JP2011012773A - ガス供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ガスの減圧膨張時に生じる吸熱作用を、より効率的に利用でき得るガス供給装置を提供する。
【解決手段】車載の燃料電池からの要求に応じて水素ガスを当該燃料電池に供給するガス供給装置10は、水素ガスを高圧で貯留する高圧タンク12と、水素ガスを減圧するレギュレータ16,24と、減圧により温度低下した水素ガスとの熱交換により他部材を冷却する水素熱交換器20と、減圧された水素ガスを燃料消費装置に供給する供給管14と、これらを制御する制御部と、を備える。制御部は、燃料電池からの要求負荷に応じて、レギュレータ16,24による減圧量を可変調整する。
【選択図】図1
【解決手段】車載の燃料電池からの要求に応じて水素ガスを当該燃料電池に供給するガス供給装置10は、水素ガスを高圧で貯留する高圧タンク12と、水素ガスを減圧するレギュレータ16,24と、減圧により温度低下した水素ガスとの熱交換により他部材を冷却する水素熱交換器20と、減圧された水素ガスを燃料消費装置に供給する供給管14と、これらを制御する制御部と、を備える。制御部は、燃料電池からの要求負荷に応じて、レギュレータ16,24による減圧量を可変調整する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池自動車のように燃料消費装置を搭載した車両に設けられ、燃料消費装置からの要求に応じて燃料ガスを燃料消費装置に供給するガス供給装置に関する。
近年、燃料ガスを燃料として駆動する燃料消費装置、例えば、水素ガスを燃料として駆動する燃料電池などを搭載した車両が広く知られている(例えば特許文献1〜5など)。かかる車両において、燃料ガスは、通常、高圧で圧縮保持されており、必要に応じて、燃料消費装置に供給される。
この供給の際には、燃料ガスを減圧膨張させるが、この減圧膨張により生じる低温を他部材の冷却に利用することが一部において提案されている。例えば特許文献6には、減圧膨張により低温化した水素ガスで、空調用の冷却水を冷却し、これにより、空調装置を省動力化することが開示されている。また、特許文献7には、高圧タンクから燃料消費装置へ供給管を介して燃料ガスが供給される車両において、当該供給管の途中に、燃料電池の冷却水を冷却する熱交換器を設けることが開示されている。かかる構成によれば、冷却水の冷却効率を向上することができる。
しかしながら、この特許文献6,7をはじめとする従来技術では、燃料消費装置の負荷に関わらず、燃料ガスの減圧値が常に一定であった。そのため、燃料ガスの減圧膨張時に生じる吸熱作用を、効率的に利用できているとは言いがたかった。
そこで、本発明では、燃料ガスの減圧膨張時に生じる吸熱作用を、より効率的に利用でき得るガス供給装置を提供することを目的とする。
本発明のガス供給装置は、車両に搭載されるガス供給装置であって、当該車両に搭載された燃料消費装置からの要求に応じて燃料ガスを当該燃料消費装置に供給するガス供給装置であって、前記燃料ガスを高圧で貯留するガス貯留部と、前記ガス貯留部に貯留された燃料ガスを前記燃料消費装置に供給する際に、当該ガス貯留部から出力された燃料ガスを減圧する減圧手段と、減圧により温度低下した燃料ガスとの熱交換により他部材を冷却する冷却手段と、減圧された燃料ガスを燃料消費装置に供給する供給手段と、前記燃料消費装置からの要求負荷に応じて、前記減圧手段による減圧量を可変調整する制御手段と、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、前記制御手段は、前記要求負荷を満たすために必要な燃料ガスの圧力を基準圧力として予め記憶しており、減圧後圧力が当該基準圧力に応じた値になるように前記減圧手段による減圧量を可変調整する。
他の好適な態様では、前記冷却手段は、前記車両に搭載された空調装置のコンデンサまたはラジエータを冷却する。
