JP2011006877A - 幅木固定用金具および幅木固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が簡単で安価に製造することができるとともに、幅木と足場板との間に隙間を生じさせない、幅木固定用金具および幅木固定構造を提供する。
【解決手段】幅木支持部材120をクランプ110に対して回動(α度)させることで幅木31を傾斜させて固定する。これにより、枠組足場(柱部材11)と足場板20の側面との間に生じる隙間S1を塞ぐことが可能となる。その結果、足場板20の側面領域に隙間を生じさせることなく、足場板からの工具の落下防止等を確実なものとすることができる。
【選択図】図3
【解決手段】幅木支持部材120をクランプ110に対して回動(α度)させることで幅木31を傾斜させて固定する。これにより、枠組足場(柱部材11)と足場板20の側面との間に生じる隙間S1を塞ぐことが可能となる。その結果、足場板20の側面領域に隙間を生じさせることなく、足場板からの工具の落下防止等を確実なものとすることができる。
【選択図】図3
Description
この発明は、建設現場、作業現場等において用いられる枠組足場に幅木を取り付ける際に用いられる、幅木固定用金具および幅木固定構造に関する。
枠組足場における足場板からの工具の落下防止等のために、足場板の周縁開放部に幅木が取り付けされる。幅木を枠組足場の構成部品である柱部材に固定するための幅木固定用金具として、下記の特許文献1が挙げられる。
枠組足場の構成部材として、鉛直方向に延びる複数の柱部材、水平方向に延びる複数の梁部材、および、複数の足場板が挙げられる。ここで、足場板の幅寸法は、仮説工業会認定基準においては、最大幅が500mm以下と定められている。また、枠組足場の市場に流通している柱部材間の幅寸法は、600mm、900mm、1200mmが主流となっている。
柱部材間が1200mmの枠組足場においては、幅500mmの足場板が2枚用いられる。しかし、この寸法関係において、足場板を中央に並べて配置した場合には、足場板の両側に50mmの寸法差が生じることになる。枠組足場には、上記したように幅木が取り付けられることから、幅木と足場板の側面との間に隙間が生じる。
枠組足場の柱部材間の寸法に合せて、400mm幅の足場板を3枚用いることも考えられる。しかし、足場板の種類の増加に伴う建設コストの上昇が懸念されること、建設現場、作業現場等において用いられる足場板の数量は相当数あるため、現場での枠組足場の組み立て作業量が大幅に増大することが懸念される。
この発明の目的は、構成が簡単で安価で製造することができるとともに、幅木と足場板との間に隙間を生じさせない、幅木固定用金具および幅木固定構造を提供することにある。
この発明に基づいた幅木固定用金具においては、鉛直方向に延びる柱部材、水平方向に延びる梁部材、および、足場板を構成部品に有する枠組足場に幅木を取り付けるための幅木固定用金具であって、上記柱部材に対して着脱可能に取り付けるための締付金具と、上記締付金具に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材とを備えている。
上記幅木支持部材は、上記締付金具から略水平方向に延びるとともに、その軸周りに沿って回動可能に上記締付金具に取り付けられるベース軸部と、上記ベース軸部の軸方向に対して交差する方向に延び、幅木を下方側から支持するための幅木受部領域とを有している。
上記幅木固定用金具の他の形態においては、上記幅木受部領域は、上記ベース軸部の軸方向に対して交差するように略下方に延びる延長部と、上記延長部の軸方向に対して交差する方向に延びる幅木受部と、上記幅木受部から、上記延長部に並行に略上方向に延びる起立部とを有する。
上記幅木固定用金具の他の形態においては、上記幅木受部は、上記ベース軸部の軸方向に対して略直交する方向に延びる。
上記幅木固定用金具のいずれかにおいては、上記延長部は、上記幅木受部領域が上記締付金具(110)に対して回動していない位置状態において、上記締付金具の取付中心軸と重なり合う領域を含む。
上記幅木固定用金具の他の形態においては、上記幅木受部領域は、幅木を下方側から支持した状態において、幅木を上方側から押圧するストッパ機構をさらに有する。
上記幅木固定用金具の他の形態においては、上記締付金具と上記幅木支持部材との間には、上記締付金具に対する上記幅木支持部材の回動角度を固定するための固定手段が設けられる。
