JP2011002822A - 捩れ配向モード液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1及び第2の偏光膜、第1及び第2の偏光膜の間に配置される、第1及び第2のセル基板と、その間に配置される液晶層とを有する捩れ配向モードの液晶セル、並びに第1の偏光膜と液晶セルとの間、及び第2の偏光膜と液晶セルとの間にそれぞれ、傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有するとともに、波長550nmにおける面内レターデーションが0〜200nmである光学異方性層Aを有する液晶表示装置であって、第1の光学異方性積層体中の光学異方性層Aの光軸と液晶層の第1のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行であり、且つ第2の光学異方性積層体中の光学異方性層Aの光軸と液晶層の第2のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行又は直交である捩れ配向モード液晶表示装置である。
【選択図】図1
Description
また、正複屈折材料を含有する光学補償フィルムであって、該材料が、その光軸を10±5°の平均チルト角でチルト配向している、所定の光学特性の光学補償フィルムが提案されている(特許文献2)。
また、少なくとも1つのO−プレート、少なくとも1つの低チルトAプレート、及び少なくとも1つの負のCプレートを有する光学補償フィルムが提案されている(特許文献3)。
よって、本発明は、画面の上下左右のいずれの方向においても広い視野角にわたって、高コントラストを達成する捩れ配向モードの液晶表示装置を提供することを課題とする。
[1]互いの吸収軸を直交にして配置されている第1及び第2の偏光膜、
前記第1及び第2の偏光膜の間に配置される、第1及び第2のセル基板(但し、第1のセル基板が前記第1の偏光膜により近い位置に配置され、及び第2のセル基板が前記第2の偏光膜により近い位置に配置されるものとする)と、その間に配置される液晶層とを少なくとも有する捩れ配向モードの液晶セル、並びに
前記第1の偏光膜と前記液晶セルとの間、及び前記第2の偏光膜と前記液晶セルとの間にそれぞれ、少なくとも3つの光学異方性層、光学異方性層A、B及びCを有する第1及び第2の光学異方性積層体を有する液晶表示装置であって、
前記第1及び第2の光学異方性積層体のそれぞれの、前記第光学異方性層A、B及びCの配置の順序が、液晶セルを中心として対称的であり、
前記光学異方性層Aが、傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、及び波長550nmにおける面内レターデーションが0〜200nmであり、
前記光学異方性層B及びCの面内レターデーションの総和が0〜300nmであり、前記第1の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Bの面内遅相軸と前記第1の偏光膜との吸収軸が平行又は直交であり、及び前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Bの面内遅相軸と前記第2の偏光膜との吸収軸が平行又は直交であり;
前記第1の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第1のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行であり、且つ前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行又は直交である捩れ配向モード液晶表示装置。
[2]液晶セル側から、光学異方性層A、光学異方性層B及び光学異方性層Cの順序で配置され、且つ前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2のセル基板における光軸とが、互いに反平行である[1]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[3]前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、10〜85°である[2]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[4]前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである[2]又は[3]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[5]光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが−200〜300nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜300nmである[2]〜[4]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[6]光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜200nmである[2]〜[5]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[7]光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜300nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである[2]〜[5]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[9]前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、5〜60°である[8]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[10]前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである[8]又は[9]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[11]光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜250nmである[8]〜[10]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[12]光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜160nmである[8]〜[11]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[13]光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜250nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである[8]〜[11]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[15]前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、10〜85°である[14]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[16]前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである[14]又は[15]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[17]光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが−200〜300nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜250nmである[14]〜[16]のいずれかの液晶表示装置。
