JP2011011644A - 燃料遮断弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料遮断弁10は、ケーシング本体30と底部材35とにより弁室20Sを形成するとともに、ケーシング本体30の側壁部31に連通孔31aを形成したケーシング20と、弁室20Sに収納されたフロート機構60と、通路形成部材50とを備える。通路形成部材50は、一方が連通孔31aに接続され、他方が燃料タンクFT内に開口した導入開口57cを形成されている。導入開口57cは、連通孔31aよりも高くかつ閉弁液位h1よりも低い位置に形成されている。
【選択図】図6
Description
適用例1は、燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部通路とを連通遮断する燃料遮断弁において、
側壁部で囲まれたケーシング本体と、該ケーシング本体の下部に配置され燃料を弁室に導く下部開口を有する底部材とを有し、該ケーシング本体と上記底部材とにより弁室を形成するとともに、該側壁部に連通孔を形成したケーシングと、
上記底部材に支持されるとともに上記弁室に収納され、該弁室内の燃料液位が閉弁液位に達したときに上昇する上記接続通路を閉じるフロート機構と、
上記燃料タンクの燃料蒸気を上記弁室に導く導入通路を有し、該導入通路の一方が上記連通孔に接続され、他方が燃料タンク内に開口した導入開口を形成した通路形成部材と、
を備え、
上記ケーシング本体および通路形成部材は、上記燃料液位が上記導入開口を塞ぐ燃料液位に達したときに燃料タンクのタンク内圧と上記弁室の圧力との差圧により、燃料を上記下部開口を通じて上記弁室へ導き、上記フロート機構を上昇させて接続通路を閉じる気密状態に構成され、
上記連通孔は上記導入開口よりも高く、上記閉弁液位よりも低い位置に形成され、
上記導入通路は、上記導入開口および上記連通孔よりも高い位置へ屈曲することで形成した上位通路を有すること、を特徴とする。
上記通路形成部材は、上記連通孔から上記ケーシング本体の側壁部に沿いかつ上記蓋体を貫通して燃料タンクの外部に配置された接続部を有する第1通路形成部と、第1通路形成部に接続され上記上位通路を形成する第2通路形成部と、上記第2通路形成部に接続され上記燃料タンクの内外をシールした状態で突入して上記導入開口を有する第3通路形成部と、を有する。
(1) 燃料遮断弁の概略構成
図1は本発明の第1実施例にかかる燃料遮断弁10を搭載した自動車の燃料タンクFTを示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、扁平の樹脂製の燃料タンクであり、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられ、さらに、通路形成部材50が燃料タンクFTのほぼ中央部を貫通・突入している。燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が所定の満タン液位FL1まで上昇したときに通路形成部材50を通じて、燃料を導入して、キャニスタへの流出を規制するとともにオートストップを機能させるものである。
図2は燃料遮断弁10を上方から見た平面図である。図3は図2の3−3線に沿った断面図、図4は図2の4−4線に沿った断面図である。図3および図4において、燃料遮断弁10は、ケーシング20と、通路形成部材50(図1および図4参照)と、フロート機構60と、スプリング68とを主要な構成として備え、これらのケーシング20等は、ポリエチレン、ポリアミドやポリアセタールなどの樹脂から形成されている。ケーシング20は、ケーシング本体30と、底部材35と、蓋体40とを備え、ケーシング本体30と底部材35とにより囲まれたスペースが弁室20Sになっており、この弁室20Sにフロート機構60が収納されている。フロート機構60は、スプリング68に支持されている。
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図6に示すように、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、底部材35の下部開口35bを通じて、これに加えて導入通路50Pを通じて、つまり、第3通路形成部56の第3通路56P、第2通路形成部55の第2通路55P、第1通路形成部51の第1通路51P、連通孔31aを通じて弁室20S内に入り、弁室20Sから接続通路32a、第1管通路42a(図3)を通じて、キャニスタ側へ逃がされる。そして、図8に示すように、燃料タンクFT内の燃料液位が所定の満タン液位FL1に達して、第3通路形成部56の第3通路56Pの導入開口57cを塞ぐことにより、燃料タンクFT内のタンク内圧が上昇する。この状態では、タンク内圧と弁室20S内の圧力との差圧が大きくなり、サイホン作用により、燃料が底部材35の下部開口35bを通じて、弁室20Sに流入する。