JP2011015267A - 波長分散補償装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】補償すべき分散量の範囲が1000ps/nmを超える大きさであり、かつ分散量が波長によって異なる場合であっても、精度良く分散補償することができる分散補償装置を提供する。
【解決手段】分散補償装置100は、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器としての分散補償器102と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】分散補償装置100は、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器としての分散補償器102と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、波長分散補償装置に関し、より詳細には、波長多重伝送システムにおいて波長多重された信号の波長分散を一括して補償する分散補償器と、波長多重された信号の波長チャネル毎の波長分散を可変に補償する分散補償器とを備えた分散補償装置に関する。
情報通信技術の進歩により、伝送システムにおける伝送容量のますますの増大が望まれている。互いに異なる波長を有する複数の光信号(本明細書中において、波長チャネルともいう。)が波長多重された信号(本明細書中に置いて、WDM(Wavelength Division Multiplexing)信号ともいう。)を光ファイバーケーブルで伝送する波長多重伝送システムの導入・運用が行われている。
光ファイバーケーブルを用いた伝送システムにおいては波長分散が発生することが知られている。例えば、シングルモードファイバー(SMF:Single Mode Fiber)の伝送路の場合、発生する波長分散は、数10kmのスパンで1000ps/nmを超え、プラスの分散量を有する異常分散が発生し、分散値は波長依存性を持つ(分散スロープがある)。
特に、波長多重伝送システムにおいては、伝送路のシンボルレートが増大するとともに、波長分散に対するトレランスは小さくなるため、高精度な分散補償技術が要求される。このような分散補償技術として、例えば、40Gbit/s以上の波長多重伝送システムにおいて、光中継器毎に、WDM信号の波長分散を一括して補償し、さらに、受信端で波長チャネル毎に可変分散補償器で残留分散を補償する方法が知られている。
より具体的には、分散補償ファイバー(DCF:Dispersion Compensating Fiber)を中継器毎に設置してWDM信号の波長分散を一括して補償することが一般に知られている。このようなWDM信号の波長分散を一括して補償する波長分散補償器として、例えば、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)、FBG(Fiber Bragg Grating)、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)型などの分散補償量が可変な可変光分散補償器(TODC:Tunable Optical Dispersion Compensator)も知られている。
また、受信端で、残留分散を補償する可変分散補償器として、波長チャネル毎に分散補償量を調整可能な複数チャネル個別補償TODCも知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。
K. Seno, et al., "Channel-by-channel tunable optical dispersion compensator consisting of arrayed-waveguide grating and liquid crystal on silicon," OFC/NFOEC 2008, OWP4
K. Suzuki, et al., "40-Wavelength Channelized Tunable Optical Dispersion Compensator with Increased Bandwidth Consisting of Arrayed Waveguide Gratings and Liquid Crystal on Silicon," OFC/NFOEC 2009, OThB3
上記のとおり、波長多重伝送システムにおいては、高精度な分散補償技術が要求されるが、従来の分散補償ファイバ(DCF)を中継器毎に設置する方法では分散補償誤差が発生するという課題、さらには所定の分散値を得るために、補償量など分散補償特性が異なる多種類のDCFを用意し、それらを組み合わせる必要があるため導入コストが高くなるという課題がある。また、分散スロープを完全にキャンセルすることができないという課題もある。
また、可変光分散補償器(TODC)は通常プラスマイナスに対称な分散補償特性を持っているが、伝送路の分散補償を行う場合にマイナス側は利用されない。すなわち可変範囲の半分しか利用されない。さらに、可変分散量は大きいものでも1000ps/nm以下(40G/100G適用)であり、分散スロープをキャンセルすることができないという課題がある。
さらに、複数チャネル個別補償TODCは分散スロープを完全にキャンセルできるが、プラスマイナス対称の分散特性を有する可変量が現状では数100ps/nm程度であり、大きな値の波長分散を補償できないという課題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、補償すべき分散量が大きい場合(例えば、SMF伝送路の数10kmスパンに相当する1000ps/nm以上の場合)であっても、精度良く分散補償することができる装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本願発明の一側面である分散補償装置は、分散補償ファイバーDCFやTODC等のWDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODCとを組み合わせた構成を有する。
一実施形態では、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器として、分散補償特性(分散補償量)が同一かつ固定のDCF(すなわち1種類のDCF)を1つまたは複数用いられる。これにより、DCF等の分散補償器で大きな分散値を租補償して、複数チャネル個別補償TODCで個別チャネル毎に補償するので、大きな分散値であっても精度よく分散補償が可能となる。
