JP2011009858A - ノードおよびネットワーク制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信を抑止して、ノードでの余分な電力消費を削減する。
【解決手段】送信可否判定処理部13Eにより、隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定し、MAC処理部11,12により、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する。
【選択図】 図1
【解決手段】送信可否判定処理部13Eにより、隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定し、MAC処理部11,12により、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、イーサネット(登録商標)通信技術に関し、特にRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づきツリートポロジーを形成してデータ通信を実現するリング型イーサネットの制御技術に関する。
ビル設備やプラント設備を監視制御する監視制御システムでは、情報収集機能や制御機能などの各種機能を有する通信機器をノードとして通信ネットワークを介して接続し、これらノード間でデータ通信を行うことにより、中央監視装置で個々の設備を監視制御するものとなっている。このような監視制御システムでは、通信ネットワークとしてイーサネットが用いられ、各ノード間でデータ通信用のMACフレームである通信フレームをやり取りすることにより、上位アプリケーションにおけるデータ通信が実現される。
イーサネットでは、複数のノードを接続する際、ハブやスイッチに各ノードをそれぞれ接続するスター配線方式が基本である。このようなスター配線方式は、比較的規模の小さいオフィス環境には適合するものの、ビル設備やプラント設備などの大規模な設備には必ずしも適合しない。その理由としては、スター配線方式では、ハブやスイッチと各ノードとをそれぞれ個別の配線を介して接続する必要があり、広範囲にわたってノードが設置されている場合には、ノード間を結ぶ配線が複雑化し、配線工事やメンテナンスの作業負担が増大するからである。
このようなイーサネットにおいて、各ノードをリング状に接続するリング型イーサネットが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。このリング型イーサネットは、通信経路内に存在するリングトポロジーによる通信エラーを回避するSTP(Spanning Tree Protocol/IEEE 802.1D)機能や、これを改良したRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol/IEEE 802.1w)機能などのネットワーク制御機能を用いて、システムの冗長化を実現することが可能となる。
図13Aは、典型的なリング型イーサネットシステムの構成例である。ここでは、5つのノードN1〜N5がリングにリング接続されている。通常、ノードに搭載されているRSTP機能では、リング接続されているノードのうちから1つのルートノード、例えばMACアドレスの最も小さいノードを選択する。図13Aの例では、ノードN1がルートノードとして選択されている。
この後、ルートノードと他のノードとの間でBPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれるネットワーク制御用のMACフレームである制御フレームをやり取りすることにより、例えばノード間のコストやノードの優先順位に基づいてツリートポロジーの現用系通信経路を設定する。
この後、ルートノードと他のノードとの間でBPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれるネットワーク制御用のMACフレームである制御フレームをやり取りすることにより、例えばノード間のコストやノードの優先順位に基づいてツリートポロジーの現用系通信経路を設定する。
具体的には、ルートノードを基準として、ルートノードからコストの最も高いノード間を結ぶセグメントを現用系通信経路以外の不要経路として選択し、この不要経路に接続された一方のノードのポートをブロッキングすることにより、障害時のバックアップ系通信経路として設定する。
この際、コストとしては、ルートノードから任意のノードまでの間に位置するノード台数に比例するパラメータが用いられ、その最大コストとなるノード間でブロッキングされる。
この際、コストとしては、ルートノードから任意のノードまでの間に位置するノード台数に比例するパラメータが用いられ、その最大コストとなるノード間でブロッキングされる。
図13Aの例では、ノードが1つ増えるごとにコストが100ずつ増加しているため、ルートノードN1から左回りでノードN4までの最大コスト200となり、ノードN3とノードN4の間を結ぶセグメントが不要経路と判断される。そして、この不要経路の端点に接続されているノードN3,N4のいずれか一方、例えばMACアドレスの大きい方のノードN4のポートでブロッキングされる。
このため、リングトポロジーからなる元のリングが、ルートノードN1からノードN3およびノードN4までの2つの枝経路からなるツリートポロジーに変更される。これにより、物理的にリングトポロジーを形成しているネットワークであっても、データループの発生が回避される。
このため、リングトポロジーからなる元のリングが、ルートノードN1からノードN3およびノードN4までの2つの枝経路からなるツリートポロジーに変更される。これにより、物理的にリングトポロジーを形成しているネットワークであっても、データループの発生が回避される。
このようにして、ツリートポロジーが形成された後、RSTPによる網管理処理は、ヘルシチェック段階へ移行する。図13Bは、ヘルシチェック動作を示す説明図である。ヘルシチェック段階では、ルートノードN1からノードN2方向とノードN5方向の2方向へ、障害監視用の制御フレームでForwarding BPDUを用いたヘルスチェックメッセージが定期的に送信される。各ノードN2〜N5は、ルートノードN1からのヘルスチェックメッセージを正常に受信した場合、後続のノードへ転送する。したがって、ヘルスチェックメッセージが正常に受信できない場合、ルートノードN1側に隣接するノードとの間のセグメントで障害が発生したことが確認できる。
このような場合、障害発生を確認したノードからルートノードとは逆方向へ再構築要求が送信される。この再構築要求の受信に応じて、ブロッキングしているノードは、当該ブロッキングを解除する。これにより、ブロッキングされていたバックアップ系通信経路が利用されて、新たな通信経路が再構築される。
このような従来技術では、RSTPによる網管理処理がヘルシチェック段階へ移行した後、各ノード間でデータ通信用のMACフレームである通信フレームをやり取りすることにより、上位アプリケーションにおけるデータ通信が開始される。
しかしながら、例えば通信フレームとして各ノード宛のブロードキャストフレームを受信した場合、各ノードは、通信経路上における後続ノードのポートでのブロッキング有無にかかわらず、受信した通信フレームを後続ノードへ転送するため、当該ノードと後続ノードとの間で余分な電力が消費されるという問題点があった。