他の好適な態様では、前記冷却手段は、前記燃料消費装置からの排気ガスを冷却しており、前記ガス供給装置は、さらに、前記冷却により液化した前記排気ガス中の水分を回収する回収手段と、前記回収された水を用いて他部材を冷却する水冷手段と、を備える。この場合、制御手段は、前記燃料消費装置からの要求負荷が予め規定された基準値よりも高い高負荷状態か否かを判断し、高負荷状態と判断した場合に、前記水冷手段による冷却を実行させる、ことが望ましい。
他の好適な態様では、前記減圧手段は、前記ガス貯留部から出力された燃料ガスを減圧する一次減圧手段と、前記一次減圧手段で減圧された燃料ガスを減圧する二次減圧手段と、を備えており、前記二次減圧手段での減圧後圧力値は、前記燃料消費装置の要求負荷を満たしうる値になるように可変調整され、前記一次減圧手段での減圧後圧力値は、前記二次減圧手段が必要とする流量の燃料ガスを前記二次減圧手段に流せるような値になるように可変調整される。
本発明によれば、燃料消費装置からの要求負荷に応じて減圧手段による減圧量が可変調整されるため、燃料ガスの減圧膨張時に生じる吸熱作用を、より効率的に利用できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるガス供給装置10の概略構成図である。このガス供給装置10は、燃料電池(以下、図面では「FC」と表現)を搭載した車両に搭載されるもので、当該車載の燃料電池に水素ガスを供給する装置である。
ここで、燃料電池は、周知の通り、水素と酸素との電気化学反応により生じる化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する装置である。別の見方をすれば、燃料電池は、燃料ガスである水素ガスを消費する燃料消費装置である。近年、この燃料電池を動力源の一つとして搭載した燃料電池自動車が提案されている。かかる燃料電池自動車には、燃料電池に水素ガス(燃料ガス)を供給するガス供給装置も搭載される。
本実施形態のガス供給装置10は、水素ガスを貯留する高圧タンク12のほかに、当該高圧タンク12に接続された供給管14、供給管14の途中に設けられた二つのレギュレータ16,24、各種センサ18,22、水素熱交換器20、および、これらの駆動を制御する制御部(図示せず)などを有している。
高圧タンク12は、水素ガスを常圧よりも高い圧力、すなわち高圧(例えば30Mpaなど)で圧縮して貯留するガス貯留部として機能する部材である。この高圧タンク12の一端には、開閉弁(図示せず)が設けられている。開閉弁は、高圧タンク12からの水素ガスの出力を許容または禁止するものである。制御部は、燃料電池の駆動状況に応じて、適宜、この開閉弁を開閉駆動する。そして、この開閉弁が開放されることで、高圧タンク12に貯留された水素が、供給管14を介して燃料電池に導かれる。
供給管14には、高圧レギュレータ16、水素熱交換器20、低圧レギュレータ24が、高圧タンク12(上流側)から燃料電池(下流側)に向かって順に配置されている。高圧レギュレータ16および低圧レギュレータ24は、ともに、水素ガスを燃料電池に供給する際に、高圧タンク12から出力された水素ガスを減圧して断熱膨張させる減圧手段として機能するものである。すなわち、高圧タンク12から出力された高圧の水素ガスは、まず高圧レギュレータ16により、第一設定圧力P1にまで減圧される。第一設定圧力P1まで減圧された水素ガスは、その後、さらに、低圧レギュレータ24により第二設定圧力P2(P2<P1)まで減圧され、下流側に供給される。本実施形態では、この高圧レギュレータ16および低圧レギュレータ24での減圧値である第一設定圧力P1および第二設定圧力P2を、燃料電池の負荷に応じて可変調整しているが、これについては後に詳説する。
