JP2011007937A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】メッキレジストの解像度が良好で、かつ強アルカリ水溶液の条件下での光硬化したメッキレジストの除去が容易なメッキレジストの提供。
【解決手段】分子内に2個以上のラジカル重合性の二重結合(a)を含有する下記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物(A)、親水性ポリマー(B)、および光ラジカル重合開始剤(C)を必須成分として含有し、光照射とアルカリ現像によりパターン形成可能なことを特徴とした感光性樹脂組成物(Q)。
Figure 2011007937

[R1は1価の電子吸引性基または有機基を含む1価の電子吸引性基]
【選択図】なし

Description

本発明は感光性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、プリント配線板の微細配線形成に好適なメッキレジストに関するものである。
近年、電子機器、通信機器等に用いられるプリント配線板には、高密度配線化、演算処理速度の高速化の要求が強まっている。それに伴い多層プリント配線板の製造方法として、回路基板の導体層上に層間絶縁層を交互に積み上げていくビルドアップ方式の製造技術が注目されている。
一般的にビルドアップ方式の配線形成方法としては、例えば、セミアディティブ法が知られている。セミアディティブ法での配線形成方法としては、層間樹脂表面の無電解メッキ後に、感光性樹脂のメッキレジストを形成し、光照射、弱アルカリ水溶液によりアルカリ現像することでパターンを形成する。ついで電解メッキを行い、導体層を形成した後に、強アルカリ水溶液によりメッキレジストを膨潤剥離させ、不要なメッキレジストを除去する。その後に、非配線パターン部の無電解メッキをエッチングすることで配線パターンを形成する。
セミアディティブ法で使用されるメッキレジストは、多官能アクリルモノマーとカルボキシル基含有の親水性ポリマーと光ラジカル重合開始剤からなるネガ型の感光性樹脂が用いられる。そして、光照射部はアクリル基が光ラジカル重合により架橋し硬化することで不溶化し、未照射部は親水性ポリマーにより弱アルカリに溶解することでパターン形成する。またパターン形成後の光硬化部の樹脂の剥離には強アルカリ水溶液を用いて樹脂部分を膨潤させ、さらにスプレー処理することで剥離する。
しかし配線パターンが微細になるに従い、アルカリ現像での光照射部の膨潤によるパターンの膨れの影響が大きくなり、またこの膨潤により基板に対する密着性が低下するため、解像度の低下する問題があり、メッキレジストの膨潤を抑制する必要がある。しかしメッキレジストのアルカリ現像時の膨潤抑制と強アルカリ水溶液による膨潤剥離性は相反し、両立が困難である。
また微細配線間の光硬化したメッキレジトは剥離除去しにくいため、除去不良などによる配線パターン不良が発生する問題がある。
このため微細配線パターンを形成するために、アルカリ現像後のメッキレジストの解像度が良好で、かつ強アルカリ水溶液の条件下での光硬化したメッキレジストの除去が容易なメッキレジストが必要になる。
光硬化したメッキレジストを強アルカリ水溶液で容易に除去する方法としては、例えば、親水性樹脂のカルボキシル基の比率を上げ親水性を上げる方法(特許文献1)等が提案されている。
しかし、親水性を上げる方法では、光照射後のアルカリ現像によっても膨潤するため解像度が低下する問題がある。
メッキレジストの解像度と強アルカリ水溶液による除去性を両立する方法として、例えば、加熱処理することで熱分解してアルカリ水溶液を浸透させやすくする方法(特許文献2)等が提案されている。
しかし、酸発生剤による強酸により熱分解するため、配線銅が強酸により腐食する問題がある。
従って、メッキレジストの解像度が良好で、かつ強アルカリ水溶液の条件下での光硬化したメッキレジストの除去が容易で、配線を腐食しないメッキレジストが要求されている。
特開平9−325487号公報 再公表特許WO2005/022260明細書
本発明は、メッキレジストの解像度が良好で、かつ強アルカリ水溶液の条件下での光硬化したメッキレジストの除去が容易なメッキレジストの提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、分子内に2個以上のラジカル重合性の二重結合(a)を含有する下記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物(A)、親水性ポリマー(B)、および光ラジカル重合開始剤(C)を必須成分として含有し、光照射とアルカリ現像によりパターン形成可能なことを特徴とした感光性樹脂組成物(Q);およびこれを用いたメッキレジストである。
Figure 2011007937
[式(1)中、R1は1価の電子吸引性基または有機基を含む1価の電子吸引性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。RとRはそれぞれ独立に、水素原子、1価の電子供与性基、または有機基を含む1価の電子供与性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。Rは1価の有機基を表す。但し、R1〜R中の有機基のうちの一部にラジカル重合性の二重結合(a)を2個以上含有する。]
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、紫外線照射することによるラジカル重合性の二重結合(a)で光硬化可能である。さらに親水性ポリマー(B)を含有するために、弱アルカリ水溶液によるアルカリ現像でパターン形成が可能である。
また光硬化部は、強アルカリ水溶液により、下記の化学式(10)で表される特性基(b)部分が、二重結合含有化合物、アミン含有化合物および二酸化炭素に分解するため、光照射による架橋を分解することが出来る。これによりアルカリ水溶液が浸透しやすくなり、剥離性が良好となる。
このためメッキレジストとして使用した際に、アルカリ現像により膨潤しにくい光硬化部を形成することにより優れた解像度を得ることが出来き、さらに強アルカリ水溶液により容易に剥離するこができることから、微細配線を形成可能なメッキレジストが提供される。
Figure 2011007937
[式(10)中、R1は1価の電子吸引性基または有機基を含む1価の電子吸引性基を表す。]
本発明は、特定の化学構造を有するラジカル重合性化合物(A)、親水性ポリマー(B)、及び光ラジカル重合開始剤(C)を必須成分として含有することを特徴とした感光性樹脂組成物(Q)である。
そして、本発明のラジカル重合性化合物(A)は下記一般式(1)で表され、かつ分子内に2個以上のラジカル重合性の二重結合(a)を含有する必要がある。この二重結合(a)は具体的には、R1〜Rの有機基の一部として含まれる。
Figure 2011007937
[式(1)中、R1は1価の電子吸引性基または有機基を含む1価の電子吸引性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。RとRはそれぞれ独立に、水素原子、1価の電子供与性基、または有機基を含む1価の電子供与性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。Rは1価の有機基を表す。但し、R1〜R中の有機基のうちの一部にラジカル重合性の二重結合(a)を2個以上含有する。]
