JP2011014660A - 偏光状態の計測装置、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

偏光状態の計測装置、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 計測装置の製造誤差が計測結果に及ぼす影響を小さくし、被検光の偏光状態を高精度で計測することのできる計測装置を提供する。
【解決手段】 位相子と偏光子とを含む光学系に入射する被検光の偏光状態を計測する計測装置は、位相子と偏光子との光軸回りの相対的な回転角度θを変化させながら検出された偏光状態が異なる複数の光の強度変化をフーリエ変換して、cos4θ、sin4θ、sin2θ及びcos2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第1フーリエ係数の値を計算し、光学系に起因する計測誤差を含まないと仮定した場合に相対的な回転角度θを変化させながら検出される光の強度変化のフーリエ変換における、cos4θ、sin4θ、sin2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第2フーリエ係数と複数の第1フーリエ係数との関係を規定する係数である複数の第3係数を、第1フーリエ係数の値を用いて近似的に計算し、複数の第3係数を用いて前記光学系に起因する計測誤差を計算する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検光の偏光状態を計測する計測装置、露光装置、及びデバイスの製造方法に関する。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いて半導体素子を製造する際に、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する投影露光装置が従来から使用されている。投影露光装置の露光性能を決定する要素には、解像度、重ね合わせ精度(オーバーレイ精度)及びスループットの3つの重要な要素がある。近年、かかる3つの要素のうち、特に、解像力に関して、投影光学系を液浸することによる高NA化が注目されている。投影光学系のNAを大きくすることは、像面からの垂線と入射光の進行方向との成す角が大きくなることを意味しており、高NAの結像と呼ばれる。
高NAの結像では、露光光の偏光状態が重要となる。例えば、ラインとスペースが繰り返されているような、所謂、ライン・アンド・スペース(L&S)パターンを露光する場合を考える。L&Sパターンは、平面波の2光束干渉によって形成される。2光束の入射方向ベクトルを含む面を入射平面とし、入射平面に垂直な偏光をS偏光、入射平面に平行な偏光をP偏光とする。2光束の入射方向ベクトルの互いに成す角が90度の場合、S偏光は干渉するのでL&Sパターンに応じた光強度分布が像面上に形成される。一方、P偏光は干渉しない(干渉の効果が打ち消される)ので光強度分布は一定となり、L&Sパターンに応じた光強度分布が像面上に形成されることはない。S偏光とP偏光が混在していると、S偏光だけのときよりもコントラストが低い光強度分布が像面上に形成され、P偏光の割合が大きくなると像面上の光強度分布のコントラストが低下し、最終的には、パターンが形成されなくなる。このため、露光光の偏光状態を制御してコントラストを向上させる必要がある。偏光状態が制御された露光光は、十分なコントラストの光強度分布を像面上に形成することができ、より微細なパターンを露光することが可能となる。
露光光の偏光状態の制御は、主に照明光学系で行われる。偏光照明は、あるパターンに対して有効な形状で、且つ、最適な偏光方向を有することが求められている。例えば、Y方向のパターンの場合に対しては、偏光方向をY方向に有するXダイポール照明が有効である。また、様々な方向のパターンが混在する場合に対しては、輪帯の円周方向に偏光方向を有するタンジェンシャル偏光による輪帯照明が有効である。しかしながら、照明光学系のある位置で露光光の偏光状態を制御したとしても、それ以降の光学部材が偏光状態に及ぼす影響によって、制御した偏光状態と異なった偏光状態で露光位置に到達する。例えば、透過率又は反射率を向上させるために、レンズには反射防止膜を、ミラーには高反射膜を形成しているが、これらは偏光方向によって反射率が異なり、直交する偏光の間に位相差を発生させるので、偏光状態を変化させる要素を有している。また、露光光の短波長化に伴って、石英や蛍石の結晶部材が硝材に使用されており、これらの硝材は製造工程による歪みによって応力複屈折を有しているため、偏光状態を変化させてしまう。更に、レンズを鏡筒等の部材で保持する際の応力によって、レンズが有する複屈折は変化するため、レンズの複屈折を常に一定に維持させることは極めて困難である。従って、露光装置としての偏光状態を計測することが必要であり、その一例として、回転位相子法を用いて照明光学系及び投影光学系の偏光状態を計測する計測装置が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、回転位相子法を利用して偏光状態を計測する計測装置では、設計値に対する計測装置の製造誤差が計測結果に影響する。光の偏光状態を高精度で計測するためには、計測装置の製造誤差を考慮して、計測結果を補正する必要がある。位相子のリタデーション誤差と偏光子の消光比誤差を補正する方法として、位相子及び偏光子の光学特性を予め測定し、その測定値を用いて計測結果を補正する方法が提案されている(特許文献2)
特開2007−59566号公報 特開2006−179660号公報
偏光状態を計測する計測装置の製造誤差は、位相子のリタデーション誤差や偏光子の消光比誤差以外にも存在する。例えば、偏光子を鏡筒で保持することで応力が発生し、偏光子に複屈折が生じる。また、偏光子としてローションプリズム等複屈折を有する結晶を用いた場合、偏光子が傾くことによって、光の偏光状態に影響を与える。また、位相子の進相軸と偏光子の透過軸について、光軸回りの相対的な回転原点位置が十分な精度で設定されていないと、正しく偏光状態を計測することができない。従来技術ではこれらの影響を考慮していなかったので、光の偏光状態を高精度に計測することができなかった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、計測装置の製造誤差が計測結果に及ぼす影響を小さくし、被検光の偏光状態を高精度で計測することのできる計測装置を提供することを目的とする。