[18]光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜200nmである[14]〜[17]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[19]光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜250nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである[14]〜[17]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
[20]前記光学異方性層Cが、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリレート類から選択される少なくとも1種を含むフィルムからなることを特徴とする[5]、[11]、又は[17]の捩れ配向モード液晶表示装置。
[21]前記光学異方性層Cが、延伸処理されたフィルムであることを特徴とする請求5]、[11]、又は[17]のいずれかの捩れ配向モード液晶表示装置。
なお、本明細書において、本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(単位:nm)及び厚さ方向のレターデーション(単位:nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(21)及び数式(22)よりRthを算出することもできる。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、本明細書において、Re、Rth及び屈折率について特に測定波長が付記されていない場合は、測定波長550nmであるものとする。
図1に、本発明の液晶表示装置の第1の実施形態の分解斜視図を示す。図1に示す液晶表示装置LCD1は、第1の偏光子4及び第2の偏光子5と、その間にTNモード液晶セル10を有する。液晶セル10と第1の偏光子4、及び液晶セル10と第2の偏光子5の間にはそれぞれ、光学異方性層A(6、6’)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)を含む第1及び第2の光学異方性積層体12、12’が配置されている。第1及び第2の光学異方性積層体12、12’中、各光学異方性層は、液晶セル10を中心にして、光学異方性層A(6、6’)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)の順番で配置されていて、即ち、液晶セル10を中心として対称的配置になっている。第1及び第2の偏光子4、5は、それぞれの吸収軸4a(又は4b)、5a(又は5b)を、互いに直交にして配置されている。
ここで、光学異方性層1(7)と基板(2)を仮想平面P1、光学異方性層1(8)と基板(3)を仮想平面P2とする。光学異方性層2の中の液晶分子(6a、6’a)および基板近傍の液晶分子(2a,3a)はそれぞれ仮想平面P1,P2に対してある傾斜角(6c、6’cおよび2c,3c)を持って傾斜している。傾斜している分子の長軸方向をここでは傾斜軸(6d,6’dおよび2d,3d)とし図2に示すように定義する。傾斜軸(6d,6’dおよび2d,3d)を仮想平面P1、P2に投影した方位を図2に示すように傾斜方位(6e,6’eおよび2e,3e)と定義する。ラビングにより光学異方性層2の液晶を配向させる場合、ラビング方向と傾斜方位は同等である。同様にラビングにより液晶セル内の液晶分子を配向させる場合も、ラビング方向と傾斜方位は同等である。
光学異方性層2の傾斜方位(6e、6’e)とセル基板の近傍における液晶の傾斜方位(2e、3e)は平行であるが互いに反対の方向を持つ。これらの関係を反平行と定義する。
光学異方性層2(6、6’)の棒状液晶分子を配向させる処置として、ラビングする他に光や磁場を与えて配向させる方法や、配向膜側から配向規制力を与える方法など様々であるが、ラビング以外の方法でも図2を基に傾斜方位を決定することができる。
ここで、光学異方性層2(6、6’)の傾斜方位(6e,6’e)は、実際には、前述のKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)では法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を測定することにより検出することが可能である。
また、セル基板の近傍における液晶の傾斜方位は、OPTIPRO(シンテック社製)によって測定することが可能である。
また、光学異方性層A(6、6’)のReは、0〜150nmであるのが好ましく、0〜100nmであるのがより好ましい。
図4に示す実施例形態の液晶表示装置LCD2は、第1の偏光子4及び第2の偏光子5と、その間にTNモード液晶セル10を有する。液晶セル10と第1の偏光子4、及び液晶セル10と第2の偏光子5の間にはそれぞれ、光学異方性層A(6、6”)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)を含む第1及び第2の光学異方性積層体12、12”が配置されている。第1及び第2の光学異方性積層体12、12”中、各光学異方性層は、液晶セル10を中心にして、光学異方性層A(6、6”)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)の順番で配置されていて、即ち、液晶セル10を中心として対称的配置になっている。
図6に示す液晶表示装置LCD3は、第1の偏光子4及び第2の偏光子5と、その間にTNモード液晶セル10を有する。液晶セル10と第1の偏光子4、及び液晶セル10と第2の偏光子5の間にはそれぞれ、光学異方性層A(6'''、6’)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)を含む第1及び第2の光学異方性積層体12'''、12’が配置されている。第1及び第2の光学異方性積層体12'''、12’中、各光学異方性層は、液晶セル10を中心にして、光学異方性層A(6'''、6’)、光学異方性層B(7、7’)、及び光学異方性層C(8、8’)の順番で配置されていて、即ち、液晶セル10を中心として対称的配置になっている。
また、光学異方性層A(6と6”又は6'''と6’)のReは、0〜150nmであるのが好ましい。
図8に示す液晶表示装置LCD4は、第1の偏光子4及び第2の偏光子5と、その間にTNモード液晶セル10を有する。液晶セル10と第1の偏光子4、及び液晶セル10と第2の偏光子5の間にはそれぞれ、光学異方性層B(7、7’)、光学異方性層A(6、6’)、及び光学異方性層C(8、8’)を含む第1及び第2の光学異方性積層体14、14’が配置されている。第1及び第2の光学異方性積層体14、14’中、各光学異方性層は、液晶セル10を中心にして、光学異方性層B(7、7’)、光学異方性層A(6、6’)、及び光学異方性層C(8、8’)の順番で配置されていて、即ち、液晶セル10を中心として対称的配置になっている。
また、光学異方性層A(6、6’)のReは、0〜150nmであるのが好ましく、 0〜100nmであるのがより好ましい。
また、上記では、第1及び第2の光学異方性積層体がそれぞれ、光学異方性層A、B及びCの3層からなる実施形態を示したが、4層以上の光学異方性層を含んでいてもよい。但し、4層以上含む態様では、光学異方性層A以外の光学異方性層の面内レターデーションの総和を0〜300nmに調整するのが好ましい。また、3層以上の光学異方性層を含む第1及び第2の光学異方性積層体は、全部又は一部を積層して一体化した部材として液晶表示装置に組み込んでもよいし、また各光学異方性層が自己支持性のある部材である場合は、それぞれ独立した部材として組み込むこともできる。但し、光学異方性層Aは、棒状液晶組成物からなる層であるので、通常、自己支持性はなく、ポリマーフィルム等の当該層を支持する支持体を伴うであろう。該支持体が、光学異方性層B及び/又は光学異方性層Cであってもよい。
