JP2011007145A - 排出ガスセンサのヒータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンのアイドルストップ中(自動停止中)の排出ガスセンサのヒータ消費電力を効果的に低減しながら、エンジン自動始動時又は自動始動後の早い時期に排出ガスセンサの素子温度を活性温度に昇温できるようにする。
【解決手段】エンジン11が自動停止されたときにナビゲーション装置32からの情報と実アイドルストップ時間の学習データとに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測する。そして、エンジン11の自動停止直後にヒータ26の通電を停止するヒータカット制御を実行し、エンジン11の自動停止から所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過したときに、予測アイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を徐々に上昇させる素子温度上昇制御を実行して、アイドルストップ時間内(エンジン11の自動始動まで)に排出ガスセンサ25の素子温度を適度に昇温させる。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン11が自動停止されたときにナビゲーション装置32からの情報と実アイドルストップ時間の学習データとに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測する。そして、エンジン11の自動停止直後にヒータ26の通電を停止するヒータカット制御を実行し、エンジン11の自動停止から所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過したときに、予測アイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を徐々に上昇させる素子温度上昇制御を実行して、アイドルストップ時間内(エンジン11の自動始動まで)に排出ガスセンサ25の素子温度を適度に昇温させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、排出ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータの通電を制御して該センサ素子の温度を制御する排出ガスセンサのヒータ制御装置に関する発明である。
近年の電子制御化された内燃機関では、排気管に排出ガスの空燃比やリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ(空燃比センサ、酸素センサ等)を設置し、この排出ガスセンサの出力に基づいて排出ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるように燃料噴射量等をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を実行するようにしている。一般に、排出ガスセンサは、センサ素子の温度(以下「素子温度」という)が活性温度まで昇温しないと検出精度が悪い(又は検出不能である)ため、内燃機関の始動後に排出ガスセンサに内蔵したヒータでセンサ素子を加熱して排出ガスセンサの活性化を促進するようにしている。
また、エンジン(内燃機関)を搭載した車両においては、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、エンジン自動停止始動制御システム(いわゆるアイドルストップ制御システム)を採用したものがある。このアイドルストップ制御システムは、例えば、運転者が車両を停車させて自動停止要求が発生したときにエンジンを自動的に停止させ、その後、運転者が車両を発進させようとする操作を行って自動始動要求が発生したときにエンジンを自動的に再始動させるようにしている。
ところで、エンジンの自動停止時に排出ガスセンサのヒータの通電をオフして、エンジンの自動始動時に排出ガスセンサのヒータの通電をオンするようにすると、エンジンの自動始動後に排出ガスセンサの素子温度が活性温度に昇温するまでの時間が長くなって、空燃比フィードバック制御を開始できる時期が遅くなる可能性がある。
この対策として、特許文献1(特開平9−88688号公報)に記載されているように、エンジンの自動停止から自動始動までのアイドルストップ中も排出ガスセンサの素子温度を活性温度に維持するようにヒータの通電を制御するようにしたものがあるが、この特許文献1の技術では、アイドルストップ中のヒータの消費電力が多くなって、燃費が悪化する可能性がある。
そこで、特許文献2(特開2003−148206号公報)に記載されているように、アイドルストップ中に排出ガスセンサの素子温度を活性温度よりも低い温度に設定された所定の予熱温度(素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度)付近に維持するようにヒータの通電を制御するようにしたものがある。
