JP2011014936A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し効率に優れ、かつ良好な配光均一性を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供すること。
【解決手段】基板上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層された発光素子において、光取出し面が透光性膜からなり、該透光性膜の表面が該基板面に対して傾斜した平面で構成される凹凸を有し、透光性膜表面の凹凸の形状がドット状または格子状であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
【選択図】図1

Description

本発明は窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関し、特に光取り出し効率に優れ、かつ良好な配光均一性を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体材料の特性として、横方向への電流拡散が小さいことがある。そのために、電極直下の半導体にしか電流が注入されず、発光層で発光した光は電極に遮られて外部に取り出されない。そこで、この系の発光素子では、通常、正極として透明電極が用いられ、正極を通して光が取り出される。
従来の正極は、NiやCoの酸化物とコンタクト金属としてAuなどを組み合わせた層構造(例えば特許文献1参照)であった。近年ではITOなど、より導電性の高い酸化物を使用することにより、コンタクト金属の膜厚を極力薄くして透光性を高めた層構造が正極として採用されている。
ITOなどの導電性透明材料の層は、NiやCoなどの酸化物の層に比較すると、光の透過率が高く、比較的厚く形成することができる。例えば、NiやCoの酸化物が膜厚10から50nm程度なのに対し、200nmから500nmなどの膜厚が利用される。
一方、半導体結晶から大気中への光取出し量を増大させる手法として、半導体の光取り出し面に凹凸加工を施す技術がある。半導体面にこのような加工を施すには、ドライエッチング、ウエットエッチングによる方法や、ダイシング、ダイヤモンド針によるスクライビング、レーザスクライビングなどによる方法が採られる。しかし半導体材料に加工を施すことは、半導体層に負荷を掛けダメージを残すため、外部量子効率(光取出し効率)を向上させても、内部量子効率を減少させてしまい、発光強度の増大が得られなかった。さらに、場合によってはリーク電流の発生など発光素子の破壊を伴って、発光素子の歩留まりが低下することがあった。
そこで、光取り出し効率を増大させるための凹凸を設ける層を半導体層上に形成し、光取出し効率を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、半導体層そのものに凹凸加工を施すのではなく、半導体層上の透明の材料からなる層に凹凸加工を施すので、半導体にダメージを与えることなく光取り出し効率の増大を図ることができる。
上記特許文献2には、半導体層の上に透明な導電性材料の層を形成し、この層に設けた凹凸形状としては、主に曲面から構成される凹凸が開示されている。また、平面から構成された凹凸としては、基板面に対して垂直な面を持つ平面から構成された凹凸が開示されている。
しかし、曲面から構成された凹凸では、光取り出し面の正面方向に発光が集光されてしまい、配光均一性を損なう、と言う問題点がある。配光が均一でないチップは、ディスプレイ用途やバックライト用途などの用途に使用するには不都合である。
一方、基板面に対して垂直な平面から構成される凹凸では、垂直面同士の間での多重反射を生じてしまい、思うように光の取出し効率が向上しないという問題点がある。
また、曲面から構成される凹凸に関しては、加工工程の制御が非常に難しく、実際には狙った形状とすることが困難であるという問題点がある。
上記特許文献2には、凹凸を設ける層を構成する透明材料として、ポリカーボネイト、窒化シリコン、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、硫化亜鉛および酸化ビスマスなどが開示されている。
特許第2803742号公報 特開2000−196152号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、光取り出し効率に優れ、かつ良好な配光均一性を有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供することである。
本発明において透明あるいは透光性とは、300〜600nmの波長領域における光に対して透光性であることを意味する。
本発明は、下記の発明を提供する。