光学異方性層A、B、Cを液晶表示装置の片側に配置してもよい。このとき、他方の液晶表示装置の面にはポリマーフィルムを配置するのがよく、前記ポリマーフィルムが光学異方性層であることが好ましい。
また、本発明は、TNモード、ECBモード、OCBモード等の捩れ配向モードを利用した液晶表示装置のいずれについても、画面左右方位及び上下方位の斜め方向のコントラストを改善するという効果を奏する。特に、黒表示時の平均傾斜角が60〜80°程度のTNモード液晶表示装置の態様において有効である。
(光学異方性層A)
本発明の液晶表示装置は、傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、及び波長550nmにおける面内レターデーションが0〜200nm(好ましくは0〜150nm、より好ましくは0〜100nm)である光学異方性層を有する。
ここで、配向状態に固定された棒状液晶を含有する光学異方性層において、光学異方性層の一方の面における傾斜角(「チルト角」ともいう。棒状液晶分子の物理的な対象軸が光学異方性層の界面となす角度をチルト角とする)θ1、及び他方の面のチルト角θ2を、直接的かつ正確に測定することは困難である。そこで、本明細書においては、θ1及びθ2は、以下の手法で算出する。本手法は、実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では、算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層は棒状化合物や棒状化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。更に、それを構成する最小単位の層(棒状液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定する。)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。該測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、例えば、KOBRA−21ADH、KOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP−100((株)島津製作所製)、M150、M520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)などで行うことができる。
(2)各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(no及びneは各々すべての層において同じ値とする。)、多層体全体の厚みをdとする。更に、各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の極角依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1及び他方の面のチルト角θ2及び厚みdを変数としてフィッティングを行い、θ1、θ2およびdを算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合は、アッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定することもできる。
また、一般にクリスタル・ローテーション法により光学異方性層の平均傾斜角θを求めることができる。
棒状液晶性化合物の複屈折率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.001〜0.7が好ましい。
重合性基を有する前記液晶性化合物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アクリレート基及び/又はメタクリレート基を、1〜5つを有する液晶性化合物が好ましく、1〜4つを有する液晶性化合物がより好ましく、アクリレート基及び/又はメタクリレート基を1〜2つを有する液晶性化合物が更に好ましい。それぞれ、アクリレート基を有する棒状液晶性化合物が特に好ましい。1つ以上とすることにより、配向秩序度は減少するものの重合性基が多くなるため、密着性が向上し好ましい。5つ以下とすることにより、配向秩序度が増加する傾向にあり好ましい。また、光学異方性層は、同じ重合性基を有している液晶性化合物を含有していることが好ましく、アクリレート基を1〜4つの重合性基の異なる棒状液晶化合物を2つ以上有することが好ましく、1〜2つの重合性基の異なる棒状液晶化合物を2つ以上有することがより好ましい。
また、前記液晶性化合物は、高分子液晶性化合物であってもよく、低分子液晶性化合物であってもよい。更に、配向状態を維持して固定されていることが好ましい。前記液晶性化合物としては、光学異方性層を形成する際に架橋され、その後、液晶を示さなくなったものも含まれる。
重合性モノマーとしては、例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。他には、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量としては、液晶性化合物に対して、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%であるのがより好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が3以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができ、より好ましい。
棒状液晶化合物の分子をハイブリッド配向させるために、層の空気界面側の配向を制御し得る添加剤(以下、「空気界面配向制御剤」という)を添加してもよい。該添加剤として、フッ化アルキル基及びスルホニル基等の親水性基を有する低分子量もしくは高分子量の化合物が挙げられる。使用可能な空気界面配向制御剤の具体例には、特開2006−267171号公報等に記載の化合物が含まれる。
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン等が含まれる。
前記非液晶性の重合性モノマーは、非液晶性成分であるので、その添加量が、液晶化合物に対して15質量%を超えることはなく、0〜10質量%程度であるのが好ましい。
前記配向膜に使用されるポリマーとしては、例えば、特開平8−338913号公報の段落番号[0022]記載の化合物が挙げられる。中でも、水溶性ポリマー(例えば、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがより好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが更に好ましい。
ポリビニルアルコールの重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜3000であることが好ましい。
本発明では、面内レターデーションの総和が0〜300nmである光学異方性層B及びCを利用する。光学異方性層B及びCは隣接している必要はなく、図8に示した実施形態のLCD4では、光学異方性層B及びCの間に、光学異方性層Aが配置されていてもよい。
光学特性の観点での、光学異方性層B及びCの好ましい組合せ例は、上記第1及び第4の実施形態では、上記した通り、光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが−200〜300nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜300nmである。より好ましい組合せ例は、光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜200nm、及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜200nmである。