高圧レギュレータ16により減圧された水素ガスの圧力は、圧力センサ18により検出される。また、水素熱交換器を通過して低圧レギュレータ24に流入する水素ガスの流量は、流量計22により計測される。制御部は、この圧力センサ18および流量計22での検出値に基づいて、水素ガスの圧力および流量が所望の値になるように高圧レギュレータ16をフィードバック制御する。
水素熱交換器20は、高圧レギュレータ16での減圧で温度低下した水素ガスと熱交換することにより、冷却を要する他部材を冷却する冷却手段として機能するものである。すなわち、高圧レギュレータ16での減圧により、水素ガスは断熱膨張することになる。この断熱膨張により、水素ガスの温度は急激に低下することになる。水素熱交換器20は、この断熱膨張により低温化した水素ガスを利用して、冷却を要する他部材を冷却する。具体的には、本実施形態では、冷却を要する他部材として、車載空調装置に設けられた空調用コンデンサ(以下「A/Cコンデンサ」と呼ぶ)52を冷却する。A/Cコンデンサ52は、空調装置に用いられる冷凍サイクル50に設けられる部材で、当該冷凍サイクル50内を循環する空調用冷媒を冷却する。このA/Cコンデンサ52は、例えば、冷媒の通るチューブや放熱用フィンなどで構成される。
水素熱交換器20は、このA/Cコンデンサ52を冷却できる構成であれば、特に限定されない。本実施形態の水素熱交換器20は、低温化した水素ガスと水素熱交換器20周辺のエアとの間で熱交換を行い、この熱交換により低温化したエアをファンにより送風することでA/Cコンデンサ52を冷却する構成となっている。
このように断熱膨張により低温化した水素ガスを利用して、他部材を冷却した場合、当然ながら、当該他部材の冷却効率を向上することができる。ただし、従来は、この水素ガスの減圧量を燃料電池の要求負荷に関わらず、一定にしていた。かかる従来技術では、他部材の冷却効率を、大幅に向上できているとは言いがたかった。
すなわち、断熱膨張時における体積変化に対する温度変化の割合は、次の式1で表される。なお、Tはガスの温度、pは圧力、vは体積、Cvは定積モル比熱である。
この式1から明らかなとおり、高圧レギュレータ16後段での圧力値、すなわち、第一設定圧力P1を低くするほど、水素ガスの温度も低下し、結果として、水素熱交換器20での吸熱量が大きくなる。したがって、冷却効果を大幅に向上するためには、第一設定圧力P1を極力小さい値に設定することが望ましいといえる。しかし、第一設定圧力P1を過度に小さくすると、燃料電池の要求負荷が大きい場合には、水素分圧や水素排気を十分に確保できなくなる恐れがあった。そのため、従来は、燃料電池の要求負荷に関わらず、第一設定圧力P1を、ある程度大きい値で固定していた。その結果、従来技術では、冷却効率を大幅に向上することが困難であった。
本実施形態では、こうした問題を解決するために、この高圧レギュレータ16および低圧レギュレータ24での減圧値である第一設定圧力P1および第二設定圧力P2を、燃料電池の要求負荷に応じて可変調整している。以下、これについて、詳説する。
図2は、第一、第二設定圧力P1,P2と、燃料電池の要求負荷と、の関係を示すグラフである。図2において、実線は第一設定圧力P1を、破線は第二設定圧力P2を示している。
燃料電池は、要求負荷(要求出力)に応じて必要となる水素ガスの流量が異なってくる。一般に、負荷が大きいほど必要となる水素ガスの流量も大きくなる。そして、燃料電池に流入する水素ガスの流量は、第二設定圧力P2に比例する。したがって、燃料電池の要求負荷を満たすために最低限、必要な第二設定圧力P2は、図2において破線で示すとおり、燃料電池の要求負荷に比例することになる。
また、低圧レギュレータ24で第二設定圧力P2に減圧するために最低限必要な低圧レギュレータ24に流入する水素ガスの流量は、第二設定圧力P2に応じて異なってくる。具体的には、第二設定圧力P2が大きいほど、最低限必要な、低圧レギュレータ24への水素ガスの流入量も大きくなる。そして、低圧レギュレータ24への水素ガスの流入量は、第一設定圧力P1に比例する。したがって、低圧レギュレータ24で第二設定圧力P2に減圧するために最低限必要な第一設定圧力P1は、第二設定圧力P2に比例することになる。そして、この第二設定圧力P2は、燃料電池の要求負荷に比例していることを考慮すれば、燃料電池の要求負荷を満たすために最低限必要な第一設定圧力P1も、図2において実線で示すように、燃料電池の要求負荷に比例することになる。
