JP2010540485A - 抗原結合性タンパク質 - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
(ii)アミノ酸17-24中のエピトープを有するマウス抗Aβモノクローナル抗体4G8(Signet Laboratories、米国マサチューセッツ州Dedham)
(iii)β-アミロイドペプチドの外側ではあるが、ヒトAPPのN末端のアミノ酸66-81内にあるエピトープを有するマウス抗APPモノクローナル抗体22C11(Chemicon)
(iv)ヒトAPPのアミノ酸44-63のペプチドに対して生起されたヤギ抗APPポリクローナル抗体(Chemicon)。
VH3遺伝子ファミリーを起源とするヒト重鎖可変領域内の
CDRH1: DNGMA(配列番号1)
CDRH2: FISNLAYSIDYADTVTG(配列番号2)
CDRH3: GTWFAY(配列番号3)
及び
GenPept登録番号CAA51135に開示されるアミノ酸配列(配列番号24)を起源とするヒト軽鎖可変領域内の
CDRL1: RVSQSLLHSNGYTYLH(配列番号4)
CDRL2: KVSNRFS(配列番号5)
CDRL3: SQTRHVPYT(配列番号6)。
CDR: 残基
CDRH1: 31-35B
CDRH2: 50-65
CDRH3: 95-102
CDRL1: 24-34
CDRL2: 50-56
CDRL3: 89-97
・以下のVH3ファミリーメンバーのサブセットから選択されるV遺伝子:VH3-48、VH3-21、VH3-11、VH3-7、VH3-13、VH3-74、VH3-64、VH3-23、VH3-38、VH3-53、VH3-66、VH3-20、VH3-9及びVH3-43
・以下のVH3ファミリーメンバーのサブセットから選択されるV遺伝子:VH3-48、VH3-21及びVH3-11
・VH3-48遺伝子
又はそれらの対立遺伝子。
YFDYWGQGTLVTVSS (配列番号23)
[最初の4残基は、ドナー抗体より受け入れたCDRによって置換されているCDR3領域内に含まれる]
によってコードされるものを含む。
(i)
位置 残基
93 V
94 S
又は
(ii)
位置 残基
24 V
93 V
94 S
又は
(iii)
位置 残基
48 I
93 V
94 S。
1.1 インタクトな抗体
本発明の抗原結合性タンパク質は、「インタクトな抗体」でありうる。本発明の抗原結合性タンパク質としては、抗体若しくは抗原結合性フラグメント及び/又はその誘導体である、治療用抗体が含まれる。インタクトな抗体は通常、少なくとも2つの重鎖と2つの軽鎖を含む、ヘテロ多量体糖タンパク質である。IgMの他に、インタクトな抗体はおよそ150Kdaからなるヘテロ4量体糖タンパク質であり、これは2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなる。典型的に、各軽鎖は1つのジスルフィド共有結合によって重鎖に結合しているが、異なる免疫グロブリンイソタイプの重鎖間のジスルフィド結合の数は様々である。重鎖及び軽鎖のそれぞれはまた、鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は一端に1つの可変ドメイン(VH)、続いて複数の定常領域を有する。各軽鎖は1つの可変ドメイン(VL)及びその別の端に1つの定常領域を有する。軽鎖の定常領域を重鎖の第1の定常領域と並列させ、軽鎖可変ドメインを重鎖の可変ドメインと並列させる。多くの脊椎動物種に由来する抗体の軽鎖は、定常領域のアミノ酸配列に基づいてκ及びλと称される2つのタイプのいずれかに割り当てることができる。その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基いて、ヒト抗体を5つの異なるクラス(IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM)に割り当てることができる。IgG及びIgAはさらに、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4;並びにIgA1及びIgA2に細分することができる。種による変種が存在し、マウス及びラットは少なくともIgG2a及びIgG2bを有する。抗体の可変ドメインによって、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる特定の可変性を示す領域により、抗体に結合特異性を付与する。可変領域のより保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。インタクトな重鎖及び軽鎖それぞれの可変ドメインは3つのCDRで結合された4つのFRを含む。各鎖のCDRはFR領域によって接近して結合され、他の鎖に由来するCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。定常領域は抗原に対する抗体の結合に直接関与しないが、様々なエフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害活性(ADCC)、Fcγ受容体への結合を介した食作用、新生児Fc受容体(FcRn)を介した半減期/クリアランス速度及び補体カスケードのC1q成分を介した補体依存性細胞傷害活性への関与が示される。ヒトIgG2定常領域は、古典経路により補体を活性化する能力又は抗体依存性細胞傷害活性を仲介する能力を欠いている。IgG4定常領域は古典経路により補体を活性化する能力を欠き、抗体依存性細胞傷害活性をわずかに仲介するのみである。上記のエフェクター機能を実質的に欠いている抗体を、「非溶解性」抗体と称し得る。
本発明の抗原結合性タンパク質はヒト抗体でありうる。ヒト抗体は当業者に公知の複数の方法によって作製できる。ヒト抗体はヒトミエローマ又はマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞系を使用したハイブリドーマ法を使用して作製できる(Kozbor J.Immunol 133, 3001,(1984)及びBrodeur, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp51-63(Marcel Dekker Inc, 1987参照)。代替的な方法では、ヒトV領域レパートリーを利用するファージライブラリー又はトランスジェニックマウスを使用することを含む(Winter G,(1994), Annu.Rev.Immunol 12,433-455, Green LL(1999), J.Immunol.methods 231, 11-23参照)。