しかしながら、例えば通信フレームとして各ノード宛のブロードキャストフレームを受信した場合、各ノードは、通信経路上における後続ノードのポートでのブロッキング有無にかかわらず、受信した通信フレームを後続ノードへ転送するため、当該ノードと後続ノードとの間で余分な電力が消費されるという問題点があった。
図14は、従来の通信フレームの転送を示す説明図である。
例えば、図14に示すように、ノードN4のうちノードN3側ポートにおいてブロッキングが行われているツリートポロジーでは、ノードN3がノードN2から通信フレームを正常に受信した場合、ノードN3からノードN4に対して通信フレームが転送される。また、ノードN4では、ノードN3側ポートをブロックキングしているため、ノードN3から転送された通信フレームを取り込むことなく廃棄する。したがって、ブロッキングポートを介して接続されているノードN3,N4間で、ネットワーク制御に必要外の通信フレームが送受信されていることになり、これらノードN3,N4において余分な電力が消費されることになる。
例えば、図14に示すように、ノードN4のうちノードN3側ポートにおいてブロッキングが行われているツリートポロジーでは、ノードN3がノードN2から通信フレームを正常に受信した場合、ノードN3からノードN4に対して通信フレームが転送される。また、ノードN4では、ノードN3側ポートをブロックキングしているため、ノードN3から転送された通信フレームを取り込むことなく廃棄する。したがって、ブロッキングポートを介して接続されているノードN3,N4間で、ネットワーク制御に必要外の通信フレームが送受信されていることになり、これらノードN3,N4において余分な電力が消費されることになる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信を抑止して、ノードでの余分な電力消費を削減できるリング型イーサネットの制御技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるノードは、リング状の通信経路を介して、各ノードに設けられた2つのポートをそれぞれの隣接ノードのポートと接続することにより、これらノードをリング状に接続するとともに、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいてノードのうちのいずれか1つのノードで、ポートのうちのいずれか一方のポートをブロッキング状態に設定して当該ポートでの通信フレームの転送を停止することにより、各ノードでツリートポロジーを形成してデータ通信を実現するリング型イーサネットシステムで用いられるノードであって、自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定する送信可否判定処理部と、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止するMAC処理部とを備えている。
この際、RSTPに基づく制御メッセージを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態であるか否かを当該制御メッセージで通知するポート状態通知処理部をさらに備えている。
また、本発明にかかるネットワーク制御方法は、リング状の通信経路を介して、各ノードに設けられた2つのポートをそれぞれの隣接ノードのポートと接続することにより、これらノードをリング状に接続するとともに、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいてノードのうちのいずれか1つのノードで、ポートのうちのいずれか一方のポートをブロッキング状態に設定して当該ポートでの通信フレームの転送を停止することにより、各ノードでツリートポロジーを形成してデータ通信を実現するリング型イーサネットシステムで用いられるネットワーク制御方法であって、ノードの送信可否判定処理部が、自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定する送信可否判定ステップと、ノードのMAC処理部が、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止するMAC処理ステップとを備えている。
この際、ノードのポート状態通知処理部が、RSTPに基づく制御メッセージを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態であるか否かを当該制御メッセージで通知する状態通知処理ステップをさらに備えてもよい。
本発明によれば、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信が抑止されるため、ノードでの余分な電力消費を削減することができる。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[本実施の形態の構成]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるノードについて説明する。図1は、本実施の形態にかかるノードの要部構成を示すブロック図である。
[本実施の形態の構成]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるノードについて説明する。図1は、本実施の形態にかかるノードの要部構成を示すブロック図である。
このノードNは、リング型イーサネットシステムを構築するデータ通信用のノードである。これらノードNは、リングLでリング状に接続されており、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいてリングLに対する冗長化制御処理を行う。リングLは、全二重イーサネットからなるリング状の通信経路であり、各ノードN間でデータ送受信を並列的に実行するため、リングLには2つの独立した通信線が設けられている。
ノードNには、主な機能部として、リング接続制御部10とアプリケーション処理部20とが設けられている。
リング接続制御部10は、リングLを介して他のノードNとの間のデータ通信(イーサネット準拠)を制御する機能を有している。
アプリケーション処理部20は、リング接続制御部10を介して他のノードNとの全二重イーサネット通信により、例えばビル設備やプラント設備を監視制御するための各種上位アプリケーション処理を実行する機能を有している。
リング接続制御部10は、リングLを介して他のノードNとの間のデータ通信(イーサネット準拠)を制御する機能を有している。
アプリケーション処理部20は、リング接続制御部10を介して他のノードNとの全二重イーサネット通信により、例えばビル設備やプラント設備を監視制御するための各種上位アプリケーション処理を実行する機能を有している。
リング接続制御部10には、主な処理部として、MAC処理部11,12、RSTP処理部13、および転送処理部14が設けられている。
MAC処理部11は、リング接続用のポートP1を介してリングLの一端L1と接続し、各ノードNとの間で各種MACフレームを送受信する機能と、RSTP処理部13によりポートP1に対してブロッキングが設定されている場合、ポートP1について、データ通信用のMACフレームである通信フレームの送受信を規制し、ネットワーク制御用のMACフレームである制御フレームのみを送受信する機能とを有している。