(1)基板上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層された発光素子において、光取出し面が透光性膜からなり、該透光性膜の表面が該基板面に対して傾斜した平面で構成される凹凸を有していることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(2)透光性膜が導電性を有する上記1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(3)透光性膜が正極の一部として機能している上記2項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(4)透光性膜が半導体と接触しており、正極コンタクトメタル層として機能している上記3項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(5)透光性膜が半導体と接触しておらず、正極電流拡散層として機能している上記3項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(6)透光性膜が、ITO、TiO2、ZnO、ZnS、Bi23、MgO、ZnAlOおよびSnO2からなる群より選ばれた少なくとも一種類の材料からなる上記2〜5項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(7)透光性膜が、ITO、ZnO、MgO、ZnAlOおよびSnO2からなる群より選ばれた少なくとも一種類の材料からなる上記6項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(8)透光性膜が導電性を有しない上記1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(9)透光性膜が保護膜として機能している上記8項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(10)透光性膜が、SiO2、Si34およびCaF2からなる群より選ばれた少なくとも一種類の材料からなる上記8または9項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(11)透光性膜がSiO2からなる上記10項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(12)透光性膜表面の凹凸の形状がストライプ状である上記1〜11項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(13)透光性膜表面の凹凸の形状がドット状または格子状である上記1〜11項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(14)透光性膜表面の凹凸を構成する傾斜した平面が、基板面に対して5°から85°の角度を成す上記1〜11項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(15)透光性膜表面の凹凸の高低差が0.3〜85μmである上記1〜14項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(16)透光性膜表面の凹凸の最大幅が1〜500μmである上記12〜15項のいずれか一項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、光取出し面が透光性膜からなり、該透光性膜の表面が該基板面に対して傾斜した平面で構成される凹凸を有している。この透光性膜に電極を兼ねさせる事で、光取り出し面の層数を減少させ、光透過率を良くする事ができる。また同様に、この透光性膜に保護膜を兼ねさせる事で、光取り出し面の層数を減少させ、光透過率を良くする事ができる。
基板面に対して傾斜した平面から構成される凹凸とすることで、基板面に対して垂直な平面から構成される凹凸に比べ、光取り出し効率を上げることが可能である。また、曲面から構成される凹凸に比べて、配光均一性が改良され、かつ、加工が容易であり収率が向上する。
実施例1で作製した本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図である。 実施例1で作製した本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の平面を示した模式図である。 実施例3で作製した本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図である。 透光性膜の表面に存在する凹凸パターンの一例を示した平面図である。 図4のXY切断断面図である。 透光性膜の表面に存在する凹凸パターンの別の一例を示した平面図である。 図6のXY切断断面図である。 透光性膜の表面に存在する凹凸パターンの別の一例を示した平面図である。 図8のXY切断断面図である。 本発明で、テーパの付いたレジストを用いたドライエッチングで加工を行なう手順を示した模式図である。