本発明の抗原結合性タンパク質は、「キメラ」又は「ヒト化」抗体であってもよい。ヒト疾患又は障害の治療におけるインタクトな非ヒト抗体の使用は、潜在的な免疫原性に関する、現在十分に確立された問題を伴う(特に、当該抗体の繰り返し投与時)。すなわち、患者の免疫系は非自己としてインタクトな非ヒト抗体を認識し、中和反応を開始し得る。完全なヒト抗体の開発に加えて(上記、参照)様々な手法が何年にもわたって開発されており、上記問題を克服し、通常インタクトな治療用抗体中の非ヒトアミノ酸配列からなる組成を減少させる一方で、免疫化動物(例えば、マウス、ラット又はウサギ)より非ヒト抗体を比較的容易に得ることは維持されている。概して、2つの手法を使用して、上記を達成することができる。第1はキメラ抗体であり、これは通常ヒト定常領域に融合されている非ヒト(例えば、マウスなどのげっ歯類)可変ドメインを含む。抗体の抗原結合部位は可変領域内に位置するために、キメラ抗体は抗原に対するその結合アフィニティは保持しているが、ヒト定常領域のエフェクター機能を獲得しており、上記のようなエフェクター機能を果たすことができる。キメラ抗体は通常、組換えDNA法を使用して作製する。抗体をコードするDNA(例えば、cDNA)を従来法を使用して単離し、配列決定する(例えば、本発明において有用な治療用抗体のH鎖及びL鎖の可変領域をコードする遺伝子(例えば、配列番号18及び20のDNA)に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用する)。ハイブリドーマ細胞はこのようなDNAの典型的な供給源としての機能を果たす。単離した後、当該DNAを発現ベクターに組み入れ、そしてこのベクターを大腸菌、COS細胞、CHO細胞、PerC6細胞又はミエローマ細胞など(これらは本来、抗体合成のために免疫グロブリンタンパク質を産生しない)の宿主細胞にトランスフェクトする。当該DNAをヒトL鎖及びH鎖のコード配列を対応する非ヒト(例えば、マウス)H及びL定常領域に置換することによって改変することができる(例えば、Morrison; PNAS 81, 6851 (1984)参照)。したがって、本発明の別の実施形態において、治療用抗体は、ヒト定常領域に融合されている配列番号17の配列を有するVHドメインと配列番号19の配列を有するVLドメインとを含むキメラ抗体(IgGイソタイプ、例えば、IgG1であり得る)である。
本発明の抗原結合性タンパク質は、多重特異的であってもよい。すなわち、それは1を超える抗原に結合するものであってもよい。特定の実施形態において、抗原結合性タンパク質は二重特異性抗体である。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体誘導体であり、また本発明において有用である。このような抗体の製造法は当該分野において公知である。従来的に、二重特異性抗体の組換え製造は2つの免疫グロブリン H鎖-L鎖対の共発現に基いており、ここで2つのH鎖は異なる結合特異性を有する(Millsteinら、Nature 305 537-539(1983)、WO93/08829号及びTrauneckerら、EMBO, 10, 1991, 3655-3659参照)。H鎖及びL鎖の任意の組み合わせにより、10種の異なる抗体構造からなる潜在的な混合物が作製され、この中の1つだけが所望の結合特異性を有する。代替手法は、所望される結合特異性を有する可変ドメインをヒンジ領域、CH2領域及びCH3領域の少なくとも一部を含む重鎖定常領域に融合することを含む。少なくとも1つの融合体に存在する軽鎖結合に必要な部位を含有するCH1領域を有することが好ましい。これらの融合体をコードするDNA及び必要な場合にはL鎖を別々の発現ベクターに挿入し、その後好適な宿主生物に同時トランスフェクションする。2又は3つ全ての鎖のコード配列を1つの発現ベクターに挿入することも可能である。1つの好ましい手法において、二重特異性抗体は1のアームに第1の結合特異性を有するH鎖と別のアームに第2の結合特異性を付与するH-L鎖対とからなる(WO94/04690号参照)。さらに、Sureshら、Methods in Enzymology 121, 210, 1986参照。
本発明の特定の実施形態において、治療用抗体は抗原結合性フラグメントである。このようなフラグメントは、インタクトな抗体及び/又はヒト化抗体及び/又はキメラの抗体の機能的抗原結合性フラグメントであり得る(例えば、前述の抗体のFab、Fd、Fab'、F(ab')2、Fv、ScFvフラグメント、及び免疫グロブリン単一可変ドメイン)。定常領域を欠いているフラグメントは、古典経路により補体を活性化する能力又は抗体依存性細胞傷害活性を仲介する能力を欠失している。従来的に、このようなフラグメントはインタクトな抗体のタンパク質消化、例えば、パパイン消化により作製されるが(例えば、WO 94/29348号参照)、組換え技術により形質転換した宿主細胞より直接産生することもできる。ScFvの作製については、Birdら、(1988)Science, 242, 423-426参照。さらに、抗体フラグメントは下記の様々なエンジニアリング技術を使用して作製することができる。
ヘテロコンジュゲート抗体は、本発明においても有用な誘導体である。ヘテロコンジュゲート抗体は任意の簡便な架橋法を使用して形成される2つの共有結合で結合した抗体からなる。米国特許第4,676,980号参照。
抗体のFc領域と様々なFc受容体(FcγR)との間の相互作用は、抗体のエフェクター機能(抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、補体の固定、食作用及び抗体の半減期/クリアランス)を仲介すると考えられる。治療用抗体のFc領域に対する様々な改変を、所望のエフェクター特性に応じて行うことができる。特に、a)古典経路による補体の活性化;及びb)抗体依存性細胞傷害活性の仲介といった機能を実質的に欠いているヒト定常領域は、特定の変異、例えば、234位、235位、236位、237位、297位、318位、320位及び/又は322位における変異を含有するIgG4定常領域、IgG2定常領域及びIgG1定常領域を含む(EP0307434(WO8807089号)、EP 0629 240(WO9317105号)及びWO 2004/014953号に開示される)。重鎖定常領域のCH2ドメイン内の残基235又は237(Kabat番号付け; EU Index system)における変異は別々に記載されており、FcγRI、FcγRII及びFcγRIII結合に対する結合を減少し、したがって、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を減少させる(Duncanら、Nature 1988, 332; 563-564; Lundら、J. Immunol. 1991, 147; 2657-2662; Chappelら、PNAS 1991, 88; 9036-9040; Burton and Woof, Adv. Immunol. 1992, 51;1-84; Morganら、Immunology 1995, 86; 319-324; Hezarehら、J. Virol. 2001, 75(24); 12161-12168)。さらに、いくつかの報告によると、これら残基のいくつかが補体依存性細胞傷害活性(CDC)のリクルート又は仲介に関与していることが記されている(Morganら、1995; Xuら、Cell. Immunol. 2000; 200:16-26; Hezarehら、J. Virol. 2001, 75(24); 12161-12168)。したがって、残基235及び237は共に、アラニン残基に変異する(Brettら、Immunology 1997, 91; 346-353; Bartholomewら、Immunology 1995, 85; 41-48;及びWO9958679号)ことで補体仲介による効果及びFcγR仲介による効果を共に減少させる。これらの定常領域を含む抗体を「非溶解性」抗体と称し得る。