一実施形態では、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器として、VIPA、FBG、PLC型などの分散補償量が可変な可変光分散補償器(TODC)を用いることもできる。これにより、WDM信号の分散値が、TODCの補償量を超える場合でも、TODCで分散値を租補償して、複数チャネル個別補償TODCで個別チャネル毎に補償するので、分散値を精度よく分散補償が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器と、波長チャネル毎に分散補償する複数チャネル個別補償TODCとを備えることにより、さまざまなネットワーク構成、伝送距離に柔軟に対応ができ、チャネル毎に個別に分散補償でき、分散スロープ等に起因する補償誤差を解消することができ、高精度かつ柔軟な分散補償が可能な分散補償装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の概略構成を示す図である。図1に示す分散補償装置100は、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器としての分散補償ファイバー(DCF)102と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104とを備える。分散補償装置100は、光ファイバーケーブル等の伝送路を伝搬し伝送ノード20へ入力する互いに異なる波長を有する複数の波長チャネルを波長多重したWDM信号の波長分散を補償するための分散補償装置である。図1において、2つの分散補償ファイバー(DCF)102−1,102−2を示すが、DCFの数は1つまたは複数とすることができる。また、DCFに替えて、可変光分散補償器(TODC)を用いることもできる。また、図1に示す光増幅器10−1、10−2は、必要に応じて分散補償装置100内外の適所に配置されるものとして示されている。
図1は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の概略構成を示す図である。図1に示す分散補償装置100は、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器としての分散補償ファイバー(DCF)102と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104とを備える。分散補償装置100は、光ファイバーケーブル等の伝送路を伝搬し伝送ノード20へ入力する互いに異なる波長を有する複数の波長チャネルを波長多重したWDM信号の波長分散を補償するための分散補償装置である。図1において、2つの分散補償ファイバー(DCF)102−1,102−2を示すが、DCFの数は1つまたは複数とすることができる。また、DCFに替えて、可変光分散補償器(TODC)を用いることもできる。また、図1に示す光増幅器10−1、10−2は、必要に応じて分散補償装置100内外の適所に配置されるものとして示されている。
伝送ノード20は、入力されたWDM信号に波長多重された複数の波長チャネルのうちの送受信器30宛の波長チャネルを波長分離する機能、および送受信器30からの波長チャネルをWDM信号に波長多重する機能を有するROADM(Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)システムを含む。
(実施例1)
図2および図3を参照して実施例1を説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の構成とそれを用いたポイント・トゥ・ポイントネットワークの構成を示す図である。図2に示す分散補償装置100は、光増幅器10−1と、WDM信号の波長分散を一括して補償する可変光分散補償器(TODC)106と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−2とを備える。
図2および図3を参照して実施例1を説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の構成とそれを用いたポイント・トゥ・ポイントネットワークの構成を示す図である。図2に示す分散補償装置100は、光増幅器10−1と、WDM信号の波長分散を一括して補償する可変光分散補償器(TODC)106と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−2とを備える。
図2に示すネットワークは、複数の波長チャネルを送信する送信器30−1と、複数の波長チャネルをWDM信号に波長多重する波長合波器40−1と、WDM信号が伝搬する伝送路と、分散補償装置100と、WDM信号を複数の波長チャネルに波長分離する波長分波器40−2と、各波長チャネルを受信する受信器30−2とを備える。送信器30−1および波長合波器40−1は送信ノードを構成し、波長分波器40−2および受信器30−2は受信ノードを構成する。
本実施例は、波長合波器40−1から分散補償装置100までの伝送区間において中継ノード(分散補償器、中継器)が無い、つまり、伝送区間が1スパンのネットワークを例示するものであり、分散補償装置100が伝送区間におけるWDM信号の波長分散を補償する。
本実施例において、WDM信号はL帯(1570〜1605nm)の100GHz間隔(ITUグリッド)の40波長の波長チャネル(40チャネル)が波長多重されて伝送される。また、信号はRZ−DQPSKを用いて40Gb/sの伝送速度を有する。
伝送路は、50kmのシングルモードファイバーSMFで構成されている。伝送路の分散値は+920〜+1010ps/nm(分散スロープによる)である。
TODC106はVIPAを使用して構成され、分散設定可能範囲は±800ps/nmである。
複数チャネル個別補償TODC104は、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応し、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104は、非特許文献1および2に示されたような構成とすることができる。つまり、複数チャネル個別補償TODC104は、グレーティング素子(例えば、石英系PLCによるAWG)と、レンズ群と、空間変調素子(例えば、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)素子やMEMS(Micro Electro-Mechanical System)ミラーアレー)とを備え、光ファイバー等の入力導波路を介して複数チャネル個別補償TODC104に入力したWDM信号が、AWGにより波長チャネル毎に分波され、分波された波長チャネルの各々が、レンズ群によりLCOS素子を構成する複数のピクセルに集光し、各ピクセルで異なる位相が付与され、その後に再びAWGにおいて相互に干渉して出力されるように構成される。このような構成により複数チャネル個別補償TODC104は、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104の分散設定可能範囲は±800ps/nmである。
上記のように50kmのシングルモードファイバーSMFにおけるWDM信号の分散値は+1000ps/nmを超える値を示す場合がある。また、一般に入手可能なTODCの分散可変量は大きくても±1000ps/nm程度であり、1つのTODCだけではWDM信号の分散値を十分に補償することができない可能性が高い。したがって、本実施例では、図2に示すように、受信ノードを構成する波長分波器40−2の前段に配置される分散補償装置100を、TODC106および複数チャネル個別補償TODC104の2つのTODCを備えるように構成し、2つのTODCの合算で伝送路の分散補償を実現しつつ、分散スロープによる波長依存性を複数チャネルTODCで補償する。
