JP2011011386A - 合成樹脂製ピストン状部材及び射出成形金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 合成樹脂製ピストン状部材において、筒状のステムの外側に外鍔状の連結部を介してシール筒片を連設し、このシール筒片の上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部を形成し、この上下のシール部の外周面をシリンダー状部材の内周面に密摺接するものとし、シール筒片の側周面の上下のシール部の間の所定位置に凸部を突設し、この凸部の突設高さは上下のシール部から外側に突出しない範囲とし、この凸部位置に射出ゲートのゲート口を配設して射出成形されたものとする。
【選択図】図1
Description
図7中、手動押下げポンプ1は主として円筒状の上端部近傍に外鍔状にフランジ3を付設したシリンダー部2、このシリンダー部2の内側に密摺接状に上下動可能に配設されるピストン部104、そしてこのピストン部104の上端部に嵌着されるノズル15aを付設したノズルヘッド15の3つの部材で構成されている。
そしてこのポンプ1は、組付きキャップ16を使用して、フランジ3によりパッキン20を介して、容器本体18の口筒部19に組付け固定され、使用される。
このピストン部104は円筒状のステム105の下端部の外側に外鍔状の連結部106を介してシール筒片107を付設したものである。
このシール筒片107はその側周壁を、上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部108a、108bを形成し、これら上下のシール部108a、108bの外周面をシリンダー部の内周面に密摺接する構成としている。
この金型51は上金型51aと下金型51bから構成され、パーティングライン56に沿って配設されるランナー57の先端部に、成形品の側周面を形成する下金型51bの金型壁に潜り込むように傾斜するサブマリンゲート58を有し、このサブマリンゲート58の先端部が下金型51bのキャビティ面53に繋がり、ゲート口58pを開口している。また、下金型51bにはエジェクターピン59a、59bが配設されている。
なお、図9は、図10(a)中のキャビティ金型52の斜視図であるが、見易いように図10(a)中の下側を上にした状態で斜視した図である。)
この図に示されるように、型抜きの際、上方に向けて拡径状に形成されるシール筒片107の上のシール部108aがキャビティ金型52のキャビティ面53に開口したサブマリンゲート58のゲート口58pの開口周縁部に強く接触する場合があり、このような接触によりシール部108aが変形したり、部分的に損傷し、その結果、シール性が損なわれポンプとしての機能が十分に発揮できなくなる、また上下方向のスムーズな摺動性が損なわれると云うような問題が発生する。
シリンダー状部材の内側に上下動可能に配設される合成樹脂製ピストン状部材において、
筒状のステムの外側に外鍔状の連結部を介してシール筒片を連設し、このシール筒片の上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部を形成し、この上下のシール部の外周面をシリンダー状部材の内周面に密摺接するものであり、
シール筒片の側周面の上下のシール部の間の所定位置に凸部を突設し、
この凸部の突設高さは上下のシール部から外側に突出しない範囲とし、
この凸部位置に射出ゲートのゲート口を配設して射出成形された構成とする、と云うものである。
これは、本発明のピストン状部材は手動押下げポンプに使用される部材に限定されるものではなく、広く、一般的にシリンダー状部材の内側に密摺接状に上下動可能に配設される部材にも適用することができることを考慮し、このような観点から、シリンダー状部材あるいはピストン状部材と云う用語を用いるようにしたものである。
シール筒片の側周面を形成する金型のキャビティ面には、凸部に対応する位置に凹部が刻設され、射出ゲートのゲート口はこの凹部が刻設されたキャビティ面に開口するため、シール筒片の上のシール部が、ゲート口の開口周縁部に強く接触すると云う問題を効果的に防止することができる。
また、上記構成に係る手段は型抜き等に係る成形条件の調整ではなく、金型形状で対応するものであり、高い生産性で筒片のシール部の変形や損傷を確実に防ぐことができる。
なお、凸部の横幅は極力狭い方が好ましく、突出高さは0.03mm程度でシール部のゲート口の開口周縁部への強い接触を防ぐ効果が発揮される。
勿論、凸部の突出高さは0.03mm程度に限定されるものではなく、上下のシール部から外側に突出しない範囲で、上記接触を防ぐ効果や、シール部成形性と型抜き性等を考慮して適宜に決めることができるものである。
筒状のステムの外側に外鍔状の連結部を介してシール筒片を連設し、このシール筒片は上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部を形成する構成としたピストン状部材を、シール筒片の側周面を形成するキャビティ面の前記上下のシール部の間に対応する部分にゲート口を開口する射出ゲートにより射出成形する射出成形金型であって、
前記キャビティ面部分の所定の領域を刻設して凹部を形成し、この凹部にゲート口が開口位置する構成とする、と云うものである。
そして、キャビティ面部分の所定の領域を刻設して凹部を形成し、この凹部が刻設されたキャビティ面に射出ゲートのゲート口が開口位置する構成とすることにより、成形品の型抜き時において、シール筒片の緩やかに上方に向けて拡径する上のシール部がゲート口の開口周縁部に強く接触することによるシール部の変形や損傷を確実に防ぐことができる。
本発明の合成樹脂製ピストン状部材の主たる構成を有するものにあっては、シール筒片の形状を、その側周面の上下のシール部の間の所定位置に凸部を突設した形状とし、この凸部位置に射出ゲートのゲート口を配設して射出成形されたものとすることにより、このシール筒片の側周面を形成する金型のキャビティ面には、この凸部に対応する位置に凹部が刻設され、射出ゲートのゲート口はこの凹部に開口位置するため、シール筒片の緩やかな拡径状に形成される上のシール部が、ゲート口の開口周縁部に強く接触すると云う問題を効果的に防止することができる。
図1は本発明による合成樹脂製ピストン状部材の一実施例を示すものである。
