JP2011010500A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定電圧制御による蓄電部の充放電で効率を向上することができる電源装置を提供すること。
【解決手段】発電機11の出力端子13に接続される主電源17と、出力端子13に一端が直接接続されるDC/DCコンバータ23と、DC/DCコンバータ23の他端に接続される蓄電部29と、出力端子13と発電機11のグランド端子22に直接接続される出力電圧検出回路31と、DC/DCコンバータ23および出力電圧検出回路31と接続される制御回路35とからなり、制御回路35は蓄電部29を充電する際に、出力端子13の出力電圧Vdが発電機11の既定出力電圧Vdcよりも低い下方制御電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ23を制御し、蓄電部29を放電する際に、出力電圧Vdが既定出力電圧Vdcよりも高い上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】発電機11の出力端子13に接続される主電源17と、出力端子13に一端が直接接続されるDC/DCコンバータ23と、DC/DCコンバータ23の他端に接続される蓄電部29と、出力端子13と発電機11のグランド端子22に直接接続される出力電圧検出回路31と、DC/DCコンバータ23および出力電圧検出回路31と接続される制御回路35とからなり、制御回路35は蓄電部29を充電する際に、出力端子13の出力電圧Vdが発電機11の既定出力電圧Vdcよりも低い下方制御電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ23を制御し、蓄電部29を放電する際に、出力電圧Vdが既定出力電圧Vdcよりも高い上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電素子に電力を蓄え、必要な時に放電する電源装置に関するものである。
近年、制動時に発生する回生電力を蓄電素子からなる蓄電部に蓄えて有効利用することにより、省燃費を達成する車両が提案されている。このような車両に用いられる電力制御装置が、例えば特許文献1に提案されている。図4はこのような電力制御装置のブロック回路図である。
主電源101は鉛バッテリであり、その正極にはイグニションスイッチ103を介して負荷105が接続されている。また、主電源101の正極には車両用の発電機107が接続されている。発電機107はエンジン109と機械的に接続されているので、エンジン109の動作により発電機107が駆動される。さらに、エンジン109はタイヤ111が機械的に接続されており、エンジン109の駆動力によりタイヤ111が回転し、車両を走行させる。また、制動による減速時には、車両の慣性によりタイヤ111が回転し、これによりエンジン109も回転する。この回転エネルギーにより発電機107が駆動され、回生電力が得られる。
このような車両に対し、前記回生電力を効率よく回収するために、発電機107にはDC/DCコンバータ113を介して前記蓄電部としての蓄電手段115が接続されている。蓄電手段115には前記蓄電素子として大容量の電気二重層キャパシタが用いられるので、急減速時等に発生する短期間の大電力を効率よく回収できる。また、DC/DCコンバータ113には、その動作を制御するために演算装置117が接続されている。さらに、演算装置117には前記車両側から様々な信号を受信するための信号受信用端子119が設けられている。従って、演算装置117は前記車両の走行状態やエンジン109の動作状態、主電源101の電圧状態等を信号受信用端子119から受信することにより、それらの状態に応じた蓄電手段115への充放電制御をDC/DCコンバータ113に対して行う。
このような構成の電力制御装置とすることで、短期間に発生する大電力を含む減速時の前記回生電力を、一旦蓄電手段115に充電しておき、減速時以外に、充電した前記回生電力を主電源101や負荷105に供給することができる。その結果、効率のよい制動エネルギーの回生が可能となる。
上記の電力制御装置によると、確かに効率的な回生により車両の省燃費化が可能となるのであるが、前記回生電力を定電流で蓄電手段115に充電するので、前記回生電力が小さい場合は回生による電流が小さくなり充電電流が不足する。この不足分は主電源101から持ち出されることになる。また、前記回生電力が大きい場合は、蓄電手段115を定電流充電するため、それ以上の電流を十分に回収できない場合がある。従って、制動時の状態によっては前記回生電力の回収効率が低下する可能性があるという課題があった。
これに対し、発電機107の出力電圧が一定である場合、前記回生電力が発生した際にDC/DCコンバータ113の入出力端(発電機107に接続されている側)の電圧を前記出力電圧より小さい定電圧になるように蓄電手段115を充電する構成が考えられる。これにより、前記回生電力は入出力端の電圧が低く制御されているDC/DCコンバータ113に供給される。従って、前記回生電力は、その電流値に影響されず蓄電手段115に充電されることになる。しかし、このような構成の場合も次のような課題が発生する。
蓄電手段115に用いられる前記電気二重層キャパシタやDC/DCコンバータ113の部品の中には、発電機107が設けられているエンジンルームに対する耐熱性が十分ではないものがあり、そのような部品で構成される場合は車室内やトランクルームなど高温にならない場所に設置する必要がある。従って、発電機107からDC/DCコンバータ113までの配線距離が長くなり、前記回生電力発生時の最大電流値(例えば100A)で蓄電手段115を充電しようとすると、前記入出力端が配線抵抗(例えば0.02Ω)による電圧降下(100A×0.02Ω=2V)を考慮した定電圧値になるようにDC/DCコンバータ113を制御する必要がある。この定電圧値(発電機107の発電電圧14.5Vより2V低い12.5V)により蓄電手段115を充電すると、100Aの回生電流が発生している場合は十分に回収することができる。しかし、例えば10Aの回生電流であれば、12.5V+10A×0.02Ω=12.7Vが発電機107と並列に接続された主電源101に印加されるので、前記回生電力が発生するまで発電機107によって14.5Vで充電されていた主電源101の電圧が急に12.7Vに下げられる。従って、発電機107だけでなく主電源101からも電力が持ち出されてしまう。一方、主電源101からの電力持ち出しを低減するために、前記定電圧値を高くする(例えば14.5V−10A×0.02Ω=14.3Vにする)と、10Aの回生電流であれば十分に回収できるが、100Aの回生電流が発生すれば、蓄電手段115への十分な回収ができない。ゆえに、定電流充電と同様に、制動時の状態によっては前記回生電力の回収効率が低下する可能性があるという課題があった。