発光素子の発光効率は、外部量子効率(光取出し効率)と内部量子効率を掛け合わせたものとして表現される。内部量子効率とは、素子に注入した電流のエネルギーのうち、光に変換される割合である。一方の外部量子効率とは、半導体結晶内部で発生した光の内、外部へ取り出すことのできる割合である。
半導体結晶表面に凹凸加工を施すことで、外部量子効率を向上することが可能である。しかし、GaN系化合物半導体発光素子では、p型半導体層を0.3μm以下などと薄く作製することが一般的であるため、発光素子機能を有する結晶そのものに凹凸加工を施すと、結晶にダメージを与え内部量子効率を下げる可能性がある。
そこで、凹凸加工を施すための透明な材料を光取り出し面に成膜し、その膜に凹凸加工を施すことにより、内部量子効率をさげることなく、光取出し効率を向上することが可能である。さらに、透明な材料は、保護膜を兼ねたり、透光性正極を兼ねたりすることができる。
本明細書で用いる透光性および透明という用語は、必ずしも100%の光透過率を全波長域で発揮することを意味するものではなく、半導体内部で発生した光を外部に取り出す機能を有することを意味する。従って、発光波長における光透過率にして50%以上であるように、材料と膜厚を制御して作製した膜に対して、この用語を使用する。
図1は、本発明の透光性膜を正極として形成した場合である実施例1で作製された窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図である。10が正極であり、コンタクトメタル層11、透光性膜からなる電流拡散層12およびボンディングパッド層13から構成されている。透光性膜からなる電流拡散層12の最表面に凹凸加工処理が施されている。1は基板である。2はGaN系化合物半導体層であり、n型半導体層3、発光層4およびp型半導体層5から構成される。6はバッファ層であり、20は負極である。
この場合の透光性膜を構成する材料は、導電性の透明材料であればどのようなものを用いても良い。例えば、前記特許文献2に列挙されたものも使用出来る。中でも、導電率の高い透明材料、例えばITO、TiO2、ZnO、ZnS、Bi23、MgO、ZnAlOおよびSnO2などが望ましい。使用する透明材料としては、屈折率が半導体材料の屈折率と、素子を封止する樹脂などの材料の屈折率との間の値をとることが望ましい。
特に、ZnOは優れた透明性と導電率を持つ安価な材料であり、屈折率も1.9〜2.1と窒化ガリウム系化合物半導体材料と真空、空気または素子を封止する樹脂との中間の値に近いため、本発明に用いるのに適した材料である。
透光性膜の厚さは、10nmから100μmであることが好ましい。10nm未満では、光取り出し効率の向上に有効な凹凸加工ができない。100μmを超えると、光透過性の低下が著しく発光出力の低下が危惧される。50nm〜1μmがさらに好ましい。
図1に示したコンタクトメタル層11は、必ずしも必要ではない。半導体層に対して透光性膜がオーミック接触可能な場合、半導体表面にはコンタクトメタル層を設けなくとも良い。12がコンタクトメタル層と電流拡散層を兼ねることになる。むしろ、コンタクトメタル層を特別に設けずにオーミック接触が取れる場合、コンタクトメタル層で発生する光透過率の低下を抑えることができるので、より効率の良い発光の取出しが実現できる。
正極の構成の例をいくつか挙げると、第一に、p型半導体層上に5Å程度のPtからなるコンタクトメタル層を形成し、その上に膜厚1〜2μmのITOの電流拡散層を積層する構造がある。凹凸加工は、このITOに施される。同様に、コンタクトメタル層としてNiを用い、電流拡散層としてZnOを用いる構造なども考えられる。
また、ITOなどの場合、コンタクトメタル層を形成せず、半導体に直接接触させても良く、前述のように、より効率の良い発光の取出しが実現できる。
図3は、本発明の透光性膜を保護膜として形成した場合である実施例3で作製された窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図である。図1と同様に、10が正極であり、コンタクトメタル層11、電流拡散層12およびボンディングパッド層13から構成されている。1は基板である。2はGaN系化合物半導体層であり、n型半導体層3、発光層4およびp型半導体層5から構成される。6はバッファ層であり、20は負極である。14は透光性膜からなる保護膜であり、その最表面に凹凸加工処理が施されている。
この場合の透光性膜を構成する材料は、非導電性の透明材料であればどのようなものを用いても良い。例えば、前記特許文献2に列挙されたものも使用出来る。中でも、導電率の低い透明材料、例えばSiO2、Si34およびCaF2などが好ましい。使用する透明材料としては、屈折率が半導体材料の屈折率と、発光素子を封止する樹脂などの材料の屈折率との間の値をとることが望ましい。
透光性膜からなる保護膜の厚さは、10nmから100μmであることが好ましい。10nm未満では、光取り出し効率の向上に有効な凹凸加工ができない。100μmを超えると、光透過性の低下が著しく発光出力の低下が危惧される。50nm〜1μmがさらに好ましい。