また、光学異方性層B及びCの好ましい組合せ例は、上記第2及び第3の実施形態では、光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜300nmである。より好ましい組合せ例は、光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜200nm、及び厚み方向のレターデーションが0〜200nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜150nmである。
セルロースアシレート類としては、アセチル基を有するセルロースアセテートが代表的な例として挙げられるが、それ以外にも、アセチル基とともにプロピオニル基又はブチリル基を有する、いわゆるCAP及びCAB等を用いることもできる(これについては後述する)。
また、額縁ムラ改善の観点からは、光学異方性層B又はCとして用いるポリマーフィルムは、厚みが薄い(例えば40μm程度)のフィルムが好ましい。また、用途によっては、Re及びRthの波長分散が逆分散性であるものも好ましい。
また、アセチル基とともに、他の脂肪酸エステル残基を有する混合脂肪酸エステルも好ましい。脂肪酸エステル残基の脂肪族アシル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。中でも、アセチル基とともに、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、及びヘキサノイル基から選ばれるアシル基を有するセルロースアシレートを用いるのが好ましく、その置換度が、下記式(1)〜(3)を満足するセルロースアシレートを用いるのがより好ましい。
(1) 2.0 ≦X+Y ≦3.5
(2) 0 ≦X ≦2.5
(3) 0.4 ≦Y ≦2.9
式(1)〜(3)中、Xはセルロースアシレート中のアセチル基の置換度を示し、Yは、セルロースアシレート中のプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、及びヘキサノイル基から選ばれるアシル基の置換度の総和を示す。
(1) 2.0<Z1<2.7
(式(1)中、Z1は低置換度層のセルロースアシレートの総アシル置換度を表す。)
液晶パネルユニットと、バックライトユニットとの距離がより近くなり、バックライトからの熱により光学フィルム等が歪み、液晶表示装置の端部に位相差が発生し、黒表示時に額縁状の光漏れが発生するという問題がある。上記低置換度セルロースアシレート系フィルムを用いると、高置換度セルロースアシレートを用いる場合と比較して、より薄い厚みで所望の光学特性を達成できる。その結果、全体の厚みを厚くすることなしに、液晶パネルユニットとバックライトユニットとの距離を広げることができ、額縁状の光漏れを軽減することができる。
なお、本明細書で「主成分として含有する」とは、原料となる成分が1種である態様ではその成分を、2種以上である態様では、最も質量分率の高い成分をいうものとする。
(2) 2.7<Z2
(式(2)中、Z2は高置換度層のセルロースアシレートの総アシル置換度を表す。)
式(3) 1.0<X1<2.7
(式(3)中、X1は低置換度層のセルロースアシレートのアセチル基の置換度を表す。)
式(4) 0≦Y1<1.5
(式(4)中、Y1は低置換度層のセルロースアシレートの炭素数3以上のアシル基の置換度の合計を表す。)
なおX1とY1は前記式(1)の前記Z1との間にX1+Y1=Z1の関係が成り立つ。
式(5) 1.2<X2<3.0
(式(5)中、X2は高置換度層のセルロースアシレートのアセチル基の置換度を表す。)
式(6) 0≦Y2<1.5
(式(6)中、Y2は高置換度層のセルロースアシレートの炭素数3以上のアシル基の置換度の合計を表す。)
なおX2とY2は前記式(2)の前記Z2との間にX2+Y2=Z2の関係が成り立つ。
なお、低置換度セルロースアシレート系フィルムは、上記セルロースアシレートフィルムと同様、溶液製膜法により製造するのが好ましく、溶液製膜後に延伸処理して、光学特性を所望の範囲とするのが好ましい。
シクロオレフィン系ホモポリマー及びコポリマーの例には、たとえば多環式単量体の開環重合体等が挙げられる。多環式単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、これらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの分子量については特に制限はないが、一般的には、5000〜500000であるのが好ましく、10000〜100000であるのがより好ましい。また、上市されているシクロオレフィン系ポリマーとしては、ARTONシリーズ(JSR(株)製)、ZEONORシリーズ(日本ゼオン(株)製)、ZEONEXシリーズ(日本ゼオン(株)製)、エスシーナ(積水化学工業(株)製)を使用することができる。市販のポリマーフィルムを用いる場合は、延伸処理を施して、上記数式を満足するように、光学特性を調整してもよい。例えば、ZEONORシリーズのポリマーフィルムを用いる場合は、縦延伸(フィルム長手方向に対する延伸)及び/又は横延伸(フィルム幅方向に対する延伸)を施すことによって、第2の光学異方性層に要求される光学特性を満足するポリマーフィルムとすることができる。縦延伸倍率は1〜150%であるのが好ましく、横延伸倍率は2〜200%であるのが好ましい。
使用可能な厚さ方向のレターデーションRth発現剤としては、延伸により発現する面内レターデーションReに影響しないことが好ましく、円盤状の化合物を用いることが好ましい。
使用可能な面内レターデーションRe発現剤の例には、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物が含まれる。
使用可能な厚さ方向のレターデーションRth低減剤の例には、特開2005−301227号に記載の化合物が含まれる。
これら添加剤の使用量は、ポリマー成分100質量部に対して0.01〜30質量部とするのが好ましい。
マット剤の使用量は、ポリマー成分100質量部に対して0.01〜0.3質量部とするのが好ましい。
(光学異方性層C(セルロース・アシレートフィルム)の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
――――――――――――――――――――――――――――――
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製360FP)0.0009質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部にレターデーション上昇剤溶液36質量部、およびシリカ微粒子(アイロジル製、R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
得られた支持体の厚さは82μmであった。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、42nmであった。また、波長550nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、145nmであった。このフィルムを光学異方性層Cとして用いた。
上記で作製したセルロースアセテートフィルムの鹸化処理した表面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。形成した膜に連続的にラビング処理を行った。
配向膜塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
――――――――――――――――――――――――――
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を配向膜上に#4.0のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、90℃の温風で60秒間加熱した。続いて、UV照射により液晶化合物の配向を固定化し、光学異方性層を形成した。これを光学異方性層Bとして利用した。
光学異方性層B塗布液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶性化合物 100質量部
光重合開始剤 3質量部
(特開2006−285187号公報に記載の例示化合物1)
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のフッ素系ポリマー(D) 0.4質量部