MAC処理部11は、リング接続用のポートP1を介してリングLの一端L1と接続し、各ノードNとの間で各種MACフレームを送受信する機能と、RSTP処理部13によりポートP1に対してブロッキングが設定されている場合、ポートP1について、データ通信用のMACフレームである通信フレームの送受信を規制し、ネットワーク制御用のMACフレームである制御フレームのみを送受信する機能とを有している。
これに加え、MAC処理部11は、隣接ノードから受信した制御フレームをRSTP処理部13へ出力する機能と、隣接ノードに対してポートP1から通信フレームを送信する際、後述する送信可否判定処理部13Eでの送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信可否判定処理部13Eでの送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する機能とを有している。
MAC処理部12は、リング接続用のポートP2を介してリングLの他端L2と接続し、各ノードNとの間で各種MACフレームを送受信する機能と、RSTP処理部13によりポートP1に対してブロッキングが設定されている場合、ポートP2について、データ通信用のMACフレームである通信フレームの送受信を規制し、ネットワーク制御用のMACフレームである制御フレームのみを送受信する機能とを有している。
これに加え、MAC処理部12は、隣接ノードから受信した制御フレームをRSTP処理部13へ出力する機能と、隣接ノードに対してポートP2から通信フレームを送信する際、後述する送信可否判定処理部13Eでの送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信可否判定処理部13Eでの送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する機能とを有している。
RSTP処理部13は、MAC処理部11,12とそれぞれ接続し、RSTPに基づいてリングLに対する冗長化制御処理を行う機能を有している。
RSTP処理部13には、主な処理部として、障害監視処理部13A、ルートID変更処理部13B、ルートID復旧処理部13C、障害解消処理部13D、送信可否判定処理部13E、およびポート状態通知処理部13Fが設けられている。
RSTP処理部13には、主な処理部として、障害監視処理部13A、ルートID変更処理部13B、ルートID復旧処理部13C、障害解消処理部13D、送信可否判定処理部13E、およびポート状態通知処理部13Fが設けられている。
障害監視処理部13Aは、ルートノードから定期的に送信されるヘルスチェックメッセージの正常受信の確認に応じて、自ノードに隣接する隣接ノードのうちルートノード側に隣接する上流ノードとの間を接続するセグメント(通信経路)での障害発生の有無を判定する機能と、上流ノードとの間のセグメントでの障害発生に応じて、自ノードに対応するルートノードを識別するための新たなルートIDとして自ノードIDを設定する処理と、相手ノードのルートIDを新たなルートIDへ変更指示するルートID変更通知を、上流ノードとは反対側に隣接する下流ノードへ送信する処理とを実行する機能と、ヘルスチェックメッセージの正常受信に応じて上流ノードに対して応答メッセージを返送する機能とを有している。
ルートID変更処理部13Bは、自ノードの上流ノードからのルートID変更通知の受信に応じて、自ノードの隣接ノードとの間のセグメントで行っている自ノードでのブロッキングを解除する処理と、ルートノードから定期的に送信されるヘルスチェックメッセージを下流ノード側から正常受信していない場合には、当該ルートID変更通知で指示された新たなルートIDへ自ノードのルートIDを変更するとともに、自ノードの下流ノードへ当該ルートID変更通知を転送し、ルートノードからのヘルスチェックメッセージを下流ノード側から正常受信している場合には、変更前のルートIDへの復旧を指示するルートID復旧通知を上流ノードへ返送する処理とを実行する機能とを有している。
ルートID復旧処理部13Cは、自ノードの下流ノードから受信したルートID復旧通知に応じて、自ノードのルートIDを変更前のルートIDへ復旧する処理と、自ノードが障害発生通知の受信ノードでない場合には、自ノードの上流ノードへ当該ルートID復旧通知を転送する処理と、自ノードが障害発生通知の受信ノードである場合には、上流ノードへ当該障害の解消を通知するための障害解消通知の間欠送信を開始する処理とを実行する機能を有している。
障害解消処理部13Dは、自ノードの下流ノードから受信した障害解消通知に応じて、下流ノードへ自ノードのMACアドレスを通知する処理と、下流ノードから当該下流ノードのMACアドレスを取得する処理と、これらMACアドレスの大小関係に応じた、自ノードまたは下流ノードのいずれか一方のノードで、当該障害セグメントのブロッキングを行う処理とを実行する機能を有している。
送信可否判定処理部13Eは、各種制御フレームを用いた自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得する機能と、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定する機能とを有している。
ポート状態通知処理部13Fは、各種制御フレームを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態に設定されているか否かを当該制御フレームに含めて送信する機能を有している。ポートに対するブロッキングの設定状態については、ノード内の記憶部(図示せず)に保存されており、ポート状態通知処理部13Fは、このブロッキングの設定状態を取得して制御フレームに含める。
転送処理部14は、MAC処理部11,12から入力されたMACフレームを、当該MACフレームに含まれる宛先情報に基づいて、これらMAC処理部11,12またはアプリケーション処理部20のいずれかへ転送する機能と、アプリケーション処理部20から入力されたMACフレームをMAC処理部11,12へ転送する機能とを有している。
[本実施の形態の動作]
次に、図2〜図8を参照して、本実施の形態にかかるノードの動作について説明する。図2は、障害発生受信処理を示すフローチャートである。図3は、ルートID変更処理を示すフローチャートである。図4は、ルートID復旧処理を示すフローチャートである。図5は、障害解消処理を示すフローチャートである。図6は、送信可否判定処理を示すフローチャートである。図7は、ポート状態通知処理を示すフローチャートである。図8は、通信フレーム送信処理を示すフローチャートである。
次に、図2〜図8を参照して、本実施の形態にかかるノードの動作について説明する。図2は、障害発生受信処理を示すフローチャートである。図3は、ルートID変更処理を示すフローチャートである。図4は、ルートID復旧処理を示すフローチャートである。図5は、障害解消処理を示すフローチャートである。図6は、送信可否判定処理を示すフローチャートである。図7は、ポート状態通知処理を示すフローチャートである。図8は、通信フレーム送信処理を示すフローチャートである。