本発明において有用な抗原結合性タンパク質、特に抗体は、ヤギ(Pollockら、(1999), J.Immunol.Methods 231:147-157参照)、ニワトリ(Morrow KJJ(2000)Genet.Eng.News 20:1-55参照)、マウス(Pollockら、ibid)又は植物(Doran PM,(2000)Curr.Opinion Biotechnol. 11, 199-204, Ma JK-C(1998), Nat.Med. 4; 601-606, Baez Jら、BioPharm(2000)13: 50-54, Stoger Eら;(2000)Plant Mol.Biol. 42:583-590参照)などのトランスジェニック生物において製造し得る。抗原結合性タンパク質、例えば抗体はまた、化学合成によっても製造し得る。しかし、本発明において有用な抗体は通常、当業者にとって周知である組換え細胞培養技術を使用して製造する。抗体をコードするポリヌクレオチドを単離し、宿主細胞におけるさらなる増殖又は発現のための複製可能なベクター(例えば、プラスミド)に挿入する。有用な発現系の1つはグルタミン酸シンテターゼ系(例えば、Lonza Biologicsより販売)である(特に宿主細胞がCHO又はNS0である場合(下記))。抗体をコードするポリヌクレオチドは、従来法(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ)を使用して容易に単離及び配列決定できる。使用し得るベクターとしては、プラスミド、ウイルス、ファージ、トランスポゾン、ミニ染色体が挙げられ、これらのプラスミドは典型的な実施形態である。通常、このようなベクターはさらに、軽鎖及び/又は重鎖ポリヌクレオチドに機能的に連結されているシグナル配列、複製起点、1又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター及び転写終結配列を含み、それによって発現を促進する。軽鎖及び重鎖をコードするポリヌクレオチドは別々のベクターに挿入して、同一の宿主細胞に同時に又は逐次的に導入(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション又は形質導入による)してもよいし、必要な場合には重鎖及び軽鎖の両方を同一のベクターに挿入し、その後上記のように導入してもよい。
本発明において有用な抗原結合性タンパク質、例えば抗体は、成熟タンパク質のN末端に特定の切断部位を有する異種シグナル配列との融合タンパク質として産生され得る。シグナル配列は宿主細胞によって認識され、プロセシングされるだろう。原核生物の宿主細胞について、シグナル配列はアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、又は熱安定性エンテロトキシン IIリーダーであり得る。酵母の分泌のための、シグナル配列は酵母インベルターゼリーダー、α因子リーダー又は酸性ホスファターゼリーダーであり得る(例えば、WO90/13646号参照)。哺乳動物細胞系において、ウイルス分泌リーダー(単純ヘルペスgDシグナル)及び天然の免疫グロブリンシグナル配列(例えば、ヒトIg重鎖)が利用可能である。通常、シグナル配列を、本発明において有用な治療用抗原結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの読み枠内にライゲートする。
複製起点は多くのグラム陰性菌に好適なpBR322、多くの酵母用の2μプラスミド及び多くの哺乳動物細胞用の様々なウイルス系(例えば、SV40,ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)と共に、当該分野において周知である。通常、SV40複製起点要素は、組み込み型の哺乳動物発現ベクターには必要ではない。しかし、SV40 oriは、初期プロモーターを含むために含まれることもある。
典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート又はテトラサイクリンに対する耐性を付与するか、(b)補体栄養要求性欠損を補足するか、又は複合培地で得ることができない栄養素を供給するか、あるいは(c)これらの組合わせであるタンパク質をコードする。選択スキームは、ベクターを含むか又は含まない宿主細胞の増殖を停止させることを含み得る。本発明において有用な治療用抗体をコードする遺伝子を用いて良好に形質転換した細胞は、例えば、同時送達された選択マーカーによって付与された薬剤耐性のために生き残る。一例はDHFR選択系であり、当該系において形質転換体はDHFR陰性宿主系で作製される(例えば、Page and Sydenham 1991 Biotechnology 9: 64-68)。当該系において、DHFR遺伝子を抗体のポリヌクレオチド配列と同時送達し、その後DHFR陽性細胞を、ヌクレオシドを取り除くことによって選択した。必要な場合には、DHFRインヒビターメトトレキサートを用いて、DHFR遺伝子増幅を伴う形質転換体を選択する。DHFR遺伝子を、治療用抗体の抗体コード配列又はその機能的誘導体に機能的に連結することによって、DHFR遺伝子増幅により、所望の目的の抗体配列の同時増幅を生じる。CHO細胞は当該DHFR/メトトレキサート選択に特に有用な細胞系であり、DHFR系を使用した宿主細胞の増殖及び選択法は当該分野において十分に確立されている(Kaufman R.J.ら、J.Mol.Biol.(1982)159, 601-621、概説についてはWerner RG, Noe W, Kopp K,Schluter M,” Appropriate mammalian expression systems for biopharmaceuticals”, Arzneimittel-Forschung. 48(8):870-80, 1998 Aug参照)。別の例はグルタミン酸シンテターゼ発現系である(Bebbingtonら、Biotechnology 1992 Vol 10 p169)。酵母において使用するための好適な選択遺伝子は、trp1遺伝子である(Stinchcombら、Nature 282, 38, 1979参照)。
抗体を発現するための好適なプロモーターを、抗原結合性タンパク質、例えば抗体をコードするDNA/ポリヌクレオチドに機能的に連結する。原核細胞の宿主に対するプロモーターとしては、phoAプロモーター、β-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン及びハイブリッドプロモーター(例えば、Tac)が挙げられる。酵母細胞での発現に好適なプロモーターとしては、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ又は他の糖分解酵素、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド3ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース6ホスフェートイソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ及びグルコキナーゼが挙げられる。誘導可能な酵母プロモーターとしては、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロムC、酸ホスファターゼ、メタロチオネイン及び窒素代謝又はマルトース/ガラクトース利用に関与する酵素が挙げられる。
必要に応じて、例えば、高等な真核生物における発現のために、さらなるエンハンサーエレメントを上記プロモーターにあることが見出されているエンハンサーエレメントに代えて、又はそれらと共に含めても良い。好適な哺乳動物エンハンサー配列としては、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、フェトプロテイン、メタロチオニン及びインスリンに由来するエンハンサーエレメントが挙げられる。あるいは、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーエレメント、例えばSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、バキュロウイルスエンハンサー又はマウスIgG2a遺伝子座(WO04/009823号参照)を使用し得る。このようなエンハンサーは通常、ベクターにおいてプロモーターの上流部位に配置されるが、他の部位、例えば、非翻訳領域内又はポリアデニル化シグナルの下流にも配置することができる。エンハンサーの選択及び配置は、発現に用いられる宿主細胞との好適な適合性に基づき得る。
