JP2011011108A - 複合化粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】個々の粒子の分散状態が良好で、有機化合物単独粒子を含まない複合化粒子の効率的な製造方法を提供すること。
【解決手段】工程(1):被覆用微粒子、有機溶剤及び母粒子を乾式混合して混合物を得る工程、工程(2):該混合物が入った耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、超臨界又は亜臨界条件において被覆用微粒子と母粒子とを複合化する工程、及び工程(3):該耐圧容器から有機溶剤と二酸化炭素を除去する工程、を含む複合化粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合化粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、化粧品、香粧品、塗料、インク、蛍光体、電池材料、電子材料等に使用しうる複合化粒子の製造方法に関する。
粒子表面に有機化合物を複合化させた複合化粒子を、乾燥粉体として得る方法として、有機化合物を良溶媒に溶解させた溶液に粒子を分散させておき、そこへ有機化合物の貧溶媒として液体又は超臨界二酸化炭素を混合することにより有機化合物を粒子表面に析出させる方法(ガス貧溶媒化法:GAS法)が知られている(特許文献1等参照)。
一方、粒子表面に微粒子を複合化させる方法としては、化学的及び機械的な力によって複合化を行う方法(メカノケミカル法)が知られている(非特許文献1等参照)。
特表2001−504452号公報
小石眞純著「微粒子設計」工業調査会発行、1987年
しかしながら、GAS法により複合化粒子を製造すると、有機化合物のみからなる粒子(有機化合物単独粒子)が生成するとともに、複合化粒子同士の凝集が生じ、有機化合物による被覆率が低下するといった問題が生じる。そのため、GAS法によって、有機化合物単独粒子を実質的に含まず、個々の粒子の分散状態が良好な複合化粒子を効率よく製造することは困難である。また、母粒子となる粒子を分散させた溶液を液体又は超臨界二酸化炭素により除去する際に、多量の液体又は超臨界二酸化炭素を用いなければならない。
また、メカノケミカル法では、被覆用の微粒子があらかじめ強固な凝集体を形成している場合、特に微粒子の粒径が1μm以下の超微粒子であり、非常に強固な凝集体を形成している場合、凝集体を完全に解砕することが困難である場合が多く、複合化ができたとしても微粒子が凝集体として表面に偏在した複合化粒子が形成され、母粒子表面に対する微粒子の被覆率が低下するという問題が生じる。一方、被覆率を向上させるために微粒子の量を増加すると、微粒子のみからなる凝集体が生成物に多く含まれるとともに、微粒子凝集体と母粒子の複合化物が多量に含まれるといった問題が生じる。そのため、メカノケミカル法によって、個々の微粒子が分散した状態で母粒子上に存在した複合化粒子を製造することは困難である。
本発明は、個々の粒子の分散状態が良好で、有機化合物単独粒子を含まない複合化粒子の効率的な製造方法を提供することを課題とする。
即ち、本発明の要旨は、
工程(1):被覆用微粒子、有機溶剤及び母粒子を乾式混合して混合物を得る工程、
工程(2):当該混合物が入った耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、超臨界又は亜臨界条件において被覆用微粒子と母粒子とを複合化する工程、及び
工程(3):当該耐圧容器から有機溶剤と二酸化炭素を除去する工程、を含む複合化粒子の製造方法、に関するものである。
本発明の方法により、個々の複合化粒子の分散状態が良好で、有機化合物単独粒子を含まない複合化粒子を効率的に製造することができる。さらに、用いた被覆用微粒子同士の凝集も抑制され、被覆用微粒子が均一に母粒子表面を被覆した複合化粒子を得ることができる。
本発明の方法に使用された装置の一実施態様を示す概略説明図である。 実施例1、2及び比較例1〜3に使用した原料のPMMA粒子の構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 実施例1、2及び比較例1〜3に使用した原料のPMMA粒子の構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)である。 実施例1で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 実施例1で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)である。 実施例2で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 実施例2で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)である。 比較例2で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 比較例2で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)である。 比較例3で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 比較例3で得られた複合化粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)である。