つまり、SMFにおける波長分散値とTODC106における分散補償量とを加算した結果を残留分散量とした場合、この残留分散量を複数チャネル個別補償TODC104が補償する。例えば、TODC106における分散補償量の設定を−800ps/nmとすると、残差分散量(複数チャネル個別補償TODC104における分散補償範囲)は、+120〜+210ps/nmとなり、これを複数チャネル個別補償TODC104が補償する。ここで、分散補償範囲とは分散スロープにより波長チャネル毎に異なる分散補償量の範囲を示しており、複数チャネル個別補償TODC104において個別に設定する分散値の範囲である。
図3は、本実施例の波長分散補償装置100における分散補償の様子を示す図である。図3に示すように、伝送路において生じた波長分散+920〜+1010ps/nmがTODC106において分散補償量−800ps/nmが一括加算され、その後複数チャネル個別補償TODC104において各波長チャネルに応じた残差分散量(+120〜+210ps/nm)が補償される。
このように2台接続したTODCのうち、1台を複数チャネル個別補償TODCとすることで、伝送路の分散スロープも含めた波長分散を高精度に補償可能となる。
複数チャネル個別補償TODC104および/またはTODC106における分散補償量は、受信端において波長チャネル毎に信号のビットエラーレートを測定し、エラーが最小になるように、設定することができる。複数チャネル個別補償TODC104および/またはTODC106の分散値(分散補償量)を調整するによって、気候変動や工事による経路変更に伴う分散値変動も補償可能である。
なお、TODCおよび複数チャネルTODCの分散補償量は両者の特性、信号品質等を考慮して決定されるものであり、本実施例に限定されるものではない。
(実施例2)
図4および5を参照して実施例2を説明する。図4は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の構成とそれを用いたポイント・トゥ・ポイントネットワークの構成を示す図である。図4に示す分散補償装置100は、光増幅器10−4と、WDM信号の波長分散を一括して補償する可変光分散補償器(TODC)106と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−5とを備える。
図4および5を参照して実施例2を説明する。図4は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置の構成とそれを用いたポイント・トゥ・ポイントネットワークの構成を示す図である。図4に示す分散補償装置100は、光増幅器10−4と、WDM信号の波長分散を一括して補償する可変光分散補償器(TODC)106と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−5とを備える。
図4に示すネットワークは、複数の波長チャネルを送信する送信器30−1と、複数の波長チャネルをWDM信号に波長多重する波長合波器40−1と、WDM信号が伝搬する複数(4つ)の伝送路と、分散補償装置100と、WDM信号を複数の波長チャネルに波長分離する波長分波器40−2と、各波長チャネルを受信する受信器30−2とを備える。送信器30−1および波長合波器40−1は送信ノードを構成し、波長分波器40−2および受信器30−2は受信ノードを構成する。
本実施例は、波長合波器40−1から分散補償装置100までの間の4つの伝送路の間には、光増幅器10、DCF60および中継ノード50が介在する。つまり、4つの伝送区間(スパン)を有するネットワークにおいて、DCF60−1乃至60−3が1〜3番目のスパンにおけるWDM信号の波長分散をそれぞれ補償し、受信端の分散補償装置100が1〜3番目のスパンにおける累積残留分散と4番目のスパンにおける波長分散を補償する。
本実施例において、WDM信号はL帯(1570〜1605nm)の100GHz間隔(ITUグリッド)の40波長の波長チャネル(40チャネル)が波長多重されて伝送される。また、信号はRZ−DQPSKを用いて40Gb/sの伝送速度を有する。
各スパンの伝送路は、50kmのシングルモードファイバーSMFで構成されている。伝送路の分散値は+920〜+1010ps/nm(分散スロープによる)である。
DCF60−1乃至60−3の分散補償量は、−975ps/nmである。
TODC106はPLC型を使用して構成され、分散設定可能範囲は±800ps/nmである。
複数チャネル個別補償TODC104は、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応し、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104の構成は実施例1と同様である。複数チャネル個別補償TODC104の分散設定可能範囲は±800ps/nmである。
上記のように50kmのシングルモードファイバーSMFにおけるWDM信号の分散値は+1000ps/nmを超える値を示す場合があり、各スパンにもうけられたDCF60だけではWDM信号の分散値を十分に補償することができない可能性がある。したがって、本実施例では、図4に示すように、受信ノードを構成する波長分波器40−2の前段に配置される分散補償装置100を、TODC106および複数チャネル個別補償TODC104の2つのTODCを備えるように構成し、2つのTODCの合算で1〜3番目のスパンにおける累積残留分散と4番目のスパンにおける波長分散の分散補償を実現しつつ、分散スロープによる波長依存性を複数チャネルTODCで補償する。
つまり、1〜3番目の各スパンにおける残留分散量は−55〜35ps/nmとなり、1〜3番目のスパンの累積残留分散は、光増幅器60中継ノード50内で生じる波長分散も含めると約−170〜+110ps/nmになる。さらに1〜3番目のスパンの累積残留分散に、4番目のスパンにおける波長分散値とTODC106における分散補償量とを加算した結果を残留分散量とすると、この残留分散量を複数チャネル個別補償TODC104が補償する。例えば、TODC106における分散補償量の設定を−800ps/nmとすると、残差分散量(複数チャネル個別補償TODC104における分散補償範囲)は、−50〜+320ps/nmとなる。実施例1と同様に、分散補償範囲とは分散スロープにより波長チャネル毎に異なる分散補償量の範囲を示しており、複数チャネル個別補償TODC104において個別に設定する分散値の範囲である。
図5は、本実施例の波長分散補償装置100における分散補償の様子を示す図である。図5に示すように、3番目のスパンを伝送した後の累積残留分散値(約−170〜+110ps/nm)は、4番目のスパンで発生する波長分散に加算されるが、TODC106において分散補償量−800ps/nmが一括加算され、その後複数チャネル個別補償TODC104において各波長チャネルに応じた残差分散量(−50〜+320ps/nm)が補償される。