本発明は、光の偏光状態を変化させる位相子と前記位相子を通過した光の特定の偏光成分を選択的に透過させる偏光子とを含む光学系と、前記位相子及び前記偏光子を通過した光の強度を検出する検出器と、演算部と、を備え、前記光学系に入射する被検光の偏光状態を計測する計測装置であって、前記演算部は、前記位相子と前記偏光子との光軸回りの相対的な回転角度θを変化させながら前記検出器によって検出された偏光状態が異なる複数の光の強度変化をフーリエ変換して、cos4θ、sin4θ、sin2θ及びcos2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第1フーリエ係数の値を計算し、前記光学系に起因する計測誤差を含まないと仮定した場合に前記位相子と前記偏光子との光軸回りの相対的な回転角度を変化させながら前記検出器によって検出される光の強度変化のフーリエ変換における、cos4θ、sin4θ、sin2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第2フーリエ係数と前記複数の第1フーリエ係数との関係を規定する係数である複数の第3係数を、前記第1フーリエ係数の値を用いて近似的に計算し、前記複数の第3係数を用いて前記光学系に起因する計測誤差を計算するように構成され、前記複数の第3係数は、互いに独立した2以上の独立係数と、当該2以上の独立係数の組み合わせによって決定される従属係数とを含み、前記演算部は、cos2θで振動する成分の前記第1フーリエ係数と前記複数の第2フーリエ係数との関係を前記2以上の独立係数を用いて規定した関係式において、当該cos2θで振動する成分の第1フーリエ係数に対して前記複数の光について計算されたcos2θで振動する成分の第1フーリエ係数の値を代入し、当該複数の振動する成分の第2フーリエ係数に対して前記複数の光について計算された対応する振動周期で振動する成分の第1フーリエ係数の値をそれぞれ代入して前記2以上の独立係数を計算し、当該計算された2以上の独立係数から前記従属係数を計算する、ことを特徴とする。本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、被検光の偏光状態を高精度に計測することができる計測装置を提供することができる。
露光装置の構成を示す概略断面図 光学ユニットがレチクルステージに載置された状態を示す部分断面図 偏光子に傾きがある場合に発生するリタデーションを示す図 実施例1における計測結果を補正するためのフローチャート 計測装置に製造誤差がある場合とない場合の計測結果を示す図 図4に示すフローチャートで、反復計算を1回行ったときの補正結果を示す図 図4に示すフローチャートで、反復計算を2回行ったときの補正結果を示す図 実施例2における計測結果を補正するためのフローチャート
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[実施例1]
図1を参照すると、実施例1の露光装置は、露光光(照明光)を射出するための光源1を備えている。光源1は、例えば波長が約193nmの光を供給するArFエキシマレーザー光源や、波長が約248nmの光を供給するKrFエキシマレーザー光源である。光源1から射出されたほぼ平行な光束は、ビーム送光系2を介して矩形状の断面を有する光束に整形された後、偏光状態可変部3に入射する。ビーム送光系2は、入射した光束を適切な大きさで適切な断面形状を有する光束に変換しつつ偏光状態可変部3へ導くとともに、後段の偏光状態可変部3へ入射する光束の位置変動及び角度変動をアクティブに補正する機能を有する。一方、偏光状態可変部3は、後述のレチクル11(ひいてはウェハ14)を照明する光の偏光状態を調整する機能を有する。具体的には、偏光状態可変部3は、入射した直線偏光の光を振動方向の異なる直線偏光に変換したり、入射した直線偏光の光を無偏光の光に変換したり、入射した直線偏光の光を変換することなくそのまま射出したりする。
偏光状態可変部3により必要に応じて偏光状態を変換された光束は、ビーム形状可変部4を介してマイクロフライアイレンズ(又はフライアイレンズ)5に入射する。ビーム形状可変部4は、例えば回折光学素子や変倍光学系、プリズム等を含む。ビーム形状可変部4は、マイクロフライアイレンズ5の入射面に形成される照野の大きさ及び形状を、ひいてはマイクロフライアイレンズ5の後側の焦点面(照明瞳面)に形成される面光源(以下、「有効光源」という)の大きさ及び形状を変化させる機能を有する。マイクロフライアイレンズ5は、例えば縦横に稠密に配列された多数の正の屈折力を有する微小レンズからなる、波面分割型のオプティカルインテグレータである。なお、マイクロフライアイレンズ5に代えて、回折光学素子や角柱状のロッド型インテグレータのようなオプティカルインテグレータを用いることもできる。マイクロフライアイレンズ5に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に波面が分割され、波面が分割されたそれぞれの光束は各微小レンズの後側の焦点面に集光される。こうして、マイクロフライアイレンズ5の後側の焦点面には、多数の光源からなる実質的な面光源(以下、「二次光源」という)が形成される。マイクロフライアイレンズ5の後側の焦点面に形成された二次光源からの光束は、コンデンサー光学系6を介して走行視野絞り7を重畳的に照明する。
こうして、走行視野絞り7には、マイクロフライアイレンズ5を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。走行視野絞り7の矩形状の開口部(光透過部)を通過した光束は、レンズ8、ミラー9、レンズ10を通過した後、所定のパターンが形成されたレチクル(マスク)11を照明する。すなわち、走行視野絞り7の矩形状開口部の像がレチクル11上に形成されることになる。レチクル11はレチクルステージ12によって保持されている。レチクル11の下面には、パターンが形成されている。かかるパターンからの回折光が、投影光学系13を介して、ウェハステージ15に載置されたウェハ14上に結像される。こうして、投影光学系13の光軸と直交する平面内においてウェハ14を二次元的に駆動制御しながら一括露光又はスキャン露光を行うことにより、ウェハ14の各露光領域にレチクル11のパターンが逐次露光される。なお、ウェハ14にはフォトレジストが塗布されている。
露光装置はレチクルストッカー50を有している。レチクルストッカー50は、レチクル11のパターンと異なるパターンを有するレチクル11aや、後述する光学ユニット100a,100bを収納する。露光装置は露光工程に応じて、図示しないレチクル交換手段を介して、レチクルストッカー50に収納されたレチクル11aや光学ユニット100a,100bと、レチクルステージ12に載置されたレチクル11とを交換することができる。光学ユニット100の内部には、後述するように、複数の光学素子等が構成されている。光学ユニット100は、照明光学系30や投影光学系13の各々の光学特性、照明光学系30と投影光学系13を合わせた全体の光学特性を計測する際に用いられる。光学ユニット100はレチクル11と略同等の形状を有し、レチクル11と同様に露光装置のレチクルステージ12に載置することができる。なお図1では、光学ユニット100はレチクルストッカー50に収納されている。
図2を参照して、光学ユニット100の具体的な構成及び光学ユニット100及び計測装置200を用いた照明光学系30の偏光状態の計測について説明する。図2では、光学ユニット100がレチクルステージ12に載置された状態であり、レチクル11の上面に相当する位置をA面(2点鎖線)として示し、レチクル11の下面に相当する位置をB面(2点鎖線)で示している。通常のレチクル11では、A面はブランク面の位置に相当し、B面はレチクル11に取り付けられたペリクル面の位置に相当する。光学ユニット100は、内部に光学素子を有する。具体的には、光学ユニット100は、ピンホール101と、フーリエ変換レンズ102と、折り曲げミラー103a,103bと、リレー光学系104とを有する。光学ユニット100は、露光装置に自動的に搬入及び搬出ができるように(即ち、レチクルステージ12に載置させることができるように)、上面を略A面の位置とし、下面を略B面の位置とする。但し、光学ユニット100は、露光装置に自動的に搬入及び搬出することができれば、A面から若干上下した位置を上面とし、B面から若干上下した位置を下面としても構わない。