下記の水平配向剤 0.2質量部
メチルエチルケトン 342質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Bを自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)を測定したところ、面内レターデーションRe(550)は63nmであった。また、光学異方性層B中、棒状液晶長軸のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、棒状液晶がフィルム面に対して水平に配向していることを、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHから確認した。
光学異方性層Bの形成時に利用した配向膜と同様にして、配向膜を形成した。
このとき、光学異方性層Bの遅相軸と直交する方向にラビング処理を行った。
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を配向膜上に#2.0のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、90℃の温風で60秒間加熱した。続いて、UV照射により液晶化合物の配向を固定化し、光学異方性層を形成した。これを光学異方性層Aとして利用した。この様にして、光学補償フィルムを作製した。
光学異方性層Aの組成
────────────────────────────────
光学異方性層Aの塗布液組成
────────────────────────────────
上記の棒状液晶性化合物 14.5質量%
下記のフッ素系界面活性剤 0.03質量%
下記の増感剤 0.15質量%
下記の光重合開始剤 0.29質量%
メチルエチルケトン 233.6質量%
下記の含フッ素化合物 0.03質量%
────────────────────────────────
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層A自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)を測定したところ、面内レターデーションRe(550)は31nmであった。また、光学異方性層B中、棒状化合物の分子は、ハイブリッド配向状態に固定されていて、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもないことを、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHから確認した。算出した棒状液晶化合物の平均傾斜角度は60°であった。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実施例の光学補償フィルムの支持体側の面と、前記偏光膜の一方の面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。市販のセルロースアセテートフィルム(商品名「フジタック」、富士フイルム(株)製)を鹸化処理した後、偏光膜の他方の面に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付け、楕円偏光板を得た。
図1と同様の構成のTNモード液晶表示装置を作製した。具体的には、TNモード液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W、日本エイサー(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記作製した偏光板1を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板1の透過軸と、バックライト側の偏光板1の透過軸とが直交するように配置した。この様にして、TNモード液晶表示装置を作製した。
作成したフィルムの特性及び配置を後述の表に示す。
(光学異方性層C(セルロース・アシレートフィルム)の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1と同様の方法で配向膜を形成した。
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を用い、実施例1と同様にして光学異方性層Bを形成した。
光学異方性層B塗布液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
上記の棒状液晶性化合物 100質量部
光重合開始剤 3質量部
(特開2006−285187号公報に記載の例示化合物1)
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
上記のフッ素系ポリマー(D) 0.4質量部
上記の水平配向剤 0.2質量部
メチルエチルケトン 243質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成の配向膜形成塗布液をpH10.0になるように水酸化カリウムで調整した。前記配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥して、配向膜を得た。次に、光学異方性層Bの遅相軸と直交する方向にラビング処理を行った。
(配向膜塗布液の組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
上記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水酸化カリウム 0.05質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層Aの組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記アクリレート基を2つ有する棒状液晶性化合物A1 43.72質量部
下記アクリレート基を2つ有する棒状液晶性化合物A2 1.36質量部
ポリマーA(特開2007−121996例示化合物P−15) 0.01質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
メチルエチルケトン 252質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Aの光学特性を計測したところ、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)は88nmであった。また、算出した平均傾斜角は11°であった。
評価結果等は、後述の表に示す。
(光学異方性層Cの作製)
下記のセルロースアセレートを120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、15質量部を使用した。
1)セルロースアシレート溶液の調製:
置換度が2.85のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子径は1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
2)溶媒:
ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部)の混合溶媒を使用した。なお、溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度約7)0.08質量部を使用した。また、下記に示す添加剤を5質量部になるように混合し、製膜用ドープを調製した。
・溶解工程A
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒および添加剤を投入して撹拌、分散させながら、前記セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。 なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、および配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