真核生物の系において、ポリアデニル化シグナルは抗体をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。このようなシグナルは通常、オープンリーディングフレームの3’に配置される。哺乳動物の系において、シグナルの非限定的な例としては、成長ホルモン、伸長因子-1α及びウイルス(例えば、SV40)遺伝子又はレトロウイルスロングターミナルリピートに由来するものが挙げられる。酵母の系において、ポリアデニル化/停止シグナルの非限定的な例としては、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)及びアルコールデヒドロゲナーゼ 1(ADH)遺伝子に由来するものが挙げられる。原核生物の系において、ポリアデニル化シグナルは通常必要ではなく、その代わりに通常、短くまたより規定されたターミネーター配列を用いる。ポリアデニル化/停止配列の選択は、発現に用いられる宿主細胞との好適な適合性に基づき得る。
上記の他に、産生量を増大させるために用いられ得る他の特性としては、クロマチンリモデリングエレメント、イントロン及び宿主細胞特異的コドン改変が挙げられる。抗体のコドン使用頻度を改変し、宿主細胞のコドン偏位と適合させて転写及び/又は産生量が増大するようにし得る(例えば、Hoekema Aら、Mol Cell Biol 1987 7(8):2914-24)。コドンの選択は、発現に用いられる宿主細胞との好適な適合性に基づき得る。
抗体をコードするクローニングベクター又は発現ベクターに好適な宿主細胞は、原核細胞、酵母又は高等な真核細胞である。好適な原核細胞としては、真正細菌、例えば、腸内細菌科、エッシェリヒア(Escherichia)属、例えば大腸菌(例えば、ATCC 31,446; 31,537; 27,325)、エンテロバクター(Enterobacter)属、アーウィニア(Erwinia)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、プロテウス(Proteus)属、サルモネラ(Salmonella)属、例えばネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、セラチア(Serratia)属、例えばセラチア菌(Serratia marcescans)及びシゲラ(Shigella)属、並びにバシラス(Bacilli)属、例えば枯草菌(B. subtilis)及びB.リケニホルミス(B. licheniformis)(DD 266 710参照)、シュードモナス(Pseudomonas)属、例えば緑膿菌(P. aeruginosa)、並びにストレプトミセス(Streptomyces)属が挙げられる。酵母宿主細胞のなかでも、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(schizosaccharomyces pombe)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)(例えば、ATCC 16,045; 12,424; 24178; 56,500)、ヤロウィア(yarrowia)(EP402,226)、ピヒア・パストリス(Pichia Pastoris)(EP183,070、Pengら、J.Biotechnol. 108(2004)185-192参照)、カンジダ(Candida)、トリコデルマ・リーシア(Trichoderma reesia)(EP244,234)、ペニシリン(Penicillin)、トリポクラジウム(Tolypocladium)及びアスペルギルス(Aspergillus)宿主、例えば、A.ニデュランス(A. nidulans)及びコウジカビ(A. niger)が企図される。
治療用抗原結合性タンパク質、例えば抗体をコードするベクターを用いて形質転換した宿主細胞を当業者に公知の任意の方法で培養し得る。宿主細胞はスピナーフラスコ、振盪フラスコ、ローラーボトル、ウェーブリアクター(例えば、wavebiotech.com製のシステム 1000)又は中空糸システム中にて培養し得るが、大規模生産が好ましく、攪拌型タンクリアクター又はバッグリアクター(例えば、Wave Biotech, Somerset, New Jersey USA)を懸濁培養に特に用いる。通常、撹拌型タンカーは、例えば、スパージャー、バッフル又は低せん断インペラを使用して、吸気に適合されている。気泡塔及びエアリフトリアクターには、空気又は酸素のバブルを用いて直接吸気し得る。宿主細胞を無血清培地中で培養する場合、細胞保護剤(例えば、プルロニックF-68)を添加して吸気法による細胞の損傷を防ぐことができる。宿主細胞の特性に応じて、マイクロキャリアを足場依存性細胞株の増殖基質として用いてもよいし、細胞を一般的な懸濁培養に適合させてもよい。宿主細胞、特に脊椎動物宿主細胞の培養には、様々な方式(例えば、バッチ式、フェドバッチ式、反復バッチ式(Drapeauら、(1994)cytotechnology 15: 103-109)、長時間バッチ式、又はかん流培養を用いることができる。組換え技術により形質転換した哺乳動物の宿主細胞は血清含有培地(例えば、ウシ胎仔血清(FCS)含有培地)中で培養できるが、このような宿主細胞は必要に応じてエネルギー源(例えば、グルコース)及び合成増殖因子(例えば、組換えインスリン)を添加した、Keenら、(1995)cytotechnology17:153-163に開示されているように無血清培地中で、又は市販の培地(例えば、ProCHO-CDM若しくはUltraCHOTM(Cambrex NJ, USA))中で培養するのが好ましい。宿主細胞の無血清培養においては、これらの細胞が無血清条件での増殖に適合されていることを必要とし得る。適合法の一つは、血清含有培地中にて宿主細胞を培養し、その後80%の培地を無血清培地に繰り返し交換し、そうして宿主細胞は無血清条件に適合するようになる(例えば、Scharfenberg Kら、(1995) Animal Cell Technology: Developments towards the 21st century(Beuvery E.C.ら編), pp619-623, Kluwer Academic publishers参照)。
本発明において有用な抗原結合性タンパク質、例えば抗体の精製製剤(特に、モノクローナル製剤)は、上記のようなヒト疾患及び障害の治療に使用するための医薬組成物に含めることができる。通常、このような組成物はさらに、許容されている医薬実務に知られており、また求められるような薬学的に許容される(すなわち、不活性な)担体を含む(例えば、Remingtons Pharmaceutical Sciences, 16th ed,(1980), Mack Publishing Co参照)。このような担体の例としては、滅菌した担体、例えば、食塩水、リンゲル溶液又はデキストロース溶液が挙げられ、これは好適な緩衝剤(例えば、酢酸ナトリウム三水和物)で緩衝して薬学的に許容されるpH(例えば、5〜8の範囲内のpH)にする。注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、筋肉内門脈内による、あるいは眼への局所若しくは眼周囲適用又は眼への硝子体内注射による眼への局所送達)用又は持続注入用の医薬組成物は、目に見える粒状物質を含まないことが好ましく、1mg〜10gの治療用抗体、通常、5mg〜1g、より好ましくは5mg〜25mg又は50mgの抗体を含み得る。このような医薬組成物の調製法は当業者に周知である。一実施形態において、医薬組成物は1mg〜10gの本発明において有用な治療用抗体を単位用量剤形で、必要に応じて使用説明書と共に含んでなる。本発明において有用な医薬組成物は凍結乾燥又はフリーズドライし、当業者に周知の方法又は明らかな方法により、投与の前に再構成し得る。本発明の実施形態は、IgG1イソタイプである抗体、銅を含む金属イオンのキレート剤(クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)若しくはEDTA)又はヒスチジンを含み、医薬組成物に添加して当該イソタイプの抗体の金属を介した分解の程度を低下し得る(EP0612251参照)。医薬組成物はまた、可溶化剤(例えば、アルギニン塩基)、界面活性剤/抗凝集剤(例えば、ポリソルベート80)及びバイアル上部の酸素を置換するための不活性ガス(例えば窒素)を含む。