また、蓄電手段115に蓄えられた前記回生電力を放電する場合、充電時と同様に前記入出力端が前記配線抵抗による電圧降下(負荷105の消費電流を100Aとすると2V)を考慮して、2V高い定電圧値(14.5V+2V=16.5V)になるようにDC/DCコンバータ113を制御する必要がある。ここで、負荷105の消費電流が100Aであれば蓄電手段115から負荷105に前記回生電力を供給できる。しかし、負荷105の消費電流が例えば10Aと小さい場合は16.5V−10A×0.02Ω=16.3Vが主電源101に印加されるので、蓄電手段115が回収した前記回生電力は主電源101にも供給(充電)されることになる。この場合、主電源101の内部抵抗による充放電時の損失が発生するため、効率が低下する可能性がある。なお、主電源101の前記損失を低減するために、前記定電圧値を低く設定する(例えば14.5V+10A×0.02Ω=14.7Vにする)と、負荷105の消費電流が10Aであれば負荷105に対して十分に電力を供給できるが、前記消費電流が100Aになると、蓄電手段115からの電力不足分が主電源101や発電機107から供給されることになるので、主電源101からの電力持ち出しや発電機107の駆動のために効率が低下する。
以上より、定電流充電を行った場合も、前記入出力端が定電圧になるように充放電を行った場合も効率が低下する可能性があるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、定電圧制御による蓄電部の充放電で効率を向上することができる電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電源装置は、主電源が接続される発電機の出力端子に電気的に接続されるDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの他端に電気的に接続された蓄電部と、前記出力端子と前記発電機のグランド端子に直接電気的に接続され、前記出力端子の出力電圧(Vd)を検出する出力電圧検出回路と、前記DC/DCコンバータおよび前記出力電圧検出回路と電気的に接続された制御回路とからなり、前記制御回路は、前記蓄電部を充電する際に、前記出力電圧(Vd)が前記発電機の既定出力電圧(Vdc)よりも第1既定電圧幅(ΔV1)だけ低い下方制御電圧(Vdk)になるように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電部を放電する際に、前記出力電圧(Vd)が前記既定出力電圧(Vdc)よりも第2既定電圧幅(ΔV2)だけ高い上方制御電圧(Vdu)になるように前記DC/DCコンバータを制御するようにしたものである。
本発明によれば、発電機とDC/DCコンバータが専用配線で直接接続されるとともに、前記発電機の出力電圧(Vd)が既定出力電圧(Vdc)に対して第1既定電圧幅(ΔV1)だけ下げるように制御して蓄電部を充電し、第2既定電圧幅(ΔV2)だけ上げるように制御して前記蓄電部を放電する。従って、前記発電機の出力電圧(Vd)が主電源の電圧に対して大きく異ならないように充放電を行うことができるので、発電電流や負荷消費電流が変化しても前記充放電における主電源101への電力の出入りを低減することができる。ゆえに、蓄電部の充放電における電源装置の効率を向上することができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電源装置のブロック回路図である。図2は本発明の実施の形態1における電源装置の出力電圧Vdと蓄電部電圧Vcの経時特性図である。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線を、それぞれ示す。
図1は本発明の実施の形態1における電源装置のブロック回路図である。図2は本発明の実施の形態1における電源装置の出力電圧Vdと蓄電部電圧Vcの経時特性図である。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線を、それぞれ示す。
図1において、発電機11はエンジン(図示せず)と機械的に接続されており、エンジンの回転に応じて電力を発生する。なお、発電機11の出力端子13における出力電圧Vdは、車両側制御回路(図示せず)からの既定出力電圧Vdcによって設定される構成とした。本実施の形態1では、既定出力電圧Vdcを14.5Vの一定値としている。
発電機11の出力端子13には、電力系の接続配線15により主電源17が電気的に接続されている。主電源17は鉛バッテリで構成される。さらに、出力端子13には電力系配線により負荷19とスタータ21が電気的に接続される。なお、負荷19は各種車載電装品であり、スタータ21は前記エンジンを始動するためのモータである。スタータ21は図示しないイグニションスイッチにより駆動、停止が制御される。なお、発電機11のグランド端子22は車両側のグランドに電気的に接続される。
また、出力端子13には、発電機11と主電源17との間の接続配線15とは別系統の配線により直接DC/DCコンバータ23の一端(入出力端子25)に接続される。一方、DC/DCコンバータ23の他端(蓄電部端子27)には蓄電部29が電気的に接続される。ここで、蓄電部29は定格電圧2.5Vの電気二重層キャパシタを4個直列に接続した構成とした。従って、蓄電部29の上限電圧Vcuは10Vとなる。なお、蓄電部29の過放電を防ぐために、下限電圧Vckは5Vと決定した。ゆえに、蓄電部電圧Vcは5Vから10Vまでの間を変化する。