本実施例においても、このように2台接続したTODCのうち、1台を複数チャネル個別補償TODCとすることで、伝送路の分散スロープも含めた波長分散を高精度に補償可能となる。また、本実施例においても、複数チャネル個別補償TODC104および/またはTODC106における分散補償量は、受信端において波長チャネル毎に信号のビットエラーレートを測定し、エラーが最小になるように、設定することができ、複数チャネル個別補償TODC104および/またはTODC106の分散値(分散補償量)を調整するによって、気候変動や工事による経路変更に伴う分散値変動も補償可能である。
なお、TODCおよび複数チャネルTODCの分散補償量は両者の特性、信号品質等を考慮して決定されるものであり、本実施例に限定されるものではない。
(実施例3)
図6および7を参照して実施例3を説明する。図6は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置を用いたリングネットワークの構成を示す図である。図7は、本実施例の分散補償装置の概略構成を示す図である。図6に示すリング状に配置されたノード1〜8は、ROADMシステムを含み、これらのノードのうちの隣り合う2つのノードは、それぞれ図7に示す伝送ノード50−1、50−2に相当する。
図6および7を参照して実施例3を説明する。図6は、本発明の一実施形態にかかる分散補償装置を用いたリングネットワークの構成を示す図である。図7は、本実施例の分散補償装置の概略構成を示す図である。図6に示すリング状に配置されたノード1〜8は、ROADMシステムを含み、これらのノードのうちの隣り合う2つのノードは、それぞれ図7に示す伝送ノード50−1、50−2に相当する。
図7に示す分散補償装置100は、光増幅器10−2と、1つのパッケージ108に実装されたWDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償ファイバー(DCF)102および波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−3とを備える。
図7に示すようにWDM信号が伝搬する伝送路は、リングを形成する伝送ノード間毎に異なり、各分散補償装置100が、伝送区間におけるWDM信号の波長分散を補償する。
本実施例において、WDM信号はL帯(1570〜1605nm)の100GHz間隔(ITUグリッド)の40波長の波長チャネル(40チャネル)が波長多重されて伝送される。また、信号はRZ−DQPSKを用いて40Gb/sの伝送速度を有する。
各スパンの伝送路は、分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shift Fiber)で構成されている。
パッケージ108内のDCF102における中心波長の分散補償量は、−120ps/nmである。
パッケージ108内の複数チャネル個別補償TODC104は、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応し、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104の構成は実施例1および2と同様である。複数チャネル個別補償TODC104の分散設定可能範囲は±400ps/nm程度である。
分散シフトファイバDSFにおける分散値は、シングルモードファーバーSMFと比べて小さいので、小規模で分散補償量が小さいDCF102および複数チャネルTODC104を1つのパッケージ108に構成することにより、トータルの損失と製造コストを低減することができる。
分散補償ファイバーDCFの分散値製造誤差が使用波長域全体で約+10ps/nmある場合にも、複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲は−131〜+114ps/nmで、本実施例のDCF102と複数チャネルTODC104との組み合わせにより1〜80kmのDSFにおける波長分散を補償すること可能となる。ここでの分散補償範囲は、スパン長とチャネルによって変化させる分散値の最大と最小の範囲を示しており、この範囲で上記のスパン長および各チャネルのいずれにも対応可能である。
また、本実施例においても、複数チャネル個別補償TODC104における分散補償量は、あるROADMノードにおいてドロップする波長チャネルの受信端において信号のビットエラーレートを測定し、エラーが最小になるように、設定することができ、複数チャネル個別補償TODC104の分散値(分散補償量)を調整するによって、気候変動や工事による経路変更に伴う分散値変動も補償可能である。
本実施例の分散補償装置においては、DCFの製造誤差や伝送路の分散スロープも含めた波長分散を高精度に補償可能で、分散補償誤差を±数ps/nm程度にすることができる。
(実施例4)
図8を参照して実施例4を説明する。図8(a)は、複数チャネル個別補償TOCDを備えた分散補償装置を用いた伝送ノード間の構成を示す図である。図8(b)および(c)は、1つまたは複数のDCFと複数チャネル個別補償TOCDとを備えた本実施例の分散補償装置を用いた伝送ノード間の構成をそれぞれ示す図である。本実施例の分散補償装置は、図7に示す分散補償装置と同様に、リングネットワーク内に配置することができる。リングネットワーク内のノードの数は8に限定されるものではなく、3以上、例えば10、とすることもできる。図8(a)〜(c)における伝送ノード50−1および50−2は、図6に示すリング状に配置された隣り合う2つのノードに相当する。
図8を参照して実施例4を説明する。図8(a)は、複数チャネル個別補償TOCDを備えた分散補償装置を用いた伝送ノード間の構成を示す図である。図8(b)および(c)は、1つまたは複数のDCFと複数チャネル個別補償TOCDとを備えた本実施例の分散補償装置を用いた伝送ノード間の構成をそれぞれ示す図である。本実施例の分散補償装置は、図7に示す分散補償装置と同様に、リングネットワーク内に配置することができる。リングネットワーク内のノードの数は8に限定されるものではなく、3以上、例えば10、とすることもできる。図8(a)〜(c)における伝送ノード50−1および50−2は、図6に示すリング状に配置された隣り合う2つのノードに相当する。
図8(b)に示す伝送ノード間の分散補償装置100は、光増幅器10−2と、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償ファイバー(DCF)102と、波長チャネル毎に分散補償量が可変な複数チャネル個別補償TODC104と、光増幅器10−3とを備える。DCF102と複数チャネル個別補償TODC104と別個にモジュール化されている点で、図7に示す分散補償装置とことなる。
また、図8(c)に示す伝送ノード間の分散補償装置100は、3つの分散補償ファイバー(DCF)102−1〜102−3を備える点で、図8(b)に示す分散補償装置100と異なる。
リングネットワークにおける伝送ノード間の伝送路長および当該伝送路におけるWDM信号の分散値に応じて、図8(a)〜(c)に示す分散補償装置を使用することができる。
本実施例において、WDM信号はL帯(1570〜1605nm)の50GHz間隔(ITUグリッド)の80波長の波長チャネル(80チャネル)が波長多重されて伝送される。また、信号はRZ−DQPSKを用いて40Gb/sの伝送速度を有する。
各スパンの伝送路は、シングルモードファイバーSMFで構成されている。