ここでは、本実施の形態にかかるノードの主な動作として、第1の障害監視処理、第2の障害監視処理、障害発生受信処理、ルートID変更処理、ルートID復旧処理、障害解消処理、送信可否判定処理、および通信フレーム送信処理のそれぞれについて順に説明する。
なお、ノード間でやり取りするヘルスチェックメッセージ、応答メッセージ、および障害解消通知については、それぞれRSTPで用いる制御フレームである、Forwarding BPDU、Agree BPDU、およびPropose BPDUを利用するものとする。なお、Forwarding BPDU、Agree BPDU、およびPropose BPDUは、それぞれBPDU(Fd)、BPDU(Ag)、およびBPDU(Pr)と略す。また、ルートID変更通知、ルートID復旧通知、MACアドレスをやり取りについても、ノードN間で定期的に送受信するBPDUを用いて通知してもよい。
また、後述するポート状態通知処理により、これら制御フレームで、当該制御フレームの転送元となるノードのポート状態が転送元ノードへ通知される。なお、RSTPのBPDUには、通常、DP,RP,BP,UPからなる4種類のポート情報が含まれており、本実施の形態では、これらポート情報を利用してもよい。DP(Designated Port)は、BPDU(Fd)を送信するポートを示し、RP(Root Port)はBPDU(Fd)を受信し、BPDU(Ag)を返信するポートを示している。また、BP(Blocking Port)は、ブロッキング状態に設定されているポートを示し、UP(Unknown Port)は、状態未定ポートを示している。以下では、これらポート情報を利用してポート情報を隣接ノードへ通知する場合を例として説明する。
[障害監視処理]
まず、図2を参照して、本実施の形態にかかるノードの障害監視処理について説明する。
リング型イーサネットシステムにおいて、ツリートポロジーが形成された後、RSTPによる網管理処理がヘルシチェック段階へ移行する。図9は、正常時におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。ここでは、ルートノードN1からノードN3およびノードN4までの2つの枝経路からなるツリートポロジーが形成されている。
まず、図2を参照して、本実施の形態にかかるノードの障害監視処理について説明する。
リング型イーサネットシステムにおいて、ツリートポロジーが形成された後、RSTPによる網管理処理がヘルシチェック段階へ移行する。図9は、正常時におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。ここでは、ルートノードN1からノードN3およびノードN4までの2つの枝経路からなるツリートポロジーが形成されている。
ヘルシチェック段階では、ルートノードN1のRSTP処理部13において、RSTP機能に基づく冗長化制御処理が行われており、リングの正常性確認を目的として、ルートノードN1から定期的にヘルシチェックメッセージとしてBPDU(Fd)が送信されている。これにより、ルートノードN1からノードN2とノードN4の2つの枝経路へBPDU(Fd)が送信され、ノードN2でBPDU(Fd)が中継転送されてノードN3まで送信される。また、これらBPDU(Fd)により、転送元ノードのポート状態としてDPが通知されている。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、障害監視処理部13Aにより、常時、図2の障害監視処理を実行して、MAC処理部11,12によるBPDUの正常受信を監視することによりリングの正常性を確認している。
障害監視処理部13Aは、まず、MAC処理部11,12により、BPDU(Fd)の受信タイミングに応じて、ルートノードN1からのBPDU(Fd)の受信を待機し(ステップ100)、BPDU(Fd)の受信タイミングやBPDU(Fd)に含まれるデータの整合性を検査することによりBPDU(Fd)の正常受信を確認する(ステップ101)。
ここで、自ノードに対してルートノードN1側に隣接する上流ノードとの間のセグメントで障害が発生し、ルートノードN1からのBPDU(Fd)の正常受信を確認できなかった場合(ステップ101:NO)、障害監視処理部13Aは、自ノードのMACアドレスを記憶部(図示せず)から読み出し、自ノードのMACアドレスを新たなルートIDとして記憶部へ設定する(ステップ102)。この際、自ノードが障害発生を検出したノードである旨を記憶部へ記録しておく。
続いて、障害監視処理部13Aは、自ノードに対してルートノードN1とは反対側に隣接する下流ノードへ、当該下流ノードのルートIDを、障害発生を検出した自ノードのMACアドレスからなる新たなルートIDへ変更する指示を含むルートID変更通知を、MAC処理部11,12から送信し(ステップ103)、ステップ100へ戻る。
一方、ステップ101において、BPDU(Fd)の正常受信を確認できた場合(ステップ101:YES)、障害監視処理部13Aは、このBPDU(Fd)に対する応答メッセージとして、上流ノードへBPDU(Ag)を返送し(ステップ104)、ステップ100へ戻る。
[ルートID変更処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかるノードのルートID変更処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、上流ノードからルートID変更通知を受信した場合、ルートID変更処理部13Bにより、図3のルートID変更処理を実行する。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかるノードのルートID変更処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、上流ノードからルートID変更通知を受信した場合、ルートID変更処理部13Bにより、図3のルートID変更処理を実行する。
ルートID変更処理部13Bは、まず、自ノードのポートP1,P2のいずれかでブロッキングを行っているか確認し(ステップ110)、ブロッキングを行っている場合には(ステップ110:YES)、そのブロッキングを解除して(ステップ111)、ステップ112へ移行し、ブロッキングを行っていない場合には(ステップ110:NO)、直ちにステップ112へ移行する。
続いて、ルートID変更処理部13Bは、下流ノードから、ルートノードN1からのBPDU(Fd)を正常受信しているか確認する(ステップ112)。
ここで、BPDU(Fd)を正常受信していない場合(ステップ112:NO)、ルートID変更処理部13Bは、受信したルートID変更通知で指定された新たなルートIDを、自ノードのルートIDとして記憶部に設定し(ステップ113)、当該ルートID変更通知を下流ノードへ転送し(ステップ114)、一連のルートID変更処理を終了する。
ここで、BPDU(Fd)を正常受信していない場合(ステップ112:NO)、ルートID変更処理部13Bは、受信したルートID変更通知で指定された新たなルートIDを、自ノードのルートIDとして記憶部に設定し(ステップ113)、当該ルートID変更通知を下流ノードへ転送し(ステップ114)、一連のルートID変更処理を終了する。