これらのことから、DC/DCコンバータ23の入出力端子25の電圧は出力端子13における出力電圧Vd(14.5Vに設定)であり、蓄電部端子27の電圧は蓄電部電圧Vc(5〜10V)であるので、DC/DCコンバータ23は入出力端子25の電圧を降圧して蓄電部29を充電するとともに、蓄電部電圧Vcを昇圧して入出力端子25から放電する双方向コンバータ構成を有する。
また、出力端子13とグランド端子22には出力電圧検出回路31が信号系配線で直接電気的に接続されている。これにより、各配線における内部抵抗値に影響されず高精度にグランド端子22を基準とした出力端子13の出力電圧Vdを検出できる。
同様に、蓄電部端子27と蓄電部29の間には蓄電部電圧Vcを検出する蓄電部電圧検出回路33が電気的に接続されている。なお、蓄電部端子27と蓄電部29の配線距離は極めて短いため、図1に示すように蓄電部端子27と蓄電部29の正極との間であればどこに蓄電部電圧検出回路33を接続しても精度よく蓄電部電圧Vcを検出できる。
DC/DCコンバータ23、出力電圧検出回路31、蓄電部電圧検出回路33および前記車両側制御回路は、信号系配線により制御回路35と電気的に接続されている。制御回路35は出力電圧検出回路31で検出した出力電圧Vd、蓄電部電圧検出回路33で検出した蓄電部電圧Vcおよび前記車両側制御回路から出力される回生信号regに基いて、DC/DCコンバータ23の制御信号contを出力する。ここで、制御回路35は出力電圧Vdと蓄電部電圧Vcの、それぞれの基準信号との比較回路や、回生信号regが入力される論理回路、DC/DCコンバータ23をスイッチング動作させるパルス波形発生回路等(いずれも図示せず)により構成されている。なお、制御回路35はマイクロコンピュータと周辺回路によるデジタル回路構成としてもよい。
次に、このような電源装置の動作について図2を参照しながら説明する。なお、図2の横軸は時刻を、縦軸は電圧を、それぞれ示す。また、以下の説明において、車両の走行とは、車両が加速走行、定速走行、または運転者のブレーキ操作を伴わずに減速走行(慣性走行)している状態であると定義し、前記運転者のブレーキ操作を伴う減速走行については制動と呼ぶ。
図2において、時刻t0からt1では車両の制動が行われておらず通常の走行中であるとする。この際、図2に示すように、蓄電部電圧Vcは下限電圧Vck(=5V)であるとする。また、上記したように、発電機11の出力電圧Vdは既定出力電圧Vdc(=14.5V)となる。この状態では、制御回路35は蓄電部29の過放電を防ぐため、蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckを維持するようにDC/DCコンバータ23に制御信号contを出力する。
次に、時刻t1で前記運転者がブレーキを踏み前記車両を制動する。これにより、前記車両側制御回路は制動による回生電力を蓄電部29に充電するために、回生信号regをオン(例えばハイレベル)にして出力する。これを受け、制御回路35は出力電圧Vdが発電機11の既定出力電圧Vdcよりも第1既定電圧幅ΔV1だけ低い下方制御電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ23を制御する。
ここで、第1既定電圧幅ΔV1について説明する。第1既定電圧幅ΔV1は、発電機11の出力電圧最大誤差とDC/DCコンバータ23の電圧制御最大誤差の和である総誤差ΔVerより大きく、かつ、接続配線15の内部抵抗値Rsと、蓄電部29の充電時における主電源17から持ち出されることにより流れる、総誤差ΔVerを内部抵抗値Rsで除した値よりも大きい許容電流値Idとの積(=Rs×Id)より求められる電圧降下幅ΔVs以下となるように決定される。具体的には次のようになる。
本実施の形態1で用いた発電機11とDC/DCコンバータ23における総誤差ΔVerは0.05Vであり、接続配線15の内部抵抗値Rsは0.02Ωである。従って、総誤差ΔVerを内部抵抗値Rsで除した値は2.5Aとなる。ゆえに、蓄電部29の充電時に、総誤差ΔVerによって主電源17からは最大2.5Aの電流が持ち出されてしまう。この持ち出し電流は制御精度の関係から、これ以上低減することはできない。従って、蓄電部29の充電時に、本実施の形態1における電源装置の仕様として決定される主電源17からの許容電流値Idは必ず前記制御精度により決まる持ち出し電流値(2.5A)よりも大きくなければならない。しかし、上記したように、前記持ち出し電流値をできるだけ小さくした方が前記電源装置の効率を向上できるので、許容電流値Idは前記制御精度に対しマージンを加味し、前記持ち出し電流値の2倍である5Aと決定した。その結果、接続配線15の内部抵抗値Rsと許容電流値Idとの積(=Rs×Id)より求められる電圧降下幅ΔVsは0.02Ω×5A=0.1Vとなる。
これらのことから、第1既定電圧幅ΔV1は、総誤差ΔVer(=0.05V)より大きく、かつ電圧降下幅ΔVs(0.1V)以下となるように決定されるので、0.05V<ΔV1≦0.1Vを満たすようにすればよい。本実施の形態1では前記マージンを最大限に加味し、第1既定電圧幅ΔV1=0.1Vと決定した。
以上より、制御回路35は出力電圧Vdが発電機11の既定出力電圧Vdc(=14.5V)よりも第1既定電圧幅ΔV1(=0.1V)だけ低い下方制御電圧Vdk(=14.4V)になるようにDC/DCコンバータ23を制御することになる。
