JP2010539663A - 高圧放電ランプ - Google Patents
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Abstract
高圧放電ランプは両端に細管(5)を備えたセラミック放電管を有している。その各細管内に3つの部分から構成されたブッシング(6)を有する電極装置がはめ込まれている。これらのブッシング(6)は、ピン状の前方側の第1部分(15)と、コアピン(16)とMo・コイル(17)とから成る中間部分と、ニオブピン(18)である外側部分とを有している。そのブッシングの3つの各部分は細管の内周面に対して異なった隙間を有している。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
本発明は特許請求の範囲の請求項1の前段に記載の高圧放電ランプに関する。かかる高圧放電ランプはセラミック放電管が装備されている。
電極装置がセラミック放電管の細管にはめ込まれている高圧放電ランプが特許文献1に開示されている。そこでは色温度の変化を防止するために、細管が放電管と一体に形成され、細管と放電管内室との境界縁が所定の曲率半径を有するように形成されている。しかしかかる構造は比較的経費がかかり、色温度の変化を十分には減少できない。
3分割構造でその中間部分が小さな直径にされているブッシングが特許文献2で知られている。そのW(タングステン)ピンは細管長の約3分の1に相当する長さを有している。ガラスはんだがその中間部分の全長にわたって延びている。
本発明の課題は、放電管における封入物が欠乏することをを防止し、高圧放電ランプにおける寿命期間中にわたり色温度の安定性を向上することにある。
この課題は特許請求の範囲の請求項1に記載の特徴によって解決される。
特に有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
細管が放電管から分離されていないという基本的な問題がある。放電管の封入物は電極装置と細管の内周面との間の自由空間いわゆる死空間に閉じ込められる。その結果、一方では、封入物の欠乏が生じ、他方では、放電管内室の封入物を変化させる或る種の蒸留作用が生ずる。これは点灯中および寿命期間中にわたり色温度の不安定および変動を生じさせる。従って通常、死空間を予めできるだけ小さくするか排除することが試みられている。セリウム含有封入物が利用される場合、色温度の分散は特に重大問題である。しかし、ホルミウムやジプロシウムやツリウムのような他の金属ハロゲン化物を封入する場合も、色温度分散を狭めることが望まれる。
図6は点灯時間を関数として色温度の通常の分散を示している。
本発明技術の教示における有利な封入物は、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、タリウム(Tl)およびセリウム(Cer)のヨウ化物の混合物である。その通常の成分含有率は、NaJが50〜70モル%である場合、約25〜35モル%CaJ2、1〜5モル%TlJおよび1〜5モル%Ce2J3である。
後者のハロゲン化物は緑色発光成分として色温度および光束の維持に非常に強い影響を与える。そのハロゲン化物が放電管内に非常に僅かな量しか存在しないので、放電管内におけるセリウムハロゲン化物の状態が決定的な意味を有する。その直接的結果として、液状ヨウ化セリウム成分の凝縮によって色温度の大きな分散が生ずる。各放電部(ランプバーナ)が或る温度勾配を有するので、そのような凝縮は全く避けられない。最大勾配は細管への移行部に生ずる。
その範囲で封入物ないしその各成分が気化し絶え間なく凝縮する。特に口金が上を向いている垂直放電状態において、従来の放電管構造の場合、封入物の凝縮液滴が集まり、細管の中にMoコイルにまで流入する。液滴はそこでコイルに吸引される。その理由は、コイルが細管の内周面より高温であり、このために湿り性が良くなっていることにある。そのほかに、コイルの内部において小さな空洞のために細管の内周面におけるより大きな毛細管力も作用する。これによって、ヒートパイプ作用が生じ、その場合、凝縮封入物が高温部分に再び戻され、そこで再び気化され、電極背面室で再凝縮する。そして新たに循環が始まる。他方で、Mo・コイルの利用を回避しようとすると、細管の先端における密封作用が早く低下する。
ヨウ化セリウムの蒸気圧力は温度に大きく左右される。この蒸気圧力は高温の電極背面室において細管の低温の死空間よりかなり大きい。ヨウ化セリウムの蒸気圧力従って気化した物質の量が色温度に非常に大きな影響を与えるので、ヒートパイプ作用に基づく上述した循環過程の時間的経過も色温度に大きな影響を与える。この封入物の場合、高温部分に多量の封入物が存在するとき、ヨウ化セリウムの緑色発光に基づいて色温度が上昇する。低温部分では蒸気圧力および緑色発光従って色温度も低下する。500時間にわたるこの時間的経過は図6で理解できる。図示された「スパイク」はそれがランプの点灯開始時に短時間しか生じない現象であるので無視できる。色温度は約3100K〜2800Kの範囲で変化し、即ち、300Kの範囲にわたって変化する。
この色温度の分散は従来通常の密封方式のランプで生じる。このランプは図5に応じて第1部分としてMoピン27とその上に被せられたMoコイル28とを備えたブッシング26を利用している。このブッシングの先端29はニオブ線で作られている。Moコイルに沿った隙間は約60μmである。
いまや本発明に基づいて、3つの部分から構成されたブッシングが利用されている。その場合、放電部に向いた前方側の第1部分は、Moから成るピンあるいは例えば含有率50%のMoと残りがロジウム、イリジウムとレニウムの群から選択された単一の成分あるいはそれらの組合せとである主にMoから成る合金から成るピンで構成されている。その第1部分の長さL1はブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの50〜70%である。ブッシングの中間部分として、コアピンとMoコイルとから成る集合体が利用され、ここでもコアピンは主にMoから、あるいはMoだけから成っている。その中間部分の長さはブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの約15〜30%である。それ自体公知のようにその先端にニオブピンが続いている。ニオブピンの細管内への挿入深さはブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの約20〜35%に相当している。その場合、第1部分の部位における隙間が非常に小さく最大で30μmであることが重要である。中間部分の部位における隙間は比較的大きく選定され、これは40〜80μmである。ニオブピンの部位における隙間は狭く選定されねばならず、これは25〜45μmである。