得られた溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してセルロースアシレート溶液を得た。
前記セルロースアシレート溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアシレートの膜厚80μmの透明フィルムを得た。
得られたフィルムを、2つのニップロール間に加熱ゾーンを有する装置を用いて熱処理した。縦横比(ニップロール間の距離/ベース幅)は3.3となるように調整し、加熱ゾーンは表1記載の温度および熱処理時間とし、2つのニップロールを通過した後、フィルムを1000℃/分で25℃まで冷却した。
作製したセルロースアセテートフィルム面内レターデーションRe(550)は55nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は83nmであった。これを光学異方性層Cとして利用した。
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を用い、実施例1と同様にして光学異方性層Bを形成した。
光学異方性層B塗布液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
上記の棒状液晶性化合物 100質量部
光重合開始剤 3質量部
(特開2006−285187号公報に記載の例示化合物1)
上記のフッ素系ポリマー(D) 0.4質量部
上記の水平配向剤 0.2質量部
メチルエチルケトン 201質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Bの光学特性を計測したところ、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)は92nmであった。また、算出した平均傾斜角は0°であった。これを光学異方性層Bとして利用した。
実施例1と同様の方法で配向膜を作成した。
(光学異方性層Aの作製)
前記配向膜上に、下記組成の液晶組成物を、#2のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射し棒状液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷し、光学異方性層Aを作製した。
液晶組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
上記の棒状液晶化合物 18質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.54質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.18質量部
空気界面側チルト制御剤(例示化合物AD−22) 0.19質量部
メチルエチルケトン 208質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
評価結果等は、下記表に示す。
実施例2において、光学異方性層Aの配置を下記表に示すように変更した以外は、実施例2と同様にしてTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。
評価結果等は、下記表に示す。
実施例3において、光学異方性層Aの配置を下記表に示すように変更した以外は同様にして、TNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。
評価結果等は、下記表に示す。
[TNモード液晶表示装置の評価]
・上下左右の視野角
実施例1〜3、ならびに比較例1及び2で作製した液晶表示装置について、測定機“EZ−Contrast160D”(ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)および白表示(L7)で視野角を測定した。上下左右で、コントラスト比(白透過率/黒透過率)が10以上の領域を視野角として求めた。以下の基準で評価した。結果を下記表に示す。
コントラスト10以上を達成する上下左右視野角の合計が320°以上であると、実用上、表示特性に優れている。
評価 ◎:上下左右CR>10となる角度の合計が320°以上
○:上下左右CR>10となる角度の合計が240°以上
×:上下左右CR>10となる角度の合計が239°以下
実施例1及び実施例3において、光学異方性層Aの形成に利用したフッ素系界面活性剤、例示化合物AD−22、ワイヤーバー#、メチルエチルケトンの量を変更することによりRe値と平均傾斜角度が種々異なる光学異方性層を形成した。光学異方性層Aをこれらの層に置き換えた以外は、同様にして光学補償フィルム、偏光板、及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表に示す。
(光学異方性層Cの作製)
特開2008−3126号公報に記載のフィルム18の処方及び作成方法を参照して、厚み80μmのフィルムを作製し、光学異方性層Cとして利用した。
作製した光学異方性層C用のフィルムの面内レターデーションRe(550)は48nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は117nmであった(なお、特開2008−3126号公報の測定波長と本件の測定波長が異なるので、同一の値にはなっていない。)。
実施例1の光学異方性層B形成用の塗布液の組成におけるメチルエチルケトンを298質量部に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方性層Bを形成した。
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Bの光学特性を計測したところ、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)は70nmであった。また、算出した平均傾斜角は0°であった。
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を配向膜上に#2.0のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、90℃の温風で60秒間加熱した。続いて、UV照射により液晶化合物の配向を固定化し、光学異方性層を形成した。これを光学異方性層Aとして利用した。
光学異方性層Aの組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
上記の棒状液晶性化合物 100質量部
光重合開始剤 3質量部
(特開2006−285187号公報に記載の例示化合物1)
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
上記のフッ素系ポリマー(D) 0.1質量部
メチルエチルケトン 172質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
特開2007−276455の実施例109の処方・作成方法を参照して、光学異方性層Bを作製した。作製した光学異方性層Bの面内レターデーションRe(550)は70nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は35nmであった。
この光学異方性層Bを利用した以外は、実施例14と同様にして、光学補償フィルム、偏光板、及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様にして評価した。CR視野角の評価結果は、◎であった。
市販されているノルボルネン系ポリマーフィルム“ZEONOR”(日本ゼオン)製を、140℃にて縦方向を固定して、横方向に30%延伸して作製したフィルムを、光学異方性層Cとして用いた。この光学異方性層C用のフィルムのReは52nm、及びRthは118nmであった。Re(450)/Re(550)を算出したところ、ほぼフラット分散であった。