なお、ラジカル重合性化合物(A)中の下記一般式(10)で表される特性基(b)部分は、強アルカリ水溶液により、二重結合含有化合物、アミン含有化合物、及び二酸化炭素に分解されると予想される。
Figure 2011007937
式(10)中のR1は上記の式(1)中のR1と同一で、1価の電子吸引性基、または有機基を含む1価の電子吸引性基を表す。
本発明の感光性樹脂組成物(Q)は、光照射後にアルカリ現像することにより、光照射部は弱アルカリに不溶化し、光未照射部は弱アルカリに溶解することでパターン形成する。
さらに光照射により架橋した光硬化部は、強アルカリ水溶液により特性基(b)部分で架橋が分解し、アルカリ水溶液が浸透することで剥離しやすくすることを特徴とする。
強アルカリ水溶液により特性基(b)部分を分解させるための必須官能基であるR1は、1価の電子吸引性基(r11)、または有機基を含む1価の電子吸引性基(r12)からなる。
ここで、本発明における電子吸引性基としては、隣接して結合する炭素原子に対し、ハメットの置換基定数(σp値)が0.10以上の官能基を指す。
ハメットの置換基定数(σp値)について
ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年 L.P.Hammettにより提唱された経験則であり、今日広く妥当性が認められている。
ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は、多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’sHandbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpは、上記の成書において文献既知の値が記載される置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれると想定される置換基も含む。
本発明においてはσp値をこのような意味で使用し、数値化する場合は、例えば、σp(またはσp)の場合、下記一般式(11)の炭素原子[C]と結合するR(またはR)中の原子から数えて3原子以内の範囲で構成される構造から算出する。
また、σp(またはσp)の場合、式(11)の炭素原子[C]と結合するR(またはR)中の原子から数えて3原子以内の範囲で構成される構造から算出する。
Figure 2011007937
[式(11)中のR1〜Rは、上記の式(1)中のR1〜Rと同一の置換基を表す。]
1における1価の電子吸引性基(r11)としては、例えば、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、ニトロソ基(−N=O)、トリフルオロ基(−CF)、トリアルキルアミン基(−N)、塩素原子(−Cl)、臭素原子(−Br)、及びヨウ素原子(−I)等が挙げられる。これらのうち、強アルカリ水溶液下での分解性の観点から、シアノ基、ニトロ基、及びトリフルオロ基が好ましい。
1における有機基を含む1価の電子吸引性基(r12)としては、例えば下記一般式(2)〜(9)の置換基等が表される。
Figure 2011007937
[式(2)〜(9)中のRは、1価の有機基(ry1)を表す。]
これらの電子吸引性基(r12)のうち、合成の容易さ、強アルカリ水溶液化での分解性の観点から、一般式(2)〜(7)の置換基が好ましく、一般式(6)と(7)の置換基がさらに好ましい。
1における1価の有機基(ry1)としては、特に限定はされないが、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等)、炭素数4〜20のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜15のアルールアルキル基等の1価の炭化水素基や、一部がエーテル、エステル、ケトン、アミノ基、アミド基またはラジカル重合性の二重結合(a)等に置換された前記の炭化水素基が挙げられる。
一般式(1)中のRは水素原子または1価の有機基(ry2)である。
この1価の有機基(ry2)としては、1価の有機基(ry1)と同じものが使用できる。好ましくは1価の有機基(ry2)が電子吸引性基であれば、より特性基(b)の分解性が上がる。
ラジカル重合性化合物(A)中の、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、1価の電子供与性基(r31)、または有機基を含む1価の電子供与性基(r32)からなる。
ここで、本発明における電子供与性基としては、隣接して結合する炭素原子に対し、ハメットの置換基定数(σp値)が−0.05以下の官能基を指す。
とRにおける1価の電子供与性基(r31)としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等)、炭素数4〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アミノ基(−NH)、水酸基(−OH)、チオール基(−SH)等が挙げられる。
とRにおける有機基を含む1価の電子供与性基(r32)としては、例えば、下記一般式(12)〜(21)で表される置換基等が挙げられる。
Figure 2011007937
[式(12)〜(21)中のRは1価の有機基(ry3)を表し、R’は炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
1価の有機基(ry3)としては、1価の有機基(ry1)と同じものが使用できる。
本発明のラジカル重合性化合物(A)中の、R、R、R、およびRの組合せは、下記数式(1)で定義されるRXが、通常0.2〜2.0の範囲にあり、好ましくは0.3〜1.8、さらに好ましくは0.4〜1.6、特に好ましくは0.5〜1.4である。
RX= σp+σp−σp−σp (1)
[σp、σp、σp、およびσpは、それぞれR、R、R、およびRのハメットの置換基定数(σp値)を表す。]
RXが0.2以上であれば、強アルカリ水溶液により容易に特性基(b)を分解することができ、2.0以下であれば、弱アルカリ水溶液によるアルカリ現像での特性基(b)の分解が抑制されパターン形成が可能である。
ラジカル重合性化合物(A)中のRは水素原子または1価の有機基(ry5)を表し、Rは1価の有機基(ry6)を表す。
の1価の有機基(ry5)、及びはRの1価の有機基(ry6)は、Rの有機基(ry1)と同じものが使用できる。またRはRと連結して含窒素環を形成することができる。
前記含窒素環はその環構成原子に複数のヘテロ原子(N、S、O等)を含有することができる。
本発明のラジカル重合性化合物(A)は、前記の一般式(10)で表される特性基(b)を通常1分子中に1〜100個含有し、好ましくは80個以下、さらに好ましくは50個以下含有する。
特性基(b)が1分子中に1個以上であれば、強アルカリ水溶液により架橋が分解され光照射部の剥離性が得られ、100個以下であれば有機溶媒に可溶でメッキレジストとして使用できる。