一方、ルートノードN1からのBPDU(Fd)を正常受信している場合(ステップ112:YES)、ルートID変更処理部13Bは、上流ノードのルートIDを元のルートノードN1のMACアドレスからなる元のルートIDへの復旧指示を含むルートID復旧通知を、当該ルートID変更通知を受信した隣接ノードへ送信し(ステップ115)、一連のルートID変更処理を終了する。
[ルートID復旧処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるノードのルートID復旧処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、下流ノードからルートID復旧通知を受信した場合、ルートID復旧処理部13Cにより、図4のルートID復旧処理を実行する。
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるノードのルートID復旧処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、下流ノードからルートID復旧通知を受信した場合、ルートID復旧処理部13Cにより、図4のルートID復旧処理を実行する。
ルートID復旧処理部13Cは、受信したルートID復旧通知で指定された元のルートノードN1のルートIDを、自ノードのルートIDとして記憶部に設定する(ステップ120)。この際、ルートID復旧通知に元のルートIDを含めて通知してもよく、各ノードで保存しておいた直前のルートIDを復旧させてもよい。
続いて、ルートID復旧処理部13Cは、記憶部を参照して、自ノードが障害発生通知の受信ノードかどうか確認する(ステップ121)。
ここで、自ノードが障害発生通知の受信ノードでない場合(ステップ121:NO)、ルートID復旧処理部13Cは、上流ノードへ当該ルートID復旧通知を転送し(ステップ122)、一連のルートID変更処理を終了する。
ここで、自ノードが障害発生通知の受信ノードでない場合(ステップ121:NO)、ルートID復旧処理部13Cは、上流ノードへ当該ルートID復旧通知を転送し(ステップ122)、一連のルートID変更処理を終了する。
一方、自ノードが障害発生通知の受信ノードであった場合(ステップ121:YES)、ルートID復旧処理部13Cは、障害が発生しているセグメントを接続しているポートP1,P2のいずれかで、当該セグメントのブロッキングを行い(ステップ123)、一連のルートID変更処理を終了する。なお、当該セグメントで障害が発生していることから、リングがループ接続させることはないため、ステップ123のブロッキングを省いてもよい。
[障害解消処理]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるノードの障害解消処理について説明する。
ルートノードN1およびノードN2〜N5のRSTP処理部13は、自ノードに隣接する隣接ノードとの間のセグメントで発生していた障害が解消され、当該隣接ノードとの間でデータ通信が可能となった場合、障害解消処理部13Dにより、図5の障害解消処理を実行する。
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるノードの障害解消処理について説明する。
ルートノードN1およびノードN2〜N5のRSTP処理部13は、自ノードに隣接する隣接ノードとの間のセグメントで発生していた障害が解消され、当該隣接ノードとの間でデータ通信が可能となった場合、障害解消処理部13Dにより、図5の障害解消処理を実行する。
障害解消処理部13Dは、まず、当該隣接ノードとの間で相互にルートIDと自ノードのMACアドレスをやり取りする(ステップ130)。ここで、両ルートIDがともにルートノードN1を示す「1」であり、両ルートIDが一致することから、当該セグメントの接続により、リングがループ状に接続されるため、ブロッキングが必要となる。
したがって、障害解消処理部13Dは、ブロッキングの位置を決定するため、自MACアドレスと相手MACアドレスとを大小比較する(ステップ131)。
したがって、障害解消処理部13Dは、ブロッキングの位置を決定するため、自MACアドレスと相手MACアドレスとを大小比較する(ステップ131)。
ここで、自MACアドレスが相手MACアドレスより大きい場合(ステップ131:YES)、障害が解消されたセグメントを接続しているポートP1,P2のいずれかでブロッキングを行い(ステップ132)、一連の障害解消処理を終了する。
一方、自MACアドレスが相手MACアドレスより小さい場合(ステップ131:NO)、相手ノードでブロッキングが行われるため、障害解消処理部13Dは、直ちに一連の障害解消処理を終了する。なお、両ルートIDが一致しない場合、ブロッキングは不要となる。
一方、自MACアドレスが相手MACアドレスより小さい場合(ステップ131:NO)、相手ノードでブロッキングが行われるため、障害解消処理部13Dは、直ちに一連の障害解消処理を終了する。なお、両ルートIDが一致しない場合、ブロッキングは不要となる。
[送信可否判定処理]
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかるノードの送信可否判定処理について説明する。
各ノードN1〜N5のRSTP処理部13は、ネットワーク制御に用いられる制御フレームである各種BPDUを、それぞれの隣接ノードからMAC処理部11,12を介して受信した際、送信可否判定処理部13Eにより、図6の送信可否判定処理を実行する。
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかるノードの送信可否判定処理について説明する。
各ノードN1〜N5のRSTP処理部13は、ネットワーク制御に用いられる制御フレームである各種BPDUを、それぞれの隣接ノードからMAC処理部11,12を介して受信した際、送信可否判定処理部13Eにより、図6の送信可否判定処理を実行する。
送信可否判定処理部13Eは、まず、受信したBPUDから、当該BPUDを受信した隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得する(ステップ140)。
続いて、送信可否判定処理部13Eは、当該自ノード側ポートがブロッキング状態にあるか否か判断する(ステップ141)。
続いて、送信可否判定処理部13Eは、当該自ノード側ポートがブロッキング状態にあるか否か判断する(ステップ141)。
ここで、当該自ノード側ポートがブロッキング状態にある場合(ステップ141:YES)、送信可否判定処理部13Eは、これ以降に当該隣接ノードへ転送するデータ通信用の通信フレームについて送信不可と判定し(ステップ142)、一連の送信可否判定処理を終了する。
一方、当該自ノード側ポートがブロッキング状態にない場合(ステップ141:NO)、送信可否判定処理部13Eは、これ以降に当該隣接ノードへ転送する通信フレームについて送信可と判定し(ステップ143)、一連の送信可否判定処理を終了する。
一方、当該自ノード側ポートがブロッキング状態にない場合(ステップ141:NO)、送信可否判定処理部13Eは、これ以降に当該隣接ノードへ転送する通信フレームについて送信可と判定し(ステップ143)、一連の送信可否判定処理を終了する。
[ポート状態通知処理]