本発明は、少なくとも後述の工程(1)〜(3)を経て、被覆用微粒子と母粒子とから形成される複合化粒子を得る方法である。
工程(1)は、被覆用微粒子、有機溶剤及び母粒子を乾式混合して混合物を得る工程である。これらの成分の乾式混合の形態は特に制限されないが、例えば、被覆用微粒子を含有する有機溶剤を調製し、この有機溶剤と母粒子とを乾式混合する形態が好ましい。
本発明で用いられる母粒子は、有機溶剤、及び超臨界若しくは亜臨界状態又は液体の二酸化炭素に溶解しない粒子であれば、特に限定されない。
母粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、タルク、マイカ、酸化亜鉛、セリサイト、カオリン、ゼオライト、チタン被膜雲母、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等の金属珪酸塩、珪藻土、アルミナ、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化サマリウム、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化テルビウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジウム、フェライト類、In2O3、HfO2、Ln2O3(但し、Lnは希土類元素である)、TaO5、CaAl2O4、CaWO4、SrAl2O4、SrTiO3、ZnGa2O4、YAG(Y3Al5O12)、AlON、YVO4、YTaO4、Zn2SiO4、BaAl12O19、BaMgAl10O17、BaMg2Al14O24、BaTa2O6、SrAl2O4、Sr4Al14O25、Sr2MgSi2O7、Bi4Ge3O12、Gd2SiO5、Zn3(PO4)2、LaPO4、(Y,Gd)BO3、InBO3等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、塩基性炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルイサイト等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、石膏繊維等の金属硫酸塩、ZnS、CaS、SrS、MoS2、WS2、CaGa2S4、SrGa2S4、BaAl2S4、Gd2O2S等の金属硫化物、珪酸カルシウム(ウォラスナイト、ゾノトライト)、クレー、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、GaN、InN、CaSiN2、Eu2Si5N8、BaAl11O16N等の金属窒化物、酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛アルミニウムボレード等の金属チタン酸塩、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の金属ホウ酸塩、リン酸三カルシウム等の金属燐酸塩、硫化モリブデン等の金属硫化物、炭化珪素等の金属炭化物、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素類、金、銀、CsI、BaFBr、LaOBr、Ca5(PO4)3Cl、その他の無機粒子が挙げられる。また、これらの粒子にはさらに、例えば、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn等の少量の金属イオン等が含有されていてもよい。
有機粒子として、例えば、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート、セルロース及びこれらの混合物等の公知の有機樹脂微粒子が挙げられる。またエステル系ワックス(カルナバワックス、モンタンワックス、ライスワックス等)、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、パラフィン系ワックス、ケトン系ワックス、エーテル系ワックス、長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪酸及びこれらの混合物等の有機系ワックス微粒子、長鎖脂肪酸の金属塩微粒子等が挙げられる。また、一般的に着色剤として使用されるアゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、染色レーキ系等の各種有機系染料又は有機系顔料、及びこれらの誘導体を使用することができる。