本発明のラジカル重合性化合物(A)中のラジカル重合性の二重結合(a)としては、ビニル基(CH=CH−)、ビニリデン基(CH=CH<)、ビニレン基(−CH=CH−)などが挙げられる。
ビニル基としては、例えば、アクリル基、アクリルアミド基、ビニルエステル基、ビニルエーテル基、およびアリル基等が挙げられる。
ビニリデン基としては、例えば、メタクリル基、メタクリルアミド基、シアノアクリル基等が挙げられる。
ビニレン基としては、例えば、プロペニルエーテル基、マレイン酸基、マレイミド基等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、反応性及び保存安定性の観点からアクリル基、アクリルアミド基、アリル基、メタクリル基、メタクリルアミド基、及びアリル基が好ましい。
本発明のラジカル重合性化合物(A)は、二重結合(a)を通常1分子中に2〜20個含有し、好ましくは15個以下、さらに好ましくは10個以下含有する。
二重結合(a)が1分子中に2個以上であれば、光照射により十分な架橋が形成されパターンの強度が得られ、20個以下であれば強アルカリ処理により十分に架橋が分解し剥離する。
本発明のラジカル重合性化合物(A)は、強アルカリ水溶液での分解の観点から、
通常、強アルカリ水溶液により分解する特性基(b)を1分子中に1個以上含み、かつ式(1)中のR1〜R中の有機基のうちの一部にラジカル重合性の二重結合(a)を2個以上含有する構造である。
好ましくはラジカル重合性化合物(A)中のRまたはR中に1個以上の二重結合(a)を含有し、かつR中に1個以上の二重結合(a)を含有する構造(i)、または、RまたはR中に1個以上の二重結合(a)を含有し、かつR中に1個以上の二重結合(a)を含有する構造(ii)であり、これらの構造であれば架橋構造を効率的に分解することができ、アルカリ水溶液により容易に剥離することができる。
さらに好ましくは2個の二重結合(a)の分子間に必ず特性基(b)を含む構造であり、この構造であれば架橋構造を完全に分解でき溶解することも可能である。
本発明のラジカル重合性化合物(A)の分子量は、現像性の観点から、通常200〜10,000以下、好ましくは250〜8,000、さらに好ましくは300〜6,000である。
分子量が200を超えると樹脂硬度が充分に発揮でき、また分子量が10,000以下であれば現像性が良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づくラジカル重合性化合物(A)の含有量は、10〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜85重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
10重量%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、90重量%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
本発明のラジカル重合性化合物の代表例を以下に示す。
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
Figure 2011007937
光未照射部を弱アルカリ水溶液によりアルカリ現像するため、感光性樹脂組成物(Q)は親水性ポリマー(B)を必須成とする。
本発明における親水性ポリマー(B)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
親水性ポリマー(B)のHLB値は、親水性ポリマー(B)の樹脂骨格(例えば、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。
4以上であればフォトスペーサの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
親水性ポリマー(B)は、現像性の観点からカルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基の含有量は酸価で示される。
親水性ポリマー(B)の酸価は、好ましくは10〜500mgKOH/gである。10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
本発明における親水性ポリマー(B)の酸価は、アルカリ性滴定溶液を用いた指示薬滴定法により測定できる。
具体的な方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
親水性ポリマー(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)の測定法による数平均分子量(以下、Mnと記載)は、硬化物となったときの硬度と現像性の観点から、通常2,000を超え100,000以下、好ましくは2,500〜80,000、さらに好ましくは3,000〜50,000である。
Mnが2,000を超えると樹脂硬度が充分に発揮でき、また、Mnが100,000以下であれば現像性が良好に発揮できる。
親水性ポリマー(B)としては、ビニル系ポリマー(B1)、エポキシ系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリウレタンなどが挙げられる。
親水性ポリマー(B)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、得られる硬化物の硬度の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのはビニル系ポリマー(B1)である。
ビニル系ポリマー(B1)の好ましい製造方法は、親水基を有するビニルモノマー(Ba)(以下、単に(Ba)と表記する場合がある)と、必要により疎水基含有ビニルモノマー(Bb)(以下、単に(Bb)と表記する場合がある)とをビニル重合する方法である。
親水基を有するビニルモノマー(Ba)としては、以下の(Ba1)〜(Ba3)のビニルモノマーが挙げられる。
(Ba1)カルボキシル基含有ビニルモノマー:
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸[(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など]、不飽和多価カルボン酸アルキル(炭素数1〜10のアルキル基)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびシトラコン酸モノアルキルエステルなど]、並びにこれらの塩[アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、アミン塩およびアンモニウム塩等]が挙げられる。
(Ba1)のうち好ましいのは親水性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
(Ba2)水酸基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(Ba2)のうち好ましいのはアルカリ現像性の観点からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