DCF102における中心波長の分散補償量は、以下で詳細に説明するように、スパン長に応じて接続されるDCFの数とTODC104の可変範囲を考慮に入れ、DCFによる伝送路の波長分散補償誤差が最も小さくなる値を解析的に求められている。本実施例においては、解析的に求められた各DCF102における中心波長の分散補償量は、−350ps/nmである。したがって、例えば図8(c)に示す分散補償装置100では、3つのDCF102−1〜102−3における総分散補償量は、−350ps/nm×3±数ps/nm(誤差)となる。単一の分散補償特性を有するDCFを用いることでコストの低減効果が期待できる。
複数チャネル個別補償TODC104は、50GHz間隔の80波長の波長チャネル(80チャネル)に対応し、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104の構成は実施例1、2および3と同様である。複数チャネル個別補償TODC104の分散設定可能範囲は±400ps/nmである。
また、本実施例においても、複数チャネル個別補償TODC104における分散補償量は、あるROADMノードにおいてドロップする波長チャネルの受信端において信号のビットエラーレートを測定し、エラーが最小になるように、設定することができ、複数チャネル個別補償TODC104の分散値(分散補償量)を調整することによって、気候変動や工事による経路変更に伴う分散値変動も補償可能である。あるいは複数チャネル個別補償TODC104における分散補償量の設定値は伝送ノード間に設置された分散モニター装置と連携し、モニターされた伝送路の分散値を複数チャネル個別補償TODC104にフィードバックすることで決定するように構成することができる。
本実施例では、リングネットワーク内の伝送ノード間の最大のスパン長は60kmとし、複数チャネル個別補償TODC104に接続するDCF102の数は、各スパン長が、1〜10、11〜30、31〜45、および46〜60kmの何れかにの分類されるかに応じて決定される。
スパン長が1〜10kmの場合、伝送路における波長分散は、図8(a)に示すように、複数チャネル個別補償TODC104単独で分散補償するものとする。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲は、−202〜0ps/nmである。
スパン長が11〜30kmの場合、伝送路における波長分散は、図8(b)に示すように、1つの分散補償ファイバーDCF102と複数チャネル個別補償TODC104の組み合わせで分散補償するものとする。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲は、−273〜+165ps/nmである。
スパン長が31〜45kmの場合、伝送路における波長分散は、2つの分散補償ファイバーDCF102と複数チャネル個別補償TODC104の組み合わせで分散補償するものとする(図示しない)。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲は、−231〜+157ps/nmである。
スパン長が46〜60kmの場合、伝送路における波長分散は、図8(c)に示すように、3つの分散補償ファイバーDCF102−1〜102−3と複数チャネル個別補償TODC104の組み合わせで分散補償するものとする。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲は、−168〜+262ps/nmである。
いずれの場合も、DCF102と組み合わされた複数チャネル個別分散TODC104の分散補償範囲は±270ps/nm程度でデバイスの可能な設定範囲に十分収まる。
なお、スパン長分割の境界(例えば10と11km)におけるDCF接続台数の判定は、台数が少なくなる方向へ判定されることが通常と考えるが、1kmのSMFの波長分散値は+20ps/nm程度であり、その分の余裕を持たせた装置設計は十分可能である。
このことからスパン長の測定精度が±1km程度あれば十分に分散設計を行うことができ、ネットワーク設計の簡素化が可能である。
ここで、本実施例の分散補償装置100に用いるDCF102における中心波長の分散補償量の決定方法を説明する。なお、リングネットワーク内の伝送ノード間の最大のスパン長は60kmとし、求めるDCF102における中心波長の分散補償量xは、スパン長を任意の数で分割した単位距離毎の分散値と接続するDCFの合計分散値との差分(残留分散)が最小となるように解析的に決定する。決定したDCF102の分散補償量により、スパン長に応じたDCF102の接続数を決定する。解析には最小二乗法を用いることができる。以下に、任意の数を4(任意の単位距離を15km)とした場合を例示する。任意の数は、これに限定されるものではなく、解析における変数(1,2,・・・)とすることができる。
解析においては、(スパン長15kmの分散値+DCFの分散値x×1)2+(スパン長30kmの分散値+DCFの分散値x×1)2=A,
(スパン長30kmの分散値+DCFの分散値x×2)2+(スパン長45kmの分散値+DCFの分散値x×2)2=B,
(スパン長45kmの分散値+DCFの分散値x×3)2+(スパン長60kmの分散値+DCFの分散値x×3)2=C
として、A+B+Cが最小となるDCF分散値xを解析的に求める。
(スパン長30kmの分散値+DCFの分散値x×2)2+(スパン長45kmの分散値+DCFの分散値x×2)2=B,
(スパン長45kmの分散値+DCFの分散値x×3)2+(スパン長60kmの分散値+DCFの分散値x×3)2=C
として、A+B+Cが最小となるDCF分散値xを解析的に求める。
ただし、各スパン長における分散値およびDCF分散値は波長依存性(分散スロープ)も考慮するものとする。
決定したDCF102の分散補償量により、スパン長に応じたDCF102の接続数を決定する際には、DCFの製造誤差(例えば±10ps/nm)や、複数チャネル個別補償TODCの分散設定可能範囲、温度変動、工事等による変動補償分および不確定要素に対するマージン(例えば10%)等を考慮する。
つまり、単位距離は実際に適用する伝送路のスパン長およびその分散値に応じて複数チャネル個別補償TODCの分散設定可能範囲を超えない最大の距離に決定するが、実際のDCFの接続数を決定する際の距離の境界は必ずしも単位距離に対応せず、柔軟に決定することが望ましい。
例えば、決定したDCF102の分散補償量が−350ps/nmの場合に、スパン長が1〜15kmに対してはDCFを接続しないと決定してしまうと、残差分散値が複数チャネル個別補償TODCの分散設定可能範囲を超えてしまう。したがって、このような場合のみ、DCFを接続しないスパン長を1〜10kmとし、それ以上のスパン長に対しては、既に例示したようにスパン長に応じてDCFの接続数を決定するようにする(上記例示では、スパン長11〜30、31〜45および46〜60kmにおけるDCFの接続数を1つ、2つおよび3つとそれぞれ決定している)。
本実施例の構成によれば、伝送路の分散スロープも含めた波長分散を高精度に補償することができ、また分散補償誤差を分散モニター装置の測定精度を含めても±数ps/nm程度にすることができる。
