本発明は、食事用フォークに関するものである。
洋食器としてのフォークは食事の際に食物を先端の突き刺し部で突き刺して保持し、口元に運ぶ役割を有するものであるが、従来の食事用フォークは食物を口内で離脱した後にも、その残物が突き刺し部に付着し、洗浄後も残存してしまう場合がある(図5)。
一般的なフォーク40における突き刺し部42の断面形状は、図6に示すように水平方向に捉えると略正方形状であるから、手作業でその部分を別途洗浄するのであればともかく、例えば、自動食器洗い器等を使用して機械的に洗浄する場合にはほぼ平行に相対向する壁面(内壁面)に溜まった残物が落ち難く、特にその根元部は、永年の使用により著しく汚れてしまうという欠点が生じていた。
このことは、例えば、レストラン業務等において、ナイフ、フォーク、スプーン等からなる洋食器セットを同時に購入した場合にも、早々とフォークのみを交換しなければならない事態が生じるという不都合も有していた。
本発明は突き刺し部の内壁面に尾根を設けることで、突き刺し部に付着した食物の残物が、機械的に洗浄する場合にも容易に離脱するため、永年の使用によっても汚れることがない食事用フォークを提供することを特徴とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された本発明は、先端に複数の突き刺し部を形成する食事用フォークにおいて、当該突き刺し部の内壁面のいずれかに尾根を設けた食事用フォークであることを特徴とする。また、請求項2に記載された本発明は、前記突き刺し部の内壁面に設けた尾根が、根元部においては逆U字状、逆コの字状、逆V字状のいずれかの傾斜面を形成する請求項1に記載の食事用フォークであることを特徴とする。
本発明においては、前記突き刺し部を横列方向に捉えると、両側を除いた当該突き刺し部の断面形状が略六角形状に形成されている食事用フォークであることが好ましい。あるいは、前記突き刺し部を横列方向に捉えると、両側を除いた当該突き刺し部の断面形状が略菱形状に形成されている食事用フォークであることが好ましい。
請求項1〜請求項2に記載された本発明によれば、機械的洗浄によっても食物の残物が付着して突き刺し部の内壁面、特に根元部が汚れてしまうということがない。したがって、永年の使用によっても清潔感を有する食事用フォークを提供することができる。また、請求項3に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状からその内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークを提供することができる。さらに、請求項4に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状がシンプルであるため、内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークの製造が容易となる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面により詳細に説明する。図1において、(a)は本発明に係る第1フォーク10を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底面図である。また、図2において、(a)は第1フォーク10における突き刺し部12の断面図、(b)はそのカーブを示す説明図である。さらに、図3は、第1フォーク10における根元部14の実施例を示す平面図である。
第1フォーク10は、例えば、銀、ステンレス、樹脂等の素材を使用し、ダイキャスト等の一般的な製法で製造されるものであり、前方には先端で鋭利かつ冗長な突き刺し部12が4本並列して形成されている。また、例えば、幼児用のフォーク等においては先端がやや丸められ、小ぶりなフォークにおいては突き刺し部の本数が2本となる等、突き刺し部12の先端形状、本数、長さには特に限定がない。
第1フォーク10の突き刺し部12の横列方向に捉えると、両側を除いた突き刺し部12の断面形状が、特に中間部13において略六角形状に形成されることで、各突き刺し部12の相対向する壁面(内壁面)には尾根13aが設けられる。なお、この略六角形状は正確な六角形状である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根13aの傾斜角度にも特に限定はない。
突き刺し部12の断面が略六角形状に形成されていることより、第1フォーク10における突き刺し部12の根元部14においても、中間部13の形状がそのままカーブを描いて折り返すので、内壁面には尾根14aが自然に設けられることになる。この場合の根元部14における尾根14aの傾斜角度に特に限定はない。
ここで、根元部14の内壁面に設けられる尾根14aとしては、図3(a)(b)(c)に示すように、逆U字状14b、逆コの字状14c、逆V字状14dの傾斜面を形成する実施形態を考えることができる。いずれの場合にも根元部14には、例えば、鈍い刃のような先端で薄くなる尾根14aが形成される。