次に、図7を参照して、本実施の形態にかかるノードのポート状態通知処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、転送処理部14からの送信要求に応じてデータ通信用の通信フレームを隣接ノードへ送信する場合、図7のポート状態通知処理を実行する。
次に、図7を参照して、本実施の形態にかかるノードのポート状態通知処理について説明する。
ルートノードN1以外の各ノードN2〜N5のRSTP処理部13は、転送処理部14からの送信要求に応じてデータ通信用の通信フレームを隣接ノードへ送信する場合、図7のポート状態通知処理を実行する。
ポート状態通知処理部13Fは、RSTP処理部13から各種制御フレームを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートのポート状態を、ノード内の記憶部(図示せず)から取得する(ステップ150)。
この後、ポート状態通知処理部13Fは、当該ポート状態を送信する制御フレームへ格納して、MAC処理部11,12から隣接ノードへ送信し(ステップ151)、一連のポート状態通知処理を終了する。
この後、ポート状態通知処理部13Fは、当該ポート状態を送信する制御フレームへ格納して、MAC処理部11,12から隣接ノードへ送信し(ステップ151)、一連のポート状態通知処理を終了する。
[通信フレーム送信処理]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかるノードの通信フレーム送信処理について説明する。
各ノードN1〜N5のMAC処理部11,12は、転送処理部14からの送信要求に応じてデータ通信用の通信フレームを隣接ノードへ送信する場合、図8の通信フレーム送信処理を実行する。
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかるノードの通信フレーム送信処理について説明する。
各ノードN1〜N5のMAC処理部11,12は、転送処理部14からの送信要求に応じてデータ通信用の通信フレームを隣接ノードへ送信する場合、図8の通信フレーム送信処理を実行する。
MAC処理部11,12は、まず、転送処理部14からの送信要求で指定された、通信フレームを送信すべき隣接ノードに関する送信可否判定結果を送信可否判定処理部13Eから取得する(ステップ160)。
続いて、MAC処理部11,12は、送信可否判定結果の内容を確認し(ステップ161)、送信可否判定結果が隣接ノードに対する通信フレームについて送信可を示す場合(ステップ161:YES)、MAC処理部11,12は、当該隣接ノードに対して通信フレームを、対応するポートP1,P2から当該隣接ノードへ送信し(ステップ162)、一連の通信フレーム送信処理を終了する。
続いて、MAC処理部11,12は、送信可否判定結果の内容を確認し(ステップ161)、送信可否判定結果が隣接ノードに対する通信フレームについて送信可を示す場合(ステップ161:YES)、MAC処理部11,12は、当該隣接ノードに対して通信フレームを、対応するポートP1,P2から当該隣接ノードへ送信し(ステップ162)、一連の通信フレーム送信処理を終了する。
一方、送信可否判定結果が当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可を示す場合(ステップ161:NO)、MAC処理部11,12は、当該通信フレームの送信を停止し(ステップ163)、一連の通信フレーム送信処理を終了する。
[動作例]
次に、本実施の形態にかかるノードおよびリング型イーサネットシステムの動作例について説明する。ここでは、前述した図9のリング型イーサネットシステムにおいて、ルートノードN1とノードN2の間のセグメントで障害が発生した場合の障害発生動作、およびルートノードN1とノードN2の間のセグメントで発生した障害が解消された場合の障害解消動作について、それぞれ説明する。
次に、本実施の形態にかかるノードおよびリング型イーサネットシステムの動作例について説明する。ここでは、前述した図9のリング型イーサネットシステムにおいて、ルートノードN1とノードN2の間のセグメントで障害が発生した場合の障害発生動作、およびルートノードN1とノードN2の間のセグメントで発生した障害が解消された場合の障害解消動作について、それぞれ説明する。
前述したように、図9のリング型イーサネットシステムでは、ツリートポロジーが形成された後、ルートノードN1のRSTP処理部13において、RSTP機能に基づく冗長化制御処理が行われており、リングの正常性確認を目的として、ルートノードN1から定期的にヘルスチェックメッセージが送信されており、ルートノードN1のポート状態通知処理部13Fにより、ヘルスチェックメッセージとしてポート状態DPを含むBPDU(Fd,DP)が送信されている。
これにより、ルートノードN1からノードN2とノードN5の2つの枝経路へ、並行してBPDU(Fd)が送信され、同様にして、ノードN2でBPDU(Fd,DP)が中継転送されてノードN3まで送信され、ノードN5でBPDU(Fd,DP)が中継転送されてノードN4まで送信される。
この際、図9に示すように、ノードN4のノードN3側ポートでブロッキングが行われている。したがって、ノードN3からのBPDU(Fd,DP)はノードN4で受信されるものの、ノードN4からノードN5へは転送されず廃棄される。同様にノードN5からのBPDU(Fd,DP)はノードN4で受信されるものの、ノードN4からノードN3へは転送されず廃棄される。
この際、図9に示すように、ノードN4のノードN3側ポートでブロッキングが行われている。したがって、ノードN3からのBPDU(Fd,DP)はノードN4で受信されるものの、ノードN4からノードN5へは転送されず廃棄される。同様にノードN5からのBPDU(Fd,DP)はノードN4で受信されるものの、ノードN4からノードN3へは転送されず廃棄される。
一方、各ノードN2〜N5の障害監視処理部13Aで、ルートノードN1からのBPDU(Fd,DP)の正常受信が確認できている場合、BPDU(Fd,DP)の受信に応じて、BPDU(Ag)がそれぞれ返送される。図10Aは、正常時における応答メッセージの転送を示す説明図である。ここでは、ノードN4の上流側ポートがブロッキング状態であることから、ノードN4からのBPDU(Ag,BP)でポート状態がBPである旨がノードN3へ通知され、他のノードN2,N3,N5では、BPDU(Ag,RP)でポート状態がRPである旨がノードN1,N2,N1通知される。
したがって、ノードN3の送信可否判定処理部13Eにより、ノードN4からの(Ag,BP)に基づき、ノードN4のノードN3側ポートがブロッキング状態であると認識され、これ以降、ノードN3のMAC処理部11,12での通信フレーム送信処理により、ノードN3からノードN4に対する通信フレームの送信が停止される。
図10Bは、正常時における通信フレームの転送を示す説明図である。ノードN2から送信開始されたブロードキャストの通信フレームは、ノードN3においてノードN4への送信が停止される。これにより、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信が抑止され、ノードでの余分な電力消費が削減される。