光学ユニット100をレチクルステージ12に載置した状態での照明光学系30の偏光光学特性(偏光状態)の計測について説明する。照明光学系30は、図2に示すように、C面を照明する。C面は、レチクル11のパターン面に相当する位置である。光学ユニット100は、上述したように、ピンホール101を有し、かかるピンホール101は、C面に位置することが好ましい。これは、ピンホール101をC面からデフォーカスさせると、照明光学系30の照明領域の周辺部で有効光源の一部の光を取り込めなくなるためである。ピンホール101を通過した光束は、フーリエ変換レンズ102によって、略平行光束となる。フーリエ変換レンズ102を通過した光束(平行光束)は、折り曲げミラー103aで反射(偏向)され、D面に照明光学系30の有効光源分布の像を形成する。なお、D面は、像面であるC面に対して瞳面となっている。D面に形成された有効光源分布の像は、リレー光学系104及び折り曲げミラー103bを介して、E面に有効光源分布の像を再び形成する。なお、E面は、後述する計測装置200の観察面であり、C面と同様に、光学的にレチクル11のパターン面に相当する。リレー光学系104は、入射側(D面側)及び射出側(E面側)共に、テレセントリックな光学系であることが好ましい。リレー光学系104をテレセントリックな光学系とすることで、リレー光学系104を構成する光学素子等の許容製造誤差によるE面での結像倍率誤差を最小に抑えることが可能となる。リレー光学系104の構成は、一般的に、ビームエキスパンダーとして知られている。
計測装置200は、位相子240より光源側にあるリレー部200aと、位相子240より検出器204側にある計測部200bから構成される。計測装置200は、E面に形成された有効光源分布の像を計測する。E面に形成された有効光源分布の像は、計測装置200において、対物レンズ201に入射し、対物レンズ201の瞳面F上で集光光束となる。対物レンズ201を通過した光束(集光光束)は、折り曲げミラー202で反射(偏向)され、レンズ203を介して平行光束となる。レンズ203を通過した光束(平行光束)は、G面に有効光源分布の像を形成する。なお、対物レンズ201とレンズ203とから構成される光学系は、上述したリレー光学系104と同様な理由で、入射側(E面側)及び出射側(G面側)共に、テレセントリックな光学系であることが好ましい。
検出器204は、例えばCCD等の2次元画像検出素子である。検出器204は、G面に配置され、対物レンズ201、折り曲げミラー202及びレンズ203を介して形成された有効光源分布の像を検出(観察)する。レンズ203と検出器204との間には、透過光の偏光状態を変化させて複屈折を付与する位相子240と、位相子240を通過した特定の偏光成分を選択的に透過する偏光子260が配置される。図2に示すように、入射側から、位相子240、偏光子260の順に配置される。計測装置200は、位相子240と偏光子260とを含む光学系に入射する被検光の偏光状態を計測する。位相子240は例えばフッ化マグネシウムからなるλ/4板である。また、偏光子260は、例えば偏光ビームスプリッタ−(PBS)やローションプリズムである。位相子240は、駆動部60の作用により光軸を中心として回転可能であり、位相子240と偏光子260との光軸回りの相対的な回転角度を変化させる機能を有する。駆動部60からの位相子240の回転角に関する情報及び検出器204からの検出結果は、演算部300に供給される。
こうして、光が無偏光でない場合には、駆動部60を介して位相子240を光軸回りに回転させることにより検出器204の検出面における光強度分布が変化する。計測装置200では、駆動部60を用いて位相子240を光軸回りに回転させながら、検出器204により光強度分布の変化を検出する。そして、演算部300は、駆動部60からの回転角情報及び検出器204からの光強度分布の変化の情報に基づいて、回転位相子法により照明光の偏光状態を算出する。
以下では、回転位相子法の原理的な説明を行う。位相子240を回転させると、検出器204の各画素において検出される光強度が所定の周期関数にしたがって変化する。回転位相子法では、この周期関数を解析することにより、入射光の偏光状態を計算することができる。
光の偏光状態を表す方法として、ジョーンズベクトルとジョーンズ行列による表記がある。計測装置200及び光学ユニット100が偏光に及ぼす影響を考慮しない場合、検出器204の検出面における光の偏光状態を示すジョーンズベクトルjは、式(1)で表される。式(1)で、joは検出器204の検出面におけるジョーンズベクトル、Jpolは偏光子260のジョーンズ行列、Jretは位相子240のジョーンズ行列、jsysは照明光学系30を射出した光の偏光状態を表すジョーンズベクトルである。
=Jpolretsys・・・(1)
これに対して、計測装置200及び光学ユニット100について、設計値からの製造誤差を考慮した場合、検出器204の検出面におけるジョーンズベクトルjは、式(2)で表される。式(2)で、Jerrは計測部200bの製造誤差を表すジョーンズ行列、Jrelはリレー部200aの製造誤差を表すジョーンズ行列、Juniは光学ユニット100の製造誤差を表すジョーンズ行列である。
=Jpolerrretrelunisys・・・(2)
リレー部200aの製造誤差を表すジョーンズ行列Jrelと、光学ユニット100の製造誤差を表すジョーンズ行列Juniを測定し、その影響を補正する方法は、特許文献1に詳しく記述されている。具体的には、偏光状態が既知である3つの光を入射し、射出される光の偏光状態を計測することにより、これらの製造誤差に起因するジョーンズ行列を算出することができる。そこで、計測部200bに入射するジョーンズベクトルjを式(3)のように表す。
・・・(3)
式(3)を式(2)に代入することにより、式(4)が得られる。
=Jpolerrret・・・(4)
計測部200bに入射する光のジョーンズベクトルjiを求めることができれば、式(3)を用いて、照明光学系30を射出する光のジョーンズベクトルjsysを計算することができる。したがって、照明光学系30を射出する光のジョーンズベクトルjsysを求めるためには、計測部200bに入射する光のジョーンズベクトルjiを測定すればよい。
次に、計測部200bの製造誤差に起因するジョーンズ行列Jerrを、式(5)で表す。
・・・(5)
計測部200bに関する製造誤差の一例として、例えば位相子240と偏光子260との光軸に対する偏光子260の傾きに起因する誤差がある。偏光子260としてローションプリズムを用いた場合、入射側の結晶軸は光軸と平行に配置することが望ましい。しかし実際は、結晶軸と光軸を厳密に平行に組み立てることは困難である。このとき、光は屈折率楕円体を斜めに横切ることになり、入射した光は複屈折を経験する。光軸に対する偏光子の結晶軸の傾きΘが十分に小さい場合は、sinΘ≒Θとして、リタデーションΔは式(6)で得られる。式(6)で、λは光の波長、dは結晶の厚さ、noは結晶の常光線に対する屈折率、neは結晶の異常光線に対する屈折率である。