この光学異方性層Cを利用した以外は、実施例14と同様にして、光学補償フィルム、偏光板、及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様にして評価した。CR視野角の評価結果は、◎であった。
また、実施例16の液晶表示装置は、実施例14の液晶表示装置に比べ、環境変化に対する黒表示のCR視野角変化が少ないことが確認された。これは、光学異方性層C用に用いたフィルムの耐湿性が良いためであると考えられる。
下記に記載の割合になるように各成分を混合してセルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液を、バンド流延機を用いて流延し、得られたウェブをバンドから剥離し、その後140℃の条件下TD方向に26%延伸した。なおTD方向とは搬送方向と垂直な方向を意味する。延伸後乾燥して、40μmの光学フィルムを得た。このフィルムを光学異方性層Cとして用いた。
(セルロースアシレート溶液)
アセチル置換度1.54、プロピオニル置換度0.84のセルロースアシレート
100質量部
下記の添加剤 K−1 5質量部
下記の添加剤 K−2 4質量部
メチレンクロライド 416質量部
エタノール 79質量部
このフィルムを光学異方性層Cとして利用した以外は、実施例14と同様にして、光学補償フィルム、偏光板、及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。CR視野角の評価結果は、◎であった。
また、実施例17の液晶表示装置は、実施例14の液晶表示装置に比べ、環境変化に対する黒表示のCR視野角変化が少ないことが確認された。これは、光学異方性層C用に用いたフィルムの耐湿性が良いためであると考えられる。
さらに、実施例17の液晶表示装置は、実施例14の液晶表示装置に比べ、黒表示での正面に対する斜め方向の色味変化が少ないことが確認された。これは、光学異方性層C用のフィルムとして、Reが逆分散性のフィルムを使用しているためと考えられる。
(1)セルロースアシレート系フィルムの作製例
(セルロースアシレートの調製)
特開平10−45804号公報、同08−231761号公報に記載の方法で、セルロースアシレートを合成し、その置換度を測定した。具体的には、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することでアシル基の種類、置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が下記表**に記載の値となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記表に記載の置換度のセルロースアセテート 100.0質量部
・下記表に記載の添加剤 下記表に記載の量
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の表に示したようにセルロースアシレートのアシル基の種類と置換度、添加剤量や添加剤種を変更した以外は「C01」と同様にしてその他の低置換度層用セルロースアシレート溶液を調製した。得られた低置換度層用セルロースアシレート溶液の固形分濃度および粘度を下記表に示す。
*2:化合物Bは、下記に示す化合物A−19である。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が下記表**に記載の値となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(置換度2.81) 100.0質量部
・上記化合物A 11質量部
・トリフェニルホスフェート 6.0質量部
・ジフェニルビフェニルホスフェート 5.0質量部
・シリカ微粒子 R972(日本エアロジル製) 0.15質量部
・メチレンクロライド 395.0質量部
・メタノール 59.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記で調製した各低置換度層用セルロースアシレート溶液を下記表に記載の膜厚のコア層になるように、上記で調製した高置換度層用セルロースアシレート溶液を下記表に記載の膜厚のスキンA層及びスキンB層になるように、それぞれ流延した。
得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、乾燥させた後に巻き取った。この時、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が0〜0.5%であった。続いて、前記フィルムを送り出し、下記表に示した条件でテンターにてTD(搬送方向に対して直交方法)延伸を行った。さらに、2対のニップロールにて、この間を加熱しながら出口側のニップロールの周速を入口側のニップロールの周速より速くすることで、MD(搬送方向)延伸を行った。この時、2つのニップロール速度は下記表の延伸倍率になるように速度を調整し、ニップロール間の間隔(L)は2000mm、延伸前のフィルム幅(W)は950mmとした。
なお、残留溶媒量は下記の式にしたがって求めた。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを120℃で2時間乾燥させた時の質量である。
この様にしてフィルム1〜3を作製した。
上記で作製したフィルム1を鹸化処理した表面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。形成した膜に連続的にラビング処理を行った。
(配向膜塗布液の組成)
――――――――――――――――――――――――――
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
――――――――――――――――――――――――――
下記の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液を配向膜上に#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗布液の溶媒の乾燥及び棒状液晶化合物の配向熟成のために、90℃の温風で60秒間加熱した。続いて、UV照射により液晶化合物の配向を固定化し、光学異方性層Bを形成した。
光学異方性層B塗布液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶性化合物 100質量部
光重合開始剤(以下に示す例示化合物1) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のフッ素系ポリマー(D) 0.4質量部
下記の水平配向剤 0.2質量部
メチルエチルケトン 120質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Bを自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)を測定したところ、面内レターデーションRe(550)は251nmであった。また、光学異方性層B中、棒状液晶長軸のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、棒状液晶がフィルム面に対して水平に配向していることを、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHから確認した。
光学異方性層Bの形成時に利用した配向膜と同様にして配向膜を形成した。このとき、光学異方性層Bの遅相軸と直交する方向にラビング処理を行った。
下記組成の塗布液を調製した。
光学異方性層Aの組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶化合物 18質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 0.54質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.18質量部
空気界面側チルト制御剤(下記の化合物AD−22) 0.18質量部
メチルエチルケトン 57質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