このピストン状部材は、図7に示される手動押下げポンプ1の部材の一つとして、図8に示される従来のピストン部104の替わりに使用される、本発明によるピストン部4を示すものであり、(a)半縦断側面図、(b)は(a)中のシール筒片7近傍を拡大したものである。
このピストン部4は高密度ポリエチレン樹脂製の射出成形品で、円筒状のステム5を有し、このステム5の下端部の外側に外鍔状の連結部6を介してシール筒片7を連設したものである。
また、このシール筒片7はその側周壁を、上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部8a、8bを形成し、これら上下のシール部8a、8bの外周面を、シリンダー状部材の一つである図7に示される手動押下げポンプ1を構成する部材の一つであるシリンダー部2の内周面に密摺接する構成としている。
また、図1(b)に示されるように、凸部9の突設高さは上下のシール部8a、8bから外側に突出しない範囲としている。これによりこの凸部9が、シール部8a、8bのシリンダー部2に対するシール機能を邪魔することがない。
なお、本実施例では凸部9の突設高さを0.03mmとしている。
この、第2キャビティ金型52bのキャビティ面53には、シール筒片7の側周面に形成される凸部9を形成するための凹部54が刻設されている。(図3も参照)
この図に見られるように、キャビティ面53に凹部54が刻設されているので、シール筒片7のシール部8aがサブマリンゲート58のゲート口58pの開口周縁部に接触することなくスムーズに型抜きを達成することができる。
一方、凹部54のない従来の金型では前述したように図10(b)に示されるようにシール部108aがゲート口58pの開口周縁部に強く接触する、さらには引掛かる場合がある。
そして、使用時にノズルヘッド15をリング体17から螺脱した図7の状態では、このシール部材111はシリンダー部2に対して上昇変位して、通気孔5pは開放される。
たとえば、上記実施例では本発明のピストン状部材の例として、手動押下げポンプに使用されるピストン部4とシール部材11の例を説明したが、本発明のピストン状部材は手動押下げポンプに使用される部材に限定されるものではなく、広く、一般的にシリンダー状部材の内側に密摺接状に上下動可能に配設される部材にも適用することができる。
なお図6の実施例では容器本体22の下端部に中央部を開口した底カバー29を敷設している。
ここでは、胴部23が図7中のシリンダー部2のようなシリンダー状部材に相当し、摺動底蓋25の底蓋本体26が図1中のピストン4のようなピストン状部材のステム5に相当する。
また、図2、3に示した例では左右に一対の2箇所にサブマリンゲートを配設した例を示しているが、サブマリンゲートの配設箇所の数は成形されるピストン状部材の形状や成形性を考慮して1箇所とすることもできるし、さらに3、4箇所と多数にすることもできる。勿論その際にはピストン状部材のシール筒片の側周面にサブマリンゲートの配設箇所の数に応じた凸部が形成される。
2 ;シリンダー部
3 ;フランジ
4、104;ピストン部
5、105;ステム
5p;通気孔
6、106;連結片
7、107;シール筒片
8a、8b;シール部
108a、108b;シール部
9 ;凸部
11、111;シール部材
12;ステム
13;シール筒片
13a、13b;シール部
14;凸部
15;ノズルヘッド
15a;ノズル
16;組付きキャップ
17;リング体
18;容器本体
19;口筒部
20;パッキン
21;注出容器
22;容器本体
23;胴部
24;手動押下げポンプ
25;摺動底蓋
26;底蓋本体
27;シール筒片
27a、27b;シール部
28;凸部
29;底カバー
51;金型
51a;上金型
52b;下金型
52;キャビティ金型
52a;第1キャビティ金型
52b;第2キャビティ金型
53;キャビティ面
54;凹部
55;コア金型
56;パーティングライン
57;ランナー
58;サブマリンゲート
58p;ゲート口
59a;エジェクターピン
59b;エジェクターピン
Claims (4)
- シリンダー状部材の内側に上下動可能に配設される合成樹脂製ピストン状部材であって、筒状のステムの外側に外鍔状の連結部を介してシール筒片を連設し、該シール筒片の上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部を形成し、該上下のシール部の外周面をシリンダー状部材の内周面に密摺接するものであり、前記シール筒片の側周面の前記上下のシール部の間の所定位置に凸部を突設し、該凸部の突設高さは前記上下のシール部から外側に突出しない範囲とし、前記凸部位置に射出ゲートのゲート口を配設して射出成形されたものであることを特徴とする合成樹脂製ピストン状部材。
- 凸部の頂部から下方基端部に向けての形状を緩やかな傾斜面とした請求項1記載の合成樹脂製ピストン状部材。
- 円筒状のシリンダー部と、該シリンダー部の内側に密摺接状に配設される円筒状のピストン部と、このピストン部の上端部に嵌着されるノズルヘッド部を有し、容器本体の口筒部に組付け固定して利用される手動押下げポンプの前記ピストン部として使用することを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂製ピストン状部材。
- 筒状のステムの外側に外鍔状の連結部を介してシール筒片を連設し、該シール筒片は上端部を上方に向けて、また下端部を下方に向けてそれぞれ緩やかに拡径させて上下にシール部を形成する構成としたピストン状部材を、前記シール筒片の側周面を形成するキャビティ面の前記上下のシール部の間に対応する部分にゲート口を開口する射出ゲートにより射出成形する射出成形金型であって、前記キャビティ面部分の所定の領域を刻設して凹部を形成し、該凹部にゲート口が開口位置する構成とした射出成形金型。
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JP2000016452A (ja) * | 1998-06-30 | 2000-01-18 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 注出容器のポンプ取付用キャップ |
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