(Ba3)スルホン酸基含有ビニルモノマー:
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの(Ba)のうち好ましいのは、充分な現像性を付与するという観点から(Ba1)および(Ba2)であり、特に(Ba1)である。
疎水基含有ビニルモノマー(Bb)としては、以下の非イオン性のモノマー(Bb1)〜(Bb3)が挙げられる。
(Bb1)(メタ)アクリル酸エステル;
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]および脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
(Bb2)芳香族炭化水素モノマー;
スチレン骨格を有する炭化水素モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
(Bb3)カルボン酸ビニルエステル;
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
これらの疎水基含有ビニルモノマー(Bb)のうち好ましいのは、重合性の観点から(Bb1)である。
親水性ポリマー(B1)における、(Ba)/(Bb)の仕込みモノマーモル比は、通常10〜100/0〜90、光硬化反応性と現像性の観点から、好ましくは10〜80/20〜90、さらに好ましくは25〜85/15〜75である。
親水性ポリマー(B)は、さらに光硬化反応性を向上させる目的で二重結合(a)を側鎖に含有させてもよい。親水性ポリマー(B)中の二重結合(a)は、好ましくは1分子中に1〜10個含有し、さらに好ましくは2〜5個含有する。
二重結合(a)が1分子中に1個以上であれば、光照射により十分な架橋が形成されパターンの強度が得られ、10個以下であれば十分に分解し剥離除去できる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく親水性ポリマー(B)の含有量は、10〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは15〜85重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
10重量%以上であればアルカリ現像性がさらに良好に発揮でき、90重量%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
ラジカル重合性化合物(A)中の二重結合(a)をラジカル重合反応させるため、感光性樹脂組成物(Q)は光ラジカル重合開始剤(C)を必須成分とする。
光ラジカル重合開始剤(C)としては例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトン、ベンジル−2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9ーアクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤(C)は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤(C)は、市販のものが容易に入手することができ、例えば2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノンとしては、イルガキュア907、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンとしては、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく光ラジカル重合開始剤(C)の含有量は、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜7重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%である。
0.001重量%以上であれば光硬化反応性がさらに良好に発揮でき、10重量%以下であれば解像度がさらに良好に発揮できる。
平滑な無電解銅メッキとの密着性を向上させ、かつ強アルカリ水溶液により架橋を容易に分解するために、感光性樹脂組成物(Q)はチオール基を1分子中に2個以上含有する多官能チオール化合物(D)を含有してもよい。
多官能チオール化合物(D)を含むことにより、ラジカル重合性化合物(A)の二重結合(a)の連鎖重合ではなく、二重結合(a)とチオール基との付加反応になるため、強アルカリ水溶液による特性基(b)の分解で架橋構造を低分子に分解することができるため、容易に強アルカリ水溶液により剥離することが出来、さらにはアルカリ溶解することもできる。
多官能チオール化合物(D)としては、例えば2官能チオール(D1)、3官能チオール(D2)、4官能以上のチオール(D3)等が挙げられる。多官能チオール化合物(D)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2官能チオール(D1)としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオエリスリトール、2,3−ジメルカプトサクシン酸、1,2−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−クロロ−1,3−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオジフェノール、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)等の2個のチオール基を有する化合物が挙げられる。
3官能チオール(D2)としては、例えば、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート、1,3,5−トリチオシアヌル酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等の3個のチオール基を有する化合物が挙げられる。
4官能以上のチオール(D3)としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等の4個以上のチオール基を有する化合物が挙げられる。
これらのうち、光硬化性、及び分解性の観点から、3官能チオール(D2)及び4官能以上のチオール(D3)が好ましい。
多官能チオール化合物(D)は、チオール基を通常1分子中に2〜10個含有する。好ましくは9個以下、さらに好ましくは8個以下、特に好ましくは6個以下含有する。
2個以上であると、光照射によりラジカル重合性化合物(A)の二重結合(a)とのエン−チオール反応により十分な架橋構造を形成しパターンの強度が得られ、10個以下であると強アルカリ水溶液による架橋構造の分解が容易になり強アルカリ水溶液で剥離することができる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく多官能チオール化合物(D)の含有量は、通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは2〜40重量%である。