なお、両側の突き刺し部12における中間部13bは略六角形状である必要はなく、例えば、略五角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根13aを設けることもできるし、他の突き刺し部12の中間部13と同様の形状として尾根13aを設けても良い。
また、第1フォーク10の後方に形成される握り部16は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない。
ここで、第1フォーク10を使用する方法は、一般のフォークと何ら変わりがなく、食物を突き刺し部12で保持して口元に運ぶものであるが、その中間部13bの内壁面、特に根元部14において、それぞれ尾根13a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第1フォーク10では容易に離脱させることができる。
よって、第1フォーク10を自動食器洗い機を使用して洗浄する場合にも、流水が中間部13及び根元部14の尾根13a、14aに直接的に当たるため、突き刺し部12に付着した残物をきれいに洗い流すことができる。よって、永年の使用によっても汚れることがない。
図4は、第2フォーク20における突き刺し部22の断面図である。なお、第2フォーク20の斜視図、平面図、底面図は、第1フォークと略同様であるので、ここでは省略する。
第2フォーク20の素材、製法は、第1フォーク10と同様であるので、ここでは省略する。また、その突き刺し部22の先端形状、本数、長さには特に限定がない点も、第1フォーク10と同様である。
第2フォーク20の突き刺し部22の断面形状は、両側の突き刺し部22を除くと、中間部23において横列方向に捉えると略菱形状に形成され、各々の突き刺し部22が相対向する壁面(内壁面)に尾根23aが設けられている。なお、この中間部23の略菱形状は正確な対称形である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根23aの傾斜角度に特に限定はない。
突き刺し部22の断面が略菱形状に形成されていることより、第2フォーク20における突き刺し部22の根元部24においても、中間部23の形状がそのままカーブを描いてU字状に折り返すので、内壁面には尾根24aが自然に設けられることになる。この場合の根元部24における尾根24aの傾斜角度に特に限定はなく、その実施形態についても逆U字状、逆コの字状、逆V字状等の特に限定はない。
また、両側の突き刺し部22における中間部23bは略菱形状である必要はなく、例えば、三角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根23aを設けることもできるし、他の突き刺し部22の中間部23と同様の略菱形状として尾根23aを設けても良い。
なお、第2フォーク20の後方に形成される握り部26の形状は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない点も第1フォーク10と同様である。
ここで、第2フォーク20を使用する方法は、第1フォーク10と同様であり、突き刺し部22の中間部23及び根元部24の内壁面に尾根23a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第2フォーク20では容易に離脱し、特に、自動食器洗い機を使用して洗浄する場合であっても、永年の使用により汚れることがない。
以上、本発明が有利に適用される場合として、突き刺し部を略六角形状または略菱形状とすることで相対向する壁面(内壁面)に尾根を自然に設けることができる食事用フォークについてのみ説明したが、相対向する壁面(内壁面)に尾根が設けてあればどのような形状であっても、本発明の範疇に含まれるのは当然である。
また、上記では突き刺し部の中間部及び根元部の双方に尾根を設ける実施例について説明したが、特に残物が付着し易い根元部にのみ尾根を設ける本発明に係る食事用フォークを製造することももちろん可能である。
(a)は第1フォークを示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底面図である。
(a)は第1フォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカーブを示す説明図である。
第1フォークにおける根元部の実施形態を示す平面図である。
第2フォークにおける突き刺し部の断面図である。
永年使用された一般的な食事用フォークを示す平面図である。
(a)は一般的なフォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカーブを示す説明図である。
10 第1フォーク
12 突き刺し部
13 中間部
13a 尾根
14 根元部
14a 尾根
14b 逆U字状の尾根
14c 逆コの字状の尾根
14d 逆V字状14の尾根
13 中間部13b
16 握り部
20 第2フォーク
22 突き刺し部