これらの粒子は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。母粒子は、その表面にシリコーン化合物によるシリコーン処理、フッ素化合物によるフッ素処理等の表面処理が施された粒子であってもよい。
母粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜500μm、より好ましくは0.01〜200μm、更に好ましくは0.1〜100μm、更により好ましくは1〜50μmである。本明細書における平均粒径は、別に規定のない限り、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。本発明においては、粒子径が均一な粒子ほど好適である。
本発明で用いられる被覆用微粒子は、超臨界若しくは亜臨界状態又は液体の二酸化炭素には溶解しない微粒子であれば特に限定されない。また、使用する際の微粒子の形状は特に限定されず、その形状としては、例えば、球状、板状、不定形粒子状等が挙げられる。
被覆用微粒子としては、例えば、無機微粒子、有機微粒子等が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、タルク、マイカ、酸化亜鉛、セリサイト、カオリン、ゼオライト、チタン被膜雲母、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等の金属珪酸塩、珪藻土、アルミナ、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化サマリウム、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化テルビウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジウム、フェライト類、In2O3、HfO2、Ln2O3(但し、Lnは希土類元素である)、TaO5、CaAl2O4、CaWO4、SrAl2O4、SrTiO3、ZnGa2O4、YAG(Y3Al5O12)、AlON、YVO4、YTaO4、Zn2SiO4、BaAl12O19、BaMgAl10O17、BaMg2Al14O24、BaTa2O6、SrAl2O4、Sr4Al14O25、Sr2MgSi2O7、Bi4Ge3O12、Gd2SiO5、Zn3(PO4)2、LaPO4、(Y,Gd)BO3、InBO3等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、塩基性炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルイサイト等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、石膏繊維等の金属硫酸塩、ZnS、CaS、SrS、MoS2、WS2、CaGa2S4、SrGa2S4、BaAl2S4、Gd2O2S等の金属硫化物、珪酸カルシウム(ウォラスナイト、ゾノトライト)、クレー、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、GaN、InN、CaSiN2、Eu2Si5N8、BaAl11O16N等の金属窒化物、酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛アルミニウムボレード等の金属チタン酸塩、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の金属ホウ酸塩、リン酸三カルシウム等の金属燐酸塩、硫化モリブデン等の金属硫化物、炭化珪素等の金属炭化物、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素類、金、銀、CsI、BaFBr、LaOBr、Ca5(PO4)3Cl、その他の無機微粒子が挙げられる。また、これらの微粒子にはさらに、例えば、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mn等の少量の金属イオン等が含有されていてもよい。
有機微粒子として、例えば、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート、セルロース及びこれらの混合物等の公知の有機樹脂微粒子が挙げられる。また、エステル系ワックス(カルナバワックス、モンタンワックス、ライスワックス等)、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、パラフィン系ワックス、ケトン系ワックス、エーテル系ワックス、長鎖脂肪族アルコール、長鎖脂肪酸及びこれらの混合物等の有機系ワックス微粒子、長鎖脂肪酸の金属塩微粒子等が挙げられる。また一般的に着色剤として使用されるアゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、染色レーキ系等の各種有機系染料又は有機系顔料、及びこれらの誘導体を使用することができる。