この場合の正極と保護膜の構成の例をいくつか挙げると、第一に、p型半導体層上に5Å程度のPtからなるコンタクトメタル層を形成し、その上に膜厚20Å程度のAuからなる電流拡散層を形成して正極となし、その上にSiO2からなる保護膜を積層する構造がある。凹凸加工は、このSiO2層に施される。同様に、正極はコンタクトメタル層としてAuを用い、電流拡散層としてNiOを用いる構造なども考えられ、保護膜としてはCaF2なども使用できる。この場合、CaF2の最表面に凹凸加工を施す。
透光性膜の成膜方法については、特に制限されることはなく公知の真空蒸着法やスパッタ法を用いることができる。真空蒸着には加熱方法に抵抗加熱方式や電子線過熱方式などがあるが、金属以外の材料の蒸着には、電子線加熱方式が適している。また、原料となる化合物を液状とし、これを表面に塗布した後然るべき処理により酸化物膜とする方法も用いることができる。
透光性膜表面に凹凸を設けるには、一旦平坦な表面を有する透光性膜を成膜した後、透光性膜の一部を削除して凹部を形成する方法と透光性膜を部分的にさらに積層して凸部を形成する方法がある。また、透光性膜を形成する際の成膜条件を制御することで凹凸を形成することも可能である。これらの中でも、一旦平坦な表面を有する透光性膜を成膜した後、透光性膜の一部を削除して凹部を形成する方法が、基板面に対して傾斜した平面から構成される凹凸を形成し易いので好ましい。
本発明において、「基板面に対して傾斜した平面から構成される凹凸」とは、凹部または凸部を構成する透光性膜表面の少なくとも一部が基板面に対して傾斜した平面であればよい。
例えば、透光性膜表面に存在する凹凸が、図4(平面図)および図5(図4のXY切断断面図)に示したように凸部がストライプ状に存在しているパターンの場合、凸部を構成する透光性膜表面A、BおよびCのうちAおよびCが基板面に対して傾斜した平面となっている。勿論、基板面に平行な面Bが存在せず、凸部がAおよびC面のみで構成されていてもよいし、AおよびC面のうちどちらかが基板面に対して垂直であってもよい。凸部を構成する全ての面が基板面に対して傾斜した平面であることが、光取り出し効率および配光均一性の向上にとって好ましい。
基板面に対して傾斜した平面の角度は基板面に対して5度から85度の範囲であることが好ましい。5度以下または85度以上では光取り出し効率が向上し難い。好ましくは15度から75度の範囲であり、特に好ましくは30度から60度の範囲である。
透光性膜表面に存在する凹凸はどのようなパターンを取る事も可能である。中でも、上述したストライプ状とすることは、加工のしやすさの面から望ましい。その際、ストライプ状の凹部または凸部の幅はその最大部で1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数のストライプを作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。ピッチは1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数のストライプを作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。
一方、凹凸の形状を図6(平面図)および図7(図6のXY切断断面図)に示したようなドット状の凸部とすることは、光を発光素子の周囲のどの方向からも均等に取り出すことができるため、配光均一性の面から好ましい。上記のストライプ状では、ストライプに平行な方向と直角な方向で、取り出される光の強度が異なるため、配光均一性ではドット状に劣る。
ドット状の凸部の幅および長さは、その最大部で1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数のドットを作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。ピッチは1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数のドットを作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。
さらに、凹凸の形状を図8(平面図)および図9(図8のXY切断断面図)に示したような格子状の凸部とすることは、凹凸加工のし易さと配光均一性の両方を兼ね備えさせることができるので、最も望ましい。その際、凸部の幅はその最大部で1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数の凸部を作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。ピッチは1μm〜500μmが好ましい。1μm以下では加工が難しくなり、500μm以上では各チップ面内に充分な数の凸部を作りこむことができない。さらに好ましくは、10μm〜100μmである。