・・・(6)
例えば、波長193nmで、水晶の屈折率は、常光線に対して1.661、異常光線に対して1.674である。図3は、厚さ20mmの水晶について、発生するリタデーションΔを、光軸に対する偏光子の結晶軸の傾きΘに対してプロットしたものである。図3から、例えば、光軸に対して偏光子の結晶軸が0.5°傾いたとき、7.1nmのリタデーションが発生することが分かる。
また、計測部200bに関する製造誤差の別の例として、偏光子260を保持することによって発生する応力複屈折に起因する計測誤差がある。また、計測部200bに関する製造誤差のさらなる別の例として、偏光子260を構成する硝材が有する複屈折に起因する計測誤差がある。これらの誤差によって発生するリタデーションをΔ、その進相軸をβとすると、計測部200bのジョーンズ行列Jerrは、式(7)で表される。
・・・(7)
簡単のため、以下では位相子240が理想的なλ/4板であり、偏光子260が消光比100%の理想的な偏光子の場合について考える。ただし、位相子240のリタデーションがλ/4と異なっている場合や、偏光子260の消光比が100%でない場合についても、式が煩雑になるだけで基本的には同じ考えが適用できる。位相子240と偏光子260の光軸回りの相対的な回転角度をθとすると、位相子240及び偏光子260のジョーンズ行列は式(8)及び式(9)で表される。
・・・(8)
・・・(9)
式(5)、(8)、(9)を式(4)に代入することにより、式(10)が得られる。
・・・(10)
偏光子260に対する位相子240の光軸回りの相対的な回転角度がθのとき、検出器204によって検出される光の強度I(θ)は、検出器204の検出面におけるジョーンズベクトルjoとその複素共役jo *の内積で表される。
・・・(11)
式(11)から、検出器204への入射光束が無偏光でない限り、それぞれの画素で検出される光の強度は位相子240と偏光子260の光軸回り相対的な回転角度θに伴って変化することが分かる。この光の強度変化(シグナル)を解析することで、入射光束の偏光状態についての情報を得ることができる。
計測部200bの製造誤差がない場合、検出器204によって検出されるシグナルI(θ)は、式(12)で表される。
・・・(12)
式(11)と式(12)を比べると、計測部200bの製造誤差を考慮したことにより、位相子240と偏光子260を光軸回りに相対的に回転させると、cos2θで振動する成分がシグナルに追加されている。計測部200bの製造誤差がない場合、式(12)で表されるシグナルをフーリエ変換して、cos4θ、sin4θ、sin2θの係数を求めることにより、入射する光の偏光状態を表すストークスパラメータS0,S1,S2,S3を求めることができる。ストークスパラメータS0〜S3は、計測部200bに起因する計測誤差を含まないと仮定した場合に、偏光子260の回転角度θを変化させながら検出器204によって検出される光の強度変化のフーリエ変換における複数の第2フーリエ係数である。複数の第2フーリエ係数S0乃至S3は、振動しない成分、並びに、cos4θ、sin4θ、sin2θで振動する成分それぞれの係数である。しかし、計測部200bの製造誤差が存在する場合、式(11)で表されるシグナルをフーリエ変換しただけでは、ストークスパラメータ S0乃至 S3を求めることができない。すなわち、計測部200bに起因する製造誤差についての情報を正しく知らなければ、高精度にストークスパラメータ S0乃至 S3を求めることができない。
ストークスパラメータ S0, S1,S2, S3から、検出器204により検出された光の強度変化をフーリエ変換した複数の第1フーリエ係数であるストークスパラメータS0’, S1’,S2’, S3’への変換は式(13)により表される。
・・・(13)
式(13)から明らかなように、ストークスパラメータ S0〜 S3とストークスパラメータS0’〜S3’との関係は、Re[J11J12 ]とIm[J11J12 ]と(|J11 2|-|J12 2|)との3つの係数(第3係数)で規定されている。式(13)は、第2フーリエ係数S0乃至S3とそれぞれと第1フーリエ係数S0’乃至S3’のそれぞれとの関係を規定する第2の関係式である。Re[J11J12 ]とIm[J11J12 ]は、計測部200bに起因する製造誤差のジョーンズ行列JerrのJ11とJ12の複素共役J12 との積[J11J12 ]の実数部と虚数部である。(|J11 2|-|J12 2|)は、ジョーンズ行列JerrのJ11とJ12との絶対値の差分である。これら3つの係数のうち、実数部Re[J11J12 ]と虚数部Im[J11J12 ]は、3つの係数の中で互いに独立した独立係数(第1独立係数、第2独立係数)である。(|J11 2|-|J12 2|)は、独立係数の組み合わせによって決定される従属係数である。
したがって、計測部200bに入射するストークスパラメータS0乃至S3を求めるには、計測したシグナルをフーリエ変換して得られるS0’乃至S3’に、第3係数で規定される製造誤差に起因する行列Mの逆行列を作用させればよい。
S=M−1S’・・・(14)
また、シグナルのcos2θで振動する成分の係数を表す S4’は下記の式(15)で表される。式(15)は、cos2θで振動する成分の第1フーリエ係数と複数の第2フーリエ係数との関係を2以上の独立係数を用いて規定した関係式(第1の関係式)である。
第1の関係式S’={-2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]S}・・・(15)
計測部200bの製造誤差に起因するシグナルの変化を補正し、計測部200bに入射する光の偏光状態を表すストークスパラメータ S0乃至 S3を高精度に求めるためのフローを図4に示す。Step1で、計測装置200は、互いに偏光状態が異なるn個の入射偏光についてシグナルを計測し、演算部300は、シグナルをフーリエ変換してストークスパラメータS0n’(0)乃至S3n’(0)とcos2θ成分 S4n’(0)を計算する。カッコ内の数字は、計算を繰り返す回数mを表し、偏光状態が異なる複数の光の計測数nは2個目の添え字で表す。それぞれn個のストークスパラメータと、cos2θ成分について、式(15)を適用して行列形式でまとめると、式(16)が得られる。
・・・(16)
Step2で、演算部300は、式(16)のS2n(m)、S3n(m)に対して、対応する振動周期で振動する成分のS2n’(m-1)、S3n’(m-1)を置き換えて代入する。そして、演算部300は、最小二乗法(シグナルの数が2つの場合は連立方程式の解)を用いてn個の方程式から2つの未知数Re[J11J12*](m)及びIm[J11J12*](m)を求める。ただし、本発明は最小二乗法を用いた計算に限定されず、任意の回帰分析手法を用いて良い。例えば正規分布から極端に外れた誤差を取り除くために、修正トンプソン−τ法を用いても良い。反復計算における一回目の計算では式(16)は次の形となる。
・・・(17)