ところで、将来、益々厳しくなると予想される燃費節減の要求に対応するためには、排出ガスセンサのヒータの消費電力を更に低減して、車両の消費電力を低減することが好ましい。しかし、上記特許文献2の技術では、アイドルストップ時間の長い短いに拘らず、アイドルストップ中に排出ガスセンサの素子温度を予熱温度(素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度)付近に維持するようにヒータの通電を制御するため、特にアイドルストップ時間が長い場合には、排出ガスセンサの素子温度を予熱温度付近に維持するようにヒータに通電する時間が長くなってヒータの消費電力が増大して、ヒータの消費電力を十分に低減することができない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、内燃機関のアイドルストップ中の排出ガスセンサのヒータの消費電力を効果的に低減することができると共に、内燃機関の自動始動時又は自動始動後の早い時期に排出ガスセンサの素子温度を活性温度に昇温することができる排出ガスセンサのヒータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の排出ガス通路に設けられた排出ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータと、排出ガスセンサのセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)が目標素子温度になるようにヒータの通電を制御するヒータ制御手段とを備えた排出ガスセンサのヒータ制御装置において、内燃機関の自動停止要求が発生したときに内燃機関を自動停止させ、内燃機関の自動始動要求が発生したときに内燃機関を自動始動させるアイドルストップ制御を実行するアイドルストップ制御手段と、このアイドルストップ制御による内燃機関の自動停止から自動始動までのアイドルストップ時間を予測するアイドルストップ時間予測手段とを備え、ヒータ制御手段によって、内燃機関の自動停止直後にヒータの通電を停止するか又は排出ガスセンサの素子温度が所定の予熱温度よりも低い不活性温度まで低下するようにヒータの通電電力を低下させるヒータカット制御を実行した後、アイドルストップ時間予測手段で予測したアイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサの素子温度を上昇させる素子温度上昇制御を実行するようにしたものである。
内燃機関の自動停止直後に、ヒータの通電を停止するか又は排出ガスセンサの素子温度が所定の予熱温度(例えば、素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度、つまり、センサ素子を半活性状態に維持できる温度)よりも低い不活性温度まで低下するようにヒータの通電電力を低下させるヒータカット制御を実行すれば、排出ガスセンサの素子温度を予熱温度付近に維持するようにヒータに通電する場合に比べて、ヒータの消費電力を低減することができる。更に、ヒータカット制御を実行した後、予測したアイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサの素子温度を上昇させる素子温度上昇制御を実行すれば、予測したアイドルストップ時間に合わせた適度な速さで目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサの素子温度を上昇させることができる。これにより、ヒータカット制御による消費電力の低減効果によってアイドルストップ中の排出ガスセンサのヒータの消費電力を効果的に低減することができて、燃費を向上させることができると共に、ヒータカット制御後の素子温度上昇制御によってアイドルストップ時間内(内燃機関の自動始動まで)に排出ガスセンサの素子温度を適度に昇温させることができて、内燃機関の自動始動時又は自動始動後の早い時期に排出ガスセンサの素子温度を活性温度に昇温して排出ガスセンサを活性化させることができ、空燃比フィードバック制御を早期に開始することができる。
アイドルストップ時間を予測する具体的な方法は、例えば、請求項2のように、車両に搭載されたナビゲーション装置からの情報に基づいて車両位置毎及び時間帯毎に実アイドルストップ時間を学習するアイドルストップ時間学習手段を備え、ナビゲーション装置からの情報と実アイドルストップ時間の学習データに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測するようにしても良い。つまり、車両位置毎及び時間帯毎に学習した実アイドルストップ時間の学習データの中から、今回の車両位置及び時間帯における実アイドルストップ時間を検索することができ、その検索した実アイドルストップ時間から今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測することができる。このようにすれば、実アイドルストップ時間の学習データに基づいて、アイドルストップ時間を精度良く予測することができる。
また、請求項3のように、他の車両の通信装置から送信される運転情報及び/又は所定の基地局から送信される道路交通情報に基づいてアイドルストップ時間を予測するようにしても良い。つまり、他の車両の通信装置から送信される運転情報(例えば、先行車両の停車時間、先行車両の停止時刻や発進時刻等)や、所定の基地局から送信される道路交通情報(例えば、渋滞情報、信号の切替間隔等)に基づいて、先行車両の停車時間を判定することができ、その判定した先行車両の停車時間から自車両のアイドルストップ時間を予測することができる。このようにすれば、他の車両の運転情報や道路交通情報に基づいて、アイドルストップ時間を精度良く予測することができる。
また、請求項4のように、内燃機関の自動停止から所定時間が経過するまでヒータカット制御を実行し、所定時間が経過した後に素子温度上昇制御を実行するようにすると良い。このようにすれば、内燃機関の自動停止から所定時間が経過したときに、ヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換えることができる。
この場合、請求項5のように、所定時間を、アイドルストップ時間の最小値に設定するようにしても良い。このようにすれば、予測したアイドルストップ時間が経過する前に内燃機関が自動始動された場合でも、その自動始動よりも前に所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過してヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換えることができる。これにより、予測したアイドルストップ時間が経過する前に内燃機関が自動始動された場合でも、内燃機関の自動始動までに素子温度上昇制御を実行して排出ガスセンサの素子温度をある程度昇温することができ、排出ガスセンサの活性化の遅れを抑制することができる。