図10Bは、正常時における通信フレームの転送を示す説明図である。ノードN2から送信開始されたブロードキャストの通信フレームは、ノードN3においてノードN4への送信が停止される。これにより、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信が抑止され、ノードでの余分な電力消費が削減される。
[障害発生動作]
次に、図11A〜図11Eを参照して、障害発生動作について説明する。図11Aは、障害発生時におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図11Bは、ルートID変更通知の転送を示す説明図である。図11Cは、ルートID復旧通知の転送を示す説明図である。図11Dは、障害発生後におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図11Eは、障害発生後における通信フレームの転送を示す説明図である。
次に、図11A〜図11Eを参照して、障害発生動作について説明する。図11Aは、障害発生時におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図11Bは、ルートID変更通知の転送を示す説明図である。図11Cは、ルートID復旧通知の転送を示す説明図である。図11Dは、障害発生後におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図11Eは、障害発生後における通信フレームの転送を示す説明図である。
図11Aに示すように、ルートノードN1とノードN2の間のセグメントで障害が発生した場合、ルートノードN1が送信したBPDU(Fd,DP)がノードN2へ届かなくなる。
これに応じて、ノードN2は、障害監視処理部13Aにより、ルートノードN1との間のセグメントでの障害発生を検出し、図11Bに示すように、自MACアドレス「2」を自ノードN2のルートIDとして設定するとともに、下流ノードN3へルートID変更通知を送信する。
これに応じて、ノードN2は、障害監視処理部13Aにより、ルートノードN1との間のセグメントでの障害発生を検出し、図11Bに示すように、自MACアドレス「2」を自ノードN2のルートIDとして設定するとともに、下流ノードN3へルートID変更通知を送信する。
一方、ノードN3は、上流ノードN2からルートID変更通知を受信した場合、ルートID変更処理部13Bにより、通知されたMACアドレス「2」を自ノードN3のルートIDとして設定するとともに、下流ノードN4へルートID変更通知を送信する。
ノードN4では、ノードN3からのルートID変更通知の受信した場合、ルートID変更処理部13Bにより、図11Cに示すように、ブロッキングを解除する。この場合、ノードN4は、ノードN5を介してルートノードN1からBPDU(Fd,DP)を正常受信しているので、ルートID復旧通知を上流ノードN3へ返送する。
ノードN4では、ノードN3からのルートID変更通知の受信した場合、ルートID変更処理部13Bにより、図11Cに示すように、ブロッキングを解除する。この場合、ノードN4は、ノードN5を介してルートノードN1からBPDU(Fd,DP)を正常受信しているので、ルートID復旧通知を上流ノードN3へ返送する。
ノードN3は、ノードN4からのルートID復旧通知の受信に応じて、ルートID復旧処理部13Cにより、自ノードN3のルートIDを元のルートノードN1に復旧する。この場合、自ノードが障害発生受信ノードでないことから、上流ノードN2へルートID復旧通知を転送する。
ノードN2は、ノードN3からのルートID復旧通知の受信に応じて、ルートID復旧処理部13Cにより、自ノードN2のルートIDを元のルートノードN1に復旧する。この場合、自ノードが障害発生受信ノードであることから、障害検出側のポートをブロッキング状態に設定する。
ノードN2は、ノードN3からのルートID復旧通知の受信に応じて、ルートID復旧処理部13Cにより、自ノードN2のルートIDを元のルートノードN1に復旧する。この場合、自ノードが障害発生受信ノードであることから、障害検出側のポートをブロッキング状態に設定する。
したがって、リング型イーサネットシステムのトポロジーは、ルートノードN1からノードN5,N4,N3,N2の1つの枝経路へ変更され、これ以降、ルートノードN1からのBPDU(Fd,DP)は、ノードN5,N4,N3,N2の順で転送されることになる。ここで、ノードN3は、ノードN4からのBPDU(Fd,DP)に基づいて、送信可否判定処理部13Eにより、ノードN4のポートがブロッキング状態ではなくなったことを確認し、ノードN4に対する通信フレームについて送信可と判定する。
これにより、障害発生後、ノードN3からノードN4に対する通信フレームの送信が再開され、例えばノードN2から送信開始されたブロードキャストの通信フレームは、図11Eに示すように、ノードN3からノードN4へ送信され、ルートノードN1まで転送される。
なお、ノードN2では、自ノードでルートノードN1側ポートをブロッキングしていることから、当該ポートについて通信フレームの送信は停止する。また、ルートノードN1において、ノードN2からのBPUD(Ag)が返送されないことから、ノードN2との間のセグメントでの障害発生を確認でき、当該ポートについて通信フレームの送信は停止する。
なお、ノードN2では、自ノードでルートノードN1側ポートをブロッキングしていることから、当該ポートについて通信フレームの送信は停止する。また、ルートノードN1において、ノードN2からのBPUD(Ag)が返送されないことから、ノードN2との間のセグメントでの障害発生を確認でき、当該ポートについて通信フレームの送信は停止する。
[障害解消動作]
次に、図12A〜図12Dを参照して、障害解消動作について説明する。図12Aは、障害解消処理(ハンドシェーク)を示す説明図である。図12Bは、障害解消後におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図12Cは、障害解消後における応答メッセージの転送を示す説明図である。図12Dは、障害解消後における通信フレームの転送を示す説明図である。
次に、図12A〜図12Dを参照して、障害解消動作について説明する。図12Aは、障害解消処理(ハンドシェーク)を示す説明図である。図12Bは、障害解消後におけるヘルシチェックメッセージの転送を示す説明図である。図12Cは、障害解消後における応答メッセージの転送を示す説明図である。図12Dは、障害解消後における通信フレームの転送を示す説明図である。
リング型イーサネットシステムにおいて、いずれかのセグメントで障害が発生した場合、この障害セグメントの両端に接続されているノード間で、相手ノードに対してBPDU(Pr)の送信が開始される。ここで、障害が解消された場合、相手ノードからのBPDU(Pr)が互いのノードへ届くことになり、両ノードはデータ通信が可能となったことを確認する。
したがって、図12Aに示すように、ノードN2とノードN3との間での障害解消処理(ハンドシェーク)により、MACアドレスが相互に交換され、ブロッキングする位置が再決定される。この場合、両MACアドレスの大きい方のノードN2側で改めてブロッキングが行われる。
したがって、図12Aに示すように、ノードN2とノードN3との間での障害解消処理(ハンドシェーク)により、MACアドレスが相互に交換され、ブロッキングする位置が再決定される。この場合、両MACアドレスの大きい方のノードN2側で改めてブロッキングが行われる。