つまり、燃料電池の要求負荷を満たすために最低限必要な第一、第二設定圧力P1,P2は、いずれも、当該要求負荷に比例して変動することになる。ここで、既述したとおり、水素熱交換器20での吸熱量を最大にするためには、第一設定圧力P1を、可能な限り小さい値にすることが望ましい。そこで、本実施形態では、燃料電池の要求負荷に応じて、第一、第二設定圧力P1,P2を可変調整している。
より具体的には、図2に図示するような、燃料電池の要求負荷と、必要とされる設定圧力P1,P2と、の関係を示すデータを設定圧力データとして、制御部に設けられたメモリなどの記憶装置に記憶しておく。ここで、この設定圧力データは、事前の実験で求めてもよいし、論理的な計算で算出してもよい。また、設定圧力データの形式は、図2に図示するようなグラフや、表などであってもよいし、要求負荷あるいは水素ガス流量を変数とする関数であってもよい。燃料電池の駆動中、制御部は、燃料電池の制御装置から通知される燃料電池の要求負荷と予め記憶された設定圧力データとに基づいて、必要となる設定圧力P1,P2を随時求める。そして、制御部は、得られた第一設定圧力P1まで水素ガスを減圧できるように高圧レギュレータ16の駆動を制御する。また、制御部は、得られた第二設定圧力P2まで減圧できるように低圧レギュレータ24の駆動も制御する。
このように燃料電池の要求負荷に応じて、高圧レギュレータ16の減圧値(第一設定圧力P1)を、出来る限り小さくすることで、水素ガスをより低温化でき、ひいては、水素熱交換器20での吸熱量をより大きくすることができる。なお、上述の説明では、要求負荷を満たすために「最低限」必要な圧力値にまで減圧するようにしているが、必ずしも「最低限」である必要はなく、第一、第二設定圧力P1,P2として多少の余裕を持たせた圧力値を用いてもよい。いずれにしろ、随時変動する燃料電池の要求負荷に応じて減圧量も変化させることで、より効率的に他部材を冷却することができる。
なお、ここまで説明した構成は、一例であり、レギュレータ16,24による減圧値を、燃料電池の要求負荷に応じて可変調整するのであれば、他の構成であってもよい。例えば、水素熱交換器20は、低温化した水素ガスとの間で熱交換することにより他部材を冷却できるのであれば、適宜、異なる構成のものを採用してもよい。例えば、図3(a)に図示するように、水素熱交換器20と、冷却を要する他部材(図示例ではA/Cコンデンサ52)と、の間で液体冷媒を循環させる冷媒経路26および循環ポンプ28を設けるようにしてもよい。かかる構成の場合、液体冷媒は、低温化した水素ガスにより冷却される。そして、この冷却された液体冷媒が他部材(A/Cコンデンサ52)との間で熱交換することにより、当該他部材が効果的に冷却される。
また、別の構成として、A/Cコンデンサ52ではなく、当該A/Cコンデンサ52が冷却対象としている空調用冷媒そのものを、低温化した水素ガスで冷却するようにしてもよい。具体的には、図3(b)に図示するように、供給管14の途中に伝熱性に優れたプレートを積層して構成されるプレート型熱交換器20*を水素熱交換器として配置する。そして、このプレート型熱交換器20*に、高圧レギュレータ16により減圧された水素ガス、および、空調用冷媒の両方を流し込む。この場合、プレート型熱交換器20*に設けられたプレートを介して、低温化した水素ガスと空調用冷媒とで熱交換が行われる。そして、その結果、空調用冷媒が効果的に冷却される。