更に、請求項6のように、素子温度上昇制御の際に、アイドルストップ時間予測手段で予測したアイドルストップ時間内に排出ガスセンサの素子温度が活性温度又は該活性温度よりも低い予熱温度まで昇温するように目標素子温度を徐々に上昇させるようにすると良い。このようにすれば、素子温度上昇制御の際に、目標素子温度を活性温度又は予熱温度に相当する温度まで一気に上昇させる場合に比べて、ヒータの消費電力の増加を抑制しながら、アイドルストップ時間内(内燃機関の自動始動まで)に排出ガスセンサの素子温度を活性温度又は予熱温度まで昇温することができる。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23(排出ガス通路)には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒24が設けられ、この触媒24の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ25(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。この排出ガスセンサ25には、センサ素子を加熱するヒータ26が内蔵されている(又は外付けされている)。尚、触媒24の下流側にも、排出ガスセンサを設けた構成としても良い。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ27や、ノッキングを検出するノックセンサ28が取り付けられている。また、クランク軸29の外周側には、クランク軸29が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ30が取り付けられ、このクランク角センサ30の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
これら各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
その際、ECU31は、排出ガスセンサ25の出力に基づいて触媒24の上流側の排出ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるように燃料噴射量等をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を行うことで、触媒24の排出ガス浄化効率を高めるようにしている。
また、ECU31は、図示しないエンジン自動停止始動制御ルーチンを実行することで、エンジン自動停止始動制御(いわゆるアイドルストップ制御)を実行するアイドルストップ制御手段として機能する。このアイドルストップ制御では、車両の走行中に運転者が減速操作(アクセル全閉、ブレーキ操作等)を行って減速要求が発生したときや、車両を停車させたときにエンジン自動停止要求が発生したと判断して、エンジン11の燃焼(燃料噴射及び/又は点火)を停止させてエンジン11を自動的に停止させる。その後、車両の走行中に減速要求が解除されたときや、車両の停止中に運転者が車両発進のための準備操作(ブレーキ解除、シフトレバー操作等)や発進操作(アクセル踏み込み等)を行ったときにエンジン自動始動要求が発生したと判断して、エンジン11を自動始動させる。
また、ECU31は、後述する図3のアイドルストップ時間学習ルーチンを実行することで、エンジン11が自動始動される毎に、エンジン11の自動停止から自動始動までの実アイドルストップ時間を算出し、車両に搭載されたナビゲーション装置32からの情報(車両位置情報と時刻情報)に基づいて車両位置毎及び時間帯毎に実アイドルストップ時間を学習する。この場合、例えば、車両位置と時間帯とに応じて区分された学習領域毎に複数回分の実アイドルストップ時間データ及びそれらの平均値と最小値を学習し、その学習データをECU31のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU31の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶する。
更に、ECU31は、後述する図4のヒータ制御ルーチンを実行することで、排出ガスセンサ25のセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)が目標素子温度になるように排出ガスセンサ25のヒータ26の通電を制御する。その際、エンジン11が自動停止された場合には、まず、エンジン11の自動停止直後にヒータ26の通電を停止するヒータカット制御を実行した後、後述する方法で予測したアイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサ25の素子温度を上昇させる素子温度上昇制御を実行する。
具体的には、図2のタイムチャートに示すように、エンジン運転中は、排出ガスセンサ25の目標素子温度をセンサ素子の活性温度範囲内の温度に設定して、排出ガスセンサ25の素子温度が目標素子温度(=活性温度範囲内の温度)になるようにヒータ26の通電を制御することで、排出ガスセンサ25の素子温度を活性温度範囲内に維持する。
その後、エンジン自動停止要求が発生して(エンジン自動停止要求信号がオンに切り換わって)エンジン11が自動停止された時点t1 で、ナビゲーション装置32からの情報(車両位置情報と時刻情報)と、実アイドルストップ時間の学習データとに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測する。この場合、例えば、車両位置と時間帯とに応じた学習領域毎に学習した実アイドルストップ時間の学習データの中から、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間の平均値を検索して、その検索した実アイドルストップ時間の平均値を今回の車両位置及び時間帯における予測アイドルストップ時間とする。