23 中間部
23a 尾根
23b 中間部
24 根元部
24a 尾根
26 握り部
40 フォーク
42 突き刺し部
本発明は、食事用フォークに関するものである。
洋食器としてのフォークは食事の際に食物を先端の突き刺し部で突き刺して保持し、口元に運ぶ役割を有するものであるが、従来の食事用フォークは食物を口内で離脱した後にも、その残物が突き刺し部に付着し、洗浄後も残存してしまう場合がある(図5)。
一般的なフォーク40における突き刺し部42の断面形状は、図6に示すように水平方向に捉えると略正方形状であるから、手作業でその部分を別途洗浄するのであればともかく、例えば、自動食器洗い器等を使用して機械的に洗浄する場合にはほぼ平行に相対向する壁面(内壁面)に溜まった残物が落ち難く、特にその根元部は、永年の使用により著しく汚れてしまうという欠点が生じていた。
このことは、例えば、レストラン業務等において、ナイフ、フォーク、スプーン等からなる洋食器セットを同時に購入した場合にも、早々とフォークのみを交換しなければならない事態が生じるという不都合も有していた。
本発明は突き刺し部の内壁面に尾根を設けることで、突き刺し部に付着した食物の残物が、機械的に洗浄する場合にも容易に離脱するため、永年の使用によっても汚れることがない食事用フォークを提供することを特徴とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された本発明は、先端に複数の突き刺し部を形成する食事用フォークにおいて、当該突き刺し部及びその根元部の内壁面に尾根を設けた食事用フォークであることを特徴とする。また、請求項2に記載された本発明は、先端に複数の突き刺し部を形成する食事用フォークにおいて、当該突き刺し部の根元部の内壁面に尾根を設けた食事用フォークであることを特徴とする。
本発明においては、前記突き刺し部の断面が略六角形状又は略菱形形状であることが好ましい。また、前記根元部の内壁面に設けた尾根が、逆U字状、逆コの字状、逆V字状のいずれかの傾斜面を形成することが好ましい。さらに、前記尾根の鈍角は約60度から約90度の範囲内にあることが好ましい。くわえて、前記複数の突き刺し部が少なくとも3本以上であることが好ましい。
請求項1〜請求項2に記載された本発明によれば、機械的洗浄によっても食物の残物が付着して突き刺し部の内壁面、特に根元部が汚れてしまうということがない。したがって、永年の使用によっても清潔感を有する食事用フォークを提供することができる。また、請求項3に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状からその内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークを提供することができる。さらに、請求項4に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状がシンプルであるため、内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークの製造が容易となる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面により詳細に説明する。図1において、(a)は本発明に係る第1フォーク10を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底面図である。また、図2において、(a)は第1フォーク10における突き刺し部12の断面図、(b)はそのカーブを示す説明図である。さらに、図3は、第1フォーク10における根元部14の実施例を示す平面図である。
第1フォーク10は、例えば、銀、ステンレス、樹脂等の素材を使用し、ダイキャスト等の一般的な製法で製造されるものであり、前方には先端で鋭利かつ冗長な突き刺し部12が4本並列して形成されている。また、例えば、幼児用のフォーク等においては先端がやや丸められ、小ぶりなフォークにおいては突き刺し部の本数が2本となる等、突き刺し部12の先端形状、本数、長さには特に限定がない。
第1フォーク10の突き刺し部12の横列方向に捉えると、両側を除いた突き刺し部12の断面形状が、特に中間部13において略六角形状に形成されることで、各突き刺し部12の相対向する壁面(内壁面)には尾根13aが設けられる。なお、この略六角形状は正確な六角形状である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根13aの傾斜角度にも特に限定はない。
突き刺し部12の断面が略六角形状に形成されていることより、第1フォーク10における突き刺し部12の根元部14においても、中間部13の形状がそのままカーブを描いて折り返すので、内壁面には尾根14aが自然に設けられることになる。この場合の根元部14における尾根14aの傾斜角度に特に限定はない。