β-アミロイドレベル又はβ-アミロイド沈着の増大を特徴とする眼又は視神経を侵す疾患又は障害としては、加齢性黄斑変性症及び緑内障型疾患及びβ-アミロイド依存性白内障形成が挙げられると理解されるだろう。
マウスモノクローナル抗体2E7を、マウスを従来の方法で免疫化して作製した。マウスを、フロイントアジュバント中に調製した可溶性又は凝集のβ-アミロイド1-40及び1-42を用いて免疫した。アジュバントを用いることなく最後の追加免疫を行った後、脾細胞をミエローマ細胞と融合した。融合細胞を96ウェルプレートにて増殖し、これよりハイブリドーマ上清を潜在的なリードについてスクリーニングした。可溶性β-アミロイド1-40を用いた免疫により得られた選択した抗体2E7は、マウスIgG2aイソタイプであり、以下に記載するI125 β-アミロイドin vivo結合アッセイにおいてβ-アミロイド結合活性を有し、Biacore TM の方法A(i)によって測定した場合に、β-アミロイド1-40 に対して36.1 pMのアフィニティを有していた(表10A)。
β-アミロイドペプチドに対する抗体2E7の結合を精細にマッピングするために、ペプチドセット(A)を用いた。ペプチドセット(A)は、β-アミロイド1-42ペプチドの完全配列をカバーする12-merの重複ペプチド31本からなるセットから構成されていた。連続的なペプチドのそれぞれは、β-アミロイドペプチド内の連続的なアミノ酸から開始するため、カバーされる配列は連続的なペプチド間でアミノ酸が1個ずつシフトしていた。セット(A)の全てのペプチドは、3つのアミノ酸のC-末端リンカー(グリシン-セリン-グリシン)及び末端ビオチン化リシン残基を含んでいた。さらに、全てのペプチド(ただし、ペプチドAβ1 DAEFRHDSGYEVGSGK-ビオチン(配列番号15)は除く)はN-末端がアセチル化されていた。ペプチドの第2セット(セット(B))は、β-アミロイド配列のアミノ酸1〜10を含むペプチドより、C-末端のアミノ酸が1つずつ順次欠失したペプチドから構成されていた。セット(B)の全てのペプチドは、3つのアミノ酸のC-末端リンカー(グリシン-セリン-グリシン)及び末端ビオチン化リシン残基を含んでいたが、欠失したβ-アミロイドのアミノ酸の代わりにさらなるグリシン及びセリン残基を含んでいた(表2)。したがって、セット(B)のペプチドは全て同じ長さである。
96ウェルSRU BindTM ストレプトアビジンコートプレート(SRU Biosystems)を1%DMSOを含有するPBSで洗浄して、グリセロール及び保存剤を除去した。1ウェルにつき50μl量を室温まで平衡化して、一定のベースラインを得た。ビオチン化ペプチドを1%DMSO含有PBS中におよそ0.3μg/mlに希釈し、そしてそれぞれ50μlをウェルに加え、およそ1時間インキュベートした。プレートの異なる領域を使用して再現用のウェルを設け、少なくとも1つペプチドを含まないコントロールウェルを各領域に用いて、参照のためにデータを差し引いた。ペプチド捕捉の後、プレートを1%DMSO含有PBSで洗浄し、1ウェルにつき50μlの新たな緩衝液を加え、リーダーにあらたなベースラインを得た。表面よりペプチドの崩壊は見られなかった。次に、緩衝液を、試験抗体を20〜64nMで含有する緩衝液(40μl/ウェル)と2時間置き換えた。抗体2E7のみが、ペプチドセット(A)におけるβ-アミロイドペプチドのアミノ酸1〜12を含むペプチドに結合することを見出した(ペプチドAβ1、配列番号15)。この結果は、残基1のアスパラギン酸が当該ペプチドに結合するのに重要であることを示唆している。
上記実験の他に、Biacore TM 3000光学的バイオセンサーを用いて、選択したβ-アミロイド配列由来のペプチドに対する2E7抗体の結合をモニタした。結合は試験抗体を64nMまでにて5分間、別々のストレプトアビジンチップ表面上に捕捉されたペプチドに注入することによって測定した(130〜230 RU(共鳴単位))。25℃にて0.01M HEPES pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA及び0.005%Surfactant P20TMを含有するランニング緩衝液(HBS-EP)を流速20μl/分で用いた。全ての実験は、ストレプトアビジン表面なし及び注入なしに対して二重参照した。Biacore TM 分析ソフトウェアBIAevaluationTM version 4.1を用いて分析した。セット(A)の選択したペプチドの結果よりさらに、2E7がβ-アミロイドペプチドのアミノ酸1〜12を含むペプチド(配列番号15)のみにおよそ50pMの見かけの平衡定数KDで結合することを示すSRU BINDTMから得たデータを確認した。同じ条件下で、2E7は、β-アミロイドペプチドのアミノ酸2〜13を含むペプチドに結合しなかった。
β-アミロイドは、アミロイド前駆タンパク質(APP)と命名されるI型膜貫通前駆タンパク質のタンパク質分解による切断によって形成されるペプチドからなる。APPは細胞外ドメインが大きいために、当該タンパク質への結合は抗体依存性細胞傷害反応(ADCC)を潜在的に生じ得る。
HEK293T細胞を、10 %(v/v)FCS及び1x Glutamaxを含有するDMEM F12培地中に維持する。細胞を75cm2組織培養フラスコに播種し、60〜80 %コンフルエントなるまで(18〜24時間)増殖させ、その後トランスフェクションを行う。トランスフェクションについては、9μgのDNA(野生型APP DNA(PCDNA3.1ベクター(Invitrogen)中)又はベクターのみ(コントロール)のいずれか)を0.3 mlのOpti-MEMTM培地と混合する。30μlのLipofectamineTMトランスフェクション試薬を0.3mlのOpti-MEMTM培地と混合し、そして2つの混合液をプールする。プールした混合液を室温で30分間インキュベートし、その後さらに4.8 mlのOpti-MEMTM培地を加える。この最終混合液を細胞(Opti-MEMTM培地を用いて洗浄したもの)に5時間加え、その後DMEM中10%(v/v)新生児ウシ血清6 mlを加える。トランスフェクションから48時間後、上清を除去し、単層をヴェルセン中で洗浄し、その後3mlのVerseneTMキレート剤を各フラスコに加え、37℃にて5分間インキュベートし、そして遊離した細胞を200gにて5分間、ペレット化した。得られた細胞ペレットを1mlのアッセイ用緩衝液 (2%加熱処理血清、0.5%BSA、PBS pH7.4中0.1%NaN3、0.2μmフィルターによりろ過したもの)に穏やかに再懸濁し、単細胞懸濁液を作製する。