STEP1で測定したシグナルから、式(17)の左辺のベクトルに含まれるS41’(0)乃至S4n’(0)は既知である。演算部300は、1〜n回目の計測データをそれぞれフーリエ変換して、フーリエ係数S4’を求め、n回目の計測データから得られたフーリエ係数をS4n’(0)とする。一方、式(17)の右辺の行列に含まれるS1n(1)乃至S3n(1)は、本来は補正によって得られるストークスパラメータであるため、未知である。そこでSTEP2では、S1n(1)をS1n’(0)で、S2n(1)をS2n’(0)で、S3n(1)をS3n’(0)で置き換えて、最小自乗法等により2つの未知数Re[J11J12*](m)及びIm[J11J12*](m)を近似的に求める。S1n’(0)乃至S3n’(0)はSTEP1で測定したシグナルから既知である。演算部300は、1〜n回目の計測データをそれぞれフーリエ変換して、第1フーリエ係数S1’〜 S3’を求め、n回目の計測データから得られたフーリエ係数をS1n’(0)、S2n’(0)、S3n’(0)とする。
反復回数m=2(回目)以降も、このStep2では、S2n(m)をS2n’(m-1)で、S3n(m)をS3n’(m-1)で置き換えて計算する。シグナルを計測した時点で、求めたいストークスパラメータS0乃至S3の値(S0n(m)、S1n(m)、S2n(m)、S3n(m))は未知である。したがって1回目の計算では、S2n(1)とS2n’(0)、S3n(1)とS3n’(0)の差は比較的大きな値である可能性が高い。しかし、2回目以降の計算では、それ以前の計算で補正された値が使用されるため、S2n(m)とS2n’(m-1)、S3n(m)とS3n’(m-1)の差が次第に小さくなっていく。反復的に計算を繰り返すことにより、ついにはS2n(m)とS2n’(m-1)、S3n(m)とS3n’(m-1)の差が無視できる程度に小さくなる。このように、反復的な計算により、計測部200bに入射するストークスパラメータS0乃至S3を高精度に求めることができる。
Step3で、演算部300は、次に求めたRe[J11J12*](m)及びIm[J11J12*](m)の補正値から、式(18)を用いて、製造誤差に起因して発生する複屈折のリタデーションΔ(m)及び進相軸β(m)を算出する。式(18)は、式(7)から得られる。
・・・(18)
この連立方程式を解くことにより、2つの未知数Δ及びβを求めることができる。この計算は、解析的に行っても数値計算で行っても良い。
また、式(7)より以下の式(19)が得られる。
・・・(19)
以上の計算により、式(13)の行列Mの各項の値が求めることができた。行列Mの各項が求まれば、式(14)よりストークスパラメータを補正することができる。
次に、Step4で、演算部300は、式(14)を用いてストークスパラメータを補正し、S0n(m)乃至S3n(m)を求める。この計算により、補正前よりも高い精度でストークスパラメータを得ることができる。
Step5で、演算部300は、第3の関係式(20)を用いて、第2フーリエ係数S4を算出する。第3の関係式は、S=S’-{-2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]S}とも表記される。
第3の関係式S4n(m)=S4n’(m-1)-{-2Re[J11J12 ](m)S3n(m)+2Im[J11J12 ](m)S2n(m)}・・・(20)
Step6、演算部300は、基準に従って計算を繰り返すか判定する。判定基準の一例は、補正前後のストークスパラメータの差分が許容値以下(例えば0.01以下)であるかの判断である。判定基準の別の例は、式(20)によって計算されるS4n(m)が許容値以下(例えば0.01以下)であるかの判断である。判定基準の別の例は、無偏光量が許容値以下(例えば0.01以下)であるかの判断である。判定基準を満たさない場合、Step7で、演算部300は、求めたS0n(m)乃至S4n(m)を、次回の計算の入力値S0n’(m)乃至S4n’(m)として用いる。
そして、演算部300は、求まったRe[J11J12*]及びIm[J11J12*]から、式(18)を用いて製造誤差による複屈折のリタデーションΔ及び進相軸βを求める。
図5乃至図7を用いて、本発明による計測結果の補正の一例を示す。図5の(a)は、計測装置200に製造誤差がない場合の計測結果を表す。リタデーションが同径方向に増加し、進相軸が放射状の計測対象について、60°の直線偏光、120°の直線偏光、円偏光の3つの偏光光を入射したとき、計測される結果が、図5の(a)に示してある。計測装置200に製造誤差がない場合は、cos2θ成分S4と無偏光量は、共にゼロである。図5の(b)は、計測装置200に組み込まれている偏光子が、X軸及びY軸に対して45°の方向に、0.5°傾いた場合の計測結果を表す。図5の(a)と同じく、リタデーションが同径方向に増加し、進相軸が放射状の計測対象について、60°の直線偏光、120°の直線偏光、円偏光の3つの偏光光を入射したとき、計測される結果を示してある。偏光子が傾いていると、cos2θ成分S4と無偏光量Snpがゼロでなくなっていることが分かる。また偏光子の傾きによって、ストークスパラメータS1乃至S3も値が変わってしまっている。このストークスパラメータから、計測対象のリタデーション及び進相軸を計算すると、図5の(b)に示されるように、計測対象が持つ本当のリタデーション及び進相軸とは、大きく異なる結果が得られてしまう。
この結果を図4に示したフローで補正してみる。3個の入射偏光についてシグナルを計測し、シグナルをフーリエ変換してストークスパラメータS0n’(0)乃至S3n’(0)とcos2θ成分S4n’(0)を計算した結果は、すでに図5の(b)に示されている(Step1)。入射偏光が60°の直線偏光のとき、cos2θ成分の瞳内平均値は0.195である。次に、式(17)のS2n(1)をS2n’(0)で、S3n(1)をS3n’(0)で置き換えて、最小二乗法を用いて3個の方程式から2つの未知数Re[J11J12*](1)及びIm[J11J12*](1)を求める(Step2)。計算したRe[J11J12*](1)及びIm[J11J12*](1)の結果を図6の(a)に示す。次に式(7)を用いて、求めた数Re[J11J12*](1)及びIm[J11J12*](1)から、製造誤差に起因して発生する複屈折のリタデーションΔ(1)及び進相軸β(1)を算出する(Step3)。この計算は、解析的に行っても数値計算で行っても良い。次に、式(14)を用いてストークスパラメータを補正する(Step4)。次に、式(20)を用いて、S4を算出する(Step5)。補正したストークスパラメータS1n(1)乃至S3n(1)及びcos2θ成分S4n(1)と無偏光量Snpn(1)を図6(b)に示す。入射偏光が60°の直線偏光のとき、補正によってcos2θ成分の瞳内平均値は0.0062まで小さくなっている。
補正したストークスパラメータを用いて計算した、リタデーション及び進相軸を、図6(c)に示す。図5の(a)と比較すると、補正によって、計測対象が持つ本来の値に近づいていることが分かる。ただ、瞳中心の進相軸にまだ誤差が見られる。次に、基準に従って計算を繰り返すか判定する(Step6)。ここでは、補正前後のcos2θ成分の瞳内平均値が0.005以下であるかどうかを判定基準として用いる。1回目の補正では、cos2θ成分の瞳内平均値は0.0062であるため、反復計算を行うことになる。求めたS0n(1)乃至S4n(1)を、次回の計算の入力値S0n’(1)乃至S4n’(1)として用いる(Step7)。