同一方法でガラス基板上に形成した光学異方性層Aを自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)を測定したところ、面内レターデーションRe(550)は83nmであった。また、光学異方性層A中、棒状液晶長軸のフィルム面に対する平均傾斜角は29°であった。
上記で作製した各液晶表示装置を70℃ドライで乾燥機に170時間入れて取り出した後、全面黒表示状態にして暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。
◎:偏光板周辺にて光漏れはほとんど観察されなかった(実用上問題ない)。
○:偏光板周辺にて光漏れが観察されたが、実用上問題ない。
×:偏光板周辺にて光漏れが観察され、実用上問題ある。
評価結果を下記の表に示す。
2、3 セル基板
4、5 偏光子
6、6’、6”、6''' 光学異方性層A
7、7’ 光学異方性層B
8、8’ 光学異方性層C
10 液晶セル
12、14 光学異方性積層体
LCD1 液晶表示装置
LCD2 液晶表示装置
LCD3 液晶表示装置
LCD4 液晶表示装置
Claims (21)
- 互いの吸収軸を直交にして配置されている第1及び第2の偏光膜、
前記第1及び第2の偏光膜の間に配置される、第1及び第2のセル基板(但し、第1のセル基板が前記第1の偏光膜により近い位置に配置され、及び第2のセル基板が前記第2の偏光膜により近い位置に配置されるものとする)と、その間に配置される液晶層とを少なくとも有する捩れ配向モードの液晶セル、並びに
前記第1の偏光膜と前記液晶セルとの間、及び前記第2の偏光膜と前記液晶セルとの間にそれぞれ、少なくとも3つの光学異方性層、光学異方性層A、B及びCを有する第1及び第2の光学異方性積層体を有する液晶表示装置であって、
前記第1及び第2の光学異方性積層体のそれぞれの、前記第光学異方性層A、B及びCの配置の順序が、液晶セルを中心として対称的であり、
前記光学異方性層Aが、傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、及び波長550nmにおける面内レターデーションが0〜200nmであり、
前記光学異方性層B及びCの面内レターデーションの総和が0〜300nmであり、前記第1の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Bの面内遅相軸と前記第1の偏光膜との吸収軸が平行又は直交であり、及び前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Bの面内遅相軸と前記第2の偏光膜との吸収軸が平行又は直交であり;
前記第1の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第1のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行であり、且つ前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行又は直交である捩れ配向モード液晶表示装置。 - 液晶セル側から、光学異方性層A、光学異方性層B及び光学異方性層Cの順序で配置され、且つ前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2のセル基板における光軸とが、互いに反平行である請求項1に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、10〜85°である請求項2に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである請求項2又は3に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが−200〜300nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜300nmである請求項2〜4のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜200nmである請求項2〜5のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜300nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである請求項2〜5のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 液晶セル側から、光学異方性層A、光学異方性層B及び光学異方性層Cの順序で配置され、前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2のセル基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに直交である請求項1に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、5〜60°である請求項8に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである請求項8又は9に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜250nmである請求項8〜10のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜160nmである請求項8〜11のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜250nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである請求項8〜11のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 液晶セル側から、光学異方性層B、光学異方性層A及び光学異方性層Cの順序で配置され、前記第2の光学異方性積層体中の前記光学異方性層Aの光軸と前記液晶層の第2の基板における光軸とを同一面内に投影した軸が、互いに反平行である請求項1に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの棒状液晶の平均傾斜角が、10〜85°である請求項14に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Aの面内レターデーションが、0〜150nmである請求項14又は15に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Cの面内レターデーションが0〜300nm、及び厚み方向のレターデーションが−200〜300nmであり、並びに光学異方性層Bの面内レターデーションが0〜250nmである請求項14〜16のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 光学異方性層Bが、平均傾斜角30°以下又は75〜90°の傾斜配向状態に固定された棒状液晶を含有し、面内レターデーションが0〜200nmである請求項14〜17のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 光学異方性層Bがポリマーフィルムであり、面内レターデーションが0〜250nm及び厚み方向のレターデーションが0〜250nmである請求項14〜17のいずれか1項に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Cが、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリレート類から選択される少なくとも1種を含むフィルムからなることを特徴とする請求項5、11、又は17に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
- 前記光学異方性層Cが、延伸処理されたフィルムであることを特徴とする請求5、11、又は17に記載の捩れ配向モード液晶表示装置。
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