JP2011002155A - 塩溶融炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の成形型に一定量の溶融塩を適切に供給できるようにする。
【解決手段】 供給された粒状または粉状の塩を溶融した状態で貯留できる坩堝5と、該坩堝5を加熱する加熱手段10と、該加熱手段10によって溶融された坩堝5内部の溶融塩Sに沈降される、所定の見かけ体積に設定される被沈降体15と、該被沈降体15の沈降に伴う液位の上昇で溶融塩Sを排出できるように、坩堝5の側壁部7に形成された排出孔8とを備え、前記被沈降体15を中空に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】 供給された粒状または粉状の塩を溶融した状態で貯留できる坩堝5と、該坩堝5を加熱する加熱手段10と、該加熱手段10によって溶融された坩堝5内部の溶融塩Sに沈降される、所定の見かけ体積に設定される被沈降体15と、該被沈降体15の沈降に伴う液位の上昇で溶融塩Sを排出できるように、坩堝5の側壁部7に形成された排出孔8とを備え、前記被沈降体15を中空に形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塩を溶融させるための塩溶融炉に関し、より詳しくは、タイルや、枕、足置き等の各種成型品を塩で成形すべく、成形型に流し込む材料としての塩を溶融させる塩溶融炉に関する。
従来から、浴室の内面(床面、壁面、天井面)に塩製のパネル或いはタイル(以下、これらを総称して塩タイルということとする)を敷き詰めた塩サウナと称されるサウナ風呂が知られている。
かかる塩サウナは、浴室の内面に塩タイルを敷き詰めることで、新陳代謝を活性化させると言われている(例えば、特許文献1参照)が、浴室内が高温多湿に設定されるため、一般的に知られているサウナ風呂と同様に、利用者の体への負担が大きく、長時間に亘って利用できない(浴室内に滞在できない)といった問題がある。
そこで、本発明者は、部屋を画定する床面、壁面、天井面の全てに塩タイルを敷き詰め、その部屋内の温度を体温よりも僅かに高い温度(例えば、41℃)で且つ湿度を低湿度(例えば、45%)に設定したソルトルームを提案している。
かかるソルトルームは、これまでのサウナ風呂の常識に反し、部屋内の温度及び湿度が非常に低く設定されているため、利用者の体への負担が小さく、長時間に亘って部屋内に滞在することができる。
かかるソルトルームは、利用者が部屋内に長時間滞在できることや、塩と部屋内の温度及び湿度との調和が図れていること(塩による効能を最大限に発揮できる温度と湿度に設定されていること)等が起因し、新陳代謝の活性等が従来の塩サウナに比して非常に高まることが確認されている。
さらに、本発明者は、塩タイルの背面側に配置した光源(RGB三色のLED等)からの光をソルトルーム内に透過させることで幻想的な環境を作り出し、癒し効果等も高めたリラクゼーションシステムをさらに提案している。なお、本発明者は、リラクゼーションシステムとして、上述のような光の照射に加え、ソルトルーム内に音楽や自然の音(波の音や、小鳥のさえずり、水の流れる音など)等を流し、聴覚的にも癒し効果を高めたものも提案している。
そして、リラクゼーションシステム(ソルトルーム)は、上述の如く、利用者が部屋内に長時間に亘って滞在できるため、利用者が部屋内でリラックスした姿勢で滞在できるように、枕や、足置き、座等が設置されることがあるが、塩の効能をできるだけ多く得られるように、枕や、足置き、座等についても、塩タイルと同様に塩から形成するようにしている。
ところで、前記塩タイルや、枕、足置き、座等は、塊状の岩塩等から削り出して作製することも可能であるが、これらは大量に使用されるため量産する必要があり、岩塩から削り出して製造することは、製造作業が繁雑である上に、岩塩の無駄が発生したり、完成品の形態にバラツキが発生したりするため、量産には不向きである。
特に、天然岩塩には不純物が含まれているため、天然岩塩から削り出して塩タイルを作製すると、塩タイルの背面側に配置した光源(RGB三色のLED等)からの光をソルトルーム内に照射させたときに、光源からの光が良好に透過せず、癒し効果を高めるための演出の効果が半減してしまうといった問題がある。
このような問題に鑑み、本発明者は、塩を溶融させ、その溶融した塩を成形型に流し込んで冷却固化させて成型品(塩タイルや枕等)を製造することを提案している(例えば、特許文献2参照)。
かかる方法によれば、定型的な成形型に溶融した塩を流し込んで冷却固化させるため、成型品の形態やサイズにバラツキが少なく、また、塩の融点が非常に高温(約800℃)であることから、塩を溶融させることで、天然岩塩に含まれる不純物が消失してしまい、光透過性も良好となる。