多官能チオール化合物(D)が0.1重量%以上であれば無電解銅メッキとの密着性に優れ、60重量%以下であれば硬化物のパターン強度が優れる。
本発明のラジカル重合性化合物(A)中の二重結合(a)のモル数(Am)と多官能チオール化合物(D)中のチオール基のモル数(Dm)のモル比率(Am/Dm)は、通常0.3〜1.7で、好ましくは0.5〜1.5、さらに好ましくは0.7〜1.3である。
0.3〜1.7の範囲であれば、十分な架橋構造を形成しパターンの強度が得られ、かつ強アルカリ水溶液による架橋構造の分解が容易になり剥離することができ、さらにはアルカリ溶解することができる。
強アルカリ水溶液でなく弱アルカリ水溶液で光照射部を剥離処理するために、感光性樹脂組成物(Q)は塩基性化合物(E)を含有してもよい。
塩基性化合物(E)を含有することにより、光照射部を加熱処理することで、特性基(b)を強アルカリ水溶液による分解と同様の反応で分解できる。これにより架橋構造を分解することができ、弱アルカリ水溶液でも剥離処理が可能になる。
塩基性化合物(E)としては、第1〜2級アミン、イミダゾール、第3級アミン、および光塩基発生剤が挙げられる。
第1〜2級アミンとしては芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物等が用いられる。
芳香族アミン化合物としては、公知のものが使用でき、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、および4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
脂肪族アミン化合物としては、公知のものが使用でき、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、および1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
脂環式アミン化合物としては、公知のものが使用でき、シクロヘキシレン−1,3−ジアミン(1,3−フェニレンジアミンの芳香核水添化合物)、シクロヘキシレン−1,4−ジアミン(1,4−フェニレンジアミンの芳香核水添化合物)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(4,4´−ジフェニルメタンジアミンの芳香核の水添化合物)等が挙げられる。
イミダゾールとしては、公知のものが使用でき、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
第3級アミンとしては、公知のものが使用でき、例えば、ベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(サンアプロ社商標:DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(サンアプロ社商標:DBU)、DBU−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBN−フェノール塩、DBN−オクチル酸塩、DBN−p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
光塩基発生剤としては、アンモニウム金属塩化合物(特開昭56−57859号公報)、カルバモイルオキシム化合物、カルバモイルヒドロキシルアミン化合物、カルバミン酸化合物、ホルムアミド化合物、アセトアミド化合物、カルバメート化合物、ベンジルカルバメート化合物、ニトロベンジルカルバメート化合物、スルフォンアミド化合物、イミダゾール誘導体化合物、アミンイミド化合物、ピリジン誘導体化合物、α−アミノアセトフェノン誘導体化合物、4級アンモニウム塩誘導体化合物、α−ラクトン環誘導体化合物、アミンイミド化合物、フタルイミド誘導体化合物などが挙げられる。
これらの塩基性化合物(E)のうち、保存安定性の観点から、好ましいのはイミダゾール、第3級アミン、及び光塩基発生剤であり、さらに好ましくは第3級アミン塩、及び光塩基発生剤である。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく塩基性化合物(E)の含有量は、0.001〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜7重量%である。
0.001重量%以上であれば特性基(b)の加熱時の分解反応性がさらに良好に発揮でき、15重量%以下であれば硬化物の物性がさらに良好に発揮できる。
感光性樹脂組成物(Q)は、必要によりさらにその他の成分(F)を含有していてもよい。
その他成分(F)としては、無機微粒子(F1)、増感剤(F2)、重合禁止剤(F3)、並びにその他の添加剤(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、及び消泡剤等)が挙げられる。
無機微粒子(F1)としては、金属酸化物および金属塩が使用できる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(F1)の含有量は、通常0〜50重量%、好ましくは1〜45重量%、特に好ましくは2〜40重量%である。50重量%以下であれば現像性がさらに良好に発揮でき、2〜40重量%であれば、特に耐熱特性が優れる。
増感剤(F2)としては、ニトロ化合物(例えば、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン及び2−ニトロフルオレン等)、芳香族炭化水素(例えば、アントラセン及びクリセン等)、硫黄化合物(例えば、ジフェニルジスルフィド等)及び窒素化合物(例えば、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン及びテトラシアノエチレン等)等が用いられる。
光ラジカル重合開始剤(C)の重量に基づく増感剤(F2)の含有量は、通常0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜80重量%、特に好ましくは1〜70重量%である。
重合禁止剤(F3)としては、特に限定はなく、通常の反応に使用するものが用いられる。具体的には、ジフェニルヒドラジル、トリ−p−ニトルフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく重合禁止剤(F3)の含有量は、0〜1.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.02〜0.1重量%である。
本発明のメッキレジスト(R)の形成方法としては、
(1)感光性樹脂組成物(Q)を所定の有機溶剤に溶解(無機微粒子を含んだ場合は溶解と分散)した感光性樹脂ワニス(QW)をカーテンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷等公知の方法を用いて基板に塗布後、加熱または熱風吹き付けにより溶剤を乾燥させてメッキレジスト(R)を形成する方法;及び