透光性膜表面に存在する凹凸の断面形状は、基板面に対して傾斜した面を有すれば、どのような形状を持つこともできる。最も一般的なのは、単一の角度の面で形成される、三角形或いはV字型の形状であるが、その他、2種類の角度の面で形成される五角形、3種類の角度の面で形成される七角形の形状であっても良い。しかしながら、多種類の角度で形成される形状を取る断面は形成することが難しく、収率を落とす可能性が高い。最も有効なのは、三角形或いはV字型の形状である。また、三角形或いはV字型の先端部が切り落とされて基板面に対して平行な面となった台形でもよい。
また、凹凸の高低差は透光性膜の厚さの範囲内で任意に決めればよく、0.3〜85μmの範囲が好ましく、0.5〜30μmの範囲がさらに好ましく、1〜10μmの範囲が特に好ましい。0.3μm未満では、光取り出し効率が十分改良されない。一方、あまり高低差を大きくすると、加工コストが増大する。
透光性膜表面に凹凸を形成するための凹凸加工は、別に制限されず、どのような方法を用いてもよい。例えば、フォトリソグラフィーとして知られる方法を用いてパターニングし、その後ドライエッチングまたはウエットエッチングを用いて凹部を形成し、残った部分を凸部とすることができる。また、ダイヤモンド針を押し付けて線を引くスクライブや、レーザ光を当てて熱を発生させることで加工を施すレーザースクライブの手法を応用しても良い。
以下に、凹凸加工の方法の一例を示す。凹凸加工の方法としては、前述のように従来あるどのような手法を用いても良く、これらの例に限定されるものではない。
まず、窒化ガリウム系化合物半導体積層体の光取り出し面であるp型半導体層上にITOの膜を一様な膜厚で形成する。その後、全面にレジストを塗布し、形成したいパターンに露光する。この際、露光のための光として平行光でない光束を使用する。平行光でない光は、パターンの縁から内側に少量入り込むことができるので、この現象を利用して、露光した光量に応じて、レジスト膜のパターンの縁にテーパーを形成することが可能である。平行光でない光束は、露光装置の光源の位置や試料の位置をずらすことによって、いわゆる「ピントが合っていない」状態にすることで実現できる。
他に、光取り出し面に透明材料の膜を一様な膜厚で形成した窒化ガリウム系化合物半導体積層体の全面にレジストを塗布する際に、レジストを通常よりも厚く形成することで、レジストが感光する光の量がパターンの縁において不十分となり、レジスト膜のパターンの縁にテーパーを形成するなどの方法もある。同様のことは、感光時の光の量を減量したり、感光時間を短くすることによっても実現することが可能である。
このような縁部にテーパーが形成されたレジスト膜を保護膜としてドライエッチングを施すと、エッチングによってレジスト膜も膜厚を減少させるので、形成された凹部の縁にもテーパーが形成される。図10はこの工程を経時的に示した図である。このような方法で、基板面に対して傾斜した平面からなる凹部(残された部分から見ると凸部)を形成することが可能である。
また、凹凸加工にはスクライブと呼ばれる方法を用いることもできる。窒化ガリウム系化合物半導体積層体の光取り出し面であるp型半導体層上に一定の膜厚で形成したSiO2の透光性膜などを、先端を希望するテーパーの形状としたダイヤモンド針で縦方向および/または横方向にけがく事で、ストライプ状または格子状の例えばV字型をした凹部(残された部分から見るとストライプ状またはドット状の凸部)をSiO2透光性膜表面に形成することが可能である。
同様の形状の凹凸加工は、レーザを照射することで透光性膜を融解して溝を穿つ、レーザースクライブという方法を用いることでも可能である。
なお、発光素子の配光均一性は市販の配光特性測定器(例えば、オプトサイエンス(OPT SCIENCE)社製のLED−1100)で測定することができる。この装置は、電流を流して発光素子を発光させた状態で固定し、この発光素子に対して同じ距離を保つように規定された、発光素子上部空間の軌道上を、CCD、受光素子または光電芝居増感などの光強度測定器が動くようになっている。この光強度測定器が動きながら発光強度を測定し、発光素子が固定されている平面からの角度と発光強度との関係を求めるものである。上記軌道の方向を変えて測定することにより、配光の均一性を評価できる。
本発明において、基板面に対して傾斜した凹凸を有する透光性膜を備えた正極には、上述したように、電気的なコンタクトを取る目的で、半導体(p型半導体層)表面と接触するコンタクトメタル層を設けることができる。コンタクトメタル層に要求される性能としては、p型半導体層との接触抵抗が小さいことと、光透過性が良いことがある。
コンタクトメタル層の材料はp型半導体層との接触抵抗の観点から、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)等の金属またはそれらを含む合金が好ましい。これらの中でもNiは、仕事関数が高く、高温熱処理を施した際に半導体の表面の酸化物層を除去し、Ni自体も酸化されて透明となり、p型GaN系化合物半導体層へのコンタクトメタルとして、特に好ましい。また、Ptは、仕事関数が高く、高温熱処理を施さなくとも、p型GaN系化合物半導体層に対して良好なオーミック接触を得ることが可能なので、好ましい。