更に、エンジン自動停止要求が発生して(エンジン自動停止要求信号がオンに切り換わって)エンジン11が自動停止された時点t1 で、ヒータカット制御を実行する。このヒータカット制御では、排出ガスセンサ25の目標素子温度をヒータカット制御用の温度(ヒータ26の通電が停止される温度)に設定して、ヒータ26の通電を停止する。
そして、エンジン自動停止から所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間は、アイドルストップ時間の最小値に設定されている。この場合、例えば、前述した実アイドルストップ時間の学習データの中から、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間の最小値を検索して、その検索した実アイドルストップ時間の最小値を所定時間とする。
その後、エンジン自動停止から所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過した時点t2 で、ヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換える。この素子温度上昇制御では、予測アイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサ25の素子温度を上昇させる。この場合、例えば、予測アイドルストップ時間内に排出ガスセンサ25の素子温度が活性温度又は活性温度よりも低い予熱温度(例えば、素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度、つまり、センサ素子を半活性状態に維持できる温度)まで昇温するように目標素子温度を徐々に上昇させる。
以下、ECU31が実行する図3の学習ルーチン及び図4のヒータ制御ルーチンの処理内容を説明する。
以下、ECU31が実行する図3の学習ルーチン及び図4のヒータ制御ルーチンの処理内容を説明する。
[アイドルストップ時間学習ルーチン]
図3に示すアイドルストップ時間学習ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうアイドルストップ時間学習手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン自動停止要求信号がオンからオフに切り換わったか否かを判定し、エンジン自動停止要求信号がオンからオフに切り換わったと判定されたときに、エンジン11が自動始動されたと判断して、ステップ102に進み、エンジン11の自動停止から自動始動までの実アイドルストップ時間を算出する。
図3に示すアイドルストップ時間学習ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうアイドルストップ時間学習手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン自動停止要求信号がオンからオフに切り換わったか否かを判定し、エンジン自動停止要求信号がオンからオフに切り換わったと判定されたときに、エンジン11が自動始動されたと判断して、ステップ102に進み、エンジン11の自動停止から自動始動までの実アイドルストップ時間を算出する。
この後、ステップ103に進み、ナビゲーション装置32から車両位置情報と時刻情報を読み込んだ後、ステップ104に進み、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間データに今回の実アイドルストップ時間を加えた後、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における複数回分の実アイドルストップ時間データ及びそれらの平均値と最小値を学習し、ECU31のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶されている今回の学習領域における実アイドルストップ時間の学習データを今回の学習データで更新する。
[ヒータ制御ルーチン]
図4に示すヒータ制御ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうヒータ制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン自動停止要求信号がオンであるか否かを判定する。
図4に示すヒータ制御ルーチンは、ECU31の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうヒータ制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン自動停止要求信号がオンであるか否かを判定する。
このステップ201で、エンジン自動停止要求信号がオフと判定された場合には、エンジン運転中と判断して、ステップ202に進み、排出ガスセンサ25の目標素子温度をセンサ素子の活性温度範囲内の温度に設定した後、ステップ207に進み、排出ガスセンサ25の素子温度が目標素子温度(=活性温度範囲内の温度)になるようにヒータ26の通電を制御することで、排出ガスセンサ25の素子温度を活性温度範囲内に維持する。
その後、上記ステップ201で、エンジン自動停止要求信号がオンと判定されたときに、エンジン11が自動停止されたと判断して、ステップ203に進み、アイドルストップ時間を次のようにして予測する。ナビゲーション装置32から車両位置情報と時刻情報を読み込んだ後、車両位置と時間帯とに応じた学習領域毎に学習した実アイドルストップ時間の学習データの中から、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間の平均値を検索して、その検索した実アイドルストップ時間の平均値を今回の車両位置及び時間帯における予測アイドルストップ時間とする。このステップ203の処理が特許請求の範囲でいうアイドルストップ時間予測手段としての役割を果たす。