これにより、このリング型イーサネットシステムは、図12Bに示すように、バックアップ系通信経路として、ルートノードN1に対してノードN2を接続する経路と、ルートノードN1からノードN5,N4,N3を接続する経路の2の枝経路を持つツリートポロジーを持つことになる。したがって、BPDU(Fd,DP)は、ルートノードN1からノードN2へ送信されるとともに、ルートノードN1からノードN5,N4,N3へ送信されることになる。
また、各ノードN2〜N5で、ルートノードN1からのBPDU(Fd,DP)の正常受信が確認できている場合、BPDU(Fd,DP)の受信に応じて、図12Cに示すように、BPDU(Ag)がそれぞれ返送される。ここでは、ノードN2のルートノードN1側ポートがブロッキング状態であることから、ノードN2からのBPDU(Ag,BP)でポート状態がBPである旨がルートノードN1へ通知され、他のノードN3〜N5では、BPDU(Ag,RP)でポート状態がRPである旨がノードN2〜N4,N1へ通知される。
したがって、ルートノードN1の送信可否判定処理部13Eにより、ノードN2からの(Ag,BP)に基づき、ノードN2のルートノードN1側ポートがブロッキング状態であると認識され、これ以降、図12Dに示すように、ルートノードN1のMAC処理部11,12での通信フレーム送信処理により、ルートノードN1からノードN2に対する通信フレームの送信が停止される。
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、送信可否判定処理部13Eにより、自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定し、MAC処理部11,12により、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する。
これにより、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信が抑止され、ノードでの余分な電力消費を削減することができる。
このように、本実施の形態は、送信可否判定処理部13Eにより、自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定し、MAC処理部11,12により、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止する。
これにより、ブロッキング状態にあるポートに対する無駄な通信フレームの送受信が抑止され、ノードでの余分な電力消費を削減することができる。
また、本実施の形態では、ポート状態通知処理部13Fで、RSTPに基づく制御メッセージを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態であるか否かを当該制御メッセージで通知するようにしたので、ポート状態を通知するための個別のメッセージを新たな用いる必要がなくなり、ノード間のトラヒックを低減できる。
N,N1,N2,N3,N4,N5…ノード、10…リング接続制御部、11,12…MAC処理部、13…RSTP処理部、13A…障害監視処理部、13B…ルートID変更処理部、13C…ルートID復旧処理部、13D…障害解消処理部、13E…送信可否判定処理部、13F…ポート状態通知処理部、14…転送処理部、20…アプリケーション処理部、P1,P2…ポート。
Claims (4)
- リング状の通信経路を介して、各ノードに設けられた2つのポートをそれぞれの隣接ノードのポートと接続することにより、これらノードをリング状に接続するとともに、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいて前記ノードのうちのいずれか1つのノードで、前記ポートのうちのいずれか一方のポートをブロッキング状態に設定して当該ポートでの通信フレームの転送を停止することにより、前記各ノードでツリートポロジーを形成してデータ通信を実現するリング型イーサネットシステムで用いられるノードであって、
自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定する送信可否判定処理部と、
当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、前記送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、前記送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止するMAC処理部と
を備えることを特徴とするノード。 - 請求項1に記載のノードにおいて、
前記RSTPに基づく制御メッセージを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態であるか否かを当該制御メッセージで通知するポート状態通知処理部をさらに備えることを特徴とするノード。 - リング状の通信経路を介して、各ノードに設けられた2つのポートをそれぞれの隣接ノードのポートと接続することにより、これらノードをリング状に接続するとともに、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいて前記ノードのうちのいずれか1つのノードで、前記ポートのうちのいずれか一方のポートをブロッキング状態に設定して当該ポートでの通信フレームの転送を停止することにより、前記各ノードでツリートポロジーを形成してデータ通信を実現するリング型イーサネットシステムで用いられるネットワーク制御方法であって、
前記ノードの送信可否判定処理部が、自ノードの隣接ノードからの通知に応じて、当該隣接ノードのポートのうち自ノードが接続されている自ノード側ポートの状態を取得し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態でない場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信可と判定し、当該自ノード側ポートがブロッキング状態である場合は、当該隣接ノードに対する通信フレームについて送信不可と判定する送信可否判定ステップと、
前記ノードのMAC処理部が、当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信する際、前記送信可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームを送信し、前記送信不可判定に応じて当該隣接ノードに対して当該通信フレームの送信を停止するMAC処理ステップと
を備えることを特徴とするネットワーク制御方法。 - 請求項3に記載のネットワーク制御方法において、
前記ノードのポート状態通知処理部が、前記RSTPに基づく制御メッセージを自ノードの隣接ノードに対して送信する際、自ノードのポートのうち当該隣接ノードが接続されているポートがブロッキング状態であるか否かを当該制御メッセージで通知する状態通知処理ステップをさらに備えることを特徴とするネットワーク制御方法。
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