なお、図3(b)では、このプレート型熱交換器20*を、A/Cコンデンサ52の上流に配置している。換言すれば、A/Cコンデンサ52で冷却される前の比較的高温の空調用冷媒が、プレート型熱交換器20*に流れ込む構成となっている。この場合、空調用冷媒と水素ガスとの熱交換量は大きくなり勝ちであり、プレート型熱交換器20*の効率が大きくなる。
また、図3(b)と異なり、プレート型熱交換器20*を、A/Cコンデンサ52の下流に配置してもよい。換言すれば、A/Cコンデンサ52で冷却される後の比較的低温の空調用冷媒が、プレート型熱交換器20*に流れ込むようにしてもよい。この場合であっても、低温化した水素ガスと空調用冷媒とで熱交換が行われるため、空調用冷媒が効果的に冷却される。また、既存のA/Cコンデンサ52の能力を最大限に生かすことができる。
また、冷却を要する他部材としてA/Cコンデンサ52を冷却する場合、図4に図示するように、車両前方に設置されたコンデンサも併用してもよい。すなわち、従来から、冷房サイクルには、車両前方に設置され、車両走行時に生じる走行風で冷却されるコンデンサ56(以下「前方側コンデンサ」と呼ぶ)が設けられている。低温化した水素ガスで冷却されるA/Cコンデンサ52とは別に、この前方側コンデンサ56も併設するようにしてもよい。かかる構成とすることで、より効果的に空調用冷媒を冷却できる。
また、これまでの説明では、冷却を要する他部材として、A/Cコンデンサ52または空調用冷媒を冷却する場合のみを例示してきたが、車両に搭載され、冷却が必要な部材であれば、他の部材を低温化した水素ガスを利用して冷却するようにしてもよい。
例えば、エンジンやギヤボックスの冷却に利用されるラジエータや当該ラジエータに流れる冷却水を、断熱膨張により低温化した水素ガスで冷却するようにしてもよい。
また、ACコンデンサ52やラジエータなどの他に、燃料電池から排出される排気ガス、または、当該排気ガスを冷却する冷却部材(例えばコンデンサなど)も、断熱膨張により低温化した水素ガスで冷却するようにしてもよい。
具体的には、例えば、図5に図示するように、燃料電池の排気ガスが流れる排気管40の途中に排気ガスを冷却するための排気用コンデンサ42を設ける。そして、この排気用コンデンサ42を、低温化した水素ガスで冷却するようにしてもよい。なお、図示例では、供給管14に設けられた水素熱交換器20と排気用コンデンサ42と結ぶ冷却経路44を設け、当該冷却経路44を流れる液体冷媒により排気用コンデンサ42を冷却している。もちろん、最終的に、排気ガスを冷却できるのであれば、上記以外の構成であってもよい。すなわち、水素ガスとの熱交換で冷却されたエアを、排気用コンデンサ42に送風することで、当該排気用コンデンサ42を冷却するようにしてもよい。また、図3(b)と同様に、冷却対象の流体が通る管、すなわち、排気管40が水素熱交換器20の内部を通るようにし、排気ガスを直接冷却するようにしてもよい。
ところで、燃料電池の排気ガスには、電気化学反応により生じた水分が水蒸気として混在している。かかる排気ガスを冷却することにより、水蒸気が液化し、水が得られる。この水を回収し、当該水を、冷却を要する他部材、例えば、ラジエータ60やA/Cコンデンサ等に噴霧し、当該他部材を冷却するようにしてもよい。このように、低温化した水素ガスの吸熱作用を利用して、排気ガスから水を回収し、当該水を用いて部材を冷却することで、車両全体での冷却性能をより向上することができる。
ここで、この回収した水による冷却は、燃料電池の要求負荷が比較的高い高負荷状態の場合にのみ行うことが望ましい。これは、次の理由による。一般に、エアコン等の補機動力により、燃料電池の出力(負荷)が増加した場合、当然ながら、燃料電池からの放熱量も増加するため、車両内の熱負荷が増加することになる。また、エアコン駆動時には、当然ながら、A/Cコンデンサ52からの放熱量も増加する。このように全体的に熱負荷が増加することにより、A/Cコンデンサ52および当該A/Cコンデンサ52の近傍に配置されたラジエータ60が適切に冷却できない場合がある。