なお、上記したように理想的には第1既定電圧幅ΔV1が総誤差ΔVerに近くなるように決定すればよいが、例えば第1既定電圧幅ΔV1=0.06Vと決定すると、下方制御電圧Vdkは14.44Vとなる。この電圧値になるように制御できる高精度なDC/DCコンバータ23を用いている場合は、このような決定方法でもよいが、実際にはDC/DCコンバータ23の電圧制御変動幅を10mVの精度で抑制することは難しい。従って、下方制御電圧Vdkが総誤差ΔVerに近づくほど、前記電圧制御変動幅により出力電圧Vdが下方制御電圧Vdkより大きくなり、既定出力電圧Vdc(=14.5V)をも超えてしまう可能性がある。この場合は、蓄電部29への充電が中断してしまい、前記回生電力の回収効率が下がる可能性がある。以上のことから、前記電圧制御変動幅による前記マージンを考慮して第1既定電圧幅ΔV1を0.1Vに、下方制御電圧Vdkを14.4Vに、それぞれ決定した。
以上より、時刻t1で出力電圧Vdが下方制御電圧Vdkになるように制御回路35がDC/DCコンバータ23を制御すると、DC/DCコンバータ23は時刻t1の直前までの出力電圧Vd(=14.5V)を14.4Vに下げるために、発電機11から出力される回生電力を蓄電部29に充電するように動作する。その結果、蓄電部29には前記回生電力が充電されるに伴い、図2に示すように経時的に蓄電部電圧Vcが上昇する。同時に、出力電圧Vdは14.4V(=下方制御電圧Vdk)となる。
この蓄電部29の充電中は出力電圧Vdが14.4VになるようにDC/DCコンバータ23が動作するので、発電機11が発生する最大100Aの回生電流が蓄電部29に優先的に充電される。この時、主電源17からは上記したように最大5Aの許容放電電流値Idが持ち出されるものの、前記回生電流に比べ極めて少ないので、主電源17からの電力持ち出しを抑制することができ、その分、前記回生電力の回収効率を向上することができる。
次に、時刻t2に至ると、車両制動中であるが蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcu(=10V)に至る。これにより、制御回路35はDC/DCコンバータ23の制御対象を出力端子13の出力電圧Vdから蓄電部電圧Vcに切り替え、蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcuを維持するようにDC/DCコンバータ23を制御する。その結果、出力電圧VdはDC/DCコンバータ23により制御されなくなるので、本来の制御電圧である既定出力電圧Vdc(=14.5V)になる。
時刻t2から時刻t3までは車両制動中で、かつ蓄電部29が満充電状態にあることになる。従って、蓄電部29へは上限電圧Vcuを維持する程度の僅かな電流が流れるのみで、それ以外の回生電流は主電源17や負荷19に供給される。
次に、時刻t3で車両が停止する。これにより前記回生電力は発生しなくなるので、回生信号regはオフ(例えばローレベル)になる。この時点では、前記エンジンがアイドリング中であるので、発電機11は前記エンジンの燃料を消費して発電する状態となる。そこで、できるだけ燃料を消費する発電を抑制するために、制御回路35は蓄電部29に蓄えた前記回生電力を負荷19へ供給して有効利用するように制御する。すなわち、時刻t3で前記車両側制御回路から回生信号regのオフを受信すると、制御回路35は蓄電部29を放電するために、出力電圧Vdが既定出力電圧Vdcよりも第2既定電圧幅ΔV2だけ高い上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御する。
なお、第2既定電圧幅ΔV2の決定方法は上記した第1既定電圧幅ΔV1の場合とほぼ同じである。すなわち、第2既定電圧幅ΔV2は、総誤差ΔVer(=0.05V)より大きく、かつ、接続配線15の内部抵抗値Rs(=0.02Ω)と、蓄電部29の放電時における主電源17が充電されることにより流れる、総誤差ΔVerを内部抵抗値Rsで除した値よりも大きい許容電流値Id(ここでもマージンを考慮し5Aとした)との積(Rs×Ic)より求められる電圧降下幅ΔVs(=0.1V)以下となるように決定する。具体的には、第1既定電圧幅ΔV1と同様に、第2既定電圧幅ΔV2も0.1Vと決定した。
従って、制御回路35は出力電圧Vdが発電機11の既定出力電圧Vdc(=14.5V)よりも第2既定電圧幅ΔV2(=0.1V)だけ高い上方制御電圧Vdu(=14.6V)になるようにDC/DCコンバータ23を制御する。
なお、第2既定電圧幅ΔV2においても、第1既定電圧幅ΔV1と同様に理想的には総誤差ΔVerに近くなるように決定すればよいが、前記電圧制御変動幅によっては出力電圧Vdが上方制御電圧Vduより小さくなり、既定出力電圧Vdc(=14.5V)以下に至る可能性がある。この場合は、蓄電部29からの放電が中断してしまい、燃料を消費して発電機11が発電することになる。従って、その分の燃費が低下し前記車両の全体効率が下がる。さらに、次回の前記回生電力の発生までに蓄電部29の電力を消費し切れなくなることで、結果として前記回生電力の回収効率が下がる可能性がある。従って、第2既定電圧幅ΔV2を0.1Vに、上方制御電圧Vduを14.6Vに、それぞれ決定した。
以上より、時刻t3で出力電圧Vdが上方制御電圧Vduになるように制御回路35がDC/DCコンバータ23を制御すると、DC/DCコンバータ23は時刻t3の直前までの出力電圧Vd(=14.5V)を14.6Vに上げるために、蓄電部29から前記回生電力を放電するように動作する。その結果、蓄電部29から前記回生電力が放電されるに伴い、図2に示すように経時的に蓄電部電圧Vcが下降する。同時に、出力電圧Vdは14.6V(=上方制御電圧Vdu)となる。
この蓄電部29の放電中は出力電圧Vdが14.6VになるようにDC/DCコンバータ23が動作するので、発電機11の既定出力電圧Vdc(=14.5V)よりも高くなる。その結果、発電機11は発電電力の出力を停止する。ゆえに、前記エンジンにより発電機11が回されているものの、発電が行われないので、発電機11による前記エンジンへの機械的負担が軽くなる。その結果、前記エンジンの燃料消費が低減され省燃費が可能となる。また、蓄電部29の放電により主電源17は上記した最大5Aの許容充電電流値Icで充電が行われるものの、この電流値は極めて小さく、大部分の電流は負荷19に流れる。従って、主電源17による損失を抑制することができ、その分、前記回生電力を有効利用することができ効率が向上する。