再びSTEP2からSTEP5により、求めた計算結果を図7の(a)乃至(c)に示す。図7の(b)に示されるように、cos2θ成分はより小さくなり、瞳内平均値は0.00021である。また、図7の(c)に示されるように、2回の補正により、リタデーション及び進相軸は、計測装置200の誤差がない場合とほぼ一致する。次に、基準に従って計算を繰り返すか判定する(Step6)。1回目の補正と同じく、補正前後のcos2θ成分の瞳内平均値が0.005以下であるかどうかを判定基準として用いると、2回目の補正では、cos2θ成分の瞳内平均値は0.00021であるため、反復計算は終了となる。このように、複数のシグナルから計測装置200に起因する誤差を算出し、反復計算により補正を繰り返すことで、計測装置200に起因する誤差を補正し、計測対象の本来の偏光状態を求めることができる。
本実施例の場合、製造誤差に起因する未知の変数は2つであるため、少なくても2つ以上のシグナルを計測することが必要である。誤差を正しく求めるためには、S2及びS3が比較的大きな入射偏光状態でシグナルを計測することが望ましい。なぜなら、この場合式(15)から明らかなように、比較的S4’が大きくなるため、シグナル/ノイズ比の影響を小さくできるためである。また、S2及びS3が小さすぎると、S2及びS3自体もシグナル/ノイズ比の影響を受けやすくなる。一旦製造誤差による影響を表す行列Mを計算すれば、それ以降は反復的な計算をしなくても、式(14)により、ストークスパラメータを補正することができる。例えば、行列M自体の計算は装置の外部で行い、行列Mをパラメータとして装置に登録することも可能である。
[実施例2]
本実施例はシグナルを補正するための計算が異なるほかは、基本的に実施例1と同様である。本実施例では、計測した複数のシグナルを用いて、さらに位相子240と偏光子260の光軸回りの相対的な回転誤差αを補正する。位相子240の進相軸と偏光子260の透過軸について、光軸周りの回転原点位置が、製造誤差により角度αだけずれている場合を考える。この場合、検出器204で検出される光の強度Iは、式(11)のθをθ+αに置き換えた、式(21)により得られる。
・・・(21)
したがって、ストークスパラメータS0’、S’、S’、 S3’及びcos2θ成分S4’から、S0’’、S’’、S’’、S’’、S’’への変換は式(22)により表される。
・・・(22)
S0’〜S4’を求めるには、計測したシグナルをフーリエ変換して得られるS0’’〜S4’’に、製造誤差に起因する行列M’の逆行列を作用させればよい。式(22)をみると、第1フーリエ係数S0’’乃至S’’とS0’〜S4’ひいては第2フーリエ係数S0乃至Sとの関係を規定する第3独立係数として回転誤差αが加わっている。式(22)は、Re[J11J12 ]とIm[J11J12 ]とαと(|J11 2|-|J12 2|)とを用いて第2フーリエ係数S0乃至S3のそれぞれと第1フーリエ係数S0’’乃至S3’’のそれぞれとの関係を規定する第5の関係式を構成している。
S’=M’−1S’’・・・(23)
式(22)と式(13)より、cos2θ成分 S4’’は式(24)で表される。
・・・(24)
実施例1では、第1独立係数Re[J11J12 ]と第2独立係数Im[J11J12 ]とを求めるために、関係式S’=−2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]Sを使用した。しかし、実施例2では、第1独立係数Re[J11J12 ]、第2独立係数Im[J11J12 ]及び第3独立係数αを求めるために、以下の第4の関係式を使用する。
第4の関係式S’’=−2Im[J11J12 ]sin2αS+2Im[J11J12 ]cos2αS+{(|J11 2|-|J12 2|)sin2α−2Re[J11J12 ]cos2α}S
計測部200bの製造誤差に起因するシグナルの変化を補正し、計測部200bに入射する光のストークスパラメータS0乃至S3を高精度に求めるためのフローを図8に示す。Step1で、計測装置200は、3以上のn個の入射偏光でシグナルを計測し、演算部300は、シグナルをフーリエ変換してストークスパラメータS0n’’(0)乃至S3n’’(0)とcos2θ成分の第1フーリエ係数 S4n’’(0)を計算する。カッコ内の数字は、反復計算の回数mを表す。それぞれn個のストークスパラメータと、cos2θ成分について、式(22)を適用して行列形式でまとめると、式(25)が得られる。
・・・(25)
Step2で、演算部300は、式(25)のS1n(m)をS1n’’(m-1)で、S2n(m)をS2n’’(m-1)で、S3n(m)をS3n’’(m-1)で置き換えて、n個の方程式から3つの未知数a(m)、b(m)、c(m)を求める。演算部300は、シグナルが4以上の場合には、Step2の計算に最小二乗法を用い、シグナルが3つの場合には厳密解を求める。Step3で、演算部300は、求めたa(m)、b(m)、c(m)から、製造誤差に起因して発生する複屈折のリタデーションΔ(m)及び進相軸β(m)と、位相子240と偏光子260の光軸周りの回転原点位置誤差αを算出する。この計算は、解析的に行っても数値計算で行っても良い。Step4で、演算部300は、式(23)及び式(14)を用いてストークスパラメータを補正する。次に、Step5で演算部300は、第6の関係式(26)を用いて第2フーリエ係数S4を算出する。
S(m)=S’’(m-1)-{a(m)S(m)+b(m)S(m)+c(m)S(m)}・・・(26)
式(6)は以下のようにも表記できる。
第6の関係式S’’= S−(−2Im[J11J12 ]sin2αS+2Im[J11J12 ]cos2αS+{(|J11 2|-|J12 2|)sin2α−2Re[J11J12 ]cos2α}S
Step6で演算部300は、基準に従い計算を繰り返すか判定する。判定基準の例は、実施例1で説明したとおりである。判定基準を満たさない場合、Step7で演算部300は、求めたS0n(m)乃至S4n(m)を、次回の計算の入力値S0n’’(m)乃至S4n’’(m)として用いる。
上記フローのStep2で演算部300は、S1n(m)をS1n’’(m-1)で、S2n(m)をS2n’’(m-1)で、S3n(m)をS3n’’(m-1)で置き換えて計算している。シグナルを計測した時点で、求めたいストークスパラメータS0乃至S3の値は未知である。このため、1回目の計算では、S1n(1)とS1n’’(0)、S2n(1)とS2n’’(0)、S3n(1)とS3n’’(0)の差は比較的大きな値である可能性が高い。しかし、2回目以降の計算では、補正されたシグナルが使用されるため、S1n(m)とS1n’’(m-1)、S2n(m)とS2n’’(m-1)、S3n(m)とS3n’’(m-1)の差が次第に小さくなっていく。反復的に計算を繰り返すことにより、ついにはS1n(m)とS1n’’(m-1)、S2n(m)とS2n’’(m-1)、S3n(m)とS3n’’(m-1)の差が無視できる程度に小さくなる。このように、反復的な計算により、計測部200bに入射するストークスパラメータを高精度に求めることができる。