かかる問題を解決するために、比較的、熱負荷が小さく、また、第一設定圧力P1を比較的低く保つことができる、ひいては、水素熱交換器20での吸熱能力を高く保つことができる低負荷状態の際には、当該水素熱交換器20を用いて排気ガスを冷却し、水を回収、貯留する。そして、熱負荷が比較的高くなり、車両の走行風だけでA/Cコンデンサ52等を冷却することが困難になる高負荷状態の際には、貯留されていた冷却水を、噴霧装置49でA/Cコンデンサ52等に噴霧し、当該A/Cコンデンサ52等を冷却する。かかる構成とすることで、燃料電池の要求負荷、ひいては、熱負荷が変動しても、A/Cコンデンサ52等を適切に冷却することができる。
なお、図5に図示するように、水素熱交換器20で排気ガスだけを冷却する場合には、燃料電池の要求負荷が基準値超過となる高負荷状態であっても、排気ガスの冷却、ひいては、水の回収を行ってもよい。
一方で、図6に図示するように、水素熱交換器20で、排気ガスだけでなく、A/Cコンデンサ52等も冷却する場合、燃料電池の要求負荷が基準値超過となる高負荷状態には、排気ガスの冷却を停止し、A/Cコンデンサ52等を優先的に冷却することが望ましい。これは、次の理由による。高負荷時には、第一設定圧力P1が高くなり、結果として、水素熱交換器20での吸熱能力が低下する。かかる場合において、A/Cコンデンサ52等だけでなく、排気ガスまでも冷却しようとした場合、A/Cコンデンサ52等を十分に冷却できなくなる恐れがある。そこで、高負荷時には、冷却経路44に設けられた循環ポンプ46の駆動を停止し、排気ガスの冷却を停止して、A/Cコンデンサ52等を優先的に冷却することが望ましい。
図7は、この場合における処理の流れを示すフローチャートである。燃料電池が駆動開始した場合、制御部は、当該燃料電池の要求負荷に応じて、第一、第二設定圧力P1,P2の値を設定する(S10)。また、制御部は、燃料電池の要求負荷の高低を判断する(S12)。具体的には、要求負荷が事前に規定された基準値を超過するか否かを判断する。判断の結果、要求負荷が基準値以下である低負荷状態の場合、制御部は、冷却経路44に設けられた循環ポンプ46を駆動して、排気ガスの冷却、ひいては、水の回収、貯留を実行する(S14)。なお、ステップS12での判断結果に関わらず、A/Cコンデンサ52の冷却は常時、実行する。
一方、ステップS12において、要求負荷が基準値超過となる高負荷状態と判断した場合、制御部は、冷却経路44に設けられた循環ポンプ46を駆動停止し、排気ガスの冷却を停止する(S16)。なお、高負荷状態でも、A/Cコンデンサ52の冷却は継続して実行する。
ここで、高負荷状態では、第一設定圧力P1は高くなり、ひいては、水素熱交換器20での吸熱能力も低下している。一方で、高負荷状態の場合、A/Cコンデンサ52や燃料電池からの放熱量は増加しており、低負荷時よりも、高い冷却能力が求められる。そこで、高負荷状態の場合、制御部は、水素熱交換器20での冷却に加え、低負荷状態の際に回収貯留した水をA/Cコンデンサ52やラジエータ60に噴霧し、これによりA/Cコンデンサ52等を冷却する(S16)。
このように、燃料電池の要求負荷に応じて、冷却態様(排気ガスを冷却するか否か、水を噴霧するか否か)を変更することにより、燃料電池の要求負荷、ひいては、熱負荷が変動しても、A/Cコンデンサ52等を適切に冷却することができる。
以上、説明したように、本実施形態では、燃料電池の要求負荷に応じて、減圧手段(高圧レギュレータおよび低圧レギュレータ)での減圧量を可変調整している。その結果、より効率的に他部材を冷却することができる。また、好適な実施態様では、断熱膨張により低温化した水素ガスを利用して、燃料電池の排気ガスの冷却、ひいては、排気ガスからの水を回収し、貯留する。そして、高負荷状態、すなわち、車両全体の熱負荷が過大時であり、また、水素熱交換器での吸熱能力低下時には、この貯留した水を、A/Cコンデンサやラジエータに噴霧する。これにより、高負荷状態であっても、適切に、A/Cコンデンサ等を冷却できる。なお、ここでは、燃料ガスとして水素ガスを供給するガス供給装置のみを例示したが、本実施形態の技術は、車載装置に燃料となるガスを減圧して供給する装置であれば、他のガス、例えば、天然ガスなどを供給するガス供給装置などにも適用できる。