コンタクトメタル層の膜厚としては、0.1〜7.5nmの範囲が好ましい。0.1nm未満では安定した薄層が得られ難い。7.5nmを超えると透光性が低下する。0.1〜5nmがさらに好ましい。また、その後の電流拡散層の積層による透光性の低下と成膜の安定性を考慮すると、0.5〜2.5nmの範囲が特に好ましい。
また、コンタクトメタル層を格子状としたり、ボールアップによって飛び飛びの島状としたりすることもできる。このようにコンタクトメタル層に薄い領域と厚い領域を形成することにより、光透過率の高い薄い領域からの光取出しを増大させることができる。
凹凸加工を施す透光性膜の材料として、導電性の材料を使う場合(正極そのものを構成)でも導電性のない材料を使う場合(保護膜を構成)でも、どちらの場合でも電流を注入するためのワイヤを接続するボンディングパッドを形成することができる。ボンディングパッドは、透光性の材料が導電性の場合には、これに接続するように形成し、そうでない場合は電極層に接続されるように形成する。
ボンディングパッド部を構成するボンディングパッド層については、各種の材料を用いた各種の構造のものが知られており、これら周知のものを特に制限されることなく用いることが出来る。但し、電流拡散層との密着性の良い材料を用いることが望ましく、厚さはボンディング時の応力に対してコンタクトメタル層あるいは電流拡散層へダメージを与えないよう十分厚くする必要がある。また最表層はボンディングボールとの密着性の良い材料とすることが望ましい。
上述の正極を設ける、基板上に窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した構造体は、図1に示したような、基板上にバッファ層を介して窒化ガリウム系化合物半導体を積層し、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を形成した構造体が従来より多数知られており、これら周知の窒化ガリウム系化合物半導体積層構造体を含めて、発光素子に適した窒化ガリウム系化合物半導体積層構造体であれば何ら制限無く用いることができる。
基板には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶、Ga23単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶およびZrB2などのホウ化物単結晶などの公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
n型半導体層、発光層およびp型半導体層は各種構造のものが周知であり、これら周知のものを何ら制限なく用いることができる。
それらを構成する窒化ガリウム系化合物半導体としても、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体が周知であり、本発明におけるn型半導体層、発光層およびp型半導体層を構成する窒化ガリウム系化合物半導体としても、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体を何ら制限なく用いることができる。
これらの窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、などIII族窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si26)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いる。
基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層が順次積層された窒化ガリウム系化合物半導体のn型半導体層に接して負極を形成するために、発光層およびp型半導体層の一部を除去して、n型半導体層を露出させる。その後残したp型半導体層上に上述の透光性正極を形成し、露出させたn型半導体層上に負極を形成する。負極としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を含め、各種組成および構造の負極を何ら制限無く用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
図1は本実施例で作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面を示した模式図であり、図2はその平面を示した模式図である。サファイアからなる基板(1)上に、AlNからなるバッファ層(6)を介して、窒化ガリウム系化合物半導体層(2)を積層した。