この発明に基づいた幅木固定構造においては、鉛直方向に延びる柱部材、水平方向に延びる梁部材、および、足場板を構成部品に有する枠組足場に幅木を取り付けるための幅木固定構造であって、上記幅木の第1固定位置および第2固定位置では、上記の幅木固定用金具を用いて上記幅木の下面側を保持し、上記第1固定位置と上記第2固定位置との間に位置する第3固定位置では、上記幅木の上面側に当接する金具を用いて、上記幅木の上面側を保持する。
この発明に基づいた幅木固定用金具および幅木固定構造によれば、構成が簡単で安価で製造することができるとともに、幅木と足場板との間に隙間を生じさせずに、枠組足場に幅木を取り付けることが可能となる。
本発明に基づいた実施の形態における幅木固定用金具および幅木固定構造について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
(枠組足場1)
図1を参照して、以下に示す実施の形態における幅木固定用金具を用いて幅木を枠組足場に固定した状態について説明する。建設現場、作業現場等において用いられる枠組足場1は、現場の状況に応じてその形態は様々である。たとえば、建物の建築現場で用いられる枠組足場は、建物の外壁形状に沿って直線状に設けられ、また、コーナ部ではそのコーナ部に沿って設けられる。足場の段数は、家庭用家屋の建築現場等では、2段から4段、商業用のビル建築現場では数十段設けられる。
図1を参照して、以下に示す実施の形態における幅木固定用金具を用いて幅木を枠組足場に固定した状態について説明する。建設現場、作業現場等において用いられる枠組足場1は、現場の状況に応じてその形態は様々である。たとえば、建物の建築現場で用いられる枠組足場は、建物の外壁形状に沿って直線状に設けられ、また、コーナ部ではそのコーナ部に沿って設けられる。足場の段数は、家庭用家屋の建築現場等では、2段から4段、商業用のビル建築現場では数十段設けられる。
図1は、枠組足場1の直線部分での幅木31の取り付け状態を示すものである。幅木は連続して隙間なく配設されるが、ここでは、説明の便宜上2枚の幅木31,31を図示している。枠組足場1は、鉛直方向に延びる複数の柱部材11と水平方向に延びる複数の梁部材12を有している。梁部材12には、足場板20が複数取り付けられている。柱部材11は、所定のピッチ(L)で配設されるとともに、柱部材11同士の間には、手摺部材13および筋交い14が取り付けられている。
枠組足場1における足場板20からの工具の落下防止等のために、足場板20の周縁開放部に幅木31,31が、幅木固定用金具100を用いて枠組足場1に固定されている。中央に位置する幅木固定用金具100は、2枚の幅木31を重ね合せるようにして支持している。
(幅木固定用金具100による幅木31の固定)
図2および図3を参照して、本実施の形態における幅木固定用金具100は、柱部材11に対して着脱可能に取り付けるための締付金具であるクランプ110と、このクランプ110に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材120とを有している。図示においては、幅木支持部材120は、鉛直方向(C1)に対してα度(約30度)回動させた状態が保たれ、幅木31を傾斜させて支持している。
図2および図3を参照して、本実施の形態における幅木固定用金具100は、柱部材11に対して着脱可能に取り付けるための締付金具であるクランプ110と、このクランプ110に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材120とを有している。図示においては、幅木支持部材120は、鉛直方向(C1)に対してα度(約30度)回動させた状態が保たれ、幅木31を傾斜させて支持している。
幅木31の底面は幅木受部127により支持されている。また、幅木31の上面はストッパ機構130により、下方に向けて押え付けられている。これにより、幅木31の幅木受部127内での遊びを抑制することができる。
(幅木固定用金具100の詳細構造)
図4から図6を参照して、上記幅木固定用金具100の詳細構造について説明する。この幅木固定用金具100は、柱部材11に対して着脱可能に取り付けるための締付金具であるクランプ110と、このクランプ110に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材120とを備えている。
図4から図6を参照して、上記幅木固定用金具100の詳細構造について説明する。この幅木固定用金具100は、柱部材11に対して着脱可能に取り付けるための締付金具であるクランプ110と、このクランプ110に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材120とを備えている。