これらの微粒子は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また被覆用微粒子は、その表面にシリコーン化合物によるシリコーン処理、フッ素化合物によるフッ素処理等の表面処理が施された微粒子であってもよい。
被覆用微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、母粒子表面への複合化を効率良く行う観点から、母粒子の平均粒径の1/2以下、好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10以下である。例えば、被覆用微粒子の平均粒径が、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜8μmのものを使用することができる。本明細書における平均粒径は、別に規定のない限り、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。本発明においては、粒子径が均一な微粒子ほど好適である。
被覆用微粒子の使用量は特に限定されないが、母粒子100重量部に対して、好ましくは0.01〜200重量部、より好ましくは0.05〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部である。
被覆用微粒子を有機溶剤に含有させるため、あらかじめ公知の混合処理を行ってもよい。公知の混合処理を行う装置としては、高速回転式分散機、高圧式分散機、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、グラインダー、ボールミル、媒体攪拌型ミル、短軸押出機、2軸押出機等の装置が挙げられる。
本発明で用いられる有機溶剤は、被覆用微粒子及び母粒子を含有することができ、任意の状態にある二酸化炭素と相溶性のあるものであれば、特に限定されない。
有機溶剤としては、例えば、下記の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等。
(2)エステル類、例えば、酢酸エチル等。
(3)アルコール類、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール等。
(4)飽和脂肪族類、例えば、ヘキサン、ヘプタン等。
(5)環状化合物類、例えば、シクロヘキサン等。
(6)芳香族類、例えば、ベンゼン、トルエン等。
以上の有機溶剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、乾式混合とは、粒子に少量の液体を加え、可塑性物質又はペースト状物質等の流動性の低い固液の混合物を得る操作で、粒子が液体に懸濁していない混合物を得る操作のことをいう。ここで粒子が液体に懸濁していないとは、粒子が液体中に分散していないことを指す。本発明では、好ましくは被覆用微粒子を含有する有機溶剤と母粒子とを乾式混合することにより、被覆用微粒子を含む有機溶剤が母粒子表面に存在するようになるため、超臨界状態において被覆用微粒子の多くが母粒子表面から析出し、高い被覆の程度で表面が被覆用微粒子により被覆された複合化粒子が得られる。さらに、乾式混合で用いる有機溶剤は少量であるため、有機溶剤の除去過程で発生する有機溶剤の液架橋による複合化粒子同士の凝集が抑制されるとともに、複合化処理に必要とされる二酸化炭素量だけでなく、複合化後、有機溶剤の除去に必要とされる二酸化炭素量も大幅に低減することができ、効率よく複合化粒子を製造することができる。
また、流動性の低い固液の状態とは、化学工学便覧によって提示されているペンデュラー域、ファニキュラー(I)域、ファニキュラー(II)域、キャピラリー域、スラリー域のいずれかに該当する状態のことを指す。従って、混合物が本領域内にあれば有機溶剤の量は特に限定されないが、混合物中の気相が不連続に存在するファニキュラー(II)域となる量が好ましく、混合物中の気相が連続となるファニキュラー(I)域となる量がより好ましく、混合物中の気相が連続となり、液相が不連続となるペンデュラー域となる量がさらに好ましい。
混合物中に気相が存在するペンデュラー域、ファニキュラー(I)域又はファニキュラー(II)域となる混合物を得る観点から、工程(1)における被覆用微粒子、有機溶剤及び母粒子について、次のような量的関係を満たすことが好ましい。即ち、被覆用微粒子を含有する有機溶剤の室温(25℃)、常圧(1013.25hPa)における体積が、室温、常圧における母粒子充填層の空隙体積未満であることが好ましく、該空隙体積の90%以下がより好ましく、該空隙体積の0.1〜85%がさらに好ましく、該空隙体積の10〜85%がさらにより好ましく、該空隙体積の50〜85%がより好ましい。