10 ガス供給装置、12 高圧タンク、14 供給管、16 高圧レギュレータ、18 圧力センサ、20 水素熱交換器、22 流量計、24 低圧レギュレータ、26 冷媒経路、28 循環ポンプ、40 排気管、42 排気用コンデンサ、44 冷却経路、46 循環ポンプ、49 噴霧装置、50 冷凍サイクル、52 A/Cコンデンサ、56 前方側コンデンサ、60 ラジエータ。
Claims (6)
- 車両に搭載されるガス供給装置であって、当該車両に搭載された燃料消費装置からの要求に応じて燃料ガスを当該燃料消費装置に供給するガス供給装置であって、
前記燃料ガスを高圧で貯留するガス貯留部と、
前記ガス貯留部に貯留された燃料ガスを前記燃料消費装置に供給する際に、当該ガス貯留部から出力された燃料ガスを減圧する減圧手段と、
減圧により温度低下した燃料ガスとの熱交換により他部材を冷却する冷却手段と、
減圧された燃料ガスを燃料消費装置に供給する供給手段と、
前記燃料消費装置からの要求負荷に応じて、前記減圧手段による減圧量を可変調整する制御手段と、
を備えることを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1に記載のガス供給装置であって、
前記制御手段は、前記要求負荷を満たすために必要な燃料ガスの圧力を基準圧力として予め記憶しており、減圧後圧力が当該基準圧力に応じた値になるように前記減圧手段による減圧量を可変調整する、ことを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1または2に記載のガス供給装置であって、
前記冷却手段は、前記車両に搭載された空調装置のコンデンサまたはラジエータを冷却することを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のガス供給装置であって、
前記冷却手段は、前記燃料消費装置からの排気ガスを冷却しており、
前記ガス供給装置は、さらに、
前記冷却により液化した前記排気ガス中の水分を回収する回収手段と、
前記回収された水を用いて他部材を冷却する水冷手段と、
を備えることを特徴とするガス供給装置。 - 請求項4に記載のガス供給装置であって、
制御手段は、前記燃料消費装置からの要求負荷が予め規定された基準値よりも高い高負荷状態か否かを判断し、高負荷状態と判断した場合に、前記水冷手段による冷却を実行させる、ことを特徴とするガス供給装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のガス供給装置であって、
前記減圧手段は、
前記ガス貯留部から出力された燃料ガスを減圧する一次減圧手段と、
前記一次減圧手段で減圧された燃料ガスを減圧する二次減圧手段と、
を備えており、
前記二次減圧手段での減圧後圧力値は、前記燃料消費装置の要求負荷を満たしうる値になるように可変調整され、
前記一次減圧手段での減圧後圧力値は、前記二次減圧手段が必要とする流量の燃料ガスを前記二次減圧手段に流せるような値になるように可変調整される、
ことを特徴とするガス供給装置。
Priority Applications (1)
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- 2009-07-02 JP JP2009158181A patent/JP2011012773A/ja active Pending
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