そして、弁室20S内の燃料液位が閉弁液位h1に達すると、フロート61の浮力およびスプリング68の荷重による上方への力と、フロート61および弁体65の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときにフロート61と弁体65とが一体になって上昇して、弁体65がシール部32bに着座して接続通路32aを閉じる。その結果、タンク内圧はさらに上昇して、インレットパイプ内の燃料液位が上昇して、燃料が給油ガンのノズルに接触すると、センサにより給油がストップする。これにより、燃料タンクFTへの給油の際等に、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。一方、燃料タンクFTの燃料液位が低下して、弁室20S内の燃料が下部開口35bを通じて排出されると、フロート61は、その浮力を減少して下降するから、弁体65がシール部32bから離座して接続通路32aを開ける。
上記実施例にかかる燃料遮断弁10により、以下の作用効果を奏する。
(4)−1 図8に示すように、通路形成部材50は、燃料タンクFTに燃料が供給され導入開口57cを塞ぐ燃料液位に達したときに、タンク内圧を高くし、タンク内圧と弁室20S内との圧力差により、下部開口35bを通じて燃料が弁室20S内に流入することで、給油ガンの給油を停止するオートストップを働かせることができる。
(1) 燃料遮断弁100の概略構成
図10は本発明の第2実施例にかかる燃料遮断弁100を搭載した自動車の燃料タンクFTを示す断面図である。本実施例は、燃料タンクFT内に取り付ける、いわゆるインタンク式の燃料遮断弁100の構成に特徴を有する。図10において、扁平の樹脂製の燃料タンクFTのタンク上壁FTaの下面には、燃料遮断弁100がケーシング120の上部に形成された取付部101を介して取り付けられている。
図11は図10の燃料遮断弁100の付近を拡大した断面図である。燃料遮断弁100は、ケーシング120と、通路形成部材150と、フロート機構160と、スプリング168とを主要な構成として備えている。
上記燃料遮断弁100において、図13に示すように、給油により、燃料液位が満タン液位FL1に達したときに、通路形成部材150の導入開口157cを塞ぐと、燃料タンクFTのタンク内圧が高くなり、オートストップが働く。そして、タンク内圧と弁室120S内の圧力との差圧が大きくなり、サイホン作用により、燃料が下部開口135b、連通孔131aを通じて、弁室120Sに流入する。弁室120Sに燃料が入って、閉弁液位h1に達すると、フロート機構160が閉弁する。これにより、過給油が防止される。そして、燃料液位が低下したとき、下部開口135bを通じて弁室120Sから燃料が排出される。
図14は第3実施例にかかる燃料遮断弁200を示す断面図である。本実施例は、第1実施例と同様に通路形成部材250の一部を燃料タンクの外部を通って配策するとともに、導入通路250Pから弁室220Sに入る通路を迂回通路とした構成に特徴を有する。すなわち、燃料遮断弁200は、ケーシング本体230を有するケーシング220と、通路形成部材250と、フロート機構260とを備え、ケーシング本体230の外周部のフランジ233で燃料タンクFTに溶着され、また、蓋体240の部分でキャニスタや他の燃料遮断弁(図示省略)に接続されている。また、通路形成部材250は、ケーシング本体230の側部に装着されるとともに、燃料タンクFT内に配置されており、第1通路形成部251と、第2通路形成部255と、導入開口257cを有する第3通路形成部256とを備え、それらに第1通路251P、第2通路255P、第3通路256Pを形成している。第1通路251Pは、ケーシング本体230の連通孔231aに接続されている。図15は図14の15−15線に沿った断面図である。第1通路形成部251は、第1通路251Pが第2通路255Pから連通孔231aに向けて通路面積が拡がるように形成されて、ケーシング本体230に連結されている。そして、第1通路251Pがケーシング本体230の側壁部231に向かう位置には、障壁231bが形成され、この障壁231bの両側に連通孔231aが形成されている。つまり、連通孔231aは、導入通路250Pから迂回して弁室220Sに流入するように構成されている。
10B…燃料遮断弁
20…ケーシング
20B…ケーシング
20S…弁室
20BS…弁室
30…ケーシング本体
31…側壁部
31a…連通孔
32…上壁部
32a…接続通路
32b…シール部
32Ba…接続通路
33…ガイド壁
35…底部材
35B…底部材
35a…底本体
35b…下部開口
35Bb…排出孔
40…蓋体
41…蓋本体
42…第1管体
42a…第1管通路
43…第2管体
43a…第2管通路
50…通路形成部材
50B…通路形成部材
50P…導入通路
51…第1通路形成部
51P…第1通路
51Pa…環状通路
51Pb…管通路