ここで、根元部14の内壁面に設けられる尾根14aとしては、図3(a)(b)(c)に示すように、逆U字状14b、逆コの字状14c、逆V字状14dの傾斜面を形成する実施形態を考えることができる。いずれの場合にも根元部14には、例えば、鈍い刃のような先端で薄くなる尾根14aが形成される。
なお、両側の突き刺し部12における中間部13bは略六角形状である必要はなく、例えば、略五角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根13aを設けることもできるし、他の突き刺し部12の中間部13と同様の形状として尾根13aを設けても良い。
また、第1フォーク10の後方に形成される握り部16は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない。
ここで、第1フォーク10を使用する方法は、一般のフォークと何ら変わりがなく、食物を突き刺し部12で保持して口元に運ぶものであるが、その中間部13bの内壁面、特に根元部14において、それぞれ尾根13a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第1フォーク10では容易に離脱させることができる。
よって、第1フォーク10を自動食器洗い機を使用して洗浄する場合にも、流水が中間部13及び根元部14の尾根13a、14aに直接的に当たるため、突き刺し部12に付着した残物をきれいに洗い流すことができる。よって、永年の使用によっても汚れることがない。
図4は、第2フォーク20における突き刺し部22の断面図である。なお、第2フォーク20の斜視図、平面図、底面図は、第1フォークと略同様であるので、ここでは省略する。
第2フォーク20の素材、製法は、第1フォーク10と同様であるので、ここでは省略する。また、その突き刺し部22の先端形状、本数、長さには特に限定がない点も、第1フォーク10と同様である。
第2フォーク20の突き刺し部22の断面形状は、両側の突き刺し部22を除くと、中間部23において横列方向に捉えると略菱形状に形成され、各々の突き刺し部22が相対向する壁面(内壁面)に尾根23aが設けられている。なお、この中間部23の略菱形状は正確な対称形である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根23aの傾斜角度に特に限定はない。
突き刺し部22の断面が略菱形状に形成されていることより、第2フォーク20における突き刺し部22の根元部24においても、中間部23の形状がそのままカーブを描いてU字状に折り返すので、内壁面には尾根24aが自然に設けられることになる。この場合の根元部24における尾根24aの傾斜角度に特に限定はなく、その実施形態についても逆U字状、逆コの字状、逆V字状等の特に限定はない。
また、両側の突き刺し部22における中間部23bは略菱形状である必要はなく、例えば、三角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根23aを設けることもできるし、他の突き刺し部22の中間部23と同様の略菱形状として尾根23aを設けても良い。
なお、第2フォーク20の後方に形成される握り部26の形状は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない点も第1フォーク10と同様である。
ここで、第2フォーク20を使用する方法は、第1フォーク10と同様であり、突き刺し部22の中間部23及び根元部24の内壁面に尾根23a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第2フォーク20では容易に離脱し、特に、自動食器洗い機を使用して洗浄する場合であっても、永年の使用により汚れることがない。
以上、本発明が有利に適用される場合として、突き刺し部を略六角形状または略菱形状とすることで相対向する壁面(内壁面)に尾根を自然に設けることができる食事用フォークについてのみ説明したが、相対向する壁面(内壁面)に尾根が設けてあればどのような形状であっても、本発明の範疇に含まれるのは当然である。
また、上記では突き刺し部の中間部及び根元部の双方に尾根を設ける実施例について説明したが、特に残物が付着し易い根元部にのみ尾根を設ける本発明に係る食事用フォークを製造することももちろん可能である。
(a)は第1フォークを示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底 面図である。
(a)は第1フォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカーブを 示す説明図である。
第1フォークにおける根元部の実施形態を示す平面図である。
第2フォークにおける突き刺し部の断面図である。
永年使用された一般的な食事用フォークを示す平面図である。
(a)は一般的なフォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカー ブを示す説明図である。
10 第1フォーク
12 突き刺し部
13 中間部
13a 尾根
14 根元部
14a 尾根