試験抗体(2E7(APPの細胞外ドメインに対するLN27(Zymed)マウスIgG:ポジティブコントロール)及び抗体G210(β-アミロイドペプチドのx-40形態を認識する:ネガティブコントロール)をポリプロピレンプレート中ろ過滅菌したアッセイ用緩衝液(2%加熱処理血清、0.5%BSA、PBS pH7.2中0.1%NaN3)中に10μg/mlに希釈し、その後さらに6回の連続1:1希釈を当該プレートで行った。アッセイ用緩衝液だけをブランクとして用いた。野生型APP DNAを用いてトランスフェクトしたHEK293T細胞の懸濁液50μl(実験1: 10,000細胞; 実験2: 20,000細胞)を96ウェルプレートの各ウェルに加え、これに5μlの各抗体溶液を二揃いのウェルに加えた。50μl/ウェルのF-MATTMブルー抗マウスIgGストック溶液(抗体はF-MATTMブルー単官能基反応色素キット(ABI製、4328408)を使用して標識されている)をアッセイ用緩衝液中に1:500(実験1)及び1:1000(実験2)希釈して、各ウェルに加え、そしてプレートを軽く振とうした後、1時間静置した。次にプレートをABI 8200 蛍光マクロ共焦点細胞検出システム(Applied Biosystems)を使用して読み取った。
上記エピトープマッピング研究より、抗体2E7がβ-アミロイドペプチドのN末端へ結合するためには、1位のアスパラギン酸残基が重要であることが示された。これは、この抗体がβ-セクレターゼ部位におけるAPPの切断により形成された「新たな」エピトープを認識することを示唆している。この観察は、抗体2E7が隣接APPペプチド配列を認識しないことを示唆している。この仮説を調べるために、APPペプチド(ペプチドAPP1,配列番号16)を合成し、これはβ-アミロイドペプチドの残基1〜7及び5つの隣接APP由来のアミノ酸を含んでいた。したがって、ペプチドAPP1は、BACE-1切断部位よりN-末端5位〜BACE-1切断部位よりC-末端7位の連続アミノ酸を含み、かつN-末端がアセチル化されていた。APP由来ペプチドAPP1及びβ-アミロイド1-12ペプチド(ペプチドAβ1)に対する抗体2E7の結合能をBiacoreTM法(エピトープマッピングについて上記される)を用いて比較した。抗体2E7はβ-アミロイドペプチドAβ-1(基本エピトープ1-7を含む)に対して高いアフィニティ結合を示した。しかし、APP1ペプチド(基本β-アミロイド由来配列1-7を含む)に対する結合は観察されなかった。
APP1 AcNH-SEVKMDAEFRHDGSGK-ビオチン 配列番号16
公開された多くの研究により、β-アミロイド抗体が血流においてβ-アミロイドペプチドと複合体を形成し得ることが示されている。末梢β-アミロイドを隔離することによって、血流中のCNS由来アミロイドのレベルが上昇することが論じられている(DeMattos RB, PNAS(2001), 98(15); 8850-8855)。従って、急性in vivoモデルを開発し、血流における合成β-アミロイドペプチドとの複合体形成能について抗体をスクリーニングした。
可変領域の配列
全RNAを2E7ハイブリドーマ細胞より抽出し、次に重鎖及び軽鎖可変ドメインcDNA配列を、逆転写及びポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって作製した。RT-PCR用の順向プライマーは、マウス免疫グロブリン遺伝子リーダー配列に特異的な縮重プライマーの混合物であり、逆向プライマーは抗体の定常領域に特異的であった(この場合、重鎖についてはマウスイソタイプIgG2a及び軽鎖についてはマウスκ)。プライマーはJones及びBendig(Bio/Technology 9:88, 1991)に記載されているストラテジーに従って設計した。RT-PCRは両V領域配列について二揃いで実施し、その後の正確なV領域配列の検証を可能とした。RT-PCRにより生成したV領域産物をクローニングし(Invitrogen TA クローニングキット)、そして配列データを得た。
EVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCAVSGFTFSDNGMAWVRQAPRKGPEWIAFISNLAYSIDYADTVTGRFTISRDNAKNTLYLEMSSLRSEDTAMYYCVSGTWFAYWGQGTLVTVSA
GAGGTGAAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTAGTGCAGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATTCACTTTCAGTGACAACGGAATGGCGTGGGTTCGACAGGCTCCAAGGAAGGGGCCTGAGTGGATAGCGTTCATTAGTAATTTGGCATATAGTATCGACTACGCAGACACTGTGACGGGCCGATTCACCATCTCTAGAGATAATGCCAAGAATACCCTGTACCTGGAAATGAGCAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCATGTACTATTGTGTAAGCGGGACCTGGTTTGCTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCA
DVVLTQTPLSLPVSLGDQASISCRVSQSLLHSNGYTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQTRHVPYTFGGGTKLEIK
GATGTTGTGCTGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGAGTTAGTCAGAGCCTTTTACACAGTAATGGATACACCTATTTACATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTTCTGCTCTCAAACTAGACATGTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
親マウスV領域を重鎖のヒトIgG1(Fc突然変異型(L235A、G237A))又は軽鎖のヒトCκ領域にグラフトしてなるキメラ2E7抗体(2E7c)を、組換え抗体材料を発現させるために作製した。当該組換え抗体材料は機能的マウスV領域の正確なクローニングを確認するために用いることができる。2E7マウス重鎖及び軽鎖V領域並びに内因性マウスシグナル配列をコードするDNAを、哺乳動物発現ベクターRLD-bshe(重鎖用)及びRLN-bshe(軽鎖用)(これらは予めヒト定常領域(それぞれ、IgG1 Fc突然変異型(L235A、G237A))又はヒトCκ)を含んでいる)にインフレームでクローニングした。
ヒトアクセプター配列(Genpept ID CAA51135(配列番号24)及びGenbankアクセッション番号 X72467)はアミノ酸レベル(CDRを含む)で77%の同一性を有し、アクセプターフレームワークとして選択した。構築物L1は2E7 VLドメイン由来のマウスCDRをこのアクセプターフレームワークへグラフトしたものである。
ヒト配列Genbankアクセッション番号 M99675(配列番号21)は、2E7マウス可変重鎖領域とアミノ酸レベル(CDR1及び2を含む)で74%の同一性を有するVH3-48遺伝子の対立遺伝子であり、これをヒトJH4ミニ遺伝子とともにヒト重鎖アクセプターフレームワークとして選択した。3つのヒト化可変重鎖変異体をM99675配列及びJH4を基に設計した。H1はKabatの定義を使用して、93位及び94位に2つのさらなるフレームワーク復帰突然変異を有する、マウスCDRを移植したものである。H2及びH3は共にH1に由来するが、1つのさらなるフレームワーク突然変異を組み込んでおり、この突然変異は各構築物で異なっていた(それぞれ、24位及び48位;表4参照)。