なお、本実施例においても、モニター装置と連携するように複数チャネル個別補償TODCを構成するによって、気候変動や工事等による経路変更に伴って生じる分散値変動を即時的に補償することができる。
(実施例5)
図9を参照して実施例5を説明する。図9は、上記実施例の分散補償装置100内の複数チャネル個別補償TODC104の概略構成を示す図である。本実施例は、上記実施例3で例示したリングネットワークに適用する場合を例示するものである。図9に示す40チャネルを個別に分散補償可能な複数チャネル個別補償TODC104は、各々8チャネルを個別に分散補償可能な5つの複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5と、5つの複数チャネル個別補償TODCの両端のAWG1042−1およびAWG1042−2とを備える。本実施例の複数チャネル個別補償TODC104は、5つ複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5用いて合計で40チャネルに対応するように構成した個別補償TODC104の構成例を示す。したがって、各複数チャネル個別補償TODC1044は、100GHz間隔の8波長の波長チャネル(8チャネル)に対応し、5つの複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5で、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応するように構成される。
図9を参照して実施例5を説明する。図9は、上記実施例の分散補償装置100内の複数チャネル個別補償TODC104の概略構成を示す図である。本実施例は、上記実施例3で例示したリングネットワークに適用する場合を例示するものである。図9に示す40チャネルを個別に分散補償可能な複数チャネル個別補償TODC104は、各々8チャネルを個別に分散補償可能な5つの複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5と、5つの複数チャネル個別補償TODCの両端のAWG1042−1およびAWG1042−2とを備える。本実施例の複数チャネル個別補償TODC104は、5つ複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5用いて合計で40チャネルに対応するように構成した個別補償TODC104の構成例を示す。したがって、各複数チャネル個別補償TODC1044は、100GHz間隔の8波長の波長チャネル(8チャネル)に対応し、5つの複数チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5で、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応するように構成される。
波長分波器として石英系PLCのAWGを1042−1は、40チャネルから8波からなるグループ(8波長チャネル)を分波して8チャネル個別補償TODC1044−1へ入力する。同様に、AWG1042−1は、別のグループを8チャネル個別補償TODC1044−2〜1044−5へ入力する。また、波長合波器として石英系PLCのAWG1042−2は、8チャネル個別補償TODC1044−1〜1044−5からそれぞれ出力される8波の波長グループ(8波長チャネル)を合波する。波長合分波器としてはAWGの他に薄膜フィルタなどを用いても同様の結果を得ることができる。
8チャネル個別補償TODC1044は、実施例1で説明したように石英系PLCによるAWGおよびLCOS(Liquid Crystal on Silicon)素子を備えた構成とすることができる。
本実施例においても、実施例3と同様に、図9に示す複数チャネル個別補償TODC104および分散補償ファイバーDCFを1つのパッケージに構成することで、トータルの損失と製造コストを低減することができる。また、実施例3と同様の条件において、1〜80kmのDSFにおける波長分散を補償すること可能となる。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲内(−121〜+124ps/nm(分散補償ファイバーDCFの分散値製造誤差を考慮しない場合))で、1〜80kmのDSFにおける波長分散を補償すること可能となる。
(実施例6)
図10を参照して実施例6を説明する。図10は、上記実施例の分散補償装置100内の複数チャネル個別補償TODC104の概略構成を示す図である。本実施例は、上記実施例3で例示したリングネットワークに適用する場合を例示するものである。図10に示す40チャネルを個別に分散補償可能な複数チャネル個別補償TODC104は、各々単一チャネルを分散補償可能な40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40と、40個の単一チャネル個別補償TODCの両端のAWG1042−1およびAWG1042−2とを備える。本実施例の複数チャネル個別補償TODC104は、40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40用いて合計で40チャネルに対応するように構成した個別補償TODC104の構成例を示す。したがって、各単一チャネル個別補償TODC1046は、100GHz間隔の波長チャネルの1つのチャネルに対応し、40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40で、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応するように構成される。
図10を参照して実施例6を説明する。図10は、上記実施例の分散補償装置100内の複数チャネル個別補償TODC104の概略構成を示す図である。本実施例は、上記実施例3で例示したリングネットワークに適用する場合を例示するものである。図10に示す40チャネルを個別に分散補償可能な複数チャネル個別補償TODC104は、各々単一チャネルを分散補償可能な40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40と、40個の単一チャネル個別補償TODCの両端のAWG1042−1およびAWG1042−2とを備える。本実施例の複数チャネル個別補償TODC104は、40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40用いて合計で40チャネルに対応するように構成した個別補償TODC104の構成例を示す。したがって、各単一チャネル個別補償TODC1046は、100GHz間隔の波長チャネルの1つのチャネルに対応し、40個の単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−40で、100GHz間隔の40波長の波長チャネル(40チャネル)に対応するように構成される。