本実施例の場合、製造誤差に起因する未知の変数は3つであるため、少なくても3つ以上のシグナルを計測することが必要である。誤差を正しく求めるためには、S1、S2、S3がそれぞれある程度大きな入射偏光状態でシグナルを計測することが望ましい。なぜなら、S1、S2、S3が小さすぎると、それぞれの値がシグナル/ノイズ比の影響を受けやすくなるためである。一旦製造誤差による影響を表す行列M及びM’を計算すれば、それ以降は反復的な計算をしなくても、式(14)及び式(23)により、ストークスパラメータを補正することができる。例えば、行列M及びM’自体の計算は装置の外部で行い、行列M及びM’をパラメータとして装置に登録することも可能である。
[実施例3]
本実施例は、計算によって計測結果を補正する代わりに、計算された計測誤差を低減するように計測装置200をメカニカルに調整することを除き、基本的には実施例1乃至実施例2と同様である。光軸に対する偏光子260の傾きによってストークスパラメータの計測値に誤差が生じている場合は、偏光子260の傾きを調整することによって計測誤差を低減することも可能である。本実施例では、演算部300は駆動部60に繋がれている。演算部300によって、偏光子の傾き量及び傾き方向が計算される。その情報が駆動部60に送られ、偏光子260の傾きが調整される。
[実施例4]
本実施例は、計算によって計測結果を補正する代わりに、計測装置200をメカニカルに調整することを除き、基本的には実施例1乃至実施例2と同様である。位相子240と偏光子260の光軸回りの回転原点位置は、計算で補正する代わりに、メカニカルに原点位置を調整することによって補正することもできる。本実施例では、演算部300は駆動部60に繋がれている。演算部300によって、位相子240と偏光子260の光軸回りの回転原点位置についての誤差が計算される。その情報が駆動部60に送られ、位相子240と偏光子260の光軸回りの回転原点位置が調整される。
こうして、各実施例の計測装置200では、計測装置200の製造誤差が計測結果に及ぼす影響を小さくし、光の偏光状態を高精度で測定することができる。また、本実施形態の露光装置では、光の偏光状態を高精度で計測する計測装置200を用いて、所望の偏光状態の光でレチクル11及びウェハ(感光性基板)14を照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。すなわち、各実施例では、計測装置200を用いてレチクル11に対する照明光の偏光状態を計測し、照明光が適切な偏光状態になっているかどうかを高い精度で判定することができる。こうして、レチクル11への照明光が適切な偏光状態になっていなければ、例えば制御部における適切な光学調整により所望の偏光状態(無偏光状態を含む)を実現することができる。その結果、所望の偏光状態の光でレチクル11を照明し、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
[デバイス製造方法]
次に、上記露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。その場合、デバイスは、前述の露光装置を用いて基板を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、他の周知の工程とを経ることにより製造する。デバイスは、半導体集積回路素子、液晶表示素子等でありうる。基板は、ウェハ、ガラスプレート等でありうる。当該周知の工程は、例えば、酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、ダイシング、ボンディング、パッケージング等の各工程である。

Claims (11)

  1. 光の偏光状態を変化させる位相子と前記位相子を通過した光の特定の偏光成分を選択的に透過させる偏光子とを含む光学系と、前記位相子及び前記偏光子を通過した光の強度を検出する検出器と、演算部と、を備え、前記光学系に入射する被検光の偏光状態を計測する計測装置であって、
    前記演算部は、
    前記位相子と前記偏光子との光軸回りの相対的な回転角度θを変化させながら前記検出器によって検出された偏光状態が異なる複数の光の強度変化をフーリエ変換して、cos4θ、sin4θ、sin2θ及びcos2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第1フーリエ係数の値を計算し、
    前記光学系に起因する計測誤差を含まないと仮定した場合に前記位相子と前記偏光子との光軸回りの相対的な回転角度を変化させながら前記検出器によって検出される光の強度変化のフーリエ変換における、cos4θ、sin4θ、sin2θで振動する成分それぞれの係数である複数の第2フーリエ係数と前記複数の第1フーリエ係数との関係を規定する係数である複数の第3係数を、前記第1フーリエ係数の値を用いて近似的に計算し、
    前記複数の第3係数を用いて前記光学系に起因する計測誤差を計算するように構成され、 前記複数の第3係数は、互いに独立した2以上の独立係数と、当該2以上の独立係数の組み合わせによって決定される従属係数とを含み、
    前記演算部は、cos2θで振動する成分の前記第1フーリエ係数と前記複数の第2フーリエ係数との関係を前記2以上の独立係数を用いて規定した関係式において、当該cos2θで振動する成分の第1フーリエ係数に対して前記複数の光について計算されたcos2θで振動する成分の第1フーリエ係数の値を代入し、当該複数の振動する成分の第2フーリエ係数に対して前記複数の光について計算された対応する振動周期で振動する成分の第1フーリエ係数の値をそれぞれ代入して前記2以上の独立係数を計算し、当該計算された2以上の独立係数から前記従属係数を計算する、ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記sin4θ、sin2θ及びcos2θで振動する成分の第1フーリエ係数をそれぞれS2’、S3’、S4’とし、前記sin4θ及びsin2θで振動する成分の第2フーリエ係数をそれぞれS、Sとし、前記光学系に起因する製造誤差のジョーンズ行列Jerrを
    とし、J11とJ12の複素共役J12 との積を[J11J12 ]とするとき、
    前記2以上の独立係数は、前記積の実数部Re[J11J12 ]で表される第1独立係数と、前記積の虚数部Im[J11J12 ]で表される第2独立係数と、を含み、
    前記cos2θで振動する成分の第1フーリエ係数と前記複数の第2フーリエ係数との関係は、第1の関係式S’=−2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]Sで表され、
    前記光学系に起因する計測誤差は、前記光学系に起因する複屈折のリタデーションΔ及び進相軸βを含み、
    前記演算部は、
    前記第1の関係式S’=−2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]SにおけるS、S及びS’に対して、偏光状態が異なる2以上の光について計算されたS’、 S3’及びS’の値をそれぞれ代入して前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]とを計算し、
    当該計算された第1独立係数Re[J11J12 ]と第2独立係数Im[J11J12 ]とを