この後、ステップ204に進み、エンジン自動停止(エンジン自動停止要求信号のオン)から所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間は、アイドルストップ時間の最小値(例えば、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間の最小値)に設定されている。
このステップ204で、エンジン自動停止から所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過していないと判定された場合には、ステップ205に進み、排出ガスセンサ25の目標素子温度をヒータカット制御用の温度(ヒータ26の通電が停止される温度)に設定した後、ステップ207に進み、排出ガスセンサ25の素子温度が目標素子温度(=ヒータ26の通電が停止される温度)になるようにヒータ26の通電を制御することで、ヒータの通電を停止するヒータカット制御を実行する。
その後、上記ステップ204で、エンジン自動停止から所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過したと判定されたときに、ステップ206に進み、予測アイドルストップ時間内に排出ガスセンサ25の素子温度が活性温度又は活性温度よりも低い予熱温度(例えば、素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度、つまり、センサ素子を半活性状態に維持できる温度)まで昇温するように目標素子温度を徐々に上昇させる。
この場合、まず、図5に示す目標素子温度の初期値のテーブルを参照して、予測アイドルストップ時間に応じた目標素子温度の初期値を算出する。この目標素子温度の初期値のテーブルは、予測アイドルストップ時間が長くなるほど目標素子温度の初期値が低くなるように設定されている。更に、図6に示す目標素子温度の増加量のマップを参照して、現在の目標素子温度とアイドルストップ経過時間(エンジン自動停止からの経過時間)とに応じた目標素子温度の増加量を算出する。この目標素子温度の増加量を前回の目標素子温度(初回は目標素子温度の初期値)に加算して今回の目標素子温度を求めることで、目標素子温度を徐々に上昇させる。
この後、ステップ207に進み、排出ガスセンサ25の素子温度が目標素子温度になるようにヒータ26の通電を制御することで、目標素子温度を徐々に上昇させて排出ガスセンサ25の素子温度を徐々に上昇させる素子温度上昇制御を実行する。
以上説明した本実施例では、エンジン11の自動停止直後に、ヒータ26の通電を停止するヒータカット制御を実行するようにしたので、排出ガスセンサ25の素子温度を予熱温度付近に維持するようにヒータ26に通電する場合に比べて、ヒータ26の消費電力を低減することができる。更に、ヒータカット制御を実行した後、予測したアイドルストップ時間を考慮して目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサ25の素子温度を上昇させる素子温度上昇制御を実行するようにしたので、予測したアイドルストップ時間に合わせた適度な速さで目標素子温度を上昇させて排出ガスセンサ25の素子温度を上昇させることができる。これにより、ヒータカット制御による消費電力の低減効果によってアイドルストップ中の排出ガスセンサ25のヒータ26の消費電力を効果的に低減することができて、燃費を向上させることができると共に、ヒータカット制御後の素子温度上昇制御によってアイドルストップ時間内(エンジン11の自動始動まで)に排出ガスセンサ25の素子温度を適度に昇温させることができて、エンジン11の自動始動時又は自動始動後の早い時期に排出ガスセンサ25の素子温度を活性温度に昇温して排出ガスセンサ25を活性化させることができ、空燃比フィードバック制御を早期に開始することができる。
また、本実施例では、ナビゲーション装置32からの情報に基づいて車両位置毎及び時間帯毎に実アイドルストップ時間を学習しておき、ナビゲーション装置32からの情報と実アイドルストップ時間の学習データに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測するようにしたので、実アイドルストップ時間の学習データに基づいて、アイドルストップ時間を精度良く予測することができる。
また、本実施例では、エンジン11の自動停止から所定時間が経過したときにヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換えると共に、その所定時間をアイドルストップ時間の最小値に設定するようにしたので、予測したアイドルストップ時間が経過する前にエンジン11が自動始動された場合でも、その自動始動よりも前に所定時間(アイドルストップ時間の最小値)が経過してヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換えることができる。これにより、予測したアイドルストップ時間が経過する前にエンジン11が自動始動された場合でも、エンジン11の自動始動までに素子温度上昇制御を実行して排出ガスセンサ25の素子温度をある程度昇温することができ、排出ガスセンサ25の活性化の遅れを抑制することができる。
更に、本実施例では、素子温度上昇制御の際に、予測アイドルストップ時間内に排出ガスセンサ25の素子温度が活性温度又は該活性温度よりも低い予熱温度まで昇温するように目標素子温度を徐々に上昇させるようにしたので、素子温度上昇制御の際に、目標素子温度を活性温度又は予熱温度に相当する温度まで一気に上昇させる場合に比べて、ヒータ26の消費電力の増加を抑制しながら、アイドルストップ時間内(エンジン11の自動始動まで)に排出ガスセンサ25の素子温度を活性温度又は予熱温度まで昇温することができる。