その後、時刻t4で再び前記車両が走行を開始する。この時、図2に示すように、蓄電部電圧Vcはまだ下限電圧Vck(=5V)に至っていないので、制御回路35は引き続き蓄電部29を放電するため、出力電圧Vdが上方制御電圧Vdu(=14.6V)になるようにDC/DCコンバータ23を制御する。この走行時も発電機11は発電を行っていないので、発電機11による前記エンジンへの機械的負担が軽くなり、省燃費が可能となる。
次に、時刻t5で蓄電部電圧Vcが下限電圧Vck(=5V)に至ると、制御回路35はDC/DCコンバータ23の制御対象を出力端子13の出力電圧Vdから蓄電部電圧Vcに切り替え、蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckを維持するようにDC/DCコンバータ23を制御する。その結果、出力電圧VdはDC/DCコンバータ23により制御されなくなるので、本来の制御電圧である既定出力電圧Vdc(=14.5V)になり、以後は発電機11により発電された電力が主電源17や負荷19に供給される。また、蓄電部29へは下限電圧Vckを維持する程度の僅かな電流が発電機11から供給される。
時刻t5以降の状態は時刻t0と同じであるので、以後同様の動作を繰り返す。
ここまでで説明した通り、また図2の出力電圧Vdにも示すように、蓄電部29の充放電を行っても出力電圧Vdは下方制御電圧Vdkから上方制御電圧Vduまでの範囲しか変動しないので主電源17や負荷19の電圧安定化を図ることができる。
以上の構成、動作により、蓄電部29と主電源17の間の充放電量を低減することで前記回生電力の回収効率向上と有効利用が可能になるので、全体の効率が向上する電源装置を実現できる。
なお、本実施の形態1では、第1既定電圧幅ΔV1と第2既定電圧幅ΔV2を同じ値(0.1V)に決定したが、これらは総誤差ΔVerより大きく電圧降下幅ΔVs以下の範囲であれば互いに異なる値であってもよい。これによっても、前記範囲内であるので効率向上を図ることができる。また、蓄電部29の充電時に主電源17から持ち出されることにより流れる許容電流値Idと、蓄電部29の放電時に主電源17が充電されることにより流れる許容電流値Idとを、互いに異なる許容値として決定した場合には、前記範囲における電圧降下幅ΔVsが異なるので、それに応じて第1既定電圧幅ΔV1と第2既定電圧幅ΔV2を異なる値としてもよい。
また、本実施の形態1では制動中に蓄電部29が満充電される例について説明したが、制動期間が短く満充電されない場合は、蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcuに至っていなくても直ちに時刻t3の動作を行い、蓄電部29を放電する。これにより、少しでも前記回生電力を有効利用できる。
また、本実施の形態1では図2の時刻t4から時刻t5までの走行中に蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckに至る例について説明したが、走行期間が短くて下限電圧Vckまで蓄電部29が放電される前に制動された場合は、直ちに時刻t1の動作を行い、蓄電部29に前記回生電力を充電する。これによっても、蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcuに至るまで少しでも前記回生電力を回収でき、効率が向上する。
また、本実施の形態1では発電機11の既定出力電圧Vdcを14.5Vの一定値として説明したが、前記車両の使用状況により、例えば発電機11の温度が変化すると、既定出力電圧Vdcも変化する場合がある。それでも既定出力電圧Vdcを一定のままにしておくと、前記変化の程度によっては第1既定電圧幅ΔV1だけ下げたり、第2既定電圧幅ΔV2だけ上げたりしてDC/DCコンバータ23を制御したとしても、蓄電部29の充放電が正常に行えなくなる可能性がある。そこで、この場合、制御回路35は、DC/DCコンバータ23の制御対象が蓄電部電圧Vcとなっている際に、出力電圧検出回路31により検出した出力電圧Vdを既定出力電圧Vdcとして更新する。その結果、前記変化に追従して既定出力電圧Vdcが可変されるため、常に蓄電部29の充放電を正常に行うことができる。なお、DC/DCコンバータ23の制御対象が蓄電部電圧Vcになっている場合は、蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcu、または下限電圧Vckに至っている時である。この時、DC/DCコンバータ23は出力電圧Vdの制御を行わないので、その値は現在の発電機11が発電している電圧となる。ゆえに、温度等の影響で変化していても、その影響を含んだ既定出力電圧Vdcの設定が可能となる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における電源装置の出力電圧Vdと蓄電部電圧Vcの経時特性図である。なお、図3における横軸は時刻を、縦軸は電圧を、それぞれ示す。
図3は本発明の実施の形態2における電源装置の出力電圧Vdと蓄電部電圧Vcの経時特性図である。なお、図3における横軸は時刻を、縦軸は電圧を、それぞれ示す。
本実施の形態2では電源装置をアイドリングストップ車に搭載した場合について、その特徴となる動作を説明する。なお、本実施の形態2における電源装置の構成は実施の形態1の図1と同じであるので、詳細な説明を省略する。
まず、図3において時刻t0から時刻t3までの動作は実施の形態1と同じである。
次に、時刻t3で前記車両が停止すると前記エンジンも停止し、アイドリングストップ状態となる。この場合であっても、制御回路35の動作は図2の時刻t3における動作と同じである。これにより、蓄電部29が蓄えた前記回生電力が負荷19へ放電される。