(2)樹脂ワニス(QW)を支持ベースフィルムの上に前記と同様の方法を用いて塗布、乾燥させることで感光性樹脂層を形成したメッキレジストフィルム(RF)を、基板に加熱条件下、加圧ラミネートする工程を行うことによりメッキレジスト(R)を形成する方法などが挙げられる。
好ましいものは、メッキレジストフィルム(RF)を加熱条件下で加圧ラミネートする方法である。このようにするとプリント配線板の生産性が大幅に向上し好適である。
感光性樹脂組成物(Q)を溶解させる有機溶剤としては、樹脂組成物を溶解させることができ、樹脂溶液をフィルム製造装置に適用できる物性(粘度等)に調整できるものであれば特に限定されない。例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、エタノール、シクロヘキサノン、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン及びキシレン等の公知の溶媒が使用できる。
これらの溶媒のうち、フィルムの乾燥温度等の観点から、沸点が200℃以下のもの(トルエン、エタノール、シクロヘキサノン、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン及びキシレン)が好ましく、単独又は2種類以上組み合わせで使用することもできる。
有機溶剤を使用する場合、溶剤の配合量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常30〜1,000重量%が好ましく、さらに好ましくは40〜900重量%、特に好ましくは50〜800重量%である。
感光性樹脂組成物(Q)の樹脂ワニス(QW)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、各成分を混合等することにより得ることができる。
また樹脂ワニス(QW)は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,000mPa・s、好ましくは1〜8,000mPa・sである。
樹脂ワニス(QW)の乾燥条件は使用する溶剤により異なるが好ましくは50〜200℃で2〜30分の範囲で実施され、乾燥後の感光性樹脂組成物(Q)の複素粘度や残留溶剤量(重量%)等で適宜決定する。
基板としては、銅張積層板上に層間絶縁樹脂層が形成され、さらに層間絶縁樹脂表面に無電解メッキまたは電解メッキ層が形成された基板、及び層間絶縁樹脂表面に無電解メッキ触媒が付与された基板が好ましい。
銅張積層板としては、ガラスエポキシや金属板、ポリエステル板、ポリイミド板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル板等に銅箔を接着したものが挙げられる。
支持ベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。ベースフィルムの厚みは10〜150μmが好ましい。ベースフィルムの横幅は、装置に入るものであれば、特に指定はないが30〜300cmが好ましい。
なお、ベースフィルムにはマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。この樹脂組成物はラミネート時に樹脂のしみ出しが生じるので、ロールの両端あるいは片側に樹脂のない支持ベース部分を5mm以上もうけてあれば、ラミネート部の樹脂付着防止、支持ベースフィルムの剥離が容易になる等の利点がある。
メッキレジストフィルム(RF)を基板に加熱条件下で加圧ラミネートする際には、支持ベースフィルム側から加圧、加熱しながらラミネートする。ラミネートは減圧した、バッチ式であってもロール式での連続式であってもよく、両面同時にラミネートするのが好ましい。
ラミネート条件は、ラミネート温度は通常50〜180℃であって、好ましくは60〜170℃、さらに好ましくは70〜150℃である。50℃未満では内層基板に転写しにくく、180℃より高いとプリント配線板の生産性が低下する問題がある。ラミネートの圧力は通常0.01〜20MPaであって、好ましくは0.1MPa〜15MPaである。0.01MPa未満では内層基板に転写しにくく、20MPaより高いとメッキレジスト(R)の厚さが調整できない。減圧条件としては、好ましくは2.5kPa以下である。
基板にメッキレジスト(R)を形成した後、配線パターン形状の光照射とアルカリ現像する工程(I)を行うことにより配線パターン形状の溝を形成する。ついで無電解メッキまたは電解メッキを行い、溝の部分に配線を形成する。
その後、強アルカリ水溶液によるアルカリ剥離又は溶解工程(II)を行うことにより特性基(b)部分を分解し、光硬化したメッキレジスト(R)を除去する。その後、必要に応じ無電解メッキまたは電解メッキ層をエッチングすることで配線を形成することができる。
工程(I)の光照射する方法としては、配線パターンを有するフォトマスクを介して活性光線により、メッキレジスト(R)の露光を行う方法が挙げられる。光照射に用いる活性光線としては、本発明の感光性樹脂組成物(Q)を硬化させることができれば特に制限はない。
活性光線としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハロゲンランプ、電子線照射装置、X線照射装置、レーザー(アルゴンレーザー、色素レーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)等がある。これらのうち、好ましくは高圧水銀灯及び超高圧水銀灯である。
工程(I)のアルカリ現像する方法としては、アルカリ現像液を用いて配線パターン形状に溶解除去する方法が挙げられる。アルカリ現像液としては、感光性樹脂組成物(Q)の紫外線照射部が溶解せず、紫外線の未照射部が溶解させることができ、さらに特性基(b)が分解されにくい条件であれば特に制限はない。
アルカリ現像液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム及びテトラメチルアンモニウム塩水溶液等がある。
これらアルカリ現像液は水溶性の有機溶剤を加えても良い。水溶性の有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等がある。
現像方法としては、アルカリ現像液を用いたディップ方式、シャワー方式、及びスプレー方式があるが、スプレー方式の方が好ましい。
現像液の温度は、好ましくは25〜40℃で使用される。現像時間は、メッキレジスト(R)の厚さに応じて適宜決定される。
工程(II)のアルカリ剥離又は溶解する方法としては、アルカリ水溶液を用いて膨潤剥離または溶解除去する方法が挙げられる。アルカリ水溶液としては、特性基(b)を分解できる条件であれば特に制限はない。
アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム及びテトラメチルアンモニウム塩水溶液等がある。これらアルカリ水溶液は水溶性の有機溶剤を加えても良い。水溶性の有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン及びN−メチルピロリドン等がある。
除去方法としては、アルカリ水溶液を用いたディップ方式、シャワー方式、及びスプレー方式があるが、スプレー方式の方が好ましい。水溶液の温度は、好ましくは25〜40℃で使用される。溶解時間は、メッキレジスト(R)の厚さに応じて適宜決定される。