クランプ110は、柱部材11に巻き付くように配置される半円弧形状の第1固定片111および第2固定片112と有している。第1固定片111の一端と第2固定片112の一端とは、軸113により相互に回動可能に連結されている。第1固定片111の他端には、軸116により回動可能にボルト115が連結さている。第2固定片112の一端には、ボルト115を受け入れ可能なU字形状の係合スリット114が形成されている。ボルト115には、予めナット117がセットされている。なお、クランプ110は同様の機能を有するものであれば、図示する構造を有するクランプに限定されるものではない。
幅木支持部材120は、クランプ110から略水平方向に延び、その軸周り(図中R回動方向)に沿って回動可能にクランプ110の第1固定片111に取り付けられるベース軸部121と、このベース軸部121の軸方向に対して交差する方向に延び、幅木を下方側から支持するための幅木受部領域120Aとを有している。
ベース軸部121は、第1固定片111の表面から略垂直方向に突出するように設けられている。ベース軸部121は、第1固定片111を回動可能に貫通する。第1固定片111の内側には、ボルト頭122が設けられている。ベース軸部121の表面には、ネジ溝121sが形成されている。第1固定片111の外側の領域には、ネジ溝121sに螺合するナット123がセットされている。このベース軸部121に設けられた、ボルト頭122、ネジ溝121s、およびナット123により、クランプ110に対する幅木支持部材120の回動角度(α度)を固定するための固定手段を構成する。
幅木受部領域120Aは、ベース軸部121の軸方向に対して交差するように略下方に延びる延長部を有している。本実施の形態では、この延長部は、ベース軸部121の軸方向に対して略直交するように略下方に延びる第1延長部124と、この第1延長部124からベース軸部121の軸方に対して並行となるように、傾斜しながら略下方に延びる第2延長部125と、第2延長部125から略下方に延びる第3延長部126とを有している。
さらに、第3延長部126の一端からは、この第3延長部126の軸方向に対して交差する方向に延びる幅木受部127が設けられ、この幅木受部127の一端から第3延長部126に並行に略上方向に延びる起立部128が設けられている。また、本実施の形態における幅木受部127の軸方向と、ベース軸部121の軸方向との交わる角度が、略90度となるように折り曲げられている。
本実施の形態では、ベース軸部121の一端と第1延長部124の一端とは溶接により固定されているが、溶接による結合に限らず、L字状の連結部材を用いて、ベース軸部121と第1延長部124とを連結状態にすることも可能である。
本実施の形態における第3延長部126は、幅木受部領域120Aがクランプ110に対して回動していない位置状態(図4〜図6に示す状態、αが0度の状態)において、クランプ110の取付中心軸C1(鉛直方向)と重なり合うように形成されている。第2延長部125は、第3延長部126を、クランプ110の取付中心軸C1に一致させるために傾斜している。
なお、本実施の形態における幅木受部領域120Aは、一本の鉄製の棒状部材を折り曲げることにより成形されている。また、クランプ110、幅木支持部材120、および、後述のストッパ機構130の表面は、防錆のためメッキ処理が施されている。
(ストッパ機構130)
第3延長部126には、幅木31の上面を下方に向けて押え付けるためのストッパ機構130が設けられている。このストッパ機構130は、第3延長部126の中央より上部領域に設けられたネジ山134、このねじ山134に螺合する蝶ナット132、ワッシャ133、および、第3延長部126に沿って上下異動可能なストッパプレート131から構成されている。蝶ナット132は、通常の六角ナットでもかまわない。ストッパプレート131の先端部近傍領域には、貫通孔131aが設けられている。この貫通孔131aは、釘、木ねじ等を用いた幅木を固定する際に用いられる。
第3延長部126には、幅木31の上面を下方に向けて押え付けるためのストッパ機構130が設けられている。このストッパ機構130は、第3延長部126の中央より上部領域に設けられたネジ山134、このねじ山134に螺合する蝶ナット132、ワッシャ133、および、第3延長部126に沿って上下異動可能なストッパプレート131から構成されている。蝶ナット132は、通常の六角ナットでもかまわない。ストッパプレート131の先端部近傍領域には、貫通孔131aが設けられている。この貫通孔131aは、釘、木ねじ等を用いた幅木を固定する際に用いられる。
(寸法の一例)