次に、時刻t4で前記運転者がブレーキペダルからアクセルペダル(いずれも図示せず)に踏み替えて、前記車両を走行させる動作を行う。これらのペダル踏み替えを前記車両側制御回路が検出すると、直ちにスタータ21を駆動するよう制御する。その結果、スタータ21へは主電源17と放電中の蓄電部29の両方から電力が供給される。この時、スタータ21には数100Aの大電流が一時的に流れるので、蓄電部電圧Vcは図3に示すように急峻に低下する。但し、蓄電部電圧Vcは下限電圧Vck(=5V)に至っていないので、出力電圧Vdは上方制御電圧Vdu(=14.6V)を維持する。
その後、時刻t6でスタータ21の駆動が終了し、前記エンジンが再始動する。これにより、前記車両は走行を開始する。この時点においても蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckに至っていないので、負荷19の消費電力が変わっていなければ時刻t3から時刻t4までと同じ傾きで蓄電部電圧Vcは経時的に低下する。
次に、時刻t7で蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckに至ると、制御回路35はDC/DCコンバータ23の制御対象を出力端子13の出力電圧Vdから蓄電部電圧Vcに切り替え、蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckを維持するようにDC/DCコンバータ23を制御する。この動作は実施の形態1で述べた図2の時刻t5と同じ動作である。このように動作することで、蓄電部29の過放電の可能性を低減している。また、この動作により発電機11の既定出力電圧Vdc(=14.5V)が有効になるので、前記エンジンが再始動した時刻t6から時刻t7までの間は、発電機11の発電が停止していることになり、その分、省燃費が可能となる。
時刻t7以後では、次に回生信号regがオンになるまで、蓄電部電圧Vcは下限電圧Vckを維持する。この時刻t7以降の状態は時刻t0と同じであるので、以後同様の動作を繰り返す。
なお、本実施の形態2においても、図3の出力電圧Vdに示すように、蓄電部29の充放電を行っても出力電圧Vdは下方制御電圧Vdkから上方制御電圧Vduまでの範囲しか変動しないので主電源17や負荷19の電圧安定化を図ることができる。
以上の構成、動作により、前記車両がアイドリングストップ車であっても、前記回生電力の回収効率向上と有効利用が可能になるので、全体の効率が向上する電源装置を実現できる。
なお、本実施の形態2で述べたように、電源装置をアイドリングストップ車に適用することにより、蓄電部29が蓄えた前記回生電力をスタータ21により下限電圧Vckまで放電できる可能性が高くなるので、前記回生電力の利用効率が上がるとともに、次回の制動時にできるだけ多くの前記回生電力を充電できるので、さらなる回収効率の向上が可能となる。また、アイドリングストップ車は前記車両の停止時に前記エンジンを停止するので、その間の燃料消費がない。従って、本実施の形態2の電源装置を搭載したアイドリングストップ車は、車両トータルの効率が向上し省燃費が可能となる。
また、実施の形態1、2において、蓄電部電圧Vcは常に下限電圧Vck(=5V)以上である場合について述べたが、例えば車両保管中に蓄電部29の内部抵抗等により放電されると、次回の車両使用開始時に蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckより低くなることがある。この場合、制御回路35は、例えば前記エンジンの始動後に蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckに至るまで蓄電部29を初期充電するようDC/DCコンバータ23を制御すればよい。
また、実施の形態1、2において、回生信号regは前記運転者が前記ブレーキを踏んでいるか否かに応じたオンオフ信号としているが、これは燃料カット信号と対応させるようにしてもよい。これにより、前記車両が前記慣性走行を行っている場合にも蓄電部29に前記回生電力を充電することができ、さらなる回収効率の向上が図れる。但し、前記回生電力の回収により、前記エンジンへの発電機11の機械的負担が増すので、慣性走行距離が短くなる。従って、前記回生電力の回収量を重視するか、前記慣性走行距離を重視するかで、前記慣性走行時の回生電力回収を行うか否か、あるいは前記回収量の程度を決定するようにすればよい。
また、実施の形態1、2では、制御回路35が蓄電部29の充電時に発電機11の出力電圧Vdを第1既定電圧幅ΔV1だけ低い下方制御電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ23を制御する際、第1既定電圧幅ΔV1を総誤差ΔVerより大きく、かつ第1電圧降下幅ΔVs1以下となるように決定している。この第1既定電圧幅ΔV1は、上記範囲内であれば主電源17から蓄電部29への電力持ち出しを低減でき、前記回生電力の回収効率が上がるのであるが、例えば大電力を消費する負荷19の動作時に蓄電部29から電力を供給する車両システムである場合、前記回生電力の発電量が少なく蓄電部29を満充電できない際には主電源17から電力を持ち出してでも満充電にする必要性が発生することがある。この際には、第1既定電圧幅ΔV1を第1電圧降下幅ΔVs1よりも大きく設定するようにしてもよい。これにより、前記回生電力を蓄電部29に回収できるとともに、主電源17からの電力により蓄電部29を制動毎に満充電できる可能性が増大し、前記車両システムにおいても大電力を消費する負荷19への電力供給の確実性が増す。
また、実施の形態1、2では、制御回路35が蓄電部29の放電時に発電機11の出力電圧Vdを第2既定電圧幅ΔV2だけ高い上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御する際、第2既定電圧幅ΔV2を総誤差ΔVerより大きく、かつ第2電圧降下幅ΔVs2以下となるように決定している。この第2既定電圧幅ΔV2は、上記範囲内であれば蓄電部29から主電源17への充電をできるだけ低減でき、前記回生電力の主電源17における充電損失が抑制され効率が上がるのであるが、例えば主電源17の蓄電量を常に一定量以上に保つ車両システムにおいて、その蓄電量が少ない時に主電源17の前記充電損失が発生してでも蓄電部29からの前記回生電力を充電しておきたい場合がある。この際には、第2既定電圧幅ΔV2を第2電圧降下幅ΔVs2よりも大きく設定するようにしてもよい。これにより、前記回生電力を負荷19で有効利用できるとともに、主電源17の前記蓄電量も一定量以上に保つことが可能となる。