ところで、塩の成型品を作製するに当たって塩を溶融させる必要があるため、本発明者は、塩を溶融するための溶融炉の開発に取り組んだ結果、粒状又は粉状の塩を貯留可能に構成され、下部に排出部を備えたタンク状の炉本体と、該排出部を開閉するバルブと、炉本体内を加熱するためのヒータとを備えた溶融炉について検討したが、複数の成形型に塩を供給するに当たり、溶融塩の流量をバルブによって調整しつつ供給することになるため、バルブで排出するタイミングや流量の過不足を調整するのが難しいという問題があった。
そこで、本発明は、複数の成形型に一定量の溶融塩を適切に供給することのできる塩溶融炉を提供する。
本発明に係る塩溶融炉は、供給された粒状または粉状の塩を溶融した状態で貯留できる坩堝5と、該坩堝5を加熱する加熱手段10と、該加熱手段10によって溶融された坩堝5内部の溶融塩Sに沈降される、所定の見かけ体積に設定される被沈降体15,20と、該被沈降体15,20の沈降に伴う液位の上昇で溶融塩Sを排出できるように、坩堝5の側壁部7に形成された排出孔8とを備えたことを特徴とする。
この場合、被沈降体15,20が溶融塩Sに対して沈降されて、溶融塩Sの液位Saが上昇した分、坩堝5の排出孔8から所定量の溶融塩Sが排出される。つまり、溶融塩Sを定量供給することができる。なお、ここでいう見かけ体積とは、中空、中実を問わず、外観による体積を意味する。
また、本発明によれば、前記被沈降体15を、中空に形成するようにしてもよい。
この場合、加熱手段の加熱によって、坩堝5内部の塩が液状化する過程において、内部空気の影響で、被沈降体15に浮力が作用していき、被沈降体15も上昇することになり、被沈降体15の浮き具合が、塩の溶融程度の指標になる。また、被沈降体15を溶融塩Sに対して沈降させることで、被沈降体15の見かけ体積に対応して、溶融塩Sの液位Saが上昇することになり、その分の溶融塩Sが所定量排出されるようになる。
また、本発明によれば、前記被沈降体20を、中実に形成するようにしてもよい。
この場合、被沈降体20を中実に形成することによって、被沈降体20の自身の重量で、被沈降体20を溶融塩Sに円滑に沈降させることができる。
以上のように、本発明によれば、坩堝内部の溶融塩に、所定の見かけ体積に設定される被沈降体を沈降させることで、溶融塩の液位が上昇した分を排出できるようになるため、複数の成形型に適切に定量供給することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る塩溶融炉について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、この塩溶融炉は、粒状又は粉状の塩の供給から該塩の溶融、溶融した塩の成形型への供給等の一連の工程を行うことのできる塩溶融設備の一部である。
本実施形態に係る塩溶融炉1は、図1及び図2に示す如く、供給された粒状または粉状の塩を溶融した状態で貯留できる坩堝5と、該坩堝5を加熱する加熱手段10と、該加熱手段10によって加熱されて溶融された坩堝5内部の溶融塩Sに沈降される被沈降体15と、該被沈降体15の沈降によって増加した所定量の溶融塩Sを排出できるように、坩堝5の側壁部7に形成された排出孔8とで構成されている。
坩堝5は、上面開口部6が正方形状を呈しており、側壁部7の上部に連通する排出孔8が形成されている。この排出孔8に、エルボ管9aと直管9bとで構成される排出管9が接続されている。そして、溶融塩Sの液位Saは、排出孔8の下縁部の間近に位置しており、増加した所定量の溶融塩Sを排出管9を通して迅速に外部(成形型)に排出できるようになっている。なお、図示していないが、坩堝5の周囲には、耐熱性及び断熱性を有する部材が配設されており、後述する加熱手段10のヒータ11と共に、坩堝5内部の温度が常に一定になるように構成されている。
加熱手段10は、坩堝5の側壁部7の外側に所定の間隔をおいて配設された棒状のヒータ11を有している。該ヒータ11は、坩堝5の深さ方向に沿って挿入され、坩堝5の前後左右に所定の間隔をおいて配設されている。そして、坩堝5内部に投入された粒状または粉状の塩は、ヒータ11によって加熱されて、効率よく短時間で溶融される。なお、坩堝の内側に、螺旋状または環状のヒータを側壁に沿って設けるようにしてもよい。
被沈降体15は、中空に形成され、鉛直方向に移動可能に設けられた棒16を有している。そして、被沈降体15が溶融塩Sに沈降された体積に対応して、液位Saが上昇することになる。
つぎに使用態様について説明する。まず、坩堝5に被沈降体15を内挿した状態で、粒状又は粉状の塩を投入し、投入された塩内に被沈降体15を埋設した状態にする。この状態で、坩堝5をヒータ11で加熱すると、坩堝5全体が加熱されて、溶融塩Sが生成される。この際、固形(粉末状又は粉状)の塩から溶融塩Sになるにつれて、浮力によって上昇していくことになる(図1参照)。この被沈降体15の浮き具合いが、塩の溶融状態の目安となる。