ヒト化V領域を重複オリゴの構築及びPCR増幅によってde novo合成した。哺乳動物発現ベクターRLD-bshe及びRLN-bsheにクローニングするための制限酵素部位、並びに選択したヒトアクセプターフレームワークに由来するヒト免疫グロブリンシグナル配列を含めた。次に、シグナル配列及び制限酵素部位と共にヒト化V領域(H1(配列番号27)、H2(配列番号29)、H3(配列番号31)、L1(配列番号33))をコードするDNAを哺乳動物発現ベクターにインフレームでクローニングした。H1、H2及びH3をRLD-bsheにクローニングして、3つの完全長ヒトIgG1 Fc突然変異重鎖をコードするDNAを作製する(それぞれ突然変異L235A及びG237Aを含む)(完全長H1(配列番号35)、完全長H2(配列番号37)及び完全長H3(配列番号39))。L1をヒトκ定常領域をコードするDNAを含むRLN-bsheにインフレームでクローニングし、完全長ヒトκ軽鎖(配列番号41)をコードするDNAを得た。
6ウェルプレートにて小規模に、CHOK1細胞をヒト化軽鎖及び重鎖DNA構築物の全組み合わせ: L1+H1、L1+H2、L1+H3(配列番号35 + 41、37 + 41、39 + 41)を用いて、一過的に形質転換した。5%超低IgG胎児ウシ血清及び2mM グルタミンを含有するDMEM F12中に継代したCHOK1細胞を6ウェルプレート中コンフルエントになるまで増殖させた。コンフルエント細胞を7.5μg DNA: Optimem Glutamax培地(Invitrogen)中30μg Transfast lipid(Promega)を用いて形質転換した。形質転換細胞を37℃にて5%CO2にてインキュベートした。72時間後、上清を回収し、抗体濃度についてアッセイし、そしてELISAによってヒトAβに対する結合について試験した。3つのヒト化重鎖と組み合わせたヒト化L1は全て、ヒトAβに結合する完全抗体を発現した。
2E7 H1L1、H2L1及びH3L1ヒト化変異体を、C末端におけるヒトAβペプチド(1-40)ビオチン化に対する結合について調べた。キメラ2E7を参照として用いた。表5〜7は、大規模な一過的なトランスフェクションに由来する精製材料の様々なバッチを用いた結果を示す。
H2L1のFabフラグメントは、H2重鎖の末端切断型形態をL1軽鎖と一緒にCHOK1細胞において発現させることにより作製した。H2重鎖の末端切断型形態は以下のとおりであった:(a)ヒンジ領域の残基224において切断された形態、(b)残基226でのヒンジ領域における第2のシステインにおいて切断された形態、及びc)224位でのヒスチジンを含むC末端6xヒスチジンタグを有する224位で切断された形態。全長H2L1 lgGの発現されたH2L1 Fabフラグメントを含む培養上清を用いてELISAを上述のように実施した。表7Aにおける2つのELISA実験からの結果は、全てのFabフラグメントが非常に近似したEC50値でAβペプチド(1-40)に結合したことを示す。
2E7cキメラ並びにヒト化抗体H1L1、H2L1及びH3L1を、ヒトAβペプチドと親マウス2E7 Mabとの結合を阻害する能力について、競合ELISAによって評価した。
ヒトβ-アミロイドペプチド(1-40)及び(1-42)に対する、組換えマウス2E7 MAb、キメラ2E7c並びにヒト化変異体H1L1、H2L1及びH3L1の結合の動力学パラメーターを、Biacore TM 3000にてBiacore TM 分析により調べた。2つの異なるアッセイフォーマットを用いた。
(i)簡単に説明すると、β-アミロイド1-40ペプチド(C末端にてビオチン化)の20共鳴単位未満を、ストレプトアビジンバイオセンサーチップ上で捕捉した(表10Aに用いられるように)。抗体をHBS-EP緩衝液中で希釈し、0.001nM〜8nMの濃度範囲でストレプトアビジン/β-アミロイド表面を通過させた(表10A)。2つを別々に実験した。各実験は新たなストレプトアビジン/β-アミロイド表面上で実施した。実験1及び2は実質的に同一であるが、用いたパラメーターにいくらか違いが存在した。実験1をチップ表面を使用して実施し、この表面上にてβ-アミロイドの16 RUを捕捉し、抗体濃度は0.001nM〜8nMを使用し、4分間の結合時間及び20分間の解離時間を50μl/分の流速で用いた。実験2については、10 RU未満のβ-アミロイドを捕捉し、0.003125nM〜8nMの抗体濃度を用いた。流速及び結合時間は実験1と同一であったが、解離時間を15分間に減らした。
第2の例において、アッセイを反対にし、抗体をまず、CM5バイオセンサーチップの抗マウスIgG ポリクローナル抗体表面(組換えマウス2E7 Mabについて)又はプロテインA表面(ヒト化H2L1について)にて1000〜2500共鳴単位のレベルに捕捉した。新たに調製したβ-アミロイド(1-40)又は(1-42)をHBS-EP緩衝液中に希釈し、4〜500nMの濃度にて捕捉抗体表面を通過させた(表10C及び10D)。
方法A(i)を用いて、β-アミロイド結合動的データにより抗体を順序付けた。得られたデータを表10Aに示す。これは親 2E7 Mabが、ストレプトアビジンで捕捉したβ-アミロイドに対して36.1 pMのKDを有することを示す。キメラマウス-ヒト抗体は45.8 pMとわずかに減少したKDを示し、ヒト化構築物は54(H2L1)〜93.6 pM(H1L1)の範囲であった。結論として、これはヒト化法が非常に良好であり、非常にわずかなアフィニティを喪失したことを示す。H2及びH3に導入したさらなる復帰突然変異はわずかであるが有効な効果を有する。しかし、H2及びH3構築物間の違いは3つの実験についての標準偏差内である。
ヒト化H2L1と親マウスモノクローナル2E7とを機能的に比較するために、上記I125β-アミロイドin vivo結合アッセイにおいて同日に両方を試験した。
マウスにおける試験抗体の最終的な半減期を調べた。試験抗体を1時間、静脈点滴により4匹のマウスに投与し、マウス1匹あたり400μg投薬した。連続的な血液サンプルを、投薬後5日間、各マウスより採取した(2E7群に由来するマウス1匹は研究を完遂せず、またH2L1群に由来する1匹は、投薬量がi.v.投与されていないことが明らかとなったので、その後の分析から取り除いた)。抗体レベルをβ-アミロイド捕捉ELISAによって測定した。
H2L1をコードし、かつ増幅可能な選択マーカー(例えば、DHFR又はグルタミンシンテターゼ)に機能的に連結されている発現ベクターを用いて、親CHO細胞株(例えば、CHODG44又はCHOK 1)をトランスフェクト又は形質導入して、大規模にモノクローナル抗体を産生するのに好適な遺伝子組換え細胞株を作製できる(概説については、Bebbington and Hentschel DNA Clonong Volume III; A practical approach(Glover Dm編)(Oxford IRL press, 1987)参照)。発現レベルを増大させるために、コード配列をシス作用配列モチーフ及び極端なGC含有量(多い又は少ない)を回避するためにコドン最適化し得る。配列番号42及び43はH2重鎖及びL1軽鎖のコード配列を例示する。大規模生産は撹拌型タンクバイオリアクター中にて動物由来成分を含まない培地を使用して、その後精製して行い得る。本方法は、得られたものの清澄化、プロテインAアフィニティクロマトグラフィー、さらにイオン(例えば、カチオン)交換及び混合型(例えば、セラミックヒドロキシアパタイト)クロマトグラフィユニットの操作を用いた精製を含み得る。ウイルス除去を行うナノろ過の後、意図する投与経路に好適に製剤化することが可能な最終的な限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を含む。