尚、上記実施例では、ナビゲーション装置32からの情報と実アイドルストップ時間の学習データに基づいてアイドルストップ時間を予測するようにしたが、アイドルストップ時間を予測する方法は、これに限定されず、例えば、他の車両の通信装置から車車間通信によって送信される運転情報(例えば、先行車両の停車時間、先行車両の停止時刻や発進時刻等)や、道路交通情報通信システム(VICS)の基地局(例えば道路に沿って設置された発信機)から送信される道路交通情報(例えば、渋滞情報、信号の切替間隔等)に基づいて、先行車両の停車時間を判定して、その判定した先行車両の停車時間から自車両のアイドルストップ時間を予測するようにしても良い。このようにすれば、他の車両の運転情報や道路交通情報に基づいて、アイドルストップ時間を精度良く予測することができる。
また、上記実施例では、ヒータカット制御の際に、ヒータ26の通電を停止するようにしたが、これに限定されず、排出ガスセンサ25の素子温度が所定の予熱温度(例えば、素子温度をすぐに活性温度に昇温できる温度、つまり、センサ素子を半活性状態に維持できる温度)よりも低い不活性温度まで低下するようにヒータ26の通電電力を低下させるようにしても良い。
また、上記実施例では、エンジン11の自動停止から所定時間が経過したときにヒータカット制御から素子温度上昇制御に切り換える際の所定時間を設定する場合に、実アイドルストップ時間の学習データの中から、今回の車両位置と時間帯とに応じた学習領域における実アイドルストップ時間の最小値を検索して、その検索した実アイドルストップ時間の最小値を所定時間とするようにしたが、これに限定されず、アイドルストップ時間の最小値を予測して、その予測したアイドルストップ時間の最小値を所定時間としたり、所定時間を予め設定した固定値としても良い。或は、予測したアイドルストップ時間に応じて所定時間を変化させるようにしても良い。
その他、本発明は、触媒24の下流側の排出ガスセンサのヒータ制御に適用して実施しても良い等、種々変更して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管(排出ガス通路)、24…触媒、25…排出ガスセンサ、26…ヒータ、31…ECU(ヒータ制御手段,アイドルストップ制御手段,アイドルストップ時間学習手段,アイドルストップ時間予測手段)、32…ナビゲーション装置
Claims (6)
- 内燃機関の排出ガス通路に設けられた排出ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータと、前記排出ガスセンサのセンサ素子の温度(以下「素子温度」という)が目標素子温度になるように前記ヒータの通電を制御するヒータ制御手段とを備えた排出ガスセンサのヒータ制御装置において、
内燃機関の自動停止要求が発生したときに内燃機関を自動停止させ、内燃機関の自動始動要求が発生したときに内燃機関を自動始動させるアイドルストップ制御を実行するアイドルストップ制御手段と、
前記アイドルストップ制御による内燃機関の自動停止から自動始動までのアイドルストップ時間を予測するアイドルストップ時間予測手段とを備え、
前記ヒータ制御手段は、内燃機関の自動停止直後に前記ヒータの通電を停止するか又は前記排出ガスセンサの素子温度が所定の予熱温度よりも低い不活性温度まで低下するように前記ヒータの通電電力を低下させるヒータカット制御を実行した後、前記アイドルストップ時間予測手段で予測したアイドルストップ時間を考慮して前記目標素子温度を上昇させて前記排出ガスセンサの素子温度を上昇させる素子温度上昇制御を実行することを特徴とする排出ガスセンサのヒータ制御装置。 - 車両に搭載されたナビゲーション装置からの情報に基づいて車両位置毎及び時間帯毎に実アイドルストップ時間を学習するアイドルストップ時間学習手段を備え、
前記アイドルストップ時間予測手段は、前記ナビゲーション装置からの情報と前記アイドルストップ時間学習手段で学習した実アイドルストップ時間の学習データとに基づいて今回の車両位置及び時間帯におけるアイドルストップ時間を予測する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の排出ガスセンサのヒータ制御装置。 - 前記アイドルストップ時間予測手段は、他の車両の通信装置から送信される運転情報及び/又は所定の基地局から送信される道路交通情報に基づいてアイドルストップ時間を予測する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の排出ガスセンサのヒータ制御装置。
- 前記ヒータ制御手段は、内燃機関の自動停止から所定時間が経過するまで前記ヒータカット制御を実行し、前記所定時間が経過した後に前記素子温度上昇制御を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排出ガスセンサのヒータ制御装置。
- 前記所定時間は、前記アイドルストップ時間の最小値に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の排出ガスセンサのヒータ制御装置。
- 前記ヒータ制御手段は、前記素子温度上昇制御の際に、前記アイドルストップ時間予測手段で予測したアイドルストップ時間内に前記排出ガスセンサの素子温度が活性温度又は該活性温度よりも低い予熱温度まで昇温するように前記目標素子温度を徐々に上昇させる手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の排出ガスセンサのヒータ制御装置。
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