本実施の形態においては、ベース軸部121の第1固定片111から突出する部分の長さは約30mm程度、第1延長部124の長さ(L1)は約60mm程度、第2延長部125の長さ(L2)は約100mm程度、第3延長部126の長さ(L3)は約180mm程度、幅木受部127の長さ(L4)は約90mm程度、起立部128の長さ(L5)は約50mm程度、全長(H)は約300mm程度である。なお、これらの寸法に限定されるものでなく、固定すべき幅木のサイズに応じて適宜変更される。
本実施の形態においては、ベース軸部121の第1固定片111から突出する部分の長さは約30mm程度、第1延長部124の長さ(L1)は約60mm程度、第2延長部125の長さ(L2)は約100mm程度、第3延長部126の長さ(L3)は約180mm程度、幅木受部127の長さ(L4)は約90mm程度、起立部128の長さ(L5)は約50mm程度、全長(H)は約300mm程度である。なお、これらの寸法に限定されるものでなく、固定すべき幅木のサイズに応じて適宜変更される。
(幅木31の固定)
上記構成からなる幅木固定用金具100を用いた幅木31の固定の一例について、再び、図3を参照して説明する。まず、クランプ110を柱部材11に仮固定する。このとき、クランプ110は柱部材11に沿って上下動可能な状態とする。次に、幅木支持部材120の幅木受部127の下端コーナ部を足場板20の上に当接させた状態で、クランプ110を柱部材11に沿って上下動させて、幅木支持部材120の回動角度(傾斜角度)αが最適な角度となるように調節する。角度を調節した後、ボルト117を締め込み、クランプ110を柱部材11に本固定する。また、ベース軸部121に設けられたナット123を締めこむことにより、幅木支持部材120の回動角度を固定する。
上記構成からなる幅木固定用金具100を用いた幅木31の固定の一例について、再び、図3を参照して説明する。まず、クランプ110を柱部材11に仮固定する。このとき、クランプ110は柱部材11に沿って上下動可能な状態とする。次に、幅木支持部材120の幅木受部127の下端コーナ部を足場板20の上に当接させた状態で、クランプ110を柱部材11に沿って上下動させて、幅木支持部材120の回動角度(傾斜角度)αが最適な角度となるように調節する。角度を調節した後、ボルト117を締め込み、クランプ110を柱部材11に本固定する。また、ベース軸部121に設けられたナット123を締めこむことにより、幅木支持部材120の回動角度を固定する。
次に、幅木支持部材120の幅木受部127に幅木31を載置する。その後、ストッパ機構130を用いて、ストッパプレート131を幅木31の上面に当接させた後に、蝶ナット132を締め込み、ストッパプレート131により幅木31の上面を押え付ける。これにより、幅木固定用金具100を用いた幅木31の固定が完了する。なお、上記幅木の固定手順はあくまでも一例であり、現場の作業員の作業性に応じて、手順は変わるものである。
(作用・効果)
以上、本実施の形態における幅木固定用金具100によれば、図3に示すように、幅木支持部材120をクランプ110に対して回動させることで幅木31を傾斜させて固定する。これにより、枠組足場(柱部材11)と足場板20の側面との間に生じる隙間S1を塞ぐことが可能となる。その結果、図1に示すように、足場板20の側面領域に隙間を生じさせることなく、足場板20からの工具の落下防止等を確実なものとすることができる。
以上、本実施の形態における幅木固定用金具100によれば、図3に示すように、幅木支持部材120をクランプ110に対して回動させることで幅木31を傾斜させて固定する。これにより、枠組足場(柱部材11)と足場板20の側面との間に生じる隙間S1を塞ぐことが可能となる。その結果、図1に示すように、足場板20の側面領域に隙間を生じさせることなく、足場板20からの工具の落下防止等を確実なものとすることができる。
また、この幅木固定用金具100を用いて幅木31を固定することができるため、作業者の労力の軽減を図ることができる。また、幅木固定用金具100の構成部材として、安価な部材を用いることができるため、現場において数多く必要とされる幅木固定用金具100に要するコストの上昇を抑制することが可能となる。
また、第3延長部126を、幅木受部領域120Aがクランプ110に対して回動していない位置状態において、クランプ110の取付中心軸C1に一致させる構成を採用していることから、幅木固定用金具100を柱部材11に取り付けた場合に、図1に示すように、柱部材11の間隔(L)と、幅木固定用金具100の第3延長部126の間隔とを一致させる配置が可能となる。これにより、柱部材11の間隔(L)に対応させて、幅木31の長さを決定することが可能となる。