また、実施の形態1、2では、制御回路35は回生信号regがオンの時に蓄電部29を上限電圧Vcuまでの範囲で充電し、オフの時に下限電圧Vckまでの範囲で放電するようにDC/DCコンバータ23を制御しているが、これは回生信号regとは関係なく蓄電部29の充放電を行ってもよい。すなわち、制御回路35は、発電機11の通常発電時に出力電圧Vdが下方制御電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ23を制御することで蓄電部29を充電しておき、負荷19が大電力を消費する時に出力電圧Vdが上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御することで蓄電部29を放電する。このような動作により、主電源17への充放電を極力抑制した状態で、蓄電部29への充電と、負荷19が大電力を必要とする時の蓄電部29の放電が可能となる。その結果、前記回生電力の有効利用はできないものの、主電源17からの電力持ち出しや前記充電損失が抑制され電源装置全体の効率が向上するとともに、蓄電部29の充放電を行っても出力端子13の出力電圧Vdは下方制御電圧Vdkから上方制御電圧Vduまでの範囲しか変動しないので主電源17や負荷19の電圧安定化を図ることができる。
また、実施の形態1、2では、制御回路35は、蓄電部電圧Vcが上限電圧Vcuに至れば、上限電圧Vcuを維持するようにDC/DCコンバータ23を制御し、蓄電部電圧Vcが下限電圧Vckに至れば、下限電圧Vckを維持するようにDC/DCコンバータ23を制御しているが、これは前記車両の1回の制動により得られる回生電力量や負荷19の消費電力量に比べ十分に大きな容量値を有する蓄電部29を有し、さらに前記車両使用時に前記回生電力量と前記消費電力量がほぼ均衡するような車両システムの場合は、上限電圧Vcuや下限電圧Vckによる制御を特に行う必要はない。従って、このような車両システムにおいては蓄電部電圧検出回路33がない構成であってもよい。
なお、上記のような車両システムの場合、蓄電部電圧検出回路33を有しないため、DC/DCコンバータ23の制御対象を蓄電部電圧Vcとすることはできない。従って、実施の形態1で述べたような、DC/DCコンバータ23の制御対象が蓄電部電圧Vcとなっている際に、出力電圧検出回路31により検出した出力電圧Vdを既定出力電圧Vdcとして更新する動作を行うことができない。そこで、この場合、制御回路35は、例えばDC/DCコンバータ23が蓄電部29の充電動作と放電動作を切り替える時に、一瞬DC/DCコンバータ23を停止させる。この停止している際に、出力電圧検出回路31により検出した出力電圧Vdを既定出力電圧Vdcとして更新すればよい。なお、DC/DCコンバータ23が動作している間は出力電圧VdがDC/DCコンバータ23により制御されるため、発電機11の正確な電圧を検出できない。従って、DC/DCコンバータ23が停止している際の出力電圧Vdを検出する必要がある。
また、実施の形態1、2では、既定出力電圧Vdcを14.5Vの一定値としているが、これは車両の走行状態等に応じてあらかじめ決められた電圧になるように、前記車両側制御回路で可変される構成としてもよい。この場合、既定出力電圧Vdcの信号としてアナログ信号やデジタル信号を用いることができるが、前記アナログ信号を用いると、ノイズ等の影響で既定出力電圧Vdcが変動する可能性がある。従って、例えば車両用の通信規格に則ったデジタル信号により既定出力電圧Vdcが発電機11に入力される構成とすることで、前記ノイズ等の影響が小さく、さらに高精度に既定出力電圧Vdcを送信できる。ゆえに、前記回生電力を、より確実に回収でき効率が向上するため、前記デジタル信号を用いる構成が望ましい。
また、実施の形態1、2では、制御回路35は出力電圧Vdが下方制御電圧Vdk、または上方制御電圧VduになるようにDC/DCコンバータ23を制御する際に、DC/DCコンバータ23の目標とする制御電圧を直ちに下方制御電圧Vdk、または上方制御電圧Vduに設定している。これにより、例えば図2の時刻t1に示すように、出力電圧Vdは直ちに既定出力電圧Vdc(=14.5V)から下方制御電圧Vdk(=14.4V)に至る。しかし、負荷19によっては、このような急峻な電圧変化により突入電流が流れたり、動作が不安定になる可能性を有することがある。この場合は、出力電圧Vdが既定変化速度v(例えば1〜2V/秒)で下方制御電圧Vdk、または上方制御電圧Vduになるように制御する構成としてもよい。これにより、出力電圧Vdが既定変化速度vにより、ゆっくりと変化するので、前記突入電流を低減でき、その分の電力消費が少なくなる。従って、損失が低減し効率向上が可能となる。さらに、負荷19の動作が不安定になる可能性を低減することができる。
また、実施の形態1、2では、出力電圧検出回路31を出力端子13とグランド端子22に直接接続しているが、これは直接接続に限定されるものではなく、出力端子13に接続された電力系配線(例えば接続配線15の一部)や他のグランドに接続するようにしてもよい。但し、この場合は、出力端子13から出力電圧検出回路31の信号系配線が接続されるまでの電力系配線と、グランド端子22から前記他のグランドに接続されるまでの電力系配線の両者の合計抵抗値をあらかじめ求めておき、前記電力系配線に流れる電流値と前記合計抵抗値の積から電圧降下を計算して下方制御電圧Vdkや上方制御電圧Vduを補正する必要がある。従って、構成や制御が複雑になるので、実施の形態1、2で述べた出力電圧検出回路31を出力端子13とグランド端子22に直接接続する構成の方が望ましい。