14b 逆U字状の尾根
14c 逆コの字状の尾根
14d 逆V字状14の尾根
13 中間部13b
16 握り部
20 第2フォーク
22 突き刺し部
23 中間部
23a 尾根
23b 中間部
24 根元部
24a 尾根
26 握り部
40 フォーク
42 突き刺し部
本発明は、食事用フォークに関するものである。
洋食器としてのフォークは食事の際に食物を先端の突き刺し部で突き刺して保持し、口元に運ぶ役割を有するものであるが、従来の食事用フォークは食物を口内で離脱した後にも、その残物が突き刺し部に付着し、洗浄後も残存してしまう場合がある(図5)。
一般的なフォーク40における突き刺し部42の断面形状は、図6に示すように水平方向に捉えると略正方形状であるから、手作業でその部分を別途洗浄するのであればともかく、例えば、自動食器洗い器等を使用して機械的に洗浄する場合にはほぼ平行に相対向する壁面(内壁面)に溜まった残物が落ち難く、特にその根元部は、永年の使用により著しく汚れてしまうという欠点が生じていた。
このことは、例えば、レストラン業務等において、ナイフ、フォーク、スプーン等からなる洋食器セットを同時に購入した場合にも、早々とフォークのみを交換しなければならない事態が生じるという不都合も有していた。
本発明は突き刺し部の内壁面に尾根を設けることで、突き刺し部に付着した食物の残物が、機械的に洗浄する場合にも容易に離脱するため、永年の使用によっても汚れることがない食事用フォークを提供することを特徴とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された本発明は、先端に複数の突き刺し部を形成する食事用フォークにおいて、当該突き刺し部及びその根元部の内壁面に尾根を設けた食事用フォークであることを特徴とする。また、請求項2に記載された本発明は、先端に複数の突き刺し部を形成する食事用フォークにおいて、当該突き刺し部の根元部の内壁面に尾根を設けた食事用フォークであることを特徴とする。
本発明においては、前記突き刺し部の断面が略六角形状又は略菱形形状であることが好ましい。また、前記根元部の内壁面に設けた尾根が、逆U字状、逆コの字状、逆V字状のいずれかの傾斜面を形成することが好ましい。くわえて、前記複数の突き刺し部が少なくとも3本以上であることが好ましい。
請求項1〜請求項2に記載された本発明によれば、機械的洗浄によっても食物の残物が付着して突き刺し部の内壁面、特に根元部が汚れてしまうということがない。したがって、永年の使用によっても清潔感を有する食事用フォークを提供することができる。また、請求項3に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状からその内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークを提供することができる。さらに、請求項4に記載された本発明によれば、突き刺し部の断面形状がシンプルであるため、内壁面に尾根が自然に形成される食事用フォークの製造が容易となる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面により詳細に説明する。図1において、(a)は本発明に係る第1フォーク10を示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底面図である。また、図2において、(a)は第1フォーク10における突き刺し部12の断面図、(b)はそのカーブを示す説明図である。さらに、図3は、第1フォーク10における根元部14の実施例を示す平面図である。
第1フォーク10は、例えば、銀、ステンレス、樹脂等の素材を使用し、ダイキャスト等の一般的な製法で製造されるものであり、前方には先端で鋭利かつ冗長な突き刺し部12が4本並列して形成されている。また、例えば、幼児用のフォーク等においては先端がやや丸められ、小ぶりなフォークにおいては突き刺し部の本数が2本となる等、突き刺し部12の先端形状、本数、長さには特に限定がない。
第1フォーク10の突き刺し部12の横列方向に捉えると、両側を除いた突き刺し部12の断面形状が、特に中間部13において略六角形状に形成されることで、各突き刺し部12の相対向する壁面(内壁面)には尾根13aが設けられる。なお、この略六角形状は正確な六角形状である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根13aの傾斜角度にも特に限定はない。
突き刺し部12の断面が略六角形状に形成されていることより、第1フォーク10における突き刺し部12の根元部14においても、中間部13の形状がそのままカーブを描いて折り返すので、内壁面には尾根14aが自然に設けられることになる。この場合の根元部14における尾根14aの傾斜角度に特に限定はない。
ここで、根元部14の内壁面に設けられる尾根14aとしては、図3(a)(b)(c)に示すように、逆U字状14b、逆コの字状14c、逆V字状14dの傾斜面を形成する実施形態を考えることができる。いずれの場合にも根元部14には、例えば、鈍い刃のような先端で薄くなる尾根14aが形成される。