そして、複数の成形型(図示せず)に溶融塩Sを供給する場合、図2に示すように、溶融塩Sに浮いた被沈降体15に棒16を介して所定の圧力を加えて、被沈降体15を鉛直方向に押し込み、被沈降体15を溶融塩Sに沈降させる。被沈降体15が溶融塩Sに沈降された分、破線に示すように、その分液位Saが上昇し、上昇した溶融塩Sの流量が排出孔8、排出管9を通って、成形型に供給される。この際、被沈降体15が位置を維持しているから、実線に示すように、排出孔8に対する溶融塩Sの液位Saの高さの位置は変わることがない。したがって、2回目以降の供給に際しては、被沈降体15を、さらに下方に移動させて沈降させると、再度液位Saが上昇し、排出孔8から排出される。即ち、成形型毎に定量の溶融塩Sを適切に供給することができる。そして、成形型と共に、溶融塩Sを冷却すると、その溶融塩Sが結晶(固化)して成型品になる。
このようにして製造された溶融塩Sの成型品は、不純物が消失されているので、上述した塩サウナの塩パネルとして適用した場合、マイナスイオン効果や癒し効果が得られるようになる。また、塩パネルの背面側に熱光源を設置した場合は、光の透過性が良くなる。
なお、本発明の塩溶融炉は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
前記実施形態において、中空の被沈降体15を使用したが、所定重量を有する、断面が円形または非円形の柱体、または、図3に示すように、所定重量を有する球体からなる中実の被沈降体20を使用してもよい。この場合、該被沈降体20は、巻掛伝動装置(ホイスト)のチェーン21によって昇降可能に設けられている。そして、被沈降体20は、ホイストのチェーンを緩める(巻き解く)と、溶融塩Sに自重の作用で自ら沈降する。したがって、チェーンの緩める量を設定すると、所定量の溶融塩Sを適切に排出させることができる。
1…塩溶融炉、5…坩堝、6…上面開口部、7…側壁部、8…排出孔、9…排出管、9a…エルボ管、9b…直管、10…加熱手段、11…ヒータ、15…被沈降体(中空)、16…棒、20…被沈降体(中実)、21…チェーン、S…溶融塩、Sa…液位。
Claims (3)
- 供給された粒状または粉状の塩を溶融した状態で貯留できる坩堝(5)と、該坩堝(5)を加熱する加熱手段(10)と、該加熱手段(10)によって溶融された坩堝(5)内部の溶融塩(S)に沈降される、所定の見かけ体積に設定される被沈降体(15,20)と、該被沈降体(15,20)の沈降に伴う液位の上昇で溶融塩(S)を排出できるように、坩堝(5)の側壁部(7)に形成された排出孔(8)とを備えたことを特徴とする塩溶融炉。
- 前記被沈降体(15)は、中空に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塩溶融炉。
- 前記被沈降体(20)は、中実に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塩溶融炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009145369A JP2011002155A (ja) | 2009-06-18 | 2009-06-18 | 塩溶融炉 |
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JP2009145369A JP2011002155A (ja) | 2009-06-18 | 2009-06-18 | 塩溶融炉 |
Publications (1)
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JP2009145369A Withdrawn JP2011002155A (ja) | 2009-06-18 | 2009-06-18 | 塩溶融炉 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180059130A (ko) | 2016-11-25 | 2018-06-04 | 한국수력원자력 주식회사 | 균일한 용융고화체 형성을 위한 몰드 지지장치 및 균일한 용융고화체 형성방법 |
CN111929191A (zh) * | 2020-07-29 | 2020-11-13 | 南京航空航天大学 | 一种用于管式炉进行氧化动力学测量的坩埚及其使用方法 |
-
2009
- 2009-06-18 JP JP2009145369A patent/JP2011002155A/ja not_active Withdrawn
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