ここで、母粒子充填層の空隙体積は、使用する母粒子の重量と室温(25℃)で測定された母粒子の見掛け比重(固め)から算出される母粒子充填層の体積と、使用する母粒子の重量と室温(25℃)で測定された母粒子の真密度から算出される母粒子の占有体積との差から求められる。母粒子の見掛け比重(固め)の測定装置としては、粉体特性評価装置「パウダテスタPT−R」(ホソカワミクロン製)が例示される。母粒子の真密度の測定装置としては、乾式密度計「アキュピック1330」(島津製作所製)が例示される。
乾式混合は次の工程(2)で用いる耐圧容器内で行ってもよく、耐圧容器外で乾式混合した後に得られた混合物を耐圧容器内に移してもよい。
被覆用微粒子を含有する有機溶剤と母粒子とを耐圧容器外で乾式混合する場合に用いられる装置は、特に限定されないが、水平円筒型、傾斜円筒型、V型、二重円錐型、連続V型等の容器回転式混合機及び攪拌羽根内臓容器回転式混合機、リボン型、スクリュー型、ロッド型、ピン型、複軸パドル型、高速流動型、回転円板型、マラー型等の機械攪拌式混合機、流動攪拌式混合機、無攪拌式混合機、高速せん断式混合機、衝撃式混合機等が挙げられる。
続いて、工程(2)を行う。工程(2)は、該混合物が入った耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、超臨界又は亜臨界条件において被覆用微粒子と母粒子を複合化する工程である。
耐圧容器内では、母粒子や被覆用微粒子の沈降等を防ぎ、二酸化炭素中での分散状態を維持するために、乾式混合により得られた混合物(以下、「乾式混合物」ともいう)の攪拌を行うことが好ましい。凝集抑制等の観点より、攪拌は、工程(2)において二酸化炭素の注入が終了するまで継続し、さらに工程(3)において有機溶剤と二酸化炭素の除去が終了するまで継続することが好ましい。
本発明で使用される耐圧容器は、密閉が可能であり、使用する温度及び圧力に耐え得るものであれば限定されない。例えば、ステンレス製等の公知の容器が使用される。また、乾式混合物の撹拌のための撹拌機構を備えたものが好ましい。
耐圧容器の容積は特に限定されないが、室温(25℃)、常圧(1013.25hPa)における母粒子充填層の体積の1〜1000倍が好ましく、1.1〜500倍がより好ましい。
なお、本明細書において、超臨界又は亜臨界条件とは、二酸化炭素が超臨界状態又は亜臨界状態となる条件をいう。ここで、超臨界状態とは、温度と圧力が共に二酸化炭素の臨界温度(304K)及び臨界圧力(7.4MPa)以上である状態を指す。また、亜臨界状態とは、温度が二酸化炭素の臨界温度以上であるか、又は圧力が二酸化炭素の臨界圧力以上である状態を指す。よって、工程(2)においては、少なくとも二酸化炭素が亜臨界状態となる条件で被覆用微粒子と母粒子とを複合化させることになる。得られる複合化粒子の凝集を十分に抑制する観点から、被覆用微粒子と母粒子との複合化は、耐圧容器内の圧力が二酸化炭素の臨界圧力以上(有機溶剤が気化している場合には、二酸化炭素の分圧が臨界圧力以上)の亜臨界状態となる条件で行うことが好ましく、二酸化炭素が超臨界状態となる条件で行うことがより好ましい。
本工程では、耐圧容器内に二酸化炭素を注入すると共に、有機溶剤が溶解する温度及び圧力となるまで容器内を昇温及び昇圧し、所定時間その状態を維持する。なお、容器内に液体又は気体の二酸化炭素を注入供給した後、容器内を所定の温度及び圧力に設定することにより超臨界二酸化炭素又は亜臨界二酸化炭素を生じさせても、また、所定の温度及び圧力に設定した容器内に超臨界二酸化炭素又は亜臨界二酸化炭素を注入してもいずれでもよい。
耐圧容器内への二酸化炭素の注入は、該容器に二酸化炭素のガスボンベ等を接続して行うことができる。注入する二酸化炭素は、液体、気体、超臨界状態、亜臨界状態のいずれの状態であってもよい。注入する二酸化炭素の状態は、予熱器等を用いて注入ラインの温度を調節することにより調節することができる。
耐圧容器内の圧力を、有機溶剤と二酸化炭素の混合流体が均一相を形成するように設定することで、得られる複合化粒子の凝集、被覆用微粒子の凝集の生成を十分に抑制することができる。この混合流体が均一相を形成するという観点からは、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を注入し、その後亜臨界二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を生じさせることが好ましい。
二酸化炭素の耐圧容器内への注入速度としては、特に限定はないが、不均一な複合化を抑制するという観点より、注入を開始してから所望の設定圧力に達するまで(すなわち、注入終了まで)の注入時間が、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、また、良好な生産性を確保する観点から、好ましくは10時間以下、より好ましくは2時間以下となるような注入速度に調節するのが望ましい。