波長分波器として石英系PLCのAWGを1042−1は、WDM信号から各波長チャネルを分波して単一チャネル個別補償TODC1046−1へ入力する。同様に、AWGを1042−1は、別の波長チャネルを単一チャネル個別補償TODC1046−2〜1046−40へ入力する。また、波長合波器として石英系PLCのAWG1042−2は、単一チャネル個別補償TODC1046−1〜1046−5からそれぞれ出力される波長チャネルを合波する。波長合分波器としてはAWGの他に薄膜フィルタなどを用いても同様の結果を得ることができる。
単一チャネル個別補償TODC1046は、VIPA、FBG、PLC型の分散補償器をもちいて構成することができる。
本実施例においても、実施例3と同様に、図10に示す複数チャネル個別補償TODC104および分散補償ファイバーDCFを1つのパッケージに構成することで、トータルの損失と製造コストを低減することができる。また、実施例3と同様の条件において、1〜80kmのDSFにおける波長分散を補償すること可能となる。複数チャネル個別補償TODC104の分散補償範囲内で、1〜80kmのDSFにおける波長分散を補償すること可能となる。
(実施例7)
図11および12を参照して実施例7を説明する。本実施例では伝送信号の広帯域化あるいは要求仕様、コストなどの観点から複数チャネル個別補償TODCの設定可能な分散値の範囲や分散値の精度が制限される場合を考慮した構成である。本実施例は、複数チャネル個別補償TODCの可変分散範囲が不足する(残留分散が生じる)場合に受信端に挿入した分散補償器でさらに不足した分散補償量を補う(生じた残留分散を補償する)ものである。残留分散を受信端で補償するという観点から、何らかの理由で一括して分散を補償する分散補償器と複数チャネル個別補償TODCの組合せで補償されない波長分散が伝送システム内で発生する場合にも同様に本実施例の方法によって分散補償することが可能である。例えば分散精度に起因した残留分散の発生要因として、受信端直前の伝送ノード内の装置による波長分散を含めず、それ以前の伝送路のみ分散補償を行った場合には残留分散が発生することが考えられる。
図11および12を参照して実施例7を説明する。本実施例では伝送信号の広帯域化あるいは要求仕様、コストなどの観点から複数チャネル個別補償TODCの設定可能な分散値の範囲や分散値の精度が制限される場合を考慮した構成である。本実施例は、複数チャネル個別補償TODCの可変分散範囲が不足する(残留分散が生じる)場合に受信端に挿入した分散補償器でさらに不足した分散補償量を補う(生じた残留分散を補償する)ものである。残留分散を受信端で補償するという観点から、何らかの理由で一括して分散を補償する分散補償器と複数チャネル個別補償TODCの組合せで補償されない波長分散が伝送システム内で発生する場合にも同様に本実施例の方法によって分散補償することが可能である。例えば分散精度に起因した残留分散の発生要因として、受信端直前の伝送ノード内の装置による波長分散を含めず、それ以前の伝送路のみ分散補償を行った場合には残留分散が発生することが考えられる。
図11は、本実施例が適用されるポイント・トゥ・ポイントネットワークを例示するものであり、送信端から受信端までの間にノード1、2、・・・n(nは自然数)が設置され、受信端に近いノード(n−1)とノードnとの伝送スパンが80kmであり、その他のノード間の伝送スパンが1〜60kmである場合を示している。
本実施例の波長多重伝送システム(ポイント・トゥ・ポイントネットワーク)において、WDM信号はL帯(1570〜1605nm)の50GHz間隔(ITUグリッド)の80波長の波長チャネル(80チャネル)が波長多重されて伝送される。また、信号はRZ−DQPSKを用いて40Gb/sの伝送速度を有する。
図12に示すように、本実施例の波長多重伝送システムは、本発明の実施形態の分散補償装置100と、受信端に挿入された単一チャネル個別補償TODC110とを備える。分散補償装置100は、WDM信号の波長分散を一括して補償する分散補償器としての分散補償ファイバー(DCF)102−1、・・・102−3と、複数チャネル個別補償TODC104とを備える。分散補償装置100は、光ファイバーケーブル等の伝送路を伝搬し伝送ノード20へ入射する、図12において、3つの分散補償ファイバー(DCF)102−1、102−3を示すが、分散補償ファイバー(DCF)の数は1つまたは複数とすることができる。
伝送ノード20は、ROADMシステムを含み、送受信器30宛の波長チャネルを波長分離して出力する。送受信器30宛の波長チャネルは、単一チャネル個別補償TODC110でさらに分散補償される。
複数チャネル個別補償TODC104は、50GHz間隔の80波長の波長チャネル(80チャネル)に対応し、全波長チャネルの波長分散を個別に補償する。複数チャネル個別補償TODC104の構成は実施例1および2と同様である。複数チャネル個別補償TODC104の分散設定可能範囲は±400ps/nmである。複数チャネル個別補償TODC104は、DCF102とは別個にモジュール化され、スパン長に応じて1つまたは複数のDCF102と組み合わせて用いられる。
DCF102−1、・・・102−3における中心波長の分散補償量は、スパン長に応じて接続される台数とTODCの可変範囲を考慮に入れ、DCFによる伝送路60kmにおける波長分散補償誤差が最も小さくなる値を解析的に求められる。本実施例においては、DCF102における中心波長の分散補償量は、−350ps/nmである。また、スパン長に応じたDCFの接続台数や要求されるTODCの可変範囲は実施例4と同様に決定することができる。本実施例においては、ロスバジェットを考慮し、DCF102の接続台数は3台までとした。
受信器30の前段に配置された単一チャネル個別補償TODC110は、PLC型TODCで構成することができる。単一チャネル個別補償TODC110は、伝送ノードにおいてWDM信号から分派された波長チャネルの分散を補償する。単一チャネル個別補償TODC110は、他の技術によるTODCおよび電気処理による分散補償器(EDC:Electrical Dispersion Compensator)を使用して構成することもできる。
本実施例においては、他の1〜60kmのスパンにおいては実施例4と同様、±数ps/nmの精度で分散補償を行うものとする。
スパン長80kmおける分散補償装置は、スパン長60kmの場合と同じ構成とする。すなわち、3つのDCFおよび複数チャネル個別補償TODC104を備える。複数チャネル個別補償TODC104における設定分散値を−400ps/nmとする。
ここで、スパン長が80kmの伝送路においてDCF3台による伝送路の波長分散補償誤差は+388〜+581ps/nmあり、+400ps/nm以上の波長分散は複数チャネル個別補償TODC104で補償しきれない。したがって当該区間で発生した最大で約+180ps/nmの残留分散を受信端に波長チャネル毎に挿入した単一チャネル個別補償TODC110を用いて補償することで、波長分散による信号劣化をキャンセルすることができる。
なお、本実施例において分散補償ファイバーDCFを2つまたは3つ接続する場合に、分散値が生じているものを使用し、合計の分散値が所望の値となる組み合わせを選定した。すなわち、2つの分散補償ファイバーDCFを接続する場合には、2つの分散値の合計が−700ps/nmに近づくように、分散補償ファイバーDCFを選定した。例えば、分散値が−340ps/nm、−360ps/nmの分散補償ファイバーDCFを選定し組み合わせて、−700ps/nmを必要とするスパンに適用する。また、3つの分散補償ファイバーDCFを接続する場合には、3つの分散値の合計が−1050ps/nmに近づくように、分散補償ファイバーDCFを選定した。