なお、両側の突き刺し部12における中間部13bは略六角形状である必要はなく、例えば、略五角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根13aを設けることもできるし、他の突き刺し部12の中間部13と同様の形状として尾根13aを設けても良い。
また、第1フォーク10の後方に形成される握り部16は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない。
ここで、第1フォーク10を使用する方法は、一般のフォークと何ら変わりがなく、食物を突き刺し部12で保持して口元に運ぶものであるが、その中間部13bの内壁面、特に根元部14において、それぞれ尾根13a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第1フォーク10では容易に離脱させることができる。
よって、第1フォーク10を自動食器洗い機を使用して洗浄する場合にも、流水が中間部13及び根元部14の尾根13a、14aに直接的に当たるため、突き刺し部12に付着した残物をきれいに洗い流すことができる。よって、永年の使用によっても汚れることがない。
図4は、第2フォーク20における突き刺し部22の断面図である。なお、第2フォーク20の斜視図、平面図、底面図は、第1フォークと略同様であるので、ここでは省略する。
第2フォーク20の素材、製法は、第1フォーク10と同様であるので、ここでは省略する。また、その突き刺し部22の先端形状、本数、長さには特に限定がない点も、第1フォーク10と同様である。
第2フォーク20の突き刺し部22の断面形状は、両側の突き刺し部22を除くと、中間部23において横列方向に捉えると略菱形状に形成され、各々の突き刺し部22が相対向する壁面(内壁面)に尾根23aが設けられている。なお、この中間部23の略菱形状は正確な対称形である必要はなく、必要に応じて上下辺と側辺の長さの比率を変更することができ、また尾根23aの傾斜角度に特に限定はない。
突き刺し部22の断面が略菱形状に形成されていることより、第2フォーク20における突き刺し部22の根元部24においても、中間部23の形状がそのままカーブを描いてU字状に折り返すので、内壁面には尾根24aが自然に設けられることになる。この場合の根元部24における尾根24aの傾斜角度に特に限定はなく、その実施形態についても逆U字状、逆コの字状、逆V字状等の特に限定はない。
また、両側の突き刺し部22における中間部23bは略菱形状である必要はなく、例えば、三角形状として少なくとも相対向する壁面(内壁面)に尾根23aを設けることもできるし、他の突き刺し部22の中間部23と同様の略菱形状として尾根23aを設けても良い。
なお、第2フォーク20の後方に形成される握り部26の形状は、一般的なフォークと何ら変わることなく、その長さ、形状等に特に限定はない点も第1フォーク10と同様である。
ここで、第2フォーク20を使用する方法は、第1フォーク10と同様であり、突き刺し部22の中間部23及び根元部24の内壁面に尾根23a、14aが設けられていることより、食物を引き抜いた後の残物が付着しても、第2フォーク20では容易に離脱し、特に、自動食器洗い機を使用して洗浄する場合であっても、永年の使用により汚れることがない。
以上、本発明が有利に適用される場合として、突き刺し部を略六角形状または略菱形状とすることで相対向する壁面(内壁面)に尾根を自然に設けることができる食事用フォークについてのみ説明したが、相対向する壁面(内壁面)に尾根が設けてあればどのような形状であっても、本発明の範疇に含まれるのは当然である。
また、上記では突き刺し部の中間部及び根元部の双方に尾根を設ける実施例について説明したが、特に残物が付着し易い根元部にのみ尾根を設ける本発明に係る食事用フォークを製造することももちろん可能である。
(a)は第1フォークを示す斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底 面図である。
(a)は第1フォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカーブを 示す説明図である。
第1フォークにおける根元部の実施形態を示す平面図である。
第2フォークにおける突き刺し部の断面図である。
永年使用された一般的な食事用フォークを示す平面図である。
(a)は一般的なフォークにおける突き刺し部の断面図、(b)はそのカー ブを示す説明図である。
10 第1フォーク
12 突き刺し部
13 中間部
13a 尾根
14 根元部
14a 尾根
14b 逆U字状の尾根
14c 逆コの字状の尾根
14d 逆V字状14の尾根
13 中間部13b
16 握り部
20 第2フォーク
22 突き刺し部
23 中間部
23a 尾根
23b 中間部
24 根元部
24a 尾根
26 握り部
40 フォーク
42 突き刺し部