含有物 量(1mLあたり)
H2L1 50mg
酢酸ナトリウム三水和物 6.81mg
ポリソルベート 80 0.20mg
アルギニン塩基 10.00mg
塩化ナトリウム 3.00mg
エデト酸2ナトリウム二水和物 0.0186mg
塩酸 pH 5.5にするのに十分量
注射用の水 1.0mLにするために
窒素 ヘッドスペースを満たす
治療用抗体が、AMDであると臨床的に診断されたヒト患者のドルーゼンに存在するAβと結合し、潜在的にクリアランスする又は破壊することを実証するために、患者サンプルをアイバンクから得ることができ、ドルーゼンに存在するAβとの結合を、標準的な免疫組織化学法により確認することができた。眼の組織標本を採取し、死後できる限り迅速に固定を行う。組織は、「正常な」眼、並びに初期AMD、地図状萎縮(geographic atrophy)及び滲出性AMDと臨床的に診断されたドナーから得た。切片を切断し、ドルーゼンの存在、アミロイド組織化学、及びAβ存在について標準的手順により分析した。例えば、Aβは、チオフラビンT(Sigma)の使用により確認することができた。ドルーゼンにおけるAβへの治療用抗体の結合は、標準的な顕微鏡又はレーザー走査共焦点顕微鏡によりモニターすることができた。治療用抗体は、標準的手順を用いて標識し、一次抗体として使用して、固定包埋眼組織の切片を検出することができ、あるいは非標識の治療用抗体を一次抗体として使用して、標識した二次抗ヒトIgG抗体を用いて検出することもできる。陰性対照は、非特異的標識について確認するものであり、例えば一次抗体の省略、非関連一次抗体又は非免疫血清の類似濃度との置き換え、並びに不適当な二次抗体との置き換えがある。さらに、可能な場合には、RPE組織又はブルッフ膜に由来するリポフスチンの自己蛍光を可視化して、眼におけるドルーゼン構造の位置づけを補助することができる(Anderson DH et al., (2004) Exp Eye Res 78: 243-256)。
ドルーゼンにおけるAβに対する治療用抗体の結合を判定するためにELISAを実施した。眼組織ホモジネートを、上述のようにAMDを患うドルーゼンを含むドナー源から処理した。処理した眼組織をホモジネートし、上清を回収し、サンプルを標準96ウエルELISAプレートのウエルのコーティングに用いた。標準的なELISAを、治療用抗体を一次抗体(標識又は非標識のいずれか)として用いて実施した。次に、一次に対する酵素タグ付加二次抗体又はその標識に対する結合試薬を使用して、標準的なELISA比色読み取りを媒介する。タンパク質サンプル量の増大は、Aβ陽性シグナルの増大を生じるだろう。そのような実験では、同じヒト化IgG1サブクラスの同じ濃度における関連しない一次抗体を陰性として用いうる(Luibl et al (2006))。
M99675 重鎖アクセプターフレームワーク V領域, アミノ酸配列 (配列番号21)
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TGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTT
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CTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCC
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Claims (12)
- β-アミロイドレベル又はβ-アミロイド沈着の増大を特徴とする眼又は視神経を侵す疾患又は障害を患うヒト患者を治療する方法であって、前記患者に、平衡定数KDが100pM未満でβ-アミロイドペプチド1-12(配列番号15)と結合するが、β-アミロイドペプチド2-13(配列番号44)とは結合しない抗原結合性タンパク質の治療有効量を投与するステップを含み、両方の測定がストレプトアビジンチップに捕捉されたペプチドを使用する表面プラズモン共鳴アッセイで行われる、上記方法。
- β-アミロイドレベル又はβ-アミロイド沈着を特徴とする眼又は視神経を侵す疾患又は障害を患うヒト患者を治療する方法であって、前記患者に、平衡定数KDが100pM未満でβ-アミロイドペプチド1-12(配列番号15)と結合し、かつβ-アミロイドペプチド2-13(配列番号44)との結合における平衡定数KDがペプチド1-12(配列番号15)との結合における平衡定数KDより1000倍大きい抗原結合性タンパク質の治療有効量を投与するステップを含み、両方の測定がストレプトアビジンチップに捕捉されたペプチドを使用する表面プラズモン共鳴アッセイで行われる、上記方法。
- 前記抗原結合性タンパク質が、β-アミロイドペプチドに結合し、かつ以下のCDR:
VH3遺伝子ファミリーを起源とするヒト重鎖可変領域内の
CDRH1: DNGMA(配列番号1)
CDRH2: FISNLAYSIDYADTVTG(配列番号2)
CDRH3: GTWFAY(配列番号3)
及び
GenPept登録番号CAA51135に開示されるアミノ酸配列(配列番号24)を起源とするヒト軽鎖可変領域内の
CDRL1: RVSQSLLHSNGYTYLH(配列番号4)
CDRL2: KVSNRFS(配列番号5)
CDRL3: SQTRHVPYT(配列番号6)
を含む、抗体若しくは抗原結合性フラグメント及び/又はその誘導体である、請求項1又は請求項2に記載の方法。 - 前記抗原結合性タンパク質が、配列番号34、36又は38に表される配列を有する重鎖及び配列番号40に表される配列を有する軽鎖を含む抗体と、ELISAアッセイにおいてβ-アミロイドとの結合について競合する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記疾患が、加齢性黄斑変性症(AMD)、緑内障、又はβ-アミロイド依存性白内障形成である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抗原結合性タンパク質が、補体経路インヒビター又は補体経路活性化因子のインヒビターと組み合せて投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に定義される抗原結合性タンパク質と、補体経路インヒビター又は補体経路活性化因子のインヒビターとを含む医薬組成物。
- 前記補体経路インヒビターが補体因子H(CFH)である、請求項6に記載の方法又は請求項7に記載の医薬組成物。
- 前記補体経路インヒビターが可溶性補体受容体1(sCR1)である、請求項6に記載の方法又は請求項7に記載の医薬組成物。
- 前記補体経路活性化因子のインヒビターが補体因子Dインヒビターである、請求項6に記載の方法又は請求項7に記載の医薬組成物。
- β-アミロイドに対する第1の特異性と、補体経路の活性化因子に対する第2の特異性とを有する二重特異性抗体又はその二重特異性フラグメント。
- β-アミロイドレベル又はβ-アミロイド沈着の増大を特徴とする眼又は視神経を侵す疾患又は障害の治療に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に定義される抗原結合性タンパク質、又は請求項11に記載の二重特異性抗体若しくはその二重特異性フラグメント。
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