窒化ガリウム系化合物半導体層(2)は、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層、厚さ2μmのGeドープn型GaNコンタクト層および厚さ0.02μmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層がこの順序で積層されたn型半導体層(3)、厚さ16nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.06Ga0.94N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層(4)、および厚さ0.01μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層と厚さ0.18μmのMgドープp型Al0.02Ga0.98Nコンタクト層がこの順序で積層されたp型半導体層(5)からなっている。p型AlGaNコンタクト層上に、厚さ1nmのNiコンタクトメタル層(11)、厚さ2μmのZnO電流拡散層(12)およびAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造(厚さはそれぞれ50/20/10/100/200nm)のボンディングパッド層(13)よりなる正極(10)を形成した。電流拡散層(12)の表面には、図2に示されるようなドット状パターンの斜め面を有する凸部を設けた。n型GaNコンタクト層上にTi/Auの二層構造の負極(20)を形成した。光取り出し面は半導体側とした。
この構造において、n型GaNコンタクト層のキャリア濃度は1×1019cm-3であり、GaN障壁層のSiドープ量は1×1017cm-3であり、p型AlGaNコンタクト層のキャリア濃度は5×1018cm-3であり、p型AlGaNクラッド層のMgドープ量は5×1019cm-3であった。
窒化ガリウム系化合物半導体層の積層(図1の3〜6)は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。また、正極および負極は次の手順で形成した。
初めに反応性イオンエッチング法によって負極を形成する部分のn型GaNコンタクト層を下記手順により露出させた。
まず、エッチングマスクをp型半導体層上に形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、正極領域からレジストを除去した。真空蒸着装置内にセットして、圧力4×10-4Pa以下でNiおよびTiをエレクトロンビーム法により膜厚がそれぞれ約50nmおよび300nmとなるように積層した。その後リフトオフ技術により、正極領域以外の金属膜をレジストとともに除去した。
次いで、反応性イオンエッチング装置のエッチング室内の電極上に半導体積層基板を載置し、エッチング室を10-4Paに減圧した後、エッチングガスとしてCl2を供給してn型GaNコンタクト層が露出するまでエッチングした。エッチング後、反応性イオンエッチング装置より取り出し、上記エッチングマスクを硝酸およびフッ酸により除去した。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、p型AlGaNコンタクト層上の正極を形成する領域にのみ、Niからなるコンタクトメタル層およびZnOからなる電流拡散層を形成した。コンタクトメタル層および電流拡散層の形成では、まず、窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した基板を真空スパッタ装置内に入れ、p型AlGaNコンタクト層上に初めにNiを1nm、次にZnOを2μm積層した。
真空室から取り出した後、引き続き、ZnO層の表面に光取り出し加工を施した。
まず、公知のフォトリソグラフィーの技術を用いてドット状のパターンのレジスト膜を形成した。レジストはポジ型と呼ばれる露光部分が現像処理で溶け出すものを使用し、レジストへの露光の時間を通常用いるよりも短くして、マスクパターンの縁の部分に露光不足の領域を作り出した。これを露光することにより、斜めの縁を有するレジストパターンを作製した。
このようにして作製したレジストパターンつきの基板に、ドライエッチングを用いて斜めの面を形成した。ドット状の凸部は、四角錐の頂上を切ったような形状で、台形の断面を持っていて、上面は一辺が2μm下面は一辺が3μmの四角形で形成されている。高さは1.7μm程度であり、5μmの間隔でチップの辺に平行に並んでいる。ドット状の凸部を構成する斜めの面の基板に対してなす角度は約60°であった。
さらにその後、通常リフトオフと呼ばれる周知の手順に則って処理し、さらに同様な手法で電流拡散層上の一部にAuからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層し、ボンディングパッド層を形成した。このようにしてp型GaNコンタクト層上に正極を形成した。
次に、露出したn型GaNコンタクト層上に負極を以下の手順により形成した。レジストを全面に一様に塗布した後、公知リソグラフィー技術を用いて、露出したn型GaNコンタクト層上の負極形成部分からレジストを除去して、通常用いられる真空蒸着法で半導体側から順にTiが100nm、Auが200nmよりなる負極を形成した。その後レジストを公知の方法で除去した。