感光性樹脂組成物(Q)中に塩基性化合物(E)を含有する場合、工程(II)の前に、特性基(b)を分解する加熱工程を行ってもよい。
加熱工程の温度としては、通常100〜200℃であって、好ましくは110〜190℃、さらに好ましくは120〜180℃である。100℃未満では特性基(b)が十分に分解できずアルカリ剥離又は溶解性が不足し、200℃より高いとプリント配線板の生産性が低下する問題がある。
加熱時間としては、通常2〜120分であって、好ましくは3〜90分、さらに好ましくは3〜90分である。2分未満では時間と温度の制御が困難で、120分より大きいとプリント配線板の生産性が低下する問題がある。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<合成例1>
<ラジカル重合性化合物(A−1)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに35%ホルマリン300部、及びテトラヒドロフラン300部を仕込み、ついでエチレングリコールモノアセタートモノメタクリラート430部を徐々に加えながら、50℃で12時間反応させた。ついでトルエン−水で抽出しトルエン層を回収し、溶剤を減圧除去しアルコール化合物(Aa−1)を得た。
ついで温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに1,4−フェニレンジイソシアネート160部、及びトルエン400部を仕込み、ついでアルコール化合物(Aa−1)244部を徐々に加えながら、50℃で12時間反応させた後に、溶剤を減圧除去することで、分子内に特性基(b)を2個、二重結合(a)を2個含有する前記の化学式(22)で表されるラジカル重合性化合物(A−1)を得た。(RX=1.04)
<合成例2> <ラジカル重合性化合物(A−2)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルスルホニル)−2−プロパノール276部、ジラウリル酸ジブチルスズ6部、及びジメチルホルムアミド780部を仕込み、室温で均一溶解させた。ついで2−メタクリロキシエチル イソシアネート(昭和電工社製、「カレンズ MOI」)500部を徐々に加えながら、40℃で12時間反応させた後に、溶剤を減圧除去することで、分子内に特性基(b)を3個、二重結合(a)を3個含有する前記の化学式(27)で表されるラジカル重合性化合物(A−2)を得た。(RX=0.73)
<合成例3>
<親水性ポリマー(B−1)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、イソボルニルメタクリレート60部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、メタクリル酸20部、およびメチルエチルケトン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたAIBNの5部をメチルエチルケトン50部に溶解した溶液55部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。その後、メチルエチルケトンを減圧除去することで、水酸基とカルボキシル基を有する親水性ポリマー(B−1:Mn:21,000、SP値:12.24、HLB値:12.38、水酸基価:86mgKOH/g、酸価:138mgKOH/g)の親水性ポリマー(B−1)を得た。
<比較合成例1>
<ラジカル重合性化合物(A’−1)の合成>
アルコール化合物(Aa−1)244部の代わりにヒドロキシエチルメタアクリレート130部を使用した以外は合成例1と同様にして、電子吸引性基を含まない特性基(b’)を2個と、二重結合(a)2個を分子内に含有するラジカル重合性化合物(A’−1)を得た。(RX<0)。
<比較合成例2>
<ラジカル重合性化合物(A’−2)の合成>
1,4−フェニレンジイソシアネートの代わりにフェニルイソシアネート119部を使用した以外は合成例1と同様にして、特性基(b)を1個、二重結合を1個だけを分子内に有するラジカル重合性化合物(A’−2)を得た。(RX=1.04)。
<実施例1>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、合成例3で合成した親水性ポリマー(B−1)45部、ジメチルホルムアミド120部を入れて、均一溶解した。ついで合成例1で合成したラジカル重合性化合物(A−1)50部、光重合開始剤(C−1)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、「イルガキュア907」)5部を加え、25℃で攪拌溶解を行い、感光性樹脂ワニスを得た。
この感光性樹脂ワニスを、表面粗度0.3μmにマイクロエッチング処理を行った銅張積層板(三菱ガス化学(株)社製、「CCL−HL830」)に塗工速度0.3m/分で乾燥後の感光性樹脂層の厚みが15μmとなるようにナイフコーターにて全面塗布した後、80℃で4分間乾燥することによりメッキレジストを形成した。
形成したメッキレジストに、投影型露光装置(株式会社オーク製作所社製、HMW−661F−01)で、ライン/スペース(以下、L/Sと記載)が25μm/25μm及び15μm/15μmの配線パターンを露光し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を90秒間スプレーで吹き付けて現像し、水洗、エアーブロー後、循風乾燥機内で、60℃で20分間乾燥させた。
ついで、電解銅メッキを行い13μmの導体層を形成した後に、3%水酸化ナトリウム水溶液中に30℃で3分間浸漬した。ついで水洗、エアーブロー後、循風乾燥機内で、100℃で20分間乾燥させることでプリント配線板(Z−1)を得た。
<実施例2>
ラジカル重合性化合物(A−1)の部数を30部に変更し、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトールテトラキス−(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業(株)社製、「PEMP」)(D−1)20部を追加した以外は実施例1と同様にしてプリント配線板(Z−2)を得た。
<実施例3>
ラジカル重合性化合物(A−1)の代わりに、ラジカル重合性化合物(A−2)50部を使用した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板(Z−3)を得た。
<実施例4>
ラジカル重合性化合物(A−1)の代わりに、ラジカル重合性化合物(A−2)30部を使用した以外は、実施例2と同様にしてプリント配線板(Z−4)を得た。
<比較例1>
ラジカル重合性化合物(A−1)を、電子吸引性基を含まない特性基からなるラジカル重合性化合物(A’−1)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板(Z’−1)を得た。
<比較例2>
ラジカル重合性化合物(A−1)を、ラジカル重合性の二重結合を1個だけ含有するラジカル重合性化合物(A’−2)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板(Z’−2)を得た。