耐圧容器内の二酸化炭素が亜臨界又は超臨界状態に達したか否かは、該容器内の温度及び圧力を、例えば、備え付けの温度計・圧力計で確認することにより判定することができる。
被覆用微粒子と母粒子との複合化は、二酸化炭素が超臨界状態又は亜臨界状態になるのと相前後して開始されるものと考えられる。二酸化炭素の注入により耐圧容器内の圧力が所定の圧力に達した後、耐圧容器内をかかる条件下に維持する時間としては、特に限定されないが、通常、0.5〜180分間が好ましく、1〜120分間がより好ましい。かかる維持の間に被覆用微粒子と母粒子とが複合化し、複合化粒子が形成される。
工程(3)は、耐圧容器から有機溶剤と二酸化炭素を除去する工程である。
耐圧容器からの有機溶剤と二酸化炭素の除去は、使用された耐圧容器の排出機構を利用して、例えば、排出バルブを開放することにより徐々に行うのが好ましい。その際、耐圧容器内の圧力を一段階又は二段階以上で徐々に低下させて差し支えないが、耐圧容器内において有機溶剤が液相を形成せず、しかも有機溶剤と二酸化炭素とが均一相を形成した状態を維持しながら、有機溶剤と二酸化炭素の除去を行うことでより凝集の少ない複合化粒子を得ることができる。よって、二酸化炭素を注入しながら該混合物を耐圧容器から排出させることにより、二酸化炭素の超臨界又は亜臨界状態を維持しながら、有機溶剤を二酸化炭素とともに除去する、即ち、工程(3)を工程(2)と並行して行うのがより好ましい。その場合、耐圧容器内の有機溶剤が完全に除去され、該容器内が二酸化炭素に置き換わった時点で、二酸化炭素の注入を停止し、耐圧容器内の圧力を一段階又は二段階以上で徐々に低下させる。大気圧になった時点で耐圧容器を開放し、該容器内より複合化粒子を回収する。なお、回収した複合化粒子は、さらに解砕して使用することが可能である。
耐圧容器内の圧力を低下させる際の耐圧容器内の温度は、二酸化炭素による液相形成を抑制する観点から、臨界圧力(7.4MPa)以上の条件では、二酸化炭素の臨界温度(304K)以上、臨界圧力未満の条件では、二酸化炭素の沸点以上であるのが好ましい。
本発明の方法により得られる複合化粒子は、母粒子の表面に高い被覆の程度で被覆用微粒子が付着した粒子であり、粒子間の凝集も抑制された複合化粒子である。複合化粒子の平均粒径は、特に限定されないが、感触向上及び任意の解砕工程における負担軽減の観点から、好ましくは0.001〜1000μm、より好ましくは0.01〜400μmである。本明細書における平均粒径は、別に規定のない限り、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。本発明においては、粒子径が均一な粒子ほど好適である。複合化粒子における被覆用微粒子の被覆膜厚は、本発明の製造方法において、例えば被覆用微粒子、母粒子の仕込み量等を調節することで適宜調整することができる。
本発明の方法により得られる複合化粒子は、化粧品、香粧品、医薬品、塗料、インク、蛍光体、電池材料、電子材料等に好適に使用される。
(1)粒子密度測定方法
パウダテスタPT−R(ホソカワミクロン)により常温(25℃)、常圧(1013.25hPa)の条件下で、粒子の見掛け比重(固め)HK(g/mL)を測定する。また、乾式密度計「アキュピック1330」(島津製作所製)により粒子の真密度H0(g/mL)を測定する。使用した粒子の重量W(g)から、W/HK−W/H0により粒子充填層の空隙体積(mL)を算出することができる。
(2)粒径評価方法及び被覆状態の評価方法
試料をSEMで観察し、使用した母粒子、被覆用微粒子及び複合化粒子の算術平均での平均粒径を求める。また処理後のサンプルを観察し、複合化粒子における被覆用微粒子の被覆状態、及び被覆用微粒子単独の凝集体の有無、及び母粒子又は複合化粒子の凝集体の有無を評価する。
実施例1
図1に示される装置を用いて複合化粒子を以下の手順にて製造した。
被覆用微粒子としての球状のシリカ微粒子〔日本触媒(株)製、商品名:シーホスターKE−P30、平均粒径:0.3μm〕1.8gと、有機溶剤としてのエタノール9.0mLを混合して、シリカ微粒子含有液(以下、シリカ/エタノール含有液と略す)を作製した。
常温(25℃)、常圧(1013.25hPa)にて分取した該シリカ/エタノール含有液6.0mLと、母粒子としての球状のポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略す)粒子〔綜研化学(株)製、商品名:MX−3000、平均粒径:32μm〕20.0gを高速流動型混合機スーパーミキサー〔(株)カワタ製、商品名:ピッコロSMP−2、内容量0.3L〕に充填し、3000r/minで30秒間乾式混合した。