このようにして正極および負極を形成したウエーハを、基板裏面を研削・研磨することにより80μmまで基板の板厚を薄くして、レーザスクライバを用いて半導体積層側から罫書き線を入れたあと、押し割って、350μm角のチップに切断した。続いてこれらのチップをプローブ針による通電で電流印加値20mAにおける順方向電圧の測定をしたところ3.3Vであった。
その後、TO−18缶パッケージに実装してテスターによって発光出力を計測したところ印加電流20mAにおける発光出力は10mWを示した。またその発光面の発光分布は正極上の全面で発光しているのが確認できた。
この缶パッケージした状態で配光性を測定した。測定にはオプトサイエンス社製のLED−1100を用いた。チップの上方に設置したディテクタを、先ず、チップの一つの辺に平行でチップと同じ距離を保つ軌道に沿って動かし、発光の強度を測定した。次に、その辺と直交する辺に平行でチップと同じ距離を保つ軌道に沿って動かし、発光の強度を測定した。ディテクタとチップ中心を結んだ線が基板面となす角度に対する発光強度の分布は両者に差がなかった。
(実施例2)
本実施例では、p型AlGaNコンタクト層上にGeをドープしたトンネル層を設けたこと、コンタクトメタル層を設けずに電流拡散層を厚さ1μmのITOとしたこと、および電流拡散層表面の凹凸のパターンをストライプ状としたことを除いて、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
なお、トンネル層とはp型半導体層の表面に接触して設けられた、厚さ1〜50nm程度の非常に薄いn型半導体層のことで、正極との接触抵抗を低減させる効果がある。
また、ストライプ状の凹凸加工は、V字形状をしたダイヤモンド針で電流拡散層表面をけがく事で行なった。ストライプは、V字状の断面をした凹部を形成しており、その開口部の幅は1μm程度、深さは0.5μm程度、ピッチは10μm程度で、チップの一辺に平行に並んでいる。得られた発光素子の断面をSEM(走査式電子顕微鏡)で観察したところ、V字状の断面を構成する斜めの面は、基板に対して45°の角度を有していた。
得られた発光素子を実施例1と同様に評価したところ、順方向電圧は3.3Vと同じであったが、発光出力は11mWであった。さらに、缶パッケージした状態で実施例1と同様にして、配光均一性を測定した。発光強度は、ストライプ状凹凸に平行な方向と直角な方向とで、約40%程度の差があり、ストライプ状凹凸に直角の方向の方が強かった。
(実施例3)
本実施例では、コンタクトメタル層を厚さ5ÅのPtとしたこと、電流拡散層を厚さ50ÅのAuとしたこと、電流拡散層上に厚さ2.2μmのSiO2からなる保護膜を形成したこと、その保護膜に格子状の凸部を形成したことを除いて、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
格子状の凸部は、実施例1と同様にテーパーを有するレジストを用いたドライエッチング法によって形成した。具体的には、四角錐を逆さにした形状の凹部を、SiO2の膜に形成した。上面は一辺が4μmの四角形で形成されている。深さは2μm程度であり、8μmの間隔でチップの辺に平行に並んでいる。
この試料の断面を作製し、SEM(走査式電子顕微鏡)で観察したところ、格子を構成する斜めの面は、基板に対して約75°の角度を有していた。この発光素子を実施例1と同様に評価したところ、順方向電圧は3.3Vと同じであったが、発光出力は9mWであった。
この、缶パッケージした状態で実施例1と同様にして、配光性を測定した。チップのどの辺の方向から見ても、発光強度には変わりがなかった。
(比較例1)
電流拡散層上に施す加工を、断面が長方形であるような四角柱のドットとしたこと以外は、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。この発光素子を実施例1と同様に評価したところ、順方向電圧は3.3Vと同じであったが、発光出力は8mWであった。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は優れた光取出し効率を有するので、この発光素子から高輝度のLEDランプを作製することができる。また、優れた配光均一性を有するので、ディスプレイ用途およびバックライト用途として有用である。
1 基板
2 GaN系化合物半導体層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
6 バッファ層
10 正極
11 コンタクトメタル層
12 電流拡散層
13 ボンディングパッド層
14 保護膜
20 負極

Claims (1)

  1. 基板上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層された発光素子において、光取出し面が透光性膜からなり、該透光性膜の表面が該基板面に対して傾斜した平面で構成される凹凸を有し、透光性膜表面の凹凸の形状がドット状または格子状であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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