<比較例3>
ラジカル重合性化合物(A−1)を、特性基(b)を含まないラジカル重合性化合物(A’−3)(三洋化成工業(株)製「ネオマーDA−600」;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板(Z’−3)を得た。
<比較例4>
ラジカル重合性化合物(A−1)をラジカル重合性化合物(A’−3)20部、親水性ポリマー(B−1)の部数を75部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板(Z’−4)を得た。
<性能評価>
メッキレジストの性能評価として、得られたプリント配線板(Z−1)〜(Z−4)、および(Z’―1)〜(Z’―4)のレジストパターン形成性、強アルカリ水溶液中のレジストの挙動、および配線パターン形成性について以下の方法で評価した。
<レジストパターン形成性>
形成したメッキレジストの、露光、1%炭酸ナトリウム水溶液現像、乾燥後に、形状測定顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、株式会社キーエンス製)を用いて、L/Sが25μm/25μmおよび15μm/15μmのレジストパターンの剥れを顕微鏡の倍率200倍の条件より観察し、以下の基準により評価した。
○:配線の剥れが全く認められない
×:部分的に配線の剥がれがある
<強アルカリ水溶液中のレジストの挙動>
光照射後のレジストを、2%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した時の挙動を目視で観察し、以下の基準により評価した。
◎:レジストが溶解
○:レジストが膨潤剥離する
×:レジストが変化しない
<配線パターン形成性>
配線形成後のプリント配線板を、形状測定顕微鏡を用いてL/Sが25μm/25μmおよび15μm/15μmのメッキ配線パターン中の配線間を顕微鏡の倍率200倍の条件で、レジスト残渣の有無を観察し、以下の基準により評価した。
○:レジスト残渣が認められない
×:部分的にレジスト残渣がある
実施例および比較例で得た感光性樹脂の配合部数とプリント配線板の評価結果を表1に示す。
Figure 2011007937
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4の感光性樹脂組成物(Q)をメッキレジストに用いると、L/Sが15μm/15μmにおいてもレジストパターン形成性が良好で、かつメッキ後にレジストを除去できるため、15μm以下の配線においても欠陥のない配線形成が可能であることが分かる。特に多官能チオール化合物(D)を含有する実施例2と4では、強アルカリ水溶液に溶解可能であり、さらにレジストの除去性が特に優れていることがわかる。
一方、電子吸引性基を含まない特性基(b’)からなるラジカル重合性化合物(A’−1)を用いた比較例1は、強アルカリ水溶液による分解がおこらないため、配線間のレジストの除去性が悪く配線パターン形成性に問題がある。
二重結合(a)が1つしか含有しないラジカル重合性化合物(A’−2)を用いた比較例2は、レジストの光硬化性が悪くレジストパターン形成性に問題があることが分かる。
また、特性基(b)を含まないラジカル重合性化合物(A’−3)を用いて親水性ポリマーが少ない比較例3は配線間のレジストの除去性が悪く、配線パターン形成性に問題があり、親水性ポリマーが多い比較例4は、アルカリ現像時に膨潤するため銅面への密着性が低下しレジストパターン形成性が悪くなる問題があることが分かる。
本発明の感光性樹脂組成物をメッキレジストとして用いると、アルカリ現像時の解像度が優れ、かつ光硬化部も強アルカリ水溶液により容易に分解することで微細配線間のメッキレジストの除去性に優れることから、導体回路の高密度化と高速化に適したプリント配線板形成用メッキレジストとして好適である。

Claims (8)

  1. 分子内に2個以上のラジカル重合性の二重結合(a)を含有する下記一般式(1)で表されるラジカル重合性化合物(A)、親水性ポリマー(B)、および光ラジカル重合開始剤(C)を必須成分として含有し、光照射とアルカリ現像によりパターン形成可能なことを特徴とした感光性樹脂組成物(Q)。
    Figure 2011007937
    [式(1)中、R1は1価の電子吸引性基または 有機基を含む1価の電子吸引性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。RとRはそれぞれ独立に、水素原子、1価の電子供与性基、または有機基を含む1価の電子供与性基を表す。Rは水素原子または1価の有機基を表す。Rは1価の有機基を表す。但し、R1〜R中の有機基のうちの一部にラジカル重合性の二重結合(a)を2個以上含有する。]
  2. 該ラジカル重合性化合物(A)の一般式(1)中のRまたはR中に1個以上のラジカル重合性の二重結合(a)を含有し、かつR中にも1個以上の二重結合(a)を含有する請求項1記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  3. 該ラジカル重合性化合物(A)の一般式(1)中のRまたはR中に1個以上の二重結合(a)を含有し、かつR中にも1個以上の二重結合(a)を含有する請求項1記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  4. ラジカル重合性化合物(A)のR1、R、RおよびRのそれぞれのハメットの置換基定数(σp値)を用いて下記数式(1)で定義されたRXが0.3〜1.8である請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
    RX= σp+σp−σp−σp (1)
    但し、式中のσp、σp、σp、σpは、それぞれR1、R、R、Rのハメットの置換基定数(σp値)を表す。
  5. さらに、分子中に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物(D)を含有する請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  6. 該ラジカル重合性化合物(A)の二重結合(a)のモル数(Am)と多官能チオール化合物(D)のチオール基のモル数(Dm)の比Am/Dmが、0.5〜1.5である請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
  7. 該ラジカル重合性化合物(A)中のR1が、下記一般式(2)〜(9)で表される電子吸引性基である請求項1〜6いずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
    Figure 2011007937
    [式(2)〜(9)中、Rは1価の有機基を表す。]
  8. 請求項1〜7いずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)を用いたメッキレジスト(R)。
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