また、ベース軸部121によりクランプ110から遠ざかる位置に幅木支持部材120が位置することから、クランプ110を柱部材11に対して回動させることで、幅木31を幅木支持部材120により締付けることも可能となる。
また、この幅木固定用金具100は、ベース軸部121を用いて、クランプ110から遠ざかる位置に、幅木支持部材120を設けるようにしていることから、幅木受部127から幅木31がはみ出した場合であっても、幅木を保持することができるため、予め用意した正規長さの幅木だけでなく、現場にある木製の足場板を幅木として用いることもできる。
なお、上記実施の形態においては、第3延長部126を、クランプ110の取付中心軸C1に一致させるために傾斜する第2延長部125を設ける構成を採用しているが、第3延長部126を取付中心軸C1に一致させる必要がない場合には、図7に示すように、第2延長部125を設けることなく、第1延長部124をそのまま延長させ、第1延長部124の下端から幅木受部127を設ける構成を採用することも可能である。
また、屋外において風が強い現場では、幅木31に風が当たることで、幅木31が浮上する(持ち上げられる)場合がある。このような場合には、ベース軸部121に設けられた固定手段であるナット123を締め込み、また、ストッパ機構130を用いることで、幅木の浮き上がりを抑制させることができる。さらに、幅木固定用金具100が足場板20に当接していることから、足場板20の風による浮き上がりも防止することができる。
しかし、屋内等の現場では、風の影響を考慮する必要がない場合も有り得る。このような場合には、ベース軸部121に、クランプ110に対する幅木支持部材120の回動角度(α度)を固定するための固定手段を設ける必要はない。同様に、ストッパ機構130を設ける必要もない。
また、上記実施の形態においては、ベース軸部121は、クランプ110の第1固定片111の表面から略垂直方向に突出し、第1固定片111を回動可能に貫通するように設ける構成を採用しているが、この構成には限られない。たとえば、図8に示すように、第1固定片111の外側面に沿ってベース軸部121を配設して、ベース軸部121の軸周りに回動可能なように軸受210,210によりベース軸部121を支持する構成を採用することも可能である。
(幅木固定構造)
次に、図9および図10を参照して、上述した幅木固定用金具100を用いた幅木固定構造について説明する。幅木31を枠組足場の柱部材11に固定する場合、幅木31の両側の第1固定位置P1および第2固定位置P2においては、上述した幅木固定用金具100を用いることができる。
次に、図9および図10を参照して、上述した幅木固定用金具100を用いた幅木固定構造について説明する。幅木31を枠組足場の柱部材11に固定する場合、幅木31の両側の第1固定位置P1および第2固定位置P2においては、上述した幅木固定用金具100を用いることができる。
第1固定位置P1および第2固定位置P2においては、幅木固定用金具100により、下面側から幅木31を支持している(R1,R2)。この場合に、幅木31の中間位置である第3固定位置(P3)を支持する場合には、上面側から幅木31を支持(R3)する構造を採用する。
幅木31の第3固定位置(P3)を支持する幅木固定用金具400を図10に示す。この幅木固定用金具400は、柱部材11に対して着脱可能に取り付けるための締付金具であるクランプ410と、このクランプ410に固定される幅木支持部材420を備えている。
クランプ410は、柱部材11に巻き付くように配置される半円弧形状の第1固定片411および第2固定片412と有し、第1固定片411の一端と第2固定片412の一端とは、軸413により相互に回動可能に連結されている。第1固定片411の他端には、軸416により回動可能にボルト415が連結さている。第2固定片412の一端には、ボルト415を受け入れ可能なU字形状の係合スリット414が形成されている。ボルト415には、予めナット417がセットされている。
幅木支持部材420は、クランプ410から略水平方向に延びるベース部421を有している。ベース部421の一端側は、第1固定片411に溶接により固定されている。ベース部421の他端からは、略鉛直下方向に延びる垂下部422が設けられている。
ベース部421のクランプ410から突出する部分の長さは約100mm程度、垂下部422の長さは約180mm程度である。なお、これらの寸法に限定されるものでなく、固定すべき幅木のサイズに応じて適宜変更される。