また、実施の形態1、2では、蓄電部29に電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタや二次電池であってもよい。
また、実施の形態1、2では、電源装置を車両に適用した場合について説明したが、これに限らずクレーン等の建設機械やエレベータ等で回生電力を発生する装置に適用してもよい。
また、実施の形態1、2では、負荷19やスタータ21を電力消費電装品として出力端子13に電気的に接続しているが、これらは実施の形態1、2の電源装置において必須のものではない。すなわち、例えばアイドリングストップ車において発電機11がスタータ21の役割を有するモータジェネレータであり、蓄電部29に蓄えられた前記回生電力を前記モータジェネレータのみで消費する場合は、前記電源装置の最低限の構成に負荷19やスタータ21は不要である。同様に、前記電源装置を前記建設機械や前記エレベータに適用し、それらを駆動するモータが回生電力の発電を行う場合もおいても、蓄電部29に蓄えた前記回生電力を前記モータのみで消費する構成であれば負荷19は不要である。
本発明にかかる電源装置は蓄電部の充放電時における効率を向上できるので、特に制動時に回生電力を蓄電部に蓄え、必要な時に放電する電源装置等として有用である。
11 発電機
13 出力端子
15 接続配線
17 主電源
22 グランド端子
29 蓄電部
23 DC/DCコンバータ
31 出力電圧検出回路
33 蓄電部電圧検出回路
35 制御回路
13 出力端子
15 接続配線
17 主電源
22 グランド端子
29 蓄電部
23 DC/DCコンバータ
31 出力電圧検出回路
33 蓄電部電圧検出回路
35 制御回路
Claims (8)
- 主電源が接続される発電機の出力端子に電気的に接続されるDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータの他端に電気的に接続された蓄電部と、
前記出力端子と前記発電機のグランド端子に電気的に接続され、前記出力端子の出力電圧(Vd)を検出する出力電圧検出回路と、
前記DC/DCコンバータおよび前記出力電圧検出回路と電気的に接続された制御回路とからなり、
前記制御回路は、前記蓄電部を充電する際に、前記出力電圧(Vd)が前記発電機の既定出力電圧(Vdc)よりも第1既定電圧幅(ΔV1)だけ低い下方制御電圧(Vdk)になるように前記DC/DCコンバータを制御し、
前記蓄電部を放電する際に、前記出力電圧(Vd)が前記既定出力電圧(Vdc)よりも第2既定電圧幅(ΔV2)だけ高い上方制御電圧(Vdu)になるように前記DC/DCコンバータを制御するようにした電源装置。 - 前記蓄電部および前記制御回路に電気的に接続され、蓄電部電圧(Vc)を検出する蓄電部電圧検出回路をさらに設け、
前記制御回路は、前記蓄電部電圧(Vc)が上限電圧(Vcu)に至れば、前記上限電圧(Vcu)を維持するように前記DC/DCコンバータを制御し、
前記蓄電部電圧(Vc)が下限電圧(Vck)に至れば、前記下限電圧(Vck)を維持するように前記DC/DCコンバータを制御するようにした請求項1に記載の電源装置。 - 前記制御回路は、前記DC/DCコンバータの制御対象が前記蓄電部電圧(Vc)となっている際に、前記出力電圧検出回路により検出した前記出力電圧(Vd)を前記既定出力電圧(Vdc)として更新するようにした請求項2に記載の電源装置。
- 前記第1既定電圧幅(ΔV1)および前記第2既定電圧幅(ΔV2)は、前記発電機の出力電圧最大誤差と前記DC/DCコンバータの電圧制御最大誤差の和である総誤差(ΔVer)より大きく、かつ、前記発電機と前記主電源との間の接続配線の内部抵抗値(Rs)と、前記蓄電部の充放電時における前記主電源に流れる、前記総誤差(ΔVer)を前記内部抵抗値(Rs)で除した値よりも大きい許容電流値(Id)との積(Rs×Id)より求められる電圧降下幅(ΔVs)以下となるように決定された請求項1に記載の電源装置。
- 前記制御回路は、前記発電機が回生電力を発生している場合に前記蓄電部を充電するようにした請求項1に記載の電源装置。
- 前記既定出力電圧(Vdc)は、デジタル信号により前記発電機に入力されるようにした請求項1に記載の電源装置。
- 前記制御回路は、前記出力電圧(Vd)が既定変化速度(v)で前記下方制御電圧(Vdk)または前記上方制御電圧(Vdu)になるように、前記DC/DCコンバータを制御するようにした請求項1に記載の電源装置。
- 前記制御回路は、前記DC/DCコンバータが停止している際に、前記出力電圧検出回路により検出した前記出力電圧(Vd)を前記既定出力電圧(Vdc)として更新するようにした請求項1に記載の電源装置。
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JP2009153385A JP2011010500A (ja) | 2009-06-29 | 2009-06-29 | 電源装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014217084A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-17 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 電源装置 |
JP2015211576A (ja) * | 2014-04-28 | 2015-11-24 | 日立化成株式会社 | 電源システムおよび自動車 |
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JP2019169998A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 矢崎総業株式会社 | 電源装置 |
-
2009
- 2009-06-29 JP JP2009153385A patent/JP2011010500A/ja active Pending
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