PMMA粒子原体の比重を常温(25℃)、常圧(1013.25hPa)にて測定したところ、見かけ比重(固め)HK=0.76g/mL、真密度H0=1.2g/mLとなった。スーパーミキサーによる混合で使用したPMMA粒子の重量W=20.0gから、母粒子充填層の空隙体積は9.65mLとなった。混合で使用したシリカ/エタノール含有液の体積(6.0mL)は、母粒子充填層の空隙体積未満であった。
スーパーミキサーによる混合で得られた混合物のうち、5.5g(すなわち、PMMA粒子:5.0g、シリカ微粒子:0.3g、エタノール:1.5mLの混合物)を、オートクレーブ10(内容量30mL、(株)AKICO製)のセル内に充填し、密閉した。
充填後、ボンベ1より二酸化炭素ガスを供給し、フィルター2に通して二酸化炭素中のゴミを除去した。次に、クーラー5から−5℃に制御された冷媒が通液されているコンデンサー3でこの二酸化炭素を凝縮し、ポンプヘッドが冷却された昇圧ポンプ4で昇圧した。昇圧時の圧力は、圧力計6aにより測定した。なお、安全性を確保するために、圧力計6aの下流部には、安全弁7を配設した。圧力の調整は保圧弁V−1で行った。
マグネチックスターラー14を用いて攪拌子9を1000r/minで回転させながら、バルブV−2を開放して二酸化炭素を速度15mL/minで送り、安全弁8が付属するオートクレーブ10にこの二酸化炭素を導入した。カートリッジヒーター12を使用し、温度調節器13によりオートクレーブ10内の温度調節を行い、温度計11及び圧力計6bにより、セル内の温度及び圧力をそれぞれ温度318K及び圧力20MPaに調節した。20MPaに到達後、マグネチックスターラー14を用いて攪拌子9を400r/minで回転させながら排気バルブV−3と排気バルブV−4を徐々に開放し、二酸化炭素とエタノールの混合気体の排出を開始した。混合気体の排出の開始と同時に、バルブV−2を介して導入される二酸化炭素の導入速度を5mL/minとし、オートクレーブ10内を圧力20MPaに維持した。温度は318Kのまま維持した。この超臨界条件下で5分間保持し、エタノール全量を排出させて、PMMA粒子とシリカ微粒子の複合化を行った。保持中の二酸化炭素の導入速度と保持時間から、複合化に用いた二酸化炭素量は25mLであると求められた。
その後、バルブV−2を閉じ、排気バルブV−3を介して排気ライン21より排気し、15分間で大気圧まで減圧した。減圧操作時には二酸化炭素の液相が発生しないように温度を調節した。減圧途中の7MPaにおける温度は314Kであり、減圧終了時の容器内温度は315Kであった。オートクレーブ10内の容器圧を大気圧まで減圧した後、オートクレーブ10内から複合化粒子17を得た。
排気ライン21とその末端にあるノズル19より排出された二酸化炭素と有機溶剤は回収容器20で回収した。回収容器の温度を常温として有機溶剤18を回収し、排気バルブV−4を介してバグフィルター16を備えた排気ライン15より二酸化炭素を排出した。
母粒子として用いたPMMA粒子の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2(倍率:500倍)と図3(倍率:3000倍)に、得られた複合化粒子のSEM写真を図4(倍率:500倍)と図5(倍率:3000倍)に示す。PMMA粒子は平均粒径約30μmの粒子であった。得られた複合化粒子の平均粒径も約30μmであり、複合化粒子の表面には平均粒径約0.3μmのシリカ微粒子が被覆されていた。また、複合化粒子以外の粒子、すなわち単独シリカ微粒子及びシリカ微粒子のみからなる凝集体はほとんど観察されなかった。
実施例2
シリカ微粒子1.8gとエタノール12mLを使用してシリカ/エタノール含有液を作製し、該シリカ/エタノール含有液8.0mLと、PMMA粒子20.0gを用いてスーパーミキサーにより乾式混合した以外は実施例1と同様にして混合を行った。
スーパーミキサーによる混合で使用したシリカ/エタノール含有液の体積は8.0mLであり、母粒子充填層の空隙体積(9.65mL)未満であった。
スーパーミキサーによる混合で得られた混合物のうち、6.9g(すなわち、PMMA粒子:5.0g、シリカ微粒子:0.3g、エタノール:2.0mLの混合物)をオートクレーブ10内に充填した以外は、実施例1と同様にして超臨界処理を行い、複合化粒子を得た。複合化に用いた二酸化炭素量は25mLであると求められた。
得られた複合化粒子のSEM写真を図6(倍率:500倍)と図7(倍率:3000倍)に示す。得られた複合化粒子の平均粒径は約30μmであり、複合化粒子の表面には平均粒径約0.3μmのシリカ微粒子が被覆されていた。また、複合化粒子以外の粒子、すなわち単独シリカ微粒子及びシリカ微粒子のみからなる凝集体はほとんど観察されなかった。
比較例1
シリカ微粒子2.7gとエタノール45mLを使用してシリカ/エタノール分散液を作製し、該シリカ/エタノール分散液20mLと、PMMA粒子20.0gを用いてスーパーミキサーにより混合した以外は、実施例1と同様にして混合を行った。