以上、幅木31の固定構造において、第1固定位置P1および第2固定位置P2においては、幅木固定用金具100により下面側から幅木31を支持し、幅木31の中間位置である第3固定位置(P3)においては、上面側から幅木31を支持する構造を採用することで、幅木31の上下の動きを規制することが可能となり、幅木31を枠組足場の柱部材11に対して容易にかつ強固に固定することが可能となる。
なお、上記実施の形態においては、コスト、製造の容易化の観点から、幅木受部領域120Aとして一本の鉄の棒を折り曲げ加工したものを採用したが、複数本の部材を組み合わせて幅木受部領域120Aを形成することも可能である。また、角材、アングル材等を用いて幅木支持部材を形成することも可能である。また、軽量化のため中空のパイプ部材等を用いて、幅木支持部材を形成することも可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 枠組足場、11 柱部材、12 梁部材、13 手摺部材、14 筋交い、20 足場板、31 幅木、100 幅木固定用金具、110,410 クランプ、111,411 第1固定片、112,412 第2固定片、113,116,413,416 軸、114,414 係合スリット、115,415 ボルト、117,417 ナット、120,420 幅木支持部材、120A 幅木受部領域、121 ベース軸部、121s ネジ溝、122 ボルト頭、123 ナット、124 第1延長部、125 第2延長部、126 第3延長部、127 幅木受部、128 起立部、130 ストッパ機構、131 ストッパプレート、131a 貫通孔、132 蝶ナット、133 ワッシャ、134 ネジ山、210 軸受、421 ベース部、422 垂下部、C1 取付中心軸。
Claims (7)
- 鉛直方向に延びる柱部材(11)、水平方向に延びる梁部材(12)、および、足場板(20)を構成部品に有する枠組足場(1)に幅木(31)を取り付けるための幅木固定用金具(100)であって、
前記柱部材(11)に対して着脱可能に取り付けるための締付金具(110)と、
前記締付金具(110)に対して回動可能に取り付けられる幅木支持部材(120)と、を備え、
前記幅木支持部材(120)は、
前記締付金具(110,210,310)から略水平方向に延びるとともに、その軸周りに沿って回動可能に前記締付金具(110)に取り付けられるベース軸部(121)と、
前記ベース軸部(121)の軸方向に対して交差する方向に延び、幅木を下方側から支持するための幅木受部領域(120A)と、
を有する幅木固定用金具。 - 前記幅木受部領域(120A)は、
前記ベース軸部(121)の軸方向に対して交差するように略下方に延びる延長部(124,125,126)と、
前記延長部(124,126)の軸方向に対して交差する方向に延びる幅木受部(127)と、
前記幅木受部(127)から、前記延長部(124,126)に並行に略上方向に延びる起立部(128)と、を有する請求項1に記載の幅木固定用金具。 - 前記幅木受部(127)は、前記ベース軸部(121)の軸方向に対して略直交する方向に延びる、請求項1に記載の幅木固定用金具。
- 前記延長部は、前記幅木受部領域(120A)が前記締付金具(110)に対して回動していない位置状態において、前記締付金具(110)の取付中心軸(C1)と重なり合う領域(126)を含む、請求項2または3に記載の幅木固定用金具。
- 前記幅木受部領域は、幅木を下方側から支持した状態において、幅木を上方側から押圧するストッパ機構(130)をさらに有する、請求項1から4のいずれかに記載の幅木固定用金具。
- 前記締付金具(110)と前記幅木支持部材(120)との間には、前記締付金具(110)に対する前記幅木支持部材(120)の回動角度を固定するための固定手段(121,121s,122,123)がさらに設けられる、請求項1から5のいずれかに記載の幅木固定用金具。
- 鉛直方向に延びる柱部材(11)、水平方向に延びる梁部材(12)、および、足場板(20)を構成部品に有する枠組足場(1)に幅木(31)を取り付けるための幅木固定構造であって、
前記幅木(31)の第1固定位置(R1)および第2固定位置(R2)では、請求項1から6のいずれかに記載の幅木固定用金具を用いて前記幅木(31)の下面側を保持し、
前記第1固定位置(R1)と前記第2固定位置(R2)との間に位置する第3固定位置(R3)では、前記幅木(31)の上面側に当接する金具を用いて、前記幅木(31)の上面側を保持する、幅木固定構造。
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