(実施例の補足)
上記実施例1〜7において伝送路における波長分散とは光ファイバーにおいて発生する波長分散のほか、伝送ノード内の装置で発生する波長分散も含めることができる。すなわち、本発明に係る分散補償装置による分散補償は、信号が通過する部分全体をその対象とすることができる。
上記実施例1〜7において伝送路における波長分散とは光ファイバーにおいて発生する波長分散のほか、伝送ノード内の装置で発生する波長分散も含めることができる。すなわち、本発明に係る分散補償装置による分散補償は、信号が通過する部分全体をその対象とすることができる。
また、分散補償ファイバーDCFの最大の接続台数は伝送路のロスバジェットを考慮して決定されるものであり、実施例1〜5に記載された台数に制限されるものではない。
さらに、分散補償ファイバーDCFおよび複数チャネル個別補償TODCの前段および後段に光増幅器を挿入することが一般的ではあるが、本発明の内容および効果がこれらの構成に限定されるものではない。
さらにまた、実施例1〜7では分散補償装置の設置される位置が、伝送路上の受信側に近い位置(ネットワーク下流)に設置されることを想定したが、本発明の内容および効果がこれらの構成に限定されるものではない。つまり伝送路上の送信側に近い位置(ネットワーク上流)に設置する場合でも同様の結果を得ることが可能である。
(その他の実施例)
実施例1〜7においては例示されたネットワークの形態は、例えば他の形態、ROADMシステム等に代表されるリングネットワーク(図6)、ポイント・トゥ・ポイントネットワーク(図11)あるいはメッシュネットワーク(図13)、スターネットワーク(図14)のいずれの場合においても、請求項に記載のいずれかの方法によって同様の結果を得ることが可能である。
また、実施例1〜7においては40Gb/sのRZ−DQPSK信号を、50/100GHz間隔、40/80波、L帯の波長多重伝送システムにおいて伝送した場合について述べたが、伝送速度、信号変調方式、波長多重間隔、波長多重数、波長帯域のいずれもその種類によらず、同様の結果となる。特に伝送速度が100Gb/sあるいはそれ以上の場合や、信号変調方式がOOK、ODB、DPSK、DQPSK、QAM、光OFDMいずれの場合でも同様である。
実施例1〜7においては例示されたネットワークの形態は、例えば他の形態、ROADMシステム等に代表されるリングネットワーク(図6)、ポイント・トゥ・ポイントネットワーク(図11)あるいはメッシュネットワーク(図13)、スターネットワーク(図14)のいずれの場合においても、請求項に記載のいずれかの方法によって同様の結果を得ることが可能である。
また、実施例1〜7においては40Gb/sのRZ−DQPSK信号を、50/100GHz間隔、40/80波、L帯の波長多重伝送システムにおいて伝送した場合について述べたが、伝送速度、信号変調方式、波長多重間隔、波長多重数、波長帯域のいずれもその種類によらず、同様の結果となる。特に伝送速度が100Gb/sあるいはそれ以上の場合や、信号変調方式がOOK、ODB、DPSK、DQPSK、QAM、光OFDMいずれの場合でも同様である。
さらに、実施例3〜7における分散補償ファイバーDCFは通常の分散補償ファイバーを想定して記載したが、分散スロープを補償するタイプの分散補償ファイバーも存在する。これらを用いた場合でも請求項に記載のいずれかの方法を用いて同様の結果を得ることが可能である。
さらにまた、実施例1〜7では伝送路として分散シフトファイバ、シングルモードファイバーのいずれかを用いた場合について記載したが、伝送路に分散シフトファイバとシングルモードファイバーが混在する場合についても、請求項に記載のいずれかの方法を用いて同様の結果を得ることが可能である。
Claims (10)
- 波長多重伝送システムの伝送路上で発生する波長分散を補償する分散補償装置であって、
波長多重された信号の波長分散を一括して補償する、任意の分散値に設定される分散補償器と、
波長多重された信号の波長分散を波長チャネル毎に補償する、分散補償量が可変な複数チャネル個別補償分散補償器と
を備えたことを特徴とする分散補償装置。 - 前記任意の分散値に設定される分散補償器が、可変光分散補償器であることを特徴とする請求項1に記載の分散補償装置。
- 前記任意の分散値に設定される分散補償器が、分散補償ファイバーであることを特徴とする請求項1に記載の分散補償装置。
- 前記任意の分散値に設定される分散補償器が、前記任意の値に波長分散値を設定された1または複数の分散補償ファイバーが直列に接続されたものであることを特徴とする請求項3に記載の分散補償装置。
- 前記伝送路の距離を任意の単位距離で分割した分割数に応じて、直列に接続される前記分散補償ファイバーの数が決定されていることを特徴とする請求項4に記載の分散補償装置。
- 前記分散補償ファイバーが2つ以上接続されている場合に、個々の分散補償ファイバーの波長分散値が製造誤差を含み、接続されている前記分散補償ファイバーの合計の波長分散値が所望の分散値に最も近くなるように組み合わされていることを特徴とする請求項3、4または5に記載の分散補償装置。
- 前記複数チャネル個別補償分散補償器が、グレーティング素子および空間変調素子からなり、空間光学系で入出力光ファイバーと結合されたデバイスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに分散補償装置。
- 前記複数チャネル個別補償分散補償器は、当該複数チャネル個別補償分散補償器の対応チャネル数よりも少ない対応チャネル数のチャネル個別補償器を複数備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の分散補償装置。
- 前記複数チャネル個別補償分散補償器は、受信端における信号品質をモニターする信号品質モニター手段と接続され、モニターされた信号品質に応じて波長チャネル毎の分散量を変化させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の分散補償装置。
- 前記複数チャネル個別補償分散補償器は、伝送路上の波長分散値をモニターする波長分散値モニター手段と接続され、モニターされた波長分散値に応じて波長チャネル毎の分散量を変化させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の分散補償装置。
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2009
- 2009-07-03 JP JP2009158755A patent/JP2011015267A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015226057A (ja) * | 2014-05-23 | 2015-12-14 | パッドテック エス.エー.Padtec S.A. | 光増幅器及び関連する方法 |
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