スーパーミキサーによる混合で使用したシリカ/エタノール分散液の体積は20.0mLであり、母粒子充填層の空隙体積(9.65mL)以上であった。
スーパーミキサーによる混合で得られた混合物のうち、9.3g(すなわち、PMMA粒子:5.0g、シリカ微粒子:0.3g、エタノール:5.0mLの混合物)をオートクレーブ10内に充填した以外は、実施例1と同様にして超臨界処理を行い、複合化粒子を得た。複合化に用いた二酸化炭素量は25mLであると求められた。
オートクレーブ10内の容器圧を大気圧まで減圧した後、容器内を確認すると、オートクレーブ10内にはエタノールが残存しており、複合化粒子を得ることができなかった。
比較例2
エタノールの排出を行う保持時間を5分間から20分間に変更した以外は、比較例1と同様にして複合化粒子を得た。複合化に用いた二酸化炭素量は100mLであると求められた。
得られた複合化粒子のSEM写真を図8(倍率:500倍)と図9(倍率:3000倍)に示す。得られた複合化粒子の平均粒径は約30μmであったが、複合化粒子の表面に存在する平均粒径約0.3μmのシリカ微粒子の数密度が小さく、被覆の程度が小さくなる傾向が見られた。また、複合化粒子以外に、シリカ微粒子のみからなる凝集体と思われる、平均粒径約10μm以下の粒子が多数観察された。
比較例3
被覆用微粒子としての球状のシリカ微粒子〔日本触媒(株)製、商品名:シーホスターKE−P30、平均粒径:0.3μm〕1.8gと、有機溶剤としてのエタノール9.0mLを混合して、シリカ/エタノール含有液を作製した。
常温(25℃)、常圧(1013.25hPa)にて分取した該シリカ/エタノール含有液6.0mLと、母粒子としてのPMMA粒子20.0gを高速流動型混合機スーパーミキサー〔(株)カワタ製、商品名:ピッコロSMP−2、内容量0.3L〕に充填し、3000r/minで30秒間乾式混合した。
スーパーミキサーによる混合で使用したシリカ/エタノール含有液の体積(6.0mL)は、母粒子充填層の空隙体積(9.65mL)未満であった。
その後、スーパーミキサーの混合容器を開放して常温、常圧下でエタノールを乾燥させ、超臨界処理を行わずに複合化粒子を得た。
得られた複合化粒子のSEM写真を図10(倍率:500倍)と図11(倍率:3000倍)に示す。得られた複合化粒子の平均粒径は約30μmであったが、複合化粒子が凝集していた。凝集している複合化粒子間には、シリカ微粒子のみからなる凝集体と思われる、平均粒径約10μm以下の粒子が多数観察された。また、複合化粒子の表面に存在する平均粒径約0.3μmのシリカ微粒子の数密度が小さく、被覆の程度が小さかった。
以下の表1に、混合物の組成、体積比、使用した二酸化炭素の量、作製後のサンプルの評価結果をまとめて示す。なお、体積比とは、〔被覆用微粒子を含有する有機溶剤の室温、常圧における体積(mL)〕/〔母粒子充填層の室温、常圧における空隙体積(mL)〕×100で示される値(%)である。
以上の結果より、比較例1〜3の方法と対比して、実施例1、2の方法では、少量の有機溶剤及び二酸化炭素の使用で、被覆用微粒子により十分に被覆された複合化粒子が得られており、被覆用微粒子の凝集及び複合化粒子の凝集も抑制されていることが分かる。
本発明の製造方法により得られる複合化粒子は、化粧品、香粧品、塗料、インク、蛍光体、電池材料、電子材料等に使用し得る。
1 ボンベ
2 フィルター
3 コンデンサー
4 昇圧ポンプ
5 クーラー
6a 圧力計
6b 圧力計
7 安全弁
8 安全弁
9 攪拌子
10 オートクレーブ
11 温度計
12 カートリッジヒーター
13 温度調節器
14 マグネチックスターラー
15 排気ライン
16 バグフィルター
17 複合化粒子
18 有機溶剤
19 ノズル
20 回収容器
21 排気ライン
V−1 保圧弁
V−2 バルブ
V−3 排気バルブ
V−4 排気バルブ

Claims (3)

  1. 工程(1):被覆用微粒子、有機溶剤及び母粒子を乾式混合して混合物を得る工程、
    工程(2):該混合物が入った耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、超臨界又は亜臨界条件において被覆用微粒子と母粒子とを複合化する工程、及び
    工程(3):該耐圧容器から有機溶剤と二酸化炭素を除去する工程、
    を含む複合化粒子の製造方法。
  2. 被覆用微粒子を含有する有機溶剤の室温(25℃)、常圧(1013.25hPa)における体積が、室温、常圧における母粒子充填層の空隙体積未満である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(3)を工程(2)と並行して行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
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