52…側部通路形成部材
53…導出通路形成部材
53b…外部接続部
55…第2通路形成部
55P…第2通路
56…第3通路形成部
56P…第3通路
57…管本体
57a…接続部
57b…導入管
57c…導入開口
57Bc…導入開口
58…溶着部
60…フロート機構
60B…フロート機構
61…フロート
61S…浮力室
61a…弁取付部
65…弁体
68…スプリング
100…燃料遮断弁
101…取付部
120…ケーシング
120S…弁室
130…ケーシング本体
131…側壁部
131a…連通孔
132…上壁部
132a…接続通路
132b…シール部
133…フランジ
135…底部材
135a…底本体
135b…下部開口
140…蓋体
141…蓋本体
142…管体
142a…管通路
150…通路形成部材
150P…導入通路
151…第1通路形成部
151P…第1通路
155…第2通路形成部
155P…第2通路
156…第3通路形成部
156P…第3通路
157c…導入開口
160…フロート機構
161…フロート
161S…浮力室
161a…弁取付部
165…弁体
168…スプリング
200…燃料遮断弁
220…ケーシング
220S…弁室
230…ケーシング本体
231…側壁部
231a…連通孔
231b…障壁
233…フランジ
240…蓋体
250…通路形成部材
250P…導入通路
251…第1通路形成部
251P…第1通路
255…第2通路形成部
255P…第2通路
256…第3通路形成部
256P…第3通路
257c…導入開口
260…フロート機構
CP…接続管
OP…外部ポート
FT…燃料タンク
FTa…タンク上壁
FTb…取付穴
Claims (4)
- 燃料タンク(FT)の上部に装着され、燃料タンク(FT)内と外部とを接続する接続通路(32a)を開閉することで燃料タンク(FT)と外部通路とを連通遮断する燃料遮断弁において、
側壁部(31)で囲まれたケーシング本体(30)と、該ケーシング本体(30)の下部に配置され燃料を弁室(20S)に導く下部開口(35b)を有する底部材(35)とを有し、該ケーシング本体(30)と上記底部材(35)とにより弁室(20S)を形成するとともに、該側壁部(31)に連通孔(31a)を形成したケーシング(20)と、
上記底部材(35)に支持されるとともに上記弁室(20S)に収納され、該弁室(20S)内の燃料液位が閉弁液位(h1)に達したときに上昇する上記接続通路(32a)を閉じるフロート機構(60)と、
上記燃料タンク(FT)の燃料蒸気を上記弁室(20S)に導く導入通路(50P)を有し、該導入通路(50P)の一方が上記連通孔(31a)に接続され、他方が燃料タンク(FT)内に開口した導入開口(57c)を形成した通路形成部材(50)と、
を備え、
上記ケーシング本体(30)および通路形成部材(50)は、上記燃料液位が上記導入開口(57c)を塞ぐ燃料液位に達したときに燃料タンク(FT)のタンク内圧と上記弁室(20S)の圧力との差圧により、燃料を上記下部開口(35b)を通じて上記弁室(20S)へ導き、上記フロート機構(60)を上昇させて接続通路(32a)を閉じる気密状態に構成され、
上記連通孔(31a)は上記導入開口(57c)よりも高く、上記閉弁液位(h1)よりも低い位置に形成され、
上記導入通路(50P)は、上記導入開口(57c)および上記連通孔(31a)よりも高い位置へ屈曲することで形成した上位通路を有すること、
を特徴とする燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記ケーシング(20)は、上記燃料タンク(FT)の外側から取り付け可能であり、かつ上記ケーシング本体(30)の下部を上記燃料タンクの取付穴(FTb)に挿入するように上記ケーシング本体(30)に組み付けられた蓋体(40)を有し、
上記通路形成部材(50)は、上記連通孔(31a)から上記ケーシング本体(30)の側壁部(31)に沿いかつ上記蓋体(40)の側部から燃料タンク(FT)の外部に配置された外部接続部(53b)を有する第1通路形成部(51)と、第1通路形成部(51)に接続され上記上位通路を形成する第2通路形成部(55)と、上記第2通路形成部(55)に接続され上記燃料タンク(FT)の内外をシールした状態で突入して上記導入開口(57c)を有する第3通路形成部(56)と、を有する燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記通路形成部材(150)は、燃料タンク(FT)内に配置されている燃料遮断弁。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料遮断弁において、
上記通路形成部材(250)は、上記導入通路(250P)から弁室(220S)に入る通路を迂回通路とした燃料遮断弁。
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