通常のガラスはんだは細管の外縁から内側に延びている。そのガラスはんだはニオブピンを完全に覆っていなければならない。ガラスはんだがMoコイルの約3〜4ターンの長さにわたり延びていることによって、確実な密封が得られる。ここでは代表的な溶着長さは1mmである。
以下図に示した複数の実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
図1はメタルハライド形高圧放電ランプ1の実施例を示している。この放電ランプは両側端が密閉されたセラミック放電管2を有している。このセラミック放電管2は細長く、両端3が密封されている。放電管の内部に2個の電極4が対向して置かれている。その密封装置は細管5として形成され、これらの細管5内にブッシング6がガラスはんだ19によって密封されている。各細管5からそれぞれブッシング6の端部が突出している。それらのブッシング6は放電側が対応した電極4に公知のように接続されている。これらの電極4はリード7および気密封止金属箔9付き圧潰密封部8を介して口金接点10に接続されている。この口金接点10は放電管を包囲する外側バルブ11の先端に位置している。
図2に70Wランプの終端部位が詳細に示されている。ここでは細管5は放電管に一体に形成されている。細管は800μmの内径DKIを有し、この内径DKIは電極装置がぴったりはまり込むように選定されている。ブッシング6は3つの部分から構成されている。その電極4に向いた前方の第1部分15は直径D1が700μmのMo(モリブデン)ピンである。その前方側に電極4の軸部が固定されている。そのピン15に外側に向けてMoコアピン16とその上に被せられたMoコイル17から成る集合体が続き、そのMoコイル17の外径D2は680μmであり、長さL2は2.5mmである。この集合体に直径730μmのニオブピン18が続いている。その細管への挿入深さL3は2.6mmである。全般的にL2とL3はほぼ同じ大きさにし、合計してブッシングの細管内に存在する部位の全長LGの約30〜50%の大きさである。
ガラスはんだ19は細管の先端外側に設けられ、ガラスはんだ19がニオブピン18の挿入部分全体とMoコイル17の小部分を覆うほどに内側に浸透して延びている。ガラスはんだ19はMoコイル17の約3〜5ターンを代表的には1mmの軸長で覆っている。
ブッシングの第1部分15の範囲における細管に対する隙間は、細管への封入物の侵入を防止するに足るように十分小さくされている。この隙間の幅は代表的には15μmである。これはヒートパイプ作用を阻止するに足るように十分に小さい。さらに非常に迅速に平衡になる。他方で、Moコイル上におけるガラスはんだの短い密封距離は、ガラスはんだにおける亀裂が漏れを生じさせることを防止する。
図3はかかるランプの色温度変動を示している。色温度Tnはいまや約100Kの範囲だけで変化する。ここでもまたスパイクは無視できる。図3は色温度が2660Kないし2700Kの二種類の選択された封入物における状態を示している。その一方の封入物(1)の色温度はほぼ2660Kと2770Kとの間で変動し、他方の封入物(2)の色温度はほぼ2550Kと2630Kとの間で変動する。
図4はブッシング6の特に有利な実施例を示し、このブッシング6の場合、第1部分15における第2部分16の側の先端に狭い熱流を停滞させる溝25が設けられている。その溝25の切込み深さの典型的な大きさは50〜100μmである。これによって、中実の第1部分に沿った熱流束が減少され、これにより、ガラスはんだ基の密封装置の負荷が減少される。好適には、その周溝はMoピン15の後方3分の1の部位に配置される。
ガラスはんだとしては、公知のガラスはんだ(例えば特許文献3参照)が適している。
放電管における封入物としては、公知のあらゆる金属ハロゲン化物が適している。しかしこの物質系はセリウムのハロゲン化物を含む封入物系に対して特に適用される。例えば特許文献4、特許文献5および特許文献6におけるような封入物も利用できる。
ニオブの代わりに、特許文献2に記載されているような他のニオブ類似材料も利用できる。
5 細管
6 ブッシング
15 第1部分
16 コアピン
17 Moコイル
18 ニオブピン
DK1 細管の内径
D2 ブッシング中間部分の直径
LG ブッシングの細管内に位置する部位の全長
L1 ブッシングの第1部分の長さ
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Claims (4)
- 金属ハロゲン化物が封入された細長いセラミック放電管を備え、該セラミック放電管の両端においてそれぞれ電極が所定の内径DKIを有する細管内にブッシングによって密封され、該ブッシングが3つの部分から構成されている高圧放電ランプであって、
前記ブッシングが前方側の第1部分としての主にMo(モリブデン)から成るピンと、主にMoから成るコアピンと該コアピンに被せられたMoコイルとから成る中間部分と、後方側に位置するニオブピンとから成り、前記第1部分の外周面と細管の内周面との間に最大20μmの隙間が空けられ、その第1部分の長さL1がブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの50〜70%であり、前記中間部分の外周面と細管の内周面との間に40〜80μmの隙間が空けられ、その中間部分の長さL2がブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの15〜30%であり、前記ニオブピンの外周面と細管の内周面との間に25〜45μmの隙間が空けられ、ニオブピンの細管内に位置する部位の長さL3がブッシングの細管内に位置する部位の全長LGの約20〜35%であり、前記ブッシングが、外側からMoコイルの数ターンにわたってガラスはんだによって覆われていることを特徴とする高圧放電ランプ。 - 前方側のMoピンが、ブッシングの中間部分側に、周方向に形成された溝を有していることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
- 封入物が、セリウムのハロゲン化物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
- 放電管と細管が、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
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