    に代入して前記光学系に起因する複屈折のリタデーションΔ及び進相軸βを計算することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記従属係数は、(|J11 2|-|J12 2|)であり、前記従属係数は前記光学系に起因する複屈折のリタデーションΔ及び進相軸βを
    に代入して計算され、前記振動しない成分及びcos4θで振動する成分の第1フーリエ係数をそれぞれS0’、S1’とし、前記振動しない成分、及び、cos4θで振動する成分の第2フーリエ係数をそれぞれS0、Sとするとき、
    前記演算部は、
    前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]と前記従属係数 (|J11 2|-|J12 2|)とを用いて前記第2フーリエ係数S0乃至S3のそれぞれと前記第1フーリエ係数S0’乃至S3’のそれぞれとの関係を規定する第2の関係式と、前記第1フーリエ係数S0’乃至S3’の値、前記第1独立係数Re[J11J12 ]及び前記第2独立係数Im[J11J12 ]および前記従属係数(|J11 2|-|J12 2|)とを用いて、第2フーリエ係数S0乃至S3のそれぞれの値を計算し、第3の関係式S=S’-{-2Re[J11J12 ]S+2Im[J11J12 ]S}より第2フーリエ係数S4を計算し、
    当該計算された第2フーリエ係数の値のうちS、S、S4の値を前記第1の関係式のS、S及びS’として代入して前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]との補正値を計算することを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記cos4θ、sin4θ、sin2θ及びcos2θで振動する成分の第1フーリエ係数をそれぞれS’’、S’’、S’’、S’’とし、前記cos4θ、sin4θ及びsin2θで振動する成分の第2フーリエ係数をそれぞれS、S、Sとし、前記光学系に起因する製造誤差のジョーンズ行列Jerrを
    とし、J11とJ12の複素共役J12 との積を[J11J12 ]とするとき、
    前記2以上の独立係数は、前記積の実数部Re[J11J12 ]で表される第1独立係数と、前記積の虚数部Im[J11J12 ]で表される第2独立係数と、前記位相子の進相軸と前記偏光子の透過軸との光軸回りの相対的な回転誤差αで表される第3独立係数とを含み、前記従属係数は、(|J11 2|-|J12 2|)を含み、
    前記cos2θで振動する成分の第1フーリエ係数と前記第2フーリエ係数との関係は、第4の関係式S’’=−2Im[J11J12 ]sin2αS+2Im[J11J12 ]cos2αS+{(|J11 2|-|J12 2|)sin2α−2Re[J11J12 ]cos2α}Sで表され、
    前記光学系に起因する計測誤差は、前記光学系に起因する複屈折のリタデーションΔ、進相軸β及び前記光軸回りの相対的な回転誤差αを含み、
    前記演算部は、
    前記第4の関係式におけるS、S、S及びS’’に対して、偏光状態が異なる3以上の光について計算されたS’’、S’’、 S’’及びS’’の値をそれぞれ代入し、前記関係式を解くことによって前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]と前記第3独立係数αを計算し、
    当該計算された第1独立係数Re[J11J12 ]と第2独立係数Im[J11J12 ]とを
    に代入して前記光学系に起因する複屈折のリタデーションΔ及び進相軸βを計算することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  5. 前記振動しない成分の第1フーリエ係数をS0’’とし、前記振動しない成分で振動する成分の第2フーリエ係数をそれぞれS0とするとき、
    前記演算部は、
    前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]と前記第3独立係数αと前記従属係数 (|J11 2|-|J12 2|)とを用いて前記第2フーリエ係数S0乃至S3のそれぞれと前記第1フーリエ係数S0’’乃至S3’’のそれぞれとの関係を規定する第5の関係式と、前記第1フーリエ係数S0’’乃至S’’の値、前記第1独立係数Re[J11J12 ]、前記第2独立係数Im[J11J12 ]及び前記第3独立係数αとを用いて、第2フーリエ係数S0乃至S3のそれぞれの値を計算し、第6の関係式S’’= S−(−2Im[J11J12 ]sin2αS+2Im[J11J12 ]cos2αS+{(|J11 2|-|J12 2|)sin2α−2Re[J11J12 ]cos2α}S)より第2フーリエ係数Sを計算し、
    当該計算された第2フーリエ係数の値のうちS1、S、S、S4の値を前記第4の関係式S’’=−2Im[J11J12 ]sin2αS+2Im[J11J12 ]cos2αS+{(|J11 2|-|J12 2|)sin2α−2Re[J11J12 ]cos2α}SのS1、S、S及びS’’として代入して前記第1独立係数Re[J11J12 ]と前記第2独立係数Im[J11J12 ]と前記第3独立係数αの補正値を計算することを繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の計測装置。
  6. 前記計測誤差は、前記偏光子の光軸に対する前記偏光子の傾きに起因する計測誤差、前記偏光子を保持することによって発生する応力複屈折に起因する計測誤差、及び、前記偏光子を構成する硝材が有する複屈折に起因する計測誤差の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の計測装置。
  7. 前記演算部は、前記計算された計測誤差を用いて被検光の偏光状態の計測結果を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の計測装置。
  8. 前記計測装置はさらに駆動部を有し、前記駆動部は、前記計算された計測誤差を低減するように、前記位相子と前記偏光子との光軸に対する前記偏光子の傾き、及び、前記位相子と前記偏光子の相対的な回転の原点位置の少なくともいずれかを調整することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の計測装置。
  9. レチクルに形成されたパターンを介して基板を露光する露光装置であって、
    前記レチクル及び前記基板のうち少なくともいずれかに対する照明光の偏光状態を計測するための請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の計測装置を備えることを特徴とする露光装置。
  10. 前記計測装置の計測結果に基づいて前記照明光の偏光状態を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  11. デバイスを製造する方法であって、
    請求項9又は請求項10に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記露光された基板を現像する工程と、を含むことを特徴とする方法。
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