層体MB1の主面MB1bから突出するようには形成されていない。グリーン磁性芯体GCの主面MB1b側の端面は、主面MB1bと略面一とされている。これは、図6及び図7にも示されるように、磁性体ペーストを充填する際に、積層体MB1の主面MB1bを下側としているためである。磁性体ペーストを乾燥して溶剤を除去する際も、主面MB1bを下側とするため、グリーン磁性芯体GCの主面MB1b側の端面から溶剤が蒸発し難い。したがって、グリーン磁性芯体GCは、必ずしも、積層体MB1の主面MB1bから突出するように形成する必要はない。
次に、所定枚数の磁性体グリーンシートを基材から剥がし、順次積層して圧着する。これにより、磁性体グリーンシートからなる積層体が形成されることとなる。基材は、磁性体グリーンシートを順次積層する毎に、積層した磁性体グリーシートから剥がしてもよく、また、積層する前に、磁性体グリーシートから剥がしておいてもよい。
そして、図8に示されるように、グリーン磁性芯体GCが形成された積層体MB1を積層方向で挟むように、積層体MB1に磁性体グリーンシートからなる積層体MB2を積層し、圧着する(積層工程)。これにより、積層体MB1と積層体MB2とからなる構造体STが得られることとなる。本工程では、積層体MB1と積層体MB2とを積層した際に、グリーン磁性芯体GCの突出部分が磁性体グリーンシート(積層体MB2)と接触する。したがって、グリーン磁性芯体GCと磁性体グリーンシート(積層体MB2)との間に間隙が形成されることはない。
次に、積層体MB1と積層体MB2とからなる構造体STを切断機で所定の大きさのチップに切断しグリーンチップを得る(切断工程)。得られたグリーンチップをバレル研磨し、グリーンチップの稜部を丸めてもよい。
次に、グリーンチップから、構造体STに含まれるバインダ樹脂を除去した後、このグリーンチップを焼成する(焼成工程)。この焼成により、非磁性体グリーンシートから非磁性体層10(非磁性体シート22〜27)が、また、磁性体グリーンシートから磁性体層11(磁性体シート21)が、また、グリーン磁性芯体GCから磁性芯体35が、また、導体パターンPから第1コイル導体30、第1引出導体32、第2コイル導体31、及び第2引出導体33が、及びスルーホール導体が、それぞれ形成された素体2が得られる。得られた素体2は、バレル研磨して、第1及び第2引出導体32,33を外表面に確実に露出させてもよい。
次に、素体2の外表面に導電性ペーストを付与して、熱処理を施すことにより導電性ペーストを素体2に焼付けて、外部電極3〜6を形成する(外部電極形成工程)。導電性ペーストは、例えばCuを主成分とする金属粉末にガラスフリット及び有機ビヒクルを混合したものを用いることができる。金属粉末は、Ni、Ag−PdあるいはAgを主成分とするものであってもよい。導電性ペーストを焼き付けて形成した電極の上にめっきを施してもよい。めっきは、Ni,Sn,Ni−Sn合金,Sn−Ag合金,Sn−Bi合金などの金属めっきを施すことができる。金属めっきは、例えば、NiとSnとで2層以上形成した多層構造としてもよい。
これらの工程により、図1〜図3に示された積層コモンモードフィルタ1が得られる。
以上のように、本実施形態では、グリーン磁性芯体形成工程において、グリーン磁性芯体GCが、積層体MB1の主面MB1aから突出するように形成されることとなる。このため、グリーン磁性芯体GCが当該グリーン磁性芯体GC(磁性体ペースト)に含有される溶剤の除去より収縮していた場合でも、磁性体グリーンシート(積層体MB2)を積層体MB1に積層した際に、グリーン磁性芯体GCと磁性体グリーンシート(積層体MB2)とが接触して、グリーン磁性芯体GCと磁性体グリーンシート(積層体MB2)との間に間隙が形成されることはない。このため、焼成後に、磁性芯体35と磁性体層11との間に間隙が形成されるのが抑制されることとなり、積層コモンモードフィルタ1における、特性(インダクタンスやインピーダンスなど)の劣化を抑制することができる。
グリーン磁性芯体形成工程では、上述したメタルマスクMMを用いて磁性体ペーストを貫通孔TH内に充填することにより、磁性体ペーストを積層体MB1の主面MB1aから突出するように付与している。これにより、グリーン磁性芯体GCを積層体MB1の主面MB1aから突出するように確実に形成することができる。
また、グリーン磁性芯体形成工程では、磁性体ペーストを積層体MB1の主面MB1aから突出するように複数回付与してもよい。この場合でも、グリーン磁性芯体GCを積層体MB1の主面MB1aから突出するように確実に形成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、磁性体グリーンシートからなる積層体MB2を得た後に、積層体MB1と積層体MB2とを積層しているが、これに限られない。積層体MB1に磁性体グリーンシートを順次積層し、圧着することにより、構造体STを形成してもよい。
必ずしも、グリーン磁性芯体GCは、その突出部分が主面MB1aの一部を覆うように形成されている必要はない。しかしながら、グリーン磁性芯体GCと積層体MB2とを確実に接触させるためには、グリーン磁性芯体GCは、その突出部分が主面MB1aの一部を覆うように形成されていることが好ましい。
本発明の適用は、上述した積層コモンモードフィルタ1に限られない。本発明は、例えば、積層インダクタや、コイルと、コンデンサ、サーミスタ、又はバリスタとの複合部品などにも適用できる。
1…積層コモンモードフィルタ、2…素体、10…非磁性体層、11…磁性体層、30…第1コイル導体、31…第2コイル導体、34…貫通孔、35…磁性芯体、GC…グリーン磁性芯体、MB1…積層体、MB1a…主面、MB2…積層体、MM…メタルマスク、P…導体パターン、ST…構造体、TH…貫通孔。

Claims (3)

  1. 複数の非磁性体グリーンシートが積層され且つ内部にコイル状の導体パターンが配置されると共に、コイル状の前記導体パターンの内側を通るように前記複数の非磁性体グリーンシートの積層方向に伸びる貫通孔が形成された積層体を準備する準備工程と、
    前記貫通孔内に磁性体ペーストを充填し、前記積層体にグリーン磁性芯体を形成するグリーン磁性芯体形成工程と、
    前記積層体を前記積層方向で挟むように、前記積層体に磁性体グリーンシートを積層する積層工程と、
    前記積層体と前記磁性体グリーンシートとが積層された構造体を焼成する焼成工程と、を備え、
    前記グリーン磁性芯体形成工程では、前記グリーン磁性芯体を前記積層体の一方の主面から突出するように形成することを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
  2. 前記グリーン磁性芯体形成工程では、印刷パターンとして前記貫通孔に対応する開口が形成されたメタルマスクを用いて前記磁性体ペーストを前記貫通孔内に充填することにより、前記磁性体ペーストを前記積層体の前記一方の主面から突出するように付与することを特徴とする請求項1に記載の積層コイル部品の製造方法。
  3. 前記グリーン磁性芯体形成工程では、前記磁性体ペーストを前記積層体の前記一方の主面から突出するように複数回付与することを特徴とする請求項1に記載の積層コイル部品の製造方法。
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